以下、本発明を詳細に説明する。
血液は、血球(有形)成分と、血漿(液体)成分とに大別され、血球成分の割合が約40〜45%、血漿成分が約55〜60%である。血球成分において、赤血球が約96%を占め、約4%が白血球と血小板である。サイズは、赤血球が直径約7〜8μm、白血球が約12〜14μm、血小板が約3μmである。
本発明に係る血液測定方法は、一端部に流入口を有し、他端部に流出口を有する窪みを複数配置し、且つこの窪み相互を区画する壁部に、窪み相互を連通する微小な溝を有してなる第1の基板と前記第1の基板の表面に接合ないし圧着される平面を有する第2の基板とからなり、前記第1の基板と第2の基板の接合部ないし圧着部に前記窪み及び溝によって形成される空間を流路として使用する樹脂製マイクロチャネルアレイによって適切に行える。
溝によって形成された流路による、血液測定について説明する。白血球の活性は、遊走、食作用、生理活性物質の分泌等の諸反応を総合したものであり、しかも、いずれの反応にも細胞内の収縮蛋白質の収縮、運動が関与している。一方白血球の流路閉塞を含めた能動的あるいは受動的流路通過能は細胞内の収縮蛋白質の収縮、運動状態によって著しく変化する。従って、白血球の能動的あるいは受動的流路通過能あるいは流路閉塞は白血球の活性度の適切な指標となる。
血小板の凝集も同様に細胞内の収縮蛋白質の収縮、運動が大本の反応であり、従って、血小板の流路通過能あるいは血小板凝集塊による流路閉塞がここでも良い指標となる。また、白血球、血小板に対しては、一定量の生理活性物質で刺激した後の流路閉塞を含めた流路通過能の変化量を指標とすることもできる。
血液試料を、大きな窪みによる流路に対し、微細な流路に流す本方式では、試料の大部分を大きな流路に沿って流し、該血液試料のごく一部のみを微細な流路に導くことが可能である。
そのため、例えば、赤血球の合せた形状の入口を有する微細な流路の場合、白血球あるいは赤血球より大きい有形成分、例えば、血球の凝集塊が入口近傍にきても該流路内に入ることはできず、血液試料の主流に押し流されて入口から遠ざかって行くことになる。
このようにして白血球あるいは赤血球より大きい有形成分が該流路を閉塞することが防がれる。その際、赤血球に比べて小さい血小板の流入は防ぎ得ないが、血小板が赤血球の通過を障害することはない。同様に、白血球の大きさに合せた形状の入口を有する流路の場合、赤血球、血小板は自由に通過するが、白血球の通過に影響を及ぼすことはない。
血液試料の流し方、流路入口の形状、流路の幅、深さ、測定方式を工夫することにより、径のより大きい血球あるいは有形成分の流入を防ぎながら、測定対象血球細胞による流路閉塞を含めた流路通過能を選択的に測定することが可能になる。また、赤血球、白血球、血小板にそれぞれ適合した3種類の流路網および測定方式を並列配置し、それぞれに血液試料を上記の方式で流すことにより、該血液試料中の赤血球、白血球、血小板に対して同時にかつ迅速に測定することも可能となる。
流路の幅、深さは、測定対象とする血球成分に応じて、それぞれ1〜50μmの範囲から選択することが好ましく、1〜20μmの範囲内であることがより好ましい。該流路の幅と深さの比は、対象とする血球成分の形状、変形能に応じて、1:10〜10:1の範囲内から選択することが好ましい。
樹脂製マイクロチャネルアレイの窪み、及び溝によって形成される空間が、流路として機能するには、樹脂製マイクロチャネルアレイと、使用する生理食塩水、血液試料、試薬等の水系液体とのぬれ性の差が小さいことが好ましい。ぬれ性の差が大きいと、水系液体が流路を流れなくなる可能性が高くなる。また、血液測定を行う前に、例えば、流路内を生理食塩水で満たそうとしても、気泡が混入することにより、対象とする血球成分の通過時間の計測値が再現しない可能性がある。
また、一般に細胞は疎水表面に固定化しやすい性質を持つことから、血球細胞においても流路に血球成分が付着し、流れなくなる等、血液測定に大きな支障をきたす可能性がある。
そこで、樹脂製マイクロチャネルアレイ表面の水に対する接触角を小さくすることが必要となる。ポリメチルメタクリレートに代表される一般に使用される熱可塑性樹脂においては、通常水に対する接触角が比較的大きい(例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂は約68°、ポリカーボネート樹脂は約70°、ポリスチレン樹脂は84°)ため、接触角を小さく、0.5°以上70°以下とすることが必要となる。
プラスチック表面のぬれ性を改質する技術は、化学的処理技術、物理的処理技術に大別される。化学的処理技術としては、薬品処理、溶剤処理、カップリング剤処理、モノマーコーティング、ポリマーコーティング、蒸気処理、表面グラフト化、電気化学的処理、陽極酸化等があげられる。物理的処理技術としては、紫外線照射処理、プラズマ接触処理、プラズマジェット処理、プラズマ重合処理、イオンビーム処理、機械的処理等があげられる。
改質技術のなかには、熱可塑性樹脂表面の親水化に加え、例えば接着性も発現することを特徴としている技術がある。樹脂製マイクロチャネルアレイの多数の微細な流路形状を保持させるのに好ましくない場合も想定されるため、改質技術は必要とされる接触角に応じて適宜選択していくことが必要である。以下に、例として適用可能な改質法について説明する。
化学的処理技術のなかでは、無機、有機材料のコーティングがあげられる。水溶液中の親水性ポリマー、例えば、ポバール等をディッピング法、スピンコート法等によってコートし、十分乾燥させて使用する方法である。樹脂製マイクロチャネルアレイの疎水性が高い等の場合には、均一なコーティング膜厚が得られず、改質効果にバラツキを生じる可能性があるため、コーティング材料を選択することが必要な場合がある。疎水性表面へのコーティングが可能な材料としては、例えば、日本油脂(株)から販売されている商品名:Lipidure-PMB(リン脂質極性基を有するMPCポリマーとブチルアクリレートの共重合ポリマー)等があげられる。
大型装置を必要とせず、比較的簡便な工程で改質効果が得られ、低コストが期待できる反面、超音波洗浄等による改質効果の低下が懸念されるため、コーティングを繰り返すか、例えば、ディスポーザブル用途に使用することが好ましい。
化学的処理技術のなかでは、蒸気処理、なかでも真空蒸着法があげられる。真空蒸着法は無機、薄膜作製法のひとつで、真空中(10-2 Pa以下の圧力)で薄膜化しようとする物質を加熱して蒸発させ、その蒸気を適当な基板面上に付着させる方法である。大型装置を必要とせず、比較的低い真空度で処理が可能であり、低コスト化が期待できる。
物理的処理技術のなかでは、プラズマ処理、なかでもスパッタリング処理があげられる。スパッタリングとは、低気圧グロー放電で生じたプラスイオンを電界で加速して陰極に衝突させ、陰極側の物質を叩き出して、陽極側に堆積させることをいう。スパッタリング法は、堆積可能な材料が豊富であり、例えば、SiO2、Si3N4等の無機材料を10nm〜300nm堆積することで材料表面の親水化が可能となる。
