JP4337553B2 - 含油排水の処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動植物油等を含む含油排水を好気性微生物により処理する含油排水の処理方法及び装置に関する。
従来、食品製造工場の油脂含有排水、油脂含有厨房排水の処理装置及び方法については、予め油脂分を薬品で凝集させ、加圧浮上装置により前処理した後、生物膜を利用した接触曝気方式や、活性汚泥方式が一般に用いられてきたが、悪臭、薬品使用量が多い、汚泥発生量が多い、ランニングコストが高い、設置スペースが大きいなどの課題が山積しており、その改良技術として、含油排水を前段でpH調整し、pH調整された排水に油分解菌を添加して、好気性下処理する複数段の生物処理工程(手段)から構成され、生物処理工程のうち、少なくとも一つが担体を固定した濾床工程(手段)と曝気下で生物処理する曝気工程(手段)と、曝気工程(手段)の処理水の一部を濾床工程(手段)に散水する循環・散水工程(手段)、生物処理工程(手段)で処理された排水を固液分離する沈殿工程(手段)、沈殿物を生物処理工程(手段)に返送する返送工程(手段)からなる植物油含有排水方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、含油排水中の油分を油分解菌の生物学的作用で分解する油分解槽と、油分解槽からの有機性排水を好気性生物処理する生物処理槽と、生物処理後の汚泥と処理水との混合液を固液分離する汚泥分離手段と、分離汚泥の一部を生物処理槽に循環する汚泥循環流路と、残部の分離汚泥を可溶化する汚泥可溶化処理槽と、可溶化された汚泥を生物処理槽に循環する可溶化汚泥循環流路を設けた含油排水処理装置もあげられる(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−018481(第2頁) 特開2002−018458(第2頁) 特開2002−233890(第3頁)
以上のように、従来から動植物油を含む排水を微生物により処理する種々の発明が既に提案されているが、これらの技術背景は、排水に含有される動植物油の油分解性を有する微生物での生物処理装置及び方法を構成するものであって、これらの点については確かに夫々に有用・特異性を有するものと考えられる。
しかしながら、殊に担体表面に肥厚する動植物油の油分解性を有する生物膜(汚泥)の剥離については、これらの背景技術のいずれにも記載がなく、担体表面に肥厚する動植物油の油分解性を有する生物膜(汚泥)を剥離しなければ、油分解性を有する微生物を担体に保持することが難しくなり、油分解性を有する微生物の活性化も促進できない。
したがってこの意味で油分解性を有する微生物での生物処理に関しての分解効果、担体保持、運転方法等の点で課題が生じていることになる。
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、流量調整槽(又は、流量調整工程)、接触曝気の生物処理槽(又は、生物処理工程)、沈殿槽(又は、沈殿工程)とから構成され、担体表面に肥厚する動植物油の油分解性を有する生物膜の剥離ができ、動植物油を含む排水を接触曝気の生物処理槽(又は、生物処理工程)にて油分、BOD分を同時に浄化できる。
特に接触曝気の生物処理槽(又は、生物処理工程)では、多孔質ウレタン発泡材の担体を担体収納用ケージ内に収納、充填することにより油分解菌、好気性菌を高密度に保持でき、油分、BOD分を効率良く炭酸ガスと水に分解、浄化する含油排水処理方法及び装置を提供するものである。
さらに、本発明は、上記含油排水処理方法を実施することが好適で、槽・装置(又は、工程)構成が簡単で、設備のイニシャルコスト及びランニングコストが低く、短期に処理できる含油排水の処理方法及び装置を提供するものである。
本発明の含油排水の処理方法は、含油排水負荷を均一にする流量調整工程と、油分解菌投入工程、接触曝気工程、沈殿工程からなる前記含油排水を処理する方法であって、前記接触曝気工程では曝気装置が曝気強度(曝気装置1m3につき1時間当たりの空気量)を7〜9m3/m3・時の超過曝気を維持し、前記沈殿工程では前記接触曝気工程から生じる汚泥を固液分離、前記接触曝気工程は、多孔質ウレタン発泡材からなる比重1.2〜1.5の担体を複数の担体収納用ケージに収納・充填することによって高濃度で微生物を保持する好気濾床装置を、前記曝気装置により超過曝気を行うことで、前記担体収納用ケージを揺動、衝突、回動することにより、前記担体の閉塞・流出を防止するものである。
