JP4350536B2 - 繊維布帛処理液、並びに、アレルゲン抑制繊維布帛及びその製造方法 - Google Patents
繊維布帛処理液、並びに、アレルゲン抑制繊維布帛及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4350536B2 JP4350536B2 JP2004011878A JP2004011878A JP4350536B2 JP 4350536 B2 JP4350536 B2 JP 4350536B2 JP 2004011878 A JP2004011878 A JP 2004011878A JP 2004011878 A JP2004011878 A JP 2004011878A JP 4350536 B2 JP4350536 B2 JP 4350536B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber fabric
- allergen
- components
- component
- suppressing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
アレルギー疾患対策としては、生活空間からのアレルゲンの完全排除や、アレルゲンの変性等による不活性化が挙げられる。
上記アレルゲンは蛋白質であるため、酸化剤、還元剤、酸、アルカリ等による処理や加熱処理で変性し不活性化すると考えられるが、比較的安定性の高い蛋白質であり、不活性化には過酷な条件が必要とされている(非特許文献1等)。
さらに、上記単量体を重合する際に所望の特性を呈する物質を合わせて作用させることで耐久性を確保しつつ高機能化を図ることができる。例えば、繊維布帛上にアクリル酸系単量体を重合する際に、絹フィブロン水溶液を合わせて作用させることで、耐久性のある吸水・吸湿性と、絹のような柔軟性やドレープ性等の風合いを呈する改質繊維布帛が得られることが開示されている(特許文献4)。その他、繊維布帛上にアクリル酸系単量体を重合する際に、コラーゲンや抗菌剤(第四級アンモニウム塩型界面活性剤、キトサン等)の水溶液や分散液を合わせて作用させることで、耐久性のある吸水・吸湿性と、耐久性のある抗菌性を呈する改質繊維布帛が得られることが開示されている(特許文献5)。
すなわち、ポリビニルフェノールは一般に水難溶性又は水不溶性を呈するため、繊維布帛処理液は必然的に水系の乳化液または分散液、あるいは非水系となる。ポリビニルフェノール自体が良好な水溶性を呈さず、しかも繊維布帛処理液として上記形態を採用せざるを得ないため、かかる繊維布帛処理液を用いて繊維布帛の改質を実施しようとしても、繊維布帛に対して有効成分を良好に化学結合させることが難しく、良好なアレルゲン抑制効果を安定的に得ることは難しい。加えて、繊維布帛処理液として乳化液等を用いる場合、多量に配合する乳化剤がアレルゲン抑制効果の発現を阻害する恐れもあり、非水系では工業生産上の制約も大きい。
また、同文献には、寝具や衣類等の繊維製品に不可欠な耐久性(耐繰り返し洗濯性等)に関しては一切言及されていない。さらに、アレルゲン抑制効果付与と同時に、吸水・吸湿性を付与することについても開示がない。
しかしながら、特許文献4、5の改質技術では、有効成分の付着量は繊維布帛の質量に対して高々5質量%である。良好なしかも耐久性のあるアレルゲン抑制効果、及び吸水・吸湿性を付与するべく、単に公知の改質技術を適用しようとしても、単なる有効成分の付着量の増加は、いわゆる糊付け状態を招き、柔軟性やドレープ性等の風合いに支障を来たすに過ぎない。
本発明の繊維布帛処理液は、溶媒として水及び/又は炭素数1〜3の脂肪族低級アルコールを含むことが好ましい。
本発明の繊維布帛処理液は、溶媒として、水のみを含むことが好ましい。
本発明では、前記重合工程において、繊維布帛に、アレルゲン抑制成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とをグラフト重合させることができる。
下記一般式(1)で示される2官能性単量体(A)と、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基のうちいずれかの基を含む単量体(B)とを含み、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤を含む繊維布帛処理液(Y1)、
又は、成分(A)と(B)に加えて、さらに少なくとも1個のアジリジン基を含む単量体、及びポリカルボジイミド基、ポリエチレンイミン基、オキサゾリン基のうちいずれかの基を含む水溶性ポリマーから選択される架橋剤(C)を含み、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤を含む繊維布帛処理液(Y2)を繊維布帛に接触させる第1の接液工程と、
繊維布帛上で、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)を重合させる第1の重合工程と、
