以下、本実施の形態に係る無線送信装置について説明する。本実施の形態に係るスケジューリング(スロット割り当て)法は、1セル繰り返しOFDM/(TDMA、FDMA)システムのアップリンク通信において、同程度の送信電力を要する端末、またはセルサーチの際に受信される制御信号の基地局IDが全て一致する端末をグループ化し、隣接セルから到来する干渉の影響を考慮しつつ、同一グループに属する端末に同一周波数チャネルまたは同一時間チャネルを適応的に割り当てる方式である。本実施の形態において、基地局は、AP(アクセスポイント)または基地局装置と呼称し、これらを包括して「制御局装置」と呼称する。また、移動局は、MT、端末装置、端末装置または単に「端末」と呼称する。また、制御局装置の制御範囲は、例えば、セルラシステムにおける「セル」や、無線LANシステムにおいてアクセスポイントが制御可能な範囲に該当する。
このスロット割り当て法において、同程度の送信電力を要する端末をグループ化する場合には、基地局からの距離が同程度の地点(範囲)に位置する端末がグループ化されることとなる。また、セルサーチの際に受信される制御信号の基地局IDが全て一致する端末をグループ化する場合には、基地局からの距離だけでなく方向も同じような地点(範囲)に位置する端末がグループ化されることとなる。ここで、基地局IDが全て一致する端末をグループ化する場合の様子を図1に示す。図1のセル1には、端末A〜Lの12端末があり、セル1の周囲にはセル2〜7の6つのセルがあるものとする。
図1に示す位置に端末がある場合、セル1内の端末A、Bは初期接続後に基地局1との通信を行なうが、その位置関係により、初期接続におけるセルサーチの際には基地局1、2、3の制御信号が受信される(通常、呼が発生した端末は、セルサーチの際に受信された信号の中で、最も高い電力で受信された信号を送信した基地局へ接続される。ここでは、基地局1〜3の中で基地局1の信号が最も高い電力で受信され、端末A、Bは基地局1に収容される状況を想定している)。つまり、端末A、Bでは、セルサーチの際に基地局1〜3の基地局IDを有する信号がそれぞれ受信されるため、本発明を用いた場合、端末A、Bは同一グループとされ、同一周波数チャネルまたは同一時間チャネルが割り当てられることとなる。
同様に、端末C〜Eでは、基地局1、3、4から到来する信号がそれぞれ受信されるため、それらの端末C〜Eは同一グループとされる。また、端末F、Gで1グループ、端末Hで1グループ、端末Iで1グループが形成される。さらに、端末J、K、Lは全ての隣接セルの基地局から離れた地点に位置するため、基地局1から送信される制御信号のみが受信され、端末J、K、Lで別の1グループが形成されることとなる。
このようにグループ化された端末へのスロット割り当て例を図2に示す。ただし、図2(a)は同一グループに属する端末に同一周波数チャネルを割り当てる場合について、図2(b)は同一グループに属する端末に同一時間チャネルを割り当てる場合についての例を示している。同一グループに属する端末に同一周波数チャネルを割り当てた場合、図2(a)に示すように、図1の点線で囲まれた範囲に位置する端末が同一周波数チャネルに割り当てられることとなる。また同様に、同一グループに属する端末に同一時間チャネルを割り当てた場合には、図2(b)に示すように、図1の点線で囲まれた範囲に位置する端末が同一時間チャネルに割り当てられることとなる。
本実施の形態では、このように基地局からの距離や方向が同じような地点に位置する端末をグループ化し、セル間干渉を考慮して、同一グループに同一周波数チャネルまたは同一時間チャネルを割り当てることにより、アップリンク通信におけるセル間干渉の影響を自律分散的に低減することを目的とするものである。さらに、連続するフレームにおいて端末グループへの周波数チャネルまたは時間チャネルの割り当てをなるべく変更しないことにより、隣接セルへ与える干渉量を一定に保つことも目的とする。
以下、本実施の形態において、同一グループに属する端末へは同一時間チャネルを割り当てる場合についての実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。また、以下の実施形態における装置構成や制御フローは一例であり、以下の実施形態の他にもさまざまな構成が考えられる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、まず、同程度の送信電力を有する端末をグループ化する場合の例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る基地局装置の概略構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、図35に示したように、周波数チャネル数が12の場合についての装置構成を示す。図3において、300はアンテナ部、301は無線受信部、302はA/D変換部、303は同期部、304はGI除去部、305はS/P変換部、306はFFT部、307は伝搬路推定デマッピング部、308−a〜lはP/S変換部、309−a〜lは誤り訂正復号部、310はデマルチプレックス部、311は希望信号電力・干渉信号電力測定部、312はスケジューリング部、313はダウンリンク変調部、314は無線送信部である。
図3に示すように、第1の実施形態によるスケジューリングを行なう場合の基地局装置は、希望信号電力・干渉信号電力測定部311を有し、測定した希望信号電力から算出される送信電力制御情報は端末へ通知され、アップリンクの送信電力制御を行なう基準として端末にて用いられ、また、第1の実施形態によるスケジューリングを行なう場合の端末のグループ化にも用いられる。また、希望信号電力・干渉信号電力測定部311にて測定した干渉信号電力は、端末グループに時間チャネルを割り当てる際(スケジューリング時)に用いられる。スケジューリング部312では、アップリンク通信に要する各端末の送信電力を基に端末をグループ化し、希望信号電力・干渉信号電力測定部311にて測定された空きスロットの干渉電力に基づき端末グループに時間チャネルの割り当てを行なう。上記のアンテナ部300、無線受信部301、A/D変換部302、同期部303、GI除去部304、S/P変換部305、FFT部306、伝搬路推定デマッピング部307、P/S変換部308−a〜l、誤り訂正復号部309−a〜l、およびデマルチプレックス部310は、基地局装置(制御局装置)における受信部を構成する。また、スケジューリング部312は、基地局装置(制御局装置)における送信電力決定部を構成し、ダウンリンク変調部313、無線送信部314、およびアンテナ部300は、基地局装置(制御局装置)における送信部を構成する。また、希望信号電力・干渉信号電力測定部311は、基地局装置(制御局装置)における取得部を構成する。
図4は、端末の装置構成のブロック図である。図4の400はアンテナ部、401は無線送信部、402はD/A変換部、403はGI挿入部、404はP/S変換部、405はIFFT部、406は送信電力制御部、407はマッピング部、408はS/P変換部、409は誤り訂正符号部、410はマルチプレックス部、411はダウンリンク復調部、412は無線受信部である。以上の各構成要素は、端末(装置)における送受信部を構成する。
図4に示すように、第1の実施形態によるスケジューリングを行なう場合の端末装置は、ダウンリンクにより通知された送信電力制御情報を基に、送信電力制御部406にて送信電力の制御を行ない、アップリンクにおけるデータ通信を行なう構成となっている。
次に、図5および図6に第1の実施形態によるアップリンク用スケジューリングのフローチャートを示す。図6に示すように、端末において通信要求が生じた場合には、端末は、まず制御信号を受信し、接続すべき基地局を検出する(セルサーチ:ステップS321)。ただし、各セルの基地局から定期的に送信される制御スロットはセルエッジに位置する端末においても十分受信可能な電力にて送信され、制御情報の内容としては、スロット割り当て情報等が含まれているものとする。この間に、基地局では、自セルのアップリンクの空きスロットにおいて干渉電力の測定を行なう(ステップS304)。そして、スロット毎に測定された干渉電力を、時間チャネル毎に平均し、各時間チャネルにおける平均干渉電力を算出する。この各時間チャネルにおける平均干渉電力は、同一グループに属する端末に同じ時間チャネルを割り当てる際の基準として、後で用いる。
一定時間のセルサーチを行った後、接続すべき基地局に対して接続要求を送信する。この時、接続要求と共に各端末における必要スロット数情報も基地局へ送信する。これらのアップリンクの制御情報は、本実施の形態では、図2のランダムアクセススロットにて送信することとするが、これ以外のアップリンク用リソースを用いて送信してもよい。
以上のように、端末から送信された接続要求、必要スロット数情報は、ステップS305に示すように接続先の基地局で受信される。基地局では、これらの情報を受信する際の受信信号電力を測定し、アップリンクにおける送信電力制御情報を生成する(ステップS306)。次に、ステップS307に示すように、基地局では、アップリンクにおける送信電力制御情報を基に端末のグループ化を行なう。ここで、端末のグループ化とは、先に述べたように、各端末がアップリンク通信を行なう際に要する送信電力が同程度となる端末をグループとして扱う処理である。
ステップS307に示す端末のグループ化の後、ステップS308に示すように、基地局では、最も高い送信電力を要する端末グループを選択し、そのグループから順に時間チャネルの割り当てを行なう。まず、選択された端末グループの中でスロット割り当て済みの端末(先に通信を開始している端末)の有無を調べ、スロット割り当て済みの端末がある場合には、その端末に割り当てられているチャネルと同一の時間チャネルの中で空いているスロットが、同一グループに属する他の端末(新たに通信を開始しようとしている端末)に割り当てられることとなる(ステップS309からステップS311へ)。
一方、スロット割り当て済みの端末がない場合(該当グループに属するのは全て新規に通信を開始しようとしている端末である場合)には、どの端末グループも割り当てられていない時間チャネルの中で、ステップS304において測定した干渉電力が最も低い時間チャネルを端末グループに割り当てる(ステップS310)。
そして、該当グループに属する各端末には、グループに割り当てられた時間チャネルの中の空きスロットが、必要スロット数に応じて割り当てられる(ステップS311)。このようなスロット割り当ての際には、各端末には干渉電力の低いスロットから順に割り当てることにより高効率なスロット割り当てが実現できる。また、干渉電力だけでなく、端末毎に異なるフェージングの状況も考慮し、基地局における受信SINRが最大となるスロットをそれぞれの端末に割り当てることにより、制御局装置における受信特性を更に向上することもできる。この時、端末グループに割り当てられた時間チャネルにおいて空きスロットが足りない場合には、図5のステップS312からステップS313へ移り、全てのチャネルについて該当する端末グループへの割り当てを試みたかどうかを判定する。その結果、全チャネルが該当端末グループへの割り当てを試みられている場合にはステップS314へ移り、該当端末グループへの割り当てを試みられていないチャネル(以下では候補チャネルと呼ぶ)が残っている場合にはステップS310へ戻り、残りのチャネル(候補チャネル)の中から新たに時間チャネルの割り当てを行なう。このような手順が繰り返され、基地局に接続を希望する全ての端末にスロットが割り当てられると、本発明によるスケジューリングが終わり(ステップS315)、それぞれの端末が割り当てられたスロットにおいてデータの伝送が開始されることとなる。
