JP4333009B2 - 非水電解液およびそれを用いたリチウム電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極材料、負極材料、セパレータに対する非水電解液の浸透性に優れ、電池のサイクル特性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチウム電池を提供することができる非水電解液、およびそれを用いたリチウム電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池は小型電子機器などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム二次電池は、主に正極、非水電解液、セパレータ及び負極から構成されており、特に、LiCoO2、LiMn2O4などのリチウム複合酸化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極としたリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、そのリチウム二次電池用の非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネート類や、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などの環状エステル類、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状エステル類、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)などの非水溶媒にリチウム塩を溶解したものが好適に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電池のサイクル特性および電気容量などの電池特性について、さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
例えば、正極として、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2など、負極として、黒鉛、コークスなどの炭素材料、セパレータとしてポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン多孔膜を用いたリチウム二次電池において、EC、PC、GBLを主溶媒とした非水電解液は、引火点が高いため、電池の安全上からも望ましいが、該非水電解液はセパレータに対する濡れ性の欠点が顕著に現れるため、リチウム電池製造時の注液工程に課題を有するとともに、電池のサイクル特性などの電池特性においても必ずしも満足なものではないのが現状である。
【0004】
本発明は、前記のようなリチウム二次電池用電解液の正極、負極、セパレータに対する濡れ性に関する課題を解決し、電池のサイクル特性や電気容量などの電池特性に優れ、さらに引火点を高くするリチウム二次電池用の非水電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、該非水溶媒中に下記一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、または2,2,2−トリフロロエチル基を示し、R3はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、またはn−アミル基を示し、R4は炭素数2〜12のアルキレン基を示す。)で表される分枝ジカルボン酸エステルが含有されていることを特徴とする非水電解液に関する。また、本発明は、正極、負極、セパレータ、および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム電池において、該非水溶媒中に下記一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、または2,2,2−トリフロロエチル基を示し、R3はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、またはn−アミル基を示し、R4は炭素数2〜12のアルキレン基を示す。)で表される分枝ジカルボン酸エステルが含有されていることを特徴とするリチウム電池に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解液は、リチウム二次電池の構成部材として使用される。二次電池を構成する非水電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来使用されている種々の構成部材を使用できる。
【0011】
本発明の非水溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、鎖状カーボネートなどの通常使用される非水溶媒(以下、「通常使用される非水溶媒」という。)に、分枝ジカルボン酸エステルを混合することにより使用される。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)が好適に挙げられる。これらの環状カーボネートは、1種類で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0012】
環状エステルとしては、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)が好適に挙げられる。これらの環状エステルは、1種類で使用してもよく、また2種類を組み合わせて使用してもよい。
【0013】
鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、ブチルメチルカーボネート(BMC)、等の直鎖状の鎖状カーボネートや、イソプロピルメチルカーボネート(IPMC)、イソブチルメチルカーボネート(IBMC)、sec−ブチルメチルカーボネート(SBMC)、tert−ブチルメチルカーボネート(TBMC)等の分枝状の鎖状カーボネートが好適に挙げられる。これらの鎖状カーボネートは、1種類で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0014】
本発明において用いられる分枝ジカルボン酸エステルは、前記一般式(I)で表される化合物であり、R 1とR2はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2,2,2−トリフロロエチル基が好ましい。R3 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−アミル基が好ましい。R4は炭素数2〜12の直鎖あるいは分枝の入ったアルキレン基が挙げられる。分枝の入ったアルキレン基としては、側鎖として少なくとも1つの炭素数1〜4のアルキル基を有し、主鎖が炭素数2〜11のアルキレン基が挙げられる。特にR4は−(CH2)n−(n=2〜6)が好ましい。これらの分枝ジカルボン酸エステルは1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
これらの分枝ジカルボン酸エステルの具体例としては、1,6−デカンジカルボン酸ジメチルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジエチルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジ−n−プロピルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジ−iso−プロピルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジ−iso−ブチルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジ−sec−ブチルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル、1,6−デカンジカルボン酸ビス(2,2,2−トリフロロエチル)エステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ジメチルエステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ジエチルエステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ジ−iso−ブチルエステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ジ−sec−ブチルエステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル、1,7−ウンデカンジカルボン酸ビス(2,2,2−トリフロロエチル)エステル、1,7−ドデカンジカルボン酸ジメチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジメチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジエチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジ−n−プロピルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジ−iso−プロピルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジ−iso−ブチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジ−sec−ブチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル、1,5−オクタンジカルボン酸ビス(2,2,2−トリフロロエチル)エステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジエチルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジ−n−プロピルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジ−iso−プロピルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジ−iso−ブチルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジ−sec−ブチルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル、1,4−ヘキサンジカルボン酸ビス(2,2,2−トリフロロエチル)エステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジメチルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジエチルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジ−n−プロピルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジ−iso−プロピルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジ−iso−ブチルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジ−sec−ブチルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル、1,3−ブタンジカルボン酸ビス(2,2,2−トリフロロエチル)エステルが挙げられ、これらは1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記の通常使用される非水溶媒と、分枝ジカルボン酸エステルとは、それぞれ任意に選択され組み合わせて使用される。通常使用される非水溶媒は30〜95体積%、分枝ジカルボン酸エステルは5〜70体積%で使用される。
【0016】
本発明で使用される電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF4(iso−C3F7)2、LiPF5(iso−C3F7)などが挙げられる。これらの電解質塩は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質塩は、本発明の非水溶媒に溶解され、通常0.1〜3M、好ましくは0.5〜2Mの濃度で使用される。
【0017】
本発明の非水電解液は、例えば、通常使用される非水溶媒と、分枝ジカルボン酸エステルとを混合し、これに前記の電解質塩を溶解することにより得られる。
【0018】
例えば、正極活物質としてはコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物が使用される。このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2などが挙げられる。コバルトとマンガンを混合したリチウムとの複合金属酸化物、コバルトとニッケルを混合したリチウムとの複合金属酸化物でも良い。
【0019】
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤および溶剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に塗布して、乾燥、加圧成型後、50〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製される。
【0020】
負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛型結晶構造を有する炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維〕や複合スズ酸化物などの物質が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.335〜0.340nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して負極合剤として使用される。
【0021】
リチウム二次電池の構造は特に限定されるものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極およびロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池などが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが使用される。
【0022】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例1
〔非水電解液の調製〕
EC:GBL:1,6−DDA(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,6−DDAは1,6−デカンジカルボン酸ジメチルエステルである。
【0023】
〔リチウム二次電池の作製および電池特性の測定〕
LiMn2O4(正極活物質)を80重量%、アセチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。
このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、0.8mAの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に0.8mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、1M LiBF4+EC:GBL(容量比)=40:60を非水電解液として用いた場合(比較例1)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は81.3%であった。
セパレータに対する濡れ性を観測したところ、接触角は48.7度であり、濡れ性は比較例1に比べ良好であった。
本発明の電解液のセパレータに対する濡れ性は、以下の装置を用いて測定した。測定条件は、温度23℃、湿度50%の雰囲気で、該非水電解液を、セパレータの上に滴下したものについて、液滴形成直後の接触角を測定した。測定装置は、協和界面科学(株)製、画像処理式接触角計 CA−X型。測定された接触角が小さいほど、非水電解液のセパレータに対する濡れ性および浸透性に優れることをあらわす。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0024】
実施例2
EC:GBL:1,7−DDA(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,7−DDAは1,7−ドデカンジカルボン酸ジメチルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は80.8%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0025】
実施例3
EC:GBL:1,5−ODA(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,5−ODAは1,5−オクタンジカルボン酸ジメチルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は81.6%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0026】
実施例4
EC:GBL:1,4−HDA(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,4−HDAは1,4−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は82.9%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0027】
実施例5
EC:GBL:1,3−BDA(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,3−BDAは1,3−ブタンジカルボン酸ジメチルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は83.2%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0028】
実施例6
EC:GBL:1,6−DDAE(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,6−DDAEは1,6−デカンジカルボン酸ジエチルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は80.8%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0029】
実施例7
EC:GBL:1,6−DDAP(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,6−DDAPは1,6−デカンジカルボン酸ジ−n−プロピルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は80.5%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0030】
実施例8
EC:GBL:1,6−DDAB(容量比)=30:50:20の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。ただし、1,6−DDABは1,6−デカンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステルである。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は80.1%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0031】
比較例1
EC:GBL(容量比)=40:60の非水溶媒を調製し、これにLiBF4を1Mの濃度になるように溶解した。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は76.8%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
セパレータに対する濡れ性を観測したところ、接触角は77.2度であり、濡れ性の面で劣っていた。
【0032】
実施例9
EC:DEC:1,6−DDA(容量比)=30:60:10の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を使用して正極活物質として、LiMn2O4に代えてLiCoO2を使用した以外は実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したところ、50サイクル後の放電容量維持率は89.3%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0033】
実施例10
EC:DEC:1,4−HDA(容量比)=30:60:10の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を使用して正極活物質として、LiMn2O4に代えてLiCoO2を使用した以外は実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したところ、50サイクル後の放電容量維持率は90.1%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0034】
実施例11
EC:DEC:1,3−BDA(容量比)=30:60:10の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を使用して正極活物質として、LiMn2O4に代えてLiCoO2を使用した以外は実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したところ、50サイクル後の放電容量維持率は91.4%であった。また、実施例1と同様にセパレータに対する濡れ性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0035】
比較例2
EC:DEC(容量比)=30:70の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。この非水電解液を使用して正極活物質として、LiMn2O4に代えてLiCoO2を使用した以外は実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は82.5%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0036】
なお、本発明は記載の実施例に限定されず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせが可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは限定されるものではない。更には、上記実施例はコイン電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の電池、ポリマー電池にも適用される。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、電池のサイクル特性、電気容量、保存特性などの電池特性に優れ、かつ濡れ性が良好なリチウム二次電池を提供することができる。
Claims (2)
- 正極、負極、セパレータ、および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えたリチウム電池において、該非水溶媒中に下記一般式(I)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、または2,2,2−トリフロロエチル基を示し、R3はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、またはn−アミル基を示し、R4は炭素数2〜12のアルキレン基を示す。)で表される分枝ジカルボン酸エステルが5〜70体積%含有されていることを特徴とするリチウム電池。
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