JP4343395B2 - ミシンの駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はミシンの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のミシンの送り駆動装置をミシンの底面側から見た図である。上軸2は図示しないミシンモータの駆動により回転して、図示しない駆動機構を介して針棒を上下動させる。4は上下送り軸で、図示しない送り歯に上下方向の運動を付与する。6は水平送り軸で、送り歯に水平方向の運動を付与する。8は釜軸で、針棒に同期して図示しない釜を回転させる。
【0003】
上軸2及び上下送り軸4にはそれぞれ止めねじ10,12でスプロケット14,16が固定され、これら2つのスプロケットと噛み合うタイミングベルト18を介して上軸2の回転が上下送り軸4に伝達される。上下送り軸4はフレーム20に取付けられた軸受22により回転可能に支持されている。
【0004】
上下送り軸4には水平送りカム24が止めねじ26により固定され、更に図示しない先端側(図の下方)には上下送りカムが止めねじにより固定されている。水平送りカム24はロッド28、送り調節器30及び送り腕32を介して水平送り軸6を駆動している。また、上下送り軸4には歯車34が止めねじ36により固定されており、これと噛み合う歯車38により釜軸8を回転させている。釜軸8には図示しない糸切りカムや釜が止めねじにより固定されている。
【0005】
以上の構成により、上軸2の回転は、図示しない針棒、上下送り軸4、水平送り軸6及び釜軸8にそれぞれ伝達されている。
【0006】
なお、上記の歯車34,38、水平送りカム24、送り調節器30等の各部品はいずれも高速運動を行う摺動部を有するため、潤滑をする必要がある。そこで、フレーム20,20A,20B及び図示しない底部カバーによって囲まれた密閉空間40を形成し、この密閉空間40内に各部品及び潤滑油を収容している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ミシンにおいては周知のように、針の動きを基準とすればそれに対して釜、送り、糸切りカムがある定められたタイミングで運動するように構成されている。ところが、縫製条件が変わったときに、針の動きに対し送りの運動のタイミングのみを変更することがあり、この時、釜や糸切りカムの針に対するタイミングは変えない方が良い場合が殆どである。しかしながら、従来の駆動装置の構成では、スプロケット16の止めねじ12を緩めて、上下送り軸4とスプロケット16との相対的位置をずらすことで送りのタイミングを変えるので、歯車34を介して上下送り軸4に連結されている釜軸8も同時にタイミングがずれてしまう。このため、釜軸8に固定されている釜や糸切りカムのタイミングを元の状態に調整し直す必要があった。
【0008】
針に対して送りのタイミングをずらす他の方法として、水平送りカム24の止めねじ26と、図示しない上下送りカムの止めねじを緩めてずらすこともできるが、この時、水平と上下のずらし量を同一にする必要があり手間がかかる上、上述のように水平送りカム24は潤滑のために密閉空間40内に収納されているため、止めねじ26を緩めるためには底部カバーを取り外す等の作業が必要であり、容易にそのタイミングをずらすことができない。
【0009】
従って本発明の目的は、針と釜のタイミングは一定のままで、送りのタイミングのみを変更することが可能なミシンの駆動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明によれば、ミシンモータの駆動により回転して針棒を上下動させる上軸と、送り歯に上下方向の運動を付与する上下送り軸と、送り歯に水平方向の運動を付与する水平送り軸と、前記上下送り軸と水平送り軸とを連結する第1連結手段と、針棒に同期して釜を回転させる釜軸と、前記上下送り軸に設けられた伝達部材を有し、上軸の回転を上下送り軸に伝達する伝達手段と、前記伝達部材と釜軸とを連結する第2連結手段と、前記伝達部材と上下送り軸とを連結または遮断可能とする結合部材と、を備えたことを特徴とするミシンの駆動装置が提供される。
【0011】
例えば、前記伝達手段は、内周部に上下送り軸を遊嵌すると共に、外周部に前記釜軸を連結可能な中空軸と、一端が前記中空軸に固定され、他端が前記結合部材により前記上下送り軸に連動されるスプロケットとから構成される。
【0012】
或いは、前記伝達手段は、内周部に上下送り軸を挿入すると共に、外周部に前記釜軸を連結可能な中空軸と、一端が前記中空軸に一体的に接続され、他端が前記結合部材により前記上下送り軸に連結されるスプロケットとから構成されることもできる。
好ましくは、前記結合部材は、密閉された潤滑室の外部に配置される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び2を参照して本発明によるミシンの駆動装置の第1の実施の形態を説明する。この駆動装置が従来例のミシンの駆動装置と異なるのは、上下送り軸4に取付けられた伝達部材を構成するスプロケット50の形状と、このスプロケット50と上下送り軸4の間に、伝達手段を構成する中空軸52が設けられていることと、上下送り軸4と釜軸8とを連結する歯車(第2連結手段)34、38の配置が異なっていることである。
