JP4354145B2 - 中間周波数又は高周波数用遅延クロックパルス幅調節回路 - Google Patents
中間周波数又は高周波数用遅延クロックパルス幅調節回路 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は概して遅延クロックパルス幅調節回路に関し、より詳細には、遅延コンパレータと、クロック信号のデューティレシオを直流レベルに変換する変換回路からなる遅延クロックパルス幅調節回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代の信号処理システムにおいて、クロック信号は不可欠なものである。通信のようないくつかの技術分野の迅速な発達に伴い、クロック信号への要求が高くなってきている。主な要求は下記のように示される。
(1)クロック信号の周波数精度が高いことであり、これは、水晶発振器又は原子クロックを用いて解決される。
(2)クロック信号の長期安定性であり、1年間又は更に長い間にクロック信号の誤差が1秒以下であることが要求され、これは、クロックソースの安定性によって解決される。
(3)クロック信号のデューティレシオの安定性であり、クロック信号のデューティレシオの偏差が大きいほど、通信システムにおける誤差率は大きくなりうる。A/D変換器では、サンプル/ホールド回路におけるサンプルレートは、設計段階で定義される。クロック信号のデューティレシオが変化すると、いくつかのコンデンサの充電時間が減少するため、変換精度が要求よりも低くなってしまう。
【0003】
図1は、現在のクロック発生器の概略図である。図1に示されるように、クロック信号のデューティレシオの変化は主に、システム誤差及びランダム誤差といった2つのアスペクトから生じる。システム誤差は、水晶発振器からの出力の電圧振幅の変化、クロックの負荷により生じる高調波、直流トリガレベルの変化、及び温度のドリフトなどを含む。ランダム誤差は主に、水晶発振器の正弦波出力の直流成分の偏差、コンパレータの入力グレードのランダム偏差、及び直流トリガレベルの偏差などから生じる。
【0004】
分析プロセスを簡潔にするために、全ての誤差を水晶発振器の正弦出力に変換する。また、信号の偏差が小さいと仮定する。即ち、デューティレシオに対する誤差の影響を分析する場合、正弦波の方程式に従って、トリガ時間の変化は下記のようになる。
ΔV=Vsin(2πf×Δt) (1)
【0005】
式中、Vは正弦波の振幅、fは周波数、そしてΔVは正弦波の直流成分の変化である。V>>ΔVであると仮定した場合、式(1)から、正弦関数の近似方程式に従い、トリガ時間の変化を下記のように近似で表すことができる。
Δt=ΔV/V×2πf (2)
【0006】
トリガ時間は、トリガの立上がりに対してもトリガの立下りに対しても同じであるため、式(2)に従い、デューティレシオの変化を下記のように表すことができる。
ΔD=ΔV/πV (3)
式(3)から、図2に示される信号を得ることができる。
【0007】
理想的なクロック信号では、duty=t2/(t1+t2)であるときに、信号の直流レベルが正弦波の直流成分と一致することが図2からわかる。実際のクロック信号では、図2に実線及び点線でそれぞれ示されるように、直流トリガレベルは正弦波の直流成分と一致しない。図2では、水晶発振器によって出力された正弦波の直流成分の変化は負の極性を示しているが、実際には、変化の極性は正にも負にもなりうる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、中間周波数又は高周波数用のクロック信号回路に用いることのできる遅延クロックパルス幅調節回路を提供することである。この調節回路を用いると、クロック信号のデューティレシオが突然大きく変化することがないため、デジタル信号処理にかかる負担が軽減される。また、この調節回路はサブミクロン規模の集積回路技術にも適しているため、チップ製造処理の際にランダム誤差の及ぼす影響を減少する。結果として、この調節回路により、デジタル−アナログのハイブリッド集積回路のチップは、大きなトラフィック量、低い誤差率、及びクロック信号のデューティレシオの高い安定性、といった要求を満たす。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の目的のために、本発明はまず、遅延コンパレータ及び電源を備える中間周波数又は高周波数用遅延クロックパルス幅調節回路を提供する。また、この調節回路は、以下を含むことが重要である:
遅延コンパレータの一方の入力端子は正弦波信号を入力して、遅延コンパレータの他方の入力端子から入力された電圧とこの信号を比較し、定義されたデューティレシオクロック信号を出力する;
変換回路がクロック信号のデューティレシオを直流レベルに変換する。変換回路の入力端子は遅延コンパレータの出力端子に接続されており、変換回路の出力は、クロック信号から変換された直流レベルである。また、変換回路の出力端子は遅延コンパレータの他方の入力端子に接続されている。
【0010】
変換回路は主に、クロック信号を直流レベルに変換するパルス幅変調(PWM)フィルタモジュールからなる。
【0011】
変換回路は主に、パルス幅変調(PWM)フィルタモジュールとローパスフィルタ回路からなる。PWMフィルタモジュールは、クロック信号を直流レベルに変換する。ローパスフィルタ回路は、PWMフィルタモジュールから出力された直流レベルをフィルタに通し、遅延コンパレータに入力として出力する。
【0012】
ローパスフィルタは、トランスコンダクタンス演算増幅器である。
【0013】
PWMフィルタモジュールは、入力がクロック信号で出力が逆クロック信号であるインバータと、逆クロック信号によって制御される第1のスイッチと、クロック信号によって制御される第2のスイッチと、一端が電源に接続され、他端が第1のスイッチに接続された第1の電源と、一端が接地に接続され、他端がノードAに接続された第2の電源と、一端が接地に接続され、他端が第2のスイッチに接続された第3の電源と、一端が第2のスイッチに接続され、他端が電源に接続された第1の電流ミラーと、一端が電源に接続され、他端が出力に接続された第2の電流ミラーと、一端が接地に接続され、他端が出力に接続された電流−電圧変換器と、を含む。
【0014】
第1のスイッチは一対のPMOSトランジスタからなるORゲートであり、第2のスイッチは一対のNMOSトランジスタからなるORゲートである。電流ミラーは2つのMOSトランジスタからなり、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、2つのMOSトランジスタのソースは電源に接続されており、他方のMOSトランジスタのドレインは出力である。電流−電圧変換器はコンデンサである。
【0015】
変換回路は、遅延コンパレータの出力である入力クロック信号が浮動信号であるか否かを検出し、浮動信号に従って電圧差を出力するために使用される検出回路と、遅延コンパレータに入力された閾電圧を検出回路の電圧差出力に従って補正する補正回路と、を少なくとも含む。
【0016】
検出回路は、入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、クロック信号及び逆クロック信号によって制御される電流スイッチと、一方の出力が電流スイッチの一方の入力に接続されており、クロック信号が高レベルの際に補正回路のコンデンサを充電する第1の電流ミラー回路と、電流スイッチの他方の入力に接続された第2の電流ミラー回路と、第2の電流ミラー回路に接続されており、クロック信号が低レベルの際に補正回路のコンデンサを放電する第3の電流ミラー回路と、を含む。
【0017】
また、検出回路は、バイアス電流を電流スイッチに提供するために使用される電源回路を含む。
【0018】
他の検出回路がある。この検出回路は、入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、互いに直列接続され、クロック信号及び逆クロック信号によって制御される第1及び第2の電流スイッチと、一端が電源に接続され、他端が第1の電流スイッチに接続されており、クロック信号が高レベルの際に補正回路のコンデンサを充電する第1の電源回路と、一端が第2の電流スイッチに接続され、他端が接地に接続されており、クロック信号が低レベルの際に補正回路のコンデンサを放電する第2の電源回路と、を少なくとも含む。
【0019】
電流スイッチは、2つのMOSトランジスタからなるORゲートである。電流ミラー回路では、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、2つのMOSトランジスタのソースは電源に接続されており、他方のMOSトランジスタのドレインは出力である。
【0020】
補正回路は、電流−電圧変換回路及び比較回路からなる。この補正回路は、演算増幅器、NMOSトランジスタ、及び抵抗からなる電源回路である。電流−電圧変換回路はMOSトランジスタ及びコンデンサからなる。
【0021】
また、本発明は長遅延処理のために2つのスキームを提供する。
【0022】
中間周波数又は高周波数用長遅延クロックパルス幅調節回路は、遅延コンパレータと、1種類よりも多くの電源を含む。この調節回路は、以下を含む:
