JP4339729B2 - 芳香族ポリケトン及びその中間体、芳香族ポリケトンの製造方法、電気化学素子用ガスケット、電気化学素子用セパレータ、並びに、電気化学素子 - Google Patents

芳香族ポリケトン及びその中間体、芳香族ポリケトンの製造方法、電気化学素子用ガスケット、電気化学素子用セパレータ、並びに、電気化学素子 Download PDF

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Description

本発明は、芳香族ポリケトン及びその中間体、芳香族ポリケトンの製造方法、電気化学素子用ガスケット、電気化学素子用セパレータ、並びに、これらを備える電気化学素子に関する。
芳香族ポリケトンは、化学的に安定な化合物であり、機械特性や耐熱性に優れた特性を有する材料である。このような芳香族ポリケトンは、従来、主鎖に芳香環及びカルボニル基のほかエーテル結合も同時に有している、いわゆる芳香族ポリエーテルケトンが殆どであった。これに対し、主鎖が芳香環及びカルボニル基のみにより構成される全芳香族ポリケトンは、従来の芳香族ポリエーテルケトンに比しても更に優れた耐熱性等の特性を発揮し得ると期待されるものである。近年では、このような全芳香族ポリケトンとして、下記非特許文献1〜4に記載されたものが報告されている。
Macromolecules、1993年、26巻19号、p.5262−5263 高分子加工、1997年、46巻5号、p.199−207 Macromolecules、2000年、33巻22号、p.8125−8129 Polymer Journal、2003年、35巻12号、p.998−1002
ところで、電気二重層キャパシタやリチウムイオン2次電池等の電気化学素子は、携帯電話、デジタルカメラ、ポータブルノートパソコン、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistants)等の小型の電子機器等に多く用いられている。このような電気化学素子は、コイン型、ボタン型(以下、これらをまとめて「コイン型」と呼ぶ)、円筒型、角型、積層型等の種々の形態で用いられる。これらの電気化学素子としては、電極、電解液及び電極間に配置されたセパレータを含む電気化学素体、並びに、これらを密封するための容器やガスケット等から構成されるものが一般的である。
例えば、コイン型の電気化学素子を電子機器における基板等に実装する場合には、従来、素子を装着するためのホルダーを、はんだ付け等により基板上に予め設置しておき、その後、このホルダーに電気化学素子を装着することが行われていた。
近年では、電子機器の更なる小型化や製造工程の簡略化等を図るため、コイン型の電気化学素子を、ホルダーを用いるのではなく、基板上に直接はんだ付けする実装方法が主流となってきている。かかる実装方法としては、例えば、基板の所定部位にクリームはんだを塗布しておき、その上に素子を配置した後、基板全体を200℃を超えるような高温に加熱することによりクリームはんだを軟化させて素子を固定する、いわゆるはんだリフローによる実装方法が広く実施されている。
このような状況下、電気化学素子には、上述したリフロー時の高温にも耐え得る耐熱性が要求されている。殊に、電気化学素子に用いられるセパレータやガスケット等には、従来、耐熱性の低い樹脂材料(例えば、ポリプロピレン(融点160〜170℃))が用いられており、これが電気化学素子の耐熱性を低下させる一因となっていたことから、これらに代わり得る高耐熱性の材料が熱望されている。
従来の樹脂材料に代わる高耐熱性の材料としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS、融点280℃)が知られているが、最近では、このようなPPSでさえも、電気化学素子への適用においては耐熱性の点で不十分な傾向にある。すなわち、最近では、環境保護の観点から、はんだ付けには、鉛を含まない鉛フリーのはんだが用いられることが多くなっている。このような鉛フリーのはんだを用いてリフローを行う場合には、260℃程度の温度が必要となる。しかし、上記PPSはこのような高温に対して十分な耐熱性を有しているとは言い難かった。
そこで、本発明者らは、上記従来技術の芳香族ポリケトンが有している優れた耐熱性等の特性に着目し、電気化学素子のセパレータやガスケット材料への適用を試みた。しかし、これらの芳香族ポリケトンは、フィルム等への加工が困難であった。また、加工されたフィルム等も強度が不足していたため、セパレータやガスケット等に用いる材料としては好ましくないことが判明した。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性を有しており、且つ、加工が容易で柔軟性にも優れ、電気化学素子用の材料として好適な芳香族ポリケトンを提供することを目的とする。本発明はまた、上記芳香族ポリケトンの製造方法及びその際の中間体、上記芳香族ポリケトンから得られる電気化学素子用セパレータ及びガスケット、並びにこれらのセパレータ又はガスケットを備える電気化学素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成可能するため、本発明の芳香族ポリケトンは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする。
Figure 0004339729

[式中、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基、R15は下記一般式(2a)又は(2b);
