JP4311978B2 - 超音波処置具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動を利用して生体組織の切開や凝固等の外科的処理を行う超音波処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の超音波処置具には、先端を鋏型とし、電気信号を超音波振動に変換する素子を組み込んだ振動子と、振動子に接続されて超音波振動を伝達するプローブと、先端処置部位を除いてプローブを覆うシースとを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この超音波処置具は、先端に、プローブと共に生体組織を鋏状に把持するジョーが回動自在に設けられ、手元側に設けられたハンドルなどの操作手段によってこのジョーを操作することができる。この手元側のハンドルとジョーとの間には操作軸を延設してあり、ハンドルを操作して操作軸を進退させることにより、ジョーが回動される。これにより、ジョーとプローブとの間で生体組織を把持し、切開や凝固等の必要とする処置を行うことができる。また、凝固や切開等の処置を行う際に組織が付着するのを防ぎ、更に、プローブの耐摩耗性を向上させるため、プローブとこれに対向するジョーの部分とには、PTFE等の樹脂製把持部材が取付けられている。この鋏型超音波処置具は、血管を含む組織を出血することなく切除することができるため、安全にかつ素早く手術を進行することができる。
【0004】
また、パイプ状のプローブを用いることで超音波吸引機能も付加された鋏型超音波処置具が提案されている(例えば特許文献2参照)。
この超音波処置具における超音波吸引機能は組織選択性があり、血管を露出することが可能である。
更に、このような超音波吸引機能を使用する際にハンドルを取外すことを可能とすることにより、使い勝手を向上させた鋏型超音波処置具も開発されている(例えば特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−197640号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−23994
【0007】
【特許文献3】
特開2000−249
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】
上述の特許文献1に記載の鋏型超音波処置具によれば、血管を含む組織を出血することなく切除することができるため、術者が安全にかつ素早く手術を進行することができるが、しかし、止血できる血管の大きさには限界があるため、特に、太い血管などに対してはしっかりと血管を露出をしたいという要望もある。
一方、特許文献2に記載の超音波処置具は、その超音波吸引機能の組織選択性により、血管を露出することが可能であるが、しかし、ジョーがあるため特にジョーを開いた状態では狭い部位に入り込んで細かい処置を行うことが困難である。また、特許文献3に記載の超音波処置具は、超音波吸引機能を使用する場合にハンドルを取外すことが可能であるが、しかし、術中にハンドルを取外す等の術者にとって面倒な作業を課することになる。
【0009】
特に、上述のような従来の鋏型超音波処置具では、超音波吸引機能を使用する場合に、ジョーが視野を妨げたり、あるいは、正常な生体組織に接触する可能性がある。また、超音波吸引機能のみでなく、鋏型超音波処置具のプローブの先端で細かい処置を行いたいという要望もある。この場合もジョーが邪魔になるという現象が発生する。また、ジョーが邪魔にならないようにジョーに閉じた状態、つまり、把持部材とプローブがしっかりと接触した状態で処置を行うと把持部材の摩耗が進み、把持部材の寿命が短くなる。
【0010】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたもので、鋏型の超音波処置具を使用する手術において、従来の鋏型の機能とは別に血管の露出など細かい処置をスムーズに行うことができる超音波処置具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、超音波振動を伝達するプローブをハンドル部に保持し、前記プローブの先端部と、前記ハンドル部で操作する把持部材を操作して前記プローブの先端部と前記把持部材との間で組織を把持し、前記プローブから伝達される超音波振動により前記組織を処置する超音波処置具であって、前記プローブの先端部の配置位置を、前記プローブの先端で処置が行えるように、前記把持部材より更に突出するように調整可能とする位置調節手段を