JP4337522B2 - 電動式船外機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動式船外機に関する。
一般に、船外機はその動力源としてガソリン等を用いる内燃機関、いわゆるガソリンエンジン等を用いている。ガソリンエンジンは、燃料系統や吸・排気系統、電気系統、潤滑系統、さらには駆動系統と、構造が複雑であり部品点数も多く、さまざまな問題の原因となる箇所が多く含まれている。
さらに、近年においては環境問題がクローズアップされており、ガソリンや潤滑オイルの漏れ、排気ガスの水中への排出など、ガソリンエンジン搭載の船外機には問題点が多い。
そこで、これらの問題点を鑑み、動力源に電動モータを備えた船外機が考案されている(例えば特許文献1参照)。このような船外機は、水中のプロペラ前方に電動モータを配置して船内に配置したバッテリから電源を供給するようにしている。
特開昭59−45296号公報(第三頁〜第四頁、および第2図)
しかしながら、従来の電動式船外機は発熱する電動モータを冷却するためにこの電動モータを水中に配置しているため、水中での抵抗を考慮すると電動モータの大型化、すなわちガソリンエンジンの代替は困難である。また、大型の電動モータを水中に配置するにはこの電動モータの支持部材も大型化しなければならないなどの問題があり、電動式船外機は小型小出力の電動モータしか用いられなかった。
以上のことから、従来の電動式船外機はトローリングや接岸時等に用いられる補機としての使い道しかなかった。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、高出力のガソリンエンジンを代替可能な且つコンパクトな電動式船外機を提供することを目的とする。
本発明に係る電動式船外機は、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、船外機を船体へ支持する支持部と、この支持部の上方にモータカバーによって覆われて形成されるモータルームとを備え、このモータルーム内に電動モータと、この電動モータに電力を供給するバッテリと、上記電動モータを制御する制御ユニットとを設け、上記電動モータの周囲にオイルジャケットを形成すると共に、上記モータルーム下部のロアケースまたはエクステンションケースにオイルタンクおよびオイルポンプを配置し、上記オイルジャケットと上記オイルタンクとを連結して上記オイルポンプによって冷却油を循環させたものである。
本発明に係る電動式船外機によれば、電動モータを大型化できて高出力のガソリンエンジンを代替可能となる。また、船外機全体をコンパクトにまとめることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る船外機の一例を示す左側面図である。また、図2は同船外機の第一実施形態を示す縦断面図である。図1および図2に示すように、この船外機1はその最上部に箱状のモータカバー2を有し、その内部に形成されたモータルーム3にこの船外機1の動力源としての電動モータ4が収納される。モータカバー2は例えば上下に分割可能に形成され、例えば船外機1側に固定されるロアモータカバー5と、このロアモータカバー5に上方から着脱自在に覆い被さるアッパーモータカバー6とから構成される。ロアモータカバー5の前下部(図における左側)からは操舵ハンドル7が前方(図における左方)に向かって延び、その先端に電動モータ4出力調整用のスロットルグリップ8が設けられる。また、操舵ハンドル7には電動モータ4の正・逆転を切り替えるシフトスイッチ9が設けられる。
ロアモータカバー5の下部にはエクステンションケース10が下方に向かって延設され、このエクステンションケース10の下部にロアケース11が設けられる。ロアケース11の内部にはプロペラシャフト12が軸支され、その後端にプロペラ13が設けられる。
モータルーム3内において、エクステンションケース10の上部に一体または一体的に形成されたモータマウント14に電動モータ4はその出力軸15がほぼ鉛直方向を向くよう縦置き(バーティカル)に設けられ、例えばボルト16によって固定される。
エクステンションケース10内には電動モータ4の出力軸15下端にカップリング17を介して連結されたドライブシャフト18が下方に向かって延び、ドライブシャフト18の下端がベベルギヤ19を介してプロペラシャフト12に連結される。電動モータ4の出力、すなわち出力軸15の回転はドライブシャフト18およびベベルギヤ19を経てプロペラシャフト12に伝達され、プロペラ13を回転させる。
