JP4351860B2 - 電圧制御増幅器およびそれを利用したステレオオーディオ信号制御装置 - Google Patents

電圧制御増幅器およびそれを利用したステレオオーディオ信号制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧制御増幅器(VCA)およびそれを利用したステレオオーディオ信号制御装置(オーディオプロセッサ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に従来のステレオオーディオ信号制御装置の構成を示す。Aチャネル側には音質制御回路32を挟んで入力側と出力側に電圧制御増幅器31と電圧制御増幅器33が接続され、Bチャンネル側にも同様に、音質制御回路35を挟んで入力側と出力側に電圧制御増幅器34と電圧制御増幅器36が接続されている。前段の電圧制御増幅器31,34はダイナミックレンジ確保用、後段の電圧制御増幅器33,36はS/N確保用である。37〜40は制御バッファであり、制御バッファ37は外部操作信号に応じて電圧制御増幅器31,33の電圧V2を制御することによりAチャンネル側の音量と両チャンネル間のバランスを制御する。制御バッファ38も外部操作信号に応じて電圧制御増幅器34,36の電圧V2を制御することによりBチャンネル側の音量と両チャンネル間のバランスを制御する。制御バッファ39はAGC信号に応じて電圧制御増幅器31,34の電圧V1を制御する。制御バッファ40は電圧制御増幅器33,36の電圧V1を共通に制御する固定のバイアスを出力して基準音量を決める。
【0003】
電圧制御増幅器31,33,34,36は同じ構成であるので、図6に電圧制御増幅器31を代表してその回路構成を示す。この電圧制御増幅器31は、非反転および反転の出力端子をもち出力側にアイドル電流が流れるGm増幅器1、NPNの減衰側トランジスタQ1,Q4、NPNの増幅側トランジスタQ2,Q5、能動負荷としてのカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタQ7,Q8、同様のPNPトランジスタQ9,Q10、電圧/電流変換抵抗R1、反転バッファを構成する演算増幅器2、およびその帰還抵抗R2等からなる。電圧V1は減衰側の制御電圧であり、トランジスタQ1,Q4のベースに入力する。電圧V2は増幅側の制御電圧であり、トランジスタQ2,Q5のベースに入力する。
【0004】
この電圧制御増幅器31では、Gm増幅器1の出力側の吸込み電流の振り分け率を制御することで利得を制御する。すなわち、入力電圧Vinが負のときはGm増幅器1の非反転出力端子(+)が電流を吸い込むので、トランジスタQ1,Q2に流れる電流の比に応じた利得制御が行われ、また、入力電圧Vinが正のときはGm増幅器1の反転出力端子(−)が電流を吸い込むので、トランジスタQ4,Q5に流れる電流の比に応じた利得制御が行われる。そして、制御電圧V1を高くすればトランジスタQ1,Q4の電流が増大して利得が減衰し、V2を高くすればトランジスタQ2,Q5の電流が増大して利得が増大する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電圧制御増幅器31,33,34,36は2個の制御電圧V1,V2を入力するものであり、しかもAチャンネル側の電圧制御増幅器31,33とBチャンネル側の電圧制御増幅器34,36が制御バッファ37と38により別々に制御されるので、各制御バッファ37,38のもつオフセット電圧が最大1mVであるとすれば、図5に示すステレオオーディオ信号制御装置では全体のオフセット電圧は最大で4mVとなる。一般にバイポーラトランジスタを利用した電圧制御増幅器の利得制御特性は3mV/dBであるので、最大約1.3dBも両チャンネル間の利得のズレが生じてしまう。
【0006】
本発明の目的は、ステレオオーディオ信号制御装置に適用したとき、制御バッファのオフセット電圧に依存する両チャンネル間の利得のズレを皆無にできるようにした電圧制御増幅器およびこれを利用したステレオオーディオ信号制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、ベースに印加する第1の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第1のNPNトランジスタ群と、ベースに印加する第2の制御電圧を増大させると全体の利得を増大させる第2のNPNトランジスタ群とを具備する電圧制御増幅器において、ベースに印加する第3の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第3のNPNトランジスタ群を設けたことを特徴とする電圧制御増幅器とした。
