JP4338955B2 - シート及び包装体入りシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キッチンやリビングにおいて多岐の用途に使用可能なシートに関し、また、該シートが包装体に収容された包装体入りシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、キッチン及びリビング用シートとして、湿式紙、乾式パルプ不織布などが使用されてきており、最近では、スパンレースなど各種製法による不織布が多く使用されてきている。
前記乾式パルプ不織布は、粉砕パルプを接着剤又は接着繊維で接着したものであり、比容量が25cm3/g程度と非常に大きく、パルプ間の空隙率が大きいため、保水性及び吸油性に優れる。このため、該乾式パルプ不織布は、肉や魚の保存及び水気取り、野菜の水切り、天ぷらやフライの油切りなどに用いられるキッチン用シートとして好適である。しかし、該乾式パルプ不織布は、前記吸水速度が遅いため、キッチンやリビングでの拭き取り用シートとしては不向きであるという問題がある。
一方、前記湿式紙は、吸水速度には優れているため、主に拭き取り用途に適しているが、保水性及び吸油性には劣るという問題がある。
したがって、保水性、吸油性及び吸水速度の総ての特性に優れ、キッチン用、拭き取り用などの多様な用途に使用可能なシートは、未だ提供されていないのが現状である。
【0003】
また、従来、このようなシートは、一般に、ロール状に環巻された状態で又は枚葉シート状に折り畳まれてからフィルム包装又は箱詰めされる。ロール状に環巻されたシートの場合、環巻されたシートから使用時に必要分を切り離すことが必要であるため、不便であるという問題がある。
一方、枚葉シート状に折り畳まれたシートの場合、この切り離す作業が不要であるので便利であるものの、必要枚数を引っ張って取り出す際に破断してしまうことがあり、手が濡れている時などには該破断が特に生じ易いという問題がある。また、シートの残量が少なくなってくると、箱からシートを取り出し難くなり、調理中など片手がふさがっている場合には非常に不便であるという問題がある。したがって、枚葉シート状に折り畳まれたシートとする場合には、取り出し時における強度、取出容易性などに優れることが要求される。
【0004】
上記問題を解決するため、近年、様々なシートが開発されている(例えば、特許文献1から特許文献4参照)。例えば、シートの吸収性、保水性を向上させるために、シートにエンボス加工により凹凸を形成することが提案されている。また、乾燥状態及び湿潤状態で嵩高性を有し、更に優れた水分保持性を与えるために、比容積13cc/g以上の天然繊維及び/又は再生繊維と合成短繊維とからなる不織布をシートに使用することが提案されている。また、シートの湿潤強度、通気性、及び通液性を向上するために、パルプ繊維とアクベクト比800〜3,500の熱可塑性合成繊維が機械的に交絡している坪量15〜100g/m2、繊維長3〜30mmの不織布に開口率5〜50%として多数の開口を形成したシートなどが提案されている。
しかしながら、これらのシートの場合、吸水性を高める関係上、嵩高であったり、ハリが無かったりして、箱に枚葉の状態で収容させた場合には、折りしわの反発性が低く、シートが少量になった場合に、箱から取り出し難くなってしまう等の問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−89773号公報
【特許文献2】
特開平10−77560号公報
【特許文献3】
特開平11−156980号公報
【特許文献4】
特開平2−41451号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、引張強度、拭取り耐久性等の強度、水や油等の吸収性、保水性、野菜等の水切り性などの諸特性に優れ、多岐の用途に使用可能で、特にリビングやキッチン等における拭き取りシートをはじめとして各種用途に好適なシート、及び該シートの取り出し容易性に優れた包装体入りシートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 合成繊維及び天然繊維を含む不織布層と、前記合成繊維のみからなり、前記不織布層を挟むように設けられた表層とを有するシートであって、
JIS L 1906 により測定した保水量が400〜1,500g/m2であり、JIS L 1059 モンサント法により測定した防しわ率(縦・横平均)が55%以上であり、
前記不織布層において、前記合成繊維の含有量が10質量%〜30質量%であり、残量が前記天然繊維であり、
前記合成繊維が、コア(芯)を形成する第1の樹脂と、シェル(鞘)を形成する第2の樹脂とを少なくとも含有するコア(芯)・シェル(鞘)構造の複合繊維であることを特徴とするシートである。
