本発明は、ハンドル用パイプの一端側にガソリン機関等のエンジンを搭載し、他端側にハンドル用パイプの内部に配置された駆動軸を介して前記エンジンによって駆動される回転刃を備えた刈払機に関し、特にハンドル用パイプのグリップ部の近傍に配置されて前記エンジンの回転をコントロールするようにされたスロットル調整装置に関する。
ガソリン等を燃料として駆動されるエンジンを搭載し、該エンジンの出力を遠心クラッチ機構を介してハンドル用パイプ内に配置された駆動軸に伝達させて、該駆動軸を介してハンドル用パイプの先端部に設けた回転刃を駆動させるようにした刈払機では、エンジンを始動させるときや通常の作業負荷がかかる作業を行うとき及び作業を一時的に中断しているとき等の各作業時毎に、エンジンの出力をコントロールする必要がある。一般的には、ハンドル用パイプのグリップ部の近傍にエンジンのスロットルとボーデンワイヤで連結させたスロットルレバーを配置し、このスロットルレバーをグリップ部を把持している手の指で操作することによりエンジンのスロットルを調整操作してエンジンを所定の出力に調整する。
通常スロットルレバーはエンジンをアイドリング回転させる方向に常時付勢されていて、スロットルレバーを操作しない時はエンジンの出力をアイドリング状態に保持しており、このスロットルレバーを指で操作することで、エンジンの出力をアイドリング状態から所定の作業するための高速回転状態に調整できるようにされている。また、スロットルレバーを回動可能に支持しているケースとの間で摩擦抵抗が付与された状態で取り付け、この摩擦抵抗によってスロットルレバーを任意の調整位置に保持させるようにして、スロットルレバーから指を離した状態でエンジンを任意の出力状態に維持させるようにしたものが知られている。上記のように、摩擦力によりスロットルレバーを任意の調整位置に保持させる機構では負荷作業中にスロットルレバーから指を離した状態で作業することができるため、刈払機をしっかりと把持して作業を行うことができるが、緊急時に瞬時にエンジン出力をアイドリング状態に落とすことができないという問題があった。
このような問題を解決するために、ボーデンワイヤの端部を連結したスロットルレバーを回動自在に設け、このスロットルレバーをギヤに摩擦係合させてこのギヤを介して増速して回転されるようにしたラチェット車を設け、このラチェット車に弾力的に係合することによってラチェット車の一方向の回転を許容して逆方向の回転を阻止するようにしたラチェット爪を設け、グリップを把持している手で操作されるセーフティレバーによって前記ラチェット爪をラチェット車に係脱させるように構成したスロットル調整機構が既に提案されている。
特開2003−13755号公報
上記従来技術によれば、スロットルレバーを介してラチェット爪を係合させたラチェット車を回転させてスロットルレバーを任意の調整位置に維持させることができ、作業中にスロットルレバーから指を離してグリップを確実に把持して作業することが可能である。更に、グリップを把持している手で操作しているセーフティレバーを介して前記ラチェット爪をラチェット車に係合させるように操作しているので、緊急時にこのセーフティレバーを離すことによってラチェット爪をラチェット車から退避させることができ、これによってスロットルレバーを瞬時にアイドリング位置に復帰させてエンジンの回転をアイドリング状態にさせて回転刃を停止させることができる。
前記従来技術では、スロットルレバーの回動によってラチェット車を増速回転させるためのギヤ機構が必要であり、更にスロットルレバーを所定の回動操作位置で停止させるためにラチェット車とこのラチェット車と係合されるラチェット爪によるラチェット機構が必要となって、これらのギヤ機構やラチェット機構等の部品の製造コストが高くなり製品のコストが上昇してしまうという問題がある。また、これらのギヤ機構やラチェット機構を組み込むためのケースが大きくなったりして小型化が行えない等の問題もあった。