Figure 0004339729
で表される2価の基を示す。]
上記芳香族ポリケトンは、新規な芳香族ポリケトンであり、炭素数2以上のアルコキシ基が2,2’位に結合されたビフェニル構造を主鎖に有している。この芳香族ポリケトンは、主鎖に芳香環及びカルボニル基のみを有するいわゆる全芳香族ポリケトンであることから、優れた耐熱性を有している。またこのように、炭素数2以上のアルコキシ基を2,2’位に持つビフェニル構造を主鎖に有していることから、優れた柔軟性も併せて有している。このため、耐熱性、柔軟性に優れたフィルム等の形成が可能であり、電気化学素子のセパレータ、ガスケット等の材料として好適である。さらに、上記ビフェニル構造を有する芳香族ポリケトンは、上述した従来技術の芳香族ポリケトンに比して、溶媒に対する溶解性にも優れており、セパレータ、ガスケット等の用途に用いる際の加工も容易である。
本発明はまた、下記一般式(3)で表される繰り返し単位からなる芳香族ポリケトンを提供する。
Figure 0004339729
[式中、R31及びR32はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
かかる芳香族ポリケトンは、新規な芳香族ポリケトンであり、上述したものと同様に、炭素数2以上のアルコキシ基が結合されたビフェニル構造を主鎖に有する全芳香族ポリケトンである。このような構造を有する芳香族ポリケトンもまた、耐熱性、柔軟性に優れたフィルム等の形成が可能であり、さらに溶媒への溶解性にも優れることから加工も容易である。
本発明はさらに、上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンの製造に好適な芳香族ポリケトン中間体を提供する。すなわち、下記一般式(4)で表される芳香族ポリケトン中間体を提供する。
Figure 0004339729

[式中、R31及びR32はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
このような構造を有する芳香族ポリケトン中間体は、カップリング反応等により上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンを容易に形成することができる。
また、本発明は、上記一般式(1)で表される芳香族ポリケトンを好適に製造する方法を提供する。すなわち、本発明の芳香族ポリケトンの製造方法は、下記一般式(5)で表される2,2´−ジアルコキシビフェニレン化合物と、芳香族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸クロリドと、を反応させることを特徴とする。
Figure 0004339729

[式中、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
上記化学式(5)で表される構造を有するビフェニル化合物は、アシル受容モノマーとして優れた性質を有していることから、芳香族ジカルボン酸又はその酸塩化物と反応して高分子量の芳香族ポリケトンを生成することができる。したがって、このような製造方法によって、上記一般式(1)で表される芳香族ポリケトンを容易に得ることが可能となる。
本発明は更に、上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンを好適に製造する方法を提供する。すなわち、本発明の芳香族ポリケトンの製造方法は、下記一般式(6)で表される2,2´−ジアルコキシビフェニレン化合物と、ハロ安息香酸とを反応させて中間体を得る工程を有することを特徴とする。
Figure 0004339729

[式中、R31及びR32はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
通常、芳香族化合物は、一段階目のアシル化反応を受けると、その電子吸引性により、2段階目のアシル化を極めて受け難くなる。これに対して、上記一般式(6)で表される化合物は、容易に2段階のアシル化反応を受けて、上記一般式(4)で表される芳香族ポリケトンの中間体を生成する性質を有している。よって、このような中間体の生成工程を含む製造方法によれば、上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンを容易に得ることが可能となる。
また、上記製造方法においては、上記工程で得られた中間体を、カップリング剤によりカップリングする工程を更に有すると好ましい。このようなカップリング剤を用いたカップリングによって、容易に高分子量の芳香族ポリケトンを得ることができる。
本発明はまた、上記一般式(1)又は上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンを含有する電気化学素子用セパレータを提供する。さらに、本発明は、上記一般式(1)又は上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンを含有する電気化学素子用ガスケットを提供する。これらのセパレータ及びガスケットは、耐熱性及び柔軟性に優れる上記芳香族ポリケトンからなるものであることから、これらを備える電気化学素子は、はんだリフローにより基板等への実装を行った場合であっても、特性の劣化等が極めて少ない。
またさらに、本発明は、上記本発明のセパレータ又はガスケットを備える電気化学素子を提供する。すなわち、本発明の電気化学素子は、一対の電極と、一対の電極間に配置されたセパレータと、電極及びセパレータに含まれる電解質溶液と、電極、セパレータ及び電解質溶液を収容する容器とを備え、セパレータが、上記本発明の芳香族ポリケトンを含有するものであることを特徴とする。