繊維布帛に、少なくともアルカリpH領域で水溶性を呈するアレルゲン抑制成分(X)を含み、前記アレルゲン抑制成分(X)としてポリビニルフェノールを含み、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤を含むpH12以上のアルカリ性水性溶液である繊維布帛処理液(Z)を接触させる第2の接液工程と、
繊維布帛上で、アレルゲン抑制成分(X)を重合させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
本発明では、前記第1の重合工程と前記第2の重合工程とを同時に実施し、繊維布帛に、アレルゲン抑制成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを同時にグラフト重合させることができる。
「繊維布帛処理液」
本発明の繊維布帛処理液は、繊維布帛を重合にて改質する処理液であり、少なくともアルカリpH領域で水溶性を呈するアレルゲン抑制成分(X)と、特定の単量体成分とを含み、かつ、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤(これらは「水性溶媒」と総称する。)を含むアルカリ性水性溶液である。
アレルゲン抑制効果は、例えば、ELISA法等にてアレルゲン量を定量化することで、確認できる。ELISA法用のアレルゲン量測定キットとしては、LCDアレルギー研究所社製 商品名「ELISAキット」等が市販されている。
ポリビニルフェノールとしては、ポリ−4−ビニルフェノール、ポリ−3−ビニルフェノール、ポリ−2−ビニルフェノール等が具体的に挙げられる。アレルゲンとの相互作用の際の立体障害を考えると、ポリ−4−ビニルフェノールが特に好ましい。
ここで、「発明が解決しようとする課題」の項において述べたように、ポリビニルフェノール等は一般に水難溶性又は水不溶性を呈するため、従来は、水系の乳化液または分散液、あるいは非水系で使用されている。しかしながら、本発明者は、ポリビニルフェノール等のアレルゲン抑制成分が少なくともアルカリpH領域で良好な水溶性を呈し、重合による繊維布帛改質に用いて好適なものとなることを見出している。
pHの調整は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン類、アミド類等のアルカリ剤を添加することで実施できる。アルカリ強度や原料コストを考慮すれば、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩が特に好ましい。
本発明では、単量体成分として、下記一般式(1)で示される2官能性単量体(A)と、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基のうちいずれかの基を含む単量体(B)とを併用する。
かかる水溶性ポリマーとしては、例えば、日本触媒社製RP−18W、RP−20、CK−200、NK−100PMおよび200PM、NK−350及び380、PZ−33、DZ−22E、エポクロスWS−500(いずれも商品名)等が市販されている。
繊維布帛処理液中の成分(A)の濃度は特に限定されないが、1〜20質量%が好ましい。また、成分(A)、(B)、(C)の配合比も特に限定されないが、1:0.01〜1:0.01〜1(質量比)が好ましい。
水性溶媒としては、アレルゲン抑制成分(X)と単量体成分(A)及び(B)、さらに必要に応じて架橋剤(C)を媒散するものであれば特に限定されず、水及び/又はアルコール類等の水性有機溶剤が使用できるが、肌への刺激が小さく生体への影響が小さいことから、特に水及び/又は炭素数1〜3の脂肪族低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等)が好ましく用いられる。
水性溶媒は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、必要に応じて、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシド等の非水性溶媒を併用することも差し支えない。
本発明では、吸湿性化合物(D)を添加することが好ましい。吸湿性化合物(D)としては、塩化カルシルム、塩化マグネシウム、シリカゲル等の無機化合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシメチレン等のポリエーテル;ポリビニルアルコール等のポリアルコール;ポリアクリル酸ナトリウム塩等のポリマー塩;ポリアクリル酸等のポリマー酸等が具体的に挙げられる。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アレルゲン抑制成分(X)と吸湿性化合物(D)とを併用して、繊維布帛を改質することで、より高いアレルゲン抑制効果が発現する。これは、繊維布帛上で、吸湿性化合物(D)が空気中の水分子を引き寄せて、アレルゲン抑制成分(X)とアレルゲンとの反応場を提供し、アレルゲン抑制反応を促進するためと考えられる。
吸湿性化合物(D)としては特に、吸湿性に優れ、かつ捉えた水分子を系中に放出し易いことから、ポリエーテルが好ましい。
重合反応を効率良く進行させるため、過酸化カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、ターシャリーブチルパーオキシド等の重合開始剤を添加することもできる。