また、超音波洗浄等の繰り返しによる複数回の使用に対しても、効果が持続し、再現性のよい測定結果が得られる点で有用である。溶出成分がなく、バイオエンジニアリング用途等で要求される細胞毒性にも対応が可能である。スパッタリング法は、堆積膜の厚みを均一化することが可能であり、例えば、10nm〜50nmのSiO2膜を堆積すれば、透明性と親水化の両立も可能である。
樹脂製マイクロチャネルアレイに無機膜を堆積させる際、樹脂製マイクロチャネルアレイが吸湿した水分をスパッタリング中に放出し、無機膜との密着性が低下する可能性があるため、スパッタリング前には十分な脱ガスが必要である。また、樹脂表面と無機膜との密着性を向上させる他の方法として、樹脂製マイクロチャネルアレイ表面へのアルゴンガス等によるエッチング処理、又は、密着性のよい無機材料、例えば、クロム等を堆積させたのち、所望の無機膜を堆積する方法があげられる。スパッタリング法を選択する場合は、耐熱温度として50℃〜110℃程度が必要であることから、1)それ以上のガラス転移温度を有する、例えば、ポリカーボネート等を選択する、2)スパッタ処理時間を短くする(膜厚を薄くする)等の条件を選択することが重要である。
物理的処理技術のなかでは、プラズマ処理、なかでもインプランテーション作用があげられる。インプランテーション作用は、プラズマによって分子が活性化され、ポリマー表面に生成したラジカルが再結合し、新しい官能基がポリマー表面に導入されることである。この官能基の導入によって、新規な性質を持つポリマー表面が作製できる。
物理的処理技術のなかでは、プラズマ処理、なかでもプラズマ重合処理があげられる。高分子材料の原料となる有機材料を気化させて気相輸送し、プラズマ中での電子衝突励起により有機材料を活性化させて重合反応を起こすことにより高分子膜を基板上に成膜する技術である。プラズマ重合法は、原料分子を気化させて使用するため不純物となりえる溶剤が不要であり、膜厚の制御も容易である。残モノマーも存在しないために、バイオエンジニアリング用途等で要求される細胞毒性にも対応が可能である。プラズマ重合処理が、プラズマ中での電子衝突励起により有機材料を活性化させて重合反応を引き起こすのに対し、熱によって重合反応を引き起こすのが蒸着重合法である。
物理的処理技術のなかでは、紫外線処理、なかでもエキシマUV処理があげられる。熱可塑性樹脂の親水化において、必要とされる耐熱温度が低く、ガラス転移温度が100℃のポリメチルメタクリレートにも適用が可能である。
エキシマUV処理は、アルゴン、クリプトン、キセノン等の放電ガスを使用したエキシマランプを使用して、発光中心波長120nm〜310nmの範囲の紫外線を照射する。高エネルギーの紫外線を照射することによって、樹脂表面の分子は解離され、軽い水素原子が容易に引き抜かれることにより、親水性の高いOH等の官能基が形成され、表面のぬれ性を高くするものである。この方法は、紫外線の露光量の増加に伴い親水性が高くなると同時に、接着力が増大して多数の微細な溝形状を保持させるのに好ましくない場合も想定されるため、必要とされる接触角に応じて適宜露光量を選択していくことが必要である。
親水化の他の方法としては、成形材料として(株)クラレの販売する酢酸ビニル系樹脂(商品名:エクセバール)、ポリビニルブチラール系樹脂等を選択することでも可能である。微細な流路形状を保持するため、水系の温度は70℃以下で使用し、長期間の水への浸漬は避けることが必要である。
血液測定試験における、微細な流路へのスムーズな血液試料の導入、及び血球細胞の抗付着性を得るため、樹脂製マイクロチャネルアレイ表面の水に対する接触角は、0.5°以上70°以下が好ましく、1°以上50°以下がより好ましい。この範囲以外は、微細な流路への血液試料の導入が難しく、血球細胞の付着による凝集塊の発生によって、血球細胞の通過時間測定等の安定したデータが得られないため、前記範囲内の接触角を有することが好ましい。
上記技術は、樹脂製マイクロチャネルアレイだけでなく、半導体加工技術を応用して作製されるシリコン製プレートにも共通に適用可能できる。
上記の表面改質、親水化技術は、バイオテクノロジー分野においても有用である。各種細胞を用いた細胞増殖、組織化に関する研究では、プレート上にピットと呼ばれる微細な凹凸形状を造形し、その微細な空間構造における細胞の増殖・分化の過程を観察、評価している。気泡の混入を排除し、水系の培養液を、プレート上の微細な凹凸形状に流すには、樹脂製マイクロチャネルアレイと同様、水に対する接触角を、0.5°以上70°以下とすることが好ましい。
樹脂製マイクロチャネルアレイ表面の血小板付着能について説明する。血球細胞は疎水性表面に固定化しやすいため、親水化とする必要があるのに加え、血液凝固作用を有する血小板の付着を抑制することによって、凝集塊の発生を抑止することが必要な場合がある。血液と材料が接触すると、最初に血小板、タンパク質が吸着する。血小板の表面では、形が変形するなどして、中の物質を放出する等の活性化が起こり、血液成分の凝集となる。血球細胞の通過時間測定等のデータを、再現よいものとするためには、血小板付着能を抑制することが必要な場合がある。
血液を凝固させないための材料は、第1に血液を凝固させない薬剤であるヘパリンを含有した材料である。第2は、形成された血栓を溶かしてしまう、ウロキナーゼという酵素を固定化した材料である。第3は、血液中の血小板やタンパク質を表面につけないようにした材料である。材料表面に、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、ポリエチレングリコール等の含水率の高い高分子をつけたものである。第4は、血小板の活性化を防ぐ材料である。ミクロ相分離構造といった表面構造を持った材料である。
第4のミクロ相分離構造の分離サイズは、20nm〜20μmの範囲にて、均一にミクロドメイン構造をもつものである。ミクロ相分離による血小板付着の抑制は、アモルファス・非アモルファス、親水・疎水性、結晶・非結晶、ガラス状態・液状状態等の組み合わせによって可能である。材料としては、例えば、HEMA―スチレンとHEMA―ブタジエンの共重合ポリマー、親水性のPHEMAと疎水性スチレンのブロック共重合ポリマー、結晶性のナイロン610と非晶性のポリプロピレンオキサイドのブレンド物等があげられる。
微細な流路内に、凹凸形状による狭隘部を設けることで、精度の高い血液測定が可能となる。同一の流路内に凹凸形状を設けることによって、そこを通過して行く血球の追跡が可能になるだけでなく、その通過過程で生じる変化をも同時に追跡して行くことができる。異なる流路網の間の血液各有形成分の配分の仕方、同流路網内での血液各有形成分の分布状況は従来なかった新しい指標となりえる。
例えば、白血球の活性度を、微細な流路を変形通過する速度、個数、変形能等にて測定しようとした際、単に流路の幅、深さを小さくするより、例えば、流路内に凸形状を複数配置することで、検体別の差異を明確にすることが可能となる。また、特定の血球のみを流路内に固定し、光学検出等を行う場合にも、凹凸形状による狭隘部は有効である。例えば、約直径12μmの白血球を固定するには、流路の幅12μm、深さ12μmの流路内に、幅6μmの狭隘部を設けることで、赤血球、血小板は通過し、白血球のみを流路内に捕捉することが可能となる。
