JP4331015B2 - 連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法 - Google Patents

連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法 Download PDF

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本発明は、連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法に関し、さらに、詳しくは詰まりの多い鋼種において、湯面変動を小さくすることにより、製造される鋳片の品質悪化の防止と、手動介入のない安定操業を目的とした鋳型内溶鋼レベル制御方法に関するものである。
従来、溶鋼が取鍋からタンディッシュに注入され、このタンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に注入して鋳片を連続的に生産している連続鋳造設備において、鋳型内の溶鋼レベルを検出して、検出された溶鋼レベルに基づいてタンディッシュ内に設置された溶鋼注入量を調整するストッパーを自動制御して、鋳片を連続的に生産している。ところで、溶鋼はタンディッシュから浸漬ノズルを介して鋳型に流し込まれるが、浸漬ノズルの入口側近傍および溶鋼流路の内壁にAl2 3 介在物やSiO2 等の付着物が堆積して、浸漬ノズルに対するストッパーの開度が一定であっても溶鋼の流量は大きく変動することが生ずる。
特に、ノズル詰まりのない鋼種で、定常時±3mm以内で制御しているような高精度の制御装置でも、一般的にアルミキルド鋼やアルミシリコンキルド鋼の場合にはその溶鋼成分によってタンディッシュ内のストッパーとノズル部にAl2 3 等の析出によりノズル詰まりとその詰まりの剥離が不定期に発生して注入量が急変し、鋳型内溶鋼レベルの大きな変動となる。例えば、湯面レベル変動が5〜10mmを超える変動を含む鋳片は格落ちと言われる鋳片品質のランク低下扱い、または屑鋳片扱いとなる大きな品質悪化の要因となっている。
鋳型内溶鋼レベル制御への不安定な外乱、具体的にはノズル詰まりとその剥離による外乱に対する制御技術については、例えば、特開昭59−35867号公報(特許文献1)に記載されているように、ストッパーを定期的に開方向と閉方向に短時間で振動させ、供給される溶鋼流に対して衝撃的波動を与えることによりノズル詰まりの軽減と剥離の軽減を図る連続鋳造における溶鋼供給制御方法が提案されている。
特開昭59−35867号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術での衝撃的波動ではノズル詰まりの成長の抑制効果は小さく、長時間ではノズル詰まりの成長による大きな剥離が発生し、剥離による溶鋼湯面レベル変動が発生する。また、特許文献1では周期を10秒程度が好ましいとしているが、そのような短い周期では、その開閉操作自体が頻繁に実施されるための変動が発生し、その変動量は±3mmを超えるものとなっている。さらに、本質的な詰まり成長を防止できずに、いずれは大きな詰まりとなることにより、手動介入による詰まりの除去作業(シャクリ)も必要となり、この手動作業による湯面変動はさらに大きくなると言う問題がある。
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベルを耐火物のストッパーを用いて注入量を変化させて制御する鋳型内溶鋼レベル制御装置について、ノズル詰まりとその後の剥離により鋳型内溶鋼レベル変動が多い鋼種において、短時間ストッパーを開閉する動作を周期的に行い衝撃的波動を発生させてノズル詰まりの成長を抑制するよりも、自動制御中に一旦自動を中断し、短時間ストッパーを強制的に開方向に作動した後、ストッパー下をノズル上部へ強制的に、かつ周期的に押し付けることにより、ノズルおよびストッパー部の詰まりの成長を大幅に軽減することと、そのために詰まりが剥離する時の剥離量も減少し、詰まりの剥離によるレベル変動が小さくなることを知見した。
また、閉後の開ストロークは開閉前の操作端位置に戻すのではなく、自動制御の中断前の操作端位置より微少値(以下、D値という)だけ少ないノズル開度、すなわち、少し手前(D値)にして自動制御を再度開始することにより、開閉作動による詰まりの剥離による湯面の上昇変動を抑制し、ノズル詰まりのない鋼種と同等の湯面レベル変動である±3mm以内とすることができることを知見したものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)鋳造中の溶鋼レベルの検出値に対応して、ストッパーを用いて注入量を変化させる連続鋳造設備の鋳型内溶鋼のレベル制御において、そのレベル制御を一旦中断し、閉方向に作動させる直前の短時間ストッパーを強制的に開方向に作動した後、浸漬ノズル上部に押し付けるまで閉方向に作動させ、その後開として元の位置に戻すに際し、レベル制御の中断前のストッパー開度に対して10〜50%(D値)だけ小さい開度とした後、前記レベル制御を再度開始させ、この開閉動作は30秒〜5分間毎の周期的に行い、前記レベル制御の一旦中断時間は1秒以内とし、該浸漬ノズル部への堆積付着物の成長を防止することにより、溶鋼湯面レベルを安定させることを特徴とする連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法。