成分(X)の溶解性向上等を目的として、各種界面活性剤等の乳化剤を添加することもできる。
また、保湿性向上等を目的として、アミノ酸類を多く含む、セリシン、コラーゲン、プロティン、リン脂質モノマー等の天然高分子保湿成分(E)を添加することもできる。
本発明のアレルゲン抑制繊維布帛は、繊維布帛上で、アレルゲン抑制成分(X)と、上記一般式(1)で示される2官能性単量体(A)と、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基のうちいずれかの基を含む単量体(B)と、さらに必要に応じて架橋剤(C)とを重合させてなることを特徴とする。
各成分の具体例については、上記したので説明を省略する。
(i)繊維布帛に、成分(X)、成分(A)及び(B)、必要に応じて成分(C)がグラフト重合されたもの、
(ii)繊維布帛上で、成分(X)、成分(A)及び(B)、必要に応じて成分(C)のホモポリマー及び/又はこれらの複数種が共重合したコポリマーが生成されたもの、
(iii)一部の成分が繊維布帛にグラフト重合し、残りの成分が繊維布帛上でホモポリマーおよび/又はコポリマーを生成したもの等が含まれる。
これらの中でも特に、有効成分が繊維布帛に強固に結合され、耐久性に優れたアレルゲン抑制繊維布帛が得られるため、(i)繊維布帛に、成分(X)、成分(A)及び(B)、必要に応じて成分(C)がグラフト重合されたものが好ましい。
本発明は、ナイロン等のポリアミド繊維やポリエステル繊維、あるいはこれらの繊維を含む混紡繊維(例えば、ポリエステル/綿混紡繊維等)や複合繊維からなる繊維布帛に対して、特に顕著な効果を奏する。これらの繊維布帛は疎水性が高く、通常の繊維処理では改質が難しく、吸水・吸湿性の付与すら困難であるが、本発明はこれらの繊維布帛に対しても、効果的に吸水・吸湿性を付与し、さらには耐久性のあるアレルゲン抑制効果をも良好に付与することができる。
アレルゲン抑制成分(X)を、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)と合わせて重合することで、成分(X)を繊維布帛の表面及び内部に良好に導入できる理由は必ずしも定かではないが、アルカリpH領域下で、アレルゲン抑制成分(X)と単量体成分(A)及び(B)の二重結合部分とが化学的に結合し、重合されやすくなるものと推察される。
すなわち、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とが導入された本発明のアレルゲン抑制繊維布帛は、柔軟性やドレープ性等の良好な風合いを確保しつつ、繊維の表面から内部に渡って、耐久性のあるアレルゲン抑制処理及び吸水・吸湿化処理が施されたものである。
繊維布帛処理液で挙げた各種添加剤を用いることで、さらなる高機能化を図ることができる。例えば、吸湿性化合物(D)を付与することで、より高いアレルゲン抑制効果を発現させることができる。また、天然高分子保湿成分(E)を付与することで、保湿性を向上させることができる。
次に、上記の本発明のアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法について説明する。
(第1の製造方法)
本発明の第1の製造方法は、繊維布帛上で、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを同時に重合させることを特徴とする。
すなわち、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを含む上記の本発明の繊維布帛処理液(段落[0024]〜[0046]参照)を繊維布帛に接触させる接液工程と、繊維布帛上で成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)を重合させる重合工程とを有することを特徴とするものである。
成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)との重合は、繊維布帛処理液が付着した繊維布帛に対して、湿熱処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、マイクロ波照射処理等の処理を施すことによって行うことができる。湿熱処理を採用する場合には、例えば、水蒸気を満たした90〜140℃程度の雰囲気中にて1〜90分間程度処理すれば良い。また、電子線照射処理、紫外線照射処理、マイクロ波照射処理を採用する場合には、接液工程の前にあらかじめ電子線、紫外線、マイクロ波を照射しておいても良いし、接液工程の後に照射を行っても良い。また、電子線照射処理、紫外線照射処理、マイクロ波照射処理を採用する場合には、重合反応の際に周囲の雰囲気を窒素等により置換すると、発生したラジカルの消失を防ぎ、重合成分の有効利用率の向上を図ることができるので好ましい。
(i)繊維布帛に、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とがグラフト重合される場合、