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、超音波振動を伝達するプローブをハンドル部に保持し、前記プローブの先端部と、前記ハンドル部で操作する把持部材との間で組織を把持し、前記プローブから伝達される超音波振動により前記組織を処置する超音波処置具であって、前記プローブの先端部の配置位置を、前記把持部材との間で組織を把持する第1の処置位置と、前記プローブの先端部を前記把持部材よりも先端側へ突き出して前記プローブの先端部により処置する第2の処置位置とを選択可能とする位置調節手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記プローブの先端部が、前記把持部材よりも突出した位置に配置されたときに、前記把持部材と前記プローブとの間に配置されて閉じ位置の把持部材とプローブとの接触を防止する接触防止手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波処置具である。
請求項4の発明は、前記接触防止手段が前記プローブの先端付近部分を覆うことが可能な保護部材であって、前記プローブの先端部分が前記保護部材から露出する露出長さを調整できるように、前記保護部材の先端位置を前記プローブの先端部に対して相対的に調整可能としたことを特徴とする請求項3に記載の超音波処置具である。
【0012】
この超音波処置具は、位置調節手段を操作することにより、ハンドル部に設けた把持部材に対するプローブの先端部の配置位置を調節し、このプローブの先端部と把持部材との間で生体組織を鋏状に把持して所要の処置を行い、更に、プローブの先端部を把持部材よりも突出させてこのプローブの先端部で細かい処置を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1から図5は、本発明の第1の実施形態による鋏型超音波処置具1を示す。
図1および図2に示すように、本実施形態の鋏型超音波処置具1は、超音波振動子を収容するケーシング2と、このケーシング2に連結されかつこれから延びる細長いプローブ3と、このケーシング2を連結するハンドル部4と、プローブ3と周囲の部材との接触を防止する保護部材5とを備え、これらの部材は互いに着脱自在に形成してある。
【0014】
この鋏型超音波処置具1は、基端側に位置するケーシング2内に、超音波振動子を収容する。この超音波振動子は、図示しない外部の電源から供給される電気エネルギを振動エネルギに変換して超音波振動を発生し、通常と同様にホーンを介して増幅された超音波振動を、プローブ3に伝達する。この超音波振動を伝達するプローブ3は、この超音波振動子と一体化されたホーンの先端側接続部に、その基端部を例えばねじで締結され、先端部のブレード13を超音波振動させることにより、所要の生体組織に摩擦熱を発生させ、凝固・切開することができる。
【0015】
この超音波振動するプローブ3と周囲の部材との接触するのを防止する保護部材5は、プローブ3を内部に挿通してこの側部の周囲を覆う保護シース6と、この保護シース6をケーシング2の先端部に着脱可能に接続する接続部7とから構成されている。この保護シース6は、プローブ3および保護部材5をケーシング2に組立てたときに、プローブ3の先端部に設けたブレード13の部分だけを突出させ、凝固・切開に供する部位以外の部分を覆う長さを有する筒状部材として形成するのが好ましい。なお、保護シース6は、後述するようにジョー9および噛合部材10とプローブ3との接触防止手段として作用する少なくともその先端部14(図4参照)を、摩擦熱の発生を軽減でき、更に耐熱性に優れたフッ素樹脂で形成するのが好ましい。また、強度を増大させるために、ブレード13との接触面である保護シース6の内面側を低摩擦部材で形成し、外面側を金属で形成することも可能である。
【0016】
ケーシング2が取付けられるハンドル部4は、略円筒状の外形を有する本体部4aを備え、先端からシース8が突出する。このシース8には、保護部材5の保護シース6が挿通され、この保護シース6に挿通したプローブ3の先端部すなわちブレード13を、この先端開口から突出させることができる。また、このシース8の先端部には、後述するようにブレード13と共に生体組織を把持する把持部材としてのジョー9が回動自在に設けられており、このジョー9のブレード13側には生体組織に直接接触する噛合部材10が、このジョー9に取付けられている。この噛合部材10は、ジョー9と反対側すなわちプローブ3の先端部と対向する側に多数の歯(図3参照)を形成してあり、生体組織の所要部位を確実に把持することができる。この噛合部材10は、例えばPTFE等の樹脂で形成することができる。
