JP4344190B2 - 分波器 - Google Patents

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Description

この発明は、多層パッケージ基板上に弾性表面波フィルタチップを搭載してなる分波器に関する。この発明は、例えば、携帯電話機等の移動体通信端末におけるアンテナ用RF(Radio Frequency) 部品に適用することができる。
従来より、弾性表面波フィルタ(例えば有極型弾性表面波フィルタ)を多層パッケージ基板に搭載してなる分波器が知られている。このような分波器は、例えば、携帯電話等の移動体通信端末のRF部品に採用されている。移動体通信端末では、一本のアンテナが送信および受信の両方に使用される。このため、移動体通信端末用の分波器では、送信用フィルタ、受信用フィルタ、分波線路等が1個の多層パッケージ基板に搭載される。多層パッケージ基板を有する分波器は、例えば下記特許文献1、2によって開示されている。
下記特許文献1の図1にも示されているように、この種の分波器において、多層パッケージ基板は、複数のパッケージ基板によって構成されている。そして、最上層のパッケージ基板は、上面に弾性表面波フィルタのチップが設置される。このチップには、例えば多数の櫛形フィルタが形成されている。また、各パッケージ基板の上面には、配線パターンが形成される。さらに、最下層のパッケージ基板は、下面に信号電極や接地電極等が形成される。弾性表面波フィルタのチップは、例えばワイヤボンディング等によって、最上層の配線パターンに接続される。各層の配線パターンと最下層下面の電極(信号電極や接地電極)とは、多層パッケージ基板内に設けられた貫通電極によって、適宜接続される。
加えて、下記特許文献2の図13、図14にも示されているように、多層パッケージ基板の側面に配線パターンを設けて、最上層パッケージ基板の上面に設けられた電極と最下層パッケージ基板の下層に設けられた電極とを接続する場合もある。
このような構成の分波器は、移動体通信端末の小型化、軽量化を図る上で有用である。
特開2002−124847号公報(第3−4頁、図1) 特開平10−126213号公報(第3頁、図13−17)
上述のように、移動体通信端末等では一本のアンテナが送信および受信の両方に使用される。例えば、送信周波数帯域が824MHz〜849MHz且つ受信周波数帯域が869MHz〜894MHzとすると、824MHz〜849MHzを通過帯域とし且つ他の周波数を減衰帯域とする弾性表面波フィルタと、869MHz〜894MHzを通過帯域とし且つ他の周波数を減衰帯域とする弾性表面波フィルタとが、上述のチップに形成される。そして、このチップが、最上層パッケージ基板の上面に搭載される。
ここで、この分波特性は、通過帯域における通過域特性および減衰帯域における減衰特性が、予め定められた規格を満たしていなければならない。しかしながら、弾性表面波フィルタは、チップ単体のときと、多層パッケージに搭載した後とで、特性が変化する。したがって、チップ単体の特性は、この特性変化を見越して、決定しなければならない。この特性変化の一つの要因としては、このチップと配線パターンとを接続するボンディング用ワイヤのインダクタンスの影響がある。また、他の要因としては、多層パッケージ内に設けられた接地電位部分の不完全さや、配線パターン間の結合があ。
このため、従来は、ボンディング用ワイヤのインダクタンスを考慮して、各弾性表面波フィルタの設計条件を定めることとしていた。しかしながら、このような方法では、設計特性どおりの、高性能の特性を得ることが困難であった。
このような理由から、高性能のフィルタ特性を備え且つ製造歩留まりが高い分波器が嘱望されていた。
この発明に係る分波器は、複数のパッケージ基板を積層してなる多層パッケージ基板と、最上層をなすパッケージ基板の上面に配置された弾性表面波フィルタチップと、最上層をなすパッケージ基板の上面に形成され、弾性表面波フィルタチップの接地電極に接続された上面接地電極と、最下層をなすパッケージ基板の下面に形成された下面接地電極と、複数のパッケージ基板の各接合面のうち少なくとも一つの接合面に形成され、多層パッケージ基板内に設けられた貫通電極を介して上面接地電極および下面接地電極と接続された接地配線と、多層パッケージ基板の側面に設けられ、接地配線の一部または全部と上面接地電極と下面接地電極とに接続された、1本または複数本の第1接続線路と、多層パッケージ基板の側面に設けられ、上面接地電極と下面接地電極に接続され且つ接地配線が形成された面において接地配線に接続されていない1本または複数本の第2接続線路とを備える。
このような構成によれば、第2接続線路を設けたことにより、多層パッケージ基板内の接地電位部のインピーダンスが寄生インピーダンス等によってばらつくことを抑制でき、これにより、分波器の減衰特性を向上させることができる。