このような手順により、隣接セルから到来する干渉の影響を考慮した適応的なスケジューリングを行なうことができるが、アップリンク通信において隣接セルへ与える干渉量は、基地局‐端末間の距離だけでなく、端末が位置する方向にも依存している。以下では、さらに効率良くスケジューリングを行なう手法として、基地局からの距離や方向が同じような地点(範囲)に位置する端末をグループ化し、グループ毎に同じ時間チャネルを割り当てる手法について説明する。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るスケジューリング法を用いる場合の基地局装置の概略構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、図35に示したように、周波数チャネル数が12の場合についての装置構成を示す。図7において、700はアンテナ部、701は無線受信部、702はA/D変換部、703は同期部、704はGI除去部、705はS/P変換部、706はFFT部、707は伝搬路推定デマッピング部、708−a〜lはP/S変換部、709−a〜lは誤り訂正復号部、710はデマルチプレックス部、711は希望信号電力・干渉信号電力測定部、712はスケジューリング部、713はダウンリンク変調部、714は無線送信部である。
図7に示すように、第2の実施形態によるスケジューリングを行なう場合の基地局装置は、従来例とは異なり、希望信号電力・干渉信号電力測定部711を有し、測定した希望信号電力から算出される送信電力制御情報は端末へ通知され、アップリンクの送信電力制御を行なう基準として端末にて用いられる。また、希望信号電力・干渉信号電力測定部711にて測定した干渉信号電力は、端末グループに時間チャネルを割り当てる際(スケジューリング時)に用いる。スケジューリング部712では、接続要求や必要スロット数情報と共に端末から送られてくる基地局ID情報(セルサーチの際に端末において受信された全ての信号の基地局ID)を基に端末をグループ化し、希望信号電力・干渉信号電力測定部711にて測定された空きスロットの干渉電力に基づき端末グループに時間チャネルの割り当てを行なう。上記のアンテナ部700、無線受信部701、A/D変換部702、同期部703、GI除去部704、S/P変換部705、FFT部706、伝搬路推定デマッピング部707、P/S変換部708−a〜l、誤り訂正復号部709−a〜l、およびデマルチプレックス部710は、基地局装置(制御局装置)における受信部を構成する。また、ダウンリンク変調部713、無線送信部714、およびアンテナ部700は、基地局装置(制御局装置)における送信部を構成する。また、希望信号電力・干渉信号電力測定部711は、基地局装置(制御局装置)における取得部を構成する。
図8は、端末の装置構成のブロック図である。図8において、200はアンテナ部、201は無線送信部、202はD/A変換部、203はGI挿入部、204はP/S変換部、205はIFFT部、206は送信電力制御部、207はマッピング部、208はS/P変換部、209は誤り訂正符号部、210はマルチプレックス部、211はダウンリンク復調部、212は無線受信部、213はA/D変換部、214はRSS(Received Signal Strength)測定部である。以上の各構成要素は、端末(装置)における送受信部を構成する。
図8に示すように、第2の実施形態によるスケジューリングを行なう場合の端末装置は、従来例とは異なり、セルサーチの際に受信された信号に含まれる全ての基地局ID情報を、接続する基地局へ通知する構成となっている。また、ダウンリンクにより通知された送信電力制御情報を基に、送信電力制御部206にて送信電力の制御を行ない、アップリンク通信を行なう構成となっている。
次に、図9および図10に、第2の実施形態によるアップリンク用スケジューリングのフローチャートを示す。図10に示すように、端末において通信要求が生じた場合には、まずセルサーチを行ない、各セルの基地局から制御スロットにて定期的に送信される全周波数チャネルの制御情報を端末が受信する(ステップS121)。次に、ステップS122に示すように、制御信号を受信した各端末において受信信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定する。ただし、各セルの基地局から定期的に送信される制御スロットはセルエッジに位置する端末においても十分受信可能な電力にて送信され、制御情報の内容としては、基地局ID(制御情報がどの基地局から送信されたものかを表す情報)やスロット割り当て情報等が含まれているものとする。ステップS122に示すRSSIの測定後、端末は受信制御信号を復調し、その制御信号を送信した基地局のID情報を得る。通信要求が生じた端末では、このような動作を一定時間行ない周辺の各基地局から到来する制御信号の受信(セルサーチ)を行なう。
この間に、基地局では、自セルのアップリンクの空きスロットにおいて干渉電力の測定を行なう(ステップS104)。そして、スロット毎に測定された干渉電力を、時間チャネル毎に平均し、各時間チャネルにおける平均干渉電力を算出する。この各時間チャネルにおける平均干渉電力は、同一グループに属する端末に同じ時間チャネルを割り当てる際の基準として、後で用いる。
一定時間のセルサーチを行った後、ステップS124に示すように、端末では最も高電力で受信された制御信号を送信した基地局に対して接続要求を送信する。この接続要求等のアップリンクの制御情報は、本実施の形態では、図2のランダムアクセススロットにて送信することとするが、これ以外のアップリンク用リソースを用いて送信してもよい。この時、セルサーチの際に端末において受信された制御信号に含まれる全ての基地局ID(例えば、2つの基地局から送信された制御信号が受信された場合には、その2つの基地局IDを通知)と、アップリンク通信において必要となるスロット数を、接続先の基地局へ通知する。ただし、端末から基地局へ通知する基地局IDは、受信した制御信号に含まれる全ての基地局IDから接続先の基地局IDを除いたものでも良く、ある電力以上で受信される制御信号を送信した基地局のIDとしても良い。
以上のように、端末から送信された接続要求、基地局ID、必要スロット数情報は、ステップS105に示すように、接続先の基地局(端末において最も高電力で受信された制御信号を送信した基地局)で受信される。基地局では、まず、これらの情報を受信する際の受信信号電力を測定し、アップリンクにおける送信電力制御情報を生成する(ステップS106)。
次に、ステップS107に示すように、基地局では、これらの情報のうち、セルサーチの際に端末において受信された全ての制御信号に含まれる基地局IDを基に端末のグループ化を行なう。ここで、端末のグループ化とは、先に述べたように、各端末から基地局に報告された基地局IDが全て一致する端末をグループとして扱う処理である。ただし、同じような地点に位置する端末でも、シャドウイング等の影響により、全て同じ基地局からの信号を受信できるとは限らない。そこで、端末のグループ化を行なう基準としては、セルサーチの際に受信した制御信号に含まれる全ての基地局IDが一致する端末をグループ化するのではなく、ある閾値以上の数の基地局IDが一致する端末をグループ化する形態としてもよい。
ステップS107に示す端末のグループ化の後、ステップS108に示すように、基地局では、最も多くの基地局からの信号が受信される(最も多くの基地局IDが報告される)端末グループを選択し、そのグループから順に時間チャネルの割り当てを行なう。ここで、最も多くの基地局IDが報告される端末グループから順に割り当てを行なうのは、基地局IDが多く報告される端末グループに属する端末装置は他の制御局装置から比較的近い地点(制御範囲の境界付近)に位置するため、高い送信電力を必要とするものと考えられるためであり、報告される基地局IDの数が同じである場合には、最も高い送信電力を必要とする端末が属するグループから順に割り当てを行なうこととする。このような順序で選択された端末グループの中でスロット割り当て済みの端末(先に通信を開始している端末)の有無を調べ、スロット割り当て済みの端末がある場合には、その端末に割り当てられているチャネルと同一の時間チャネルの中で空いているスロットが、同一グループに属する他の端末(新たに通信を開始しようとしている端末)に割り当てられることとなる(ステップS109からS111へ)。
一方、スロット割り当て済みの端末がない場合(該当グループに属するのは全て新規に通信を開始しようとしている端末である場合)には、どの端末グループも割り当てられていない時間チャネルの中で、ステップS104において測定した干渉電力が最も低い時間チャネルを端末グループに割り当てる(ステップS110)。先に述べたように、本実施の形態では、高い送信電力を必要とする(多くの基地局IDが報告される)端末グループから順に干渉電力の低い時間チャネルが割り当てられるため、複数の端末グループの中で送信電力の大きさが相対的に大きい端末装置が属する端末グループには干渉電力が相対的に低いチャネルが割り当てられることとなる。このような割り当てを行なうことにより、隣接するセル同士において高い送信電力を必要とする端末グループが同じチャネルに割り当てられ相互に干渉を与える状況を回避することができ、高効率なチャネル割り当てが実現可能となる。
上述の手順により、端末グループに時間チャネルが割り当てられた後、該当グループに属する端末へスロットの割り当てが行われ、該当グループに属する各端末には、グループに割り当てられた時間チャネルの中の空きスロットが、必要スロット数に応じて割り当てられることとなる(ステップS111)。このようなスロット割り当ての際には、干渉電力の低いスロットから順に各端末に割り当てることにより高効率なスロット割り当てが実現可能となる。また、干渉電力だけでなく、端末毎に異なるフェージングの状況も考慮し、基地局における受信SINRが最大となるスロットをそれぞれの端末に割り当てることにより、制御局装置における受信特性を更に向上することもできる。但し、この時、端末グループに割り当てられた時間チャネルにおいて空きスロットが足りない場合には、図9のステップS112からステップS113へ移り、全てのチャネルについて該当する端末グループへの割り当てを試みたかどうかを判定する。その結果、全チャネルが該当端末グループへの割り当てを試みられている場合にはステップS114へ移り、該当端末グループへの割り当てを試みられていないチャネル(以下では候補チャネルと呼ぶ)が残っている場合にはステップS110へ戻り、残りのチャネル(候補チャネル)の中から新たに時間チャネルの割り当てを行なう。このような手順が繰り返され、基地局に接続を希望する全ての端末にスロットが割り当てられると、本発明によるスケジューリングが終わり(ステップS115)、それぞれの端末が割り当てられたスロットにおいてデータの伝送が開始されることとなる。
ここで、第2の実施形態に係るスケジューリングを用いる場合における基地局‐端末間のデータ送受信の様子を図11に示す。この図11は複信方式としてFDD(Frequency Division Duplex)方式を対象としているが、第2の実施形態に係るスケジューリング法はFDD方式に限らずTDD方式にも適用可能である。また、図11では、基地局または端末における処理(信号の送受信以外)を楕円で囲んで表示している。
図11に示すように、新規に通信を開始しようとしている端末は制御信号1100を受信し、制御信号1100の受信RSSIを測定し、制御信号1100に含まれる基地局IDを取得する。このような処理を他セルの制御信号についても行ない、どの基地局へ接続するかを決定する。この後、基地局IDや必要スロット数を含む接続要求1111を、接続を希望する基地局へ送信する。この接続要求1111を受け取った基地局は図9および図10の制御フローに示すスケジューリングを行なうこととなる。ここで、図9および図10に示す制御フローには、図11の制御信号1100の送受信から、ダウンリンクデータ1101の送信、アップリンクデータ1110の受信、接続要求1111の送受信、基地局におけるスケジューリングまでの処理が示されていることとなる。図9および図10に示すスケジューリングの後、図11に示す制御情報1104にて新規に通信を開始する端末へのスロット割り当て情報が通知された後、新規通信開始端末へのダウンリンクデータ1105、アップリンクデータ1113の送受信が開始されることとなる。