【0017】
また、本体部4aには、移動不能の固定操作部11aと回動自在の可動操作部11bとを設けてあり、これらの操作部11a,11bの先端にはリング状の指掛け部を形成してある。可動操作部11bは、例えばロッドあるいはワイヤ等の図示しない連結部材を介してジョー9に連結されている。この可動操作部11bを固定操作部11aに対して移動することにより、プローブ3と共に生体組織の所要部位を挟み込む位置と、プローブ3から離隔した位置との間で、ジョー9および噛合部材10を回動させることができる。
【0018】
更に、本体部4aの基端側には、上述のケーシング2を接続する接続部12を形成してあり、この接続部12を介してケーシング2の先端部を着脱可能に接続することができる。本実施形態では、この接続部12は、位置調節手段として形成してあり、ケーシング2を少なくとも2つの配置位置で保持し、シース8の先端開口から突出するプローブ3の先端部の長さを調節することができる。通常位置である第1の位置では、図3に示すように、プローブ3の先端部に設けられたブレード13が、ジョー9あるいはこれに取付けられた噛合部材10に対応した位置に配置される。また、押込み位置である第2の位置では、図4の(A)および(B)に示すように、ブレード13がジョー9よりも更に先端側に突出する。
【0019】
この超音波処置具1を使用する場合は、ケーシング2にプローブ3を接続し、保護部材5の保護シース6にプローブ3を挿入させ、接続部7を介して保護部材5をケーシング2の先端部に取付ける。この後、ハンドル部4のシース8にプローブ3および保護シース6を挿通させ、本体部4aの基端側に配置した接続部12を介してケーシング2をこのンドル部4に取付け、図1に示す状態に組立てる。
【0020】
このように組立てられた超音波処置具1は、位置調節手段を操作することすなわち接続部12でハンドル部4に対するケーシング2の配置位置を変更することができる。すなわち、ハンドル部4に設けたジョー9および噛合部材10に対応した配置位置にブレード13を調節し、このブレード13と噛合部材10との間で生体組織を鋏状に把持して所要の処置を行うことができる。更に、ブレード13を噛合部材10よりも長く突出させ、このブレード13で細かい処置を行うことができる。
【0021】
具体的には、図3に示すように、接続部12がケーシング2を第1の位置で保持する場合には、ブレード13が、シース8の先端開口から、ジョー9および噛合部材10に対応した位置に突出し、ジョー9および噛合部材10と対峙する。この状態で可動操作部11bを移動操作し、ジョー9および噛合部材10とブレード13との間に所要の生体組織を挟み込み、凝固・切除することができる。
【0022】
また、細かい処置を行う場合には、ケーシング2をハンドル部4に対して前方に押込み、図4の(A)および(B)に示す第2の位置に配置する。保護部材5がプローブ3に対する配置位置を固定されているため、プローブ3と共に保護シース6も先端側に移動し、このハンドル部4のシース8の先端開口から、保護シース6の先端部14が突出する。この保護シース6の先端部14が突出する長さは、ブレード13とほぼ同じであり、したがってジョー9および噛合部材10の長さともほぼ同じである。なお、ケーシング2をハンドル部4に対して移動する際は、可動操作部11bを操作し、図4の(A)に示すようにジョー9および噛合部材10をプローブ3から離隔させた位置に配置し、保護シース6の先端部14が噛合部材10の歯に引っ掛かるのを防止することが好ましい。
【0023】
このようにプローブ3のブレード13および保護シース6の先端部14を、シース8の先端開口から突出させた後、図4の(B)に示すようにジョー9および噛合部材10を閉じる。噛合部材10は保護シース6の先端部14と接触し、ブレード13とは接触せず、したがって、噛合部材10がブレード13と摩擦係合することもない。保護シース6の先端部14は、ジョー9および噛合部材10とプローブ3との接触を防止する接触防止手段を形成する。また、ジョー9および噛合部材10が閉じて保護シース6の先端部14に接触した状態にあるため、細かい処置を行う際に、これらのジョー9および噛合部材10が術者の視界を阻害することもない。
【0024】
この実施形態の超音波処置具1では、ハンドル部4に対してケーシング2を押込み、第1の位置から第2の位置に移動し、ジョー9および噛合部材10を保護シース6の先端部14上に閉じると、ブレード13がジョー9に対して突出した位置に配置され、シース8の先端側の径が小さくなる。これにより、手技に好適な広い視野を確保すると共に、ブレード13を介して微細な処置を行うことが可能となる。ジョー9を閉じた状態であっても、噛合部材10が保護シース6の先端部14と接触するため、高速で振動しているブレード13とは接触しない。そのため、噛合部材10の磨耗又は摩擦熱による溶融等が発生することもない。術者はこの超音波処置具1を他の形式の処置具と交換することなく、鋏型の超音波処置具及び棒状の超音波処置具として、それぞれの機能を必要に応じて使い分けることが可能となる。