本発明によれば、上面接地電極と下面接地電極とを接続する手段として、貫通電極および第1接続線路に加えて第2接続線路を設けたので、分波器の減衰特性を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、図中、各構成成分の大きさ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説明する数値的条件は単なる例示にすぎない。
図1は、この実施の形態に係る分波器が搭載される移動体通信端末の概略構成を示すブロック図である。図1に示したように、この移動体通信端末は、分波器100と、アンテナ110と、電力増幅器120とを備える。また、分波器100は、アンテナ端子101、送信信号入力端子102、受信信号出力端子103、送信用フィルタ104、分波線路105および受信用フィルタ106を備える。ここで、送信用フィルタ104および受信用フィルタ106は、後述の弾性表面波フィルタチップに形成される。図1において、送信信号は、電力増幅器120で増幅された後、送信用フィルタ104を通過して、アンテナ110から送信される。また、受信信号は、アンテナ110で受信された後に、分波線路105を介して受信用フィルタ106に入力され、減衰帯域成分を除去されて、処理回路(図示せず)に送られる。
図2〜図5は、この実施の形態に係る分波器100の構造を概略的に示す図であり、図2は斜視図、図3は平面図、図4は図3のA−A’断面図である。また、図5は、分波線路105の要部を示す概念図である。
図2〜図5に示したように、本発明の分波器100は、多層パッケージ基板210と、弾性表面波フィルタチップ220とを備えている。
多層パッケージ基板210は、5層のパッケージ基板211,212,213,214,215を備えている。各パッケージ基板211〜215は、それぞれ、例えばセラミック等の絶縁性材料で形成されている。
最上層のパッケージ基板211には、フィルタチップ220が搭載される。また、このパッケージ基板211には、上面に、上面アンテナ電極231,232と、上面送信信号電極233と、上面受信信号電極234と、上面接地電極235とが形成されている。上面接地電極235は、配線236を介して、後述の貫通電極261,261,・・・に接続される。
最下層のパッケージ基板215の下面には、図示しない、下面アンテナ電極(図1のアンテナ端子101に相当)、下面送信信号電極(図1の送信信号入力端子102に相当)と、下面受信信号電極(図1の受信信号出力端子103に相当)とが設けられている。さらに、パッケージ基板215の下面には、下面接地電極237が形成されている(図4参照)。
パッケージ基板212,213の接合面およびパッケージ基板214,215の接合面には、接地用の配線パターン251,252が形成されている。接地用配線パターン251は、4本の貫通電極261,261,・・・を介して、上面接地電極235と接続されている。さらに、接地用配線パターン251,252は、16本の貫通電極262,262,・・・によって、相互に接続されている。また、接地用配線パターン252は、貫通電極263を介して、下面接地電極237と接続されている。なお、上面アンテナ電極231,232と下面アンテナ電極、上面送信信号電極233と下面送信信号電極、上面受信信号電極234と下面受信信号電極も、それぞれ、図示しない配線パターンおよび貫通電極を介して、相互に接続されている。
多層パッケージ基板210の側面には、6本の第1接続線路271,272,273,274,275,276と、2本の第2接続線路281,282とが形成されている。第1接続線路271〜276は、上面接地電極235、下面接地電極236および接地用配線パターン251,252に接続されている。一方、第2接続線路281,282は、上面接地電極235および下面接地電極237には接続されているが、接地用配線パターン251,252には接続されていない(図5参照)。
弾性表面波フィルタチップ220は、多数の櫛形フィルタ(図示せず)と、アンテナ電極241,242と、送信信号入力電極243と、受信信号出力電極244と、接地電極245,246とを備えている。各電極241〜246は、図示しないボンディングワイヤによって、対応する電極231〜235に接続されている。櫛形フィルタを用いた回路部分の詳細は、従来と同様であるので省略する。
次に、この実施の形態に係る分波器100の原理を説明する。
弾性表面波フィルタの良好な減衰特性を得るためには、各パッケージ基板211〜215の接地電位が完全な零であることが望ましい。このため、多層パッケージ基板210には、接地用の貫通電極および接続線路が、多数設けられている。しかしながら、このような構成によっても、各パッケージ基板211〜215の電位を完全な零にすることは困難である。