<2> 表層と不織布層との質量比(表層(上層)/中間層/表層(下層))が、1〜3/8〜4/1〜3である前記<1>に記載のシートである。
<3> JIS L 1913 により測定した、標準強度に対する湿潤強度(湿潤強度/標準強度)が0.8以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のシートである。
<4> クレム法で測定した吸水速度が1分間に30mm以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載のシートである。
<5> 合成繊維、及び天然繊維が、短繊維である前記<1>から<4>のいずれかに記載のシートである。
<6> 不織布の少なくとも一部において、合成繊維が天然繊維に融着した前記<1>から<5>のいずれかに記載のシートである。
<7> 複合繊維において第1の樹脂及び第2の樹脂が長さ方向に連続している前記<1>から<6>のいずれかに記載のシートである。
<8> 複合繊維において第2の樹脂の露出する比率が第1の樹脂の露出する比率よりも高い前記<1>から<7>のいずれかに記載のシートである。
<9> 第1の樹脂の融点と第2の樹脂の融点とが互いに異なる前記<1>から<8>のいずれかに記載のシートである。
<10> 第1の樹脂の融点の方が第2の樹脂の融点よりも高い前記<1>から<9>のいずれかに記載のシートである。
<11> 不織布が、サーマルボンド法及びスパンレース法のいずれかにより形成された前記<1>から<10>のいずれかに記載のシートである。
<12> 表層が長繊維で形成された前記<11>に記載のシートである。
<13> 拭き取り用シートとして用いられる前記<1>から<12>のいずれかに記載のシートである。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のシートを包装体に複数枚収容してなることを特徴とする包装体入りシートである。
<15> シートが1回以上折られて枚葉シートの状態で包装体に収容された前記<14>に記載の包装体入りシートである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(シート)
本発明のシートにおける保水量としては、JIS L 1906(一般長繊維不織布試験方法)により測定した保水量で、400〜1,500g/m2であることが必要であり、450〜1000g/m2であることが好ましい。
前記保水量が前記数値範囲内にあると、保水性に優れ、肉・魚・野菜の水気取りなどの用途に好適に用いられる。一方、前記保水量が400g/m2未満であると、保水性に劣り、肉・魚・野菜などの水切りが著しく悪化するため好ましくなく、また、1,500g/m2を超えてもそれに見合う効果が得られないためコスト面等の点で好ましくない。
【0009】
本発明のシートにおける防しわ率としては、JIS L 1059 モンサント法により測定した防しわ率(縦・横平均)で、55%以上であることが必要であり、55〜85%が好ましい。
前記防しわ率が、55%未満であると、枚葉シートの状態で包装体に収容した際の前記シートの取出容易性に劣り、85%を超えると、枚葉シートの状態で包装体に収容させるのが容易でなく、生産性に劣る点でいずれも好ましくない。
【0010】
本発明のシートは、少なくとも不織布で形成される。
前記不織布は、合成繊維と、天然繊維及び再生繊維から選択された1種とを含有してなり、更に必要に応じてその他の繊維を含有してなる。
【0011】
−合成繊維−
前記合成繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、単一の材料で形成された単一繊維、二以上の材料で形成された複合繊維、などが好適に挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
前記単一繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ナイロン、アクリルなどを原料とする合成繊維が挙げられる。
【0013】
前記複合繊維としては、2種以上の材料で形成されたものであれば特に制限はないが、例えば、第1の樹脂と第2の樹脂とを少なくとも含有する複合繊維、などが好適に挙げられる。
前記複合繊維の具体例としては、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエステル/ポリエチレン、ポリエステル/ポリプロピレン、ナイロン/ポリエチレン、アクリル/ポリエチレンなどの材料の組合せにより形成された複合繊維が好適に挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、ポリプロピレン/ポリエチレン、及び、ポリエステル/ポリエチレンが好ましい。
【0014】
