JP4347776B2 - 配線回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、配線回路基板、詳しくは、電子部品を実装する配線回路基板に関する。
フレキシブル配線回路基板などの配線回路基板は、例えば、銅箔などの導体層の片面または両面に、ポリイミド樹脂などの絶縁層が積層されることにより形成されており、各種の電気機器や電子機器の分野において、広く用いられている。
このような配線回路基板に、電子部品を実装する場合には、その実装工程において、静電気により電子部品が破壊されることがある。
そのため、例えば、フレキシブル回路基板において、絶縁層の表面に、蒸着法、スパッタリング法、無電解めっき法などにより金属層を形成して、静電気のアースまたは低減を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−153940号公報
ところで、配線回路基板には、電子部品を実装するための端子部が、絶縁層を開口して、その開口部から露出する導体層の露出部分として、設けられている。
そして、電子部品の実装工程においては、その端子部(つまり、導体層の露出部分)にも、若干の静電気が帯電する場合がある。端子部に静電気が帯電すると、やはり、実装される電子部品が静電気によって破壊されるおそれがある。
しかるに、特許文献1に記載のフレキシブル回路基板では、絶縁層の静電気を除去できても、端子部の静電気を除去することはできず、そのため、静電気破壊に対して敏感である電子部品の静電気破壊の防止対策としては、不十分である。
本発明の目的は、絶縁層のみならず、端子部の静電気をも除去することにより、実装される部品の静電気破壊を効果的に防止することのできる、配線回路基板を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の配線回路基板は、導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出される導体層からなる端子部とを備えた配線回路基板であって、前記絶縁層の表面と、前記端子部の表面の一部とに、酸化金属層が形成されていることを特徴としている。
この配線回路基板では、酸化金属層が、絶縁層の表面と端子部の表面の一部とに形成されている。そのため、絶縁層および端子部が、静電気により帯電しても、その静電気を酸化金属層によって除去することができる。また、この配線回路基板では、各端子部においては、酸化金属層が、その表面の一部のみに形成されているので、部品の実装が阻害されることはなく、部品との接続信頼性が低下することを防止することができる。
また、本発明の配線回路基板は、導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出される導体層からなる端子部とを備えた配線回路基板であって、前記端子部が設けられている部分とは異なる部分において、前記絶縁層が開口されることにより露出される導体層からなる導体露出部を備え、前記絶縁層の表面と、前記導体露出部の表面とに連続して、酸化金属層が形成されていることを特徴としている。
この配線回路基板では、酸化金属層が、絶縁層の表面と導体露出部の表面とに連続して形成されている。また、導体露出部は、端子部が設けられている導体層において、その端子部が設けられている部分とは、異なる部分に設けられている。そのため、絶縁層および端子部が、静電気により帯電しても、その静電気を酸化金属層によって除去することができる。さらに、この配線回路基板では、各端子部の表面に、酸化金属層を形成する必要がないため、部品の実装が阻害されることはなく、部品との接続信頼性が低下することを防止することができる。
本発明の配線回路基板によれば、絶縁層および端子部が、静電気により帯電しても、その静電気を酸化金属層によって除去することができる。そのため、実装される部品の静電気破壊を効果的に防止することができる。
図1において、(a)は、本発明の配線回路基板の一実施形態を示す要部断面図であり、(b)は、(a)に対応する要部平面図である。
図1(a)に示すように、この配線回路基板1は、フレキシブル配線回路基板であって、長手方向に延びる帯状をなし、ベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の上に積層形成された導体層3と、導体層3の上に積層形成されたカバー絶縁層4とを備えている。
ベース絶縁層2は、例えば、図1(b)に示すように、長手方向に延びる矩形板状に形成されている。
導体層3は、ベース絶縁層2の表面に、複数の配線3a、3b、3cおよび3dからなる配線回路パターンとして形成されている。
各配線3a、3b、3cおよび3dは、この配線回路基板1の長手方向に沿って、配線回路基板1の長手方向一端縁の近傍まで延び、かつ、幅方向(配線回路基板1の長手方向と直交する方向)において、互いに間隔を隔てて並列配置されるように形成されている。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2の表面に、複数の配線3a、3b、3cおよび3dを被覆するように形成されている。また、このカバー絶縁層4には、その一端部において、各配線3a、3b、3cおよび3dと積層方向において対向する部分が、それぞれ略矩形状に開口されることにより、各配線3a、3b、3cおよび3dに対応する端子用開口部5が、それぞれ形成されている。
また、この配線回路基板1では、図1(a)に示すように、カバー絶縁層4の各端子用開口部5から露出する各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)の露出部分が、電子部品を実装するための端子部6とされている。
そして、この配線回路基板1では、図1(b)に示すように、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面(配線回路基板1の一方側端縁を除く全面、以下同じ。)と、各端子部6の表面の一部とに、酸化金属層7が形成されている。すなわち、酸化金属層7は、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面に形成されるとともに、各端子部6においては、カバー絶縁層4の表面から、まず、各端子用開口部5の周側面8に連続して延び、次いで、その周側面8から、各端子部6の表面の周端部9まで連続して延びるように、形成されている。つまり、酸化金属層7は、各端子部6の表面の周端部9において、矩形枠状に形成されている。