作製される微細な凹凸形状の最小単位は、例えば、原盤となる金属構造体を作製する際の露光工程において、ステッパーと呼ばれる縮小露光機を使用するなどして、幅1μm以下の微細な凹凸形状を作製することは可能であるが、露光に使用するマスクが高額となることが予測されるため、作製コストと用途を検討したうえで選択することが好ましい。
窪みの深さが、多段形状で異なることにより、微細な流路を変形通過する血球細胞の速度、個数、変形能等の測定において、検体別の差異を明確にすることが可能となる。流入口から導入された血液試料は、窪みを経由して壁部に設けられた微細な流路に導かれる。
血液試料を導入するのに必要な窪みの深さ、及び幅は、少なくとも30μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましい。例えば、窪みの深さ、幅を80μm、流路の深さ、幅を5μmとした場合、血液試料は、広い空間から、極端に狭い空間に導かれることとなり、仮に平均状態を示す血液試料であっても、血小板等の活性等が変化することにより、検体別の差異が見出せなくなる可能性がある。
したがって、窪みの深さは、人体における毛細血管と同様、例えば、30μm、50μm、80μmと多段形状とすることが好ましい。本発明の製造方法は、原盤となる金属構造体を作製し、その1枚の金属構造体から高精度、かつ再現性のよい樹脂製マイクロチャネルアレイを複数製造できることを特徴としている。
半導体加工技術を応用した、エッチング法によるシリコン性プレートの製造では、必要とされる多段の数に応じてエッチング加工が必要となり、加工精度のバラツキ、高コストの問題が生じるのに対し、本発明の製造方法では、寸法精度を満足する金属構造体を使用することで、加工精度、低コスト化の両立が可能である。
樹脂製マイクロチャネルアレイは、人工透析、血漿交換等の血液浄化治療で使用されている血液回路等の熱可塑性樹脂と同様、感染性廃棄物として焼却処理が可能である。従来技術のエッチング法で作製されるシリコン製プレートは、無機材料であり、焼却処理は不可能である。産業用廃棄物として、埋め立て処理を行うためには、滅菌処理が必要となり、高コストとなる。また、近年の環境問題への意識の高まりに対する適応性が低い。
樹脂製マイクロチャネルアレイでは、将来のディスポーザブル化による廃棄数量の増大に対しても、焼却処理にて対応が可能であり、重ね合わせに使用する基板も樹脂製とすることで、分別処理を必要とせず、一括した焼却廃棄が可能である。更に、ハロゲンを含まないポリメチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂を使用することにより、有害物質であるダイオキシンの発生を避けることができ、一般廃棄物の焼却で使用される通常温度の焼却炉にて、容易に焼却ができ、熱資源として再利用が可能である。
血液測定にて、光学系の検出方式等を採用する場合、CCDカメラ等を用いた実態観察を行う場合等において、樹脂製マイクロチャネルアレイ、及び重ね合わせ基板のいずれか、又は両方を、例えば、反射光、又は透過光測定に応じて、透明とすることが必要である。反射光観察では、光学系の側の基板を透明板とし、反対側の基板を不透明にすればよい。不透明な基板とするには、材料選択の段階にて不透明グレードを選択する、又は透明基板の表面、又は裏面に、例えば、蒸着法にて、アルミ等の無機膜を堆積する方法があげられる。
透明板を通して流路を直接観察することができ、流速の調節、停止等の適切な処置がとれる。透明性を規定する光学物性としては、厚さ1mm板において、全光線透過率80%以上、ヘイズ値10%以下が好ましい。また、光学系の検出方式を採用する場合、使用する光の波長に応じて、例えば、紫外線吸収剤の添加されていない材料を使用する、分子構造に環構造を有していない材料を使用する等、適宜選択することが好ましい。
基板上にレジストによりパターン形成するステップと、前記基板上に形成された前記レジストパターンにしたがって金属を付着し、金属構造体を形成するステップと、前記金属構造体を使用して、樹脂製マイクロチャネルアレイを形成するステップについて説明する。
本形態の樹脂製マイクロチャネルアレイは、
(I)基板上への第1レジスト層の形成
(ii)基板とマスクAとの位置合わせ
(iii)マスクAを用いた第1レジスト層の露光
(iv)第1レジスト層の熱処理
(v)第1レジスト層上への第2レジスト層の形成
(vi)基板とマスクBとの位置合わせ
(vii)マスクBを用いた第2レジスト層の露光
(viii)第2レジスト層の熱処理
(ix)レジスト層の現像
を行い、所望のレジストパターンを形成する。
さらに、形成されたレジストパターンにしたがって、基板上に金属構造体をメッキにより堆積させる。この金属構造体を型として、樹脂成形品を形成することによって、樹脂製マイクロチャネルアレイが製造される。
レジストパターン形成処理について更に詳細に説明する。まず、基板上に、例えば、深さ10μmの微小な溝と深さ80μmの窪みを得ようとした場合、第1レジスト層(厚さ80μm)、第2レジスト層(厚さ10μm)順に形成し、各層に露光、または露光、熱処理を行う。
現像工程では、最初に第2レジスト層である深さ10μmのパターンが得られ、次に第1レジスト層の深さ80μmのパターンが得られる。深さ80μmのパターンが得られた時点で、第2レジスト層である深さ10μmのパターンを現像液に溶解、または変形させないためには、各層の現像液への溶解性を制御することが要求される。スピンコート方式によりレジスト層を形成する場合、第2レジスト層のベーク(溶剤の乾燥)時間を調整することによって、耐アルカリ性を発現させることが可能である。
光分解型のポジ型レジストを用いて、耐アルカリ性を発現させる方法の一つとして、ベーク時間(溶剤の乾燥時間)を長くし、レジストを硬化させることがあげられる。通常、レジストは膜厚、シンナー等の溶剤濃度、および感度に応じてベーク時間を設定している。この時間を長くすることによって耐アルカリ性を持たせることが可能となる。
また、第1レジスト層のベークが進行しすぎると、レジストが極度に硬化し、後の現像において光が照射された部分を溶解させパターンを形成することが困難になることから、ベーク時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。ベークに用いる装置は、溶剤を乾燥できれば特に限定されるものではなく、オーブン、ホットプレート、熱風乾燥機等があげられる。
光架橋型のネガ型レジストと比較して、耐アルカリ性の発現幅は制限されるため、設定するレジスト厚さは、各層を合わせて5〜200μmの範囲内が好ましく、10〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
光架橋型のネガ型レジストを用いて耐アルカリ性を発現させる方法として、ベーク時間の最適化の他に、架橋密度の最適化があげられる。通常、ネガ型レジストの架橋密度は、露光量によって設定することが可能である。化学増幅系ネガ型レジストの場合、露光量および熱処理時間によって設定することが可能である。この露光量、または熱処理時間を長くすることによって、耐アルカリ性を発現させることが可能となる。光架橋型のネガ型レジストの場合、設定するレジスト厚さは、各層を合わせて5〜500μmの範囲内が好ましく、10〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