本発明によれば、含油排水を超過曝気(曝気強度7〜9m3/m3・時)にすることで、接触曝気工程において、担体収納用ケージ内の多孔質ウレタン発泡材の担体に担持せしめた油分解菌が、活発に活動しやすい環境を作り出し、油分解菌により油水分離を行なわずに油を分解できる。
さらに、担体収納用ケージ内に収納することで、多孔質ウレタン発泡材の担体の閉塞・流出及び摩耗を防止できる。
本発明の請求項1〜4記載の発明は、含油排水を超過曝気にすることで、好気濾床装置(又は、接触曝気工程)において、担体収納用ケージ内の多孔質ウレタン発泡材の担体に担持せしめた油分解菌(バチルス菌、シュドモナス菌等)が、活発に活動しやすい環境を作り出し、油分解菌により油水分離を行わずに油(N−ヘキサン)を分解できる。
また、油分解菌の一つであるバチルス菌を繁殖させることでバチルス菌特有の脱臭効果が増大し、腐敗臭も超過曝気とバチルス菌による相乗効果で効果的に防止できる。
さらに、担体収納用ケージ内に多孔質ウレタン発泡材の担体を収納することで、多孔質ウレタン発泡材の担体の閉塞・流出及び摩耗を防止できる。
そのうえ、超過曝気により担体収納用ケージ同士が相互に強くぶつかり合い、同時に担体収納用ケージ内の多孔質ウレタン発泡材の担体(担体収納用ケージ内の担体の容積比を50〜90%とする)が揺れ動くことで、多孔質ウレタン発泡材の担体表面に肥厚する動植物油の油分解性を有する生物膜(死滅した油分解菌等)を剥離することができ、安定して確実に油を分解できる。
以下、本発明の含油排水の処理方法及び装置の一実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の含油排水の処理方法及び装置を示すフロー図、 図2は、同例の担体収納用ケージの外観図である。
図1(及び、 図2)において、1は原水槽2内に取り込まれる動植物油等を含む含油排水(原水)を示し、必要に応じて原水槽2内底部の散気管8から空気を供給し、含油排水1の腐敗(固形化)を防止している。
この含油排水1は、以後の各処理装置(又は、各処理工程)の含油排水1の負荷を均一にするために、含油排水1の処理流量を調整する流量調整槽3(又は、流量調整工程3a)に送られる。なお、この流量調整槽3(又は、流量調整工程3a)において、必要に応じてpH調整(略中性のpH=6〜8)がなされたり、散気管8から空気を供給したりする。これらの各(浄化)処理装置(又は、処理工程)のフローは矢印(→)で示し、以降同様の説明とする。
4は油分解菌投入装置(又は、油分解菌投入工程4a)を示し、油分解菌としてバチルス菌、シュドモナス菌等の微生物が含油排水1に投入・添加され、次の生物処理の好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)、曝気装置9(又は、接触曝気工程9a)に送られる。油分解菌は運転開始時に投入し、追加投入は通常行なわれない。
この好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)には、予め担体6を内部に収納・充填した(例えば球形状の)担体収納用ケージ7が浸漬されている。この担体6としては、例えば多孔質ウレタン発泡材からなるものであり、その表面に油分解菌を高濃度・安定化して担持・保持し、同時に担体収納用ケージ7は、担体6が分断・分解・摩耗して担体収納用ケージ7外に目開きから流出するのを防止し、閉塞するのを防止する。
つまり、多孔質ウレタン発泡材の担体6は比表面積が高く、その表面に多数の油分解菌・微生物を担持することが可能となる。この多孔質ウレタン発泡材の担体6表面には、担持した油分解菌だけでなく、その代謝物や含油排水1中のBOD(生物化学的酸素要求量)成分を栄養分とした多様な生物相が形成されているが、油分と同時にBOD成分等も効果的に除去が可能となる。
曝気装置9(接触曝気工程9a)は、好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)を超過曝気(曝気強度7〜9m3/m3・時)状態に維持する。その超過曝気(空気の浮上)は、まず、好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)の溶存酸素濃度(DO)・酸素溶解効率を高く維持し、高好気状態を保つので悪臭気発生が大幅に改善される。また後述するが、担体収納用ケージ7や多孔質ウレタン発泡材の担体6が相互に揺動・衝突を繰り返すので、多孔質ウレタン発泡材の担体6の酸素吸収効率が高められ、油分解菌の活性化・安定化・高密度化ができる。したがって、同時に担体収納用ケージ7の表面が油によって閉塞されるのを防止することもできる。