更に、刈払機のエンジン駆動工具では例えば細い茎の草を刈り払いする比較的負荷の小さい通常の作業中に、草に混ざって生えている柴木等を刈り取りするの等の負荷の大きな作業を行う場合が往々にしてあり、このように負荷の大きい作業を行うために一時的にスロットルレバーを操作してエンジンの出力(回転)をアップさせる必要がある。前述した従来の装置でもスロットルレバーをエンジンの出力をアップさせる方向へ操作させることが可能であるが、従来の装置では一時的な高負荷での作業が終わった後に、エンジンの回転を確認しながら所定の出力(回転)になる位置までスロットルレバーを摩擦力に抗して回動操作させる必要があり、直前のスロットルレバーの位置へ速やかに戻し操作することができないものであった。
本発明は、通常の負荷作業中にスロットルレバーから操作している指を離した状態でエンジンを任意の出力状態に維持させことができ、緊急時には速やかにエンジンの回転をアイドリング状態にさせることが可能であり、更に、負荷作業中に必要に応じてエンジンの出力を増大させる方向へ操作させることが可能なスロットル調整装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明の刈払機におけるエンジンのスロットル調整装置は、一端が刈払機に搭載されたエンジンのスロットルに連結されたボーデンワイヤの他端部を操作するためのスロットルレバーを設けたスロットル調整装置において、ケース外に配置された操作部を備えるとともに前記ボーデンワイヤの他端を連結させる作動部が形成されたスロットルレバーをケース内に回動自在に支持して設け、ケース外に臨ませた操作部が形成されるとともにアイドリング状態時に前記スロットルレバーを非操作位置にロックさせる係合爪が形成されたセーフティレバーをケース内に回動可能に配置し、前記スロットルレバー及びセーフティレバーにはそれぞれ係止片及び係止部材を一体に形成し、前記セーフティレバーが操作位置に操作された後に前記スロットルレバーを操作して前記係止片が前記セーフティレバーの係止部材に当接したとき、前記係止部材が前記係止片の斜面に沿って変形して乗り越えることで係止する前記係止片と前記係止部材とにより、エンジンの出力を所定の出力状態に維持させる操作位置へスロットルレバーを係止させる係止手段を形成するとともに、前記スロットルレバーを、前記係止部材と係止片とが係止した位置からさらにエンジンの出力を増大させる方向へ操作可能としたことを特徴とする。
請求項2の発明は、刈払機に搭載されたエンジンのスロットルに一端が連結されたボーデンワイヤの他端部を操作するためのスロットルレバーを設けたスロットル調整装置において、ケース外に配置された操作部を備えるとともに前記ボーデンワイヤの他端を連結させる作動部が形成されたスロットルレバーをケース内に回動自在に支持して設け、ケース外に臨ませた操作部が形成されるとともにアイドリング状態時に前記スロットルレバーを非操作位置にロックさせる係合爪が形成されたセーフティレバーをケース内に回動可能に配置し、更に、前記スロットルレバーと同軸で回動可能に支持されるとともにスロットルレバーとの相対角度を任意に調整可能に連結されたストップレバーを設け、前記ストップレバー及びセーフティレバーにはそれぞれ係止片及び係止部材を一体に形成し、前記セーフティレバーが操作位置に操作された後に前記ストップレバーを操作して前記係止片が前記セーフティレバーの係止部材に当接したとき、前記係止部材が前記係止片の斜面に沿って変形して乗り越えることで係止する前記係止片と前記係止部材とにより前記ストップレバーを所定の回動位置へ係止させる係止手段を形成し、前記回動が係止されたストップレバーとスロットルレバーを介してエンジンの出力を所定の出力状態に維持させるようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記ストップレバーがセーフティレバーによって回動が係止された状態で、スロットルレバーをエンジンの出力を増大させる方向に回動操作させることが可能にストップレバーとスロットルレバーが連結されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記ストップレバーにケースの外方に配置される操作部を一体に形成したことを特徴とする。
