JP4347972B2 - 水電解装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質型水電解装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、固体高分子電解質膜を使用した高効率の水電解が注目されている。この固体高分子電解質型水電解装置としては、例えば、図5に示すものが知られている。図5において、電解セル41は、多数の固体高分子電解質膜ユニット42を並列させたものであり、両端に通電用の端部電極板43、43を備えている。固体高分子電解質膜ユニット42は、主として固体高分子電解質膜44と、その固体高分子電解質膜44の両面に添設される多孔質給電体45、45と、その多孔質給電体45、45の外側に配設される複極式電極板46、46とから構成される。固体高分子電解質膜44はプロトン導電性材料からなる高分子膜である。複極式電極板46は、通電により片面が陰極に、もう一方の面が陽極になるものである。1つの複極式電極板46をとってみれば、それは左右両側の固体高分子電解質膜ユニット42、42に共通の構成部材となっている。
【0003】
図6は、1つの固体高分子電解質膜ユニット42の分解断面図であり、固体高分子電解質膜44の両面には白金族金属からなる多孔質の触媒層47が設けられている。固体高分子電解質膜44の両側には、この固体高分子電解質膜44と複極式電極板46、46と環状のガスケット48で囲まれてシールされた空間が形成され、このそれぞれが、後記する陰極室Aおよび陽極室B(図6中2点鎖線で示されたもの)となる。この陰極室Aおよび陽極室Bのそれぞれに多孔質給電体45が収容されている。固体高分子電解質膜としては、カチオン交換膜(例えば、フッ素樹脂系スルホン酸カチオン交換膜、デュポン社製「ナフィオン117」「ナフィオン115」など)が好ましい。
【0004】
そこで、図5に示すように、端部電極板43、43間に図5中左側が陽極、右側が陰極になるように電流を通電すると、各複極式電極板46は左側に陰極、右側に陽極を生じさせる。このため、1つの複極式電極板46はその複極式電極板の図中左側の固体高分子電解質膜ユニット42では陰極側49の構成部材となり、図中右側の固体高分子電解質膜ユニット42では陽極側50の構成部材となる。こうして、図6に示すように、1つの固体高分子電解質膜ユニット42には固体高分子電解質膜44より右側の陰極室Aと固体高分子電解質膜44より左側の陽極室Bとが形成される。
【0005】
この状態で純水供給経路51(図5参照)を通じて純水を陽極室Bに供給すれば、陽極室Bでは、
2H2O → O2+4H+ +4e-
の反応が起こり、酸素ガスが発生する。陽極室Bで発生したプロトンはプロトン導電性である固体高分子電解質膜44内を少量の水を伴って移動し、陰極室Aに到達する。陰極室Aでは、この到達したプロトンに、
4H+ +4e- → 2H2
の反応が起こり、水素ガスが発生する。
【0006】
固体高分子電解質型水電解装置における水素ガスと酸素ガスの生成プロセスの概略は上記のとおりであるが、そのプロセスで発生した水素と酸素は、例えば、図7に示すようなフローに従って、各ユースポイントへ供給される。すなわち、図7において、電解セル52で生成した水素ガスは、ライン53を経て水素分離タンク54で水と分離されてから、除湿器55を経て各ユースポイントへ供給される。一方、電解セル52で生成した酸素ガスは、ライン56を経て酸素分離タンク57で水と分離された後、大気中へ放出される。
【0007】
ところで、水電解は、所定の電圧下で所定の電流を通電することにより行われており、水電解時の消費電力を減少するにはエネルギー効率(電圧効率×電流効率)を高くすることが好ましい。ここで、電流効率は温度に無関係で、約90〜98%の範囲にあり、一方、電圧効率は、理論稼働電圧/実際電解電圧で示されるもので、温度依存性があり、電解温度を比較的高めに維持しないと、電圧効率は低下してしまう。電解セルの高性能化に伴って、従来は80%程度であった電圧効率が現在では96%程度まで向上しており、そのような高い電圧効率を維持するには電解温度を80〜120℃程度に保つ必要がある。
【0008】