遅延コンパレータの一方の入力は正弦波信号に接続され、直流レベルに接続された他方の入力と比較され、遅延コンパレータの出力は定義されたデューティレシオを有するクロック信号である;
PWMフィルタモジュールはクロック信号を直流レベルに変換し、PWMフィルタモジュールの入力は遅延コンパレータの出力に接続されており、出力は遅延コンパレータの他方の入力に接続されている。
【0023】
PWMフィルタモジュールは、入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、逆クロック信号によって制御される第1のスイッチと、クロック信号によって制御される第2のスイッチと、一端が電源に接続され、他端が第1のスイッチに接続された第1の電源と、一端が接地に接続され、他端がノードAに接続された第2の電源と、一端が接地に接続され、他端が第2の電源に接続された第3の電源と、一端が第2のスイッチに接続され、他端が電源に接続された第1の電流ミラーと、一端が電源に接続され、他端が出力に接続された第2の電流ミラーと、一端が接地に接続され、他端が出力に接続された電流−電圧変換器と、を含む。
【0024】
第1のスイッチは一対のPMOSトランジスタからなるORゲートであり、第2のスイッチは一対のNMOSトランジスタからなるORゲートである。電流ミラーでは、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、2つのMOSトランジスタのソースは電源に接続されており、他方のMOSトランジスタのドレインは出力である。電流−電圧変換器はコンデンサである。
【0025】
中間周波数又は高周波数用長遅延クロックパルス幅調節回路は、遅延コンパレータと、1種類よりも多くの電源を含む。この調節回路は、以下を含む:
遅延コンパレータの一方の入力は正弦波信号に接続され、直流レベルに接続された他方の入力と比較され、遅延コンパレータの出力は定義されたデューティレシオを有するクロック信号である;
PWMフィルタモジュールはクロック信号を直流レベルに変換し、PWMフィルタモジュールの入力は遅延コンパレータの出力に接続されている;
ローパスフィルタ回路はPWMフィルタモジュールの出力直流レベルをフィルタに通し、フィルタの出力が遅延コンパレータの入力直流レベルとして使用される。
【0026】
ローパスフィルタ回路はトランスコンダクタンス演算増幅器である。
【0027】
PWMフィルタモジュールは、入力がクロック信号で出力が逆クロック信号であるインバータと、逆クロック信号によって制御される第1のスイッチと、クロック信号によって制御される第2のスイッチと、一端が電源に接続され、他端が第1のスイッチに接続された第1の電源と、一端が接地に接続され、他端がノードAに接続された第2の電源と、一端が接地に接続され、他端が第2の電源に接続された第3の電源と、一端が第2のスイッチに接続され、他端が電源に接続された第1の電流ミラーと、一端が電源に接続され、他端が出力に接続された第2の電流ミラーと、一端が接地に接続され、他端が出力に接続された電流−電圧変換器と、を含む。
【0028】
第1のスイッチは一対のPMOSトランジスタからなるORゲートであり、第2のスイッチは一対のNMOSトランジスタからなるORゲートである。電流ミラーでは、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、2つのMOSトランジスタのソースは電源に接続されており、他方のMOSトランジスタのドレインは出力である。電流−電圧変換器はコンデンサである。
【0029】
また、本発明は、遅延コンパレータと電源を含む中間周波数又は高周波数用短遅延クロックパルス幅調節回路を提供する。この調節回路は、以下を含む:
遅延コンパレータの一方の入力は正弦波信号に接続され、閾電圧に接続された他方の入力と比較され、遅延コンパレータの出力は定義されたデューティレシオを有するクロック信号である;
検出回路が、遅延コンパレータの出力である入力クロック信号が浮動信号であるか否かを検出し、浮動信号に従って電圧差を出力するために使用される;
補正回路が、検出回路の電圧差の出力に従ってクロック信号を補正するために使用され、その出力端子は遅延コンパレータの他方の入力端子に接続されている。
【0030】
検出回路は、入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、クロック信号及び逆クロック信号によって制御される電流スイッチと、電流スイッチの一方の入力に接続されており、クロック信号が高レベルである際に補正回路のコンデンサを充電する第1の電流ミラー回路と、電流スイッチの他方の入力に接続された第2の電流ミラー回路と、第2の電流ミラー回路に接続されており、クロック信号が低レベルである際に補正回路のコンデンサを放電する第3の電流ミラー回路と、を含む。
【0031】
また、検出回路は、バイアス電流を電流スイッチに提供するために使用される電源回路を含む。
【0032】
他の検出回路がある。この検出回路は、入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、互いに直列接続され、クロック信号及び逆クロック信号によって制御される第1及び第2の電流スイッチと、一端が電源に接続され、他端が第1の電流スイッチに接続されており、クロック信号が高レベルの際に補正回路のコンデンサを充電する第1の電源回路と、一端が第2の電流スイッチに接続され、他端が接地に接続されており、クロック信号が低レベルの際に補正回路のコンデンサを放電する第2の電源回路と、を少なくとも含む。
【0033】
電流スイッチは、2つのMOSトランジスタからなるORゲートである。電流ミラー回路では、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、2つのMOSトランジスタのソースは電源に接続されており、他方のMOSトランジスタのドレインは出力である。
【0034】
補正回路は、電流−電圧変換回路及び比較回路からなる。補正回路は、演算増幅器、NMOSトランジスタ、及び抵抗からなる電源回路である。電流−電圧変換回路は、MOSトランジスタ及びコンデンサからなる。
【0035】
本発明は、200MHzよりも低い周波数を有する長遅延クロック信号のパルス幅の調節に対処することができる。パルス幅変調信号のフィルタリングにより、クロック信号のデューティレシオに比例する直流レベルを得ることができる。一般に、クロック信号は、10MHzよりも高いなど、より高い周波数を有するため、本発明はこの要求のためのフィルタを設計している。
【0036】
本発明の中間周波数又は高周波数用遅延クロックパルス幅調節回路は、正弦波を遅延コンパレータに通し、クロック信号を生成する。遅延コンパレータの出力は、デューティレシオをゆっくりと変えることのできるクロック信号であり、パルス幅変調信号として使用されるこの信号の出力は変換回路に入力される。従って、遅延コンパレータの直流比較レベルは浮動であるが、本発明の回路では、直流比較レベルは固定されている。
【0037】
調節回路の作動時間の間、遅延コンパレータの直流レベルは、ゆっくりと変化する正弦波の直流成分に従う。遅延コンパレータの直流比較レベルが突然変化した正弦波の直流成分を完全に補償するまで、遅延コンパレータの出力デューティレシオは予め設定された値にゆっくりと近づく。クロック信号のデューティレシオは、予め設定された値に回復する。持続時間は、特定の状況によって数十周期乃至数百周期になりうる。
【0038】
その結果、本発明の調節回路は、クロック信号のデューティレシオがゆっくりと変化するという問題を解決することができる。デューティレシオの変化はシステム誤差であると共にランダム誤差であり、これらは製造の際のデバイスの不整合、梱包の際の不均一な強度分布、温度の変化、低周波数ノイズなどによって生じる。
【0039】
上記の説明において、正弦波の直流成分は突然変化するが、この説明は、徐々に変化する状況にも適したものである。
【0040】
また、本発明の調節回路は、400MHzを下回る短遅延クロック信号にも対処することができる。この場合、クロック信号のデューティレシオは定義された値に設定される。定義された値からのあらゆる変化及び偏差が突然の変化であろうと段階的な変化であろうと、これらは検出されて直ちに補正される。補正時間は1乃至2クロック周期である。
【0041】
デューティレシオの検出回路は、集積回路の応答速度の障害となる問題を解決するために2種類の構造を用いる。そのうちの1つにおいて、補正は、衡平定電流源方法を用いることによって行われる。
【0042】
本発明の短遅延処理回路では、出力クロック信号は検出回路において直接使用されるため、集積回路の製造によって生じるデバイスの不整合の影響は取り除かれる。
【0043】
クロック信号のデューティレシオ調節回路は突然の変化に対して迅速に応答するように設計されているが、この回路を徐々に変化する状況において使用することもできる。
【0044】