第2の実施形態によるスケジューリング法では、以上の手順により、端末のグループ化が行われ、同じグループに属する端末には同一時間チャネルが割り当てられることとなる。先に述べたように、このようなスケジューリング法を用いた場合、セルサーチの際に受信される制御信号の基地局IDが全て一致する端末が適応的にグループ化され、同一時間チャネルが割り当てられる。ここで、セルサーチの際に受信される制御信号の基地局IDが全て一致する端末、つまり基地局からの距離や方向が同じような地点に位置する端末が適応的にグループ化されるため、同一グループに属する端末がアップリンク通信に要する送信電力はほぼ等しいものとなる。したがって、本発明によるスケジューリング法を用いることにより、各時間チャネルにおいて隣接セルへ与えるアップリンクの干渉電力を自律分散的にほぼ一定とすることができる。そして、このように端末グループに割り当てられた時間チャネルを変更する頻度を低く抑えることにより、干渉電力の急激な変動を抑えることができる。本発明によるスケジューリング法では、基地局にて観測している干渉が大きく変化したときにのみ、端末グループに割り当てられた時間チャネルを変更することとし、その場合には、以前の割り当てを全てリセットしてから新たに端末のグループ化を行ない、スケジューリングを行なっていく必要がある。また、アップリンク通信に要する送信電力に変更が生じた場合及び端末の位置が大きく動いた場合には、該当端末についてのみ端末グループの入れ替えを行なう形態とすることが望ましく、その場合には端末グループに割り当てられたチャネルの変更等は行わないものとする。
ここで、端末の位置の把握は、端末において定期的に図10に示すステップS121〜ステップS124の動作を行ない、どの基地局からの制御信号を受信できるかを接続先の基地局に報告することにより可能であり、端末の位置が大きく動く(端末から報告される基地局IDが変わる)状況の検出も可能である。
次に、第2の実施形態に係るスケジューリング法を用いてスロット割り当てを行った場合の一例を図12に示す。図12(a)は隣接する2つのセルにおける端末の配置を示しており、図12(b)は各セルにおけるスロット割り当て状況を示している。ただし、ここでは、先にセル1においてスロット割り当てが行われた後、セル2において通信要求が生じた場合についての例を示している。また、図12は、同一グループに属する端末に同一時間チャネルを割り当てる例について示し、1フレーム中の時間チャネル数は3つだけ記載している。また、図12は、基地局間が同期している場合のスロット割り当て例を示しているが、第2の実施形態は、1つのセルの基地局及び端末が自律分散的に動作するスケジューリング法であり、基地局間が非同期の場合にも適用可能である。
図12(a)に示す端末の配置状況において、第2の実施形態に係るスケジューリング法を行ない理想的に動作した場合、図12(b)に示すように、セル1においてセル2に近いセルエッジに位置する(基地局2に大きな干渉を与える)端末G、Hは、セル2において基地局2に近い地点に位置する端末M〜Oと同じ時間チャネルが割り当てられる。ここで、端末M〜Oは基地局2に近い地点に位置しているため、アップリンクの送信電力を低く抑えるよう制御されており、マージンを加えてアップリンク送信を行ったとしても、端末が送信できる最大電力には及ばない。したがって、端末M〜Oと基地局2間のアップリンク通信では、送信電力にマージンを加えておくことにより、セル1の端末G、Hから基地局2へ干渉信号が到来しても良好な通信ができる。さらに、セル2の端末M〜Oのアップリンクにおける送信電力はもともと低く制御されているため、マージンを加えたとしても、セル1の基地局1への大きな干渉とはならない。このことから、隣接セルにおいて同じ時間チャネルへ割り当てられた端末G、Hと端末M〜Oのアップリンク通信は良好な特性で同時に成り立つものとなる。
また、同様に、セル1において基地局1に近い地点に位置する端末A〜Cと、セル2においてセル1に近いセルエッジに位置する端末R、Sが同じ時間チャネルに割り当てられており、これらのアップリンク通信も同時に成り立つ。さらに、セル1において基地局2から遠いセルエッジに位置する端末K、Lと、セル2において基地局1から遠いセルエッジに位置する端末P、Qが同じ時間チャネルに割り当てられている。ここで、セル1の端末K、Lは基地局2から遠い位置にあり、同様に、セル2の端末P、Qは基地局1から遠い位置にあるため、アップリンク通信ではそれぞれお互いの基地局に大きな干渉を与えることはなく、自律分散的に良好な通信が可能となる。
ただし、第2の実施形態に係るスケジューリング法では、図12(a)および(b)に示すセル1の端末A、B、Cやセル2の端末M、N、Oのように接続先の基地局の近くに位置する端末グループ、つまり、アップリンクにおける送信電力が低く制御される端末グループに割り当てるための時間チャネルを少なくとも1つは確保しておくことが必要である。これは、図12に示すように、送信電力が低い端末グループが割り当てられるチャネルには、隣接セルでは高い送信電力を要する端末グループが割り当てられる確率が高いため、送信電力が低い端末が1つもない場合でも該当端末グループ用のチャネルを確保しておかなければ、高い送信電力を要する端末グループを隣接セル同士で同一チャネルへ割り当ててしまい、相互に干渉を与えるといった状況が考えられるためである。
また、ここでは、セルサーチの際に受信される制御信号の基地局IDが一致する端末をグループ化しており、これにより基地局からの距離や方向が同じようになる端末をグループとして扱っている。これは、送信電力制御される端末の送信電力は基地局からの距離減衰に大きく依存しており、また端末が隣接セルへ与える干渉量は基地局からの距離と方向に依存するため、基地局からの距離や方向が同じようになる端末をグループ化し同一時間チャネルを割り当てることにより、隣接セルへ与える干渉量を一定に保つことができるためである。しかし、最大出力の大きく異なる端末が混在する状況や、用いる変調方式に応じて送信電力が変動するシステムのサポートを考慮した場合、基地局からの距離が同じであっても送信電力が異なる端末が存在するため、そのような端末への対応が必要となってくる。
そこで、本発明によるスケジューリング法では、先に述べたようにまず基地局IDが一致する端末をグループ化し、グループ内の端末の送信電力が大きく異なる場合には、送信電力がある程度等しい端末をまとめ、さらに細かくグループ化(サブグループ化)するものとする。そして、細かく分けられたグループ毎に同じ時間チャネルへの割り当てを行なうことにより、最大出力の異なる端末が混在するような環境においても、隣接セルへ与える干渉を一定に保ち高効率な通信が可能となる。
このようなサブグループ化を行なう場合、同じような地点に位置する端末でも送信電力の違いにより、異なるグループへ分けられることとなり、高い送信電力を要するサブグループと低い送信電力を要するサブグループが形成される。ここで、高い送信電力を要するサブグループへ割り当てられている時間チャネルにおいては空きスロットが存在し、低い送信電力を要するサブグループへ割り当てられている時間チャネルにおいてはスロットが不足している状況においては、低い送信電力を要するサブグループ内の端末を、高い送信電力を要するサブグループが割り当てられている時間チャネルの空きスロットへ割り当てることを許可する形態としてもよい。これは、高い送信電力を要するサブグループが割り当てられている時間チャネルは、隣接セルでは低い送信電力を要する端末グループが割り当てられている可能性が高く、該当時間チャネルの空き周波数チャネルに低い送信電力を要する端末を割り当てた場合にも隣接セル間干渉は生じないためである。また、高い送信電力を要するサブグループに割り当てられている時間チャネルに、低い送信電力を要する端末を割り当てる際に、該当端末の送信電力を高く設定し、設定された送信電力に応じて、変調方式を高い伝送速度を達成できるものに変更してもよい。
逆に、低い送信電力を要するサブグループの割り当て時間チャネルにおいては空きスロットが存在し、高い送信電力を要するサブグループへ割り当てられている時間チャネルにおいてはスロットが不足している状況において、高い送信電力を要する端末を、低い送信電力を要するサブグループが割り当てられている時間チャネルの空きスロットへ割り当てた場合には、隣接セルとの間で大きな干渉が生じることとなってしまう。そこで、高い送信電力を要する端末を、低い送信電力を要する端末グループが割り当てられている時間チャネルにおける空きスロットへ、そのまま割り当てるのではなく、高い送信電力を要する端末の変調方式を低く変更すると共に送信電力も低く設定した後、低い送信電力を要するサブグループが割り当てられている時間チャネルの空き周波数チャネルへの割り当てを許可する形態としてもよい。このような形態とすることにより、異なるサブグループが割り当てられている時間チャネルへの割り当てが行われた場合にも、該当端末への送信電力を低く設定することによる誤りの発生を回避しつつ、送信電力を低く設定することにより隣接セルへ与える干渉も抑えることができる。
以上、第2の実施形態では、同一グループに属する端末に同一時間チャネルを割り当てる場合についての実施形態を示したが、本発明は、これに限らず、同一グループに属する端末に同一周波数チャネルを割り当てる場合についても適用可能である。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るスケジューリング法を用いた場合の基地局及び端末の装置構成についてであるが、第3の実施形態による基地局装置及び端末装置は、第2の実施形態の図7および図8とほぼ同じ構成で実現できる。第3の実施形態では、各端末によるセルサーチの際に受信信号の基地局IDだけでなく隣接セルのスロット割り当て状況や端末に対する送信電力制御情報も取得し、接続先の基地局へ通知する構成とする。したがって、第3の実施形態による端末装置において第2の実施形態による構成(図8)と異なるのは、ダウンリンク復調部211からマルチプレックス部210へ渡す情報に、受信信号の基地局ID情報だけでなく、隣接セルのスロット割り当て情報及び隣接セルの各端末に対する送信電力制御情報(いずれも制御用のダウンリンク報知信号に含まれる)が加わることである。
また、第3の実施形態による基地局装置において第2の実施形態による構成(図7)と異なるのは、端末から通知された基地局ID情報、隣接セルのスロット割り当て情報、隣接セルの端末の送信電力制御情報を復調し、デマルチプレックス部110からスケジューリング部712へ送ることである。第3の実施形態では、第2の実施形態による装置構成を以上のように変更することにより、基地局では、基地局ID情報だけでなく隣接セルのスロット割り当て情報や隣接セルの端末への送信電力制御情報を自セルのスケジューリングに使用することができる。
次に、図13および図14に第3の実施形態に係るアップリンク用スケジューリングのフローチャートを示す。図14に示すように、第2の実施例と同様、通信要求が生じた場合には、まず端末においてセルサーチを行ない、各セルの基地局から制御スロットにて定期的に送信される全周波数チャネルの制御情報を受信する(ステップS221)。次に、ステップS222に示すように、制御信号を受信した各端末において受信信号のRSSIを測定する。ただし、先に述べたように、制御情報の内容としては、基地局IDやスロット割り当て情報、各端末の送信電力制御情報等が含まれているものとする。ステップS222に示すRSSIの測定後、端末は受信制御信号を復調し、その制御信号を送信した基地局のID情報及びその基地局が収容している端末のスロット割り当て情報、その基地局が収容している端末に対する送信電力制御情報を得る。通信要求が生じた端末では、このような動作を一定時間行ない周辺の各基地局から到来する制御信号の受信(セルサーチ)を行なう。