ところが、従来の水電解においてはエネルギー効率はそれほど重要視されず、約55%程度のエネルギー効率で電解されており、電解温度を高く保って電圧効率の低下を抑制する必要がなかったので、電解温度も比較的低く、45℃程度であった。この水電解に供される水としては、純水が循環使用されており、この純水の純度を一定に保って固体高分子電解質膜の汚染を防いで良好に水電解を行うためには、水中のイオンを取り除いてやる必要がある。この手段としてはイオン交換樹脂を用いた方法が一般的に行われており、しかも、従来の電解温度は45℃程度と比較的低く、耐熱温度の低い(約55℃である)イオン交換樹脂にとって好都合の条件で電解が行われていた。すなわち、図7に示すフローにおいて、酸素分離タンク57から電解セル52へ至るライン59には熱交換器60を設けて, ライン61を経て供給される冷却水によりライン59を流通する純水を約45℃に冷却し、さらに、ライン59にイオン交換樹脂を用いた非再生ポリッシャー62を設けて水中のイオンを取り除いて高純度の純水を得、この高純度の純水は、さらにフィルター63、ライン64を経て電解セル52に供給されていた。
【0009】
また、酸素分離タンク57で酸素ガスと分離された純水はライン65を経て純水循環ポンプ69で循環し、70は補給水ポンプを示す。水素分離タンク54で水素ガスと分離された純水はライン66を経てガススクラバー67に導入され、ガススクラバー67において純水中に溶存している水素ガスを放出してから純水タンク58へ戻され、除湿器55における水素ガスの除湿を容易に行うようにするため、ライン61を経て供給される冷却水をライン68を経て除湿器55に導いて、水素分離タンク54から導入される含湿水素ガスの除湿が行われていた。酸素分離タンク57や水素分離タンク54から排出される純水ならびに水素分離タンク54から排出される含湿水素ガスの温度はかなり高い(純水の温度=約85〜120℃、含湿水素ガスの温度=約85〜120℃)にも拘わらず、従来の水電解装置においては、それらの熱エネルギーは十分に利用されていなかった。
【0010】
しかし、昨今、水電解時の消費電力を少なくするために、エネルギー効率を向上させたいという要望があり、そのためには、温度依存性の高い電圧効率を低下させないようにするために水電解時の温度を高く保持する必要がある。例えば、電圧効率96%を維持して最大94%のエネルギー効率を確保しようとした場合、上記したように、電解温度としては、約80〜120℃程度を保持する必要があるにも拘わらず、イオン交換樹脂の耐熱温度は約55℃程度しかないので、このような高温ではとてもイオン交換樹脂を使用することができない。
【0011】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、イオン交換樹脂を使用することなく水中のイオン濃度を減少させ、しかも電解温度を高温に保持することが可能な水電解装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、純水の循環ラインから純度の低下した(イオン濃度の高い)純水の一部を系外に排出し、その代わりに純水補給ラインを経て高純度の純水を一定量補給することによって純水循環ラインを循環する純水(以下「循環純水」という)のイオン濃度を低下させ、同時に、系外に排出される温度の高い純水と補給される純水との間で熱交換を行って循環純水に補給される純水の温度を高め、電解温度を高温に保持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の要旨は、純水補給ラインから電解セルに達した純水を該電解セルにおいて電解して水素ガスと酸素ガスを生成し、該水素ガスと酸素ガスを、それぞれ水素分離タンクと酸素分離タンクを経て外部に排出する水電解装置において、酸素分離タンクに純水を補給する純水補給ラインに第一熱交換器を設置し、酸素分離タンクから電解セルを経て酸素分離タンクに至る純水循環ラインを形成し、上記電解セルから水素分離タンクに至る水素供給ラインを設け、上記純水循環ラインから第一純水排出ラインを分岐し、第一純水排出ラインを上記第一熱交換器を経て系外に達せしめ、第一熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と第一純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行うことを特徴とする水電解装置にある。
【0014】
本発明によれば、第一純水排出ラインを経て系外に排出される純水に代えて、純水補給ラインから高純度の純水を純水循環ラインに補給することにより循環純水のイオン濃度を低下させ、同時に、第一純水排出ラインから排出される高温(約85〜120℃)の純水と純水補給ラインを経て補給される純水との間で熱交換を行って補給純水の温度を高め、この高温補給純水を酸素分離タンクを経て純水循環ライン中の純水に混入して水電解時の温度を低下させることなく、高エネルギー効率を確保する。