あるいは、本発明の電気化学素子は、一対の電極と、一対の電極間に配置されたセパレータと、電極及びセパレータに含まれる電解質溶液と、電極、セパレータ及び電解質溶液を挟むように収容する一対の金属製の容器部材と、一対の容器部材間を電気的に絶縁するガスケットとを備え、ガスケットが、上記本発明の芳香族ポリケトンを含有するものであることを特徴としてもよい。この場合、セパレータも上記本発明の芳香族ポリケトン含有するものであるとより好ましい。
本発明によれば、優れた耐熱性を有しており、且つ、加工が容易で柔軟性にも優れ、電気化学素子用の材料として好適な芳香族ポリケトンを提供することが可能となる。また、上記芳香族ポリケトンの製造方法及びその際の中間体、上記芳香族ポリケトンから得られる電気化学素子用セパレータ及びガスケット、並びにこれらのセパレータ又はガスケットを備える電気化学素子を提供することが可能となる。
以下、本発明の芳香族ポリケトン及びその製造方法、電気化学素子用セパレータ、電気化学素子用ガスケット、並びにこれらを備える電気化学素子の好適な実施形態について詳細に説明する。
(一般式(1)で表される芳香族ポリケトン及びその製造方法)
上記一般式(1)で表される芳香族ポリケトンにおいて、R11及びR12としては、それぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基が好ましく、炭素数4〜6のアルキル基がより好ましい。また、R13及びR14としては、水素原子が好ましい。
かかる芳香族ポリケトンとしては、具体的には、R11及びR12がそれぞれエチル基であり、R13及びR14がそれぞれ水素原子であり、R15がパラフェニレン基である、ポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)テレフタロイル]や、R11及びR12がそれぞれエチル基であり、R13及びR14がそれぞれ水素原子であり、R15がメタフェニレン基である、ポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)イソフタロイル]や、R11及びR12がそれぞれエチル基であり、R13及びR14がそれぞれ水素原子であり、R15が上記化学式(2b)で表される基である、ポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)カルボニル(1,4−フェニレン)オキシ(1,4−フェニレン)カルボニル]等が挙げられる。
このような構造を有する芳香族ポリケトンは、上記一般式(5)で表される2,2´−ジエトキシビフェニル化合物と、芳香族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸ジクロリドとを反応させることにより製造することができる。かかる反応においては、2,2´−ジアルコキシフェニル化合物における芳香環が、芳香族ジカルボン酸誘導体によってアシル化されることにより両者の重合が生じる。
一般式(5)で表される2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物におけるR11〜R14としては、それぞれ上記一般式(1)で表される芳香族ポリケトンにおけるR11〜R14と同様の官能基が好ましい。なお、当該ビフェニル化合物を容易に得る観点からは、R11及びR12が同一の官能基であるとより好ましい。
また、芳香族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸クロリドとしては、芳香環を1つ又は2つ有するジカルボン酸又はその酸塩化物が挙げられ、上記一般式(2a)又は(2b)で表される2価の基を有するジカルボン酸又はその酸塩化物が好ましい。このような芳香族ジカルボン酸又はその酸塩化物としては、下記一般式(7);
Figure 0004339729

で表されるものが好ましい。なお、式中、R15は上記と同義であり、X71及びX72はそれぞれ独立にヒドロキシル基又は塩素原子である。これらのなかでは、X71及びX72の両方が塩素原子である芳香族ジカルボン酸クロリドが好ましい。具体的には、テレフタロイルクロリド、イソフタロイルクロリド、オキシビス安息香酸クロリド等が挙げられる。
2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物と芳香族ジカルボン酸又はその酸塩化物との反応は、これらを溶媒に溶解させた後、この混合液中に活性化剤(例えば触媒等)を添加することにより生じさせることが好ましい。溶媒としては、両者を溶解可能な溶媒であれば特に制限はなく、例えば、ハロゲン化アルキル溶媒、具体的にはジクロロエタンが例示できる。また、活性化剤としては、Friedel−Craft型のアシル化反応に一般的に用いられるものが挙げられ、例えば、塩化アルミニウム等のルイス酸活性化剤、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸触媒、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物等の直接縮合剤等が例示できる。