要約すると、本発明の中間周波数又は高周波数用遅延クロックパルス幅調節回路は、長遅延又は短遅延クロック信号に対処することができる。調節回路の出力は安定したデューティレシオを有するクロック信号であり、調節回路の設計はサブミクロン規模の集積回路技術に適したものである。その結果、この調節回路によって、デジタル−アナログのハイブリッドシステムは、大きなトラフィック量、低い誤差率、及びクロック信号のデューティレシオの高い安定性、といった要求を満たすことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面及び実施の形態を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。
【0046】
図3は、本発明である、クロック信号のデューティレシオ調節回路のブロック図である。この調節回路は、遅延コンパレータモジュールと、クロック信号のデューティレシオを直流レベルに変換する変換回路からなる。
【0047】
図3において、Vcc及びGndはそれぞれ電源及び接地である。VinPは、発振器からの正弦波入力である。Voutはクロック信号出力である。Vrefは参照電圧である。Vbias1、Vbias2、及びVbias3は、3つのバイアス電圧入力である。電源Vcc及び接地Gndはそれぞれ、遅延コンパレータ及び変換回路の電源端子及び接地端子に接続されている。バイアス電圧Vbias1は、遅延コンパレータの参照電圧入力端子Vrefに接続されている。参照電圧Vref、並びにバイアス電圧Vbias2及びVbias3は、変換回路の対応する端子に接続されている。発振器から出力される正弦波は、遅延コンパレータのP端子に接続されている。変換回路の出力端子は遅延コンパレータのN端子に接続されており、遅延コンパレータの出力端子は変換回路の入力端子に接続されている。
【0048】
発振器から出力される正弦波は、遅延コンパレータの入力端子Pに接続されている。入力端子Pの入力電圧が入力端子Nの入力電圧よりも大きい場合、遅延コンパレータの出力は1であり、そうでない場合、遅延コンパレータの出力は0である。クロック信号の出力は変換回路の入力に接続されており、変換回路の出力は遅延コンパレータの入力端子Nに接続されているため、この回路は適応型である。
【0049】
出力が安定している場合、変換回路の出力は設定値であり、デューティレシオは規定された範囲内にある。遅延コンパレータ出力のデューティレシオが何らかの理由で増加すると、変換回路の出力も増加する。従って、遅延コンパレータの閾電圧が変化し、遅延コンパレータの出力端子におけるクロック信号のデューティレシオも変化する。短遅延クロック調節回路のデューティレシオの増加を一例として挙げ、図14を参照すると、遅延コンパレータ出力のデューティレシオが増加すると、検出回路の出力が増加する。その結果、クロック信号のデューティレシオが減少する。
【0050】
調整回路は図4に示されるように更に簡略化され、この図は、デバイスの不整合などによって生じる直流電圧の偏差に対する回路の免疫機能を説明するために用いられる。
【0051】
図4において、全ての回路には電圧偏差がないものとみなされる。生じうる電圧偏差は全てVosで表される。Vsinは、直流成分を有する正弦波入力である。Vthは遅延コンパレータの閾電圧であり、パルスデューティレシオ変換回路の出力である。回路の入力は成形後のクロック信号である。
【0052】
Vosが正である場合、遅延コンパレータの入力端子における信号は上昇する。これにより、クロック信号のデューティレシオが増加する。この増加したデューティレシオクロック信号が変換回路に入力されるため、Vthが上昇する。回路が安定した作動状態にある場合、Vthの上昇値はVosを相殺する。従って、このシステムは、製造によって回路に生じるランダム誤差を適合させることができ、レベル偏差に対して免疫がある。
【0053】
クロック信号のデューティレシオが直流レベルに変換される変換回路の移送関数が、H(D)=Vdc+K×ΔVであると仮定する。
式中、Vdcは直流成分であり、Kは変換回路のゲインである。
【0054】
遅延コンパレータのデューティレシオ移送関数が、Δduty=F(V)×ΔVであると仮定する。
【0055】
上記式において、遅延コンパレータのデューティレシオ応答は線形であり、レベルが定数のときF(V)はデューティレシオ係数であると仮定する。
【0056】
電圧偏差によって生じるデューティレシオの変化は、Δduty=F(V)×Vosである。
【0057】
電圧偏差によって生じる遅延コンパレータの閾電圧の変化は、下記の通りである。
Vth=Vdc+K×Δduty=Vdc+F(V)×Vos (4)
【0058】
式(4)の直流成分を取り除き、電圧偏差に対する応答のみを考慮した場合、4つの状況が生じる。
1.K×F(V)=1、電圧偏差によって生じたデューティレシオの変化は相殺される
2.K×F(V)<1、電圧偏差によって生じたデューティレシオの変化は減少する
3.1<K×F(V)<2、デューティレシオの変化が減少するだけでなく、変化の極性が逆になる
4.K×F(V)>2、デューティレシオの変化が増加するだけでなく、変化の極性が逆になる
【0059】
本発明の調節回路は、電圧偏差によって生じるデューティレシオの変化を相殺するか又は減少させることができることがわかる。
【0060】
長遅延クロックパルス幅調節回路に対しては一般に2つの実施態様があり、これらを下記の実施の形態1及び実施の形態2において詳しく説明する。
【0061】
実施の形態1
図5は、実施の形態1のための、クロック信号のデューティレシオ調節回路である。この調節回路は、遅延コンパレータモジュール及びPWMフィルタモジュールからなる。Vcc及びGndはそれぞれ電源及び接地である。VinPは、発振器からの正弦波入力である。Voutはクロック信号出力である。Vrefは閾電圧である。Vbias1、Vbias2、及びVbias3は、3つのバイアス電圧入力である。電源Vcc及び接地Gndはそれぞれ、遅延コンパレータ及びPWMフィルタモジュールの電源端子及び接地端子に接続されている。バイアス電圧Vbias1は、遅延コンパレータの参照電圧入力端子Vrefに接続されている。参照電圧Vref、並びにバイアス電圧Vbias2及びVbias3は、PWMフィルタモジュールの対応する端子に接続されている。発振器から出力される正弦波は、遅延コンパレータのP端子に接続されている。PWMフィルタモジュールの出力端子は遅延コンパレータのN端子に接続されており、遅延コンパレータの出力端子はPWMフィルタモジュールの入力端子に接続されている。
【0062】
調節回路は下記のように作動する。入力端子Pの入力電圧が入力端子Nの入力電圧よりも大きい場合、遅延コンパレータの出力は1であり、そうでない場合、遅延コンパレータの出力は0である。
【0063】
遅延コンパレータの出力が安定している場合、PWMフィルタモジュールの出力は設定値であり、クロック信号のデューティレシオは規定された範囲内にある。遅延コンパレータ出力のデューティレシオが何らかの理由で増加すると、PWMフィルタモジュールの出力も徐々に増加する。従って、遅延コンパレータの閾電圧が変化し、遅延コンパレータの出力端子におけるクロック信号のデューティレシオも変化する。
【0064】
本実施の形態では、PWMフィルタモジュールの出力を(nFレベルよりも大きい)大容量コンデンサに接続することができる。外部接続大容量コンデンサは、クロック信号の振動を減少してシステムの性能を高めることができる。調節回路は単極の電解効果トランジスタ技術によって製造されるが、二極のトランジスタ技術によって製造されてもよい。調節回路が二極トランジスタ技術によって製造される場合、二極トランジスタはnAレベルの電流のような更に小さな電流を制御することができるため、約10pFのコンデンサをフィルタリングに用いることができる。
【0065】
実施の形態2
図6は、実施の形態2のための、クロック信号のデューティレシオ調節回路である。この調節回路は、遅延コンパレータモジュール、PWMフィルタモジュール、及び演算トランスコンダクタンス増幅器(Operational Transconductance Amplifier、OTA)からなる。遅延コンパレータは既存の製品であるので、その具体的な説明を省略する。OTAモジュールの出力インピーダンスは更に高いため、遮断周波数の低いローパスフィルタの形成が更に容易になり、これにより、遅延コンパレータの浮動閾電圧によって生じるデューティレシオの振動を改善することができる。
【0066】
図6において、Vcc及びGndはそれぞれ電源及び接地である。VinPは、発振器からの正弦波入力である。Voutはクロック信号である。Vrefは閾電圧である。Vbias1、Vbias2、及びVbias3は、3つのバイアス電圧入力である。OTAの電源及び接地がそれぞれVcc及びGndに接続されていること、OTAのVref、Vbias1、及びVbias2がそれぞれ対応する電圧に接続されていること、PWMフィルタモジュールの出力端子がOTAモジュールの入力端子に接続されていること、そしてOTAモジュールの出力端子が遅延コンパレータのN端子に接続されていること以外は、調節回路のモジュール間の接続は実施の形態1の回路に類似している。
【0067】
この調節回路の作動原理も実施の形態1に類似している。入力端子Pの入力電圧が入力端子Nの入力電圧よりも大きい場合、遅延コンパレータの出力は1であり、そうでない場合、遅延コンパレータの出力は0である。
【0068】