(i)基板1上への第1レジスト層2の形成について説明する。図1(a)に基板1上に第1レジスト層2が形成された状態を示す。まず、成形品形成ステップで得られる樹脂製マイクロチャネルアレイの平面度は、基板1上へ第1レジスト層2を形成する工程にて決定づけられる。すなわち、基板1上に第1レジスト層2を形成した時点の平面度が金属構造体、ひいては樹脂製マイクロチャネルアレイの平面度に反映される。
基板1上に第1レジスト層2を形成する方法は何ら限定されないが、一般的にスピンコート方式、ディッピング方式、ロール方式、ドライフィルムレジストの貼り合わせ等を挙げることができる。なかでも、スピンコート方式は、回転しているガラス基板上にレジストを塗布する方法で、直径300mmを超えるガラス基板にレジストを高い平面度で塗布する利点がある。従って、高い平面度を実現できる観点から、スピンコート方式が好ましく用いられる。
第1レジスト層2として用いられるレジストにはポジ型レジスト、ネガ型レジストの2種類がある。いずれも、レジストの感度、露光条件により、レジストの焦点深度が変わるため、例えばUV露光装置を使用した場合、露光時間、UV出力値をレジスト厚さ、感度種類に応じて選択するのが望ましい。用いるレジストがウェットレジストの場合、例えばスピンコート方式で所定のレジスト厚さを得るには、スピンコート回転数を変更する方法と、粘度調整する方法がある。
スピンコート回転数を変更する方法は、スピンコーターの回転数を設定することによって所望のレジスト厚さを得るものである。粘度調整する方法は、レジスト厚さが厚い場合、又は塗布面積が大きくなると平面度が低下することが懸念されるため、実際使用上で要求される平面度に応じて粘度を調整するものである。
例えばスピンコート方式の場合、1回で塗布するレジスト層の厚さは、高い平面度を保持することを考慮し、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは、20〜50μmの範囲内であることが望ましい。高い平面度を保持したうえで、所望のレジスト層の厚さを得るためには、複数のレジスト層を形成することで可能となる。
第1レジスト層2にポジ型レジストを使用した場合、ベーク時間(溶剤の乾燥)が過度に進行しすぎると、レジストが極度に硬化し、後の現像においてパターンを形成することが困難になることから、設定するレジスト厚さが100μm以上でない場合、ベーク時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。
(ii)基板1とマスクA3との位置合わせについて説明する。まず、第1レジスト層のパターンと、第2レジスト層のパターンにおける位置関係を所望の設計通りにするためには、マスクA3を用いた露光時に、正確な位置合わせを行うことが必要となる。位置合わせには、基板1とマスクA3の同位置に切削加工を施しピン固定する方法、レーザー干渉計を用い位置出しする方法、基板1とマスクA3の同位置に位置マークを作製し、光学顕微鏡で位置合わせをする方法等があげられる。
光学顕微鏡で位置合わせをする方法は、例えば、フォトリソグラフ法にて基板に位置マークを作製し、マスクA3にはレーザー描画装置で位置マークを描画する。光学顕微鏡を用いた手動操作においても、5μm以内の精度が簡単に得られる点で有効である。
(iii)マスクA3を用いた第1レジスト層2の露光について説明する。まず、図1(b)に示される工程で使用するマスクAは何ら限定されないが、エマルジョンマスク、クロムマスク等を挙げることが出来る。レジストパターン形成ステップでは、使用するマスクA3によって寸法、および精度が左右される。そして、その寸法、および精度は、樹脂成形品にも反映される。したがって、樹脂製マイクロチャネルアレイの各寸法、および精度を所定のものとするためには、マスクA3の寸法、および精度を規定する必要がある。マスクAの精度を高める方法は何ら限定しないが、例えば、マスクA3のパターン形成に使用するレーザー光源をより波長の短いものに変えることを挙げることができるが、設備費用が高額であり、マスクA3の製作費が高額となるため、樹脂製マイクロチャネルアレイが実用的に要求される精度に応じて適宜規定するのが望ましい。
マスクA3の材質は温度膨張係数、UV透過吸収性能の面から石英ガラスが好ましいが比較的高価であるため、樹脂成形品から実用的に要求される精度に応じて適宜規定するのが望ましい。設計通りの所望の深さ、または高さが異なる構造体、または第1レジストパターンと第2レジストパターンが異なる構造体を得るには、第1レジスト層2、および第2レジスト層4の露光に用いるマスクのパターン設計(透過/遮光部)が確実であることが必要であり、CAE解析ソフトを使用したシミュレーションもその解決策の一つである。
露光に用いられる光源は設備費用が安価である紫外線またはレーザー光であることが好ましい。シンクロトロン放射光は露光深度が深いものの、かかる設備費用が高額であり、実質的に樹脂製マイクロチャネルアレイの価格が高額となるため、工業的に実用的でない。
露光時間や露光強度等の露光条件は第1レジスト層2の材質、厚み等により変化するため、得られるパターンに応じて適宜調節することが好ましい。特に流路の幅、深さ、容器間隔、および容器幅(または直径)、深さ等のパターンの寸法、および精度に影響を与えるため、露光条件の調節は重要である。また、レジストの種類により焦点深度が変わるため、例えばUV露光装置を使用した場合、露光時間、UV出力値をレジストの厚さ、感度に応じて選択するのが望ましい。
(iv)第1レジスト層2の熱処理について説明する。露光後の熱処理は、レジストパターンの形状を補正するためにアニールといわれる熱処理が知られている。ここでは、化学架橋を目的とし、化学増幅系ネガレジストを使用した場合のみに行う。化学増幅系ネガレジストとは、主に、2成分系、または3成分系からなり、露光時の光によって、例えば、化学構造の末端のエポキシ基が開環、熱処理によって架橋反応させるものである。熱処理時間は、例えば膜厚100μmの場合、設定温度100℃の条件下においては数分で架橋反応は進行する。
第1レジスト層2の熱処理が進行しすぎると、後の現像において未架橋部分を溶解させパターンを形成することが困難になることから、設定するレジスト厚さが100μm以上でない場合、熱処理時間を短くする、又は後の第2レジスト層4の熱処理のみとする等、適宜選択することが好ましい。
(v)第1レジスト層上への第2レジスト層の形成について説明する。図1(c)に第2レジスト層4が形成された状態を示す。この第2レジスト層4は、上記(i)において説明した第1レジスト層2の形成と同様の方法により形成することができる。