この反応における反応温度は、例えばルイス酸活性化剤を用いる場合、この活性化剤の添加時点において5℃程度に維持しておき、活性化剤を十分に混合した後に、50℃程度に上昇させることが好ましい。こうすることで、2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物が過度にアシル化されるのが抑制され、これにより十分な分子量の芳香族ポリケトンが得られる。この場合の反応時間は、4〜24時間程度とすることが好ましい。また、五酸化二リンーメタンスルホン酸混合物等の直接縮合剤の存在下でこの反応を行う場合には、反応温度を60−100℃程度、反応時間を8−24時間とすることが好ましい。
そして、所定の時間が経過した後に、混合液を酸性アルコール(例えば塩酸/メタノール混合物等)に滴下して反応を終了させることが好ましい。こうすることで、目的生成物(芳香族ポリケトン)を固体成分として析出させることができ、これにより生成物の分離が容易となる。このような製造方法によって、上記一般式(1)で表される芳香族ポリケトンが好適に製造される。
このような芳香族ポリケトンの製造方法は、一例として、下記式(8)の反応スキームで表すことができる。なお、式中の符号は全て上記と同義である。
Figure 0004339729
(一般式(3)で表される芳香族ポリケトン)
上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンにおいて、R31及びR32としては、それぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基が好ましく、炭素数4〜6のアルキル基がより好ましい。また、R33及びR34としては水素原子が好ましい。
このような構造を有する芳香族ポリケトンとしては、R31及びR32がエチル基であり、R33及びR34が水素原子であるポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)カルボニル(4,4´−ビフェニレン)カルボニル]や、R31及びR32がヘキシル基であり、R33及びR34が水素原子であるポリ[(2,2´−ジヘキシロキシ−5,5´−ビフェニレン)カルボニル(4,4´−ビフェニレン)カルボニル]等が挙げられる。
これらの芳香族ポリケトンは、以下に示す方法により製造することができる。すなわち、まず、上記一般式(6)で表される2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物とハロ安息香酸とを反応させて中間体を得る。かかる反応においては、2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物における2つの芳香環が、ハロ安息香酸によってアシル化されることにより上記中間体が生じる。この2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物としては、上記一般式(5)で表される化合物と同様のものが好適である。また、ハロ安息香酸としては、安息香酸のベンゼン環において、カルボキシル基の置換位置に対してパラ位の位置にハロゲンが置換したパラ置換体あるいはメタ置換体が好ましく、クロロ置換体であるとより好ましい。このようなハロ安息香酸は、下記一般式(9);
Figure 0004339729

で表される。なお、式中、X90は塩素原子又は臭素原子を示す。また、当該ハロ安息香酸のベンゼン環は、上記ビフェニル化合物との反応を妨げない限り、他の置換基を更に有していてもよい。
2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物とハロ安息香酸との反応は、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物の存在下で行うことが好ましい。かかる混合物は、上記反応における縮合剤兼溶媒として機能するものである。両者の混合比は、五酸化二リン/メタンスルホン酸が質量比で、1/10程度となるようにすることが好ましい。また、この反応における反応温度は、60〜100℃程度とすることが好ましく、このような反応温度で4〜24時間程度反応させることで、効率良く中間体を得ることができる。そして、このような反応の結果、好適な場合には、上記一般式(4)で表される芳香族ポリケトン中間体が得られる。かかる中間体の合成は、一例として、下記式(10)の反応スキームで表すことができる。なお、式中の符号は全て上記と同義である。
Figure 0004339729
上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンは、このようにして中間体を得た後、かかる中間体をカップリングして重合させることにより製造することができる。中間体のカップリングは、当該中間体をカップリング剤により処理することにより生じさせることが好ましい。カップリング剤としては、触媒と還元剤とを組み合わせたものが好ましく、より具体的には、触媒としては臭化ニッケル、還元剤としては亜鉛が挙げられる。また、これらのカップリング剤に加えて、トリフェニルホスフィンや2,2´−ビピリジンを併用すると、中間体のカップリングが更に促進される傾向にあるため好適である。
カップリングは、例えば、窒素等の不活性ガス雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中で、100〜120℃で行うことが好ましく、100℃で行うことがより好ましい。このような条件でカップリングを行った後、混合液を、酸性アルコール(塩酸/メタノール混合溶液)等に投入することで反応を停止することができる。また、これにより目的生成物(芳香族ポリケトン)を固体成分として分離することが可能となる。このような製造方法によって、上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンが得られる。