次に、この配線回路基板1の製造方法について、図2を参照して説明する。
この方法では、まず、図2(a)に示すように、ベース絶縁層2を用意する。ベース絶縁層2は、配線回路基板1のベース絶縁層2として用いられるものであれば、特に制限されず、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂のフィルムが用いられる。耐熱性の観点からは、好ましくは、ポリイミド樹脂フィルムが用いられる。ベース絶縁層2の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
次いで、この方法では、図2(b)に示すように、ベース絶縁層2の上に、導体層3を上記した配線回路パターンとして形成する。導体層3の形成は、特に制限されず、例えば、アディティブ法やサブトラクティブ法など、公知のパターンニング法が用いられる。
すなわち、アディティブ法では、まず、ベース絶縁層2の全面に、種膜となる金属薄膜を形成する。金属薄膜は、クロム、ニッケル、銅およびこれらの合金などから、スパッタリング法などの薄膜形成法を用いて、形成することができる。次いで、その金属薄膜の表面に、上記した配線回路パターンの反転パターンで、めっきレジストを形成する。めっきレジストは、ドライフィルムレジストなどを用いて、公知の方法により形成することができる。その後、めっきレジストから露出するベース絶縁層2の表面に、導体層3を上記した配線回路パターンで形成する。導体層3は、銅などから、電解めっきにより形成することができる。その後、めっきレジストをエッチングまたは剥離により除去し、導体層3から露出する金属薄膜をエッチングにより除去する。
また、サブトラクティブ法では、まず、ベース絶縁層2の全面に、必要により接着剤層を介して、銅箔などの金属箔を積層する。なお、予め金属箔の上にベース絶縁層2が積層されている公知の二層基材を用いることもできる。次いで、その金属箔の表面に、上記した配線回路パターンに対応するパターンで、エッチングレジストを形成する。エッチングレジストは、ドライフィルムレジストなどを用いて、公知の方法により形成することができる。その後、エッチングレジストから露出する金属箔をエッチングする。その後、エッチングレジストをエッチングまたは剥離により除去する。
上記の方法によって、導体層3が、上記したように、複数の配線3a、3b、3cおよび3dからなる配線回路パターンとして形成される。なお、複数の配線3a、3b、3cおよび3dの幅は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmであり、互いに隣接する間隔は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmである。また、導体層3の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
次いで、この方法では、図2(c)に示すように、カバー絶縁層4を形成する。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2と同様の合成樹脂が用いられる。好ましくは、上記した合成樹脂において、感光性樹脂であるもの、さらに好ましくは、感光性ポリイミド前駆体樹脂(ポリアミック酸樹脂)が用いられる。
カバー絶縁層4の形成は、例えば、感光性樹脂のワニスを、複数の配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)を被覆するようにベース絶縁層2の全面に塗布した後、フォトマスクを介して露光し、その後、現像することにより、配線回路基板1の長手方向一端部において、各端子用開口部5が形成されるようにパターニングする。
そして、ワニスを乾燥後、加熱により硬化させれば、ベース絶縁層2の上に、複数の配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)を被覆するカバー絶縁層4が形成される。また、このカバー絶縁層4には、その一端部において、カバー絶縁層4の厚み方向を貫通する略矩形状の各端子用開口部5が、各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)と積層方向において対向して、それぞれ形成される。
なお、カバー絶縁層4は、感光性樹脂を用いなくとも、例えば、予め外形加工とともに各端子用開口部5が穿孔された合成樹脂のフィルムを、必要により接着剤層を介して、複数の配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)を被覆するようにベース絶縁層2の上に貼着することにより、形成することもできる。
また、カバー絶縁層4の厚み(接着剤層が介在する場合には、その接着剤層の厚みを含む。)は、例えば、3〜50μm、好ましくは、3〜30μmである。
これによって、配線回路基板1の一端部において、カバー絶縁層4の各端子用開口部5から露出する各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)の露出部分が、電子部品を実装するための略矩形状の端子部6とされる。
次いで、この方法では、図2(d)に示すように、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各端子用開口部5の周側面8と、各端子部6の表面の周端部9とに連続して、酸化金属層7を形成する。
酸化金属層7は、例えば、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物からなる。好ましくは、酸化クロムからなる。酸化クロムの皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