本発明のスロットル調整装置によれば、ケース外に配置された操作部を備えるとともに前記ボーデンワイヤの他端を連結させる作動部が形成されたスロットルレバーをケース内に回動自在に支持して設け、ケース外に臨ませた操作部が形成されるとともにアイドリング状態時に前記スロットルレバーを非操作位置にロックさせる係合爪が形成されたセーフティレバーをケース内に回動可能に配置し、前記スロットルレバーとセーフティレバーにはそれぞれ一体に係止片と係止部材を形成し、前記セーフティレバーが操作位置に操作された後に前記スロットルレバーを操作して前記係止片が前記セーフティレバーの係止部材に当接したとき、前記係止部材が前記係止片の斜面に沿って変形して乗り越えることで係止する前記係止片と前記係止部材とにより、エンジンの出力を所定の出力状態に維持させる操作位置へスロットルレバーを係止させる係止手段を形成しているので、ボーデンワイヤの一端を保持しているスロットルレバーを、所定の角度位置に保持させることができるので、スロットルレバーから指を離してもエンジンを所定の出力状態で運転するように保持される為、負荷操作時スロットルレバーから指を離して指への負担を軽減した状態での作業を行うことができる。
また、スロットルレバー又はストップレバーとセーフティレバーとの間に操作位置から前記非操作位置方向への戻りを阻止させるように係合する係止手段を形成しているので、所定の負荷回転でエンジンを作動させて作業を行っているときに、緊急の自体が発生した場合にはハンドル用パイプと一緒に把持されて操作されているセーフティレバーを離すことでスロットレバー又はストップレバーの保持状態が解除でき、スロットルレバーが瞬時にアイドリング位置に戻りエンジンの回転をアイドリング状態にでき、回転刃を停止させることができる。
更に、スロットルレバー又はストップレバーをセーフティレバーと係合させて所定の負荷状態でエンジンを駆動させて作業をしているときに、維持された工ンジン出力より更に大きな出力が必要な場合に、スロットルレバーの操作部を操作してエンジンの出力を増大させることが可能であり、負荷に応じたエンジン出力に瞬時に対応させることができる。更に、このような一時的にエンジン出力をあげて作業をした後にスロットルレバーの操作部から指を離せばスロットルレバーは最初に設定されて所定の出力状態に瞬時に復帰されて通常の作業を続けて行うことができる。
本発明は、通常の負荷作業中にスロットルレバーから操作している指を離した状態でエンジンを任意の出力状態に維持させことができ、緊急時には速やかにエンジンの回転をアイドリング状態にさせることが可能であり、更に、負荷作業中に必要に応じてエンジンの出力を増大させる方向へ操作させるという目的を、ケース外に配置された操作部を備えるとともに前記ボーデンワイヤの他端を連結させる作動部が形成されたスロットルレバーをケース内に回動自在に支持して設け、ケース外に臨ませた操作部が形成されるとともに通常時に前記スロットルレバーを非操作位置にロックさせる係合爪が形成されたセーフティレバーをケース内に回動可能に配置し、前記スロットルレバーとセーフティレバーとの間に、セーフティレバーが操作位置に操作されたときに前記スロットルレバーをエンジンを所定回転数に維持させる操作位置から前記非操作位置方向への戻りを阻止させるように係合する係止手段を形成したことにより実現したものであり、以下に、より具体的な実施例を説明する。
以下、図1乃至図5に示す本発明の第1の実施例に係るスロットル調整装置1を説明する。図1に示すように、スロットル調整装置1は刈払機を把持するためのグリップ部を形成しているハンドル用パイプ2へハンドル用パイプ2を両側から挟んで一体に組み付けられるように2つ割に形成されたケース3を有しており、図2に示すように、該ケース3内には一端側がエンジンのスロットルに連結されたボーデンワイヤの他端側を操作するためのスロットルレバー4と、該スロットルレバー4の非操作位置から操作位置への回動操作を阻止又は解除させるようにしたセーフティレバー5が前記ハンドル用パイプ2を挟んで上下方向に対向した位置に各々回転自在に配置されている。前記スロットルレバー4の一端側に形成されている操作部4aはケース3の外方に配置されてハンドル用パイプ2を把持している手の指によって操作できるようにハンドル用パイプ2に沿って配置されている。また、セーフティレバー5の一端側に形成されている操作部5aもハンドル用パイプ2を把持する際に操作できるようにケース3の外側でハンドル用パイプ2に沿って配置されている。