前記複合繊維の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該複合繊維において第1の樹脂及び第2の樹脂が長さ方向に連続している構造(断面異種構造)が好ましく、該複合繊維において第2の樹脂の露出する比率が第1の樹脂の露出する比率よりも高い構造がより好ましく、更に、コア(芯)・シェル(鞘)構造(断面芯鞘構造)であるのが特に好ましい。この場合、前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂のいずれか一方が前記不織布の製造時において溶融しても他方が形態を維持可能である等の点で好ましい。
また、前記第1の樹脂の融点と前記第2の樹脂の融点とが互いに異なるのが好ましく、該第1の樹脂の融点の方が該第2の樹脂の融点よりも高いのがより好ましい。また、前記コア(芯)・シェル(鞘)構造の場合には、前記第1の樹脂がコア(芯)を形成し、前記第2の樹脂がシェル(鞘)を形成しているのが好ましい。これらの場合、前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂のいずれか一方が前記不織布の製造時において溶融しても他方が形態を維持可能である等の点で好ましい。
【0015】
前記合成繊維としては、短繊維であるのが好ましい。
前記合成繊維の繊維長としては、例えば、2〜64mmが好ましく、4〜51mmがより好ましい。
【0016】
前記合成繊維の繊維径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.001〜4dtex(デシテックス)が好ましく、0.8〜3デシテックスがより好ましい(なお、1デシテックスとは、質量1gの1本の繊維が10,000mの長さをもつ繊維太を意味する)。
【0017】
前記合成繊維の前記不織布(全体)における含有量としては、70質量%以下であるのが好ましく、保水量及び吸水速度の点で30〜70質量%であるのがより好ましい。
前記含有量が、70質量%を超えると、保水量及び吸水速度が低下することがある。
【0018】
―天然繊維及び再生繊維から選択される少なくとも1種―
前記天然繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、パルプ繊維、コットン繊維、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記パルプ繊維としては、例えば、広葉樹、針葉樹などのパルプチップから得られるクラフトパルプ(KP)が挙げられる。これらの中でも、強度の面でパイン、スプルーフ、ダグラスファーなどの針葉樹、及び該針葉樹と広葉樹の混合物から得られたものが好ましい。
前記コットン繊維としては、例えば、米綿、エジプト綿、アップランド綿、インド綿及びこれらの混綿が挙げられる。これらの中でも、前記混綿を用いるのが好ましい。
【0019】
前記再生繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、レーヨン繊維、テンセル繊維などが挙げられる。これらの中でも、ビスコースレーヨン及び銅アンモニアレーヨンが好適に挙げられる。
【0020】
前記再生繊維としては、短繊維であるのが好ましい。
前記再生繊維の繊維長としては、30〜60mmが好ましく、32〜51mmがより好ましい。
前記再生繊維の繊維径としては、特に制限はないが、1.0〜4.5デシテックスが好ましく、1.4〜3.3デシテックスがより好ましい。
【0021】
前記天然繊維及び再生繊維から選択された1種の、前記不織布(全体)における含有量としては、30質量%以上が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。
前記含有量が30質量%未満であると、前記シートにおける保水量及び吸水速度が低下してしまうことがあり、70質量%を超えると、前記シートの湿潤強度が低下してしまうことがある。
【0022】
―その他の繊維―
前記その他の繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル極細繊維、合成分割繊維、などが挙げられる。
前記その他の繊維は、例えば、前記不織布の親水性を向上させる目的で使用され、該不織布の保水量及び吸水速度等の特性に悪影響のない範囲で使用することができる。
【0023】
前記不織布においては、その少なくとも一部において、前記合成繊維が前記天然繊維及び再生繊維から選択された1種に融着してもよい。この場合、該不織布における構成繊維同士が互いに融着して一体化しているため、前記シートの引っ張り強度を向上させることができ、拭き取り用途における拭き取り耐久性等を向上させることができる点で好ましい。
【0024】
前記不織布の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