【0008】
請求項2にかかる発明は、ベースに印加する第1の制御電圧を減少させると全体の利得を減少させる第1のPNPトランジスタ群と、ベースに印加する第2の制御電圧を減少させると全体の利得を増大させる第2のPNPトランジスタ群とを具備する電圧制御増幅器において、ベースに印加する第3の制御電圧を減少させると全体の利得を減少させる第3のPNPトランジスタ群を設けたことを特徴とする電圧制御増幅器とした。
【0009】
請求項3にかかる発明は、ベースに印加する第1の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第1のPNPトランジスタおよび第1のNPNトランジスタと、ベースに印加する第2の制御電圧を増大させると全体の利得を増大させる第2のPNPトランジスタおよび第2のNPNトランジスタとを具備する電圧制御増幅器において、ベースに印加する第3の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第3のNPNトランジスタと、ベースに印加する前記第3の制御電圧を反転させた電圧を増大させると全体の利得を減少させる第3のPNPトランジスタを設けたことを特徴とする電圧制御増幅器とした。
【0010】
請求項4にかかる発明は、請求項1,2又は3に記載の電圧制御増幅器を使用するステレオオーディオ信号制御装置であって、第1の電圧制御増幅器と第1の音質制御回路と第2の電圧制御増幅器が順にシリーズに接続された第1のチャンネル側と、第3の電圧制御増幅器と第2の音質制御回路と第4の電圧制御増幅器が順にシリーズに接続された第2のチャンネル側とを有するステレオオーディオ信号制御装置において、前記第1乃至第4の電圧制御増幅器の共通の第1の制御電圧として第1の制御バッファを介してバイアス信号を入力させ、前記1乃至第4の電圧制御増幅器の共通の第2の制御電圧として第2の制御バッファを介して音量制御信号を入力させ、前記第1および第3の電圧制御増幅器の共通の第3の制御電圧として第3の制御バッファを介してAGC制御信号を入力させ、前記第2の電圧制御増幅器の第3の制御電圧として第4の制御バッファを介して第1のバランス信号を入力させ、前記第4の電圧制御増幅器の第3の制御電圧として第5の制御バッファを介して第2のバランス信号を入力させるようにしたことを特徴とするステレオオーディオ信号制御装置とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の電圧制御増幅器の構成を示す回路図である。この電圧制御増幅器は、非反転および反転の出力端子をもち出力側にアイドル電流が流れるGm増幅器1、制御電圧V1がベースに印加するNPNの減衰側トランジスタQ1,Q4(第1のNPNトランジスタ群)、制御電圧V2がベースに印加するNPNの増幅側トランジスタQ2,Q5(第2のNPNトランジスタ群)、制御電圧V3がベースに印加するNPNの減衰側トランジスタQ3,Q6(第3のNPNトランジスタ群)、能動負荷としてのカレントミラー回路を構成するPNPトランジスタQ7,Q8、同様のPNPトランジスタQ9,Q10、電圧/電流変換抵抗R1、反転バッファを構成する演算増幅器2、その帰還抵抗R2等からなる。つまり、図1の電圧制御増幅器は、図6に示した従来の電圧制御増幅器において、トランジスタQ1,Q4に対してそれぞれ並列接続されるトランジスタQ3,Q6を追加し、そのベースに制御電圧V3を印加するようにしたものである。
【0012】
この電圧制御増幅器では、入力電圧Vinが負のときはGm増幅器1の非反転出力端子(+)が電流を吸い込むので、トランジスタQ1,Q3とQ2とに流れる電流の比に応じた利得制御が行われ、また、入力電圧Vinが正のときはGm増幅器1の反転出力端子(−)が電流を吸い込むので、トランジスタQ4,Q6とQ5とに流れる電流の比に応じた利得制御が行われる。
【0013】
したがって、この電圧制御増幅器では、制御電圧V1又はV3を高くすると利得が減衰し、制御電圧V2を高くすると利得が増大する。
【0014】
図2に図1に示した電圧制御増幅器を電圧制御増幅器11,13,14,16として使用したステレオオーディオ信号制御装置の構成を示す。Aチャネル側にはS/N特性とダイナミックレンジ特性を確保するために音質制御回路12を挟んで入力側と出力側に電圧制御増幅器11と電圧制御増幅器13が接続され、Bチャンネル側にも同様に、音質制御回路15を挟んで入力側と出力側に電圧制御増幅器14と電圧制御増幅器16が接続されている。17〜21は制御バッファであり、制御バッファ17は外部操作信号に応じて電圧制御増幅器11,13,14,16の電圧V2を制御することによりAチャンネル側とBチャンネル側の音量を同時に制御する。制御バッファ18はAGC信号に応じて電圧制御増幅器11,14の電圧V3を制御する。制御バッファ19は電圧制御増幅器11,13,14,16の電圧V1を共通に制御する固定のバイアスを出力して基準音量を決める。制御バッファ20、21は電圧制御増幅器13,16の電圧V3を個別に制御しチャンネルバランスを制御する。