図2に示すように、スロットルレバー4の他端側には一端がエンジンのスロットルに連結されたボーデンワイヤ6の他端を作動させるための作動片7が形成されており、該作動片7にはボーデンワイヤ6の端部に形成されているタイコ部6aを収容する凹部8が形成され、ケース3の外方に配置されている操作部4aを介してスロットルレバー4を回動操作させることによって前記凹部8に収容されたボーデンワイヤ6の一端側を引っ張り操作してエンジンの出力を任意に調整することができる。なお、9はエンジンを停止させるためのエンジン停止スイッチである。
図2及び図3に示すように、前記スロットルレバー4の作動片7の先端部からセーフティレバー5の方向へ延びた係合片10が一体に形成されており、この係合片10と対向してセーフティレバー5には前記係合片10と係合することによって、前記スロットルレバー4を非操作位置から操作位置へ回動操作することをロックさせるようにする係合爪11が形成されている。前記セーフティレバー5は前記係合爪11が係合片10と係合されるとともに操作部5aがハンドル用パイプ2から離れた方向に配置されるように捩りコイルバネ12によって回動付勢されており、通常の非操作時に前記係合爪11がスロットルレバー4の係合片10と係合されてスロットルレバー4の操作位置方向への回動操作が行えないようにロックさせている。これによって、不用意にスロットルレバー4が操作されてエンジンの回転が上がって切断刃を回転させてしまうことが防止できる。セーフティレバー5の操作部5aをハンドル用パイプ2を把持する手によって一緒に把持して操作することによって、前記係合爪11がスロットルレバー4の係合片10から離反されてスロットルレバー4の回動操作が行えるようになる。
更に、前記スロットルレバー4とセーフティレバー5の間には、セーフティレバーが操作位置に操作されたときにエンジンの出力を所定の出力状態に維持させる操作位置へスロットルレバーを係止させる係止手段が形成されている。該係止手段は、前記スロットルレバー4からセーフティレバー5の方向に向けて一体に突出された係止片13と、前記セーフティレバー5から前記スロットルレバー4の方向へ向けて一体に突出形成された係止部材14とによって構成されている。図4に示すように、ハンドル用パイプ2を把持することによってセーフティレバー5が操作位置に回動操作されて、これによって前記スロットルレバー4のロックが解除されてスロットルレバーが回動操作できるようにされたときに、セーフティレバー5に形成されている係止部材14がスロットルレバー4に形成されている係止片13と係合される位置に配置され、スロットルレバー4が回動操作されてボーデンワイヤ6を引っ張り操作してエンジンを所定の回転数に操作させた状態でスロットルレバー4の係止片13が前記係止部材14と係合されてスロットルレバー4の戻り方向の回動を阻止させるように作用する。これによって、スロットルレバー4の操作部4aから手を離した状態でもエンジンが所定の回転数に維持されてハンドル用パイプ2をしっかりと把持した状態で作業することが可能となる。
図5(a)に示すように、セーフティレバー5が非操作状態のときにはセーフティレバー5の係合爪11がスロットルレバー4の係合片10と係合しており、これによってスロットルレバー4は非操作位置にロックされており、この状態ではエンジンはアイドリング回転状態を維持するように調整されており、ハンドル用パイプ2の先端に取り付けた回転刃を回転させないようにしている。セーフティレバー5によってスロットルレバー4が操作できないようにロックされているので誤ってスロットルレバー4を操作してしまいエンジンの回転が上がって回転刃が作動してしまうことが防止されている。
図5(b)に示すように、作業を開始するためにハンドル用パイプ2を把持する手によってセーフティレバー5の操作部5aをハンドル用パイプ2に沿わせるように操作すると、セーフティレバー5の係合爪11がスロットルレバー4の係合片10から離反してスロットルレバー4のロック状態が解消される。同時にセーフティレバー5が回動操作されることによってセーフティレバー5に形成されている係止部材14がスロットルレバー4に形成されている係止片13の回動軌跡上へ配置される。この後、ハンドル用パイプ2を把持している手の指によってスロットルレバー4の操作部4aを操作してスロットルレバー4を回動させると、作動片7の凹部8内に保持されているボーデンワイヤ6の端部が引っ張り操作されてエンジンの出力が所定の回転数まであげられる。このとき、スロットルレバー4ーの係止片13の先端がセーフティレバー5の係止部材14と当接して係止部材14が係止片13の先端に形成されている斜面13aに沿って横方向へ変位される。