(ii)繊維布帛上で、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)のホモポリマー及び/又はこれらの複数種が共重合したコポリマーが生成される場合、
(iii)一部の成分が繊維布帛にグラフト重合し、残りの成分が繊維布帛上でホモポリマー及び/又はコポリマーを生成する場合等が含まれる。
但し、(i)の繊維布帛に、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とをグラフト重合することが特に好ましい。
また、本発明の製造方法では、接液工程の前、あるいは重合工程の後に、繊維布帛に対して公知の抗菌剤、SR剤、防炎剤、帯電防止剤等を付与することも可能である。
本発明の第2の製造方法は、成分(A)及び成分(B)を含む繊維布帛処理液(Y1)、若しくは成分(A)〜(C)を含む繊維布帛処理液(Y2)を繊維布帛に接触させる第1の接液工程と、繊維布帛上で、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)を重合させる第1の重合工程と、繊維布帛に、成分(X)を含むアルカリ性水性溶液である繊維布帛処理液(Z)を接触させる第2の接液工程と、繊維布帛上で、成分(X)を重合させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
特に、繊維布帛上で、成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを同時に接液・重合させる第1の製造方法は、成分(X)の重合促進効果が高く、アレルゲン抑制効果、吸水・吸湿性、耐久性により優れたアレルゲン抑制繊維布帛を製造することができる。また、工程数が少ない点からも、第1の製造方法は好適である。
<アレルゲン抑制効果>
各例において作製した改質繊維布帛を33cm×30cmに裁断し、評価布片とした。また、エチルアルコール50質量%水溶液100質量部に対して、ダニアレルゲンを2mg/g含む塵ゴミ5質量部を分散させたアレルゲン分散液を調製した。先の評価布片全体に、調製したアレルゲン分散液1mlを均一に振り撒いたものを評価に供した。
[評価(1)]
上記処理を行った評価布片を室温下で8時間静置した後、アレルゲン判定キット「ダニスキャン」(アサヒフードアンドヘルスケア社製)を用いてアレルゲン性を測定した。「ダニスキャン」の使用説明書に基づき、下記基準にて判定した。
1:ダニアレルゲンの汚染はない(テストラインT=0)
2:ややダニアレルゲンで汚染されている(T<Cコントロールライン)
3:ダニアレルゲンで汚染されている(T=C)
4:ダニアレルゲンで非常に汚染されている(T>C)
[評価(2)]
上記処理を行った評価布片を室温下で2時間静置した後、「マイティーチェッカー」(シントーファイン社製)を用いて、アレルゲン成分を抽出し、アレルゲン量を測定した。判定基準は以下の通りとした。
++:ダニアレルゲン量が35μg/m2超
+ :ダニアレルゲン量が10μg/m2超35μg/m2以下
± :ダニアレルゲン量が5μg/m2超10μg/m2以下
− :ダニアレルゲン量が1μg/m2以下
下記関係式により吸湿率Hを求めた。
H={(H1−H0)/H0}×100(%)
ここで、H0は絶乾質量であり、評価繊維布帛を120℃で3時間乾燥した後の質量である。H1は吸湿質量であり、上記乾燥処理後に、温湿度雰囲気下に24時間静置して調湿した後の質量である。温湿度雰囲気としては、衣服内気候に相当する30℃、90%RHと、外気に相当する20℃、65%RHとの2種類に設定した。
<吸水性>
JIS L 1096 6−26−1 A法(滴下法)に準拠して測定した。
上記のアレルゲン抑制効果(評価(1)及び(2))、吸湿性・吸水性評価を、それぞれ、初期(洗濯前)と20回洗濯後の計2回行い、耐久性を評価した。洗濯は、洗濯試験JIS L−0217 103法に基づいて以下のようにして行った。
試験装置の水槽の標準水量を示す水位線まで液温40℃の水を入れ、これに標準使用量となる割合で洗濯用合成洗剤を添加して溶解し、洗濯液とする。この洗濯液に浴比が、1対30になるように評価繊維布帛を投入して運転を開始する。5分間洗浄処理した後、運転を止め、評価繊維布帛を脱水機で脱水し、次に洗濯液を30℃以下の新しい水に替えて、同一の浴比で2分間すすぎ洗いを行う。2分間のすすぎ洗いを行った後、運転を止め、評価繊維布帛を脱水し、再び2分間すすぎ洗いを行い、脱水し、直接日光の影響を受けない状態でつり干し又は平干しする。その後、必要に応じて素材繊維の適正温度でドライアイロン仕上げを行う。
生地質量が110g/m2のポリエステル仮撚加工糸を用いたポンジ織物に対して、常法にてリラックス、精練、プレセット、アルカリ減量加工、染色を順次行った。この繊維布帛を基材として用い、改質処理を行った。
表1に示す組成の本発明の繊維布帛処理液を調製し、これをパディング法にて繊維布帛に付与した。絞り率は60質量%とした。その後、110℃98%RHのスチームで5分間処理する湿熱処理を施し、重合を行った。重合反応終了後、洗浄、仕上げセットを行い、本発明のアレルゲン抑制繊維布帛を得た。