【0025】
前記多層構造の場合には、前記不織布で形成された不織布層を少なくとも含む限り特に制限はなく、二層構造であってもよいし、三層構造であってもよく、更には四層以上の構造であってもよい。
前記多層構造の場合、その内の一層又は複数層が、前記合成繊維と、前記天然繊維及び再生繊維から選択される少なくとも1種との少なくとも一方を含有してなり、前記不織布層で形成されていてもよいし、一部に該不織布層を含んでいてもよい。
【0026】
なお、前記多層構造の場合には、前記不織布層以外に、合成繊維で形成された層を含んでいてもよい。該合成繊維で形成された層は、長繊維を含んでいてもよく、不織布として形成されているのが好ましい。
【0027】
前記多層構造が、三層構造及び四層構造以上である場合には、前記不織布層が中間層として位置しているのが好ましい。
【0028】
本発明においては、前記不織布の構造の中でも、前記不織布で形成された単層構造、前記不織布層を中間層として有する三層構造などが好ましく、前記不織布で形成された不織布層の少なくとも一方の表面に前記合成繊維で形成された表層を有する三層構造がより好ましい。
この三層構造の場合、前記合成繊維の含有量が、両表面層(上下層)に対し、80〜100質量%であるのが好ましく、該中間層に対し、10〜30質量%であるのが好ましく、残量が前記天然繊維及び再生繊維から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。また、この場合、前記両表面層(上下層)と前記中間層との質量比(表面層(上層)/中間層/表面層(下層))が、1〜3/8〜4/1〜3であるのが好ましい。
【0029】
前記不織布の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の製造方法から適宜選択することができるが、生産性、保水性及び吸水速度の点でサーマルボンド法及びスパンレース法のいずれかであるのが好ましい。
また、前記不織布を構成する繊維を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常のカードを用いる方法、エアレード法、などが好ましい。
【0030】
本発明のシートの米坪量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、25〜80g/m2が好ましく、35〜60g/m2がより好ましい。
前記シートの米坪量が、25g/m2未満であると、保水量が小さくなりキッチン用シート等の用途に不向きとなり、80g/m2を超えると、シートが厚くなりすぎてしまうことがある。
【0031】
本発明のシートにおける吸水速度としては、特に制限はなく、目的に応じて好ましい吸収性能を有するように選択することができるが、クレム法で測定した吸収速度で、1分間に30mm以上であるのが好ましい。
前記シートの吸水速度が、1分間に30mm未満であると、前記シートの拭き取り性が悪く、キッチン用シート等の拭き取り用途に不向きとなる。
なお、前記クレム法による吸収速度は、例えば、JIS P 8141 紙のクレム法による吸水度試験方法により測定することができる。
【0032】
本発明のシートにおける強度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、標準強度に対し湿潤強度(湿潤強度/標準強度)が、0.8以上であるのが好ましい。
前記標準強度に対する湿潤強度(湿潤強度/標準強度)が、0.8未満であると、濡らして使用する場合に前記シートが破れ易くなるため好ましくない。
なお、前記湿潤強度は、例えば、自重の1.5倍量の水分を含浸した時の引張強度を JIS L 1913 一般短繊維不織布試験方法により測定することにより求めることができる。
【0033】
本発明のシートは、公知の不織布の製造方法等に従って製造することができ、キッチン用シート等の拭き取り用シートをはじめとして各種分野において好適に使用することができ、以下の本発明の包装体入りシートに特に好適に使用することができる。
【0034】
(包装体入りシート)
本発明の包装体入りシートは、本発明の前記シートを包装体に収容してなる。前記包装体としては、本発明の前記シートを収容可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙製容器、樹脂製容器などが特に好適に挙げられる。
前記包装体の具体的な態様としては、例えば、箱形状を有し、前記シートを取り出すための開口が該箱の1面又は2面以上にわたって形成されたもの、前記開口が形成された該箱に該開口を開閉自在にする蓋を備えたもの、該箱の1面又は2面以上にわたってミシン目を入れ、該ミシン目に沿って開口を形成可能に設計したもの、などが挙げられる。
前記包装体における前記開口が形成された面における該開口の占める面積としては、30%以上であるのが好ましい。前記面積が、30%未満であると、該シートを取り出すのが容易でない点で好ましくない。
【0035】
前記包装体入りシートにおいては、前記シートは、環巻されていてもよいし、あるいは、1回以上折られて枚葉シートの状態で収容されていてもよいが、使用時の利便性を考慮すると後者の方が好ましい。後者の場合の具体例としては、例えば、箱からの取り出し易さの点で、図1に示すように、2編が折れたZ折りの状態で前記シートを収容させておくのが好ましく、ティッシュペーパー等のようにZ折りを交互に収容し、連続して取り出せる用に前記シートを収容させておくのも好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
【0037】
(参考例1〜3及び比較例1〜6)
−包装体入りシートの製造−
表1〜2に示す構成及び製法により単層構造のシートを製造し、220mm×240mmに切断した後、図1に示すように、該シートの240mm方向を90mmにZ折して包装体に収容させ、包装体入りシートを製造した。該包装体には、幅230mm×奥行き95mm×高さ75mm、0.5mm厚の紙製の箱を作成し、図1に示すように開口を設けた。
以上のようにして、参考例1〜3及び比較例1〜6の各包装体入りシートを製造し、これらについて以下の評価を行い、その結果を表1〜2に示した。
【0038】
<シートの厚み>
UPRIGHT DIAL GAUGE(テスター産業(株)PEACOOKNO.107)を使用し、加重8g/cm3で10秒間放置後の厚みを1/100mmまで測定した。これを1シートにつき5ヶ所測定し、その平均値を最終測定値とした。
【0039】
<米坪量>
JIS L 1085(不織布しん地試験方法)に準じて測定した。
【0040】
<保水量>
JIS L 1906(一般長繊維不織布試験方法 参考欄)に準じて測定した。但し、保水量は、試験片を湿潤し、水をしたたり落とした後の質量から米坪当たりの水分量を示した。
【0041】
<防しわ率>
JIS L 1059−1(繊維製品の防しわ性試験方法 モンサント法)に準じて測定した。
【0042】
<吸水速度>
JIS P 8141(紙のクレム法による吸水度試験方法)に準じて測定した。
【0043】
<強度>
JIS L 1913(一般短繊維不織布試験方法 引張り強さ)に準じて測定した。但し、試料幅25mm、つかみ間幅100mm、引張速度200mmで測定し、湿潤強度は自重の1.5倍量の水分を含浸した時の引張強度を測定した。
【0044】
<拭取り性>
青色1号0.2%水溶液を20×20cmの白タイル(INAX製)の上に0.5mLを滴下し、20×20cmの各試料を2回折り(4つ折り)、荷重300gで3往復(1拭き1秒の速さで)の拭き取り操作を行い、タイル面の残存色素水の状態を目視観察し、以下のように評価した。
かなり青く残っている状態・・・・・・×
やや青く残っている状態・・・・・・・△
全く残っていない状態・・・・・・・・○
【0045】
<野菜の水切り性(水切り性)>
レタス20g(1人分)を適度に切り、水洗い後20×20cmの試料で包み水切り操作を行う。さらに新しく水洗いしたレタスを用い、同様の操作を行い、試料1枚で何回まで水切り操作ができるかを測定し、その回数を評価値とした。ここでは、前記評価値が大きいほど野菜の水切り性が高いことを意味する。
【0046】
<箱からの取出し易さ(取出容易性)>
図1に示すように、上述された条件で作成された箱に前記Z折りにされたシートを入れ、女性パネラー10名で一枚一枚取り出す操作を最後の一枚まで続け、以下の基準に従って取り出し易さを評価した。また、手を濡らして同様の操作を行って同様に評価した。なお、この時、箱上面の面積に対する開口面積の割合、即ち開口率は70%であった。
シートが破れる状態・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
箱ごと持ち上がってしまいシートが取出せない状態・・・・△
箱ごと持ち上がるもののシートが取出せる状態・・・・・・○
容易にシートが取出せる状態・・・・・・・・・・・・・・◎
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
なお、表1及び2において、「水切り性」は、上記野菜の水切り性の評価結果を表し、「取り出しやすさ」は、箱からの取り出し易さを意味する。また、「PET」は、ポリエステルを意味し、「PP」は、ポリプロピレンを意味する。また、「PET」は、繊維径1.5dTex、繊維長44mmの繊維、「レーヨン」は、1.6dTex、40mmの繊維、「アクリル」は、1.5dTex、51mmの繊維、「PP」は、2.2dTex、51mmの繊維をそれぞれ使用した。また、比較例1のシートとしては、ライオン(株)製のリードクッキングペーパーを使用し、比較例2のシートとしては、王子製紙(株)製のネピアキッチンタオルを使用した。
【0050】
表1及び2に示す結果から明らかなように、参考例1〜3の各シートは、保水量が十分であり、拭取り性、水切り性及び取出容易性(取り出し易さ)のいずれにも優れていた。
【0051】
(実施例4、参考例5〜14及び比較例7)
表3〜4に示した各構成及び製法により三層構造のシートを製造し、参考例1〜3と同様の方法で実施例4、参考例5〜14及び比較例7の包装体入りシートを製造し、参考例1〜3と同様の評価を行い、その結果を表3及び4に示した。
【0052】
【表3】
【0053】
表3中、「PP」は、ポリプロピレンを意味し、「PE」は、ポリエチレンを意味し、「PET」は、ポリエステルを意味する。また、表3中、「PET」は、繊維径1.5dTex、繊維長44mmの繊維、「レーヨン」は、1.6dTex、40mmの繊維、「PP/PE芯鞘複合繊維」は、1.7dTex、5mmの繊維、「PET/PE芯鞘複合繊維」は、2.2dTex、5mmの繊維、「PP/PE複合繊維(ES繊維)」は、2.2dTex、5mmの繊維をそれぞれ使用した。
【0054】
【表4】
【0055】
表4中、「PP」は、ポリプロピレンを意味し、「PE」は、ポリエチレンを意味し、「PET」は、ポリエステルを意味する。また、表4中、「PET」は、繊維径1.5dTex、繊維長44mmの繊維、「レーヨン」は、1.6dTex、40mmのも繊維、「PP/PE芯鞘複合繊維」は、1.5dTex、44mmの繊維(ダイワボウ製)、「PP/PE複合繊維」は、3dTex、51mmの繊維(チッソ株式会社製)をそれぞれ使用した。
【0056】
表3及び4に示す結果から明らかなように、実施例4、参考例5〜14の各シートは、保水量が十分であり、拭き取り性、水切り性及び取出し易さ(取出容易性)のいずれにも優れていた。
【0057】
(参考例15〜16)
表5に示した各構成及び製法により二層構造のシートを製造し、参考例1〜3と同様の方法により参考例15〜16の包装体入りシートを製造し、参考例1〜3と同様の評価を行い、その結果を表5に示した。
【0058】
【表5】
表5中、「PP」は、ポリプロピレンを意味し、「PE」は、ポリエチレンを意味し、「PET」は、ポリエステルを意味する。また、表5中、「PET」は、繊維径1.5dTex、繊維長44mmの繊維、「レーヨン」は、1.6dTex、40mmの繊維、「PP/PE芯鞘複合繊維」は、1.5dTex、44mmの繊維(ダイワボウ製)をそれぞれ使用した。
【0059】
以上のように、二層構造を持つ参考例15〜16の各シートは、前記実施例4、参考例5〜14のシートと同様に、保水量が十分であり、拭取り性、水切り性及び取り出し易さ(取出容易性)のいずれにも優れていた。
【0060】
【発明の効果】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、引張強度、拭取り耐久性等の強度、水や油等の吸収性、保水性、野菜等の水切り性などの諸特性に優れ、多岐の用途に使用可能で、特にリビングやキッチン等における拭き取りシートをはじめとして各種用途に好適なシート、及び該シートの取り出し容易性に優れた包装体入りシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の包装体入りシートの一実施例を示す概略説明図である。
Claims (6)
- 合成繊維及び天然繊維を含む不織布層と、前記合成繊維のみからなり、前記不織布層を挟むように設けられた表層とを有するシートであって、
JIS L 1906 により測定した保水量が400〜1,500g/m2であり、JIS L 1059 モンサント法により測定した防しわ率(縦・横平均)が55%以上であり、
前記不織布層において、前記合成繊維の含有量が10質量%〜30質量%であり、残量が前記天然繊維であり、
前記合成繊維が、コア(芯)を形成する第1の樹脂と、シェル(鞘)を形成する第2の樹脂とを少なくとも含有するコア(芯)・シェル(鞘)構造の複合繊維であることを特徴とするシート。 - 表層と不織布層との質量比(表層(上層)/中間層/表層(下層))が、1〜3/8〜4/1〜3である請求項1に記載のシート。
- JIS L 1913 により測定した、標準強度に対する湿潤強度(湿潤強度/標準強度)が0.8以上である請求項1から2のいずれかに記載のシート。
- クレム法で測定した吸水速度が1分間に30mm以上である請求項1から3のいずれかに記載のシート。
- 第1樹脂の融点が第2樹脂の融点よりも高い請求項1から4のいずれかに記載のシート。
- 請求項1から5のいずれかに記載のシートを包装体に複数枚収容し、該シートが1回以上折られて枚葉シートの状態で包装体に収容されてなることを特徴とする包装体入りシート。
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