この回路は強化フィルタシステムを用いているため、制御電流がより小さいMOSトランジスタに対して統合内部フィルタを使用することができる。従って、この調節回路をデジタルCMOS技術において用いることができる。
【0069】
図7は、クロック信号のデューティレシオが直流レベルに変換される変換回路の図である。図7において、第1、第2、及び第3の電源回路であるMM12’、MM3’、及びMM6’はそれぞれ電流I11、I12、及びI15を提供する。トランジスタMM10’及びMM9’は、それぞれ第1及び第2の電流ミラーである電流I13及びI14を用いて電流ミラー回路を構成する。クロック信号Vinは、インバータの入力端子に入力される。インバータの出力は逆クロック信号であり、これは電流スイッチ1、即ち第1のスイッチの制御信号である。クロック信号Vinは電流スイッチ2、即ち第2のスイッチの制御信号である。Vcc及びGndはそれぞれ電源及び接地である。電源I11の一端はVccに接続されており、他端は電流スイッチ1に接続されている。電源I12の一端は接地Gndに接続されており、他端はノードAに接続されている。電源I15の一端は接地Gndに接続されており、他端はスイッチ2に接続されている。電流ミラーI13の一端はスイッチ2に接続されており、他端はVccに接続されている。電流ミラーI14の一端はVccに接続されており、他端は出力に接続されている。抵抗R11及びコンデンサC1の一端はGndに接続されており、他端は出力に接続されている。Voutは変換回路の出力であり、これを、ローパスフィルタの入力(実施の形態2を参照)又はコンパレータのための直流レベル(実施の形態1を参照)として使用することができる。
【0070】
スイッチ1の制御信号が1である場合、電源I11はノードAに接続され、そうでない場合は接地に短絡される。スイッチ2の制御信号が1である場合、電源I15はノードAに接続され、そうでない場合は電源Vccに短絡される。ノードAに接続される電源I12は、電流ミラーI13及びI14のバイアス電流である。
【0071】
クロック信号入力があると、コンデンサC(図7のC1)上に変動電圧が生じ、その振幅はクロック信号のデューティレシオに関連する。クロック信号のデューティレシオが定義された値よりも大きい場合、コンデンサ上の電圧は増加する。図2によると、このときコンパレータの参照レベルが増加するため、クロック信号のデューティレシオは定義された値まで低下する。反対に、クロック信号のデューティレシオが定義された値よりも小さい場合、コンデンサ上の電圧が減少し、コンパレータの参照電圧も減少する。図2によると、このとき、クロック信号のデューティレシオは定義された値まで上昇する。
【0072】
クロック信号の周波数をfと仮定すると、以下を得ることができる。
ΔQCLK=1=I15×t1、
ΔQCLK=0=I11×t2、
ΔVout=(ΔQCLK=1−ΔQCLK=0)/C
=(I15×t1−I11×t2)/C (5)
D=t1/(t1+t2)
ΔD=K×ΔVout (6)
【0073】
I11=I15である場合、式(5)及び(6)から下記を得ることができる。
ΔD=K×I11×(t1−t2)/C
【0074】
I11=2×I15である場合、下記が得られる。
ΔD=K×I11×(t1−2×t2)/C
【0075】
安定した状態ではデューティレシオの変化はゼロであることが、前記式からわかる。I11及びI15の異なる比例関係に従って、クロック信号の異なるデューティレシオを得ることができる。I11=I15である場合、クロック信号の50%のデューティレシオが得られ、I11=2×I15である場合、デューティレシオは66.67%となる。
【0076】
回路の性能に関する主な問題は、1クロック周期内で、クロック信号の周波数、コンデンサの容量、及び充電電流に関連するコンデンサの充電速度をあまり速くすることができない、ということである。このことは、以下のように説明される。
【0077】
クロック信号が10MHzであり、デューティレシオが50%であり、即ちI15=I11=Iであり、外部コンデンサが10nFであると仮定し、これらのパラメータを式(5)に代入すると、下記が得られる。
ΔVout=(I15×t1−I11×t2)/C=50ns×I/10nF
【0078】
充電電流が10μAである場合、毎回の充電電圧の振幅は50μVである。安定した状態では、放電電圧の振幅も50μVである。遅延コンパレータの電圧偏差が1mVであり、参照レベルが(3.3Vの電源に対して)1.65Vである場合、電圧偏差が小さいため、デューティレシオの制御精度には影響を及ぼさない。
【0079】
図8を参照すると、長遅延クロック調節回路における、クロック信号のデューティレシオが直流レベルに変換される変換回路が更に説明されている。この変換回路は、MOSトランジスタ技術によって製造される。図8において、Vccは電源、Gndは接地、Vbias1及びVbias2は2つのバイアス電圧、Vinは入力クロック信号、そしてVrefは電源の参照電圧である。演算増幅器が電圧ホロア構造として接続されており、これはトランジスタMM22及び抵抗R12と共に電源回路を構成する。前述のように、トランジスタMM12は電源I11を構成する。トランジスタMM3及びMM4は電源I12を構成し、トランジスタMM6は電源I15を構成する。トランジスタMM10及びMM9は、電流I13及びI14を有する電流ミラーを構成する。トランジスタMM11、MM24、及びMM23はそれぞれ電源に電圧及び電流バイアスを提供する。トランジスタMM13及びMM14はインバータを構成する。トランジスタMM1及びMM7はスイッチ1を構成し、トランジスタMM8及びMM136はスイッチ2を構成する。トランジスタMM17、MM8、MM19、MM5、MM25、及びMM20はカスケード回路であり、これらは各回路の性能を高めるのに使用される。抵抗R12はバイアス電流を提供し、抵抗R11は出力直流電圧を提供する。コンデンサC1は、電圧−電流変換デバイスである。
【0080】
また、前述の変換回路の出力はOTAモジュールの入力に接続されており、OTAモジュールの出力は遅延コンパレータのN端子に接続されており、調節回路も実施の形態2のために構成されている。この調節回路の作動手順を、以下に簡潔に分析する。
【0081】
トランジスタMM3、MM4、及びMM6の電流がIであると仮定すると、クロック信号が1である場合、下記のようになる。
Cldv/dt+V/R11=2×I+I×Duty
【0082】
クロック信号が0である場合は、下記のようになる。
Cldv/dt+V/R11=2×I−I×(1−Duty)
【0083】
安定した状態において、コンデンサ上の電圧は下記のようになる。
Cldv/dt+V/R11=2×I+I×(2×Duty−1)
【0084】
クロック信号のデューティレシオが50%よりも大きい場合、コンデンサ上の電圧は増加する。クロック信号のデューティレシオが50%未満である場合、コンデンサの電圧は減少する。安定した状態ではdV/dt=0であり、デューティレシオはコンデンサ上の電圧と線形の関係で変化することが上記式からからわかる。
【0085】
図9を参照すると、この図は、長遅延クロックパルス幅の状況のためのクロック信号のデューティレシオ調節手順を示している。
【0086】
クロック信号のデューティレシオの変化は、温度、梱包の際の不均一な応力分布、低周波数ノイズなどによって生じる。これらの要因は全て滑らかに変化するため、クロック信号のデューティレシオも滑らかに変化する。本発明の回路では、滑らかに変化するデューティレシオを有するこのクロック信号はパルス幅変調信号とみなされる。パルス幅変調信号は、低周波数成分を含む。フィルタを介して、クロック信号のデューティレシオに比例する直流レベルを得ることができる。クロック信号は、一般に10MHzを上回る、より高い周波数であるため、フィルタは、前述のフィルタリング要求を満たすように設計されている。
【0087】
正弦波は、遅延コンパレータを介してクロックパルス信号に変換される。従来の回路では、直流比較レベルは自己間隙(self-bring gap)標準電圧などから生じるような定数であるが、一定の比較レベルでは、デューティレシオの調節の要求を満たすことができない。従って、本発明の回路では、直流比較レベルは浮動である。
【0088】
本発明の回路では、クロック信号の出力は変換回路、即ちフィルタに直接用いられる。このようにして、製造の際にデバイスの不整合がクロック信号のデューティレシオに及ぼす影響が取り除かれる。
【0089】
図9は、異なる直流成分及び一定の直流成分を有する2つのクロック信号応答を示している。図9の正弦波の直流成分は突然変化するが、実際には、これを緩やかな変化の状況に用いることもできる。
【0090】
図9は、正弦波がT1時に突然変化することを示している。このとき、遅延コンパレータの直流レベルは直ちにその変化に従わないため、クロック信号のデューティレシオは突然変化する。
【0091】
クロック信号の元のデューティレシオがDuty=t2/(t1+t2)であると仮定する。
【0092】
突然の変化の後、クロック信号のデューティレシオはDuty’=t2’/(t1’+t2’)となる。
【0093】