【0014】
まず、図5と同一の参照番号を付されたものは従来例と同一または同等の部品であるので、簡単に説明すると、上軸2は図示しないミシンモータの駆動により、針棒を上下動させる。上下送り軸4は図示しない送り歯に上下方向の運動を付与する。水平送り軸6は送り歯に水平方向の運動を付与する。釜軸8は、針棒に同期して、釜を回転させる。ロッド28と送り腕32は、上下送り軸4と水平送り軸6とを連結する。上軸2と上下送り軸4にはそれぞれスプロケット14,16が固定され、タイミングベルト18により上軸2の回転を上下送り軸4に伝達可能とされている。このスプレケット14、16およびタイミングベルト18が第1連結手段を構成する。上下送り軸4の回転は歯車34,38により釜軸8へ伝達される。釜軸8には図示しない糸切りカムや釜が止めねじにより固定されている。フレーム20,20A,20B及び図示しない底部カバーによって囲まれて密閉された潤滑室40内には潤滑油が収納されると共に、歯車34,38、水平送りカム24、送り調節器30等の各部品が収納されている。
【0015】
次に本実施の形態の特徴部分を説明すると、スプロケット50には中空軸52が挿入される孔50Aと、この孔50Aよりも径が小さく上下送り軸4が挿入される孔50Bが形成されており、それぞれの孔の部分に止めねじ54,56用のねじ孔54A,56Aが形成されている。中空軸52の内径は上下送り軸4の外径よりも若干大きくされ、上下送り軸4を遊嵌することにより、上下送り軸4がスムースに回転可能なように構成されている。
【0016】
スプロケット50は止めねじ54で中空軸52に固定され、中空軸52の外周部52Bには止めねじ64により、歯車38と噛み合う歯車34が固定されている。またスプロケット50は結合部材を構成する止めねじ56で上下送り軸4に固定されている。また、従来例と同様に上下送り軸4には止めねじ26により水平送りカム24が固定され、更に図示しない先端側(図の下方)には上下送りカムが止めねじにより固定されている。
【0017】
上記の4個の止めねじ26,54,56,64のうち、スプロケット50と上下送り軸4とを固定する止めねじ56と、スプロケット50と中空軸52とを固定する止めねじ54は潤滑室40の外部に配置され、他の止めねじ26,64は潤滑室40の内部に配置されている。
【0018】
以上の構成において、針の運動に対し送りの運動のタイミングのみを変更するときは、スプロケット50と上下送り軸4を固定している止めねじ56をゆるめ、スプロケット50に対して上下送り軸4を回転方向に必要量ずらしてから固定し直せば良い。この時、スプロケット50と中空軸52とは止めねじ54により固定されたまであるので、止めねじ64により中空軸52に固定された歯車34を介しての釜軸8の回転のタイミングは変更されない。従って、釜軸8に固定された糸切りカムや釜のタイミングを調整し直す必要がなく、作業が大幅に短縮できる。釜のタイミングが所定のタイミングから少しでもずれると縫い品質に影響があるが、その調整をし直す必要がないことで、変更作業前の状態を確実に保つことができる。
【0019】
なお、針棒の動きに対して釜、糸切りのタイミングを変える必要がある場合には止めねじ54を緩めて中空軸52を回転方向に必要量ずらしてから固定し直せば良い。
【0020】
次に図3及び4を参照して本発明によるミシンの駆動装置の第2の実施の形態を説明する。この駆動装置が第1の実施の形態と異なるのは図1の中空軸52に相当する中空部材60Cを、上下送り軸4に取付けられたスプロケット60と一体に形成している点と、第1の実施の形態の中空軸52を固定するための止めねじ54が不要であるので、止めねじ用の孔62Aが1個だけ形成されている点であり、他の点は同一である。スプロケット60の内周部60Aには上下送り軸4が挿入されて孔62Aを介して止めねじ62により固定され、外周部60Bには歯車34が結合部材を構成する止めねじ64により固定されている。
【0021】
本実施の形態においては、3個の止めねじ26,62,64のうち、スプロケット50と上下送り軸4とを固定する止めねじ62は潤滑室40の外部に配置され、他の止めねじ26,64は潤滑室40の内部に配置されている。
【0022】
以上の構成において、針の運動に対し送りの運動のタイミングのみを変更するときは、スプロケット60に上下送り軸4を固定している止めねじ62をゆるめ、スプロケット60に対して上下送り軸4を回転方向に必要量ずらしてから固定し直せば良い。この時、スプロケット60と歯車34とは止めねじ64により固定されたままであるので、その歯車34を介しての釜軸8の回転のタイミングは変更されない。従って、第1の実施の形態の場合と同様に、釜軸8に固定された糸切りカムや釜のタイミングを調整し直す必要がなく、作業が大幅に短縮できる。釜のタイミングが所定のタイミングから少しでもずれると縫い品質に影響があるので、その調整をし直す必要がないことで、変更作業前の状態を確実に保つことができる。
【0023】