更にスロットルレバー4を回動操作すると図5(c)に示すように、セーフティレバー5の係止部材14がスロットルレバー4の係止片13を乗り越えて係止片13の反対に配置され、係止片13が係止部材14の端面と係合してこれによってスロットルレバー4が時針回り方向へ回動することが阻止される。この状態でエンジンは通常の作業に適した回転状態が維持されて、スロットルレバー4の操作部4aから指を離したままで通常の作業を行うことができる。そして、緊急時にはハンドル用パイプ2を把持している手によって操作しているセーフティレバー5の操作部5aを開放させることによって、セーフティレバー5が捩りコイルバネ12の回動付勢力によって反時針回り方向に回動して、係止部材14が係止片13から離反する方向へ回動され、これによってスロットルレバー4がボーデンワイヤ6の引っ張り力及び捩りコイルバネ15の付勢力によって時針回り方向に回動されて瞬時にエンジンをアイドリング状態にさせる。
図4に示すように、スロットルレバー4の係止片13がセーフティレバー5の係止部材14と係合している状態から、同図中の鎖線で示すようにスロットルレバー4を更に反時針回り方向へ回動させることが可能であり、このようにスロットルレバー4を回動操作させることによって例えばやや茎径の太い草を刈る場合等の通常の作業よりも負荷の大きい作業を行う場合に、一時的にエンジンの出力をあげて作業することが可能となる。スロットルレバー4は捩りコイルバネ15によりエンジンの回転数を減少させる時針回り方向へ回動付勢されており、このような負荷の大きい作業を終えた後でスロットルレバー4の操作部4aから指を離すだけで、スロットルレバー4が捩りコイルバネ15付勢力によって時針回り方向に回動して瞬時にエンジンの回転を最初の通常の作業の回転まで復帰させることができる。
図6乃至図10は本発明の第2の実施例に係るスロットル調整装置を示すもので、図6に示すように、この実施例におけるスロットル調整装置20は前述の第1の実施例と同様に、ハンドル用パイプ2を挟んで組み付けられるようにされた2つ割に形成されているケース3を有しており、該ケース3内にエンジンのスロットルに連結されたボーデンワイヤを操作するためのスロットルレバー21と、該スロットルレバー21の回動操作を阻止又は解除させるようにしたセーフティレバー22が各々回転自在に配置されて設けられている。前記スロットルレバー21の一端側に形成されている操作部21aはケース3の外方に配置されてハンドル用パイプ2を把持している手の指によって操作できるようにハンドル用パイプ2に沿って配置されている。また、セーフティレバー22の一端側に形成されている操作部22aもハンドル用パイプ2を把持する際に操作できるようにケース3の外側でハンドル用パイプ2に沿って配置されている。
図8に示すように、スロットルレバー21の他端側には一端がエンジンのスロットルに連結されたボーデンワイヤ6の他端を作動させるための作動片23が形成されており、該作動片23にはボーデンワイヤ6の端部に形成されているタイコ部6aを収容する凹部24が形成され、ケース3の外方に配置されている操作部21aを介してスロットルレバー21を回動操作させることによって前記凹部24に収容されたボーデンワイヤ7の一端側を引っ張り操作してエンジンの出力を任意に調整することができる。更に、図7及び図8に示すように、前記スロットルレバー21の作動片23の端部からセーフティレバー22の方向へ延びた係合片25が一体に形成されており、この係合片25と対向してセーフティレバー22には係合片25と係合することによってスロットルレバー21の回動操作をロックさせるようにする係合爪26が形成されている。前記セーフティレバー22は操作部22aがハンドル用パイプ2から離れた非操作位置に配置されるように捩りコイルバネ27によって回動付勢されており、この非操作位置において前記係合爪26がスロットルレバー21の係合片25と係合してスロットルレバー21の操作位置への回動操作を行えないようにロックさせている。