T1時の後、遅延コンパレータの直流レベルは正弦波の直流成分に従い、徐々に変化する。これと同時に、クロック信号の出力端子におけるデューティレシオは予め設定された値に向かって徐々に移動する。T2時には、直流比較レベルが正弦波の直流成分の変化を完全に補償するため、クロック信号のデューティレシオは予め設定された値に回復する。
【0094】
また、上記の分析は、正弦波の直流成分における発生や、遅延コンパレータの直流レベルにおける発生に関係なく、温度、デバイスの不整合などによって生じる直流成分の偏差にも適している。
【0095】
T1からT2時までの持続時間を数十から数百周期とすることができ、この時間は実際の状況に応じて調節が可能である。変化期間が長いとシステムの安定性には有利であるが、変化期間が長すぎると応答速度が遅くなり、他のシステム性能にとって不利になる。
【0096】
短遅延クロックパルス幅調節回路では、クロック信号のデューティレシオが直流レベルに変換される変換回路は、検出回路及び補正回路といった2つの部分を含む。実施の形態3及び実施の形態4は、検出及び補正回路のための2つの実施スキームとその詳しい説明を設けている。
【0097】
実施の形態3
図9は、クロック信号のデューティレシオのための検出及び補正回路の概略図である。図9では、Vinはクロック信号入力である。Voutは、クロック信号のデューティレシオのための検出及び補正回路の出力であり、これは遅延コンパレータの閾電圧として用いられる。
【0098】
検出回路は、電流スイッチ、第1のバイアス回路、並びに第1、第2、及び第3の電流ミラー回路を含む。第1のバイアス回路M6’はバイアス電流I1を出力する。第1の電流ミラーはM27’及びM26’からなり、第2の電流ミラーはM10’及びM9’からなり、第3の電流ミラーはM28’及びM29’からなる。第1、第2、及び第3の電流ミラー回路の出力電流はそれぞれI2及びI7、I3及びI4、並びにI5及びI6である。第1及び第2の電流ミラー回路の入力は電源に接続されており、各電流ミラーの一方の出力は電流スイッチの入力に接続されている。第1の電流ミラーの他方の出力は、MOSトランジスタM30’のゲートと、コンデンサCの一端に接続されている。第2の電流ミラーの他方の出力は、第3の電流ミラーの一方の入力端に接続されている。第3の電流ミラーの他方の入力端は、コンデンサCの一端に接続されている。第1のバイアス回路の入力は、電流スイッチの共通出力に接続されている。第3の電流ミラーの出力、第1のバイアス回路の出力、及びコンデンサCの他端は接地に接続されている。
【0099】
補正回路は、電流−電圧変換回路及び比較回路を有する。具体的には、補正回路は、第2のバイアス回路M24’、第3のバイアス回路M33’、第4の電流ミラー回路、MOSトランジスタM30’、抵抗R1及びR2、並びにコンデンサCを含む。第4の電流ミラー回路はM31’及びM32’からなり、これらの出力電流はそれぞれI8及びI9である。第4の電流ミラーの入力は全て電源に接続されている。第4の電流ミラーの一方の出力はMOSトランジスタM30’のドレインに接続されており、他方の出力は第3のバイアス回路M33’の入力に接続されており、ノードは第2のバイアス回路及び抵抗R2、即ち検出及び補正回路の出力Voutに接続されている。電流−電圧変換回路は、MOSトランジスタM30’及びコンデンサCからなる。コンデンサC上の電圧レベルはM30’のゲートを制御し、伝導電流を決定する。
【0100】
クロック信号がVinから入力され、I1の方向が制御される。Vin=1の場合、I2=I1及びI3=0である。Vin=0の場合、I2=0及びI3=I1である。x=y=1を例として挙げると、この場合、クロック信号のデューティレシオは50%である。クロック信号のデューティレシオが何らかの理由で増加したと仮定すると、I1のI2及びI7との接続時間は、I1のI3及びI4との接続時間よりも長い。ここで、I1は第1のバイアス回路の電流であり、I2及びI7は第1の電流ミラーの電流であり、I3及びI4は第2の電流ミラーの電流である。この場合、1クロック周期の間、I7から充電されるコンデンサC上の電荷はI6を介して放電する電荷よりも大きいため、コンデンサC上の電圧は徐々に増加する。コンデンサCの電圧の上昇によってトランジスタM30’のゲート電圧が増加し、その結果、抵抗R1の装荷電圧が増加する。更に、トランジスタM30’ のチャンネル電流及びI8も増加する。I8及びI9は同一電流ミラーの電流であるため、I9もI8と共に増加する。結果として、抵抗R2上の装荷電圧が増加し、即ちVoutが増加する。Voutは遅延コンパレータの閾電圧であるため、図14に示されるように、閾電圧が上昇するとデューティレシオの回復が行われる。数周期の調節後、デューティレシオは予め設定された値に調節され、調節手順が終了する。
【0101】
クロック信号のデューティレシオの設定は、図14のx、yの値に関連する。以下では、デューティレシオとx、yの値との間の関係を分析し、デューティレシオがx及びyによってのみ定義されることを理解することができる。
【0102】
Vin=1の持続時間をt1、Vin=0の持続時間をt2を仮定すると、信号周期はT=t1+t2である。コンデンサ上の電圧の変化は下記のようになる。
ΔV=(t1×y−t2×x)×I1/C
Vout=(Ibias−I10)×R2+R2×ΔV/R1
ΔVout=R2×ΔV/R1
D=t1/(t1+t2)
【0103】
安定した状態では、検出及び補正回路の出力は直流であり、即ち変化は0であるため、クロック信号のデューティレシオはx及びyの関数である。
ΔVout=0←→t1×y=t2×x
D=t1/(t1+t2)=x/(x+y)
【0104】
x=yの場合、クロック信号のデューティレシオは50%であり、x=2yの場合、クロック信号のデューティレシオは66.7%であることを、上記式から得ることができる。この計算は理想的な状態において得られたものであり、実際の回路では、漏れ電流やトランジスタの不整合のために、結果が少し異なる。
【0105】
図10は、クロック信号のデューティレシオのための、二極トランジスタからなる検出及び補正回路の図である。図10及び図9を比較すると、MOSトランジスタM30’が二極トランジスタT1に置き換えられた以外、他の部分は同一であり、従って再度説明する必要のないことがわかる。
【0106】
二極トランジスタは電流によって駆動されるため、制御精度の誤差はMOSトランジスタを用いた場合よりも大きい。
【0107】
以下、クロック信号のデューティレシオのための、図9に示されるようなMOSトランジスタからなる検出及び補正回路の具体的な回路を説明する。
【0108】
図11に示されるように、検出回路の部分は、インバータ、一対の電流スイッチ、第1、第2、及び第3の電流ミラー回路、並びに第1のバイアス回路を含む。インバータは、PMOSトランジスタM14及びNMOSトランジスタM13の直列接続によって構成される。トランジスタM13のソースは接地に接続されている。トランジスタM13のドレイン及びゲートはそれぞれトランジスタM14のドレイン及びゲートに接続されている。トランジスタM14のソースは、電源Vccに接続されている。電流スイッチは、NMOSトランジスタM8及びM136の対からなる。トランジスタM8及びM136のゲートはそれぞれクロック信号入力Vin及び逆クロック信号であるインバータ出力に接続されている。トランジスタM8及びM136のソースは、NMOSトランジスタM19のドレインに接続されている。トランジスタM8及びM136のドレインはそれぞれPMOSトランジスタM27及びM10のドレインに接続されている。第1の電流ミラーはPMOSトランジスタM27及びM26からなる。トランジスタM27のドレイン及びゲートは、トランジスタM26のゲートに接続されている。M26及びM27のソースは電源Vccに接続されている。M26のドレインは、第3の電流ミラーのトランジスタM28に接続されている。また、トランジスタM28のゲートはトランジスタM29のゲートに接続されており、トランジスタM28及びトランジスタM29のソースは接地に接続されている。第2の電流ミラーはPMOSトランジスタM10及びM9からなり、第3の電流ミラーはNMOSトランジスタM29及びM28からなる。第2及び第3の電流ミラーの接続は、第1の電流ミラーと同じである。Vbias2はゲートバイアス電圧をM20に提供する。NMOSトランジスタM19及びM6は、第1のバイアス回路を構成する。
【0109】
前述のトランジスタM8のドレインは電流を補正回路に出力し、出力された電流は、電流−電圧変換器として使用されるコンデンサC1を介して接地に接続されている。電流ミラー回路は、クロック信号が1の場合に出力された電流に対して1:1の変換を行い、コンデンサC1を充電するために用いられる。NMOSトランジスタM34、M35及びM36、M37は、システムの応答速度を速めるように電流ミラーをバイアスするための定電流源を構成する。PMOSトランジスタM25、並びにNMOSトランジスタM19及びM37はカスコード段階であり、これらのゲートバイアスはVbiasによって提供される。このカスコード回路は、チャンネル長変調の影響を有効に減少させることができる。
【0110】