【0025】
したがって、この超音波処置具1によると、鋏型の超音波処置具を使用する手術において、従来の鋏型の機能とは別に血管の露出など細かい処置をスムーズに行うことができる。
【0026】
なお、中実の棒状構造のプローブ3を用いることに代え、内部に吸引路を形成したパイプ状のプローブと共に、内部に吸引路を形成した振動子を有するケーシング2を使用することにより、超音波吸引機能を同様に使用することが可能となる。
【0027】
図5は第2の実施形態による鋏型超音波処置具1Aを示す。なお、以下に示す種々の実施形態は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、本実施形態では、ケーシング2の先端付近から突起15が突出する。一方、ハンドル部4の本体部4aには、接続部12として、突起15を係止可能なクランク溝16が形成されている。このクランク溝16は、本体部4aの軸方向に沿って延びかつ基端側で開口する軸方向溝部16aと、この軸方向溝部16aに連通しかつ周方向に延びる2つの係止溝部16b,16cとで形成してある。ケーシング2の突起15をこの軸方向溝部16aに沿って移動し、基端側の係止溝部16bに嵌合させることにより第1の位置に保持し、先端側の係止溝16cに嵌合させることにより第2の位置に保持することができる。これらの係止溝16b,16cは、プローブ3を所定位置に保持する保持手段として作用する。
【0029】
なお、係止溝部16b,16cは、突起15を係止して保持することができるものであれば、軸方向溝16aに対して傾斜させてもよく、また、軸方向溝部16aの両側に配置してもよい。更に、このような係止溝部は2つに限らず、3つ以上であってもよい。先端側の係止溝部16cは、軸方向溝部16aの先端部でこの軸方向溝部16aと連通することが好ましい。
【0030】
この鋏型超音波処置具1Aは、突起15を基端側の係止溝部16bに嵌合させることにより、ケーシング2を第1の位置に保持し、通常の鋏型超音波処置具として使用することができる。また、細かい処置を行う場合は、ケーシング2を回転して係止溝部16bから突起15を抜き出し、先端側の係止溝部16cに嵌合させる。これにより、ケーシング2が第2の位置で保持され、ブレード13が図4に示す状態に突出する。
【0031】
この実施形態による鋏型超音波処置具1Aによれば、ケーシング2の突起15が係止溝部16b,16cに嵌合することにより、それぞれ第1および第2の位置で軸方向に移動しないように確実に固定された状態で保持される。また、先端側の係止溝部16cが、軸方向溝部16aとその先端部で連通する場合には、ケーシング2を先端側に移動したときに、確実に第2の位置に配置され、ブレード13が必要以上に突出するのを防止することができる。
【0032】
図6および図7は、第3の実施形態による鋏型超音波処置具1Bを示す。
この実施形態では、ハンドル部4の接続部12として、本体部4aに軸方向溝17が設けられ、ケーシング2には、この軸方向溝17を通して外方に突出するノブ18が設けられている。また、本体部4a内には、ケーシング2を基端側に付勢して初期位置に復帰させる復帰手段としてのばね19と、このばね19の付勢力に抗して先端側の第2の位置に移動したケーシング2を係止する係止片すなわち止め部材(図示しない)とが設けられている。この止め部材は、本体部4aの外側に露出するリリースボタン20と係合しており、このリリースボタン20を押すと、本体部4a内の止め部材がケーシング2の係止を解除することができる。
【0033】
なお、ノブ18は、ケーシング2を図6に示す状態に組立てた後に軸方向溝17を介して取付ける外付け構造に形成し、あるいは、予めケーシング2に突没自在に取付け、軸方向溝17と整合したときにこの軸方向溝17から外方に突出する構造等、必要に応じて適宜の構造に形成することが可能である。また、ノブ18から側方に突片18aを突出させ、この突片18aを介してノブ18を締めこむことで、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置に保持させることも可能である。
【0034】