前記スロットルレバー21を回動自在に支持しているケース3に形成された支持軸29には、スロットルレバー21と同軸で独立して回動できるようにストップレバー30が設けられており、このストップレバー30には前記セーフティレバー22の方向に突出させて形成されている係止片31が一体に形成されている。一方、前記セーフティレバー22には前記ストップレバー30の係止片31の方向に突出された係止部材32が一体に形成されており、セーフティレバー22が非操作位置から操作位置へ操作されたときに、係止部材32が前記ストップレバー30に形成されている係止片31の回動軌跡上に配置され、セーフティレバー22の係止部材32がストップレバー30の時針回り方向の回動を阻止させるようにストップレバー30の係止片31と係合される。
図8に示すように、ストップレバー30には支持軸29が貫挿される開口33が形成されておりこの開口33内に貫挿される支持軸29によってスロットルレバー21と同軸上で独立して回動ができるように支持されており、スロットルレバー21との間に配置されているコイルスプリング34とカラー35によって前記支持軸29を中心として回動方向に弾発付勢されるとともに、ストップレバー30に形成されている貫通孔36内に保持させたナット37に、スロットルレバー21に形成された開口38を貫通したアジャストボルト39を螺合させることによって、ストップレバー31とスロットルレバー21とが連結されて、前記アジヤストボルト39とナット37との螺合位置を調整することによってスロットルレバー21とストップレバー30のなす角度を任意角度に調整することができるようにされている。
図9に示すように、セーフティレバー22が非操作状態のときにはセーフティレバー22の係合爪26がスロットルレバー21の係合片25と係合しており、これによってスロットルレバー21は非操作位置にロックされており、この状態ではスロットルレバー21の作動片23に係合されているボーデンワイヤ6を介してエンジンはアイドリング回転状態に維持されている。図10に示すように、ハンドル用パイプ2を把持している手によってセーフティレバー22を回動操作すると、セーフティレバー22の係合爪26がスロットルレバー21の係合片25から離反してスロットルレバー21のロック状態が解消され
ると同時に、セーフティレバー22に形成されている係止部材32がストップレバー30
に形成されている係止片31の回動軌跡上へ配置される。
更に、この後でハンドル用パイプ2を把持している手の指によって操作部21aを介してスロットルレバー21を回動操作すると、作動片23に保持されているボーデンワイヤ6が引っ張り操作されてエンジンの回転があげられる。上記のようにスロットルレバー21が回動操作されることによって、コイルスプリング34の弾発力を介してストップレバー30がスロットルレバー21と一体に回動されて、ストップレバー30に一体に形成されている係止片31の先端がセーフティレバー22の係止部材32と当接して係止片31の先端に形成されている斜面31aに沿って係止部材32が横方向へ変位されて、係止部材32の先端が係止片31を乗り越えることによりストップレバー30の時針回り方向の回転が係止部材32によって阻止される。
このようにストップレバー30の時針回り方向の回転が係止部材32によって阻止されていると、アジャストボルト39を介して連結されているスロットルレバー21の回動も阻止されるので、スロットルレバー21を操作している指を離してもスロットルレバー21に連結されているボーデンワイヤ6を介してエンジンが所定の回転状態に維持される。このようにスロットルレバー21とストップレバー30とを分割するとともに、アジャストボルト39とコイルスプリング34を介して両者を連結して構成することによって、アジャストボルト39を回動操作してナット37との螺合状態を調整することにより、ストップレバー30が係止部材32によって回動が阻止された状態でスロットルレバー21の角度を任意に調整でき、作業の負荷に応じてエンジンの出力を任意の回転数に調整することが可能となる。また、一時的に通常の作業よりも負荷の大きい作業を行う場合に、図10中の鎖線で示すようにスロットルレバー21を操作してエンジンの出力をあげて作業することが可能となる。更に、スロットルレバー21の操作部21aから指を離すだけで、エンジンの回転を最初の通常の作業の回転まで瞬時に復帰させることができる。