エクステンションケース10の上部は、船外機1を船体20へ支持する支持部であるブラケット装置21のスイベル部22に水平方向に回転自在に支持されると共に、ブラケット装置21のクランプ部23が船体20のトランサム20aに固定され、スイベル部22はこのクランプ部23にチルト軸24を介して上下方向にチルト可能に軸支される。すなわち、船外機1は船体20に対しほぼ360°に亘って回転可能に設けられ、操舵ハンドル7を水平方向に振ることにより船外機1全体の向きを変えて船体20の操舵を行うことができるように構成される。
モータルーム3内には電動モータ4の他に、この電動モータ4に電力を供給する例えばリチウムイオンバッテリ等の充電式バッテリ25と、電動モータ4の回転数等を制御する制御ユニット26とが設けられ、この第一実施形態においては電動モータ4の後方にバッテリ25が、電動モータ4の前方に制御ユニット26がそれぞれ配置される。なお、バッテリ25は図示しない充電器付きとしてもよいが、船外機1以外の場所(例えばマリーナや自宅)で充電作業できるよう、着脱可能とした方が好適である。
さらに、アッパーモータカバー6の前面にはバッテリ25の残量等を示す表示パネル27が設けられると共に、この表示パネル27にはメインの電源スイッチ28も設けられる。そして、上記制御ユニット26はモータルーム3内にてこの表示パネル27の後方に近接配置される。
電動モータ4の前方に制御ユニット26を配置したことにより、操舵ハンドル7先端のスロットルグリップ8やシフトスイッチ9、表示パネル27等との配線29が短くて済む。また、電動モータ4はシフトスイッチ9によって簡単に正・逆転を切り替えることができるので、従来必要であったドライブシャフト18とプロペラシャフト12とを連結するシフト機構が不要となり、図1に二点鎖線で示したガソリンエンジン搭載の船外機のロアケースやエクステンションケースより小型化が可能となる。船外機1の下部は通常水中に没しているため、ロアケース11やエクステンションケース10の小型化により水中抵抗が低減して推進効率が向上する。
同様に、電動モータ4は排気ガスを排出しないので、ロアケース11やエクステンションケース10内に排気通路を設ける必要がなく、ドライブシャフト18と後述する冷却水パイプ30や冷却油パイプ31が通るスペースさえ確保できればよいので、ロアケース11やエクステンションケース10の小型化が図れる。
また、電動モータ4は排気ガスを排出しないので、従来排気ガスが排出されていたプロペラ13のハブ32を小さくできる。その結果、プロペラ13の翼面積を大きくできるので、推進効率が向上する。
ところで、この船外機1の動力源である電動モータ4は高回転で連続運転をすると電動モータ4そのものが発熱するといった特性がある。そこで、本発明に係る船外機1には電動モータ4から発生する熱を除去したり緩和したりする冷却装置33が備えられる。
図3は、本発明の第一実施形態である船外機1の冷却装置33Aを示す拡大縦断面図である。図2および図3に示すように、この冷却装置33Aは水冷式であって、電動モータ4の周囲には冷却水が流れる、冷却水通路であるウォータジャケット34が形成される。一方、例えばロアケース11内にはドライブシャフト18の回転によって駆動される例えば容積変動型冷却水ポンプ35が設けられる。そして、この冷却水ポンプ35からは上方のウォータジャケット34に向かって上記冷却水パイプ30がドライブシャフト18に沿ってエクステンションケース10内を延びる。
電動モータ4の回転に伴ってドライブシャフト18が回転すると、冷却水ポンプ35内の図示しないインペラが回転してロアケース11に設けられた図示しない取水口から外部の水を冷却水として取り込み、この冷却水を電動モータ4の周囲に形成されたウォータジャケット34に圧送して電動モータ4を強制的に冷却する。また、電動モータ4を冷却した後の冷却水は、図示しない冷却水排出口から外部に排出されるようになっている。
なお、詳細には図示しないが、ウォータジャケット34の外部ハウジング(図示せず)にはウォータフラッシュ用の栓(図示せず)が設けられており、例えば船外機1の使用後に水道水のホース等をこの栓に接続すれば、ウォータジャケット34の洗浄が容易に行われ、冷却効率の低下を防止できる。
図4は、本発明の第二実施形態である船外機1の冷却装置33Bを示す拡大縦断面図である。図2および図4に示すように、この冷却装置33Bも水冷式であって、電動モータ4の周囲にはウォータジャケット34とは異なって冷却水が流れる他の冷却水通路である冷却水チューブ36が設けられる。なお、冷却水チューブ36は電動モータ4の周囲に直付けされる。そして、上記第一実施形態の冷却装置33A同様、ロアケース11内に設けられた冷却水ポンプ35が冷却水を電動モータ4の周囲に設けられた冷却水チューブ36に圧送して電動モータ4を強制的に冷却する。