この鋏型超音波処置具1Bは、ケーシング2が図6に示す第1の位置にあるときは、上述のように、操作部11a,11bを操作することで通常の鋏型超音波処置具として使用することができる。そして、細かい処置を必要とする場合は、ノブ19を指で先端側に押圧する。規定のプローブ突出量になると、本体部4aに設けた止め部材がケーシング2を係止し、第2の位置に保持される。
【0035】
再度通常処置を行う場合は、リリースボタン20を押す。図示しない止め部材がケーシング2の係止を解除し、ケーシング2はばね19の付勢力により、基端側に移動され、再度、第1の位置に配置される。
【0036】
この実施形態の鋏型超音波処置具1Bによると、通常使用を行っている術者が細かい処置を行いたい場合、ハンドルを操作している手でノブ18を前方に移動させ、所定の位置でロックすることができる。また、再び、通常使用に戻る場合は、リリースボタン20を押すことにより瞬時に通常使用状態に戻すことができる。したがって、術者が片手だけで、鋏型超音波処置具としてあるいは棒状の超音波処置具として、状況に応じて自由に使い分けることができ、操作性が向上する。
【0037】
図8および図9は、第4の実施形態による鋏型超音波処置具1Cを示す。
本実施形態は、保護部材5すなわち保護シース6がプローブ3に対する配置位置を調節可能に形成されている点で上述の実施形態と相違する。
図9に示すように、組立てた状態において、保護部材5の基端側に設けられている接続部7は、ハンドル部4の本体部4aから基端側に突出し、外部に露出する。
【0038】
この実施形態では、プローブ3を先端側に移動している状態において、保護部材5の接続部7を前方に移動することにより、保護シース6の先端部14をジョー9よりも前方に移動させることができる。
【0039】
これにより、ブレード13のできるだけ多くの部分を保護シース6で覆うことが可能となり、振動エネルギー供給部が限定され、正常組織への不意の接触などによる正常組織の焼けなどを防止することができる。また、例えば、プローブ3に高周波を流す場合、保護部材5を前方に移動することにより不必要な高周波エネルギー供給部を減らすことが可能となる。この場合、保護シース6は樹脂などの絶縁部材で製作するのが好ましい。
【0040】
図10は、第5の実施形態による超音波処置具の先端部を示す。
この実施形態の超音波処置具は、プローブ3の形状が上述の実施形態と相違する。
本実施形態のプローブ3は内部に吸引路21を持つパイプ状構造を有する。また、保護シース6とプローブ3との間隙に送水路22が設けられている。吸引路21は図示しないケーシング2の吸引路を通して図示しない外部の吸引手段に連結される。また、送水路22は図示しない外部の送水手段に連結される。
【0041】
この超音波処置具は、図10に示すようにプローブ3を先端側に移動した状態で超音波を出力すると、超音波吸引機能により組織が吸引路21から吸引される。また、超音波吸引に必要な送水液は送水路22から供給することができる。
【0042】
この超音波処置具によると、保護シース6の先端部14がブレード13の先端部の近部まで前方に配置されるため、送水液を超音波振動することによる超音波噴霧が最小限となる。
【0043】
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、例えば第5の実施形態におけるプローブ3を上述の第1から第4の実施形態に組合せる等、種々の実施形態を適宜に組合せることが可能なことは明らかであり、更に、少なくとも以下に示す特徴事項が得られる。
<付記項>
1) 超音波振動を利用した外科手術用超音波処置具において、
超音波振動を伝達するプローブとの間で組織を把持するための把持部材を有し、
上記把持部材に対してプローブが前方に移動することが可能な移動手段があることを特徴とする超音波処置具。
【0044】
2) 付記項1において
プローブが移動した時、把持部材とプローブとの間に把持部材とプローブの接触防止手段があることを特徴とする超音波処置具。
【0045】
3) 付記項2において、
前記接触防止手段はプローブとの位置関係が固定されている筒状部材であることを特徴とする超音波処置具。
【0046】
4) 付記項2において、
前記接触防止手段はプローブとの位置関係が相対的に移動可能な筒状部材であることを特徴とする超音波処置具。
【0047】
5) 付記項1において、
プローブを任意の位置に固定する固定手段があることを特徴とする超音波処置具。
【0048】
6) 付記項1において、
プローブが移動した位置から最初の位置に瞬時に戻すためのリリースボタンがあることを特徴とする超音波処置具。
【0049】