このような中間体のカップリングは、一例として、下記式(11)の反応スキームで表すことができる。なお、式中、PPhはトリフェニルホスフィン、bpyは2,2´−ビピリジンを示し、その他の記号は全て上記と同義である。
Figure 0004339729
(電気化学素子)
図1は、電気化学素子の一例である電気二重層キャパシタの断面構造を模式的に示す図である。
図1に示す電気二重層キャパシタ1は、キャパシタ素体13と、このキャパシタ素体13を上下から挟んで収容する正極缶2と負極缶14とを備えている。正極缶2と負極缶14とはガスケット16を介在させた状態で接触しており、これにより両者が電気的に絶縁されている。
また、キャパシタ素体13は、電極6及び電極10と、両電極6,10に挟まれたセパレータ8と、電極6及び電極10におけるセパレータに対して反対側の面にそれぞれ設けられた集電体4及び集電体12とから構成されるものである。なお、図示されないが、両電極6,10及びセパレータ8には、それぞれ電界質溶液が含浸された状態となっている。このような構造を有する電気二重層キャパシタ1は、いわゆるコイン型の電気二重層キャパシタである。
正極缶2及び負極缶14は、キャパシタ素体13を内部に収容する容器であり、また、キャパシタ素体13の外部との導通を図るものである。これらの正極缶2及び負極缶14は、導電性を有する金属等により構成されるものを用いることができ、具体的には、ステンレスや、ステンレスにニッケルメッキを施したもの(メッキをする面は缶の外側)により構成されるものが挙げられる。また、正極缶には高い電位が加わるので耐腐食性に優れたsus316またはアルミニウムが使われる。
電極6、10は、電気二重層キャパシタ1における正極又は負極として機能するものであり、電気伝導性を有する多孔質物質内に電界質溶液を含浸させてなるものである。このような多孔質物質としては、例えば活性炭が挙げられる。また、集電体4,12は、電極6,10から外部に電流を取り出すためのものであり、導電性を有する金属材料からなるものを好適に用いることができる。
電極6,10及びセパレータ8に含浸させる電解質溶液としては、通常、電気二重層キャパシタに用いられる電界質溶液を制限なく適用できる。例えば、代表的な例としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解したものを使用できる。
キャパシタ素体13におけるセパレータ8(電気化学素子用セパレータ)は、上記本発明の芳香族ポリケトンを含有するフィルム状の多孔体であり、本発明の芳香族ポリケトンからなるものである。
ここで、本発明の芳香族ポリケトンからセパレータ8を形成する方法について説明する。まず、一般式(1)で表される芳香族ポリケトン又は上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンを、クロロホルム等の溶媒に溶解して溶液とする。この溶液を、例えばガラス板等の基板上に滴下して、芳香族ポリケトンを含む膜を形成する。次いで、得られた膜から全ての溶媒が蒸発する前に、この膜を基板ごと水中に浸漬させる。そして、所定時間経過後に、この膜を水中から取り出して乾燥させる。これにより、前述の芳香族ポリケトンからなる多孔質のフィルムが得られる。
このような多孔質フィルムの形成方法は、いわゆるキャスト法と呼ばれる方法である。上述した非特許文献1〜4において報告されているように、従来の芳香族ポリケトンである2,2´−ジメトキシ−5,5´−ビフェニレン骨格を持つ全芳香族ポリケトンでは、有機溶媒への溶解が全く見られなかった。このため、従来の芳香族ポリケトンを用いた場合には、このようなキャスト法が実施し難かった。それ故に、従来の全芳香族ポリケトンを電気二重層キャパシタのセパレータに適用することは極めて困難であった。これに対し、本発明の芳香族ポリケトンは、溶媒への溶解が可能であるため、キャスト法への適用が容易である。よって、本発明の芳香族ポリケトンによれば、電気二重層キャパシタ1におけるセパレータ8として用い得る多孔質膜を容易に形成することができる。
さらに、電気二重層キャパシタ1においては、ガスケット16(電気化学素子用ガスケット)もまた、上記本発明の芳香族ポリケトンを含有するものであり、好適には本発明の芳香族ポリケトンからなるものである。このようなガスケット16は、上述したポリケトンを例えば射出成形等の公知の成形方法によって得ることができる。このガスケットを正極缶2と負極缶14でかしめることによって、正極と負極との間の絶縁を図ることができる。またこれにより、電気化学素子13を密封することが可能となる。
このような構成を有する電気二重層キャパシタ1におけるセパレータ8及びガスケット16は、上記本発明の芳香族ポリケトンからなるものであるため、極めて優れた耐熱性を有している。このため、例えば、この電気化学素子1をリフローにより基板等に実装したとしても、セパレータ8及びガスケット16の劣化による電気化学素子の特性低下は極めて少ない。また、これらのセパレータ8及びガスケット16は、優れた柔軟性も併せて有している。このため、かかるセパレータ8及びガスケット16を備える電気化学素子1に、物理的な衝撃等が加わった場合であっても、これらの破断等の損傷は大幅に少ないものとなる。このように、これらのセパレータ8及びガスケット16を備える電気化学素子1は、極めて耐久性に優れるものであり、その結果、電子機器に搭載する際の信頼性が高いものとなる。