【0015】
また、水素分離タンク底部に第二純水排出ラインを接続し、第二純水排出ラインを第一熱交換器を経て系外に達せしめ、第一熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と第一および第二純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行うようにすれば、補給純水の温度をさらに高めることができ、水電解時の高エネルギー効率の確保が一層容易になる。
【0016】
さらに、水素分離タンクに接続した水素排出ラインに除湿器を設置し、水素分離タンクから該除湿器に至る水素排出ラインにプレ熱交換器を設置し、純水補給ラインを該プレ熱交換器を経て第一熱交換器に至らしめ、該プレ熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と水素排出ラインを経て排出される含湿水素ガスとの間の熱交換を行うこともできる。このようにすれば、プレ熱交換器において、水素分離タンクから排出される高温(約85〜120℃)の含湿水素ガスが補給純水により冷却されて凝縮水が生成し、除湿器への持ち込み水分量が減少し、除湿器における除湿が容易になるとともに、廃棄する熱エネルギーが減少するので、水電解時の高エネルギー効率の確保がますます容易になる。
【0017】
また、第一および第二純水排出ラインを経て系外に排出される高温純水と純水補給ラインを経て補給される純水との熱交換を同一の熱交換器で行うのではなく、別々の熱交換器で行うことも可能である。このようにすれば、第一および第二純水排出ラインから各熱交換器へ向けて排出される純水の流量制御を個別に行うことができるので、流量制御が安定化する。例えば、水素分離タンク底部に第二純水排出ラインを接続し、純水補給ラインの第一熱交換器の前に第二プレ熱交換器を設置し、第二純水排出ラインを第二プレ熱交換器を経て系外に達せしめ、第二プレ熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と第二純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行い、次いで、第一熱交換器において、第二プレ熱交換器で熱交換後の補給純水と第一純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行うことができる(前者方法)。また、水素分離タンク底部に第二純水排出ラインを接続し、純水補給ラインを2つに分岐させて、分岐した各純水補給ラインにそれぞれ熱交換器を設置し、純水補給ラインを経て補給される純水と第一および第二純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を別々の熱交換器で並行して行い、該熱交換後に、分岐した各純水補給ラインを一つに合流させることもできる(後者方法)。前者方法に比べて後者方法には、熱エネルギーの回収率の向上という利点がある。
【0018】
以上のようにして、イオンを多量に溶解して純度の低下した純水の一部を循環ラインから系外に排出し、その代わりに高純度の純水を一定量補給して循環純水のイオン濃度を低下させ、同時に、系外に排出する高温の純水と補給純水との間で熱交換を行うことにより、補給純水の温度を高め、電解温度を高温に保持して高エネルギー効率を確保することができる。そのためには、熱交換器における伝熱効率を向上させて循環純水に補給する純水の温度は極力高めることが好ましい。一方、水電解時の運転電圧の異常な上昇を避けるためには、純水の比抵抗としては5MΩcm以上必要である。ところで、水電解に使用されて比抵抗の低下した純水をイオン交換樹脂を通過させれば、その比抵抗を18MΩcmまで高めることができ、水電解に使用した純水の全量をイオン交換樹脂を通過させれば、常に、その比抵抗を18MΩcmに保持することができる。ところが、上記したように、水電解時の運転電圧の異常な上昇を避けるためには、純水の比抵抗は5MΩcm以上あればよく、純水の比抵抗として、必ずしも18MΩcmは必要でない。すなわち、水電解に使用した純水の全量をイオン交換樹脂を通過させる必要はなく、一部の純水をイオン交換樹脂を通過させることによって循環純水の比抵抗として、5MΩcm以上確保することは可能である。