以下は、電流−電圧変換回路及び比較回路を有する補正回路の詳細な説明である。第4の電流ミラー回路はPMOSトランジスタM32及びM31からなる。M32のゲートは、M31のゲート及びドレインに接続されている。M32及びM31のソースは電源Vccに接続されている。NMOSトランジスタM30及びM33のソースはそれぞれ抵抗R14及びR15に接続されており、R14及びR15の他端は接地に接続されている。NMOSトランジスタM30及びM33は第2のバイアス回路を構成する。トランジスタM33及びM30のドレインは、それぞれトランジスタM32及びM31のドレインに接続されている。M33及びM30のゲートはそれぞれPMOSトランジスタM25のゲート及びNMOSトランジスタM28のドレインに接続されている。トランジスタM30及びM33は、電圧−電流変換及び比較を行う。抵抗R13におけるトランジスタM30及びM33の電流の差は遅延コンパレータの閾電圧を形成し、これはクロック信号のデューティレシオを調節する。
【0111】
PMOSトランジスタM11、M24、及びM12は、バイアス電流を提供する第3のバイアス回路を構成し、これらのソースは全て電源に接続されており、これらのゲート及びM11のドレインはNMOSトランジスタM22のドレインに共通に接続されている。M24及びM12のドレインはそれぞれ抵抗R13及びPMOSトランジスタM25のドレインに接続されている。M25のソースはPMOSトランジスタM12のドレインに接続されている。M25のゲート及びドレインはそれぞれ参照電圧Vref及びNMOSトランジスタM23のドレインに接続されている。トランジスタM23のソースは接地に接続されており、そのゲート及びドレインは検出回路のトランジスタM6のゲートに接続されている。
【0112】
電源回路は、演算増幅器、NMOSトランジスタM22、及び抵抗R12からなる。演算増幅器のVinP端はVrefに接続されており、その出力端VoutはM22のゲートに接続されている。演算増幅器のVinNはM22のソース及び抵抗R12の一端に接続されている。抵抗R12の他端は接地に接続されている。PMOSトランジスタM24のドレインは、直流レベル出力Voutである抵抗R13の一端に接続されている。
【0113】
前述の回路において、クロック信号はVinから入力される。クロック信号及び逆クロック信号はそれぞれ、電流スイッチトランジスタM8及びM136を制御する。クロック信号が1である場合、トランジスタM26及びM27は電流の1:1変換及びコンデンサC1の充電を行う。クロック信号が0である場合、トランジスタM10、M9及びM28、M29は電流の1:1変換及びコンデンサC1の放電を行う。トランジスタM30及びM33は電圧−電流変換及び比較を行う。抵抗R13におけるトランジスタM30及びM33の電流差は遅延コンパレータのための閾電圧を形成し、これはクロック信号のデューティレシオを調節する。
【0114】
トランジスタM6及びM19の電流をIと仮定すると、クロック信号が1の場合、コンデンサC1上の充電電荷は下記のようになる。
C1×(dV/dt)=I×Duty
【0115】
クロック信号が0の場合、コンデンサC1の放電電荷は下記のようになる。
C1×(dV/dt)=I×(1−Duty)
【0116】
1クロック信号周期内の純充電電荷は下記のようになる。
C1×(dVc/dt)=I×(2×Duty−1) (7)
【0117】
クロック信号のデューティレシオが50%よりも大きい場合、コンデンサ上の電圧が上昇する。クロック信号のデューティレシオが50%未満である場合、コンデンサ上の電圧が低下する。安定した状態ではDuty=50%であり、コンデンサ上の電圧は安定していることが式(7)からわかる。
【0118】
システムが安定した状態であり、正弦波が小さな変化を有すると仮定した場合、何が起こるであろうか。これは、回路の小信号作動原理及び関連する式に関する問題である。システムがほぼ安定した状態で小さな変化を有する場合、コンデンサ上の電圧は下記のような小さな変化を有する。
C1×(dV/dt)=2×I×ΔDuty
【0119】
コンデンサ上の小さな電圧変化により、遅延コンパレータの閾電圧が下記に示されるように変化する。
ΔVcom=(ΔVc/R14)×R13
【0120】
クロック信号のデューティレシオの変化が、正弦波信号の小さな変化によって生じると仮定する。これにより、クロック信号のデューティレシオが下記のように変化する。
ΔDuty=ΔV/π×V
式中、Vは正弦波信号の振幅である。
【0121】
システムが閉ループである場合、正弦波電圧のあらゆる小さな変化は、正負を問わず、遅延コンパレータのN入力端における同一極性に小さな変化を生じる。この小さな電圧変化は下記の通りである。
ΔVcom=K×ΔV
【0122】
この式において、システムループゲインは、下記式によって計算されるKであると仮定する。
K={2×I/(f×C1×R14×π×V)×R13}
【0123】
K値には下記の3つの状況がある。
1.K=1であり、この場合、デューティレシオのあらゆる小さな変化が次のク
ロック周期で完全に補償され、デューティレシオは設定値に回復される。
2.K<1であり、この場合、デューティレシオの調節は等比級数の比率に従っ
て行われる。各調節精度は90%であるため、2クロック周期後には1%の調
節精度に達しうる。
3.K>1であり、この場合、デューティレシオは過剰調節され、デューティレ
シオは設定値に収束することができない。デューティレシオを増加させると、
第1の調節後にデューティレシオは設定値よりも少なくなってしまい、第2の
調節後にデューティレシオは設定値よりも大きくなってしまう、といったよう
になる。従って、デューティレシオは前後に動く。
【0124】
実施の形態4
寄生キャパシタンスは、システム応答速度の障害となるものである。実施の形態4には、応答速度を改善するために、電流変換経路における寄生キャパシタンスの影響を取り除く方法がある。この回路を、100MHz乃至400MHzのクロック回路に使用することができる。
【0125】
図12は、クロック信号のデューティレシオに対する寄生キャパシタンスの影響が取り除かれた検出及び補正回路の概略図である。図9と同様に、Vinはクロック信号入力で、Voutは検出及び補正回路の出力であり、これは遅延コンパレータの閾電圧として使用される。
【0126】
検出回路は、インバータ、電流スイッチ1、電流スイッチ2、第1の電源回路M26’、及び第2の電源回路M6’を含む。M26’の入力は電源に接続されており、M26’の出力は電流スイッチ1に接続されている。M6’の入力は電流スイッチ2に接続されており、M6’の出力は接地に接続されている。電源回路M26’は電流I1=m×Iを提供し、電源回路M6’はバイアス電流I2=n×Iを提供する。電流スイッチ1の一端は接地に接続されており、他端は電流スイッチ2に接続されている。電流スイッチ2の他端は電源Vccに接続されている。クロック信号入力Vin及びその逆信号はそれぞれ電流スイッチ1及び電流スイッチ2を制御する。また、電流スイッチ1及び電流スイッチ2の共通ノードは、電流−電圧変換回路において使用されるコンデンサCの一端に接続されている。
【0127】
補正回路は図9と同一であるため、その説明を省略する。
【0128】
Vinが高電位である場合、スイッチ1がオンになり、電源M26’から出力された電流I1がコンデンサCを充電し、そうでない場合、電流I1は接地に接続される。Vinが低電位である場合、スイッチ2がオンになり、コンデンサは電源M6’を介してI2の速度で放電し、そうでない場合、電流I2は電源Vccに接続される。
【0129】
m=n=1、即ちデューティレシオが50%である例を想定し、前述の回路の作動原理を説明する。
【0130】
クロック信号のデューティレシオが何らかの理由で増加したと仮定すると、コンデンサC上の各クロック周期における電源M26’からの充電電荷は、電源M6’を介するコンデンサCの放電電荷よりも大きくなる。残存する実効電荷が増加するため、コンデンサC上の電圧が増加する。コンデンサCはトランジスタM30’のゲートに接続されているため、トランジスタのバイアス電圧が上昇し、抵抗R1上の装荷電圧が増加し、チャンネル電流が増加し、電源回路M6’の電流I2が増加する。M32’及びM31’は電流ミラーを構成しているため、電流I3の増加と共に電流I4も増加する。電流I4が増加すると、R2’上の装荷電圧、即ち出力電圧Voutが上昇する。電圧Voutはコンパレータの閾電圧であり、図14によると、コンパレータの閾電圧の上昇によってデューティレシオが減少する。従って、数クロック周期後、デューティレシオは設定値に回復され、調節が終了する。クロック信号のデューティレシオが減少した場合、その調節は、信号が逆の極性に変化する以外は前述と同様である。
【0131】
本実施の形態の回路では、クロック信号のデューティレシオはパラメータm及びnによってのみ定義される。以下、デューティレシオとm、n値との関係を分析する。クロック信号の高電位持続時間をt1とし、低電位持続時間をt2とすると、クロック信号周期はT=t1+t2である。1クロック信号周期の間、コンデンサ上の電荷の変化は下記のようになる。
ΔQ=I1×t1−I2×t2=(m×t1−n×t2)×I
【0132】
ΔV=ΔQ/C及びD=t1/(t1+t2)であるため、安定した状態でのクロック信号のデューティレシオはD=n/(n+m)になる。
【0133】
図13では、図12の概略図に関する、MOSトランジスタからなる具体的な回路が示されている。