なお、本発明の電気化学素子は、上述した実施形態に限られず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、電気化学素子におけるセパレータ及びガスケットは、必ずしもこれらの両方が上記本発明の芳香族ポリケトンからなるものでなくてもよい。これらのうちいずれか一方が本発明の芳香族ポリケトンから形成されていれば、耐熱性等の特性の向上効果は十分に得られる。
また、本発明の電気化学素子は、上述した電気二重層キャパシタに限定されるものでなく、本発明の電気化学素子用セパレータやガスケットを適用し得る電気化学素子であれば、本発明のものに含まれ得る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[上記一般式(1)で表される芳香族ポリケトンの合成]
(実施例1)
2,2´−ジエトキシビフェニル(0.2mmol)、及び、テレフタロイルクロリド(0.2mmol)を含む1,2−ジクロロエタン溶液1mLに、当該溶液の温度を5℃に保ちながら、総量で1.08mmolの塩化アルミニウムを少量ずつ添加した。次いで、塩化アルミニウムの全量が添加された混合液を、温度を5℃に維持したまま1時間攪拌した後、温度を50℃に上昇させ、更に20時間攪拌して反応させた。攪拌を終了した後、この混合液を、塩酸とメタノールの混合溶液(体積比1/9)に滴下することで反応を停止した。
得られた混合液から固体成分を分別ろ集し、得られた固体成分をアセトンで洗浄して生成物である芳香族ポリケトンを得た。この生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下に示すとおりであり、生成物はポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)テレフタロイル]であることが判明した。なお、収率は、56%であった。
H−NMR(300MHz、CDCl):1.36(6H,t,J=7.2Hz)、4.14(4H,q,J=7.2Hz)、6.97−7.01(2H,m)、7.80−7.85(8H,m)
(実施例2)
テレフタルクロリドに代えて、イソフタルクロリドを用いたこと以外は、実施例1と同様にして生成物を得た。得られた生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下に示すとおりであり、生成物はポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)イソフタロイル]であることが判明した。なお、収率は、84%であった。
H−NMR(300MHz、CDCl):1.38(6H,t,J=7.2Hz)、4.17(4H,q,J=7.2Hz)、6.99−7.03(2H,m)、7.50−7.52(1H,m)、7.80−8.01(6H,m)、8.25−8.27(1H,m)
(実施例3)
2,2´−ジエトキシビフェニル(0.2mmol)及びオキシビス安息香酸(0.2mmol)を一口フラスコに入れた後、このフラスコ内に、総量で1.6gの五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(五酸化二リン/メタンスルホン酸=1/10;質量比)を少量ずつ添加した。この混合物が添加された混合液を、60℃で24時間攪拌して反応させた。撹拌を終了した後、この混合液を蒸留水に滴下することで反応を停止した。析出した固体成分を吸引ろ集した後、この固体成分を水で3回洗浄して生成物を得た。得られた生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下に示すとおりであり、生成物はポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)カルボニル(1,4−フェニレン)オキシ(1,4−フェニレン)カルボニル]であることが判明した。なお、収率は、96%であった。
H−NMR(300MHz、CDCl):1.33(6H,t,J=7.2Hz)、4.12(4H,q,J=7.2Hz)、7.00(2H,d,J=7.2Hz),7.10−7.12(4H,m)、7.75−7.92(8H,m)
[上記一般式(3)で表される芳香族ポリケトンの合成]
<中間体の合成>
(実施例4)
上記式(10)で表されるスキームに従って芳香族ポリケトンの中間体を生成した。すなわち、2,2´−ジエトキシビフェニル(0.1mol)及び4−クロロ安息香酸(0.3mol)を一口フラスコに入れた後、このフラスコ中に、総量で40gの五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(五酸化二リン/メタンスルホン酸=1/10;質量比)を少量ずつ加えた。この混合物が添加された混合液を、100℃で8時間攪拌して反応させた。攪拌を終了した後、この混合液を水に投入することで反応を停止した。
反応後の混合液に6M水酸化ナトリウム水溶液を少量ずつ加えて中和した後、クロロホルムを用いて反応生成物の抽出を行った。得られた抽出液に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。その後、抽出液から無水硫酸マグネシウムを除去し、更に減圧下で溶媒を留去して、粗生成物を得た。そして、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1の混合液)によって精製し、中間体生成物を得た。得られた生成物をH−NMRで分析したところ、δ値(ppm)は以下に示すとおりであり、生成物は5,5´−ビス(クロロベンゾイル)−2,2´−ジエトキシビフェニルであることが判明した。