なお、酸化金属層7における金属の酸化度合いは、次に述べる酸化金属層7の形成方法によっても異なるが、厚み方向において均一に酸化されていてもよく、また、最表面の酸化度合いが最も高く、その最表面から厚み方向内方へいくに従って、酸化度合いが低下するように酸化されていてもよい。
酸化金属層7の形成は、特に制限されないが、例えば、金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法、反応性スパッタリングする方法、酸化金属をターゲットとしてスパッタリングする方法などが用いられる。
金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法では、まず、カバー絶縁層4の表面全面と、各端子用開口部5の周側面8と、各端子部6の表面全面とに、金属をターゲットとしてスパッタリングする。
スパッタリングは、例えば、図6に示すスパッタリング装置が用いられる。すなわち、図6において、このスパッタリング装置では、真空チャンバー21内に、ターゲット22およびアース電極23が互いに間隔を隔てて対向配置されている。ターゲット22には、電源24が接続されるとともに、プラズマエミッションモニター25が、ターゲット22に対してプラズマ発光可能に配置されている。なお、電源24は、特に制限されず、パルス電源、直流電源(DC)、交流電源(RF)などが用いられる。
また、アース電極23は、接地されるとともに、その表面に基板26が設置されている。(ここで、基板26は、図1(c)に示す配線回路基板1であって、各端子部6を含むカバー絶縁層4側が、ターゲット22と対向するような状態で設置されている。)
ターゲット22には、例えば、クロム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、タンタル、鉛、亜鉛、ジルコニウム、ガリウム、インジウムおよびこれらの合金などが用いられる。好ましくは、クロムが用いられる。クロムの酸化皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
そして、真空チャンバー21内に、アルゴンなどの不活性ガスを導入ガスとして導入し、電源24から電力を印加して、プラズマエミッションモニター25にて、プラズマの発光強度を一定に保持しながら、ターゲット22を所定時間スパッタリングする。これによって、図3(a)に示すように、カバー絶縁層4の表面全面、各端子用開口部5の周側面8および各端子部6の表面全面に、金属薄膜10が形成される。
なお、このような金属をターゲットとするスパッタリングのスパッタリング条件の一例を下記に示す。
到達真空度:1.33×10-5〜1.33×10-2Pa
導入ガス流量(アルゴン):1.2×10-3〜4×10-33/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):1.33×10-2〜1.33Pa
アース電極温度:10〜100℃
電力:100〜2000W
スパッタリング時間:1秒〜15分
なお、このようなスパッタリングは、より具体的には、直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法あるいはこれらの複合化法などの公知のスパッタリング法が適宜選択される。
次いで、金属薄膜10を加熱により酸化するには、特に制限されず、例えば、加熱炉などを用いて、大気中で加熱する。加熱温度は、例えば、50〜400℃、好ましくは、100〜250℃であり、加熱時間は、例えば、1分〜12時間である。これによって、図3(b)に示すように、カバー絶縁層4の表面全面、各端子用開口部5の周側面8および各端子部6の表面全面に、酸化金属層7が形成される。
なお、この酸化金属層7は、最表面の酸化度合いが最も高く、その最表面から厚み方向内方へいくに従って、酸化度合いが低下するように酸化されている。
その後、図3(c)に示すように、各端子部6の表面全面に形成された酸化金属層7のうち、各端子部6の表面の周端部9に形成されている酸化金属層7が残存するように、各端子部6における周端部9に囲まれている中央部分の酸化金属層7を除去する。
各端子部6における中央部分の酸化金属層7の除去は、特に制限されず、例えば、エッチング法が用いられる。
エッチング法では、配線回路基板1における各端子部6の中央部分以外に、エッチングレジストを設けて、各端子部6の中央部分の酸化金属層7を、エッチング液を用いて除去した後、そのエッチングレジストを剥離により除去する。
エッチング液の種類は、酸化金属層7の金属の種類によって適宜選択されるが、例えば、クロムである場合には、フェリシアン化カリウム系、過マンガン酸カリウム系、メタケイ酸ナトリウム系、硝酸第二セリウムアンモン系、塩酸系、硫酸系、硝酸系などのエッチング液が用いられる。
なお、上記とは逆に、金属薄膜10の形成前に、各端子部6の表面の周端部9に囲まれる中央部分にレジストを設けて、スパッタリング後に、そのレジストを除去するようにしても、各端子部6の表面において、周端部9のみに酸化金属層7を形成することができるが、スパッタリング法による金属薄膜10の形成時に、レジストが存在すると、真空チャンバー21内において、そのレジストからガスが発生して真空度が低下する場合がある。そのため、上記したように、酸化金属層7を形成した後に、各端子部6の中央部分の酸化金属層7を除去することが好適である。
なお、各端子部6の中央部分の酸化金属層7の除去と同時に、配線回路基板1の一方側端縁に形成されている酸化金属層7も、同様に除去する。
反応性スパッタリングする方法では、上記した図6に示すスパッタリング装置において、真空チャンバー21内に酸素を含む導入ガスを導入する以外は、上記のスパッタリング法と同様の方法を用いることができる。
より具体的には、ターゲット22として、上記した金属薄膜10を形成するための金属と同様の金属を用いて、基板26として、各端子部6を含むカバー絶縁層4側が、ターゲット22と対向するように、配線回路基板1を配置する。
そして、真空チャンバー21内に、酸素を必須としてアルゴンや窒素が任意の割合で混合された反応性ガス(例えば、Ar/O2混合ガス、N2/O2混合ガス)を導入ガスとして導入し、電源24から電力を印加して、プラズマエミッションモニター25にて、プラズマの発光強度を一定に保持しながら、ターゲット22を所定時間スパッタリングする。
これによって、図3(b)に示すように、カバー絶縁層4の表面全面、各端子用開口部5の周側面8および各端子部6の表面全面に、酸化金属層7が形成される。なお、この酸化金属層7は、厚み方向において均一に酸化されている。
なお、このような反応性スパッタリングのスパッタリング条件の一例を下記に示す。
到達真空度:1.33×10-5〜1.33×10-2Pa
導入ガス流量:Ar/O2混合ガスの場合
Ar:1.2×10-3〜2.4×10-33/h
2 :6×10-5〜30×10-53/h
2 /O2混合ガスの場合
2 :1.2×10-3〜2.4×10-33/h
2 :6×10-5〜30×10-53/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):1.33×10-2〜1.33Pa
アース電極温度:10〜100℃
電力:100〜2000W
スパッタリング時間:3秒〜15分
その後、図3(c)に示すように、各端子部6の表面全面に形成された酸化金属層7のうち、各端子部6の表面の周端部9に形成されている酸化金属層7が残存するように、各端子部6における周端部9に囲まれている中央部分の酸化金属層7を除去する。
各端子部6における中央部分の酸化金属層7の除去は、上記と同様に、例えば、エッチング法が用いられる。
なお、各端子部6の中央部分の酸化金属層7の除去と同時に、配線回路基板1の一方側端縁に形成されている酸化金属層7も、同様に除去する。
酸化金属をターゲットとしてスパッタリングする方法では、上記した図6に示すスパッタリング装置において、酸化金属をターゲット22とし、かつ、電源24として交流電源が用いられる以外は、上記のスパッタリング法と同様の方法を用いることができる。ターゲット22となる酸化金属としては、例えば、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物が用いられる。好ましくは、酸化クロムが用いられる。酸化クロムの皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
より具体的には、ターゲット22として、上記した酸化金属を用いて、基板26として、各端子部6を含むカバー絶縁層4側が、ターゲット22と対向するように、配線回路基板1を配置する。
そして、真空チャンバー21内に、アルゴンなどの不活性ガスを導入ガスとして導入し、電源24から電力を印加して、プラズマエミッションモニター25にて、プラズマの発光強度を一定に保持しながら、ターゲット22を所定時間スパッタリングする。これによって、図3(b)に示すように、カバー絶縁層4の表面全面、各端子用開口部5の周側面8および端子部6の表面全面に、酸化金属層7が形成される。なお、この酸化金属層7は、厚み方向において均一に酸化されている。
なお、このような酸化金属をターゲットとするスパッタリングのスパッタリング条件の一例を下記に示す。
到達真空度:1.33×10-5〜1.33×10-2Pa
導入ガス流量(アルゴン):1.2×10-3〜4×10-33/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):1.33×10-2〜1.33Pa
アース電極温度:10〜100℃
電力:RF100〜2000W
スパッタリング時間:1秒〜15分
その後、図3(c)に示すように、各端子部6の表面全面に形成された酸化金属層7のうち、各端子部6の表面の周端部9に形成されている酸化金属層7が残存するように、各端子部6における周端部9に囲まれている中央部分の酸化金属層7を除去する。
各端子部6における中央部分の酸化金属層7の除去は、上記と同様に、例えば、エッチング法が用いられる。
なお、各端子部6の中央部分の酸化金属層7の除去と同時に、配線回路基板1の一方側端縁に形成されている酸化金属層7も、同様に除去する。
そして、このようにして形成された酸化金属層7は、各端子部6の表面の周端部9に接触するように配置され、その厚みが、例えば、1〜10nm、好ましくは、2〜7nmの範囲に設定される。酸化金属層7の厚みがこの範囲にあると、次に述べる有効な表面抵抗値を得ることができる。
また、この酸化金属層7の表面抵抗値は、好ましくは、105〜1011Ω/□の範囲に設定される。酸化金属層7の表面抵抗値が105未満であると、実装される電子部品の誤作動を生じる場合がある。また、酸化金属層7の表面抵抗値が1011を超えると、静電気破壊を防止することができない場合がある。なお、表面抵抗値の単位は、慣用的に(Ω/□)として表される。
なお、酸化金属層7は、各端子部6の間に連続して形成されているが、表面抵抗値が大きいために、各端子部6の間の短絡は防止されている。
また、各端子部6の周端部9において、酸化金属層7が形成される幅(各端子部6内の酸化金属層7における端子用開口部5の周側面8と接触する側の端縁から、導体層3が露出する側の端縁までの距離)Wは、例えば、10〜100μm、好ましくは、5〜20μmに設定される。酸化金属層7の幅が過度に広いと、電子部品の実装に支障を生じる場合がある。
なお、端子部6が形成される端子用開口部5の大きさは、上記した矩形状の場合には、例えば、その一辺が、50〜3000μmに設定される。また、図示しないが、端子用開口部5の形状は、特に制限されず、目的や用途によって適宜選択することができ、例えば、円形状の場合には、その直径が、50〜3000μmに設定される。
そして、この配線回路基板1では、酸化金属層7が、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各端子用開口部5の周側面8と、各端子部6の表面の周端部9とに連続して形成されている。そのため、カバー絶縁層4および各端子部6が、静電気により帯電しても、その静電気を酸化金属層7によって除去することができ、実装される電子部品の静電気破壊を効果的に防止することができる。また、この配線回路基板1では、各端子部6においては、酸化金属層7が、その表面の周端部9のみに形成されているので、電子部品の実装が阻害されることはなく、電子部品との接続信頼性が低下することを防止することができる。
図4において、(a)は、本発明の配線回路基板の他の実施形態を示す要部断面図であり、(b)は、(a)に対応する要部平面図である。