7) 超音波振動を伝達するプローブをハンドル部に保持し、このハンドル部に設けた把持部材を操作して前記プローブの先端部と把持部材との間で組織を把持し、前記プローブから伝達される超音波振動により組織を処置する超音波処置具であって、
前記プローブの先端部の配置位置を、把持部材に対して調節可能とする位置調節手段を備えたことを特徴とする超音波処置具。
【0050】
8) 前記プローブの先端部が、把持部材よりも突出した位置に配置されたときに、把持部材とプローブとの間に配置されてこれらの把持部材とプローブとの接触を防止する接触防止手段を有することを特徴とする付記項7に記載の超音波処置具。
【0051】
9) 前記接触防止手段は、プローブに対する配置位置を固定された筒状部材で形成されることを特徴とする付記項8に記載の超音波処置具。
【0052】
10) 前記接触防止手段は、プローブに対する配置位置を調節可能な筒状部材で形成されることを特徴とする付記項8に記載の超音波処置具。
【0053】
11) 前記位置調節手段は、プローブを把持部材に対して所定位置に保持する保持手段を有することを特徴とする付記項7に記載の超音波処置具。
【0054】
12) 前記位置調節手段は、初期位置から移動したプローブを初期位置に復帰させる復帰手段を有することを特徴とする付記項7から11のいずれか1つに記載の超音波処置具。
【0055】
13) 前記筒状部材とプローブとの間に形成された送水路を有することを特徴とする付記項10に記載の超音波処置具。
【0056】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、鋏型の超音波処置具を使用する手術において、従来の鋏型の機能とは別に血管の露出など細かい処置をスムーズに行うことができる超音波処置具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による超音波処置具の全体構造を示す概略図。
【図2】図1の超音波処置具の各部材を示す分解図。
【図3】図1の超音波処置具の先端部の作動を示す説明図。
【図4】図1の超音波処置具のプローブを突出した状態を示し、(A)はジョーを開いた状態、(B)はジョーを閉じた状態で示す説明図。
【図5】第2の実施形態による超音波処置具を示し、(A)は組立てた状態の説明図、(B)はケーシング部の先端部の詳細を示す斜視図。
【図6】第3の実施形態による超音波処置具の概略的な側面図。
【図7】図6の超音波処置具のハンドル部の内部を示す概略的な部分断面図。
【図8】第4の実施形態による超音波処置具の先端部を、保護シースの移動後の状態で示す説明図。
【図9】第4の実施形態による超音波処置具の全体構造を示す部分断面図。
【図10】第5の実施形態による超音波処置具の先端部の詳細を示す説明図。
【符号の説明】
1…鋏型超音波処置具、3…プローブ、4…ハンドル部、9…ジョー、13…ブレード。
Claims (4)
- 超音波振動を伝達するプローブをハンドル部に保持し、前記プローブの先端部と、前記ハンドル部で操作する把持部材を操作して前記プローブの先端部と前記把持部材との間で組織を把持し、前記プローブから伝達される超音波振動により前記組織を処置する超音波処置具であって、
前記プローブの先端部の配置位置を、前記プローブの先端で処置が行えるように、前記把持部材より更に突出するように調整可能とする位置調節手段を備えたことを特徴とする超音波処置具。 - 超音波振動を伝達するプローブをハンドル部に保持し、前記プローブの先端部と、前記ハンドル部で操作する把持部材との間で組織を把持し、前記プローブから伝達される超音波振動により前記組織を処置する超音波処置具であって、
前記プローブの先端部の配置位置を、前記把持部材との間で組織を把持する第1の処置位置と、前記プローブの先端部を前記把持部材よりも先端側へ突き出して前記プローブの先端部により処置する第2の処置位置とを選択可能とする位置調節手段を備えたことを特徴とする超音波処置具。 - 前記プローブの先端部が、前記把持部材よりも突出した位置に配置されたときに、前記把持部材と前記プローブとの間に配置されて閉じ位置の把持部材とプローブとの接触を防止する接触防止手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波処置具。
- 前記接触防止手段が前記プローブの先端付近部分を覆うことが可能な保護部材であって、前記プローブの先端部分が前記保護部材から露出する露出長さを調整できるように、前記保護部材の先端位置を前記プローブの先端部に対して相対的に調整可能としたことを特徴とする請求項3に記載の超音波処置具。
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