この水冷式の冷却装置33Bは、電動モータ4内にウォータジャケット34が設けられていないので、ウォータジャケット34内に塩分やごみが溜まったり、腐食したりするといったことがない。また、冷却水チューブ36の場合はウォータジャケット34の場合に比べて冷却水の流れがより均一となってよどみが生じず、冷却性能が高い。さらに、冷却水チューブ36は電動モータ4と別体に設けられるので、電動モータ4への水浸入防止のシール構造が不要となり、構造が簡素化する。そして、詳細には図示しないが、冷却水チューブ36はバッテリ25や制御ユニット26の周囲にまでも延設配置が可能であり、必要であればこれらの電装部品の冷却も容易に行える。
そして、これらの水冷式の冷却装置33A,33Bは、航走時の冷却水を電動モータ4に送ることによって確実に電動モータ4の過熱を抑えることができると共に、従来ガソリンエンジン等に用いられていたものと同様の揚水構造を有するため、信頼性が高く、メンテナンスも容易である。また流用部品も多いため、経済的である。さらに、冷却水ポンプ35をロアケース11内に配置する場合、このロアケース11の隔壁を冷却水ポンプ35のケーシングとして利用可能なので、部品点数の削減が図れる。さらにまた、ロアケース11は走行中も水中に位置するため、ポンプロスが少ない。なお、冷却水ポンプ35はエクステンションケース10内に設けてもよい。
そして、電動モータ4の冷却が冷却水によって行われるため、モータカバー2に換気用の外気取り入れ口を設ける必要がない。その結果、航走時の飛沫や雨水等の外部からの水分がモータルーム3内に浸入しないので、電動モータ4やバッテリ25、制御ユニット26等の電装品の耐久性が向上する。
図5は、本発明の第三実施形態である船外機1の冷却装置33Cを示す拡大縦断面図である。図5に示すように、この冷却装置33Cは空冷式であって、電動モータを覆うアッパーモータカバー6の前上面に外気取り入れ口37Aを、アッパーモータカバー6の後面に外気排出口38Aを備える。また、電動モータ4の出力軸15上端には冷却ファン39が回転一体に設けられる。
電動モータ4の回転に伴って冷却ファン39が回転すると、外気取り入れ口37Aからモータルーム3内に新鮮な外気(矢印A)が取り入れられ、電動モータ4を始めバッテリ25や制御ユニット26を冷却し、外気排出口38Aよりモータルーム3外に排出されていわゆるベンチレーションを行う。この空冷式冷却装置33Cは、冷却ファン39によって強制的に外気を取り込むため、常時新鮮な空気がモータルーム3内に流入して電動モータ4の過熱を抑える。また、モータカバー2に外気取り入れ口37Aおよび外気排出口38Aが形成されているので、確実なベンチレーションが可能である。
さらに、水冷式のものに比べて冷却水を汲み上げて圧送するポンプや配管が不要になるなど、構造が極めてシンプルであり、部品点数も少なく、また、ロアケース11やエクステンションケース10も簡素化でき、軽量でコンパクトな船外機1を提供できる。さらにまた、メカニカルロスもなく、故障の発生も極めて低いので、信頼性が高い。
図6は、本発明の第四実施形態である船外機1の冷却装置33Dを示す拡大縦断面図であり、図7は図6の平面図である(アッパーモータカバー6が取り外された状態)。図6および図7に示すように、この冷却装置33Dは油冷式であって、電動モータ4の周囲には冷却油が流れるオイルジャケット40が形成される。一方、モータルーム3内には電動モータ4に隣接して、この実施形態においては左前方にオイルタンク41Aが設置されると共に、例えば電動モータ4が設置されるモータマウント14の内部にはオイルポンプ42Aが配置される。
また、このオイルポンプ42Aは、電動モータ4の出力軸15とドライブシャフト18とを連結するカップリング17に回転一体に設けられたポンプドライブギヤ43によって駆動される。
電動モータ4の回転に伴ってその出力軸15が回転すると、オイルポンプ42Aがオイルタンク41A内の冷却油を電動モータ4の周囲に形成されたオイルジャケット40に圧送して電動モータ4を強制的に冷却する。また、電動モータ4を冷却した後の冷却油は、オイルジャケット40上部に設けられたオイル排出口44からオイルタンク41Aに戻されるように、すなわち冷却油が循環されるようになっている。
オイルタンク41Aは、そのもの自体が熱交換器の機能を有し、モータカバー2の一部もしくはモータカバー2に近接して配置され、例えばその外表面に冷却フィン45形状が形成される。そして、電動モータおよびオイルタンク41Aを覆うアッパーモータカバー6のオイルタンク41A前面に外気取り入れ口37Bを、オイルタンク41Aの上面に外気排出口38Bを備え、走行風(矢印B)によってオイルタンク41A内の冷却油を冷却する。
