JP4338580B2 - インクジェット記録用光沢紙 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録用光沢紙に関し、特に印字面の光沢感に優れ、写真画質に近い印字品位の高い記録用紙に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによりドットを形成し記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク、記録媒体の技術的進歩により、印字品質の高い記録が可能になってきている。インクジェット記録媒体に求められる要素としては、
(a)インクの吸収、乾燥が速いこと、
(b) 印字濃度が高いこと、
(c) ドットの広がりやひげ状のにじみが無いこと
等があげられる。一般の普通紙でも一定以上のサイズ性があれば、滲みも少なくある程度の印字品質が期待できる。一方、より高い印字品質を求める場合には媒体上にインクジェットプリンターのインクに対して適性のあるインク受容層を各種基材上に設けた専用の媒体が使用される。これらインクジェット記録専用の媒体としては紙やフィルムを支持体として、顔料と結着剤を主成分とする顔料塗工層または顔料を含まない樹脂塗工層を表面に設けたものが多く使用される。
インクジェット専用媒体はさらに表面状態からマット調媒体と光沢媒体に分類される。銀塩写真により近い画像品質を要求する場合には後者の光沢媒体が使用される。これら光沢媒体に要求される特性としては前記した特性以外に
(d)ドットの真円性が高く、画像再現性が良好なこと、
(e)耐水性、耐光性が良好であること、
(f)画像領域、白紙部分の光沢感が高いこと
等があげられる。
光沢媒体の製法としては(a)のインク吸収性、乾燥性を維持しながら(b)〜(f)の特性を維持するために、各種の方法が提案されているが、一般的方法にはキャスト法によりインク受容層を形成し表面に光沢を付与する方法と印画紙用基材上にインク受容層を形成する方法とがある。
一般に前者は(a)のインク吸収性が後者に比べ制御しやすいが、(d)のドット真円性、画像再現性、(f)の画像領域、白紙部分の光沢感、品位では後者に比べ劣っている。印画紙用基材は一般にRC紙(レジンコート紙)といわれるように、紙の基材上にポリエチレンのフィルム層が形成されているためにインク受容層をその表面に形成した場合、フィルム面が平滑であることからインク受容層表面も平滑で、光沢ある表面が形成しやすい。
しかし、インク吸収性をあげるために塗工量を多くする必要があり、また基材そのものが紙よりも高価であることから全体のコストは前者のキャスト法による光沢媒体に比べ高いものとなる。また、廃棄する場合には複合素材であることからリサイクルがきかないといった問題もある。
キャスト法によるインクジェット記録用光沢紙についてはこの点有利であるが、前記した品質面での問題があり、これらの課題を解決するために各種の提案がなされている。
例えば、記録層表面の平均粗さ、光沢度及び記録紙の透気度を規定することで表面の平滑性が高く、画質の高級感に優れるインクジェット記録用紙が得られるとの提案がある(特許文献1参照)。
また、記録層表面の亀裂の大きさ及び個数を規定することによって優れた光沢感及びインク受容性を有するインクジェット記録用紙が得られるとの提案もある(特許文献2参照)。
しかしこの場合には、亀裂数が少なすぎると光沢感が増す一方、インク吸収性が低下するという問題点もある。更に、パールネックレス状のコロイダルシリカを含むインクジェット記録シートの提案もある(特許文献3参照)。この場合には、パールネックレス状のコロイダルシリカを使用することで印字品質、特にインク吸収性向上には一定の効果があるが、表面強度、光沢感が必ずしも満足できるには至っていない。
いずれにせよ、キャスト法によって製造されたインクジェット記録用光沢紙において、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体を超える画質と均一な光沢感を有する記録媒体は無いのが現状である。
特開平6−72017号公報 0008 〜 0011 特開平11−348416号公報 0006 〜 0008 特開平12−108506号公報 0014〜 0017
本発明は,キャスト法で製造されるインクジェット記録用光沢紙において、上記従来技術の問題点である、良好なインク吸収性を持ちながら、高光沢であり、更に光沢発現層表面の表面強度にも優れ、印画紙基材あるいはフィルム基材を用いて製造された媒体に匹敵する画質と均一な光沢感を有しかつリサイクル可能な記録媒体を提供することが目的である。
すなわち、本発明は、基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層が設けられ、該インク受容層上に光沢発現層として顔料及び結着剤を含有する塗工液を塗布した後、塗工層が湿潤状態に有るうちに該塗工層を加熱された鏡面仕上げの金属面に圧着してなるキャストコート紙であって、キャストコート加工が凝固法で行われており、光沢発現層塗工液が顔料としてコロイダルシリカだけを含有し、該コロイダルシリカとして非球状コロイダルシリカを含有し、かつ、該非球状コロイダルシリカとして5〜100nmの粒子径の複数個の1次粒子がランダムに結合した凝集した形状を持つ50〜800nmの粒子径の2次粒子を含有し、かつ、該結着剤中にポリビニルアルコールを顔料100重量部に対して3〜15重量部含有し、該ポリビニルアルコールの5〜100重量%が鹸化度78〜97mol%のポリビニルアルコールであり、残りのポリビニルアルコールの鹸化度が97mol%より高く、かつJIS Z 8741に準ずる20°光沢度が20%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙に関する。
以下は本発明の有利な実施態様である:
(1)光沢発現層塗工液中の結着剤の含有量が顔料100重量部に対して5〜30重量部である。
(2)光沢発現層塗工液中の結着剤にカチオン性アクリル樹脂を含有する。
(3)該カチオン性アクリル樹脂が、カチオン性アクリルシリコーン樹脂である。
(4)凝固剤としてホウ素化合物を含有する。