そこで、本発明者が、水電解に使用する純水を循環させる場合において、循環純水の一部をイオン交換樹脂を通過させ、残りの純水はイオン交換樹脂を通過させなかったときの全循環純水に対するイオン交換樹脂通過水量の比率と循環純水の比抵抗の関係を調査した結果が図4に示されている。図4に示すように、イオン交換樹脂通過水量比率が増加するほど、循環純水の比抵抗は高くなっており、例えば、循環水の比抵抗として5MΩcm以上確保するには、イオン交換樹脂通過水量比率として3.5%以上あればよいことになる。イオン交換樹脂を通過した純水の比抵抗は18MΩcmであるが、補給純水の比抵抗も、同じく18MΩcmであるから、イオン交換樹脂を通過させた純水に代えて補給純水を使用しても、循環純水の比抵抗は同じになるはずである。すなわち、循環純水全量の3.5%以上を系外に排出して、その代わりに同量の新しい純水を純水循環ラインに補給すれば、循環純水の比抵抗として5MΩcm以上を確保することが可能である。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の水電解装置の全体フロー図である。図1において、1はプレフィルター、2は昇圧ポンプ、3は第一逆浸透膜、4は第二逆浸透膜、5は補給純水タンク、6はポンプ、7はイオン交換装置(イオン交換樹脂によるもの)、8はファイナルフィルターである。プレフィルター1からファイナルフィルター8までの機器を備えた純水補給ライン9は、水素分離タンク10から伸びる水素排出ライン11中のプレ熱交換器12を経て、さらに、第一熱交換器13を通過して酸素分離タンク14に達する。酸素分離タンク14の底部から伸びるライン15は、ポンプ16、熱交換器17、温度指示調節計18、ファイナルフィルター19、電解セル20を経て再び酸素分離タンク14に戻るように、純水循環ラインを構成している。
【0020】
電解セル20の他方の端部から伸びる水素供給ライン21は水素分離タンク10に達している。純水循環ライン15から分岐した第一純水排出ライン22は、流量指示調節計23を経た後、水素分離タンク10底部から伸びる第二純水排出ライン24に合流して第一熱交換器13を経て系外に達する。
【0021】
水素分離タンク10から伸びる水素排出ライン11のプレ熱交換器12の後段には除湿器25が配置されている。
【0022】
各ラインに設置された26、27はそれぞれ流量制御弁、オンオフ弁を示す。
【0023】
以上のように構成される本発明の水電解装置において、純水補給ライン9のプレフィルター1に達した水道水はプレフィルター1において予備濾過され、全開のオンオフ弁27を経て昇圧ポンプ2により昇圧されて、第一逆浸透膜3、第二逆浸透膜4を経て所定の高純度に精製された後、補給純水タンク5に貯えられる。そして、酸素分離タンク14内の水位を監視するレベル計28の指示に応じて純水補給ライン9に設けた流量制御弁26の開度が適宜調節されながら、補給純水タンク5内の純水はポンプ6により圧送されてイオン交換装置7、ファイナルフィルター8を経た後、プレ熱交換器12において、水素分離タンク10から排出される高温(約85〜120℃)の含湿水素ガスとの間で間接的に熱交換が行われて、補給純水は一定温度だけ昇温されて、当初15〜25℃であったものが、約16〜26℃になる。一方、水素分離タンク10から排出される含湿水素ガスはプレ熱交換器12において補給純水により冷却されて凝縮水が生成する。プレ熱交換器12の下部から上部へ含湿水素ガスが流れるようにしておき、プレ熱交換器12から水素分離タンク10へ向かって下り勾配となるように水素排出ライン11を形成することにより、生成した凝縮水は水素分離タンク10へ流れ落ちるようになる。このようにして、除湿器25への水分の持ち込み量が減少するので、除湿器25における除湿が容易になる。除湿器25において除湿された水素ガスは、水素分離タンク10内の圧力を監視する圧力指示調節計29の指示に応じて水素排出ライン11に設けた流量制御弁26の開度が適宜調節されながら、高純度水素ガスはユースポイントへ供給される。
【0024】
一方、プレ熱交換器12において一定温度だけ昇温された補給純水は第一熱交換器13において、第一および第二純水排出ライン22と24を経て排出される高温(約85〜120℃)の純水との間で間接的に熱交換が行われた結果、さらに、約82〜119℃に昇温されて酸素分離タンク14に達する。また、純水循環ライン15を循環する純水の比抵抗が5MΩcmを下回ることがないように、純水循環ライン15から分岐した第一純水排出ライン22を経て排出される純水の量をQ1 とし、純水補給ライン9を経て補給される純水の量をQ2 とした場合、Q2≧Q1となるように、純水補給ライン9に設けた流量制御弁26と第一純水排出ライン22に設けた流量制御弁26の開度が適宜調節される。結果的には、水素分離タンク10へ供給される純水と第一純水排出ライン22から排出される純水の量が補給純水の量に等しくなって、Q2>Q1となる。なお、本実施例では、酸素分離タンク14の水位が一定になるように純水を補給した。
【0025】
以上のようにして、第一純水排出ライン22を経て排出される高温低純度の純水の代わりに、純水補給ライン9から酸素分離タンク14に補給される高温高純度の純水により、純水循環ライン15を循環する純水のイオン濃度を低下させて(比抵抗を増加させて)、しかも、循環純水を一定温度以上の高温に保持することが可能である。かくして、高温高純度の純水を電解セル20で電解することにより、高エネルギー効率の下で水電解を行うことが可能になる。しかし、純水循環ライン15を循環する純水の温度が80℃以上になると、モジュール構成部品であるシール材料のOリングやガスケットの耐熱温度に近づいて寿命が短くなるという不都合が生じるので、温度指示調節計18で検知した純水の温度が80℃以下になるように、温度指示調節計18の指示に応じて流量制御弁26の開度を適宜調節して、冷水供給ライン30より熱交換器17に冷水を供給して純水循環ライン15を循環する純水の温度を80℃以下に調節するのが好ましい。純水循環ライン15内のファイナルフィルター19は必ずしも必要なものではなく、純水循環ライン15中にいっさい異物が混入しないということが保証されれば、省略することも可能である。
【0026】
酸素分離タンク14内の圧力は圧力指示調節計29で検知して、この圧力が一定以上になれば、酸素分離タンク14内の酸素を流量制御弁26を経て大気に放出することにより、酸素分離タンク14内の圧力を一定以下に保持するように制御することができる。31は水素濃度計であり、水素濃度計31により大気放出される酸素ガス中の水素ガス濃度を検知し、酸素と水素の比率が爆発の可能性のある比率に近くなれば、警報を出すよう構成されている。
【0027】
上記フローでは、ライン22内の純水とライン24内の純水は合流後、一つの熱交換器13で補給純水と熱交換するように構成されているが、第一純水排出ライン22に設置した流量制御弁26と第二純水排出ライン24に設置した流量制御弁26の背圧の相違から、流量制御が不安定にならないように、2台の熱交換器を使用して個別に熱交換をすることも可能である。すなわち、図2に示すように、純水補給ライン9の第一熱交換器13の前に第二プレ熱交換器32を設置し、第二純水排出ライン24を経て排出される純水と純水補給ライン9を通る純水との間の間接的な熱交換を第二プレ熱交換器32において行い、第二プレ熱交換器32で熱交換後の補給純水と第一純水排出ライン22を経て排出される純水との間の間接的な熱交換を第一熱交換器13において行うことができる。しかし、この場合は、補給純水は既に第二プレ熱交換器32で相当量温度が上昇しているので、第一熱交換器13で十分な熱回収が行えなくなる。従って、十分な熱回収を行うには、図3に示すように、純水補給ライン9を2つに分岐し、分岐した各ライン9a、9bにそれぞれ熱交換器33、34を設置し、第二純水排出ライン24を経て排出される純水と分岐ライン9aを通る補給純水との間の間接的な熱交換を熱交換器33で行わせ、第一純水排出ライン22を経て排出される純水と分岐ライン9bを通る補給純水との間の間接的な熱交換を熱交換器34で行わせることが必要である。なお、純水の消費量を減少するため、第一熱交換器13で熱交換を終了して排出される純水を補給純水タンク5へ戻すこともできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は上記のとおり構成されているので、次の効果を奏する。
【0029】
請求項1記載の発明によれば、イオン交換樹脂を使用することなく水中のイオン濃度を減少させ、しかも電解温度を高温に保持することが可能であり、水電解時のエネルギー効率を高く保持することができる。
【0030】
請求項2、3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の場合に比べて、さらに電解温度を高くすることが可能であり、高エネルギー効率の確保が容易になる。
【0031】
請求項4、5記載の発明によれば、純水排出ラインから排出される純水の流量制御が容易になる。とくに、請求項5記載の発明によれば、十分な熱回収を行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水電解装置の全体フロー図である。
【図2】系外へ排出される純水と補給純水との熱交換方法の一例を示す拡大図である。
【図3】系外へ排出される純水と補給純水との熱交換方法の別の一例を示す拡大図である。
【図4】循環純水全量に対するイオン交換樹脂通過水量の比率を横軸とし、循環純水の比抵抗を縦軸として示す図である。
【図5】固体高分子電解質型水電解装置に用いられる電解セルの一例を示す断面図である。
【図6】図5に示す電解セルの固体高分子電解質膜ユニットの分解断面図である。
【図7】従来の水電解装置の全体フロー図である。
【符号の説明】
7…補給純水タンク
9…純水補給ライン
10…水素分離タンク
11…水素排出ライン
12…プレ熱交換器
13…第一熱交換器
14…酸素分離タンク
15…純水循環ライン
20…電解セル
21…水素供給ライン
22…第一純水排出ライン
24…第二純水排出ライン
25…除湿器
32…第二プレ熱交換器
33、34…熱交換器
41…電解セル
42…固体高分子電解質膜ユニット
44…固体高分子電解質膜
A…陰極室
B…陽極室

Claims (5)

  1. 純水補給ラインから電解セルに達した純水を該電解セルにおいて電解して水素ガスと酸素ガスを生成し、該水素ガスと酸素ガスを、それぞれ水素分離タンクと酸素分離タンクを経て外部に排出する水電解装置において、酸素分離タンクに純水を補給する純水補給ラインに第一熱交換器を設置し、酸素分離タンクから電解セルを経て酸素分離タンクに至る純水循環ラインを形成し、上記電解セルから水素分離タンクに至る水素供給ラインを設け、上記純水循環ラインから第一純水排出ラインを分岐し、第一純水排出ラインを上記第一熱交換器を経て系外に達せしめ、第一熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と第一純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行うことを特徴とする水電解装置。
  2. 水素分離タンク底部に第二純水排出ラインを接続し、第二純水排出ラインを第一熱交換器を経て系外に達成せしめ、第一熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と第一および第二純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行うことを特徴とする請求項1記載の水電解装置。
  3. 水素分離タンクに接続した水素排出ラインに除湿器を設置し、水素分離タンクから該除湿器に至る水素排出ラインにプレ熱交換器を設置し、純水補給ラインを該プレ熱交換器を経て第一熱交換器に至らしめ、該プレ熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と水素排出ラインを経て排出される含湿水素ガスとの間の熱交換を行うことを特徴とする請求項1または2記載の水電解装置。
  4. 水素分離タンク底部に第二純水排出ラインを接続し、純水補給ラインの第一熱交換器の前に第二プレ熱交換器を設置し、第二純水排出ラインを第二プレ熱交換器を経て系外に達せしめ、第二プレ熱交換器において、純水補給ラインを経て補給される純水と第二純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行い、次いで、第一熱交換器において、第二プレ熱交換器で熱交換後の補給純水と第一純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を行うことを特徴とする請求項1記載の水電解装置。
  5. 水素分離タンク底部に第二純水排出ラインを接続し、純水補給ラインを2つに分岐させて、分岐した各純水補給ラインにそれぞれ熱交換器を設置し、純水補給ラインを経て補給される純水と第一および第二純水排出ラインを経て系外に排出される純水との間の熱交換を別々の熱交換器で並行して行い、該熱交換後に、分岐した各純水補給ラインを一つに合流させることを特徴とする請求項1記載の水電解装置。
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