第3の実施形態においても第2の実施形態と同様、ステップS204に示すように、基地局では、自セルのアップリンクの空きスロットにおいて干渉電力の測定を行なう。そして、スロット毎に測定された干渉電力を、時間チャネル毎に平均し、各時間チャネルにおける平均干渉電力を算出する。
一定時間のセルサーチを行った後、ステップS224に示すように、端末では最も高電力で受信された制御信号を送信した基地局に対して接続要求を送信する。この接続要求等のアップリンクの制御情報は、第2の実施形態と同様、図2に示すランダムアクセススロットにて送信される。この時、セルサーチの際に端末において受信された制御信号に含まれる全ての基地局IDと、接続先以外のセル(隣接セル)のスロット割り当て情報、接続先以外のセル(隣接セル)の各端末に対するアップリンクの送信電力制御情報、アップリンク通信において必要となるスロット数を、接続先の基地局へ通知する。
以上のように端末から送信された接続要求、基地局ID、隣接セルのスロット割り当て情報、隣接セルのアップリンクの送信電力制御情報、必要スロット数情報は、ステップS205に示すように、接続先の基地局で受信される。基地局では、まず、これらの情報を受信する際の受信信号電力を測定し、アップリンクにおける送信電力制御情報を生成する(ステップS206)。
次に、ステップS207に示すように、基地局では、これらの情報のうち、セルサーチの際に端末において受信された全ての制御信号に含まれる基地局IDを基に端末のグループ化を行なう。ここでの端末のグループ化は、第2の実施形態と同様に、各端末から基地局に報告された基地局IDが全て一致する端末をグループとして扱う処理である。
ステップS207に示す端末のグループ化の後、基地局ではステップS208に示すスケジューリングを行なう。ここで、ステップS208のスケジューリング部分の詳細な制御フローを図15から図17に示す。
図15から図17において、ステップS250に示すように、第3の実施形態におけるスケジューリングでは、まず、先にグループ化を行った端末グループの中から最も多くの基地局からの信号が受信される(最も多くの基地局IDが報告される)、または最も高い送信電力が必要とされる端末グループ(同図では、端末グループAと表示)を選択し、そのグループから順に時間チャネルの割り当てを行っていく。
次に、ステップS251において、ステップS250により選択された端末グループAにおけるスロット割り当て済み端末の有無を判断する。この時、端末グループAの中に既にスロットを割り当てられている端末(新規に通信を開始する端末ではなく、既にデータ通信中の端末)がある場合にはステップS252へ移り、端末グループAの中のスロット割り当て済み端末が使用している時間チャネルの空きスロットを、端末グループAのスロット未割り当て端末へ割り当てる。この時、端末グループAのスロット未割り当て端末へ割り当てるスロットが足りない場合(ステップS253にて判断)には、ステップS254に移り、端末グループAに割り当て可能な別のチャネルを探すこととなる。ステップS253にて、スロットが足りると判断された場合には、ステップS273へ移り、別の端末グループへのチャネル割り当てを始める。
ステップS251において、端末グループAにスロット割り当て済み端末がないと判断された場合には、ステップS254へ移る。ステップS254では、端末グループAから報告される基地局IDの数が1つかどうかを判断する。ここで、端末グループAから報告される基地局IDが1つの場合というのは、端末グループAを収容する基地局(現在スケジューリングを行なっている基地局自身)の基地局IDのみが報告され、隣接セルの基地局IDは1つも報告されない場合、つまり、端末グループAが基地局周辺に位置する場合をあらわしている。
ステップS254において、端末グループAから報告される基地局IDの数が1つであると判断された場合、端末グループAは基地局周辺に位置しており送信電力が低く抑えられるため、ある程度のマージンを加えて送信を行ったとしても最大送信電力には満たない。したがって、干渉電力が高いチャネルへ割り当てられたとしても、ある程度の電力マージンを加えて送信することにより良好な特性が得られ、さらに隣接セルへの干渉もさほど大きくはならない。そこで、この場合には、ステップS255に示すように、干渉電力が最も高いチャネル(チャネルYとする)を選択し、このチャネルYへ端末グループAを割り当てることを考える。
次に、ステップS256に示すように、チャネルYに既に端末グループ(端末グループC。A≠C)が割り当てられているかどうかを判断し、既に別の端末グループが割り当てられている場合には、ステップS257へ移り、候補チャネルがあるかどうかを判断する。ステップS257において候補チャネルがないと判断された場合には、足りないスロット分の割り当てが失敗となり、ステップS276へ移る。逆に、候補チャネルがあると判断された場合には、ステップS255へ戻り、残りのチャネルの中から先程のチャネルYとは別のチャネルを選択する。
チャネルYにまだ端末グループが割り当てられていない場合には、ステップS258へ移り、チャネルYのスロットに端末グループAの端末を必要スロット数に応じて割り当てていく。ここで、スロット数が不足する場合(ステップS259にて判断)には、ステップS260へ示すように候補チャネルの有無を判断し、候補チャネルがない場合には足りないスロット分の割り当ては失敗となり、ステップS276へ移る。ステップS260において候補チャネルがあると判断された場合には、ステップS255へ戻り、残りのチャネルの中からまた別のチャネルを選択する。スロット数が足りる場合には、ステップS276へ移り、別の端末グループへのチャネル割り当てについて考える。
ステップS254において、端末グループAから報告される基地局IDの数が1つでない場合には、端末グループAは基地局周辺ではなくセルエッジ付近に位置するものと考えられ、そのような場合は、隣接セルからの干渉が低いチャネルへ割り当てることが望ましい。そこで、ステップS261に示すように、干渉電力の最も低いチャネル(チャネルXとする)を選択、ステップS262に示すように、チャネルXに既に別の端末グループ(端末グループB。A≠B)が割り当てられているかどうかを判断し、別の端末グループが割り当てられていない場合にはステップS264へ移り、チャネルXに端末グループAを割り当てることを検討していく。逆に、チャネルXに既に別の端末グループが割り当てられている場合にはステップS263へ移り、他の候補チャネルがあるかどうかを調べ、他の候補がない場合にはステップS276へ、他の候補がある場合にはステップS261へ戻り別のチャネルを選択する。
ステップS264では、該当チャネルXに隣接セル(隣接セルZとする)の端末グループが割り当て済みかどうか判断する。このステップS264における判断は、ステップS205において自セル内の全端末から報告される隣接セルのスロット割り当て情報を基に行われる。ステップS264において、チャネルXを使用している端末グループは隣接セルにはないと判断された場合には、ステップS271へ移り、チャネルXのスロットへ端末グループAの端末の割り当てを、必要スロット数に応じて行なう。
ステップS264において、隣接セルにチャネルXを使用している端末グループがあると判断された場合には、ステップS265へ移り、チャネルXの干渉電力について、ある閾値(閾値1とする)との大小を判定する。ここで、この閾値1は、例えば、アップリンク通信の所要の誤り率を満たす干渉電力の値(観測される干渉の電力が閾値1を超える場合には所要の誤り率を満たすことができず、閾値1以下の場合には所要の誤り率を満たすことができる値)に設定しておく。
ステップS265の判定の結果、チャネルXにおいて測定される干渉電力が閾値1よりも大きいと判定された場合には、ステップS266に示すように、隣接セルZのチャネルXにおいて高電力でアップリンク通信を行なっている端末が、隣接セルZのセルエッジの中でも自セルに近いセルエッジ付近に位置していると判断する。この場合には、チャネルXに端末グループAを割り当てたとしても、良好な特性を確保できないため、ステップS267に示すように他の空きチャネルがあるかどうかを調べ、ある場合にはステップS261へ戻り、ない場合には端末グループAに対するチャネル割り当てを中止し、他の端末グループについての割り当てを行なう。
一方、ステップS265の判定の結果、チャネルXにおいて測定される干渉電力が閾値1よりも小さいと判定された場合には、ステップS268へ移り、隣接セルにおいてチャネルXに割り当てられた端末グループの送信電力について、ある閾値(閾値2とする)との大小を判定する。このステップS268における判定は、ステップS204にて報告された隣接セルの端末の送信電力制御情報を基に行われる。ここで、閾値2は、例えば、基地局からの距離がセル半径の1/2程度の位置にある端末がアップリンク通信を行なうのに必要な電力値付近に設定しておく。
ステップS268の判定の結果、隣接セルにおいてチャネルXに割り当てられた端末グループの送信電力が閾値2よりも大きいと判定された場合には、ステップS269に示すように、隣接セルZのチャネルXにおいて高電力でアップリンク通信を行なっている端末が、隣接セルZのセルエッジの中でも自セルから遠いセルエッジ付近に位置していると判断する。この場合には、次に、ステップS270へ移り、端末グループAから報告される基地局IDの中に隣接セルZの基地局IDがあるかどうかを判断する。
ステップS270において、端末グループAから報告される基地局IDの中に隣接セルZの基地局IDがなかった場合には、端末グループAと隣接セルZにおいてチャネルXを使用している端末グループとの距離は、隣り合うセルの中でも非常に遠く、それぞれのアップリンク通信が互いの基地局へ与える干渉はほとんどないものと考えられる。したがって、端末グループAをチャネルXに割り当てた場合、良好な特性が確保でき、さらに隣接セルへ与える干渉も少ない。そこで、ステップS271へ移り、チャネルXのスロットを端末グループAへ割り当てる。
一方、ステップS270において、端末グループAから報告される基地局IDの中に隣接セルZの基地局IDがあった場合には、端末グループAは自セルと隣接セルZの間のセルエッジ周辺に位置するものと考えられる。ここで、チャネルXに端末グループAを割り当てた場合には、端末グループAによるアップリンク通信では良好な特性が確保できるものの、端末グループAによるアップリンク通信により隣接セルZに大きな干渉を与える可能性が高くなる。そこで、この場合には、ステップS270からステップS272へ移り、その他の空きチャネルを探す。他の空きチャネルがある場合にはステップS261へ戻り、他の空きチャネルがない場合にはステップS271へ移り、チャネルXに端末グループAを割り当てるということとする。
また、ステップS268の判定の結果、隣接セルにおいてチャネルXに割り当てられた端末グループの送信電力が閾値2よりも小さいと判定された場合には、ステップS273に示すように、隣接セルZのチャネルXには低い送信電力を要する(隣接セルZの基地局付近に位置する)端末グループが割り当てられていると判断する。この場合には、次に、ステップS274へ移り、端末グループAから報告される基地局IDの中に隣接セルZの基地局IDがあるかどうかを判断する。
ステップS274において、端末グループAから報告される基地局IDの中に隣接セルZの基地局IDがない場合には、端末グループAは隣接セルZから遠い位置にあり、端末グループAは隣接セルZにほとんど干渉を与えないものと考えられる。この場合、端末グループAを隣接セルZの低い送信電力を要する端末グループと同じチャネルへ割り当てるのはあまり望ましくない。これは、先に述べたように、低い送信電力を要する端末グループは送信電力に余裕があり、ある程度マージンを加えて送信することができるため、ある程度高い干渉が観測されるチャネルにおいても通信可能であり、隣接セルZに大きな干渉を与える(隣接セルZに近いセルエッジ付近に位置する)端末グループ用に該当チャネルを確保しておく方が全体的な効率がよいものと考えられるためである。そこで、ステップS274からステップS272へ移り、その他の空きチャネルを探す。他の空きチャネルがある場合にはステップS261へ戻り、他の空きチャネルがない場合にはステップS271へ移り、チャネルXに端末グループAを割り当てるということとする。