なお、成分(X)含有液であるポリ−4−ビニルフェノールアルカリ性水溶液としては、ポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッチ社製、質量平均分子量8000)30質量%を含み、アルカリ剤として8N水酸化ナトリム水溶液を用いてpHを14超とした調製液を用いた。
実施例1と同じポリエステルポンジ織物を用い、常法にてリラックス、精練、プレセット、アルカリ減量加工、染色、仕上げセットを順次行い、ポリエステル100%のタフタ織物を得た。この繊維布帛を基材として用い、改質処理を行った。
表2に示す組成の繊維布帛処理液を調製し、これをパディング法にて繊維布帛に付与した。絞り率は60質量%とした。その後、110℃98%RHのスチームで5分間処理する湿熱処理を施し、重合を行った。重合反応終了後、洗浄、仕上げセットを行い、比較用の改質繊維布帛を得た。
なお、比較用のアレルゲン抑制成分含有液であるポリ−4−ビニルフェノール水分散液としては、ポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッチ社製、質量平均分子量8000)10質量%、エチレングリコール(和光純薬社製)30質量%、乳化剤(第一工業製薬社製「ノイゲンEA87」)10質量%を含む調製液を用いた。この液のpHは6であった。
評価結果を表6、7に示す。
繊維布帛上で、アレルゲン抑制成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを重合して改質した実施例1、2では、表に示すように、得られた改質繊維布帛にはアレルゲン抑制成分(X)が導入されており、初期において良好なアレルゲン抑制効果を呈することが確認された。また、20回洗濯後もアレルゲン抑制効果の低下はほとんどなく、アレルゲン抑制成分(X)が脱離し難い状態で定着していることが確認された。これはアレルゲン抑制成分(X)が繊維の表面のみならず内部にも導入されたためである。得られた改質繊維布帛は、柔軟性やドレープ性等の風合いも良好であった。さらに、この繊維布帛は、初期および20回洗濯後の双方において、高い吸水・吸湿性を示した。このように、実施例1、2で得られた改質繊維布帛は、初期および20回洗濯後の双方において、大きな特性変化はなく、耐久性にも優れるものであった。
架橋剤(C)を用いて重合を行った実施例1では、吸水・吸湿性、耐久性の点で、特に良好な結果が得られた。
生地質量が100g/m2のナイロンタフタに対して、常法にて精練、プレセット、染色を順次行った。この繊維布帛を基材として用い、改質処理を行った。
表8に示す組成の本発明の繊維布帛処理液を調製し、パディング法にて繊維布帛に付与した。絞り率は50質量%とした。その後、105℃98%RHのスチームで5分間処理する湿熱処理を施し、重合を行った。重合反応終了後、洗浄、乾燥、仕上げセットを行い、本発明のアレルゲン抑制繊維布帛を得た。
実施例3と同じナイロンタフタを用い、常法にて精練、プレセット、染色、乾燥、仕上げセットを順次行い、ナイロン100%のタフタ織物を得た。この繊維布帛を基材として用い、改質処理を行った。
表9に示す組成の繊維布帛処理液を調製し、パディング法にて繊維布帛に付与した。絞り率は50質量%とした。その後、105℃98%RHのスチームで5分間処理する湿熱処理を施し、重合を行った。重合反応終了後、洗浄、乾燥、仕上げセットを行い、比較用の改質繊維布帛を得た。
なお、比較用のアレルゲン抑制成分含有液であるタンニン酸水溶液としては、タンニン酸(和光純薬社製)10質量%を含む調製液を用いた。この液のpHは3であった。
表10に示す組成の繊維布帛処理液を調製した以外は実施例3と同様にして、比較用の改質繊維布帛を得た。
なお、比較用のアレルゲン抑制成分含有液であるカテキン水溶液としては、三井農林社製「サンカテキン」(カテキン含有量10質量%)を用いた。この液のpHは6であった。
評価結果を表11、12に示す。
繊維布帛上で、アレルゲン抑制成分(X)および成分(A)〜(C)を重合した実施例3では、実施例1と同様、得られた改質繊維布帛は、成分(X)が脱離し難い状態で定着しており、風合いが良好であり、初期および20回洗濯後の双方において、良好なアレルゲン抑制効果および高い吸水・吸湿性を示し、耐久性に優れるものであった。
これに対して、アレルゲン抑制成分として、タンニン酸又はカテキンを用い、繊維布帛処理液を中性又は酸性とした比較例4、5では、得られた改質繊維布帛は、アレルゲン抑制効果、吸水・吸湿性、耐久性が、実施例3に比して劣るものであった。
Claims (10)
- さらに、少なくとも1個のアジリジン基を含む単量体、及びポリカルボジイミド基、ポリエチレンイミン基、オキサゾリン基のうちいずれかの基を含む水溶性ポリマーから選択される架橋剤(C)を含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維布帛処理液。
- 溶媒として、水及び/又は炭素数1〜3の脂肪族低級アルコールを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維布帛処理液。