【0134】
これは、実施の形態4のためのクロック信号の検出及び補正回路である。補正回路は図11に示される実施の形態3の補正回路と同一であるため、この部分の説明を省略する。
【0135】
図13に示されるように、検出回路は、インバータ、第1の電流スイッチ、第2の電流スイッチ、電流ミラー回路(上述の第1の電源回路に対応)、及びバイアス回路(上述の第2の電源回路に対応)を含む。インバータは、CMOSトランジスタM14及びM13からなる。トランジスタM13のソースは接地に接続されており、そのドレイン及びゲートはそれぞれトランジスタM14のドレイン及びゲートに接続されており、トランジスタM14のソースは電源Vccに接続されている。第1の電流スイッチ及び第2の電流スイッチはそれぞれ、NMOSトランジスタM8及びM136の対とPMOSトランジスタM34及びM35の対からなっている。ここで、M35及びM136はORゲートを構成しており、これらのゲートはクロック信号Vinに接続されている。トランジスタM34及びM8は他のORゲートを構成しており、これらのゲートは逆クロック信号に接続されている。トランジスタM8及びM34のドレインは互いに接続されている一方、M35のドレインは接地に接続されており、M136のソースは電源Vccに接続されている。M8及びM136のソースは共にPMOSトランジスタM19のドレインに接続されている。M34及びM35のソースは共にPMOSトランジスタM26のドレインに接続されている。電流ミラー回路はPMOSトランジスタM26及びM27からなり、M26のゲートはPMOSトランジスタM27のゲート及びドレインに接続されており、M27のソースは電源Vccに接続されている。M27のドレインはM37のドレインに接続されている。バイアス回路はNMOSトランジスタM19及びM6からなる。M19及びM37のゲートは共にバイアス電圧Vbiasに接続されており、これらのソースはそれぞれNMOSトランジスタM6及びM36のドレインに接続されている。M6のゲート及びM23のゲートは共に、補正回路部分のNMOSトランジスタM23のドレインに接続されている。また、トランジスタM8のドレインは補正回路部分のコンデンサC1を充電し、C1を介して接地に接続されている。
【0136】
補正回路は、電流の1:1変換及びコンデンサC1の充電を行うために使用される。クロック信号が0の場合はトランジスタM8及びM136が電流スイッチであり、クロック信号が1の場合はトランジスタM34及びM35が電流スイッチである。トランジスタM34、M35及びM36、M37からなるバイアス回路は、システム応答速度を上げるためにバイアスを電流ミラーに提供する。PMOSトランジスタM25、並びにNMOSトランジスタM19及びM37は全てカスコード回路であり、チャンネル長変調の影響を有効に減少させることができる。
【0137】
クロック信号のデューティレシオは、温度、梱包の際の不均一に分布した強度、低周波数ノイズなどによって変化する。これらはゆっくりと変化を生じるため、クロック信号のデューティレシオもゆっくりと変化する。改良された回路では、ゆっくりと変化するデューティレシオを有するクロック信号をパルス幅変調(PWM)信号とみなす。深刻な電磁干渉、伝播媒体特性の突然の変化など、更に悪い適用環境下では、クロック信号のデューティレシオを迅速に変えることができる。
【0138】
本発明の回路では、クロック信号のデューティレシオを定義された値で設定することができ、ゆっくりと変化するか又は急速に変化するあらゆる偏差を1乃至2クロック周期内で検出して補正する。本発明では、実施の形態3及び実施の形態4に示されるように、2種類の検出回路がある。実施の形態3では、補正は衡平定電流源方法を用いることによって行われる。
【0139】
本発明の回路では、集積回路の製造によって生じるデバイスの不整合の影響を回避するために、クロック信号は検出回路において直接使用される。
【0140】
図14は、クロック信号の2つの異なる直流成分値が生じた場合のクロック信号応答を示している。図14において、直流成分は突然変化しているが、回路はゆっくりと変化する状況にも適している。
【0141】
図14において、クロック信号の直流成分は、T1時に突然正に変わっている。このとき、遅延コンパレータの直流レベルは直ちに変化しないため、クロック信号のデューティレシオは突然変化するが、それは1クロック周期しか続かない。T2時には、閾電圧が正弦波直流成分の正への変化を補償しているため、クロック信号のデューティレシオは、わずか1クロック周期後には設定値に回復される。
【0142】
遅延コンパレータの閾電圧が上昇した後にクロック信号の直流成分が変わらなければ、図14のT2乃至T3の持続時間に示されるように、遅延コンパレータの閾電圧は変わらない。
【0143】
図14では、T3時に、クロック信号の直流成分が突然負に変化する。遅延コンパレータの直流レベルはこの変化に直ちに従うことができないため、このとき、クロック信号のデューティレシオは突然変化する。このとき、クロック信号の直流成分は正の偏差から負の偏差に変化したため、調節手順は(検出及び補正回路の実行可能な最大調節ステップ次第で)1乃至2クロック周期続く可能性がある。図14は、T3乃至T4周期及びT4乃至T5周期といった、2つのクロック周期の状況を示している。
【0144】
T5時では、遅延コンパレータの直流レベルの変化は正弦波の直流成分の変化を補償しているため、クロック信号のデューティレシオは設定値に回復する。その後、負の正弦波の直流成分が変わっていなければ、図14のT5時の後に示されるように、遅延コンパレータの直流レベルも不変のままになる。
【0145】
実施の形態3及び実施の形態4の前述の説明は、クロック信号のデューティレシオが突然変化した際の調節、という状況下にある。しかしながら、これらの回路は、クロック信号のデューティレシオのゆっくりとした変化に対して調節及び補償を行うこともできる。
【0146】
実施の形態3及び実施の形態4ではローパスフィルタがないため、回路の性能は、検出及び調節回路の主要経路におけるデバイスの性能にのみ関連している。
【0147】
実施の形態3及び実施の形態4の回路では、デューティレシオと期待値との間の誤差は、指数の法則にならって減少される。毎回の調節振幅が80%であり、N回目の調節後、実際のデューティレシオと設定値との間の誤差が(1−80%)Nであると仮定する。調節誤差が1%として設定されており、毎回の調節振幅が80%である場合、調節は3クロック周期の間のみ行われる。
【0148】
前述の分析は、直流成分の偏差が正弦波側で生じるか遅延コンパレータ側で生じるかに関係なく、直流成分の偏差が温度及びデバイスの不整合などによって生じる状況にも適している。
【0149】
実施の形態3及び実施の形態4の回路を、CMOS技術を用いて製造することもできる。従って、デジタルアナログ混合回路におけるクロック信号のデューティレシオ調節問題を解決することもできる。
【0150】
要約すると、本発明のデューティレシオ調節回路を、殆ど全てのクロック回路に使用することができる。現代の通信システムでは、PLL(位相ロックループ)及び水晶発振器が広く使用されているため、デジタル通信システム、マルチメディアシステムなどを含む多くの分野において本発明の回路を広く使用することができる。本発明の回路は速い応答速度、強力な抗電磁干渉などの特性を有するため、本発明の回路を電子対策設備、レーダーなどに使用することができる。
【0151】
上記は全て本発明の実施の形態の説明にすぎず、これらは本発明の保護範囲を限定するために用いられたのではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クロック信号発生器の原理図である。
【図2】 理想的なクロック信号発生器と実際のクロック信号発生器から出力された2つのクロック信号の図である。
【図3】 遅延クロックパルス幅調節回路のブロック図である。
【図4】 本発明の調節回路のレベル偏差からの免疫を示す図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態における、クロック信号のデューティレシオの調節回路のブロック図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態における、クロック信号のデューティレシオの調節回路のブロック図である。
【図7】 長遅延調節回路においてクロック信号のデューティレシオを直流レベルに変換する変換回路のブロック図である。
【図8】 長遅延調節回路においてクロック信号のデューティレシオを直流レベルに変換する変換回路の詳細図である。
【図9】 長遅延調節回路におけるクロック信号のデューティレシオの調節手順を示す図である。
【図10】 第3の実施の形態における、クロック信号のデューティレシオの検出及び補正回路(MOS)を示すブロック図である。
【図11】 第4の実施の形態における、クロック信号のデューティレシオの検出及び補正回路(二極)を示すブロック図である。
【図12】 本発明の第3の実施の形態における、クロック信号のデューティレシオの検出及び補正回路の詳細図である。
【図13】 寄生コンデンサの影響を取り除くための、クロック信号のデューティレシオの検出及び補正回路を示すブロック図である。