ステップS274において、端末グループAから報告される基地局IDの中に隣接セルZの基地局IDがある場合には、端末グループAは隣接セルZから近い位置にあるものと判断し、ステップS271に示すように、チャネルXに端末グループAの割り当てを行なう。
以上の処理により、1つの端末グループに対するチャネル割り当てを行なうことができ、次いで、該当グループに属する端末へスロットの割り当てが行われる。各端末へのスロット割り当ては、グループに割り当てられた時間チャネルの中の空きスロットが、各端末の必要スロット数に応じて割り当てられることとなる(ステップS271)。このようなスロット割り当ての際には、干渉電力の低いスロットから順に各端末に割り当てることにより高効率なスロット割り当てが実現可能となる。また、干渉電力だけでなく、各端末におけるフェージングの状況も考慮し、基地局における受信SINRが最大となるスロットをそれぞれの端末に割り当てることにより、制御局装置における受信特性を更に向上することができる。但し、端末の必要スロット数によっては、1チャネルではスロットが足りないことがあるため、スロットが不足する場合にはステップS275からステップS277へ移り、他の候補チャネルを探す。その結果、他の候補チャネルがある場合にはステップS261へ戻り、新たなチャネルの割り当てを検討する。また、スロットが足りている場合には、ステップS276へ移り、チャネルが割り当てられていない端末グループがなくなるまで以上の処理を繰り返し、チャネル未割り当ての端末グループがなくなったら本発明によるスケジューリングを終了する。
ここで、ステップS268の処理において複数の隣接セルが対象となる場合には、ステップS269の処理を行なうよう判断されるセルとステップS273の処理を行なうよう判断されるセルがある場合が考えられ、そのような場合には以後の制御が必ずしも1通りとはならない。そこで第3の実施形態では、ステップS268において対応の異なる複数のセルがある場合には、チャネルXに割り当てられた端末グループの送信電力が閾値2を上回る場合を優先し、ステップS269の処理を行なうものとする。
以上で、第3の実施形態によるスケジューリングが終わり、第2の実施形態(図11)と同様、基地局では、スケジューリング結果のスロット割り当て情報や送信電力制御情報をダウンリンクで報知する。この報知情報を基に端末では、送信電力制御を行ない、割り当てられたスロットにてアップリンク通信を行なう。尚、基地局の近くに位置する端末は、送信電力制御情報にて通知された送信電力にマージンを加えた送信電力にて送信を行なうことにより、より良好な通信を行なうことが可能となる。
第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様、基地局にて観測している干渉が大きく変化したときにのみ、端末グループに割り当てられた時間チャネルを変更するものとし、その場合には、以前の割り当てを全てリセットしてから新たに端末のグループ化を行ない、スケジューリングを行なっていく必要がある。また、アップリンク通信に要する送信電力に変更が生じた場合及び端末の位置が大きく動いた場合には、該当端末についてのみ端末グループの入れ替えを行なう形態とし、その場合には端末グループに割り当てられたチャネルの変更等は行わないものとする。
また、第2の実施形態と同様、基地局IDが一致する端末をグループ化したグループ内において端末の送信電力が大きく異なる場合には、送信電力がある程度等しい端末をまとめ、さらに細かくグループ化(サブグループ化)し、サブグループ毎に同じ時間チャネルへの割り当てを行なうこととする。さらに、高い送信電力を要するサブグループへ割り当てられている時間チャネルにおいては空きスロットが存在し、低い送信電力を要するサブグループへ割り当てられている時間チャネルにおいてはスロットが不足している状況においては、低い送信電力を要するサブグループ内の端末を、高い送信電力を要するサブグループが割り当てられている時間チャネルの空きスロットへ割り当てることを許可する形態としてもよい。また、逆に、低い送信電力を要するサブグループの割り当て時間チャネルにおいては空きスロットが存在し、高い送信電力を要するサブグループへ割り当てられている時間チャネルにおいてはスロットが不足している状況においては、高い送信電力を要する端末の変調方式を低く変更すると共に送信電力も低く設定した後、低い送信電力を要するサブグループが割り当てられている時間チャネルの空きスロットへ割り当てることを許可する形態としてもよい。
以上のようなスケジューリングを行なうことにより、第2の実施形態では把握できなかった隣接セルの端末のおおまかな位置を把握することが可能となり、それにより、隣接セルからの干渉を考慮するだけでなく、隣接セルへ与える干渉も考慮した適応的なスケジューリングが可能となる。したがって、第2の実施例と比較して、アップリンク通信におけるセル間干渉をより低減することが可能となり、システム全体として効率の良い通信を行なうことができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当て法について説明する。第4の実施形態によるスロット割り当て法は、基地局から移動局へのダウンリンク通信でのスロット割り当て法であり、隣接セルから到来する干渉の影響を考慮しつつ、基地局において同程度の送信電力レベルを要する複数端末を同一時間チャネルの異なる周波数チャネルに適応的に割り当てを行なう。このような適応スロット割り当てを行なう場合の割り当て結果の一例を図18に示す。
図18(a)は、セルとセル内の端末の配置を示しており、図18(b)は、セル内のそれぞれの端末に対するダウンリンク通信に要する送信電力を示している。このような状況において、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当て法を適用した場合、ダウンリンクに要する送信電力が同程度のレベルとなる端末がグループ化される。ここでは、端末A・端末B・端末Cはグループ1、端末D・端末E・端末F・端末Gはグループ2、端末H・端末Iはグループ3のようにグループ化されている。そして、同一グループに属する端末が同一時間チャネルの異なる周波数チャネルに割り当てられることとなる。ここでは、グループ1が時間チャネル3、グループ2が時間チャネル2、グループ3が時間チャネル5としている。その結果、図18(c)に示すようなチャネル割り当てを行なうことになり、端末へのダウンリンク通信に要する送信電力は時間チャネル毎に同程度のレベルに維持され、隣接セルに与える平均干渉電力を時間チャネル毎にほぼ一定に保つことができる。以下、このような適応スロット割り当てによるチャネル割り当て手順を説明する。
まず、図19に本発明の第4の実施形態によるスロット構成を示す。図19に示すように、本発明の第4の実施形態によるスロット構成では、周波数チャネル数を12、制御スロット(以下、単一周波数チャネルにおける制御情報伝送用の単一時間チャネルを制御スロットと呼び、複数の周波数チャネルにわたる制御情報伝送用の時間チャネルを制御スロット群と呼ぶこととする)を含む時間チャネル数を9とし、全セルで同一周波数帯を用いる構成とする。以下では、基地局間が同期したシステムを例に説明を行なうが、本発明は基地局間同期システムに限定されるものではなく、基地局間が非同期のシステムにも同期システムの場合と同様に適用可能である。
また、基地局間同期システムの場合においては、セル配置が、図20に示すような状態であるとし、図21(a)に示すように制御スロット群の送信タイミングは、全セルで共通のタイミングとしてもよいし、図21(b)に示すようにセル毎に異なるタイミングとする構成としてもよい。さらに、制御スロットの送信タイミングは、周波数チャネル毎に異なる構成としてもよい。以下、制御スロット群を全セルであらかじめ決められた共通のタイミングにて送信する場合について説明する。
まず、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てを行なう場合の端末の装置構成を図22に示す。図22は、端末の装置構成のブロック図である。図22の100はアンテナ部、101は無線受信部、102および111はA/D変換部、103はシンボル同期部、104はガードインターバル除去部、105はS/P部、106はFFT部、107は伝搬路推定およびデマッピング部、108はP/S部、109は誤り訂正復号部、110はデマルチプレックス部、112はRSS測定部、113は干渉電力測定部、114は制御部、115はアップリンク送信部である。
図22に示すように、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てを行なう場合の端末は、従来例とは異なり、RSS測定部112を有し、ダウンリンクにおける受信電力レベルの測定を行なう。また、干渉電力測定部113にて干渉電力の測定が行われる。但し、図22では、干渉電力測定部113はFFT部106の後段にあり、FFT後の干渉信号の電力を測定する構成となっているが、これに限らず、FFT前の干渉信号の電力を測定する構成としてもよい。
このように測定されたRSSIと各時間チャネルにおける干渉電力の情報は、情報データと同様に制御部114へ送られ、アップリンク用のパケットが形成される。そして、アップリンク送信部115にて基地局へ情報が伝送される。
これら以外(情報データの復調等)の処理は、従来の技術と同様に行なわれる。まず、受信信号はA/D変換部102を経て同期部103にてシンボル同期がとられる。その後、ガードインターバル(GI)除去部104にてガードインターバルが除去され、S/P変換部105にてシリアル/パラレル変換された後、FFT部106へ送られ、時間領域の信号から周波数領域の信号へ変換される。このように周波数領域に変換された受信信号に対して、伝搬路推定デマッピング部107において伝搬路の推定とデマッピングが行われ、P/S変換部108においてパラレル/シリアル変換された後、誤り訂正復号部109において送信データが復号され、デマルチプレックス部に送られることとなる。
また、図23は基地局の装置構成のブロック図である。図23において、120はスケジューリング部、121はマルチプレックス部、122は誤り訂正符号部、123はS/P部、124はマッピング部、125は送信電力制御部、126はIFFT部、127はP/S部、128はガードインターバル挿入部、129はD/A変換部、130は無線送信部、131はアンテナ部、132はアップリンク受信部である。
図23に示すように、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てを行なう場合の基地局は、従来例とは異なり、アップリンク受信部より得られたRSSI情報および干渉情報をスケジューリング部120へ送り、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てを行なう。そして、スケジューリング部120により割り当てられたスロットにおいて、各端末の情報データの伝送が行われることとなるが、その際に、各端末に対する送信電力制御情報はスケジューリング部120より得られ、送信電力制御部125へ送られる。上記のスケジューリング部120は、図3に示したスケジューリング部312と同様に、基地局装置(制御局装置)における送信電力決定部を構成する。また、アップリンク受信部132は、基地局装置(制御局装置)における受信部を構成する。より具体的には、アップリンク受信部132は、図3に示したアンテナ部300、無線受信部301、A/D変換部302、同期部303、GI除去部304、S/P変換部305、FFT部306、伝搬路推定デマッピング部307、P/S変換部308−a〜l、誤り訂正復号部309−a〜l、およびデマルチプレックス部310を含んで構成される。