H−NMR(300MHz、CDCl):1.34(6H,t,J=6.9Hz)、4.13(4H,q,J=6.9Hz)、7.01(2H,d,J=8.4Hz)、7.44(4H,d,J=8.4Hz)、7.74(4H,d,J=8.4Hz)、7.84(2H,dd,J=1.8,8.4Hz)、7.89(2H,d,J=1.8Hz)
(実施例5)
2,2´−ジエトキシビフェニルに代えて、2,2´−ジヘキシロキシビフェニルを用いたこと以外は、実施例4と同様にして中間体を得た。得られた生成物をH−NMRで分析したところ、δ値(ppm)は以下に示すとおりであり、生成物は、5,5´−ビス(クロロベンゾイル)−2,2´−ジヘキシロキシビフェニルであることが判明した。
H−NMR(300MHz、CDCl): 0.87(6H,t,J=7.2Hz)、1.19−1.34(12H,m)、1.68(4H,quint,J=7.2Hz)、4.07(4H,t,J=7,2Hz)、7.00(2H,d,J=8.7Hz)、7.46(4H,d,J=9.0Hz)、7.74(4H,d,J=9.0Hz)、7.77(2H,d,J=1.8Hz)、7.84(2H、dd,J=1.8,8.7Hz)
<芳香族ポリケトンの合成>
実施例4で得られた中間体を用い、上記式(11)で表される反応スキームにしたがって、芳香族ポリケトンを生成した。すなわち、直前に減圧乾燥させた臭化ニッケル(0.2mmol)、亜鉛(1.2mmol)、トリフェニルホスフィン(0.4mmol)、ビピリジン(0.2mmol)、及び実施例4で得られた5,5´−ビス(クロロベンゾイル)−2,2´−ジエトキシビフェニル(0.4mmol)を2口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素雰囲気とした。このフラスコ内に、直前に減圧蒸留した総量0.8mLのN,N−ジメチルアセトアミドを少量ずつ加えた後、フラスコ内の混合物を100℃で2時間攪拌した。
攪拌終了後、溶液を塩酸とメタノールの混合溶液(体積比1/9)に投入することで反応を停止した。反応後の混合物から固体成分を分離し、これをアセトンで洗浄して生成物を得た。得られた生成物は、ポリ[(2,2´−ジエトキシ−5,5´−ビフェニレン)カルボニル(4,4´−ビフェニレン)カルボニル]であった。
[電気二重層キャパシタの製造]
(電気二重層キャパシタ用電極の製造)
まず、ジメチルホルムアミドにポリフッ化ビニリデン(PVDF;KYNAR761EA、アトフィナ社製)を溶解させた後、この混合液にカーボンブラック(電気化学工業社製)5質量%を分散させ、カーボンブラック分散液を得た。次に、造粒装置(ニューマルメライザー(商品名)、ダルトン社製)に、上記カーボンブラック分散液と活性炭(FR25、クラレ社製)を投入して造粒粉を得た。なお、造粒粉中の各成分の含有量は、PVDF9質量%、活性炭86質量%、カーボンブラック5質量%となるようにした。
また、集電体として、厚み20μmのアルミニウム箔を準備し、このアルミニウム箔の片面上に、電極と集電体との接着性を向上させるためのアンダーコート層を形成した。なお、アンダーコート層としては、PVDF(KYNAR761EA、アトフィナ社製)とカーボンブラックとの混合物(質量比80:20)からなる層を形成させ、その厚みは5〜6μmとした。
次いで、アンダーコート層が形成されたアルミニウム箔を直径4mmの円形に切断し、これを直径4.3mmの金型内に配置した。その後、アルミニウム箔のアンダーコート層上に、上述した造粒粉を充填し、温度190℃、圧力2t/cmでプレスを行った。こうして、直径3mmのアルミニウム集電体と直径4.3mmの活性炭電極とが接着された電極を得た。
(実施例6:電気二重層キャパシタ用ガスケットの製造)
実施例1で得た芳香族ポリケトンを用いて、射出成形機により所定の形状に加工して、電気二重層キャパシタ用ガスケットを製造した。
(実施例7:電気二重層キャパシタ用セパレータの製造)
実施例1で得られた芳香族ポリケトンを溶媒であるクロロホルムに溶解させ、この溶液をガラス板上にキャストした。得られたキャスト膜から全ての溶媒が蒸発する前に、このキャスト膜をガラス板ごと水中に浸漬した。その後、キャスト膜が形成されたガラス板を水中から取り出し、60℃で乾燥させた。こうして得られたキャスト膜を、電気二重層キャパシタ用セパレータとした。なお、得られた膜は微多孔性であった。
<電気二重層キャパシタの製造及びその特性評価>
(実施例8)
コイン型電気二重層キャパシタ用の部品として、以下に示すものを準備した。すなわち、ステンレス(SUS316)製の負極缶及び正極缶、上述した方法により得られた2枚の電極、実施例6で得られたガスケット、セパレータとして用いる直径4.5mmの不織布(ニッポン高度紙工業社製、TF4550、厚み50μm)、並びに、電解質塩である4フッ化ホウ酸トリエチルメチルアンモニウム、及び溶媒であるプロピレンカーボネートを含む電解質溶液を準備した。
電気二重層キャパシタの製造に際しては、まず、シャーレ内に上述の電極を配置するとともに電解液を入れ、これを真空引きすることで、2枚の電極に電解質溶液を含浸させた。次に、負極缶の所定位置にガスケットを配置した後、アルミニウム箔が負極缶に接触するように一枚の電極を置いた。さらに、この電極上にセパレータを置いて電界液を1μL滴下した。その後、このセパレータ上に、活性炭層がセパレータに接するようにもう一枚の電極を配置した。そして、これらの積層構造の上方から正極缶を被せ、ガスケットを挟むようにして正極缶の端部を折り曲げ負極缶に対してかしめた。これによりコイン型の電気二重層キャパシタを得た。