【0015】
各電圧制御増幅器11,13,14,16の電圧V1を制御バッファ19の出力信号によって固定しておき、制御バッファ17によって電圧V2を電圧V1よりも例えば低くしてゆくことにより、音量制御を行うことができる。チャンネルバランスは制御バッファ20,21により電圧制御増幅器13,16の電圧V3を制御電圧V1より例えば高くしてゆくことにより調整し、AGCは制御バッファ18により電圧制御増幅器11,14の電圧V3を電圧V1よりも例えば高くしてゆくことにより制御できる。
【0016】
AチャンネルとBチャンネル間の利得のズレが問題となるのは、バランス制御が不十分な場合であるが、これは制御バッファ20、21により独立してバランス制御することで解消できる。なお、バランス制御を行わないときは、電圧制御増幅器13,16の電圧V3を、電圧V1のそれより十分低い電圧(4VT以上の差、VT:閾値電圧)に設定することで、トランジスタQ3,Q6の関与を無視することができる。
【0017】
以上のように本実施形態の電圧制御増幅器を使用するステレオオーディオ信号制御装置は、音量制御は制御バッファ17により、AGC制御は制御バッファ18により、固定値は制御バッファ19により、それぞれAチャンネルとBチャンネルについて同時に行うことができるので、各制御バッファ17〜19に存在するオフセットの影響は皆無となる。
【0018】
[第2の実施形態]
図3は第2の実施形態の電圧制御増幅器の構成を示す回路図であり、図1のPNPトランジスタをNPNトランジスタに、NPNトランジスタをPNPトランジスタに置き換えたものである。この電圧制御増幅器は、非反転および反転の出力端子をもち出力にアイドル電流が流れるGm増幅器3、制御電圧V1の反転電圧がベースに印加するPNPの減衰側トランジスタQ11,Q14(第1のPNPトランジスタ群)、制御電圧V2の反転電圧がベースに印加するPNPの増幅側トランジスタQ12,Q15(第2のPNPトランジスタ群)、制御電圧V3の反転電圧がベースに印加するPNPの減衰側トランジスタQ13,Q16(第3のNPNトランジスタ群)、能動負荷としてのカレントミラー回路を構成するNPNトランジスタQ17,Q18、同様のNPNトランジスタQ19,Q20、電圧/電流変換抵抗R11、反転バッファを構成する演算増幅器4、その帰還抵抗R12等からなる。
【0019】
ここでは、電圧V1、V2,V3を、図1の電圧制御増幅器における場合と全く同様に制御する(この電圧の反転電圧が印加するので実際には反対方向に制御される)ことで、図1の電圧制御増幅器と全く同様に動作する。つまり、電圧V1又はV3を高くすると利得が減衰し、電圧V2を高くすると利得が増大する。また、この電圧制御増幅器は、図2に示したステレオオーディオ信号制御装置の電圧制御増幅器として第1の実施形態と同じように適用することができる。
【0020】
[第3の実施形態]
図4は第3の実施形態の電圧制御増幅器の構成を示す回路図であり、コンプリメンタリ型の電圧制御増幅器に適用したものである。5,6は演算増幅器、7はバイアス電源、8は電流源、R21は電圧/電流変換抵抗、R22は帰還抵抗である。第1のNPNトランジスタQ21、第2のNPNトランジスタQ22、第3のNPNトランジスタQ23は入力電圧Viが正のとき動作する。第1のPNPトランジスタQ24、第2のPNPトランジスタQ25、第3のPNPトランジスタNPNトランジスタQ26は入力電圧Viが負のとき動作する。トランジスタQ21,Q24のベースには制御電圧V1が、トランジスタQ22,Q25のベースには制御電圧V2が、トランジスタQ23のベースには制御電圧V3が、トランジスタQ26のベースには制御電圧V3を反転した電圧が印加する。
【0021】
すなわち、この電圧制御増幅器は、抵抗R21,R22、演算増幅器5,6、バイアス電源7、電流源8、およびトランジスタQ21、Q22,Q24,Q25からなるよく知られたブラックマーの利得セルの構成に対して、トランジスタQ23,Q26を追加して、制御電圧V3とその反転電圧でこのトランジスタQ25,Q26を制御するようにしたものである。
【0022】