次に、図24および図25に本発明の第4の実施形態による基地局におけるスロット割り当てのフローチャートを示す。以下、図26(a)のセル1の各端末を実際にグループ化し、チャネル割り当てを行ないながら、図24および図25に示す制御フローについて説明する。ここで、図26(a)のセル2(セル1の隣接セル)では既に、チャネルおよびスロットの割り当てが行われており、図26(c)に示すようなチャネル割り当て状況となっているものとする。この時、セル2の各端末I〜Tはそれぞれ図26(a)に示す位置にあり、それぞれの端末に対する基地局における送信電力(ダウンリンクに要する送信電力)は図26(b)に示すようになっているものとする。
以上の状況において、セル1内に位置する端末A、端末B、端末Cにおいて通信要求が生じた場合には、図24および図25に示すように、まず、各セルの基地局から制御スロット群にて定期的に送信される(ステップS2)全周波数チャネルの制御情報を端末A〜Cが受信し(ステップS21)、ステップS22に示すように、各端末における受信信号のRSSIを測定する。但し、各セルの基地局から定期的に送信される制御スロット群はセルエッジに位置する端末においても受信可能な電力にて送信され、制御情報の内容としては、基地局において制御情報を送信する際の送信電力情報(どれだけの送信電力で送信をしているかを示す情報)やスロット割り当て情報等が含まれているものとする。
端末A〜Cは、各端末におけるRSSIの測定後、ステップS23に示すように、受信信号を復調し、制御情報を送信する際の基地局における送信電力情報を得る。次に、ステップS24にて得られた基地局における送信電力情報とステップS22にて得られたRSSIより、伝搬路における電波の減衰量(伝搬損:ここでは、伝搬損=送信電力−RSSIとする)を算出する(ステップS25)。
さらに、ステップS26に示すように、隣接セルから到来する干渉電力の測定を各端末(端末A〜C)にてそれぞれ行なう。端末A〜Cでは、このようにして得られた干渉電力と、ステップS26にて得られた基地局−端末間のダウンリンクの伝搬損情報をそれぞれアップリンク経由で基地局へ通知する(ステップS27)。
以上に示す手順により、基地局において本発明の第4の実施形態による適応スロット割り当てを行なうために必要な、基地局−端末間のダウンリンクの伝搬損情報および隣接セルから到来する干渉電力の情報を各端末数分得ることができる。
次に、基地局では、図24のステップS5〜ステップS7に示すように、アップリンク経由で得た各端末の伝搬損情報に基づいて端末のグループ化を行なう。ここでの端末のグループ化とは、図27(a)に示すように、各端末に対するダウンリンク伝送を行なうために必要な送信電力を各端末の伝搬損から計算し(ステップS6)、計算の結果、同じ送信電力が必要となる端末をグループとして扱う(ステップS7)処理である。
なお、図26(b)や図27(a)および(b)に示すように、ここでは、各端末に対するダウンリンクの送信電力は離散値を取るものとして説明するが、この例に限らず、各端末に対するダウンリンクの送信電力が連続的な値を取る場合にも本発明は適用可能である。
図27(a)に示すように、ここでは、端末Aに対するダウンリンクの送信電力と端末Cに対するダウンリンクの送信電力が同一レベルとなっており、同一グループ(ここでは、グループ2とする。)に属することとなる。また、端末Bは高い送信電力を要し、端末A、Cとは異なるグループ(ここでは、グループ1とする。)に属することとなる。
このように通信要求のある端末(ここでは端末A〜C)のグループ化が行われた後、基地局では、各グループに対する時間チャネル割り当てと該当グループに属する各端末への周波数チャネル割り当てが行われる。本発明の第4の実施形態によるスロット割り当て法では、ダウンリンクにおける送信電力の高いグループから順に時間チャネルを割り当てるものとする(ステップS8)。従って、ここではグループ1(端末Bのみ属している)から時間チャネルの割り当てを行なっていくこととなり、ステップS9に示すように、選択されたグループ(グループ1)に、既にスロットを割り当てられた端末が存在するかを判断する。ここでは、グループ1には新規に通信を開始する端末Bのみが属しているため、ステップS10へ移り、空き時間チャネル(ここでは全時間チャネル)の中で、グループ1の端末Bにて観測される干渉電力が最も低い時間チャネルをグループ1に割り当てる。
図28に示すように、セル1において観測される各時間チャネルの干渉電力の中で時間チャネル4における干渉電力が最小となっており、グループ1には時間チャネル4が割り当てられる。図28に示すように、セル1へ与える干渉電力が時間チャネル4において最小となっているが、これは、セル2の基地局の近くに位置し、ダウンリンクの送信電力が低く設定されている端末I〜Kが時間チャネル4に割り当てられているためである。
このような手順により、グループ1への時間チャネル割り当てが行われ、次に、該当グループに属する各端末への周波数チャネル割り当てが行われる(ステップS11〜ステップS13)。まず、ステップS11に示すように、該当グループ(ここではグループ1)内のスロット未割り当て端末(端末B)に対するダウンリンクのデータ量を算出し、ステップS12に示すように、1フレームあたりに必要な周波数チャネル数を算出する。そして、ステップS13に示すように、必要周波数チャネル数に応じて該当端末へ空き周波数チャネルの割り当てを行なう。ここで、端末Bの必要周波数チャネル数を3とすると、図29に示すように、時間チャネル4の3つの周波数チャネルが端末Bに割り当てられることとなる。
以上でグループ1に対するスロット割り当てが終了となるが、グループ1の他にも割り当てを行わなければならないグループが残っているため、ステップS8に戻り、該当グループ(ここではグループ2)への時間チャネル割り当てを行なう。先程と同様の手順によりグループ2への時間チャネル割り当てを行なうと、既にグループ1へ割り当てられた時間チャネル以外で最も干渉電力の小さい時間チャネル7がグループ2へ割り当てられることとなる。
このグループ単位の時間チャネル割り当ての後、先程と同様に、時間チャネルを割り当てられたグループ2に属する端末A〜Cに周波数チャネルの割り当てを行ない、スロット割り当ての手順を終了する。このようなスロット割り当ての結果は、制御スロット群によりセル内の端末へ報知され(ステップS16、ステップS17)、この後、各端末は割り当てスロットを一定時間占有し通信を行なうこととなる。
ここで、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てを更新し、ある時間チャネルへの割り当てを前フレームとは異なる端末グループに変更する場合、隣接セルに対する干渉の変動を最小限に抑えるために、前フレームにおいて該当時間チャネルに割り当てられていた端末グループと近い送信電力を要する端末グループを、できるだけ割り当てるようにアルゴリズムを動作させることが望ましい。
ここまでのスロット割り当て結果を図29に示す。図29に示すように、セル1のダウンリンクにおいて高い送信電力を必要とする端末Bは、セル2において最も低い送信電力でダウンリンク送信が行われる端末I〜Kと同一時間チャネルに割り当てられる。また、セル1においてやや高い送信電力を有する端末A、Cは、セル2において低い送信電力でダウンリンク送信が行われる端末Lと同一時間チャネルに割り当てられる。
このように、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てを行なうことにより、隣接セル双方において高い送信電力を必要とする端末を同一時間チャネルに割り当てる状況が低減され、セル間干渉を抑えることができる。
さらに、セル1において、新たに端末D〜Hの通信要求が生じた場合について、同様の手順によるスロット割り当て経過を説明する。まず、先程(ステップS21〜ステップS29)と同様、基地局からの制御情報を受信した各端末は、アップリンク経由でダウンリンクの伝搬損情報および干渉電力の情報を基地局へ報告する。ここで、端末D〜Hに対するダウンリンク送信電力はそれぞれ図27(a)に示すものとすると、既に端末Aと端末Cが属するグループ2に端末D、Fが追加される。また、既に端末Bが属するグループ1に端末Eが追加され、端末Gはグループ3、端末Hはグループ4にそれぞれ属することとなる(ステップS5〜ステップS7)。
次に、ステップS8に示すように、ダウンリンクにおける送信電力の高いグループから順に時間チャネルを割り当てるものとすると、端末Eの属するグループ1に時間チャネルが割り当てられることとなる。この時、グループ1には端末Bが属しており、既に時間チャネル4が割り当てられている。この時間チャネル4の空き周波数チャネル数が端末Eの必要周波数チャネル数より多いため、端末Eには時間チャネル4の空き周波数チャネルの中から必要周波数チャネル数分が割り当てられることとなる(ステップS11〜ステップS16)。
また、同様に、先にグループ2が割り当てられた時間チャネル7の空き周波数チャネルに端末D、Fが割り当てられることとなるが、時間チャネル7における空き周波数チャネルは、図29に示すように3周波数チャネルしかない。端末Dの必要周波数チャネル数が3であるとすると、時間チャネル7に端末Dを割り当てることは可能であるが、端末Fの必要周波数チャネル数が5であるとすると、時間チャネル7に端末Fを割り当てることはできない。このような場合には、端末Dは時間チャネル7の残りの周波数チャネルへ割り当て、端末Fは他のグループが割り当てられていない時間チャネルへ割り当てることとする。これにより、同一グループに割り当てられる時間チャネル数を増加する制御を行なう(ステップS14、15)。
従って、グループが割り当てられていない時間チャネル(時間チャネル1〜3、5、6、8)において、端末Fから報告された干渉電力が最も低い時間チャネル3が端末F(グループ2)に割り当てられ、端末Fの必要周波数チャネル数分(5周波数チャネル)だけ周波数チャネルが割り当てられる。
また、残りの時間チャネルの中より、端末Gから報告された干渉電力の最も低い時間チャネル8が端末Gの属するグループ3に割り当てられ、端末Gの必要周波数チャネル数分だけ周波数チャネルが割り当てられることとなる。同様に、端末Hの属するグループ4に時間チャネル6が割り当てられ、端末Hの必要周波数チャネル数分の周波数チャネルが割り当てられる。
以上のスロット割り当て結果を図30に示す。図30に示すように、セル1のダウンリンクにおいて高い送信電力を必要とする端末B、Eは、セル2において低い送信電力でダウンリンク送信が行われる端末I〜Kと同一時間チャネルに割り当てられる。また、セル1ダウンリンクにおいてやや高い送信電力を必要とする端末A、C、D、Fは、セル2において低い送信電力でダウンリンク送信が行われる端末L〜Oと同一時間チャネルに割り当てられる。
さらに、セル1において高い送信電力を必要としない端末Gおよび端末Hはそれぞれ、セル2において高い送信電力を必要とする端末Tおよび端末Sと同一の時間チャネルが割り当てられる。このように、隣接セルにおいて高い送信電力を有する端末が同一時間チャネルに割り当てられる状況を低減することができており、これは、隣接セルが複数存在する状況においても上記の手順を繰り返すことにより同様の割り当てが行われることとなる。