図8は、本発明の第五実施形態である船外機1の冷却装置33Eを示す平面図である(アッパーモータカバー6が取り外された状態)。図8に示すように、この冷却装置33Eは、上述した冷却装置33Dと基本的には同様の構造を有するが、オイルポンプ42Bが例えばオイルタンク41A上に配置されており、バッテリ25によって駆動されるものである。
これらの油冷式冷却装置33D,33Eは、オイルジャケット40の近くにオイルポンプ42A,42Bを配置しているため、冷却水を外部から汲み上げるよりメカニカルロスが少なく、よって電動モータ4の冷却効率が向上すると共に、同等の冷却効率でよければ、ポンプを小型化できる。また、モータルーム3内にオイルタンク41Aを設けたため、モータルーム3下方のロアケース11やエクステンションケース10を小型化でき、特にこれらはその一部が水中に没しているため、小型化により水中抵抗が低減して推進効率が向上する。
図9は、本発明の第六実施形態であり、オイルタンク41Bの異なる配置例を示すロアケース11の拡大縦断面図であるある。図9に示すように、このオイルタンク41Bはロアケース11内に設けられ、ドライブシャフト18によって駆動されるタンク内装式のオイルポンプ42Cを備える。そして、オイルタンク41Bの上側からは、詳細には図示しないが、上方のオイルジャケット40に向かって前記冷却油パイプ31がドライブシャフト18に沿ってエクステンションケース10内を延びる。なお、オイルタンク41Bはエクステンションケース10内に設けてもよい。そして、このオイルタンク41B内の冷却油は周囲の海水(または湖水、河水)によって冷却される。
これらの油冷式冷却装置33D,33Eは、冷却媒体として外部の水を取り込まないため、冷却経路内部の腐食が起こらない。また、油冷式は水冷式より冷却効率が高い。さらに、オイルタンク41Bをロアケース11内(またはエクステンションケース10内)に設ければ、モータルーム3をコンパクトに形成できる。さらに、オイルタンク41Bをロアケース11内やエクステンションケース10内に設けて周囲の水で冷却するようにすれば、冷却油の冷却効率が高まる。
以上説明したように、高回転で連続運転をすると発熱する電動モータ4に冷却装置33を備えたことにより、電動モータ4を大型化できて高出力のガソリンエンジンを代替可能となる。また、船外機1の上部に主要な構成部材を集中して配置できるので、船外機1全体をコンパクトにまとめることができる。また、バッテリ25を着脱可能とすれば、予備のバッテリを用意することにより簡単な交換作業で長時間の使用が可能となる。
そして、電動モータ4はガソリンエンジンと異なりガソリンや潤滑オイルの漏れ、排気ガスの水中への排出などがなく、また、振動や騒音も著しく低いため、ユーザーや環境にやさしい。
本発明に係る電動式船外機の一実施形態を示す左側面図。 図1に示す船外機の第一実施形態を示す縦断面図。 本発明の第一実施形態である船外機の冷却装置を示す拡大縦断面図。 本発明の第二実施形態である船外機の冷却装置を示す拡大縦断面図。 本発明の第三実施形態である船外機の冷却装置を示す拡大縦断面図。 本発明の第四実施形態である船外機の冷却装置を示す拡大縦断面図。 図6の平面図。 本発明の第五実施形態である船外機の冷却装置を示す平面図。 本発明の第六実施形態であるロアケースの拡大縦断面図。
符号の説明
1 船外機
2 モータカバー
3 モータルーム
4 電動モータ
10 エクステンションケース
11 ロアケース
15 電動モータの出力軸
17 カップリング
18 ドライブシャフト
20 船体
21 ブラケット装置(支持部)
25 バッテリ
26 制御ユニット
27 表示パネル
30 冷却水パイプ
33A〜33E 冷却装置
34 ウォータジャケット(冷却水通路)
35 冷却水ポンプ
36 冷却水チューブ(冷却水通路)
37A,37B 外気取り入れ口
38A,38B 外気排出口
39 冷却ファン
40 オイルジャケット
41A,41B オイルタンク
42A,42B,42C オイルポンプ

Claims (1)

  1. 船外機を船体へ支持する支持部と、この支持部の上方にモータカバーによって覆われて形成されるモータルームとを備え、
    このモータルーム内に電動モータと、この電動モータに電力を供給するバッテリと、上記電動モータを制御する制御ユニットとを設け、
    上記電動モータの周囲にオイルジャケットを形成すると共に、上記モータルーム下部のロアケースまたはエクステンションケースにオイルタンクおよびオイルポンプを配置し、
    上記オイルジャケットと上記オイルタンクとを連結して上記オイルポンプによって冷却油を循環させたことを特徴とする電動式船外機。
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