この電圧制御増幅器では、入力電圧Viが正のときトランジスタQ21,Q23とQ22とに流れる電流の比に応じた利得制御が行われ、入力電圧Viが負のときトランジスタQ25,Q26とQ24とに流れる電流の比に応じた利得制御が行われる。すなわち、制御電圧V1,V3を高くすれば減衰、V2を高くすれば増幅となり、第1,第2の実施形態と全く同様に動作する。また、この電圧制御増幅器は、図2に示したステレオオーディオ信号制御装置の電圧制御増幅器として第1の実施形態と同じように適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上から本発明の電圧制御増幅器によれば、第1,第2の制御電圧の他に第3の制御電圧を用いるようにしたので、3個の制御電圧で利得を制御することができる。このため、ステレオオーディオ信号制御装置にこの電圧制御増幅器を適用するとき、音量制御用、AGC制御用、固定バイアス印加用等の制御バッファは両チャンネルに共通のバッファとしてそれぞれ使用できるので、これらの制御バッファのオフセットの影響を皆無にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の電圧制御増幅器の構成を示す回路図である。
【図2】 図1の電圧制御増幅器を使用したステレオオーディオ信号制御装置のブロック図である。
【図3】 第2の実施形態の電圧制御増幅器の構成を示す回路図である。
【図4】 第3の実施形態の電圧制御増幅器の構成を示す回路図である。
【図5】 従来のステレオオーディオ信号制御装置のブロック図である。
【図6】 従来の電圧制御増幅器の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1、3:Gm増幅器、2,4,5,6:演算増幅器
11,13,14,16:電圧制御増幅器
12,15:音質制御回路
17,18,19,20,21:制御バッファ

Claims (4)

  1. ベースに印加する第1の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第1のNPNトランジスタ群と、ベースに印加する第2の制御電圧を増大させると全体の利得を増大させる第2のNPNトランジスタ群とを具備する電圧制御増幅器において、
    ベースに印加する第3の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第3のNPNトランジスタ群を設けたことを特徴とする電圧制御増幅器。
  2. ベースに印加する第1の制御電圧を減少させると全体の利得を減少させる第1のPNPトランジスタ群と、ベースに印加する第2の制御電圧を減少させると全体の利得を増大させる第2のPNPトランジスタ群とを具備する電圧制御増幅器において、
    ベースに印加する第3の制御電圧を減少させると全体の利得を減少させる第3のPNPトランジスタ群を設けたことを特徴とする電圧制御増幅器。
  3. ベースに印加する第1の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第1のPNPトランジスタおよび第1のNPNトランジスタと、ベースに印加する第2の制御電圧を増大させると全体の利得を増大させる第2のPNPトランジスタおよび第2のNPNトランジスタとを具備する電圧制御増幅器において、
    ベースに印加する第3の制御電圧を増大させると全体の利得を減少させる第3のNPNトランジスタと、ベースに印加する前記第3の制御電圧を反転させた電圧を増大させると全体の利得を減少させる第3のPNPトランジスタを設けたことを特徴とする電圧制御増幅器。
  4. 請求項1,2又は3に記載の電圧制御増幅器を使用するステレオオーディオ信号制御装置であって、
    第1の電圧制御増幅器と第1の音質制御回路と第2の電圧制御増幅器が順にシリーズに接続された第1のチャンネル側と、第3の電圧制御増幅器と第2の音質制御回路と第4の電圧制御増幅器が順にシリーズに接続された第2のチャンネル側とを有するステレオオーディオ信号制御装置において、
    前記第1乃至第4の電圧制御増幅器の共通の第1の制御電圧として第1の制御バッファを介してバイアス信号を入力させ、前記1乃至第4の電圧制御増幅器の共通の第2の制御電圧として第2の制御バッファを介して音量制御信号を入力させ、前記第1および第3の電圧制御増幅器の共通の第3の制御電圧として第3の制御バッファを介してAGC制御信号を入力させ、前記第2の電圧制御増幅器の第3の制御電圧として第4の制御バッファを介して第1のバランス信号を入力させ、前記第4の電圧制御増幅器の第3の制御電圧として第5の制御バッファを介して第2のバランス信号を入力させるようにしたことを特徴とするステレオオーディオ信号制御装置。
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