以上に示すように、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当て手順を繰り返すことにより、ダウンリンクにおいて同程度の送信電力が必要となる端末のグループ化を行ない、隣接セルから到来する干渉を考慮して、グループ毎に異なる時間チャネルを割り当てることができる。このように、必要となる送信電力および隣接セルから到来する干渉に応じて、適応的にスロットを割り当てることにより、隣接セル双方で高い送信電力を有する端末が同じ時間チャネルへ割り当てられる状況を減らし、また、新たに通信を開始する端末に対しても同様の制御を行なうことにより、隣接セルへ与える平均干渉電力が大きく変動することを抑えることも可能となるため、セル間干渉を低減することができる。
この本発明によるスロット割り当て手順とは別に、セル毎に使用可能な時間チャネルをあらかじめ設定しておく、または各時間チャネルの送信電力をセル毎に異なる値にあらかじめ設定しておくことにより、隣接セル間の干渉を低減することは可能となるが、このように使用可能な時間チャネルをあらかじめ限定する方法では、セル内に同一送信電力レベルを必要とする端末が多数存在する状況等において、空き時間チャネルがあるにも関わらず時間チャネルの割り当てが行われず、効率が低下する状況が生じる。
これに対し、本発明によるスロット割り当てでは、使用可能な時間チャネルをあらかじめ限定せず、必要となる送信電力および隣接セルから到来する干渉電力に応じて動的に時間チャネル割り当てを行なうため、このような制御を各セルの基地局が自律分散的に行なうことにより、端末の増減やセルの追加に対して柔軟に対応することが可能であり、セル間干渉を低減しつつ高効率な通信が実現できる。
次に、本発明の第4の実施形態の変形例を示す。まず、適応変調を適用する場合の形態を示す。本発明の第4の実施形態によるスロット割り当て手順では、ユーザデータを伝送する際の信号の変調方式等については触れていなかったが、OFDM等のマルチキャリア伝送を用いる場合には、全サブキャリアにおいて同一の変調方式を用いてもよいし、サブキャリア毎に異なる変調方式を用いる形態としてもよく、常に同一の変調方式を用いるのではなく、伝搬路状況に応じて時間的に異なる変調方式を用いる形態としてもよい。
同様に、各周波数チャネルにおいてOFDMを用いない場合(周波数チャネル毎にシングルキャリア伝送を用いる場合)においても、伝搬路状況に応じて時間的に異なる変調方式を用いる形態としてもよい。このように伝搬路状況に応じて変調方式を変更する手順としては、各端末に割り当てられたスロットにおける受信信号電力と干渉電力を測定し、その比をとり受信SINRを算出した後、受信SINRに応じた変調方式を選択することとなる。このように、本発明の第4の実施形態によるスロット割り当てに、適応変調を組み合わせることにより、より高効率な通信が実現できる。
次に、時間チャネル割り当て手順に関する別の変形例を示す。本発明の第4の実施形態によるスロット割り当て手順では、通信要求のある端末グループの中で最も高い送信電力を必要とする端末グループから順に時間チャネル割り当てを行なっていたが、これとは逆に、通信要求のある端末の中で最も低い送信電力で送信可能な端末グループから順に時間チャネル割り当てを行なう手順としてもよい。この場合には、ダウンリンクにおける送信電力が最も低い端末グループ順に、割り当てが行われていない残りの時間チャネルの中から干渉電力の高い時間チャネルが割り当てていくこととなる。
また、本発明の第4の実施形態では、通信要求のある端末グループの中で最も高い送信電力を必要とする端末グループから順に、割り当てが行われていない残りの時間チャネルの中で、該当グループの端末において測定された干渉電力が最小となる時間チャネルを割り当てていた。しかし、通信要求のあるグループにおいて必要とされる送信電力がさほど高くない場合には、該当グループに干渉電力が最小となる時間チャネルが割り当てられることとなり、その後、セルエッジ付近に位置する端末において通信要求が発生し非常に高い送信電力を要とするグループが形成されても、高い送信電力を要する新規グループには干渉電力が最小となる時間チャネルを割り当てることができない。
このような状況を回避するために、本発明の第4の実施形態とは別に、図31に示すように、あらかじめ設定した数段階の送信電力レベルと各時間チャネルの干渉レベルを対応付けし、自グループより高い(低い)送信電力レベルを要するグループが形成される状況を想定して、送信電力レベルと干渉電力レベルの対応付けに基づく時間チャネルの割り当てを行なう手順としてもよい。この場合にも、図31に示す送信電力レベルに対応する干渉レベルの時間チャネルのみを割り当て対象とするのではなく、同一送信電力レベルとなる端末数が多く、対象時間チャネルに割り当てきれない状況では、送信電力レベルに対応していない時間チャネルも割り当て対象とすることにより、周囲の状況に動的に対応することが可能となる。
また、本発明の第4の実施形態とは別に、通信要求のある端末グループの中で最も高い(低い)送信電力を必要とする端末グループから順に、割り当てが行われていない残りの時間チャネルのうち、あらかじめ決められた所要受信品質を満足する干渉電力の閾値以下となる時間チャネルから任意の時間チャネルを割り当てる手順を用いてもよい。
次に、ダウンリンクにおける制御情報の内容およびアップリンク経由で各端末から基地局へ報告する情報の内容と、さらに周波数チャネルの割り当て方法に関する別の形態を示す。本発明の第4の実施形態では、ダウンリンクにおける制御スロット群において、制御情報を送信する際の基地局における送信電力情報を伝送し、端末では、RSSIから求まる伝搬損と干渉電力を推定し、アップリンクにて基地局へ報告する形態としていた。
これとは別に、ダウンリンクの制御スロット群では本発明の第4の実施形態と同様に基地局における送信電力情報を伝送するが、各端末では、測定したRSSIと干渉電力を基地局へ報告する形態としてもよい。この場合には、基地局における送信電力と報告された端末におけるRSSIの差より伝搬路における伝搬損が基地局において計算された後、本発明の第4の実施形態と同様に、伝搬損から各端末に対するダウンリンク送信に必要となる送信電力が計算され、各端末の送信電力に基づくグループ化が行われる。この形態を用いることにより、端末において伝搬損を求める手順とその計算部を削減することができる。
また、これとは別に、ダウンリンクの制御スロット群では本発明の第4の実施形態と同様の情報を伝送するが、各端末では、RSSIを測定し伝搬損の計算後、送信電力制御情報を求め、これと干渉電力を基地局へ報告する形態としてもよい。但し、送信電力制御情報とは、各端末の伝搬損より求まるダウンリンク伝送を行なうために必要な送信電力から、制御スロット群を伝送した際の送信電力を減算したもので、制御スロット群の送信電力からどれだけ電力を上げ下げすればよいかを表している。
また、ダウンリンクの制御スロット群では本発明の第4の実施形態と同様の情報を伝送するが、各端末では、周波数チャネル全体の受信電力を表すRSSIの代わりに各周波数チャネルの受信信号電力を測定・平均し、これと干渉電力を基地局へ報告する形態としてもよい。この場合には、基地局における送信電力と端末における各周波数チャネルにおける受信電力の平均の差より伝搬路における伝搬損が基地局において計算された後、本発明の第4の実施形態と同様に、伝搬損から各端末に対するダウンリンク送信に必要となる送信電力が計算され、各端末の送信電力に基づくグループ化が行われる。
さらに、ダウンリンクの制御スロット群では本発明の第4の実施形態と同様に基地局における送信電力情報を伝送するが、各端末では、RSSIの代わりに各周波数チャネルの受信信号電力を測定し、これと干渉電力を基地局へ報告する形態としてもよい。この場合には、基地局において各周波数チャネルの受信信号電力が平均され、基地局における送信電力と先に求められた受信電力の平均の差より伝搬路における伝搬損が基地局において計算された後、本発明の第4の実施形態と同様に、伝搬損から各端末に対するダウンリンク送信に必要となる送信電力が計算され、各端末の送信電力に基づくグループ化が行われる。
このように、端末で測定した各周波数チャネルの受信信号電力をアップリンク経由で基地局に報告する形態では、アップリンクにおける情報量が増加し、アップリンクの効率がやや低下する。しかし、各端末における周波数チャネル毎の受信信号電力を基地局が把握することにより、グループへの時間チャネル割り当て後に各グループの端末へ周波数チャネルが割り当てられる際に、フェージングの影響により受信電力に差が生じる周波数チャネルの中から、各端末に対して最も良好な受信電力が得られる周波数チャネルの割り当てを行なうことが可能となり、ダウンリンクにおける効率が向上する。
また、本発明の第4の実施形態と異なり、ダウンリンクの制御スロット群において基地局における送信電力を伝送せず、端末でRSSIまたは各周波数チャネルの受信信号電力を測定し、これと干渉電力をアップリンクにて基地局へ報告する形態としてもよい。この時、各周波数チャネルの受信信号電力は平均化してもよいし、平均化せず、周波数チャネル分の情報を報告する形態としてもよい。このような形態とすることにより、ダウンリンクにおける制御情報を削減することができる。
以上のいずれの形態を用いる場合にも、端末における受信信号電力や干渉電力の測定結果をアップリンクにて基地局に報告する周期は、フレーム毎としてもよいし、任意の一定間隔としてもよい。
また、先に述べたように、ダウンリンクにおける制御スロット群の送信タイミングは、全セルで共通のタイミングとしてもよいし、セル毎に異なるタイミングとするとしてもよい(図21)。ここで、本発明の第4の実施形態に示すようにダウンリンクにおける制御スロット群の送信タイミングを全セルで共通のタイミングとすると、ダウンリンク制御スロット群はセルエッジに位置する端末においても受信可能な電力にて送信されるため、セルエッジ付近に位置する端末では、隣接セル同士の制御情報が互いに干渉することがある。このような問題に対し、ダウンリンクにおける制御スロット群の送信タイミングをセル毎に異なるタイミングとすることにより、セルエッジに到達する電力(送信可能な最大電力)で送信される制御情報同士が干渉する状況を回避することができる。
さらに、本発明によるスロット割り当てを実施する場合には、隣接セルのダウンリンクにおいて制御情報が割り当てられている時間チャネルでは高い干渉電力が測定されるため、同じ時間チャネルに、自セル内においてダウンリンクの送信電力が低い端末グループを動的に割り当てることとなる。これにより、セル間で制御情報とユーザデータが干渉する状況を回避することも可能となる。
このように、ダウンリンクにおける制御スロット群の送信タイミングをセル毎に異なるタイミングとすることにより、セルエッジに到達する電力で送信される制御情報同士が干渉する状況を回避し、隣接セルにおいて制御情報が送信されている時間チャネルには送信電力の低い端末を割り当てることにより、制御情報とユーザデータの干渉をも回避可能であるが、何らかの原因により隣接セルの基地局に不具合が生じ、ダウンリンクにおける制御情報の送信時間チャネルにおいて隣接セルで非常に高電力を有する信号が送信されることもあり得る。このような場合には、制御情報が高電力を有する干渉を受け、セル内の多くの端末が通信不能になる。このような問題に対する対策として、図32に示すように、ダウンリンクにおける制御スロット群をあらかじめ決められたタイミングで常に送信する形態(図32(a))ではなく、隣接セルの干渉に応じて適応的に送信タイミングを変更する柔軟性を持たせた形態(図32(b))としてもよい。
これは、ダウンリンクにおける制御情報の受信と同時に干渉電力を測定し(SINRの測定でもよいし、制御情報の誤りを検出してもよい)、ある閾値を超える電力を有する干渉が観測される場合(制御情報が連続して誤る等の場合でもよい)には、空き時間チャネルのうち最も干渉電力の低い時間チャネルへ制御スロット群を移す制御である。ここで、空き時間チャネルがない場合には、干渉電力の最も低い時間チャネルへ割り当てられている端末との通信を切断(中断)し、空いた時間チャネルへ制御スロット群を移動させる。