)D値を鋼種により可変することを特徴とする前記(1)に記載の連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法にある。
以上述べたように、本発明による、一度開方向にした後、短時間ストッパーを強制的に浸漬ノズル上部に押し付けるまで閉方向に作動させる動作を周期的に行うことにより、浸漬ノズルおよびストッパー部の詰まりの成長が大幅に軽減され、これによりノズル詰まりが剥離する時の剥離量も大幅に減少するため、詰まりの剥離によるレベル変動が小さく、従来付着が大きい品種で難しかったレベル変動量を±3mm以内に達成でき、鋳片品質の悪化防止が達成できる。
また、従来であればこの詰まり除去のために自動制御を一旦中断してストッパーを手動操作し、詰まる部へ開閉衝撃を与えて詰まりを落とす作業(シャクリ)をなくすことができるため、手動操作による大きなレベル変動をなくして、鋳片品質の大幅な改善も達成することができる。このように、本発明によれば、連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御の向上により鋳片品質の向上と手動介入をなくして安定操業を達成することが出来る極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベルを耐火物のストッパーを用いて注入量を変化させて制御する鋳型内溶鋼レベル制御装置において、ノズル詰まりとその後の剥離により鋳型内溶鋼レベル変動が多い鋼種のレベル変動を小さくしてレベル制御精度を向上させること、および詰まりの除去のために行う手動作業(シャクリ)をなくして手動操作の介入による大きな湯面変動もなくして、詰まりのない鋼種と同等の湯面レベル変動である±3mm以内とすることにより鋳片品質の改善を行う連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法である。
その具体的な方法としては、ノズル詰まりとその後の剥離により鋳型内溶鋼レベル変動が多い鋼種である、例えばアルミキルド鋼やアルミシリコンキルド鋼の場合に、自動制御中に一旦自動を中断し、一度開方向にした後、主動作としての短時間ストッパーを強制的に浸漬ノズル上部に押し付けるまで閉方向に作動させ、その後開として元の位置に戻し、その直後再度自動とする動作を周期的に行うものである。閉方向のストロークはストッパー間の距離が0mm(全閉位置)または全閉より数mm程度閉方向とすることにより、本発明の詰まりの成長の抑制および周期的に小さい詰まりの積極的な解除効果を得ることができる。
この動作周期は長ければ詰まりが成長し効果がなく、また、短いと湯面変動の外乱ともなるため、適正値は30秒以上5分以内が好ましい。また、自動制御の中断期間は長すぎるとストッパーの開閉による湯面レベルの変動要因となるため、例えば1秒以内の短時間で全工程を完了する。加えて、本発明では初期の開動作を衝撃的波動の発生のためでなく、ストッパーを閉して開を行うことにより湯面が下降することを軽減するために、一度開方向にした後主動作の閉方向の動作を行なわせて開閉動作による湯面下降を軽減させる。
さらに、特許文献1の開閉動作によれば、開閉後に詰まりの剥離によって湯面レベルが上昇する。従って、本発明では自動中断時点の開度位置に対して少し手前のストロークであるD値で停止して再度自動とすることにより、本動作による湯面レベルの上昇変動を抑えることが可能となる。なお、この詰まり状況は鋼種の溶鋼成分に依存するため、このD値は鋼種により可変するようにすることが好ましい。D値としては、湯面変動の少ない定常レベル制御時のストッパー開度に対して10〜50%が望ましい。すなわち、付着しやすい成分、。例えばアルミキルド鋼などは、付着物の容量(剥離量)が大きくなるため剥離による流量の増加が大きいため、元の開度に戻す量を小さくし、D値は、50%の方向とし、逆に、付着しにくい比較的Al2 3 脱酸を必要としない鋼種については、10%の方向とすることが望ましい。
以下、本発明について、図面に従って具体的に説明する。
図1は、本発明による連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御装置を構成する概念図である。この図に示すように、連続鋳造設備は溶鋼1を取鍋2から取鍋溶鋼吐出操作端4により注湯して溜めるタンディッシュ3とそのタンディッシュ3の下部に取り付けられた浸漬ノズル5を設けている。そして、このような構成された浸漬ノズル5は、タンディッシュ3内に設けられたストッパー8にて鋼を注入する。その場合に、鋳型6内の溶鋼レベル7を溶鋼レベル計9にて検出し、湯面レベル計信号処理装置10を介してレベル制御演算11にて操作端への制御出力を行い、この制御出力にてストッパー駆動制御装置12およびストッパー駆動装置13を介してストッパー8を上下して鋳型6内の溶鋼レベル7を安定するように制御している。
