JP4354177B2 - 転がり機械要素 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールガイド、ローラガイド、ボールスプライン及びボールブッシュ等の転がり機械要素に係り、特にガイドブロック(ボールガイド、ローラガイド等の場合)や外筒(ボールスプライン、ボールブッシュ等の場合)の軌道面端部に楕円形を基礎としたクラウニングを形成することで、該クラウニング端に近い部分でも転動体に多くの負荷が作用するようにして、負荷能力、剛性及び精度を飛躍的に高めた転がり機械要素に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に示すように、ボールガイド1は、ガイドブロック2がレール3上を矢印A又は矢印B方向に移動可能に構成されたものであって、ガイドブロック2内においては、転動体の一例たる多数の玉4が整列状態で循環転動しており、軌道面長さlt の範囲内に位置する玉4がレール3の軌道面3a及びガイドブロック2の軌道面2aに接触することで、ガイドブロック2に作用する外部荷重を支えるようになっている。
【0003】
ローラガイド、ボールスプライン及びボールブッシュ等も同様に転動体が循環転動する構成になっているが、ボールスライドやクロスローラガイド等のように、転動体が循環しない構成のものもある。
【0004】
いずれにしても、これらの転がり機械要素において、軌道面両端部にどのようにクラウニングを付与するかは、走行精度や寿命等、あらゆる性能を決めてしまうくらい重要な要因である(非特許文献1)。
【0005】
しかし従来のクラウニング2bは、図10に示すように、クラウニング長さ(クラウニング始点oからクラウニング端aまでの長さ)Xr 、クラウニング逃げ量λe となり、クラウニング始点oにおいて軌道面2aと接するような半径Rの円弧5を基礎としたものであった。なお、この半径Rは数式1で表され、円弧5は数式2で表されるものである。
【0006】
【数1】
【数2】
【0007】
円弧5を忠実に形成することは製造コストの上昇につながるため、実際には、図11に示すように、円弧5を基礎としながら、クラウニング始点oとクラウニング端2cのクラウニング逃げ量λe だけ逃げた点aとを結ぶ直線状に面取りするか、又は図12に示すように、クラウニング始点oから円弧5上の点d、点c、点bそして点aを夫々頂点とする多角形形状に形成していた。
【0008】
ところが、円弧クラウニングの場合には、図10に示すように、クラウニング始点oからの距離xに対するクラウニング逃げ量λx が、距離xが短いうちから大きくなってしまうため、平坦な軌道面2aに位置する玉4が受ける荷重に対するクラウニング長さXr の範囲内に位置する玉4の負荷の割合(負荷率)が低くなってしまっていた。
【0009】
これは即ち軌道面長さlt 内に位置している玉4を十分に生かしきれていないことを意味するものであり、負荷容量、剛性及び精度を高めるにはクラウニングの形状を円弧形状とは別の形状を基礎とするものに改める必要があった。
【0010】
【非特許文献1】
清水茂夫:直動ボールガイドシステムの負荷分布と精度・剛性に関する研究、精密工学会誌、58、11(1992)
【非特許文献2】
清水茂夫:直動ベアリングの動定格荷重について、日本トライボロジー学会、44、11(1999)
【非特許文献3】
清水茂夫:直動転がり案内要素の動負荷容量、廣済堂印刷(1999)24
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、転動体が軌道面に整列状態で出入りすることで、第1部材が第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、転動体の出入り点となる第1部材の軌道面の端部に楕円形のクラウニングを形成することによって、クラウニングの範囲内に位置する転動体の負荷率を向上させて転がり機械要素の負荷容量、剛性及び精度を高めることである。
【0012】
また他の目的は、上記構成において、転動体の出入り点となる第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円形のクラウニングを形成することによって、規格や仕様等によって定められた最大ラジアル荷重が作用したときにクラウニング端に位置する転動体に作用する転動体荷重がちょうど0となるようにすることであり、またこれによって転動体の負荷率を高く維持しつつ、軌道面負荷圏への転動体の滑らかな進入と送出を可能にすることである。
【0013】
更に他の目的は、上記構成において、第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円を基礎とし、該楕円上の複数点を頂点とする多角形形状のクラウニングを形成することによって、クラウニングの加工を容易にし、負荷容量、剛性及び精度を高めた転がり機械要素の製造コストを低減させることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