図4(a)に示すように、この配線回路基板1は、フレキシブル配線回路基板であって、長手方向に延びる帯状をなし、ベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の上に積層形成された導体層3と、導体層3の上に積層形成されたカバー絶縁層4とを備えている。
ベース絶縁層2は、例えば、図4(b)に示すように、長手方向に延びる矩形板状に形成されている。
導体層3は、ベース絶縁層2の表面に、複数の配線3a、3b、3cおよび3dからなる配線回路パターンとして形成されている。
各配線3a、3b、3cおよび3dは、この配線回路基板1の長手方向に沿って、配線回路基板1の長手方向一端縁の近傍まで延び、かつ、幅方向(配線回路基板1の長手方向と直交する方向)において、互いに間隔を隔てて並列配置されるように形成されている。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2の表面に、複数の配線3a、3b、3cおよび3dを被覆するように形成されている。また、このカバー絶縁層4には、その一端部において、各配線3a、3b、3cおよび3dと積層方向において対向する部分が、それぞれ略矩形状に開口されることにより、各配線3a、3b、3cおよび3dに対応する端子用開口部5が、それぞれ形成されている。また、このカバー絶縁層4には、各端子用開口部5に対して配線回路基板1の長手方向他方側に間隔を隔てて、各配線3a、3b、3cおよび3dと積層方向において対向する部分が、それぞれ略矩形状に開口されることにより、各配線3a、3b、3cおよび3dに対応する露出用開口部11が、それぞれ形成されている。
また、この配線回路基板1では、図4(a)に示すように、カバー絶縁層4の各端子用開口部5から露出する各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)の露出部分が、電子部品を実装するための端子部6とされている。また、カバー絶縁層4の各露出用開口部11から露出する各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)の露出部分が、導体層3に酸化金属層7を接続するための導体露出部12とされている。
そして、この配線回路基板1では、図4(b)に示すように、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各導体露出部12の表面全面とに、酸化金属層7が形成されている。すなわち、酸化金属層7は、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面に形成されるとともに、各導体露出部12においては、カバー絶縁層4の表面から、まず、各露出用開口部11の周側面に連続して延び、次いで、その周側面から、各導体露出部12の表面まで連続して延びるように、形成されている。
また、この酸化金属層7は、各端子部6が形成されている部分には、設けられておらず、より具体的には、この酸化金属層7は、各端子用開口部5に対応して、各端子用開口部5を囲むように、各端子用開口部5よりもやや大きな略矩形状の開口部13がそれぞれ形成されるように、開口されている。
次に、この配線回路基板1の製造方法について、図5を参照して説明する。
この方法では、まず、図5(a)に示すように、ベース絶縁層2を用意する。ベース絶縁層2は、上記と同様の合成樹脂のフィルムが用いられる。耐熱性の観点からは、好ましくは、ポリイミド樹脂フィルムが用いられる。ベース絶縁層2の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
次いで、この方法では、図5(b)に示すように、ベース絶縁層2の上に、導体層3を上記した配線回路パターンとして形成する。導体層3の形成は、上記と同様のパターンニング法が用いられる。導体層3は、上記したように、複数の配線3a、3b、3cおよび3dからなる配線回路パターンとして形成される。なお、複数の配線3a、3b、3cおよび3dの幅は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmであり、互いに隣接する間隔は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmである。また、導体層3の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
次いで、この方法では、図5(c)に示すように、カバー絶縁層4を形成する。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2と同様の合成樹脂が用いられる。好ましくは、上記した合成樹脂において、感光性樹脂であるもの、さらに好ましくは、感光性ポリイミド前駆体樹脂(ポリアミック酸樹脂)が用いられる。
カバー絶縁層4の形成は、例えば、上記と同様に、感光性樹脂のワニスを、複数の配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)を被覆するようにベース絶縁層2の全面に塗布した後、フォトマスクを介して露光し、その後、現像することにより、配線回路基板1の長手方向一端部において、各端子用開口部5および各露出用開口部11が形成されるようにパターニングする。
そして、ワニスを乾燥後、加熱により硬化させれば、ベース絶縁層2の上に、複数の配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)を被覆するカバー絶縁層4が形成される。また、このカバー絶縁層4には、その一端部において、略矩形状の各端子用開口部5と、各端子用開口部5から配線回路基板1の長手方向他方側に間隔を隔てて配置される各露出用開口部11とが、各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)と積層方向において対向して、それぞれ形成される。