また、スピンコート方式にて、ポジ型レジストを使用してレジスト層を形成する場合、ベーク時間を通常の1.5〜2.0倍程度とすることで、耐アルカリ性を発現させることができる。これにより、第1レジスト層2と第2レジスト層4の現像終了時、第2レジスト層2のレジストパターンの溶解、または変形を防止することができる。
(vi)基板1とマスクB5との位置合わせについて説明する。基板1とマスクB5の位置合わせは、上記(ii)において、説明した基板1とマスクA3との位置合わせ方法と同様の要領にて、実施する。
(vii)マスクB5を用いた第2レジスト層4の露光について説明する。マスクB5を用いた第2レジスト層4の露光は、上記(iii)において説明したマスクA3を用いた第1レジスト層2の露光方法と同様の要領にて実施する。図1(d)に第2レジスト層4の露光の様子を示す。
(viii)第2レジスト層4の熱処理について説明する。第2レジスト層4の熱処理は、基本的に上記(iv)において説明した、第1レジスト層2の熱処理と同様である。また、第2レジスト層の熱処理は、後の現像において第1レジスト層2のパターンが得られた時点で、第2レジスト層4のパターンが溶解、または変形させないために行う。熱処理によって化学架橋が進行し、架橋密度を高めることで耐アルカリ性が発現する。耐アルカリ性を発現させるための熱処理時間は、通常の1.1〜2.0倍の範囲からレジストの厚さに応じて適宜選択することが好ましい。
(ix)レジスト層2、4の現像について説明する。図1(e)に示される工程の現像は用いたレジストに対応する所定の現像液を用いることが好ましい。現像時間、現像温度、現像液濃度等の現像条件はレジスト厚みやパターン形状に応じて適宜調節することが好ましい。例えば、必要な深さを得るために現像時間を長くしすぎると、所定の寸法よりも大きくなってしまうため、適宜条件を設定することが好ましい。
レジスト層2,4全体の厚みが増してくると、現像工程において、レジスト底部の幅(または直径)よりも表面の幅(または直径)が広くなることが懸念される。レジストを複数層形成する場合、各レジスト層の形成において、感度の異なるレジストを段階に分けて形成することが好ましい場合がある。この場合には、例えば、表面に近い層のレジストの感度を底部に近い層よりも高くすることなどが挙げられる。さらに具体的には、感度の高いレジストとして東京応化工業株式会社製のBMR C−1000PMを、そして感度の低いレジストとして東京応化工業株式会社製のPMER−N−CA3000PMを用いることができる。その他、レジストの乾燥時間を変えることにより感度を調整するようにしてもよい。例えば、東京応化工業株式会社製のBMR C−1000PMを使用した場合、スピンコート後のレジスト乾燥時、1層目の乾燥時間を110℃で20分、2層目の乾燥時間を110℃で40分とすることで、2層目の感度を高めることができる。
成形品の上面、または微細パターン底部の平面精度を高める方法としては、例えば、レジスト塗布で使用するレジスト種類(ネガ型、ポジ型)を変更してガラス表面の平面性を利用する方法、金属構造体の表面を研磨する方法などがあげられる。
尚、所望の造型深さを得るために複数のレジスト層を形成する場合、それら複数のレジスト層を同時に露光・現像処理する、あるいは、一つのレジスト層を形成及び露光処理した後、さらにレジスト層の形成及び露光処理を行い、2つのレジスト層を同時に現像処理することが可能である。
金属構造体形成ステップについてさらに詳細に説明する。金属構造体形成ステップとはレジストパターン形成ステップで得られたレジストパターンに沿って金属を堆積させ、金属構造体の凹凸面をレジストパターンに沿って形成することにより、金属構造体を得る工程である。
図1(f)に示されるように、この工程では予めレジストパターンに沿って導電性膜7を形成する。該導電性膜7の形成方法は特に限定されないが、好ましくは蒸着、スパッタリング等を用いることができる。導電性膜7に用いられる導電性材料としては金、銀、白金、銅、アルミニウムなどを挙げることができる。
図1(g)に示されるように、導電性膜7を形成した後、パターンに沿って金属をメッキにより堆積して金属構造体8を形成する。金属を堆積させるメッキ方法は特に限定されないが、例えば電解メッキ、無電解メッキ等を挙げることができる。用いられる金属は特に限定されないが、ニッケル、ニッケル-コバルト合金、銅、金を挙げることができ、経済性・耐久性の観点からニッケルが好ましく用いられる。
金属構造体8はその表面状態に応じて研磨しても構わない。ただし、汚れが造形物に付着することが懸念されるため、研磨後、超音波洗浄を実施することが好ましい。また、金属構造体8はその表面状態を改善するために、離型剤等で表面処理しても構わない。なお、金属構造体8の深さ方向の傾斜角度は、樹脂成形品の形状を損なうことなく、かつ収率よく得るため、50°〜90°であることが望ましく、より望ましくは60°〜87°である。メッキにより堆積した金属構造体8はレジストパターンから分離される。
成形品形成ステップについて更に詳細に説明する。成形品形成ステップは、図1(h)に示されるように、前記金属構造体8を型として、樹脂成形品9を形成する工程である。樹脂成形品9の形成方法は特に限定されないが、例えば射出成形、プレス成形、モノマーキャスト成形、溶剤キャスト成形、ホットエンボス成形、押出成形によるロール転写法等を挙げることができ、生産性、型転写性の観点から射出成形が好ましく用いられる。
シリコンを材料とした半導体微細加工技術には、シリコン基板の材料コストが高価である、1枚毎にフォトリソグラフを行うために加工費が高価となる、1枚毎の微細な流路の寸法精度にバラツキを生じるといった問題を有していた。これに対し、所定の寸法を選択した金属構造体8を型として射出成形で樹脂成形品9を形成する場合、金属構造体の形状を高い転写率で樹脂成形品9に再現することが可能である。汎用の樹脂材料を使用することにより材料コストを低くできる、低コスト化(量産化)に適した製造法である、高い寸法精度を満足する、などの各点で優れている。
転写率を確認する方法としては、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)、CCDカメラ等を使用して行うことができる。既に量産実績のある光ディスクの品質管理技術を、樹脂製マイクロチャネルアレイにも適用させることで、各種寸法データ、基板の平面性データ、内部在留応力データ等を、数万個単位のロット単位にて、標準偏差値に基づいた把握、管理が可能である。
金属構造体8を型として、例えば射出成形で樹脂成形品9を形成する場合、1枚の金属構造体8で1万枚〜5万枚、場合によっては20万枚もの樹脂成形品9を得ることができ、金属構造体8の製作にかかる費用負担を大幅に解消することが可能である。また、射出成形1サイクルに必要な時間は5秒〜30秒と短く、生産性の面で極めて効率的である。射出成形1サイクルで同時に複数個の樹脂成形品9を形成可能な成形金型を使用すれば、更に生産性を向上することが可能となる。上記成形方法では金属構造体8を金属型として用いても、金属構造体8を予め用意した金属型内部にセットして用いても構わない。