得られた電気二重層キャパシタの1kHzでの抵抗を測定したところ、75Ωであり、また静電容量は0.17Fであった。次に、この電気二重層キャパシタをピーク温度255℃のリフロー炉((株)日本電熱計器製 型式 FIR−150B)に入れた。このリフロー炉内の滞在時間は5分とした。その後、再びこの電気二重層キャパシタの抵抗及び静電容量を測定したところ、それぞれ76Ω及び0.16Fであった。このように、本発明のガスケットを備える実施例8の電気二重層キャパシタは、リフロー炉に投入する前後で抵抗及び静電容量が殆ど変化しておらず、リフローに対して優れた耐久性を有していることが判明した。
(実施例9)
セパレータとして、不織布に代えて実施例7で得られたセパレータを用い、ガスケットとして、実施例6で得られたものに代えて、ポリフェニレンスルホン(PPS)により形成したものを用いたこと以外は、実施例8と同様にしてコイン型の電気二重層キャパシタを製造した。得られた電気二重層キャパシタを実施例8と同様に評価した。その結果、リフロー炉に入れる前の抵抗及び静電容量は、それぞれ75Ω及び0.17Fであった。また、リフロー炉に入れた後の抵抗及び静電容量は、それぞれ77Ω及び0.15Fであった。このように、本発明のセパレータを備える実施例9の電気二重層キャパシタは、リフローに対して優れた耐久性を有していることが判明した。
(実施例10)
セパレータとして、不織布に代えて実施例7で得られたセパレータを用いたこと以外は、実施例8と同様にしてコイン型の電気二重層キャパシタを製造した。得られた電気二重層キャパシタを実施例8と同様に評価した。その結果、リフロー炉に入れる前の抵抗及び静電容量は、それぞれ75Ω及び0.17Fであった。また、リフロー炉に入れた後の抵抗及び静電容量は、それぞれ75Ω及び0.17Fであった。このように、本発明のセパレータ及びガスケットを備える実施例10の電気二重層キャパシタは、リフローに対して特に優れた耐久性を有していることが判明した。
(比較例1)
ガスケットとして、実施例6で得られたものに代えて、PPSにより形成したものを用いたこと以外は、実施例8と同様にしてコイン型の電気二重層キャパシタを製造した。得られた電気二重層キャパシタを実施例8と同様に評価した。その結果、リフロー炉に入れる前の抵抗及び静電容量は、それぞれ75Ω及び0.17Fであったが、リフロー炉に入れた後の抵抗及び静電容量は、それぞれ100Ω及び0.10Fであった。このように、ガスケットにPPS、セパレータに不織布を用いた比較例1の電気二重層キャパシタは、リフローに対する耐久性が極めて低いことが判明した。
電気化学素子の一例である電気二重層キャパシタの断面構造を模式的に示す図である。
符号の説明
1…電気二重層キャパシタ、2…正極缶、4…集電体、6…電極、8…セパレータ、10…電極、12…集電体、13…キャパシタ素体、14…負極缶、16…ガスケット。

Claims (9)

  1. 下記一般式(3)で表される繰り返し単位からなる、芳香族ポリケトン。
    Figure 0004339729
    [式中、R31及びR32はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
  2. 下記一般式(4)で表される芳香族ポリケトン中間体。
    Figure 0004339729
    [式中、R31及びR32はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
  3. 下記一般式(6)で表される2,2´−ジアルコキシビフェニル化合物と、ハロ安息香酸とを反応させて中間体を得る工程を有する、芳香族ポリケトンの製造方法。
    Figure 0004339729
    [式中、R31及びR32はそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、R33及びR34はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
  4. 前記中間体を、カップリング剤によりカップリングする工程を更に有する、請求項記載の芳香族ポリケトンの製造方法。
  5. 請求項記載の芳香族ポリケトンを含有する、電気化学素子用セパレータ。
  6. 請求項記載の芳香族ポリケトンを含有する、電気化学素子用ガスケット。
  7. 一対の電極と、
    前記一対の電極間に配置されたセパレータと、
    前記電極及び前記セパレータに含まれる電解質溶液と、
    前記電極、前記セパレータ、及び前記電解質溶液を収容する容器と、を備え、
    前記セパレータは、請求項記載の芳香族ポリケトンを含有する、電気化学素子。
  8. 一対の電極と、
    前記一対の電極間に配置されたセパレータと、
    前記電極及び前記セパレータに含まれる電解質溶液と、
    前記電極、前記セパレータ及び前記電解質溶液を挟むように収容する一対の金属製の容器部材と、
    前記一対の容器部材間を電気的に絶縁するガスケットと、を備え、
    前記ガスケットは、請求項記載の芳香族ポリケトンを含有する、電気化学素子。
  9. 前記セパレータは、請求項記載の芳香族ポリケトンを含有する、請求項記載の電気化学素子。
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