このような形態とすることにより、いくつかの端末の通信は強制的に切断されることとなるが、干渉の影響により制御情報が正しく受信できない状況においてはセル内の多くの端末の通信が切断されてしまうため、上に述べた形態とすることによりセル内の多くの端末が行なっている通信を維持することができる。この時、制御スロット群を移動する直前のフレームにおいて、制御スロット群を移動する旨を端末に報知する形態としてもよいし、そのような制御は行わず、端末において制御スロット群が受信できなくなった場合には、次フレーム全体に渡り制御スロット群を検出する仕組みを端末側に持たせる形態としてもよい。
次に、周囲の環境の変化に応じてスロット割り当てを更新するタイミングに関する別の形態を示す。本発明の第4の実施形態では、スロット割り当て後、各端末は割り当てスロットを任意の一定時間占有し通信を行なうものとしており、ある時間チャネルへの割り当てを前フレームとは異なる端末グループに変更する場合、前フレームにおいて該当時間チャネルに割り当てられていた端末グループと近い送信電力を要する端末グループを、できるだけ割り当てるよう動作していた。
つまり、一旦、ある時間チャネルに端末グループを割り当てた後は、その割り当てをなるべく変更しない、または、変更しても近い送信電力を要する端末グループへ割り当てるようにしていた。これは、時間チャネルへ割り当てる端末グループを頻繁に変更する場合、隣接セルにおいて観測される干渉が頻繁に変化することとなり、隣接セル間干渉が生じ、特性が劣化する状況が考えられるためである。
また、前フレームにおいて割り当てられていた端末グループに必要な送信電力とは大きく異なる送信電力(特に前フレームに比べ極端に高い送信電力)を要する端末グループへ割り当てを変更する場合にも、隣接セルにおいて観測される干渉が急激に変化するため、やはり特性の劣化が生じてしまうためである。但し、以下のような場合についてはスロット割り当てを更新する形態とすることにより、より良い特性が得られるものと考えられる。
一般に、端末は通信中にも移動するため、移動することにより基地局からの距離が変わり、これまで属していたグループとは異なる送信電力が必要となる場合がある。このように、端末の移動に伴い、ダウンリンクに必要となる送信電力が変化した場合、つまり、以前のグループ構成とは異なるグループ構成となった場合に、スロット割り当てを更新する形態としてもよい。また、割り当てられたスロットにおいて通信中に、端末において高い電力を有する干渉が観測される(受信SINRが劣化する、連続してデータが誤る)等の状況に陥った際に、スロット割り当てを更新する形態としてもよい。
これらの場合に、全てのグループの全端末に対してスロット割り当ての見直しを行なってもよいし、ダウンリンクに必要となる送信電力が変化する等の状況に該当する端末のみへのスロット割り当ての見直しを行なう形態としてもよい。但し、このようなスロット割り当ての見直しを行なう場合にも、隣接セルへ与える干渉の急激な変化を抑えるために、前フレームにおいて割り当てられていた端末グループとできるだけ近い送信電力を要する端末グループまたは端末を、該当時間チャネル(スロット)へ割り当てることが望ましい。
また、孤立セル等、周囲のセル数が少ない状況においては、スロット割り当ての更新を頻繁に行なってもよいし、前フレームにおいて割り当てられていた端末グループとは、送信電力が大きく異なる端末グループを該当時間チャネルへ割り当ててもよい。
次に、ダウンリンクにおいて同一送信電力を要する複数端末が属する一つのグループに対して、複数時間チャネルを割り当てる場合に関する別の形態を示す。本発明の第4の実施形態では、時間チャネルを割り当てられたグループ内の各端末に対するダウンリンク伝送において1フレームあたりに必要な周波数チャネル数を計算し、各端末の必要周波数チャネル数に応じて空き周波数チャネルを端末に割り当てていた。そして、該当時間チャネルの空き周波数チャネル数が必要周波数チャネル数に満たない場合には、別の時間チャネルへの割り当てを行なうこととしており、同一送信電力を要する複数端末ができるだけ1時間チャネルに収まるように割り当てを行なっていた。
このような形態とは別に、ダウンリンクにおいてあるレベルの送信電力を要する端末グループに割り当てることができる最大時間チャネル数をあらかじめ決めておき、その最大時間チャネル数を超えない範囲において基地局が自由に割り当てを行なうことができる形態としてもよい。この時、あるレベルの送信電力を要する端末グループに割り当てることができる最大時間チャネル数をあらかじめ決めておくのではなく、基地局において隣接セルから到来する干渉を測定し、隣接するセル数を推定することにより、隣接セル数に応じて最大時間チャネル数を調整する仕組みを持たせてもよい。
また、ある一つのグループに複数時間チャネルが割り当てられた場合には、該当グループに属する端末は、割り当てられた複数時間チャネルのうち、どの時間チャネルを用いてもよく、通信中に異なる時間チャネルの空き周波数チャネルへ割り当てを変更することを許可する形態としてもよい。このような場合の例を図33に示す。図33に示すように、端末A、C、Dは時間チャネル7に、端末Fは時間チャネル3に割り当てられているが、これらの端末は同一グループに属しているため、端末Dを端末Fが割り当てられている時間チャネル3に割り当てなおすことを許可してもよい。これは、端末Dと端末Fへのダウンリンクに要する送信電力が同じレベルであるため、端末Dの割り当て時間チャネルを変更しても隣接セルへ与える影響は変化しないためである。
また同様に、1つの端末を、これまで割り当てられていた時間チャネルに加え、同じグループに属する端末が割り当てられている別の時間チャネルへも割り当てる(つまり、1つの端末に複数時間チャネルを割り当てる)ことを許可する形態としてもよい。
さらに、全ての時間チャネルが割り当て済みであるものの、高い送信電力を要する端末グループの割り当て時間チャネルにおいては空き周波数チャネルが存在し、低い送信電力を要する端末への割り当て周波数チャネルが不足している状況においては、低い送信電力を要する端末を、高い送信電力を要する端末グループが割り当てられている時間チャネルの空き周波数チャネルへ割り当てることを許可する形態としてもよい(図34)。
これは、高い送信電力を要する端末グループが割り当てられている時間チャネルは、隣接セルでは低い送信電力を要する端末グループが割り当てられている可能性が高く、該当時間チャネルの空き周波数チャネルに低い送信電力を要する端末を割り当てた場合にも隣接セル間干渉は生じないためである。
しかし、逆に、低い送信電力を要する端末グループの割り当て時間チャネルにおいては空き周波数チャネルが存在し、高い送信電力を要する端末への割り当て周波数チャネルが不足している状況において、高い送信電力を要する端末を、低い送信電力を要する端末グループが割り当てられている時間チャネルの空き周波数チャネルへ割り当てた場合には、隣接セルとの間で大きな干渉が生じることとなってしまう。そこで、高い送信電力を要する端末を、低い送信電力を要する端末グループが割り当てられている時間チャネルにおける空き周波数チャネルへ、そのまま割り当てるのではなく、高い送信電力を要する端末の変調方式を低く変更すると共に送信電力も低く設定した後、低い送信電力を要する端末グループが割り当てられている時間チャネルの空き周波数チャネルへの割り当てを許可する形態としてもよい。このような形態とすることにより、異なる端末グループが割り当てられている時間チャネルへの割り当てが行われた場合にも、該当端末への送信電力を低く設定することによる誤りの発生を回避しつつ、送信電力を低く設定することにより隣接セルへ与える干渉も抑えることができる。
次に、高い送信電力を要する端末用に空き時間チャネルを確保しておく別の形態について示す。先に述べたように、本発明の第4の実施形態では、通信要求のある端末グループの中で最も高い送信電力を必要とする端末グループから順に、割り当てが行われていない残りの時間チャネルの中から、該当グループの端末において測定された干渉電力が最小となる時間チャネルを割り当てていた。しかし、通信要求のあるグループにおいて必要とされる送信電力がさほど高くない場合には、該当グループに干渉電力が最小となる時間チャネルが割り当てられることとなり、その後、セルエッジ付近に位置する端末において通信要求が発生し非常に高い送信電力を要とするグループが形成されても、高い送信電力を要する新規グループには干渉電力が最小となる時間チャネルを割り当てることができない。
この問題に対する対策として、高い電力を要する端末グループ用として少なくとも1つの時間チャネルを空けておく形態としてもよい。また、逆に、低い電力を要する端末グループ用として少なくとも1つの時間チャネルを空けておく形態としてもよい。さらに、ある一定値以上の干渉が観測される時間チャネル(干渉時間チャネル)の数をカウントし、全時間チャネル数から干渉時間チャネルを減算した結果の時間チャネル数を、高い電力を要する端末グループ用として確保しておく形態としてもよい。
このように、高い(低い)電力を要する端末が通信を行なっていない状況においても、高い(低い)電力を要する端末グループ用に空き時間チャネルを設けておくことにより、後にそのような端末において通信要求が生じた場合にも対処可能となる。しかし、ただ空き時間チャネルを確保しておくだけでは、該当時間チャネルに隣接セルの高い電力を要する端末グループが割り当てられてしまうこともあり(低い電力を要する端末グループの場合にはあまり問題とならない)、効果的な対策とは言えない。
そこで、高い電力を要する端末グループが存在しない場合にも、他の端末により干渉電力が最小となると判断された時間チャネルにおいて、制御情報の送信時と同じ送信電力によりダミーデータを送信することにより、高い電力を要する端末グループ用の時間チャネルを予約しておく形態としてもよい。また、このようにダミーデータを送信する予約時間チャネルはセル毎に異なる時間チャネルとなるよう、あらかじめ決めておいてもよい。
また、高い送信電力を要する端末が存在し時間チャネルが割り当てられているものの、割り当てられている周波数チャネル数が少なく、該当時間チャネルの大半の周波数チャネルが空いている状況においては、該当時間チャネルの空き周波数チャネルにおいてダミーデータを送信する形態としてもよい。このような形態とすることにより、隣接セルの各端末において高い干渉電力の時間チャネルを検出することが容易となる利点がある。
さらに、高い送信電力を要する端末グループ用に時間チャネルを予約するためダミーデータを送信する形態のオプションとして、セル内に端末が全く存在しない状況においては、隣接セルへ与える干渉を減らすために、ダミーデータの送信を停止する機能を取り入れてもよい。
また、一般に、移動体通信システムにおいては、通信要求がない端末に対しても基地局−端末(電源が投入されている端末に限る)間では制御情報(基地局IDや端末ID)の送受が行われており、基地局はどの端末が自セル内に存在するかを、端末は自分がどのセルに属しているかを把握している。このような制御情報の送受が基地局−端末間で行われるシステムの基地局においては、端末とのデータ通信が開始された際に、ダウンリンクにおいてどれだけの送信電力が必要かを推測することができる。そこで、時間チャネル予約を目的としてダミーデータを送信する形態のオプションとして、データ通信が開始された際に高い送信電力が必要となると推測される端末がセル内に存在する場合にはダミーデータを送信し、データ通信が開始された際に高い送信電力が必要となると推測される端末がセル内に存在しない場合にはダミーデータの送信を停止する機能を取り入れてもよい。
このように、ダウンリンクにおいて必要となる送信電力を基地局において推測し、推測結果に基づきダミーデータの送信を行なうことにより、隣接セルへ干渉を与えないよう配慮しつつ、自セル内の高い電力を要する端末用の時間チャネルを予約することができる。
なお、以上の説明では、同一グループに属する端末装置に同一時間チャネルを割り当てる場合について示したが、本発明は、これに限られるわけではなく、同一グループに属する端末装置に同一周波数チャネルを割り当てる場合についても適用可能である。