なお、カバー絶縁層4は、感光性樹脂を用いなくとも、例えば、予め外形加工とともに各端子用開口部5および各露出用開口部11が穿孔された合成樹脂のフィルムを、必要により接着剤層を介して、複数の配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)を被覆するようにベース絶縁層2の上に貼着することにより、形成することもできる。
また、カバー絶縁層4の厚み(接着剤層が介在する場合には、その接着剤層の厚みを含む。)は、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜30μmである。
これによって、配線回路基板1の一端部において、カバー絶縁層4の各端子用開口部5から露出する各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)の露出部分が、電子部品を実装するための略矩形状の端子部6とされる。また、カバー絶縁層4の各露出用開口部11から露出する各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)の露出部分が、導体層3に酸化金属層7を接続するための導体露出部12とされる。
次いで、この方法では、図5(d)に示すように、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各露出用開口部11の周側面と、各導体露出部12の表面全面とに連続し、かつ、各端子用開口部5を囲む開口部13が形成されるように、酸化金属層7を形成する。
酸化金属層7は、上記と同様の金属酸化物からなる。好ましくは、酸化クロムからなる。酸化クロムの皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
酸化金属層7の形成は、上記と同様に、金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法、反応性スパッタリングする方法、酸化金属をターゲットとしてスパッタリングする方法などが用いられる。
なお、エッチングにおいては、エッチングレジストを、各端子部6以外に設けて、各端子部6の表面全面の酸化金属層7を、エッチング液により除去する。
また、各端子部6の表面全面の酸化金属層7の除去と同時に、配線回路基板1の一方側端縁に形成されている酸化金属層7も、同様に除去する。
また、酸化金属層7は、各導体露出部12の表面全面に配置され、その厚みが、例えば、上記と同様に、1〜10nm、好ましくは、2〜7nmの範囲に設定され、その表面抵抗値は、上記と同様に、好ましくは、105〜1011Ω/□の範囲に設定される。
なお、導体露出部12が形成される露出用開口部11の大きさは、上記した矩形状の場合には、例えば、その一辺が、10〜1000μmに設定される。また、図示しないが、露出用開口部11の形状は、特に制限されず、目的や用途によって適宜選択することができ、例えば、円形状の場合には、その直径が、10〜1000μmに設定される。
そして、この配線回路基板1では、酸化金属層7が、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各露出用開口部11の周側面と、各導体露出部12の表面全面とに連続して形成されている。また、各導体露出部12は、各端子部6が設けられている各配線3a、3b、3cおよび3d(導体層3)に対応して、各端子部6とは異なる部分に、それぞれ設けられている。そのため、カバー絶縁層4および各端子部6が、静電気により帯電しても、その静電気を酸化金属層7によって除去することができ、実装される電子部品の静電気破壊を効果的に防止することができる。
また、この配線回路基板1では、各端子部6の表面に代替して各導体露出部12の表面に酸化金属層7が形成されており、つまり、各端子部6の表面には、酸化金属層7が形成されていないので、電子部品の実装が阻害されることはなく、電子部品との接続信頼性が低下することを防止することができる。
なお、以上の説明では、片面フレキシブル配線回路基板を例示して、本発明の配線回路基板を説明したが、本発明の配線回路基板は、最外層に絶縁層を有し、その絶縁層に隣接する導体層を有しているものであれば、特に制限されず、例えば、両面フレキシブル配線回路基板、多層フレキシブル配線回路基板、回路付サスペンション基板など、公知の配線回路基板に広く適用することができる。
例えば、磁気ヘッドを実装する回路付サスペンション基板では、図1および図4の仮想線で示すように、ベース絶縁層2における導体層3が積層されている側と反対側に、例えば、ステンレス箔などからなる金属基板14が設けられている。すなわち、回路付サスペンション基板は、金属基板14と、その金属基板14の上に形成されたベース絶縁層2と、そのベース絶縁層2の上に形成された導体層3と、その導体層3の上に形成されたカバー絶縁層4とを備えている。
そして、このような回路付サスペンション基板において、図1においては、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各端子用開口部5の周側面8と、各端子部6の表面の周端部9とに連続して、酸化金属層7が形成されている。図5においては、カバー絶縁層4の表面のほぼ全面と、各露出用開口部11の周側面と、各導体露出部12の表面全面とに連続し、かつ、各端子用開口部5を囲む各開口部13が形成されるように、酸化金属層7が形成されている。
そのため、この回路付サスペンション基板では、静電気破壊に対して敏感な磁気ヘッドの静電気破壊を十分に防止することができる。
なお、このような回路付サスペンション基板においては、酸化金属層7は、静電気をアースするために、金属基板14に接触していることが好適である。
また、以上の説明では、酸化金属層7をカバー絶縁層4の表面のほぼ全面に形成したが、酸化金属層7は、その目的および用途によって、パターンとして、あるいは部分的に、形成することもできる。また、カバー絶縁層4の表面に限らず、ベース絶縁層2の表面に形成してもよく、さらには、カバー絶縁層4の表面およびベース絶縁層2の表面の両方に形成することもできる。
また、図1に示す配線回路基板1において、酸化金属層7は、各端子部6の表面の周端部9のすべてにわたって略矩形枠状に形成したが、酸化金属層7は、各端子部6の表面に接触していれば、すべてにわたって形成されている必要はなく、各端子部6の表面の周端部9の一部に形成されてもよく、さらには、各端子部6の表面の周端部9でなくとも、各端子部6の表面のいずれかの部分に接触するように形成されていればよい。