これに対して、この実施の形態では、かかる電位を完全な零に近づけるのではなく、各パッケージ基板211〜215とグランドとの間のインピーダンスを最適な値に設定することによって、減衰特性の向上を図っている。このために、この実施の形態では、第2接続線路281,282、すなわち上面接地電極235および下面接地電極237には接続されているが接地用配線パターン251,252には接続されていない接続線路を、新たに設けた。
以下、各パッケージ基板211〜215とグランドとの間のインピーダンスについて、第2接続線路281,282を有さない分波器と比較しつつ説明する。なお、以下の説明では、説明を簡単にするために、接続線路の総数を4本とする。
図6は、第2接続線路(図5の符号281,282参照)を有さない分波器600の接地配線例を示す概念図である。この分波器600では、4本の接続線路601,602,603,604のすべてが、接地用配線パターン251,252に接続されている。
図7に、1本の接続線路のインピーダンスを説明するための等価回路を示す。図7において、Z1は、多層パッケージ基板210内の任意の点Aと、接地用配線パターン251の端部B(接続線路601〜604との接続端)と間のインピーダンスである(図7参照)。Z2は、接続点Bと、接続線路601〜604側の接続部分Cとの間のインピーダンスである。Z3は、接続点Cと、下面接地電極237上の点E2との間のインピーダンスである。Z4は、接続点Bと、上面接地電極235上の点E1との間のインピーダンスである。また、Z5は、接続点Cと、接地用配線パターン252側の接続部分Fとの間のインピーダンスである。図7において、インピーダンスZ1,Z2,Z3,Z4,Z5は、2層分のインピーダンス(第1層の下面と第3層の下面との間のインピーダンスや、第3層の下面と第5層の下面との間のインピーダンス)と近似的に等しいとみなすことができる。したがって、以下の説明では、Z=Z1=Z2=Z3=Z4=Z5とする。
図7に示したような1本の第1接続線路において、FマトリクスF0およびYマトリクスY0は、下式(1)、(2)で表される。なお、FマトリクスおよびYマトリクスについては、例えば、高橋秀俊編「大学演習 回路」(株)裳華房発行(昭和37年12月10日初版発行)を参照されたい。
Figure 0004344190
次に、接続線路601,602,603,604(図6参照)の合成インピーダンスについて、4本の接続線路がすべて接地用配線パターン251,252に接続されている場合、2本の接続線路のみが接地用配線パターン251,252に接続されている場合、1本の接続線路のみが接地用配線パターン251,252に接続されている場合に分けて検討する。
(I)4本の接続線路がすべて接地用配線パターン251,252に接続されている場合
この場合の等価回路を図8(A)に示す。図8(A)からわかるように、この場合は、同じ構成の回路が4個並列に接続されていることになる。したがって、この場合のFマトリクスF40およびYマトリクスY40は、下式(3)、(4)で表される。
Figure 0004344190
そして、この場合の、A−E2間のインピーダンスZ40は、下式(5)で与えられる。
Figure 0004344190
上述のように、Zはパッケージ基板2層分のインピーダンスである。周知のように、インピーダンスは、Z=jωLで表すことができる(jは虚数単位、ωは角周波数、Lはインダクタンス)。インダクタンスをL=0.2[nH]としたときのインピーダンスの計算結果を、図9のグラフに(I)で示す。
(II)2本の接続線路のみが接地用配線パターン251,252に接続されている場合
この場合の等価回路を図8(B)に示す。図8(B)からわかるように、この場合は、図7と同様の接続線路2本と、図7の回路からインピーダンスZ4,Z5を取り除いた接続線路2本とが並列に接続されていることになる。このとき、FマトリクスF22は、下式(6)で表される。
Figure 0004344190
そして、この場合の、A−E2間のインピーダンスZ22は、下式(7)で与えられる。
Figure 0004344190
インダクタンスをL=0.2[nH]としたときのインピーダンスの計算結果を、図9に(II)で示す。図9からわかるように、この場合のインピーダンスは、符号が負になっている点で、上述の場合(I)と異なる。
(III)1本の接続線路のみが接地用配線パターン251,252に接続されている場合
この場合の等価回路を図8(C)に示す。図8(C)からわかるように、この場合は、図7と同様の接続線路1本と、図7の回路からインピーダンスZ4,Z5を取り除いた接続線路3本とが並列に接続されていることになる。この場合のA−E2間のインピーダンスZ13は、下式(8)で与えられる。
Figure 0004344190
インダクタンスをL=0.2[nH]としたときのインピーダンスの計算結果を、図9のグラフに(III)で示す。この場合のインピーダンスは、虚数部が反転する点で、上述の場合(I)と異なる。