樹脂成形品9を形成するのに使用する樹脂材料としては特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂(MS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、スチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン樹脂、酢酸ビニル系樹脂(商品名:エクセバール)、ポリビニルブチラール系樹脂等を挙げることができる。
これらの樹脂は必要に応じて滑剤、光安定剤、熱安定剤、防曇剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの1種または2種以上を含有することができる。
樹脂成形品9の平面度の最小値は、工業的に再現し易い観点から1μm以上であることが好ましい。樹脂成形品の平面度の最大値は、例えば、該成形品9を他の基板と貼り合わせ、または重ね合わせて使用する際に支障とならない観点から200μm以下であることが好ましい。樹脂成形品の造形部に対する寸法精度は、工業的に再現し易い観点から±0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。
樹脂成形品9の厚さに対する寸法精度は、工業的に再現し易い観点から±0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。樹脂成形品9の厚さは特に規定されないが、射出成形での取り出し時の破損、取り扱い時の破損、変形、歪みを考慮し、0.2〜10mmの範囲内であることが好ましい。樹脂成形品9の寸法は特に限定されないが、リソグラフィー法でレジストパターンを形成する際、例えば、レジスト層の形成をスピンコート法にて行う場合、直径400mmの範囲の中から採取できるよう用途に応じて適宜選択することが好ましい。
血液測定において、樹脂製マイクロチャネルアレイの単一、又は複数の流入口に、個別、又は同時に生理食塩水、血液試料、試薬を流すことによって、各種検体に応じた測定データを得ることが可能となる。更に、測定装置側の流入口近傍、又は流出口近傍、あるいはその両方に流量の制御系を有することにより、血液測定を行う作業者が、簡便に最適な流れ状態を繰り返し再現することができ、血液検査効率の向上が期待できる。樹脂製マイクロチャネルアレイを流れる血液若しくはその成分は出口端で回収され、必要に応じて元に戻される、あるいは、別の測定系に運ばれる。
流路によって連通される窪みの流入口、流出口、又は流路部に光を照射する光学系と、該流路から反射、又は透過される光の変量を測定することで、より定量的なデータを得ることが可能である。使用される光学系には、蛍光顕微鏡、レーザー顕微鏡、レーザースキャナー等があげられる。螢光物質で各血球細胞若しくは液体成分のいずれかを螢光発色させる、又は各血球細胞から発する蛍光強度を識別することにより、種類の異なる血球間及び血球と周囲の液体間の識別が極めて容易になる。測定ポイントの増加、及び測定データの集計評価を行うためには、コンピューターを用いたシステムプログラムを適用することが好ましい。
血液測定において、流路によって連通される窪みの流入口、流出口での血液の各有形成分の数の増減、あるいは血液の各有形成分による溝流路の閉塞状況を測定し、それにより血液の各有形成分の流れ特性あるいは活性度を求めることができる。更に加えて、例えば、トータルコレステロールの高い被験者は、実際の血液が、毛細血管と同じ微細流路を有する樹脂製マイクロチャネルアレイ上で、閉塞する様子を実際に目視することができ、生活習慣病の要因の一つとされる食習慣の改善の必要と認識する絶好の機会となる。治療医学から、予防医学への関心の高まりを、このような目視によって実際に貢献できる。
血液試料の流し方は、他方で生理活性物質の濃度差のみによる特定の血球細胞の遊走を測定することを可能にしている。即ち、流路入口側と出口側の間に静水圧差に代えて生理活性物質の濃度差を設けることにより、その生理活性物質の濃度差を認識できる血球細胞のみが流路内に遊走してくる。その個数、通過時間を測定すれば血液測定が可能になる。
血液測定において、生理活性物質に暴露後の血液試料に対して行うことでも、検体別の差異を確認可能であり血液測定を行うことができる。
血液測定において、表面プラズモン共鳴現象による測定が可能である。表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)現象による検出方式とは、蒸着法等により金などの薄膜をしたプレートに光を入射し、薄膜表面の誘電率変化を反射光強度の変化として高感度で検出するものである。表面プラズモン共鳴装置は、その現象を応用し、極めて高感度が要求される生体分子間の反応・結合量の測定および速度論的解析に活用され始めている。
樹脂製マイクロチャネルアレイを用いた血液測定においても、表面プラズモン共鳴現象による検出が期待できる。あらかじめ、樹脂製マイクロチャネルアレイ、又は、重ね合わせ基板に、蒸着法等によって金などの薄膜を堆積させておき、例えば、微細な流路に固定化された白血球の活性度を、薄膜表面の誘電率変化(反射光強度の変化)にて検出し、電気信号への変換、及び増幅を行う。検体別の活性度の差異を、正確に数値化することができる。表面プラズモン共鳴センサーは、半導体加工技術による微細化が進んでおり、窪み、微細な流路の部位を特定した測定が可能である。
血液測定において、電気化学的に電気的変位量を検出するセンサによる測定が可能である。例えば、FETセンサがあげられる。Ion Sensitive FETセンサはSiチップの表面をSiO2-Si3N4膜で覆い、表面に吸着する化学種によって生ずる電位変化を電界効果トランジスタ(FET)で増幅する方式である。極めて高感度が要求される生体分子間の反応等への応用研究が進んでおり、超微小グルコースセンサなどが発表されている。
樹脂製マイクロチャネルアレイを用いた血液測定においても、FETセンサによる検出が期待できる。例えば、重ね合わせ基板にFETセンサ、及び電極を固定しておき、例えば、微細な流路に固定化された白血球の活性度を、電極表面の電位変化にて検出し、電気的増幅を行う。検体別の活性度の差異を、正確に数値化することができる。
各基板の位置合わせを行う方法として、該基板の表面、裏面に凹凸パターンを形成することで、重ね合わせ時に位置精度よく密着させる方法、該基板の外形端部を治具により固定化する方法、貫通穴に位置決めピンを用いて固定する方法、CCDカメラ、レーザー系の光学装置を用いて観察、位置調整する方法等があげられる。FETセンサは、半導体加工技術による微細化が進んでおり、窪み、微細な流路の部位を特定した測定も可能である。樹脂製マイクロチャネルアレイをディスポーザブルとし、重ね合わせ基板を繰り返し使用とすることで、検査にかかるコストを低減できる。
血液測定において、超音波センサによる測定が可能である。極めて高感度が要求される生体分子間の反応等への応用研究が進んでいる。樹脂製マイクロチャネルアレイを用いた血液測定においても、超音波センサによる検出が期待できる。例えば、重ね合わせ基板に超音波センサ、及び電極を固定しておき、例えば、微細な流路に固定化された白血球の活性度を、微弱な周波数変化幅として検出し、電気信号への変換、増幅を行う。検体別の活性度の差異を、正確に数値化することができる。超音波センサは、半導体加工技術による微細化が進んでおり、窪み、微細な流路の部位を特定した測定も可能である。樹脂製マイクロチャネルアレイをディスポーザブルとし、重ね合わせ基板を繰り返し使用とすることで、検査にかかるコストを低減できる。