図11乃至図15は本発明の第3の実施例に係るスロットル調整装置を示すもので、図11に示すように、この実施例におけるスロットル調整装置40は前記第2の実施例と同様に、ハンドル用パイプ2を挟んで組み付けられるようにされた2つ割に形成されているケース3を有しており、該ケース3内にエンジンのスロットルに連結されたボーデンワイヤを操作するためのスロットルレバー41と、該スロットルレバー41の回動操作を阻止又は解除させるようにしたセーフティレバー42が各々回転自在に配置されて設けられている。そして、前記第2の実施例と同様に、セーフティレバー42の係止部材43と係合される係止片44が前記スロットルレバー41と分割されて形成しているストップレバー45に形成されており、図12に示すように、このストップレバー45がコイルスプリング46とアジャストボルト47及びナット48を介してスロットルレバー41と連結されて構成されている。
図11及び図12にて明らかなように、この実施例におけるストップレバー45には、ハンドル用パイプ2を把持している手の指によって操作できるように配置された操作部45aが一体に形成されている。このストップレバー45の操作部45aは前記スロットルレバー41の操作部41aよりやや長く形成されており、スロットルレバー41の操作部41aと重合されてハンドル用パイプ2に沿って配置されたときにストップレバー45のみを単独で操作できるようにされている。図13に示すように、セーフティレバー42が非操作状態のときにはセーフティレバー42の係合爪49がスロットルレバー41の係合片50と係合しており、これによってスロットルレバー41は非操作位置にロックされエンジンはアイドリング回転状態に維持されている。
図14に示すように、ハンドル用パイプ2を把持している手によってセーフティレバー42を操作してセーフティレバー42の係合爪49をスロットルレバー41の係合片50から離反させてスロットルレバー41のロック状態を解除させるとともに、セーフティレバー42に形成されている係止部材43をストップレバー45に形成されている係止片44の回動軌跡上へ配置させる。更に、この後でハンドル用パイプ2を把持している手の指によって前記ストップレバー45の操作部45aを操作してストップレバー45を回動させると、ストップレバー45と一体に形成されている係止片44が回動してセーフティレバー42の係止部材43と係合して、係止部材43の先端が係止片44を乗り越えて反対側に配置されることによりストップレバー45が時針回り方向へ回転することが阻止される。
ストップレバー45の操作部45aを操作してストップレバー45を回動させたときに、アジャストボルト47を介して連結されているスロットルレバー41が一体に回動されて、このスロットルレバー41に形成されている作動片51に連結されているボーデンワイヤ6が引っ張り操作されてエンジンが所定の回転数に維持され、ストップレバー45の操作部45aとスロットルレバー41の操作部41aから指を離した状態で通常の作業が行える。また、一時的に通常の作業よりも負荷の大きい作業を行う場合には、図15に示すように、スロットルレバー41の操作部41aを操作してスロットルレバー41のみを回動操作することによって一時的にエンジンの出力をあげて作業することが可能となる。更に、スロットルレバー41の操作部41aから指を離すだけで、エンジンの回転を最初の通常の作業の回転まで瞬時に復帰させることができる。このように、ストップレバー45に操作部45aを形成してストップレバー45のみを独立して回動操作できるようにすることによって、ストップレバー45の係止片44をセーフティレバー42の係止部材43に係合させる操作を行う際に、ボーデンワイヤ6を必要以上に引っ張り操作してエンジンの回転を必要以上に高回転にさせてしまうことが防止できる。