- 溶媒として、水のみを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維布帛処理液。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維布帛処理液を繊維布帛に接触させる接液工程と、
繊維布帛上で、アレルゲン抑制成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを重合させる重合工程とを有することを特徴とするアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法。 - 前記重合工程において、
繊維布帛に、アレルゲン抑制成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とをグラフト重合させることを特徴とする請求項5に記載のアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法。 - 下記一般式(1)で示される2官能性単量体(A)と、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基のうちいずれかの基を含む単量体(B)とを含み、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤を含む繊維布帛処理液(Y1)、
又は、成分(A)と(B)に加えて、さらに少なくとも1個のアジリジン基を含む単量体、及びポリカルボジイミド基、ポリエチレンイミン基、オキサゾリン基のうちいずれかの基を含む水溶性ポリマーから選択される架橋剤(C)を含み、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤を含む繊維布帛処理液(Y2)を繊維布帛に接触させる第1の接液工程と、
繊維布帛上で、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)を重合させる第1の重合工程と、
繊維布帛に、少なくともアルカリpH領域で水溶性を呈するアレルゲン抑制成分(X)を含み、前記アレルゲン抑制成分(X)としてポリビニルフェノールを含み、溶媒として水及び/又は水性有機溶剤を含むpH12以上のアルカリ性水性溶液である繊維布帛処理液(Z)を接触させる第2の接液工程と、
繊維布帛上で、アレルゲン抑制成分(X)を重合させる第2の重合工程とを有することを特徴とするアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法。
- 繊維布帛処理液(Y1)、(Y2)、及び(Z)は、溶媒として、水及び/又は炭素数1〜3の脂肪族低級アルコールを含む水性溶液であることを特徴とする請求項7に記載のアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法。
- 前記第1の重合工程と前記第2の重合工程とを同時に実施し、繊維布帛に、アレルゲン抑制成分(X)と、成分(A)及び(B)、若しくは成分(A)〜(C)とを同時にグラフト重合させることを特徴とする請求項7又は8に記載のアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法。
- 請求項5〜9のいずれか一項に記載のアレルゲン抑制繊維布帛の製造方法により製造されるアレルゲン抑制繊維布帛。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004011878A JP4350536B2 (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 繊維布帛処理液、並びに、アレルゲン抑制繊維布帛及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004011878A JP4350536B2 (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 繊維布帛処理液、並びに、アレルゲン抑制繊維布帛及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005206955A JP2005206955A (ja) | 2005-08-04 |
| JP4350536B2 true JP4350536B2 (ja) | 2009-10-21 |
Family
ID=34898430
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004011878A Expired - Fee Related JP4350536B2 (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 繊維布帛処理液、並びに、アレルゲン抑制繊維布帛及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4350536B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6892674B2 (ja) * | 2016-12-09 | 2021-06-23 | おぼろタオル株式会社 | 繊維製品及び繊維製品の製造方法 |