本発明にしたがって、樹脂製マイクロチャネルアレイを形成する方法について、図を参照しながら以下により具体的に説明する。実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明にしたがって、樹脂成形品を形成する方法について、図を参照しながら以下により具体的に説明する。図1(a)を参照して、まず基板上に、有機材料(東京応化工業製「PMER N-CA3000PM」をベースとする1回目のレジスト塗布を行った。
そして、図1(b)を参照して第1レジスト層を形成した後、基板と所望のマスクパターンに加工したマスクAとの位置合わせを行った。
次にUV露光装置(キヤノン製「PLA−501F」波長365nm、露光量300mJ/cm2)により、第1レジスト層をUV光により露光を行った後、ホットプレート(100℃×4分)を用いて第1レジスト層の熱処理を行った。
図1(c)を参照して、まず基板上に、有機材料(東京応化工業製「PMER N-CA3000PM」)をベースとする2回目のレジスト塗布を行った。
そして、図1(d)を参照して第2レジスト層を形成した後、基板と所望のマスクパターンに加工したマスクBとの位置合わせを行った。
次にUV露光装置(キヤノン製「PLA−501F」波長365nm、露光量100mJ/cm2)により、第2レジスト層をUV光により露光を行った後、ホットプレート(100℃×8分)を用いて第2レジスト層の熱処理を行った。
図1(e)に示すように、前記レジスト層を有する基板を現像し、基板上にレジストパターンを形成した(現像液:東京応化工業製「PMER現像液P-7G」)。
そして、図1(f)に示すように前記レジストパターンを有する基板表面に蒸着、またはスパッタリングを行い、レジストパターンの表面に銀からなる導電性膜を堆積させた。この工程において、他に白金、金、銅などを堆積させることができる。
次に、図1(g)に示すように前記レジストパターンを有する基板をニッケルメッキ液に浸け、電気メッキを行い、レジストパターンの谷間に金属構造体(以下、ニッケル構造体)を得た。この工程において、他に銅、金などを堆積させることができる。
図1(h)に示すように、得られたニッケル構造体を金型として、射出成形でプラスチック材をNi構造体に充填し、プラスチック成形体を得た。射出成形に用いた材料は、(株)クラレ製アクリル(パラペット GH−S)を使用した。
樹脂製マイクロチャネルアレイの形状について説明する。外形は横16mm×縦8mm、厚さ1.0mmの基板とし、左端部に流入口、右端部に流出口となる直径1.6mmの貫通穴を作製した。窪み相互を区画する壁部は15本とし、1本の溝に微小な溝を340本、合計5100本有する形状とした。外形図を図2に示す。図2(a)は樹脂製マイクロチャネルアレイの上面図、同図(b)はその断面図である。
この樹脂製マクロチャネルアレイは、第1の基板10と第2の基板16が重ね合わされて構成される。第1の基板10には、窪み13が設けられている。窪み13は、一方の端部近傍において形成された矩形状の窪み131と、他方の端部近傍に形成された矩形状の窪み132を有する。それぞれの窪み131、132からは、中央に向って、複数本の長尺状の窪み1311、1321が設けられている。当該長尺状の窪みは、窪み131から延出した窪み1311と窪み132から延出した窪み1321とが交互に配置されている。そして隣接する窪み間には、壁部14が形成されることになる。壁部14は、完全に隣接する窪み1311、1321間を区切るものではなく、多数の微小溝が設けられている。この例では、1つの壁部14当たり340本の微小溝が設けられている。かかる窪み1311、1321を連通する微小溝が流路となる。
第1の基板10には、生理食塩水、血液試料や試薬が流入される流入口11が設けられている。この流入口11は、第1の基板10の窪み131に設けられた貫通孔である。流入口11から離れた位置に流出口12が設けられている。この流出口12も、第1の基板10の窪み132に設けられた貫通孔である。この例では、流入口11及び流出口12は共に直径1.6mmの円筒状の孔である。
図2(b)に示されるように、第1の基板10の窪み13設けられた側の面には、第2の基板16が重ね合わされ、窪み13及び微小溝と第2の基板16の間に空間が形成される。
流入口11に血液試料等が流入されると、窪み131の空間から長尺状の窪み1311に流れる。そして、血液試料等は窪み1311と窪み1321間に設けられた微小溝を通過し、窪み1321に流れる。この微小溝を通過する血液試料等に含まれる白血球や血小板等を観察する。窪み1321より窪み132に流れた血液試料等は流出口12から流れ出る。
[樹脂製基板Aの作製]
図1に示す成形品を形成する方法に従って、レジスト塗布を2回繰り返して第1レジスト層を形成、各層に露光、熱処理を実施した後、更にレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図3に示すような横16mm×縦8mm、厚さ1.0mmの基板に、幅10μm、深さ7μmの微細な溝15と、深さ80μmの窪みを有する樹脂製マイクロチャネルアレイを製造した。図3(b)は、図3(a)におけるP部分、Q部分の拡大上面図である。空気中にて、水に対する接触角を測定した。接触角測定装置(協和界面化学株式会社製、CA−DT・A型)を用いて測定したところ70°であった。SEMによる窪み相互を区画する壁部、及び窪み相互を連通する微小な溝の構成を図4、5、6、7に示す。
[樹脂製基板Bの作製]
図1に示す成形品を形成する方法に従って、レジスト塗布を2回繰り返して第1レジスト層を形成、各層に露光、熱処理を実施した後、更にレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図8に示すような横16mm×縦8mm、厚さ1.0mmの基板に、幅7μm、深さ5μmの微細な溝と、深さ80μmの窪みを有する樹脂製マイクロチャネル基板を製造した。図8(b)は、図8(a)におけるP部分、Q部分の拡大上面図である。
製造した樹脂製マイクロチャネルアレイ、及びアクリル製平板に、紫外線照射による表面改質を行った。エキシマ光(172nm)照射装置(ウシオ電機(株)製、UER)を用い、60秒間紫外線照射を行った。次に、樹脂製基板Aと同様、水に対する接触角を測定し、19°であることを確認した。壁部に形成される溝の構成を図9に示す。
[樹脂製基板Cの作製]
図1に示す成形品を形成する方法に従って、レジスト塗布を2回繰り返して第1レジスト層を形成、各層に露光、熱処理を実施した後、更にレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図8に示すような横16mm×縦8mm、厚さ1.0mmの基板に、幅7μm、深さ5μmの微細な溝と、深さ80μmの窪みを有する樹脂製マイクロチャネルアレイを製造した。
製造した樹脂製マイクロチャネルアレイ、及びアクリル製平板にプラズマ処理による表面改質を行った。スパッタリング装置((株)アルバック製、SV)を用い、SiO2膜を100nm堆積させた。水に対する接触角は、16°であることを確認した。
[樹脂製基板Dの作製]
図1に示す成形品を形成する方法に従って、レジスト塗布を1回繰り返して第1レジスト層を形成、各層に露光、熱処理を実施した後、更にレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、そして更にレジスト塗布を1回繰り返して第3レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図10に示すような横16mm×縦8mm、厚さ1.0mmの基板に、幅7μm、深さ5μmの微細な溝と、深さ40μm、80μmの2段回の窪みを有する樹脂製マイクロチャネルアレイを製造した。
樹脂製基板3と同様、プラズマ処理による表面改質を行った。スパッタリング装置((株)アルバック製、SV)を用い、SiO2膜を100nm堆積させた。水に対する接触角は、18°であることを確認した。
[樹脂製基板Eの作製]
図1に示す成形品を形成する方法に従って、レジスト塗布を2回繰り返して第1レジスト層を形成、各層に露光、熱処理を実施した後、更にレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図8に示すような横16mm×縦8mm、厚さ1.0mmの基板に、幅7μm、深さ5μmの微細な溝と、深さ80μmの窪みを有する樹脂製マイクロチャネルアレイを製造した。
水に対する接触角は、65°であることを確認した。射出成形に用いた材料は、(株)クラレ製アクリル(パラペットSA)を使用した。成形品のミクロ層分離構造を、TEMにより観察した。パラペットSAは、ガラス転移温度の異なる2種類のモノマーを共重合して作製されており、染料による染め分けにより、室温(22℃)下にてガラス状態のドメイン(黒い染色部分)と、液状態のドメインが、約0.1μmの間隔にてミクロ層分離していることが確認された。TEM写真を図11に示す。
血小板付着数の測定を行った。シリコン基板、樹脂成形品1、及び5の平たん部に、ヒト血液を1時間振とう接触させた後、生理食塩水、純水の順に洗浄した。次に、SEMを用い、倍率1000倍にて合計6箇所、1cm2あたりの血小板付着数を確認した。シリコン基板が186個/cm2、樹脂成形品1が70個/cm2、樹脂成形品5が20個/cm2となり、ミクロ相分離構造が、血小板付着を抑制させることが確認された。
[実施例1]:樹脂製基板Aを用いた血液測定
あらかじめ、気泡の混入を防止する目的で、樹脂製マイクロチャネルアレイを生理食塩水に浸した後、測定モジュールにセットした。次に、生理食塩水、血液の順に試料を導入した。血液測定は、左端部の流入口から導入された血液試料が、窪み、微細な流路を経由して右端部の流出するまでの通過時間、及び目視による血球細胞の変形通過、付着能の確認を行った。
CCDカメラにより、血液試料が微細な流路を通過することを確認し、0.1mlの血液試料が、全て通過するのに要した時間は45秒であった。目視による血球細胞の変形通過の確認では、窪みの一部に気泡の混入が見られたが、微細な流路への血球細胞の通過、及び血小板付着等による一部の閉塞の過程を確認することができた。
[実施例2]:樹脂製基板Bを用いた血液測定
樹脂製基板Aと同様に、血液測定に成功した。使用した血液試料は、同じ検体を使用した。0.1mlの血液試料が、全て通過するのに要した時間は58秒であった。樹脂製基板Aよりも小さい幅7μm、深さ5μmの微細な流路とした結果、通過時間は約10秒長くなった。目視による血球細胞の変形通過では、直径8μmの赤血球が、変形通過する様子を確認することができた。更に、直径12μmの白血球が微細な流路を通過せず、固定化することが可能となり、光、表面プラズモン共鳴、電気化学的、超音波測定に対応可能であることが確認された。
樹脂製基板Aの測定では、窪みの一部に気泡の混入が見られたが、本測定では、親水化処理による完全な気泡の排除を確認できた。血球細胞の付着抑止にも貢献していることが期待され、血液通過時間を短くすることにも寄与しているものと予測された。血液測定において、CCDカメラを用いて光学的に撮影した際の画像を図12に示す。
[実施例3]:樹脂製基板Cを用いた血液測定
樹脂製基板Aと同様に、血液測定に成功した。使用した血液試料は、同じ検体を使用した。0.1mlの血液試料が、全て通過するのに要した時間は56秒であった。目視による血球細胞の変形通過では、樹脂製基板2と同様に、直径8μmの赤血球が、変形通過する様子を確認することができた。更に、直径12μmの白血球が微細な流路を通過せず、固定化することが可能となり、光、表面プラズモン共鳴、電気化学的、超音波測定に対応可能であることが確認された。
樹脂製基板Aの測定では、窪みの一部に気泡の混入が見られたが、本測定においても、親水化処理による完全な気泡の排除を確認できた。血球細胞の付着抑止にも貢献していることが期待され、血液通過時間を短くすることにも寄与しているものと予測された。
[実施例4]:樹脂製基板Dを用いた血液測定
樹脂製基板Aと同様に、血液測定に成功した。使用した血液試料は、同じ検体を使用した。0.1mlの血液試料が、全て通過するのに要した時間は49秒であった。目視による血球細胞の変形通過では、樹脂製基板2と同様に、直径8μmの赤血球が、変形通過する様子を確認することができた。更に、直径12μmの白血球が微細な流路を通過せず、固定化することが可能となり、光、表面プラズモン共鳴、電気化学的、超音波測定に対応可能であることが確認された。
樹脂製基板Aの測定では、窪みの一部に気泡の混入が見られたが、本測定においても、親水化処理による完全な気泡の排除を確認できた。血球細胞の付着抑止にも貢献していることが期待され、血液通過時間を短くすることにも寄与しているものと予測された。
更に、窪みの深さを40μmと80μmの2段階とし、生体の毛細血管を模倣したことにより、微細な流路への流れがスムーズとなり、この検体では血液通過時間を短くすることに貢献したとものと期待される。窪みの深さを多段としたことにより、通過時間の測定において、検体別の流れの良い、悪いの差をより明確にできることが期待される。
[実施例5]:樹脂製基板Eを用いた血液測定
樹脂製基板Aと同様に、血液測定に成功した。使用した血液試料は、同じ検体を使用した。0.1mlの血液試料が、全て通過するのに要した時間は66秒であった。目視による血球細胞の変形通過では、樹脂製基板2と同様に、直径8μmの赤血球が、変形通過する様子を確認することができた。更に、直径12μmの白血球が微細な流路を通過せず、固定化することが可能となり、光、表面プラズモン共鳴、電気化学的、超音波測定に対応可能であることが確認された。
本測定では、親水化処理を行わないために、通過時間が長くなる結果となったが、ミクロ相分離構造を有する材料を使用することにより、血液測定に使用可能であることを確認した。