この場合、多孔質ウレタン発泡材の担体6としての比重は、1.2〜1.5を目安とし、また、担体収納用ケージ7内の多孔質ウレタン発泡材の担体6は、その容積比を50〜90%とすることで、担体収納用ケージ7内の多孔質ウレタン発泡材の担体6の揺動・衝が容易(活発)となり、生物膜の剥離ができ、かつ油分解菌の活性化につながる。
ここに、油分解菌投入装置4(又は、油分解菌投入工程4a)、好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)、曝気装置9(又は、接触曝気工程9a)を総称して、生物処理槽10(又は、生物処理工程10a)とする。
なお、15は計測手段を示し、好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)のpHやBOD等の処理〜変化状態の経緯を計測し、所定の超過接触曝気がなされ含油排水1の浄化処理がなされる。
計測手段15によって浄化が終了(計測値を確認)し、汚泥分が無い場合は、切換手段a(16a)によって、そのまま処理水(放流水)12として外部に放流する。しかし、浄化が終了(計測値を確認)し、汚泥分が有る場合は、切換手段a(16a)によって、次の沈殿槽11(又は、沈殿工程11a)に送られ、生物処理槽10(又は、生物処理工程10a)における生物反応から生じた汚泥を固液分離し、液分は処理水(放流水)12として外部に放流する。
汚泥分は、返送汚泥13、又は余剰汚泥14として戻されて再び循環・浄化処理がなされる。すなわち、含油排水1の汚れ(含油排水1負荷)の程度・状態に応じて、切換手段b(16b)によって返送汚泥13、又は余剰汚泥14として、そのいずれかが選択される。
1)汚れ(油分の過多等)が大きく、再度循環させて(浄化)処理をした方が効率的な場合は、例えば、余剰汚泥14は流量調整槽3(又は、流量調整槽工程3a)の前に戻される。
2)汚れ(油分の過少等)が少なく、好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)、曝気装置9(又は、接触曝気工程9a)のpHやBOD等が、超過曝気によって油分解菌・微生物が死滅するような状況になるのを未然に防ぐために、急遽、返送汚泥13分を生物処理槽10(又は、生物処理工程10a)の前に戻される。
このように、計測手段15の計測によって、制御手段(図示等による詳細説明は、省略する)は、処理水12の放流や浄化処理(運転)継続・終了等の判定を行ない、例えば、溶存酸素濃度(ちなみにこの時のBOD値は200〜300)の変化がなくなるところで判断される。
好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)における曝気強度(曝気装置1m3につき1時間当たりの空気量)について述べると、通常の排水処理施設における曝気強度は一般的に1〜4m3/m3・時とされており、仮に曝気強度を8m3/m3・時に上げるとBOD(生物化学的酸素要求量)が急激に下がり、かつ硝化が促進され、pHが酸性(pH5以下)に傾き、菌(微生物)の活性がなくなる。
しかし本実施例においては、超過曝気強度7〜9m3/m3・時(好ましくは8m3/m3・時)を維持する。その理由は、含油排水1は汚れている油が存在することにより、曝気強度8m3/m3・時の状態でもBODが高く(BODの降下が少なく)、硝化促進もしない。
すなわち、超過曝気を行なうことで、
1)個々の担体収納用ケージ7(及び、多孔質ウレタン発泡材の担体6)が揺動・衝突・回動し、
2)含油排水1、油分解菌が大きく攪拌・流動され、さらに好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)がほぼ均等に高好気状態となる。
したがって、1)各担体収納用ケージ7が不規則(無秩序)に揺れ動いて、装置壁面や互いに衝突(回動も)し合い、同時に担体収納用ケージ7内の多孔質ウレタン発泡材の担体6の揺動・衝突を誘って、油分解菌の担持が容易となる。
2)高好気状態は、多孔質ウレタン発泡材の担体6の揺動によって油分解菌・微生物を活性化し、含油排水1の油分解作用が一層促進される。
3)多孔質ウレタン発泡材からなる比重1.2〜1.5の担体6の揺動・衝突によって、多孔質ウレタン発泡材の担体6表面に肥厚する生物膜の剥離を効率的に行ない、閉鎖を未然に防ぐことができる。つまり、単に多孔質ウレタン発泡材の担体6を流動させるだけでは、生物を多孔質ウレタン発泡材の担体6表面に高濃度で担持することはできるが、流動・衝突により多孔質ウレタン発泡材の担体6が摩耗・小粒化し、多孔質ウレタン発泡材の担体6流出防止用スクリーン等であれば目詰まりしてしまう。が、本実施例のように、比重1.2〜1.5の担体6を担体収納用ケージ7内に収納することによって、担体収納用ケージ7内部で揺動・流動化するので、担体収納用ケージ7外殻表面の目開きが大きくても流出や目詰まりが防止できる。
本実施例による効果は、1)含油排水1を、油水分離を行なわず(槽・装置・工程を分けず)に浄化処理する優れた生物処理システムである。
2)含油排水1の処理だけでなく、悪臭発生の防止や処理後の廃棄物(余剰汚泥や脱水ケーキ)削減も可能とする。
3)好気濾床装置5(又は、接触曝気工程9a)では、多孔質ウレタン発泡材の担体6を担体収納用ケージ7内に充填することで油分解菌・好気性菌を高密度に着生・保持・固定化でき、油分・BOD分を効率よく炭酸ガスと水とに分解・浄化・除去できる。
4)シンプルな運転(加圧浮上が不要等)管理が容易である。
5)薬品類の補充作業や凝集状態確認等が不要となる。
6)別に、計測手段や制御手段を本実施例に付加して用いることにより、浄化処理運転が容易に自動化できることは自明である。
本発明の含油排水の処理方法及び装置を用いて、従来の一般の汚染排水処理の方法・装置と組み合せて併設すれば、両排水浄化処理を同時に多機能化・兼用合理化して低価格、かつ短期に浄化処理することにも容易に適用できる。
本発明の一実施例における含油排水の処理方法及び装置を示すフロー図 同例の担体収納用ケージの外観図
1 含油排水(原水)
2 原水槽
3 流量調整槽(又は、流量調整工程3a)
4 油分解菌投入装置(又は、油分解菌投入工程4a)
5 好気濾床装置(又は、接触曝気工程9a)
6 担体
7 担体収納用ケージ
8 散気管
9 曝気装置(又は、接触曝気工程9a)
10 生物処理槽(又は、生物処理工程10a)
11 沈殿槽(又は、沈殿工程11a)
12 処理水(放流水)
13 返送汚泥
14 余剰汚泥
15 計測手段
16a 切換手段a
16b 切換手段b

Claims (4)

  1. 含油排水負荷を均一にする流量調整工程と、油分解菌投入工程、接触曝気工程、沈殿工程からなる前記含油排水を処理する方法であって、前記接触曝気工程では曝気装置が曝気強度(曝気装置1m3につき1時間当たりの空気量)を7〜9m3/m3・時の超過曝気を維持し、前記沈殿工程では前記接触曝気工程から生じる汚泥を固液分離
    前記接触曝気工程は、多孔質ウレタン発泡材からなる比重1.2〜1.5の担体を複数の担体収納用ケージに収納・充填することによって高濃度で微生物を保持する好気濾床装置を、前記曝気装置により超過曝気を行うことで、前記担体収納用ケージを揺動、衝突、回動することにより、前記担体の閉塞・流出を防止することを特徴とする含油排水の処理方法。
  2. 含油排水を処理する処理装置であって、前記含油排水の処理流量を調整する流量調整槽と、流量調整された前記含油排水を生物処理する生物処理槽と、この生物処理槽を構成する油分解菌投入装置、曝気装置、好気濾床装置と、この好気濾床装置から生じる汚泥を固液分離する沈殿槽とからなり、前記好気濾床装置は、多孔質ウレタン発泡材からなる比重1.2〜1.5の担体、前記担体を収納・充填する複数の担体収納用ケージとからなり、前記曝気装置は曝気強度(曝気装置1m3につき1時間当たりの空気量)を7〜9m3/m3・時の超過曝気を維持し、前記担体収納用ケージを揺動、衝突、回動することを特徴とする含油排水の処理装置。
  3. 前記担体収納用ケージ内の前記担体の見かけの容積は、前記担体収納用ケージの容積に対して容積比を50〜90%とすることを特徴とする請求項1に記載の含油排水の処理方法。
  4. 前記担体収納用ケージ内の前記担体の見かけの容積は、前記担体収納用ケージの容積に対して容積比を50〜90%とすることを特徴とする請求項2に記載の含油排水の処理装置。
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