JP4319774B2 - 切断作業車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラント等の構造物の解体により生じる鉄骨等の長尺で太い大型鋼材を切断する切断作業車両に関し、より詳しくは可能な限り大型の切断装置を小型の作業車両に装着し、狭い作業現場でも移動しながら大型鋼材を切断し得るようにした切断作業車両の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、プラント等の解体によって生じる鉄骨等の長尺で太い大型鋼材は、切断作業車両の切断装置により所定長さに切断された後にリサイクルされている。このような切断装置は、一般に、下部走行体を備え、この下部走行体の上に、垂直軸心回りに旋回される上部旋回体を備えると共に、この上部旋回体により屈曲自在な作業腕が起伏自在に支持されてなる作業車両本体である油圧ショベ
ル本体の前記作業腕の先端部に装着されている。そして、切断装置は旋回機構を備えると共に、この旋回機構の反作業腕側に、鋼材を切断する開閉自在な切断刃を備えている。なお、旋回機構を備えていない構成の切断装置もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉄骨等のように長尺で太い大型鋼材を切断する場合には、大型で大重量の切断装置を作業腕の先端に装着する必要があるため、車両の安定性の関係上、大型の油圧ショベル本体を採用する必要がある。そのため、イニシャルコストやランニングコストに関して不経済であるばかりでなく、狭い作業現場での大型鋼材の切断作業が困難で、比較的広い作業現場にしか投入することができない
という解決すべき課題があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、構造物の解体により生じる鉄骨等のように長尺で太い大型鋼材を切断することができ、イニシャルコストやランニングコストが安価で、しかも狭い作業現場にも投入し得る切断作業車両を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、従って本発明の請求項1に係る切断作業車両が採用した手段は、下部走行体を備え、この下部走行体の上に、垂直軸心回りに旋回される上部旋回体を備えると共に、この上部旋回体により、先端に作業装置が装着された屈曲自在な作業腕が起伏自在に支持されてなる作業車両において、前記下部走行体に、上下方向に相対的に開閉する上部顎体と下部顎体とを有し、前記上部顎体と下部顎体とのそれぞれ相対する側に切断刃を取付け、前記下部顎体に対して前記上部顎体が上下方向に開閉する切断装置を、前記下部走行体に対して上下方向に回動自在に支持されてなることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る切断作業車両が採用した手段は、請求項1に記載の切断作業車両において、前記作業装置が、少なくとも切断刃および掴持部を有する開閉自在な切断・掴持装置であることを特
徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る切断作業車両を、その側面図の図1と、作業腕を省略した状態を示すその平面図の図2と、切断装置の側面図の図3と、切断装置の下部走行体への装着状態を示す側面図の図4と、切断装置の下部走行体への装着状態を示す平面図の図5と、切断・掴持装置の側面図の図6とを順次参照しながら説明する。
【0008】
先ず、図1および図2を参照しながら、本実施の形態に係る切断作業車両の全体構成を説明すると、図に示す符号1は、履帯走行式の切断作業車両である。この切断作業車両1は、履帯走行式の下部走行体21と、この下部走行体21の上に垂直軸心回りに旋回可能に搭載され、運転室23を備えた上部旋回体22と、この上部旋回体22の前記運転室23の側方位置に起伏可能に設けられ、ブーム24aおよびこのブーム24aの先端に回動可能に枢支されたアーム24bからなる屈曲自在な作業腕24とを有する作業車両本体2を備えている。
【0009】
前記作業車両本体2の下部走行体21の前側には、履帯の先端よりも前方に突出し、鉄骨等の長尺であって、かつ大型の鋼材(以下、大型鋼材という。)を切断する、上下方向に開閉する切断刃を有する後述する構成になる切断装置3が装着されている。また、前記作業腕24の先端には、作動リンク26によりリンク連結ピン27を介して回動される、後述する構成になる切断・掴持装置5が作業
装置連結ピン25を介して装着されている。
【0010】
前記切断装置3を、図3乃至図5を参照しながら説明すると、符号31は切断装置本体で、この切断装置本体31は、シリンダ収容部を備え、先端部に下側に凸であって、かつ刃先を上側に向けた「くの字状」に屈曲形成されてなる下部切断刃32aが固着された下部顎体である固定刃保持フレーム32を備えている。
この固定刃保持フレーム32の下部切断刃32aの基端部には、水平な開閉支持ピン33を介して、上側に凸であって、かつ刃先を下側に向けた「くの字状」に屈曲形成されてなる上部切断刃34aが固着された上部顎体である可動刃保持フレーム34が開閉可能に枢着されている。
【0011】
この可動刃保持フレーム34には、前記固定刃保持フレーム32の後端部付近に取付けられた水平なロッド連結ピン36を介してロッド側が連結されてなる可動刃作動用シリンダ35のボトムの先端が、水平なボトム連結ピン37を介して連結されている。つまり、可動刃作動用シリンダ35のロッドの伸縮で切断装置本体31の可動刃保持フレーム34を上下方向に回動させることにより、下部切
断刃32aと上部切断刃34aとで大型鋼材を切断することができるように構成されている。
【0012】
上記のとおり、前記下部切断刃32aおよび上部切断刃34aは「くの字状」に屈曲形成されているが、これらの屈曲の程度は、上部切断刃34aが最も開かれたときには、下部切断刃32aと上部切断刃34aとの中程より先端側の相対する刃先の間隔が中程より先端側が若干大きく開き目になるように、かつ上部切断刃34aが閉じられたときには、先端側になるにつれて下部切断刃32aと上
部切断刃34aとの食違い量が大きくなるように設定されている。これにより掴持状態で大型鋼材を切断することができ、切断中に大型鋼材が下部切断刃32aと上部切断刃34aとの間から外れてしまうようなことがない。
【0013】
前記切断装置本体31の後部側には、図4、および図5に示すように、側面形状が「この字状」(図4参照)であって、かつ平面形状が矩形状に形成された後述する構成になる接合構造体38が固着されている。この接合構造体38は、前記切断装置本体31の後部側の上下面、および端面の沿う形状に折り曲げ形成され、前記切断装置本体31の後部側を掴持する状態で接合されてなる接合フレーム38aと、この接合フレーム38aの凸側の左右方向の二個所に固着され、側面の上部と下部とにピンが水平に嵌合されるピン嵌合穴が設けられた左右一対ずつのブラケット38b,38bと、一端側が切断装置本体31の両側面に固着され、他端側と上側端面とが前記接合フレーム38aに固着された補強リブ38c、38cとから構成されている。
【0014】
前記ブラケット38b,38bの下部のピン嵌合穴は、回動支点ピン46を介して、平面形状がH型の後述する構成になる回動支持機構4に連結されている。この回動支持機構4は、一端側が回動支点ピン46を介して前記ピン嵌合穴が連結され、他端側が下部走行体21の前側に固着されてなる左右一対の平行な主フレーム41,41と、一対の主フレーム41,41の相対する側面に端部が固着された連結筒42とから構成されている。さらに、前記一対の主フレーム41,41のそれぞれにボトム連結ピン44を介して回動用シリンダ43,43のボトム側が連結されると共に、そのロッドの先端が前記ブラケット38b,38bの下部のピン嵌合穴に嵌合されたロッド連結ピン45,45に連結されてなる構成になっている。
【0015】
前記切断・掴持装置5を、図1および図6を参照しながら説明すると、この切断・掴持装置5は、作業装置連結ピン25を介してアーム24bの先端に連結されると共に、リンク連結ピン27を介して作動リンク26が連結される一対のブラケット51(図では、何れも1枚が示されている。)を備えている。これらブラケット51の反連結側には、旋回機構取付板52が固着されており、この旋回
機構取付板52に、この旋回機構取付板52のブラケット51側に設けられた油圧モータ53aで駆動される旋回機構53が設けられている。
【0016】
前記旋回機構53には、シリンダ収容部を備え、波状に形成された固定掴持部54bを先端部に備える共に、この固定掴持部54bの奥側に固定切断刃54aを備えた切断・掴持体である固定フレーム54が固着されている。この固定フレーム54の固定切断刃54aの基端部には、前記固定フレーム54の旋回中心と直交する開閉支持ピン56を介して、先端部に前記固定掴持部54bと噛合する
波状に形成された可動掴持部55bを備えると共に、この可動掴持部55bの奥側に前記固定切断刃54aとの間で機材等を切断する可動切断刃55aを備えた切断・掴持体である可動フレーム55が回動可能に枢着されている。
【0017】
さらに、この可動フレーム55には、前記固定フレーム54の旋回機構53付近に取付けられたボトム連結ピン58を介してボトム側が連結されてなる可動刃作動用シリンダ57のロッドの先端がロッド連結ピン59を介して枢着されており、この可動刃作動用シリンダ57のロッドの伸縮で可動刃保持フレーム55を回動させることにより、固定切断刃54aと可動切断刃55aとで鋼材を切断す
ると共に、固定掴持部54bと可動掴持部55bとで物体を掴持、かつ開放し得るように構成されている。なお、ブラケット51の旋回機構取付板52への固着部付近に明けられた抜き穴から見えるものは、周知の構成になるスイベルジョイント60である。
【0018】
以下、上記構成になる切断作業車両1の作用態様を説明すると、作業車両本体2の下部走行体21に、固定刃保持フレーム32に固定された下部切断刃32aと、開閉支点ピン33を支点として開閉する可動刃保持フレーム34に固定された上部切断刃34aとを備えた切断装置3を支持させる構成であって、従来例のように、作業腕の先端に装着する構成でないために、この切断装置3を従来より
も小型の作業車両本体に装着しても安定性が損なわれるようなことがない。
これにより、むしろ重心位置が下がって車両の安定性が増し、この切断装置3により安定した状態で長尺で太い大型鋼材を簡単に切断することができるのに加えて、イニシャルコストやランニングコストが安価になり、しかも狭い作業現場にも投入し得るという優れた効果が生じる。さらに、上記のとおり、重心位置が下がって車両の安定性が増すから、大型で能力の高い切断・掴持装置5を装着す
ることが可能になるという効果もある。
【0019】
また、前記切断装置3の切断装置本体31は、作業車両本体2の下部走行体21に固着した回動支持機構4に回動支点ピン46を介して上下方向に回動可能に支持されていて、下部切断刃32aが取付けられた固定刃保持フレーム32を地盤に預けることにより安定した状態で大型鋼材を切断することがてきるから、大型鋼材の切断作業時における安全性が向上するという効果がある。
【0020】
さらに、上記のとおり、作業作業本体2の作業腕24の先端には、固定掴持部54bおよび固定切断刃54aを持つ固定フレーム54と、可動掴持部55bおよび可動切断刃55aを持つ開閉自在な可動フレーム55とを備えると共に、この可動フレーム55の開閉支持ピン56と直交する軸心を旋回中心として前記固定フレーム54と可動フレーム55とを旋回させる旋回機構53を備えた切断・
掴持装置5が装着されている。
【0021】
従って、例えば作業現場を移動する場合には取り外した切断装置本体3(接合構造体38を含む)を、搬出すべき切断した大型鋼材を切断・掴持装置5により掴持してトレーラ等に積載したり、切断すべき大型鋼材を切断装置3の位置に移動させると共に、この切断装置3に噛込ませて鋼材等に取付けられている木材等の異材を引きちぎることができ、またプラント構造物の解体に際して生じる種々
の散乱している廃材を選別したり、小型の切断対象物を切断装置3の位置に移動させるまでもなく切断することができるから、大型鋼材の切断作業だけでなく、プラント構造物の解体により生じる種々の廃材を能率良く処理することができ、その汎用性が向上するという効果が生じる。
【0022】
なお、以上では、旋回機構を備えた切断・掴持装置5の場合を例として説明したが、これに限らず、旋回機構を備えていない構成の切断・掴持装置に対しても、本発明の技術的思想を適用することができるので、上記実施の形態によって本発明の技術的思想の適用範囲が限定されるものではない。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1に係る切断作業車両によれば、作業車両の下部走行体に、上下方向に相対的に開閉する上部顎体と下部顎体とを有し、前記上部顎体と下部顎体とのそれぞれ相対する側に切断刃を取付け、前記下部顎体に対して前記上部顎体が上下方向に開閉する切断装置を、前記下部走行体に対して上下方向に回動自在に支持されてなるので、この切断装置を装着しても車両の安定性が損なわれることがないから、従来よりも小型の作業車両に大型で大重量の切断装置を装着することができる。これにより、重心位置が下がって車両の安定性が増すので、切断装置により長尺で太い大型鋼材を安定した状態で切断することができ、イニシャルコストやランニングコストが安価になり、しかも狭い作業現場にも投入し得るという優れた効果が生じる。