しかし、ストッパー8の下部の浸漬ノズル5上部には溶鋼成分によってAl2 3 等が付着・成長して浸漬ノズル5上部の詰まり15が発生する。このノズル上部の詰まり15は大きく成長した後、不定期なタイミングで剥離して大きな湯面レベル変動となる。従って、本発明では図1に示すレベル制御演算部11にストッパーの開閉機構を組み込んで作用させるものである。なお、符号14は鋳片を示す。
図2は、本発明に係るストッパーの開閉機構を示す動作概要図である。この図に示すように、自動制御中にA点にて一旦自動を中止し、短時間ストッパーを強制的に開閉して、その直後B点にて再度自動とする動作を周期的に、例えばfの期間は30秒〜5分間毎に行う。開閉動作は開始してから終了するまでを短時間で行い、例えばeの期間は1秒以内の短時間内で行う。ストッパーの閉ストロークbは閉時においてストッパーとノズル間の距離が0mm(全閉位置)、または全閉より数mm程度閉方向とすることにより、本発明の詰まりの成長の抑制および周期的に小さい詰まりの積極的な解除効果を得ることができる。
また、ストッパーが閉から開を行うことにより、湯面が下降することを軽減するために、一度a部のように開した後に開から閉を行うと、湯面レベルの下降量に影響を与えにくい。さらに、鋼種によっては溶鋼成分が異なり、そのための時間当たりの詰まり量に差があるため開閉動作による剥離量が異なり剥離による湯面上昇が発生する場合があるため、c部の閉の後に開するときに開閉動作直前の位置に対して開するときに少し手前のD量で停止して再度自動とすると、この開閉動作にて詰まりが剥離した場合の湯面レベルの上昇を抑えることができる。このD値は、鋼種により剥離量が異なる場合があるので可変できるようにしておくことが好ましい。なお、この作動図は本発明の一例であり、ストッパー下部の詰まりとその剥離をストッパーの強制的、かつ周期的な動作にて詰まりの成長の抑制とその結果として剥離量を軽減させる作用であれば本発明の範囲から逸脱するものでない。
図3は、実際の溶鋼湯面の制御チャートおよびその結果を示す図であり、図3(a)は、本発明を適用しないストランドの溶鋼湯面の制御チャートおよびその結果を示し、図3(b)は、本発明を適用したストランドの溶鋼湯面の制御チャートおよびその結果を示す。この図3(a)に示すように、本発明を適用しないストランドの溶鋼湯面の制御結果は、湯面レベルがレベル目標値よりも大きく変動していることが分かる。これに対し、本発明を適用したストランドの溶鋼湯面の制御結果は、図3(b)に示すように、詰まりの成長が殆どなく、ノズル詰まり後の剥離によるレベル変動が±3mm以内と大幅に改善されており、適用しない場合に比べて鋳片品質の大幅な改善が図られていることが分かる。
図4は、ストッパーの開閉と湯面レベルの変動を示す図である。図4(a)は、本発明を適用しない場合でのストッパー開閉と湯面レベルの変動状況を示している。この図4(a)に示すように、湯面レベルが大きく変動していることが分かる。これに対し、図4(b)は本発明を適用した場合でのストッパー開閉と湯面レベルの変動状況を示している。この図4(b)に示すように、一旦開して閉すること、およびD値にて止めることにより、湯面レベルがレベル目標値に対して小さく変動していることが分かる。
本発明による連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御装置を構成する概念図である。 本発明に係るストッパーの開閉機構を示す動作概要図である。 ストランドの溶鋼湯面の制御チャートおよびその結果を示す図である。 ストッパー開閉と湯面レベルの変動を示す図である。
符号の説明
1 溶鋼
2 取鍋
3 タンディッシュ
4 取鍋溶鋼吐出操作端
5 浸漬ノズル
6 鋳型
7 溶鋼レベル
8 ストッパー
9 溶鋼レベル計
10 湯面レベル計信号処理装置
11 レベル制御演算
12 ストッパー駆動制御装置
13 ストッパー駆動装置
14 鋳片
15 浸漬ノズル上部の詰まり


特許出願人 新日本製鐵株式会社 他1名
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1



Claims (2)

  1. 鋳造中の溶鋼レベルの検出値に対応して、ストッパーを用いて注入量を変化させる連続鋳造設備の鋳型内溶鋼のレベル制御において、そのレベル制御を一旦中断し、閉方向に作動させる直前の短時間ストッパーを強制的に開方向に作動した後、浸漬ノズル上部に押し付けるまで閉方向に作動させ、その後開として元の位置に戻すに際し、レベル制御の中断前のストッパー開度に対して10〜50%(D値)だけ小さい開度とした後、前記レベル制御を再度開始させ、この開閉動作は30秒〜5分間毎の周期的に行い、前記レベル制御の一旦中断時間は1秒以内とし、該浸漬ノズル部への堆積付着物の成長を防止することにより、溶鋼湯面レベルを安定させることを特徴とする連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法。
  2. D値を鋼種により可変することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造設備の鋳型内溶鋼レベル制御方法。
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