また、図4に示す配線回路基板1において、導体露出部12を、端子部6に対して配線回路基板1の長手方向他方側に間隔を隔てて設けたが、導体露出部12の配置、形状および大きさは、その目的および用途によって、適宜選択することができる。また、以上の説明では、酸化金属層7を導体露出部12の表面全面に形成したが、導体露出部12の表面の一部に形成することもできる。
また、図4に示す配線回路基板1において、酸化金属層7を、各端子用開口部5を1つずつ囲む開口部13がそれぞれ形成されるように開口したが、例えば、各端子用開口部5のすべてを含むように、各端子部6が並列配置される方向(配線回路基板1の幅方向)において、帯状に開口することもできる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されるものではない。
実施例1
幅250mmの長尺ステンレス箔(厚み20μm)からなる金属基板の上に、感光性ポリアミド酸樹脂(感光性ポリアミック酸樹脂)のワニスを塗布し、フォトマスクを介して露光し、その後、現像することによりパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層(厚み10μm)を形成した。
次いで、このベース絶縁層の上に、セミアディティブ法によって、導体層(厚み15μm)を配線回路パターンとして形成した後、その導体層を被覆するように、ベース絶縁層の上に、感光性ポリアミド酸樹脂のワニスを塗布し、露光および現像により、各端子用開口部が形成されるパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層(厚み3μm)を形成し、これによって、回路付サスペンション基板を得た。なお、この回路付サスペンション基板では、カバー絶縁層の各端子用開口部から露出する導体層が端子部とされ、また、各端子用開口部は、平面視正方向に形成され、その一辺の長さが、1000μmであった。
次いで、カバー絶縁層の表面全面と、各端子用開口部の周側面と、各端子部の表面全面とに連続して、スパッタリングによって,クロム薄膜からなる金属薄膜を形成した(図3(a)参照)。なお、スパッタリングは、上記と同様の方法において、下記の条件で測定した。
ターゲット:Cr
到達真空度:1×10-3Pa
導入ガス流量(アルゴン):4.38×10-33/h
動作圧:0.16Pa
アース電極温度:20℃
電力:DC160W
スパッタリング時間:5秒
金属薄膜の厚み:1nm
次いで、125℃、12時間、大気中で加熱することにより、クロム薄膜からなる金属薄膜の表面を酸化して、酸化クロム薄膜からなる酸化金属層を形成した。なお、酸化金属層が形成されていることはESCAにて確認した。また、この酸化金属層の表面抵抗値を、表面抵抗測定装置(三菱化学(株)製、Hiresta−up MCP−HT450)を用いて、温度25℃、湿度15%で測定したところ、106Ω/□であった。
次いで、回路付サスペンション基板の各端子部の中央部分以外に、フォトリソグラフィー法によってエッチングレジストを形成し、エッチング液として、フェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムとの混合水溶液を用いて、その中央部分の酸化金属層をエッチングにより除去し、これによって、カバー絶縁層の表面全面と、各端子用開口部の周側面と、各端子部の表面の周端部とに連続して、酸化金属層を形成した。なお、各端子部の周端部において、酸化金属層の幅は、20μmであった。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0nQであった。
実施例2
幅250mmの長尺ステンレス箔(厚み20μm)からなる金属基板の上に、感光性ポリアミド酸樹脂(感光性ポリアミック酸樹脂)のワニスを塗布し、フォトマスクを介して露光し、その後、現像することによりパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層(厚み10μm)を形成した。
次いで、このベース絶縁層の上に、セミアディティブ法によって、導体層(厚み15μm)を配線回路パターンとして形成した後、その導体層を被覆するように、ベース絶縁層の上に、感光性ポリアミド酸樹脂のワニスを塗布し、露光および現像により、各端子用開口部および各露出用開口部が形成されるパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層(厚み3μm)を形成し、これによって、回路付サスペンション基板を得た。なお、この回路付サスペンション基板では、カバー絶縁層の各端子用開口部から露出する導体層が端子部とされ、また、露出用開口部から露出する導体層が導体露出部とされ、各露出用開口部は、平面視正方向に形成され、その一辺の長さが、100μmであった。
次いで、カバー絶縁層の表面全面と、各導体露出部の表面全面(各露出用開口部の周側面を含む。)と、各端子部の表面全面(各端子用開口部の周側面を含む。)とに連続して、スパッタリングによって,クロム薄膜からなる金属薄膜を形成した。なお、スパッタリングの条件は、実施例1と同様であった。
次いで、125℃、12時間、大気中で加熱することにより、クロム薄膜からなる金属薄膜の表面を酸化して、酸化クロムからなる酸化金属層を形成した。なお、酸化金属層が形成されていることはESCAにて確認した。また、この酸化金属層の表面抵抗値を、実施例1と同様の方法で測定したところ、106Ω/□であった。
次いで、回路付サスペンション基板の各端子部以外に、フォトリソグラフィー法によってエッチングレジストを形成し、エッチング液として、フェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムとの混合水溶液を用いて、各端子部の表面全面の酸化金属層をエッチングにより除去した。これによって、カバー絶縁層の表面全面と、各露出用開口部の周側面と、各導体露出部の表面全面とに連続し、かつ、各端子用開口部を囲む各開口部が形成されるように、酸化金属層を形成した。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0nQであった。
実施例3
酸化金属層の形成を、金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法に代替して、下記の条件で反応性スパッタリングする方法にした以外は、実施例1と同様の方法によって、酸化金属層を備える回路付サスペンション基板を得た。
ターゲット:Cr
到達真空度:1×10-3Pa
導入ガス流量:Ar/O2混合ガス
Ar:1.8×10-33/h
2 :7.2×10-33/h
動作圧:0.27Pa
アース電極温度:20℃
電力:DC125W
スパッタリング時間:1分
酸化金属層の厚み:5nm
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0nQであった。
実施例4
酸化金属層の形成を、金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法に代替して、実施例3と同様の条件で反応性スパッタリングする方法にした以外は、実施例2と同様の方法によって、酸化金属層を備える回路付サスペンション基板を得た。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0nQであった。
実施例5
酸化金属層の形成を、金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法に代替して、下記の条件で酸化金属をスパッタリングする方法にした以外は、実施例1と同様の方法によって、酸化金属層を備える回路付サスペンション基板を得た。
ターゲット:CrO2
到達真空度:1×10-3Pa
導入ガス流量(アルゴン):1.2×10-33/h
動作圧:0.27Pa
アース電極温度:20℃
電力:RF400W
スパッタリング時間:1分
金属薄膜の厚み:7nm
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0nQであった。
実施例6
酸化金属層の形成を、金属をターゲットとしてスパッタリングした後、加熱により酸化する方法に代替して、実施例5と同様の条件で酸化金属をスパッタリングする方法にした以外は、実施例2と同様の方法によって、酸化金属層を備える回路付サスペンション基板を得た。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0nQであった。
比較例1
酸化金属層を、カバー絶縁層の表面全面に形成する一方、各端子用開口部の周側面および各端子部の表面の周端部に形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法によって、酸化金属層を備える回路付サスペンション基板を得た。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の電荷量を、クーロンメーター(春日電器製 NK−1001型)を用いて測定したところ、0.28nQであった。
また、この回路付サスペンション基板に磁気ヘッドを実装したところ、磁気ヘッドの静電気破壊が確認された。
本発明の配線回路基板の一実施形態であって、(a)は、その要部断面図であり、(b)は、(a)に対応する要部平面図である。 図1に示す配線回路基板の製造方法を示す工程図であって、(a)は、ベース絶縁層を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層の上に、導体層を配線回路パターンとして形成する工程、(c)は、ベース絶縁層の上に、導体層を被覆するようにカバー絶縁層を形成する工程、(d)は、カバー絶縁層の表面のほぼ全面と、各端子用開口部の周側面と、各端子部の表面の周端部とに連続して、酸化金属層を形成する工程を示す。 図2に示す配線回路基板の製造方法において、酸化金属層を形成する工程の詳細を説明するための工程図であって、(a)は、カバー絶縁層の表面全面、各端子用開口部の周側面および各端子部の表面全面に、金属薄膜を形成する工程、(b)は、カバー絶縁層の表面全面、各端子用開口部の周側面および各端子部の表面全面に、酸化金属層を形成する工程、(c)は、各端子部の表面全面に形成された酸化金属層のうち、各端子部における周端部に囲まれている中央部分の酸化金属層を除去する工程を示す。 本発明の配線回路基板の他の実施形態であって、(a)は、その要部断面図であり、(b)は、(a)に対応する要部平面図である。 図4に示す配線回路基板の製造方法を示す工程図であって、(a)は、ベース絶縁層を用意する工程、(b)は、ベース絶縁層の上に、導体層を配線回路パターンとして形成する工程、(c)は、ベース絶縁層の上に、導体層を被覆するようにカバー絶縁層を形成する工程、(d)は、カバー絶縁層の表面のほぼ全面と、各露出用開口部の周側面と、各導体露出部の表面全面とに連続し、かつ、各端子用開口部を囲む各開口部が形成されるように、酸化金属層を形成する工程を示す。 スパッタリング装置の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1 配線回路基板
3 導体層
4 カバー絶縁層
6 端子部
7 酸化金属層
12 導体露出部

Claims (2)

  1. 導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出される導体層からなる端子部とを備えた配線回路基板であって、
    前記絶縁層の表面と、前記端子部の表面の一部とに、酸化金属層が形成されていることを特徴とする、配線回路基板。
  2. 導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出される導体層からなる端子部とを備えた配線回路基板であって、
    前記端子部が設けられている部分とは異なる部分において、前記絶縁層が開口されることにより露出される導体層からなる導体露出部を備え、
    前記絶縁層の表面と、前記導体露出部の表面とに連続して、酸化金属層が形成されていることを特徴とする、配線回路基板。
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