以上説明したように、接地用配線パターン251,252に接続されている接続線路(第1接続線路)と、接地用配線パターン251,252に接続されていない接続線路(第2接続線路)とを両方設けることにより、多層パッケージ基板210の接地電位を調整することができる。これにより、分波器100の減衰特性を向上させることが可能である。
図10(A)、(B)は、CDMA(Code Division Maltiple Access) 方式の携帯電話端末(送信周波数帯域が824MHz〜849MHz且つ受信周波数帯域が869MHz〜894MHzの場合)に使用される分波器の特性を示すグラフである。図10(A)、(B)において、縦軸は減衰[dB]であり、横軸は周波数である。また、(A)は比較例の分波器(4本の第1接続線路のみとした)の特性であり、(B)は実施の形態に係る分波器(第1接続線路を2本、第2接続線路を2本とした)の特性である。
比較例の分波器では、受信用フィルタ106(図1参照)の減衰極周波数(減衰帯域の極小値、図10(A)の符号α参照)が、送信用フィルタ104の通過帯域(824MHz〜849MHz)内に位置している。これに対して、この実施の形態に係る分波器では、減衰極周波数αが、送信用フィルタ104の通過帯域の外側に位置している。受信周波数の減衰極周波数αが送信周波数通過帯域の外側に位置している方が、良好で安定した送信特性を得ることができる。
本発明者は、接続線路の総数が4本で、そのうち3本が第2接続線路の場合、2本が第2接続線路の場合、1本が第2接続線路の場合、0本が第2接続線路の場合(比較例)について、分波器を試作した。その結果、減衰極周波数は、3本が第2接続線路の場合は816MHz、2本が第2接続線路の場合は819MHz、1本が第2接続線路の場合は822MHz、0本が第2接続線路の場合(比較例)は825MHzであった。このように、第2接続線路が1本以上設けられた場合は受信周波数の減衰極周波数が送信周波数通過帯域の外側に位置するのに対し、第2接続線路が設けられていない場合(比較例)は当該減衰極周波数が送信周波数通過帯域の内側に位置することが解った。
実施の形態に係る分波器が搭載される移動体通信端末の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る分波器の構造を概略的に示す斜視図である。 実施の形態に係る分波器の構造を概略的に示す平面図である。 図3のA−A’断面図である。 実施の形態に係る分波器の接地配線を示す概念図である。 比較例に係る分波器の接地配線を示す概念図である。 実施の形態に係る分波器の動作原理を説明するための等価回路である。 実施の形態に係る分波器の動作原理を説明するための等価回路である。 実施の形態に係る分波器の特性を説明するためのグラフである。 実施の形態に係る分波器の特性を説明するためのグラフである。
符号の説明
100 分波器
101 アンテナ端子
102 送信信号入力端子
103 受信信号出力端子
104 送信用フィルタ
105 分波線路
106 受信用フィルタ
110 アンテナ
120 電力増幅器
210 多層パッケージ基板
211〜215 パッケージ基板
220 フィルタチップ
231,232 上面アンテナ電極
233 上面送信信号電極
234 上面受信信号電極
235 上面接地電極
236 配線
237 下面接地電極
241,242 チップアンテナ電極
243 チップ送信信号入力電極
244 チップ受信信号出力電極
245,246 チップ接地電極
251,252 接地用配線パターン
261,262,263 貫通電極
271〜276 第1接続線路
281,282 第2接続線路

Claims (2)

  1. 複数のパッケージ基板を積層してなる多層パッケージ基板と、
    最上層をなす前記パッケージ基板の上面に配置された弾性表面波フィルタチップと、
    最上層をなす前記パッケージ基板の上面に形成され、前記弾性表面波フィルタチップの接地電極に接続された上面接地電極と、
    最下層をなす前記パッケージ基板の下面に形成された下面接地電極と、
    前記複数のパッケージ基板の各接合面のうち少なくとも一つの接合面に形成され、前記多層パッケージ基板内に設けられた貫通電極を介して前記上面接地電極および前記下面接地電極と接続された接地配線と、
    前記多層パッケージ基板の側面に設けられ、前記接地配線の一部または全部と前記上面接地電極と前記下面接地電極とに接続された、1本または複数本の第1接続線路と、
    前記多層パッケージ基板の側面に設けられ、前記上面接地電極と前記下面接地電極に接続され且つ前記接地配線が形成された面において前記接地配線に接続されていない、1本または複数本の第2接続線路と、
    を備えることを特徴とする分波器。
  2. 前記第1接続線路が、すべての前記接地配線に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の分波器。
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