【0024】
また、上記の効果に加えて、前記下部顎体に対して前記上部顎体が上下方向に開閉する構成であるから、下部顎体の切断刃で鋼材を支えると共に、下部顎体の切断刃で支えられた鋼材を下部顎体の切断刃と上部顎体の切断刃とにより切断することができる。そして、下部顎体を地盤に預けることにより、より安定した状態で鋼材を切断することができるから、切断作業時における安全性が向上する。
【0025】
さらに、本発明の請求項2に係る切断作業車両によれば、作業腕の先端に装着される作業装置が、少なくとも切断刃および掴持部を有する開閉自在な切断・掴持装置であるから、例えば作業現場を移動する場合には取り外した切断装置を、搬出すべき切断した大型鋼材を切断・掴持装置により掴持してトレーラ等に積載したり、切断すべき大型鋼材を切断装置の位置に移動させると共に、切断装置に
噛ませた鋼材等を引きちぎることができ、またプラント構造物の解体に際して生じる種々の散乱している廃材を選別したり、小型の切断対象物を切断装置の位置に移動させるまでもなく切断することができるから、大型鋼材の切断作業だけでなく、プラント構造物の解体により生じる種々の廃材を能率良く処理することができ、その汎用性が向上するという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る切断作業車両の側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係り、作業腕を省略した状態を示す切断作業車両の平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係り、切断装置の側面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係り、切断装置の下部走行体への装着状態を示す側面である。
【図5】 本発明の実施の形態に係り、切断装置の下部走行体への装着状態を示す平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係り、切断・掴持装置の側面図である。
【符号の説明】
1…切断作業車両
2…作業車両本体,21…下部走行体,22…上部旋回体,23…運転室,24…作業腕,24a…ブーム,24b…アーム,25…作業装置連結ピン、26…作動リンク,27…リンク連結ピン
3…切断装置,31…切断装置本体,32…固定刃保持フレーム,32a…下部固定切断刃,33…開閉支持ピン,34…可動刃保持フレーム,34a…上部可動切断刃,35…可動刃作動用シリンダ,36…ロッド連結ピン,37…ボトム連結ピン,38…接合構造体,38a…接合フレーム,38b…ブラケット,38c…補強リブ
4…回動支持機構,41…主フレーム,42…連結筒,43…回動用シリンダ,44…ボトム連結ピン,45…ロッド連結ピン,46…回動支点ピン
5…切断・掴持装置,51…ブラケット,52…旋回機構取付板,53…旋回機構,53a…油圧モータ,54…固定フレーム,54a…固定切断刃,54b…固定掴持部,55…可動フレーム,55a…可動切断刃,55b…可動掴持部,56…開閉支持ピン,57…可動刃作動用シリンダ,58…ボトム連結ピン,59…ロッド連結ピン,60…スイベルジョイント
Claims (2)
- 下部走行体を備え、この下部走行体の上に、垂直軸心回りに旋回される上部旋回体を備えると共に、この上部旋回体により、先端に作業装置が装着された屈曲自在な作業腕が起伏自在に支持されてなる作業車両において、前記下部走行体に、上下方向に相対的に開閉する上部顎体と下部顎体とを有し、前記上部顎体と下部顎体とのそれぞれ相対する側に切断刃を取付け、前記下部顎体に対して前記上部顎体が上下方向に開閉する切断装置を、前記下部走行体に対して上下方向に回動自在に支持されてなることを特徴とする切断作業車両。
- 前記作業装置が、少なくとも切断刃および掴持部を有する開閉自在な切断・掴持装置であることを特徴とする請求項1に記載の切断作業車両。
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