この実施の形態の場合は第1の実施の形態の場合に比べて部品点数が少ない利点がある。なお、この実施の形態の場合において、針棒の動きに対して釜、糸切りのタイミングを変える場合には、潤滑室40内の止めねじ64を緩めて歯車34を回転方向に必要量ずらして固定する必要があり、手間がかかるが、針に対して釜と糸切りを同時に同量だけタイミングを変えることは殆どないので実質的な不利益とはならない。
【0024】
以上、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態には限定されず、種々変形可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明によるミシンの駆動装置は、上下送り軸と水平送り軸とを連結する第1連結部材と、針棒に同期して釜を回転させる釜軸と、上下送り軸に設けられた伝達部材を有し上軸の回転を上下送り軸に伝達する伝達手段と、伝達部材と釜軸とを連結する第2連結部材と、伝達部材と上下送り軸とを連結または遮断可能とする結合部材と、を備えている。
【0026】
このように第2連結部材とは独立に結合部材を設けたことにより、第2連結部材による伝達部材と釜軸との連動を維持した状態で、結合部材により伝達部材と上下送り軸とを連結または遮断可能となった。針の運動に対し送りの運動のタイミングのみを変更するときは、結合部材により上下送り軸との固定を解除し、上下送り軸を回転方向に必要量ずらして固定すれば良い。この時、上下送り軸と歯車とは一体のままであるので、この歯車を介しての釜軸の回転のタイミングは変更されない。従って、釜軸に固定された糸切りカムや釜のタイミングを調整し直す必要がなく、作業が大幅に短縮できる。また、釜のタイミングが所定のタイミングから少しでもずれると縫い品質に影響があるので、その調整をし直す必要がないことで、変更作業前の状態を確実に保つことができる。
【0027】
結合部材が、密閉された潤滑室の外部に設けられ場合には、結合部材により上下送り軸との固定を解除するために、密閉された潤滑室を開く必要がないので作業性が大幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるミシンの駆動装置の第1の実施の形態の下面図である。
【図2】 第1の実施の形態のスプロケットと中空軸の斜視図である。
【図3】 本発明によるミシンの駆動装置の第2の実施の形態の下面図である。
【図4】 第2の実施の形態の中空軸と一体的に構成されたスプロケットの斜視図である。
【図5】 従来例によるミシンの駆動装置の下面図である。
【符号の説明】
2...上軸 4...上下送り軸 6...水平送り軸 8...釜軸
14,18,50,52,60...伝達部材 28,32...第1連結部材
34,38,64...第2連結部材 40...潤滑室
52,60C...中空部材 56,62...結合部材
Claims (4)
- ミシンモータの駆動により回転して針棒を上下動させる上軸と、
送り歯に上下方向の運動を付与する上下送り軸と、
送り歯に水平方向の運動を付与する水平送り軸と、
前記上下送り軸と水平送り軸とを連結する第1連結手段と、
針棒に同期して釜を回転させる釜軸と、
前記上下送り軸に設けられた伝達部材を有し、上軸の回転を上下送り軸に伝達する伝達手段と、
前記伝達部材と釜軸とを連結する第2連結手段と、
前記伝達部材と上下送り軸とを連結または遮断可能とする結合部材と、
を備えたことを特徴とするミシンの駆動装置。 - 請求項1記載のミシンの駆動装置において、
前記伝達手段は、
内周部に上下送り軸を遊嵌すると共に、外周部に前記釜軸を連結可能な中空軸と、
一端が前記中空軸に固定され、他端が前記結合部材により前記上下送り軸に連動されるスプロケットとからなることを特徴とするミシンの駆動装置。 - 請求項1記載のミシンの駆動装置において、
前記伝達手段は、
内周部に上下送り軸を挿入すると共に、外周部に前記釜軸を連結可能な中空軸と、
一端が前記中空軸に一体的に接続され、他端が前記結合部材により前記上下送り軸に連結されるスプロケットとからなることを特徴とするミシンの駆動装置。 - 請求項1、2または3記載のミシンの駆動装置において、
前記結合部材は、密閉された潤滑室の外部に配置されることを特徴とするミシンの駆動装置。
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| JP2000142680A JP4343395B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | ミシンの駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000142680A JP4343395B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | ミシンの駆動装置 |
Publications (2)
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2000
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