-
2004
- 2004-01-20 JP JP2004011878A patent/JP4350536B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2005206955A (ja) | 2005-08-04 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US20110250409A1 (en) | Multifunctional, responsive functional layers on solid surfaces and method for the production thereof | |
| CN100554569C (zh) | 纤维处理液、改性纤维织物及其制造方法 | |
| US20180051411A1 (en) | Fibrous product and fiber processing agent | |
| JP2013155477A (ja) | 低いpHで織物を処理するための方法 | |
| US20030101518A1 (en) | Hydrophilic finish for fibrous substrates | |
| CN102271506A (zh) | 赋予地毯持久抗菌特性的方法和处理组合物 | |
| CN113684607A (zh) | 一种含铜抗菌、抗病毒无纺布及其制备方法 | |
| JP5285017B2 (ja) | 消臭性セルロース繊維構造物およびその製造方法、並びにこの消臭性セルロース繊維構造物を用いた消臭性セルロース繊維製品 | |
| KR20140091015A (ko) | 흡습 소취성 섬유, 이 섬유의 제조 방법 및 이 섬유를 함유하는 섬유 구조물 | |
| JP2008050743A (ja) | 繊維集合体へのポリフェノール類固着方法、その繊維集合体および繊維処理剤 | |
| CN109183418B (zh) | 具备阻隔细菌能力的可复生抗菌织物及其绿色制备工艺 | |
| JP4350536B2 (ja) | 繊維布帛処理液、並びに、アレルゲン抑制繊維布帛及びその製造方法 | |
| JP2008506865A (ja) | 紡織繊維および織物の再装填可能な仕上げ剤 | |
| JP4084553B2 (ja) | アレルゲン低減化繊維 | |
| US20040166753A1 (en) | Modification of fabric fibers | |
| US20060090648A1 (en) | Hydrophilic finish for fibrous substrates | |
| JP2005089947A (ja) | アレルゲン低減化繊維製品およびその製造方法 | |
| JP3369508B2 (ja) | 吸放湿性繊維 | |
| JP6391552B2 (ja) | 機能性繊維製品及びその製造方法 | |
| JP4359152B2 (ja) | アレルゲン抑制剤、並びに、アレルゲン抑制処理繊維及びその製造方法 | |
| JP6877700B2 (ja) | 高嵩高発熱持続性繊維、並びに該繊維を含有する繊維構造物、消臭素材及び中綿 | |
| WO2005066410A1 (ja) | アレルゲン抑制剤、並びに、アレルゲン抑制処理繊維及びその製造方法 | |
| JP2018104865A (ja) | 繊維処理剤、及び該繊維処理剤の使用方法 | |
| JP4726537B2 (ja) | 防汚性に優れた繊維布帛の製造方法 | |
| EP1404918A1 (en) | Modification of fabric fibers |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061002 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090226 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090317 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090514 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090630 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090722 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731 Year of fee payment: 3 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4350536 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731 Year of fee payment: 4 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |
