JP4349214B2 - グロメット - Google Patents

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本発明はグロメットに関し、詳細には、パネル本体の開口部に取り付けて、該開口部に挿通するハーネス類を保護するグロメットに関する。
従来、自動車のインナーパネルや、ダッシュパネルなどのパネル本体には、ハーネス類を車室へ挿通するための開口部が設けられ、その開口部には、エンジンルームの騒音、風切り音などが車室内に漏れるのを防止するグロメットが嵌着されている。さらに、このグロメットは、パネル本体の開口部の内周縁とハーネス類との隙間をシールすることにより、ハーネス類が開口部の内周縁に接触して損傷しないようハーネス類を保護している。このようなグロメットは、パネル本体の開口部を塞ぐグロメット基部と、該グロメット基部に設けられ、ハーネス類が挿通する挿通孔とを備えている。そして、挿通孔の一端側が開口されているグロメットでは、その開口側からハーネス類を嵌入して、挿通孔に挿通させることができるので、グロメットのハーネス類への取り付けが容易である。
しかし、このようなグロメットが、パネル本体の開口部に嵌着された状態において、ハーネス類が挿通孔の開口側に付勢されると、ハーネス類の外周面が開口部の周縁に直接接触するため、ハーネス類が損傷することがあった。そこで、例えば、ハーネス挿通穴(挿通孔)の開口部を形成する開口端部に、弾性変形する突起片が穴の内方に向かって、互いに対向するように各々突設され、それら突起片の先端部間に幅狭開口部が形成されたハーネスプロテクタ(グロメット)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハーネスプロテクタの幅狭開口部は、ハーネスの幅よりも狭く調整されているので、ハーネス挿通穴に挿通するハーネスが、幅狭開口部側に付勢されても、ハーネスは2つの突起片の各先端部に接触して止まるため、挿通孔(開口部)の周縁との接触が避けられ、ハーネスを保護することができる。
実開平6−12220号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハーネスプロテクタ(グロメット)によれば、ハーネス挿通穴に挿通するハーネスが、幅狭開口部側に強く付勢された場合は、2つの突起片が外側に向かって撓んで変形してしまい、ハーネスが幅狭開口部から外れて、ダッシュパネル(パネル本体)の開口部の周縁に接触して損傷するという問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ハーネス類を、パネル本体の開口部の周縁に接触させないグロメットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のグロメットは、パネル本体に形成された開口部に装着され、該開口部を貫通するハーネス類を保護するグロメットであって、略円盤状の基部と、当該基部の略中央に形成され、前記ハーネス類が挿通する挿通孔と、前記基部の外周縁に沿って設けられ、前記開口部の縁に係止するフランジ部と、前記基部の外周縁から前記挿通孔に向かって切断され、前記ハーネス類を嵌入可能な隙間を有する略クランク状の切り欠き部とを備え、前記開口部に対して前記グロメットを装着した状態、装着していない状態に関わらず、前記切り欠き部には前記隙間が確保され、前記開口部に前記ハーネス類を挿通させた状態において、前記ハーネス類と、前記開口部の縁との間には少なくとも前記基部の一部が介在することを特徴とする。
また、請求項2に記載のグロメットでは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記切り欠き部は、前記ハーネス類の外径寸法よりも小さい間隙を有していることを特徴とする。
請求項1に記載のグロメットでは、基部に設けられた切り欠き部からハーネスを嵌入させることにより、ハーネスを挿通孔に簡単に挿通させることができる。そして、切り欠き部がクランク状になっているため、挿通孔に挿通するハーネスが、切り欠き部側に付勢されても、ハーネス類と、パネル本体の開口部の縁との間には、少なくとも基部の一部が介在するため、ハーネス類と、パネル本体の開口部の縁との接触が避けられ、ハーネス類が損傷するのを防止することができる。また、パネル本体に形成された開口部の縁に、基部の外周縁に沿って設けられたフランジ部が係止するので、グロメットをパネル本体の開口部に対してズレることなく嵌着することができる。
また、請求項2に記載のグロメットでは、請求項1に記載の発明の効果に加え、切り欠き部の隙間が、ハーネス類の外径寸法よりも小さい間隙を有しているので、切り欠き部からハーネスが抜け落ちて紛失するのを防止できる。
以下、本発明の一実施の形態であるグロメット3について、図面に基づいて説明する。図1は、インナーパネル2の開口部12にグロメット3が嵌着される状態を示す斜視図であり、図2は、開口部12に嵌着されたグロメット3の平面図であり、図3は、図2に示すA−A線矢視方向断面図であり、図4は、図2に示すB−B線矢視方向断面図であり、図5は、図2に示すC−C線矢視方向断面図である。なお、図1および図2において、図1および図2の上側をグロメット3の上側、下側をグロメット3の下側、右側をグロメット3の右側、左側をグロメット3の左側とする。また、図1のインナーパネル2の紙面奥行き側を車室(図示外)の外側とし、紙面手前側を車室の内側とする。
図1に示すように、車両(図示外)内側のインナーパネル2には、縁部13に囲まれた開口部12が設けられ、該開口部12には、アンテナフィーダ線5が挿通されている。このアンテナフィーダ線5は、車両側方のピラー内に格納されたピラーアンテナに接続されるものであり、ピラー内から、アウターパネル(図示外)およびインナーパネル2の隙間を通り、インナーパネル2の開口部12から車室内へと導入され、ラジオなど(図示外)に接続されている。そして、このアンテナフィーダ線5に、本実施形態のグロメット3が取り付けられ、該グロメット3が、車室の内側からインナーパネル2の開口部12に嵌着される。このグロメット3は、開口部12と、アンテナフィーダ線5との隙間を閉塞して、車室内に漏れるエンジン音等を遮蔽するとともに、アンテナフィーダ線5が、開口部12の縁部13に接触して損傷しないよう保護するものである。
次に、グロメット3の形状について説明する。図1および図2に示すように、グロメット3は前記開口部12の形状に合わせて形成され、弾性を有する樹脂で一体成型されている。そして、このグロメット3は、平面視縦長の略楕円形である基部7と、当該基部7の外周縁に沿って略垂直に立設された略帯状の壁部8と、当該壁部8の端部より、壁部8の面に対して略垂直に外方に向けて延設されたフランジ部6とから構成されている。さらに、基部7の略中央には、アンテナフィーダ線5などのハーネス類が挿通する略円形状の挿通孔9が設けられている。また、基部7には、挿通孔9から右方向(図1および図2の右方向)に向かって、フランジ部6の外周縁まで略クランク状に切断された切り欠き部10が設けられている。
さらに、図2に示すように、この切り欠き部10は、挿通孔9下部の右側の内周面から右方向に向かって、基部7の外縁近傍まで切断された第1切り欠き部10aと、当該第1切り欠き部10aの長手方向右側一端部から略垂直上方に向かって切断された第2切り欠き部10bと、当該第2切り欠き部10bの長手方向上側一端部からさらに右方向に向かって、フランジ部6の外縁まで切断された第3切り欠き部10cとから構成されている。また、この切り欠き部10には、その切れ目に沿うようにして間隙が設けられ、その間隙の幅は、アンテナフィーダ線5の外径寸法よりも狭く調整されている。なお、本実施形態のグロメット3においては、アンテナフィーダ線5の外径寸法が5mmであるのに対して、切り欠き部10の間隙の幅は2mmに調整されている。
また、基部7には、挿通孔9の外周縁、第1切り欠き部10aおよび第2切り欠き部10bに囲まれて形成された平面視略長方形状の第1凸状基部7aと、第2切り欠き部10b、第3切り欠き部10cおよび壁部8に囲まれて形成された平面視略長方形状の第2凸状基部7bとが設けられている。なお、図1に示すフランジ部6および壁部8が、「フランジ部」に相当する。
次に、上記構成からなるグロメット3の取り付け方法について説明する。図1に示すように、まず、インナーパネル2の開口部12に対して、車室の外側(図1の奥側)から車室の内側に向かってアンテナフィーダ線5を挿通し、コネクタ5aを車室内に導入する。次いで、アンテナフィーダ線5の、車室の内側部分の任意の位置に対して、グロメット3のフランジ部6に形成された切り欠き部10の切れ目部分を対向させる。次いで、グロメット3の弾性変形により、切り欠き部10を開いて間隙の幅を拡大させる。そして、切り欠き部10の間隙の幅よりも外径寸法の大きいアンテナフィーダ線5を、その切り欠き部10のクランク形状の間隙に沿って嵌入させる。こうして、グロメット3の挿通孔9に、アンテナフィーダ線5が挿通される。
次いで、アンテナフィーダ線5に挿通したグロメット3を、車室の内側から開口部12に嵌着させる。まず、グロメット3の基部7の裏面側を、開口部12の正面に対向させる。そして、グロメット3の基部7および壁部8を、開口部12に向かって挿入する。このとき、グロメット3の弾性変形により、グロメット3の壁部8が内側にやや撓みながら開口部12に挿入される。さらに、壁部8の撓みによる反発力が開口部12の縁部13に対して押圧するため、グロメット3の壁部8の外周面と、開口部12の縁部13との間に隙間を生じることなく嵌入される。そして、グロメット3のフランジ部6の、開口部12の縁部13に対向する面が、縁部13の外側面に接触して係止されるため、グロメット3が開口部12に対してズレることなく確実に嵌着される。以上のことから、アンテナフィーダ線5を開口部12に挿通させた後でも、アンテナフィーダ線5にグロメット3を簡単に取り付けることができる。
次に、グロメット3による、アンテナフィーダ線5の保護機能について説明する。図2に示すように、グロメット3の挿通孔9に挿通されたアンテナフィーダ線5は、その周囲をグロメット3の基部7によって囲まれている。よって、アンテナフィーダ線5と、開口部12の縁部13との間には、グロメット3の基部7が常に介在するため、アンテナフィーダ線5が、開口部12の縁部13に接触して損傷するのを防止できる。そして、本実施形態のグロメット3の基部7には、切り欠き部10が設けられているが、挿通孔9を挿通するアンテナフィーダ線5が、その切り欠き部10側に付勢された場合でも、アンテナフィーダ線5が、開口部12の縁部13に接触しないようにすることができる。以下、アンテナフィーダ線5が、挿通孔9の切り欠き部10側(図2の右側)に向かって付勢された場合の、グロメット3による保護機能について説明する。
例えば、アンテナフィーダ線5が、挿通孔9の略中央位置から右側に付勢された場合、図2および図3に示すように、アンテナフィーダ線5は、第1凸状基部7aの縁に接触する。また、アンテナフィーダ線5が、挿通孔9の上方位置から右側に付勢された場合でも、図2および図4に示すように、アンテナフィーダ線5は、第1凸状基部7aの縁に接触する。つまり、アンテナフィーダ線5が、挿通孔9の略中央位置から上方位置にあるときに、挿通孔9の右側に付勢された場合は、第1凸状基部7aに接触するため、インナーパネル2の開口部12の縁部13には接触しない。したがって、アンテナフィーダ線5は、第1凸状基部7aの弾性によって保護されるので、アンテナフィーダ線5の損傷を防ぐことができる。
さらに、アンテナフィーダ線5が、挿通孔9の下方位置から右側に付勢された場合、図2および図5に示すように、アンテナフィーダ線5は、切り欠き部10の第1切り欠き部10aの入り口付近に衝突する。このとき、グロメット3の弾性変形により、第1切り欠き部10aが拡開するため、アンテナフィーダ線5は、第1切り欠き部10aを右側(図2および図5の右側)に向かって嵌入し、第1切り欠き部10aの長手方向に沿って移動する。そして、アンテナフィーダ線5は、第2凸状基部7bの縁に接触して止まる。つまり、アンテナフィーダ線5が、第1凸状基部7aの縁に接触せずに、第1切り欠き部10aに嵌入した場合でも、アンテナフィーダ線5は、第2凸状基部7bの縁に接触して止まるので、インナーパネル2の開口部12の縁部13には接触しない。したがって、アンテナフィーダ線5は、第2凸状基部7bの弾性によって保護されるので、アンテナフィーダ線5が損傷するのを防ぐことができる。また、第1切り欠き部10aを嵌入したアンテナフィーダ線5は、第2凸状基部7bの縁に接触して止まるため、切り欠き部10から抜けてしまうのを防止することができる。
このように、挿通孔9に挿通するアンテナフィーダ線5が、切り欠き部10側に付勢された場合でも、第1凸状基部7aおよび第2凸状基部7bの何れかが、アンテナフィーダ線5と、開口部12の縁部13との間に介在するので、アンテナフィーダ線5が開口部12の縁部13に接触して損傷するのを防止することができる。
以上説明したように、本発明の一実施の形態であるグロメット3によれば、基部7の切り欠き部10より、アンテナフィーダ線5を嵌入させることにより、挿通孔9にアンテナフィーダ線5を簡単に挿通させることができる。よって、アンテナフィーダ線5を、インナーパネル2の開口部12に挿通した後でも、グロメット3の組み付けを容易にすることができる。また、アンテナフィーダ線5が、挿通孔9の切り欠き部10側に付勢され、アンテナフィーダ線5が、切り欠き部10に嵌入しても、切り欠き部10はクランク状に形成されているため、アンテナフィーダ線5はグロメット3の基部7に接触する。したがって、挿通孔9に挿通するアンテナフィーダ線5がどの方向に付勢されても、アンテナフィーダ線5と、開口部12の縁部13との間には、グロメット3の基部7が介在するため、アンテナフィーダ線5を基部7の弾性によって保護することができる。また、切り欠き部10の間隙の幅は、アンテナフィーダ線5の外径寸法よりも狭いため、グロメット3の挿通孔9に、アンテナフィーダ線5が挿通する状態では、アンテナフィーダ線5がグロメット3の切り欠き部10の間隙幅を通過できない。したがって、グロメット3がアンテナフィーダ線5から自然に外れることがないので、グロメット3の紛失を防止できる。
なお、本発明は、上記の一実施形態に限定されることなく、各種の変形が可能である。例えば、切り欠き部10には、少なくとも1つのクランクが形成されていればよく、連続したクランクを形成してもよい。また、切り欠き部10は、ジグザグ状または波状に切断されていてもよい。
また、グロメット3の基部7の形状は、インナーパネル2の開口部12の形状に合わせた形状であれば、楕円のみならず、円形、多角形状であってもよい。
さらに、切り欠き部10は、アンテナフィーダ線5の取り付けを簡単にする上で、挿通孔9とフランジ部6の外縁との距離が最短となるように設けるのが好ましい。
本発明のグロメットは、自動車のパネルの開口部に限らず、パネル状の本体に形成された各種開口部にも利用できる。
インナーパネル2の開口部12にグロメット3が嵌着される状態を示す斜視図である。 開口部12に嵌着されたグロメット3の平面図である。 図2に示すA−A線矢視方向断面図である。 図2に示すB−B線矢視方向断面図である。 図2に示すC−C線矢視方向断面図である。
2 インナーパネル
3 グロメット
5 アンテナフィーダ線
6 フランジ部
7 基部
7a 第1凸状基部
7b 第2凸状基部
8 壁部
9 挿通孔
10 切り欠き部
10a 第1切り欠き部
10b 第2切り欠き部
10c 第3切り欠き部
12 開口部
13 縁部

Claims (2)

  1. パネル本体に形成された開口部に装着され、該開口部を貫通するハーネス類を保護するグロメットであって、
    略円盤状の基部と、
    当該基部の略中央に形成され、前記ハーネス類が挿通する挿通孔と、
    前記基部の外周縁に沿って設けられ、前記開口部の縁に係止するフランジ部と、
    前記基部の外周縁から前記挿通孔に向かって切断され、前記ハーネス類を嵌入可能な隙間を有する略クランク状の切り欠き部と
    を備え、
    前記開口部に対して前記グロメットを装着した状態、装着していない状態に関わらず、前記切り欠き部には前記隙間が確保され、
    前記開口部に前記ハーネス類を挿通させた状態において、前記ハーネス類と、前記開口部の縁との間には少なくとも前記基部の一部が介在することを特徴とするグロメット。
  2. 前記切り欠き部は、前記ハーネス類の外径寸法よりも小さい間隙を有していることを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
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