この様な構成をとることによって、本発明のインクジェット記録用光沢紙はキャスト法で製造されたインクジェット記録用光沢紙でありながら、非常に良好な表面光沢感とインク吸収性及び表面強度を高いレベルでバランスさせながら、良好な発色性を有する物である。本発明では紙を基材としていることから、フィルム層を有する印画紙基材に比べ、製造コストも低く、廃棄する場合にはリサイクル可能であり資源の有効利用という観点からも好ましい。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
通常コロイダルシリカは球状または球状に近い形状である。球状コロイダルシリカは表面強度が強く、光沢は出やすいがインク吸収性が劣り、光沢度とインク吸収性を高いレベルでバランスさせることが困難である。また、非球状コロイダルシリカとしてパールネックレス状のコロイダルシリカが知られているが、球状コロイダルシリカに比べインク吸収性は良好となるものの光沢が劣る、表面強度が弱いという問題がある。本発明の光沢層に用いる顔料には複数個の粒子がランダムに結合した凝集体形状を持つコロイダルシリカが必ず含まれている。凝集体形状を持つコロイダルシリカを用いることでインク吸収性と光沢度を高いレベルでバランスさせることが可能となる。必ず含まれているこの顔料の量は、好ましくは顔料中の20重量%以上である。あるいは存在する別の顔料は球状コロイダルシリカ、パールネックレス状のコロイダルシリカでもよい。凝集形状を持つコロイダルシリカの量が20重量%よりも少ないとインク吸収性が不十分となり得る。
また、光沢を見る指標としてJIS Z 8741に75°の入反射角度で測定することが規定されているが、通常画像を形成した記録紙を観察する場合は紙に対して垂直に近い状態で観察するケースが多く、75°での光沢度は必ずしも実際の光沢感を反映しているとはいえない。そこで、本発明ではより実際に近い20°での光沢度を規定した。光沢度としては20°光沢度で20%以上であれば見た目にも良好な光沢感といえる。
本発明に用いる凝集体形状のコロイダルシリカは、球状または球状に近い形状の1次粒子が複数個ランダムに結合した不定形の凝集体をいう。凝集体の大きさとしては特に限定されるものではないが、1次粒子としては5〜100nm、凝集体として50〜800nm程度が適当である。1次粒子が細かすぎると凝集体としての安定性が悪くなることがあり、大きすぎると凝集体としての粒子径が大きくなりすぎてしまうため、1次粒子としては5〜100nm程度が好ましい。凝集体としては小さすぎるとインク吸収性が悪化し、大きすぎると画像濃度の低下などの問題が生じるため50〜800nm程度が適当である。
本発明に用いる凝集体形状のコロイダルシリカは種々の方法によって得られ、本発明においては、いかなる方法によって得られたものであっても、コロイダルシリカの形状が凝集体形状を有していれば本発明に用いることができる。
また、本発明の光沢層には、本発明の効果を損なわない範囲であれば凝集体形状のコロイダルシリカのほかに公知の顔料1種以上を適宜選定して使用することもできる。このような顔料としては、合成シリカ、アルミナ、アルミナドープシリカ、球状コロイダルシリカなどが例示できるが、特に限定されるものではない。
また、本発明においては、光沢発現層に用いる結着剤中に鹸化度が97mol%以下のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする。鹸化度が97mol%以下、好ましくは70〜96mol%、より好ましくは78〜95mol%のポリビニルアルコールを含有することで、インク吸収性と光沢度を高いレベルでバランスさせながら、凝固力も強いために表面強度も高いものとすることが可能となる。詳細は明らかではないが、鹸化度が97mol%より高いポリビニルアルコールのみの場合には凝固力が弱いため、光沢発現層の表面強度が悪化する恐れがある。従ってこの様な場合には、更に小さい鹸化度のポリビニルアルコールを混入すれば本発明の目的を達成できる。鹸化度が異なるポリビニルアルコールを2種以上含有する場合の配合比率は鹸化度97mol%以下のポリビニルアルコールが全ポリビニルアルコールを基準として5重量%〜100重量%の範囲にあるのが好ましい。このポリビニルアルコール総使用量は、顔料100重量部に対して好ましくは1〜30重量部、特に好ましくは2〜20重量部、なかでも3〜15重量部である。
更に、これらポリビニルアルコールと併用して少量だけ、好ましくは顔料100重量部に対して0〜20重量部使用できる結着剤としては、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、アクリルシリコーン樹脂、スチレン-アクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類を例示することができるが、特に限定されるものではない。
結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、光沢発現層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常顔料100重量部に対し5〜30重量部の範囲で添加することが好ましい。更に好ましくは10〜25重量部である。5重量部未満では塗工層の強度が劣り、30重量部を超えるとインク吸収性に悪影響を及ぼす。
更に、結着剤中にカチオン性アクリル樹脂を含有することが好ましい。アクリル樹脂は透明性が高いため、塗工層の透明性を損ないにくく、画像鮮明性が良好なものを得ることができる。また、耐光性に優れるため記録シートとしての保存性能を向上させることが出来る。更にアクリル樹脂の中でも、シリル基を有するカチオン性アクリルシリコーン樹脂を使用すると塗工層の透明性が増して画像鮮明性がより向上するので好ましい。
更に、光沢発現層にはインクジェット記録用インクを定着させるためのカチオン性ポリマー、離型剤、分散剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、耐水化剤、レべリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜選定して添加することができる。