【図14】 第4の実施の形態における、クロック信号のデューティレシオの検出及び補正回路の詳細図である。
【図15】 短遅延調節回路においてクロック信号のデューティレシオを迅速に調節する手順を示す図である。
Claims (20)
- 1種類よりも多くの電源と、
一方の入力端子は正弦波信号を入力し、他方の入力端子は比較電圧を入力し、出力端子は定義されたデューティレシオを有するクロック信号を出力する、遅延コンパレータと、
入力端子は前記遅延コンパレータの前記出力端子に接続されて前記クロック信号を直流レベルに変換し、出力端子は前記遅延コンパレータの前記他方の入力端子に接続されているPWMフィルタモジュールと、
を含む、中間周波数又は高周波数用長遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記PWMフィルタモジュールが、
前記入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、
前記逆クロック信号によって制御される第1のスイッチと、
前記クロック信号によって制御される第2のスイッチと、
一端が電源に接続され、他端が前記第1のスイッチに接続された第1の電源と、
一端が接地に接続され、他端がノードAに接続された第2の電源と、
一端が接地に接続され、他端が前記第2の電源に接続された第3の電源と、
一端が前記第2のスイッチに接続され、他端が前記電源に接続された第1の電流ミラーと、
一端が前記電源に接続され、他端が前記出力端子に接続された第2の電流ミラーと、
一端が接地に接続され、他端が前記出力端子に接続された電流−電圧変換器と、
を更に含む、請求項1に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記第1のスイッチが一対のPMOSトランジスタからなるORゲートであり、前記第2のスイッチが一対のNMOSトランジスタからなるORゲートである、請求項2に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記電流ミラーが2つのMOSトランジスタからなり、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、前記2つのMOSトランジスタのソースは前記電源に接続されており、前記他方のMOSトランジスタのドレインは出力である、請求項2に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記電流−電圧変換器がコンデンサである、請求項2に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 1種類よりも多くの電源と、
一方の入力端子は正弦波信号を入力し、他方の入力端子は比較電圧を入力し、出力端子は定義されたデューティレシオを有するクロック信号を出力する、遅延コンパレータと、
入力端子が前記遅延コンパレータの前記出力端子に接続されており、前記クロック信号を直流レベルに変換するPWMフィルタモジュールと、
入力端子が前記PWMフィルタモジュールの前記出力端子に接続されており、出力端子が前記遅延コンパレータの前記他方の入力端子に接続されており、前記PWMフィルタモジュールによって出力された前記直流レベルをフィルタに通すローパスフィルタ回路と、
を含む、中間周波数又は高周波数用長遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記ローパスフィルタ回路がトランスコンダクタンス演算増幅器である、請求項6に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記PWMフィルタモジュールが、
前記入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、
前記逆クロック信号によって制御される第1のスイッチと、
クロック信号によって制御される第2のスイッチと、
一端が電源に接続され、他端が前記第1のスイッチに接続された第1の電源と、
一端が接地に接続され、他端がノードAに接続された第2の電源と、
一端が接地に接続され、他端が前記第2の電源に接続された第3の電源と、
一端が前記第2のスイッチに接続され、他端が前記電源に接続された第1の電流ミラーと、
一端が前記電源に接続され、他端が前記出力端子に接続された第2の電流ミラーと、
一端が接地に接続され、他端が前記出力端子に接続された電流−電圧変換器と、
を更に含む、請求項6に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記第1のスイッチが一対のPMOSトランジスタからなるORゲートであり、前記第2のスイッチが一対のNMOSトランジスタからなるORゲートである、請求項8に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記電流ミラーが2つのMOSトランジスタからなり、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、前記2つのMOSトランジスタのソースは前記電源に接続されており、前記他方のMOSトランジスタのドレインは出力である、請求項8に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記電流−電圧変換器がコンデンサである、請求項8に記載の長遅延クロックパルス幅調節回路。
- 電源と、
一方の入力端子は正弦波信号を入力し、他方の入力端子は閾電圧を入力し、出力端子は定義されたデューティレシオを有するクロック信号を出力する、遅延コンパレータと、
前記入力クロック信号が浮動信号であるか否かを検出し、前記浮動信号に従って電圧差を出力する検出回路と、
出力端子が前記遅延コンパレータの前記他方の入力端子に接続されており、前記検出回路によって出力された前記電圧差に従って前記クロック信号を補正する補正回路と、
を含む、中間周波数又は高周波数用短遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記検出回路が、
入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、
前記クロック信号及び前記逆クロック信号によって制御される電流スイッチと、
前記電流スイッチの一方の入力に接続されており、前記クロック信号が高レベルである際に前記補正回路の前記コンデンサを充電する第1の電流ミラー回路と、
前記電流スイッチの他方の入力に接続された第2の電流ミラー回路と、
前記第2の電流ミラー回路に接続されており、前記クロック信号が低レベルである際に前記補正回路の前記コンデンサを放電する第3の電流ミラー回路と、
を含む、請求項12に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記検出回路が、バイアス電流を前記電流スイッチに提供するために使用される電源回路を更に含む、請求項13に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記検出回路が、
入力クロック信号を逆にして逆クロック信号を出力するインバータと、
互いに直列接続され、前記クロック信号及び前記逆クロック信号によって制御される第1及び第2の電流スイッチと、
一端が電源に接続され、他端が前記第1の電流スイッチに接続されており、前記クロック信号が高レベルの際に前記補正回路の前記コンデンサを充電する第1の電源回路と、
一端が前記第2の電流スイッチに接続され、他端が接地に接続されており、前記クロック信号が低レベルの際に前記補正回路の前記コンデンサを放電する第2の電源回路と、
を少なくとも含む、請求項12に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。 - 前記電流スイッチが、2つのMOSトランジスタからなるORゲートである、請求項13、請求項14、又は請求項15に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記電流ミラー回路が2つのMOSトランジスタからなり、一方のMOSトランジスタのドレイン及びゲートは他方のMOSトランジスタのゲートに接続されており、前記2つのMOSトランジスタのソースは前記電源に接続されており、前記他方のMOSトランジスタのドレインは出力である、請求項13、請求項14、又は請求項15に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記補正回路が電流−電圧変換回路及び比較回路を含む、請求項12乃至請求項15に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記補正回路は、演算増幅器、NMOSトランジスタ、及び抵抗からなる電源回路である、請求項18に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。
- 前記電流−電圧変換回路はMOSトランジスタ及びコンデンサを含む、請求項18に記載の短遅延クロックパルス幅調節回路。
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