図16及び図17は本発明の更に他の実施例を示すもので、前述の何れの実施例でもセーフティレバー5、22、42に形成した係止部材14、32、43にスロットルレバー4、又はストップレバー30、45に形成されている係止片13、31、44を係合させる際に、係止部材14、32、43を係止片13、31、44の先端に形成した斜面と係合させることによって係止部材14、32、43を側面方向に変位させて係止片13、31、44を乗り越えさせるように構成したものであるが、この実施例のスロットル調整装置60では、図16に示すようにセーフティレバー61からスロットルレバー62の方向へ延びた係止部材63を形成し、この係止部材63の先端部に上下方向に変位可能なバネ片64を介して係止部65を一体に形成して構成されている。図17(a)に示すようにセーフティレバー61が非操作状態のときには係合爪66がスロットルレバー62の係合片67と係合してスロットルレバー62を非操作位置にロックしており、セーフティレバー61に形成されている係止部65がストップレバー68に形成された係止片69の回動軌跡から離れた位置に配置されている。
図17(b)に示すように、セーフティレバー61を操作して係合爪66をスロットルレバー62の係合片67から離反させスロットルレバー62のロック状態を解消させると、セーフティレバー61の係止部65がストップレバー68の係止片69の回動軌跡上へ配置される。この後、ストップレバー68の操作部68aを操作してストップレバー68とこのスロットルレバーとアジャストボルト71で連結されているスロットルレバー62とを回動させると、作動片70に保持されているボーデンワイヤ6が引っ張り操作されてエンジンの回転があげられる。このとき、係止片69の先端が係止部65と当接して係止部65がバネ片64の弾力によって上方へ変位される。
更に、ストップレバー68を回動操作すると図17(c)に示すように、セーフティレバー61の係止部65がストップレバー68の係止片69の頂部を乗り越えて係止片69の反対側に配置されて係止片69の端面と係合して、これによってストップレバー68の時針回り方向への回動が阻止されるとともに、アジャストボルト71で連結されているスロットルレバー62の時針回り方向への回動も阻止される。この状態でエンジンは通常の作業に適した回転状態が維持されて、スロットルレバー62の操作部62aから指を離したままで通常の作業を行うことができる。そして、緊急時にはハンドル用パイプ2を把持している手によって操作しているセーフティレバー61を離すことによって、前記ストップレバー68の係止片69とセーフティレバー61の係止部65とが離反されてストップレバー68とスロットルレバー62が時針回り方向に回動されて瞬時にエンジンをアイドリング状態に戻す。
本発明の第1の実施例に係るスロットル調整装置を示す側面図
図1のスロットル調整装置の一方側のケースを外した状態の側面図
図2におけるA−A線での断面図
セーフティレバーとスロットルレバーを操作位置に操作した状態の図2と同様の側面図
セーフティレバーの係止部材とスロットルレバーの係止片の係合状態を示す正面図と側面図であり、(a)セーフティレバーとスロットルレバーが非作動の状態、(b)セーフティレバーが操作された後スロットルレバーが操作されて係止片が係止部材と係合した状態、(c)スロットルレバーの係止片がセーフティレバーの係止部材と係合された状態を示す
本発明の第2の実施例に係るスロットル調整装置を示す側面図
図6におけるB−B線での断面図
図6のスロットル調整装置のセーフティレバーとスロットルレバー及びストップレバーの部品構成を示す側面図
図6のスロットル調整装置の操作前の状態を示す縦断側面図
図6のスロットル調整装置の操作後の状態を示す縦断側面図
本発明の第3の実施例に係るスロットル調整装置を示す側面図
図11のスロットル調整装置のセーフティレバーとスロットルレバー及びストップレバーの部品構成を示す側面図
図11のスロットル調整装置の操作前の状態を示す縦断側面図
図11のスロットル調整装置の操作後の状態を示す縦断側面図
図11のスロットル調整装置のスロットルレバーを操作してエンジンの回転をアップさせた状態を示す側面図
本発明の更に別の実施例に係るスロットル調整装置を示す側面図
図16のスロットル調整装置のセーフティレバーの係止部材とストップレバーの係止片の係合状態を示す側面図であり、(a)セーフティレバーとストップレバーが非作動の状態、(b)セーフティレバーが操作された後ストップレバーが操作されて係止片が係止部と係合した状態、(c)ストップレバーの係止片がセーフティレバーの係止部と係合された状態を示す
符号の説明
1 スロットル調整装置
4 スロットルレバー
5 セーフティレバー
7 作動片
10 係合片
11 係合爪
13 係止片
14 係止部材