本発明の光沢発現層を形成する塗料の塗工法としてはエアーナイフ、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機が用いられる。塗工量は固形分換算で3〜40g/m2、好ましくは5〜30g/m2の範囲が好ましい。塗工量が40g/m2を超えると生産性が劣り、塗工量が3g/m2より少ない場合には十分な光沢面が形成しづらい。
光沢発現層は、公知のキャストコート法により形成する。キャストコート法には、ウエット法、凝固法、リウエット法が知られており、本発明においては凝固法が好ましい。凝固法は、光沢発現層を塗工し湿潤状態にあるうちに凝固液を塗布して凝固処理してキャストドラムに圧接する方法である。凝固処理においては、塗工層の結着剤成分と効果的に凝固する物を選定することが重要であり、本発明においてはホウ素化合物が好ましい。更に好ましいのはホウ酸ナトリウムである。なお、凝固剤にインクを定着させるためのカチオン性ポリマーを添加することも可能である。また、塗工から凝固剤を付与するまでの時間、凝固剤を付与してキャストドラムに到達するまでの時間、キャストドラム温度、圧着する際の圧力、ライン速度を調整することでより光沢度の高い光沢発現層が形成できる。これらの諸条件については、使用する設備、塗料に応じて最適条件を求めることで適正化する必要がある。
また、キャスト処理後にマシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー処理を行っても良いし、カール調整のため、裏面に水やカール調整剤を塗布したり、加湿したりしてカール調整を行うこともできる。
本発明のインクジェット記録用光沢紙は、光沢発現層の下に1層以上のインク受容層を設ける。インク受容層は白色顔料と結着剤成分とから構成されるものである。
インク受容層に用いる顔料としては公知の白色顔料を1種以上含むものであり、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルムニウム、水酸化マグネシウム、サチンホワイト、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ等の白色無機顔料やアクリル、スチレン、エチレン、塩化ビニル、ナイロンなどの有機顔料が上げられる。
本発明で用いられるインク受容層の結着剤はポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類が例示され、単独または併用して用いられる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク受容層の強度、塗料液性を考慮して決定される。通常、顔料重量100重量部に対し1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部程度の範囲で添加される。
本発明において、上記、顔料、結着剤類以外にカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。カチオン性ポリマーの作用としては、インク中に使用されている染料中のアニオン成分と反応し水に不溶な塩を形成することから、インクを定着させ、耐水性が向上する。このようなカチオン性ポリマーとしてはポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、メラミン樹脂酸コロイド、尿素系樹脂、カチオン変性PVA、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、その他第4級アンモニウム塩類及びポリアミン等が用いられる。添加量は特に限定されないが、顔料100重量部に対し1〜50重量部程度の範囲で使用される。
その他の添加剤としては、必要に応じて消泡剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、増粘剤、防腐剤、耐水化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を使用できる。
本発明のインク受容層を形成する塗料の塗工法としてはエアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等が公知の塗工機が用いられる。塗工量は特に限定されないが、塗工量が少なすぎる場合はインク吸収性が劣ることから、固形分換算で3g/m2以上とすることが好ましい。
また、インク受容層を塗工後に一定の平滑性を出すためにスーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等の公知のカレンダー装置を用いることも可能である。
本発明で使用する基材としては、通常の上質紙、中質紙、白板紙等の紙基材が用いられる。燃料としてリサイクルされる場合を考慮し原料パルプとしては塩素含有量の少ないECFパルプまたはTCEパルプの使用が望ましい。
キャストコート時における塗料の過度の浸透を押さえるために、サイズプレスで澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を塗工した原紙を使用することが好ましい。
実施例:
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り固形重量部および固形重量%を示す。
酸化澱粉で表面処理した坪量160g/m2の上質紙に、合成シリカ(ミズカシルP−78A、水澤化学工業社製)100重量部、結着剤として鹸化度が98mol%で重合度1700のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10重量部、エチレン−酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−6:昭和高分子社製)40重量部、カチオンポリマー(スミレーズレジン1001:住友化学工業社製)30重量部を用い、固形分16%の塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/m2となるように塗工乾燥してインク受容層を塗工した。次いで、光沢発現層塗料の顔料として凝集体形状を持つコロイダルシリカ(HS−M−20、1次粒子径25nm、凝集体粒子径280nm:日産化学工業社製)100重量部、鹸化度が78mol%で重合度2000のポリビニルアルコール(PVA420:クラレ社製)10重量部、離型剤としてポリエチレンエマルジョン(SNコート287:サンノプコ社製)1重量部を用いて固形分20%の塗工液を得た。この塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/m2となるように塗工し、次いでホウ酸ナトリウム3%水溶液を塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度が87mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA235:クラレ社製)を10重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度が95mol%で重合度1700のポリビニルアルコール(PVA617:クラレ社製)を10重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度が98mol%で重合度1700のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を5重量部、鹸化度が87mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA235:クラレ社製)を5重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料のポリビニルアルコールを5重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の顔料として凝集体形状を持つコロイダルシリカ(HS−L、1次粒子径47nm、凝集体粒子径285nm:日産化学工業社製)100重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として、鹸化度が78mol%で重合度2000のポリビニルアルコール(PVA420:クラレ社製)10重量部、カチオン性アクリルシリコーン樹脂(アクアブリッド922:ダイセル化学工業社製)20重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として、鹸化度が78mol%で重合度2000のポリビニルアルコール(PVA420:クラレ社製)10重量部、カチオン性スチレン‐アクリル樹脂(パスコールJK718:明成化学工業社製)20重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例1において光沢発現層塗料の顔料として凝集体形状を持つコロイダルシリカ(HS−M−20、1次粒子径25nm、凝集体粒子径280nm:日産化学工業社製)80重量部、球状コロイダルシリカ(ルドックスTMA:グレースデビソン社製)20重量部とし、結着剤として鹸化度98mol%で重合度1700のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)5重量部、鹸化度87mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA235:クラレ社製)を5重量部とし、離型剤としてポリエチレンエマルジョン(SNコート287:サンノプコ社製)1重量部、カチオンポリマー(パピオゲンP−105:センカ社製)5部を用いて固形分20%の塗工液を得た。この塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/mとなるように塗工し、次いでホウ酸ナトリウム3%水溶液を塗布して凝固処理を行っ
たのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度100℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例9において光沢発現層塗料の顔料として凝集体形状を持つコロイダルシリカ(HS−M−20、1次粒子径25nm、凝集体粒子径280nm:日産化学工業社製)80重量部、パールネックレス状コロイダルシリカ(スノーテックスPS−SO:日産化学工業社製)20重量部とした以外は実施例9に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
実施例9において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度98mol%で重合度1700ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)5重量部、鹸化度87mol%で重合度3500のポリビニルアルコール(PVA235:クラレ社製)を5重量部、カチオン性アクリルシリコーン樹脂(アクアブリッド922:ダイセル化学工業社製)を10重量部とした以外は実施例9に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例1:
実施例1においてインク受容層を塗工しなかったこと以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例2:
実施例1において光沢発現層塗料の顔料として球状コロイダルシリカ(ルドックスHS−40:グレースデビソン社製)100重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例3:
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度98mol%で重合度1700のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10重量部を使用した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例4:
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度98mol%で重合度2000のポリビニルアルコール(PVA120:クラレ社製)10重量部を使用した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例5:
実施例1において光沢発現層塗料の結着剤として鹸化度98mol%で重合度500のポリビニルアルコール(PVA105:クラレ社製)10重量部とした以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例6:
実施例1において光沢発現層塗工時に、凝固剤を使用せずにキャストドラムに圧着した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
比較例7:
実施例1において光沢発現層塗工後、光沢層を乾燥し、その後再湿潤液として硼酸ナトリウム3%水溶液にて再湿潤処理を行いキャストドラムに圧着した以外は実施例1に記載した通りの条件でインクジェット記録用光沢紙を作成した。
上記インクジェット記録用光沢紙について以下の試験を実施し、結果を表1に示した。
Figure 0004338580
Figure 0004338580
(1)画像鮮明性:
ISO標準画像(ISO/JIS-SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−900C」を用い印字した。印字した画像を目視により評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしている。
△:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでいて実用上問題がある。
×:記録画像が不鮮明で、色が沈んでいて、実用に耐えない。
(2)インク吸収性:
セイコーエプソン(株)製インクジェットプリンター「PM−900C」を用いCMYK及びRGBのベタ(100%濃度)及び文字を印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視により評価した。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明である。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明である。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。
(3)光沢度:
光沢発現層表面の鏡面光沢度を測定した。光沢度はJIS Z 8741に準じて、入反射角度20°として、光沢度計(グロスメーターGM26D:村上色彩技術研究所社製)にて測定した。評価としては、光沢度の値が20%以上では光沢感に優れ、20%未満では光沢感が悪く劣る。
(4)表面強度:
学振式堅牢度試験機(テスター産業(株)製)を用いて、荷重300gの条件で表面を20回こすり、光沢層の表面強度(傷つき、粉落ち)の程度を目視により判定した。
◎:傷や粉落ちが全く無く良好である。
○:傷や粉落ちが目立たず、良好である。
△:傷や粉落ちが目立ち、実用上問題がある。
×:傷や粉落ちがひどく目立ち、実用上不可。
表1から明らかなように、1層以上のインク受容層上に設けられた光沢発現層が顔料として複数個の粒子がランダムに凝集した形状を持つコロイダルシリカを含有し、かつ結着剤中に鹸化度が97mol%以下のポリビニルアルコールを含有している実施例1〜11は、比較例1〜7に比べて印字性能と光沢感及び表面強度に優れていることが判る。結着剤中にカチオン性アクリル樹脂が併用された実施例7、8および11の場合には、画像鮮明性および光沢表面の表面強度が特に優れていることが判る。なかでもアクリルシリコーン樹脂を使用している実施例7および11では光沢度が28と高く、アクリルシリコーン樹脂を使用することが高い光沢度を達成することを証明している。凝固剤としてホウ素化合物を含有していない点以外は実施例1と同じである比較例6の場合には、光沢度が低いだけでなく、画像鮮明性も光沢表面強度も悪く、凝固剤としてホウ素化合物を使用することにより達成される効果を明らかにしている。

Claims (5)

  1. 基材の少なくとも片面に1層以上のインク受容層が設けられ、該インク受容層上に光沢発現層として顔料及び結着剤を含有する塗工液を塗布した後、塗工層が湿潤状態に有るうちに該塗工層を加熱された鏡面仕上げの金属面に圧着してなるキャストコート紙であって、キャストコート加工が凝固法で行われており、光沢発現層塗工液が顔料としてコロイダルシリカだけを含有し、該コロイダルシリカとして非球状コロイダルシリカを含有し、かつ、該非球状コロイダルシリカとして5〜100nmの粒子径の複数個の1次粒子がランダムに結合した凝集した形状を持つ50〜800nmの粒子径の2次粒子を含有し、かつ、該結着剤中にポリビニルアルコールを顔料100重量部に対して3〜15重量部含有し、該ポリビニルアルコールの5〜100重量%が鹸化度78〜97mol%のポリビニルアルコールであり、残りのポリビニルアルコールの鹸化度が97mol%より高く、かつJIS Z 8741に準ずる20°光沢度が20%以上であることを特徴とするインクジェット記録用光沢紙。
  2. 光沢発現層塗工液中の結着剤の含有量が顔料100重量部に対して5〜30重量部であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用光沢紙。
  3. 光沢発現層塗工液中の結着剤にカチオン性アクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  4. 前記カチオン性アクリル樹脂が、カチオン性アクリルシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用光沢紙。
  5. 凝固剤としてホウ素化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクジェット記録用光沢紙。
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