要するに本発明(請求項1)は、転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に楕円形(円弧形を除く)のクラウニングが形成されたことを特徴とするものである。
【0015】
また本発明(請求項2)は、転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円形(円弧形を除く)のクラウニングが形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
また本発明(請求項3)は、転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円(円弧を除く)を基礎とし、該楕円上の複数点を頂点とすると共に、前記転動体が負荷を受けながら転がり運動する多角形形状のクラウニングが形成されたことを特徴とするものである。
また本発明(請求項4)は、転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に楕円形(円弧形を除く)を基礎とし、該楕円上の複数点を頂点とすると共に、前記転動体が負荷を受けながら転がり運動する多角形形状のクラウニングが形成されたことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明する。本発明の第1実施例に係る転がり機械要素10は、図1において、軌道面14が形成された第1部材の一例たるガイドブロック11と、該ガイドブロック11が転動体の一例たる玉13を介して取り付けられ、該ガイドブロック11を所定の方向に案内可能に構成された第2部材の一例たるレール12とを備え、該玉13がガイドブロック11の軌道面14に整列状態で出入りすることで、ガイドブロック11がレール12の案内方向に移動可能に構成された、例えばボールガイドであり、玉13の出入り点となるガイドブロック11の軌道面14の端部に、所定のクラウニング逃げ量λe を短軸とする楕円形15を基礎としたクラウニング14aが形成されている。
【0018】
クラウニング始点oを原点とし、軌道面14方向をx軸、ガイドブロック11の高さ方向をy軸とすると、長軸の1/2(クラウニング逃げ幅)Xr、短軸の1/2(クラウニング逃げ量)λeより、楕円形15の方程式は、数式3で表される。
【0019】
【数3】
【0020】
クラウニング逃げ幅Xr の長さは任意に定めることができるが、軌道面14の中央付近まで取ると、軌道面長さlt のほぼ全範囲がクラウニングされた、いわゆるフルクラウニング状態となり、剛性と寿命は低下するが、案内精度は格段に向上し、摩擦抵抗は格段に少なくなると考えられる。
【0021】
従来の円弧クラウニングと比較するために、図1において、クラウニング開始点oとクラウニング端aとを結ぶ半径Rの円弧16を示しているが、楕円形15を基礎としたクラウニング14aと円弧16を比較してみると、クラウニング始点oとクラウニング端aの位置は共通しているが、クラウニング14aの方がy軸原点方向への盛上がりが大きく、この盛上がりが玉13の負荷率を向上させるようになっている。
【0022】
次に本発明の第2実施例に係る転がり機械要素20は、図2から図4において、軌道面24が形成された第1部材の一例たるガイドブロック21と、該ガイドブロック21が転動体の一例たる玉13を介して取り付けられ、該ガイドブロック21を所定の方向に案内可能に構成された第2部材の一例たるレール22とを備え、該玉13がガイドブロック21の軌道面24に整列状態で出入りすることで、ガイドブロック21がレール22の案内方向に移動可能に構成された、例えばボールガイドであり、玉13の出入り点となるガイドブロック21の軌道面24の端部に、所定のクラウニング逃げ量λeを短軸の1/2とする楕円15を基礎とし、該楕円15上の複数点a,b,c,oを頂点とする多角形形状のクラウニング24aが形成されている。
【0023】
クラウニング24の基礎となる楕円15については、本発明の第1実施例と同様であり、また頂点は点a,b,c,oの4箇所に限られず、これより多くても少なくてもよい。
【0024】
転がり機械要素20は、例えばボールガイドであるため、図4に示すように、ガイドブロック11の両端にエンドプレート25が取り付けられており、該エンドプレート25内を玉13が通過することにより、該玉13がガイドブロック11内を循環転動するようになっている。
【0025】
本発明は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。本発明の第2実施例に係る転がり機械要素20におけるガイドブロック21の作用について説明すると、図4に示すように、ガイドブロック21とレール22との間には、玉13が介在しているので、固定されたレール22に対してガイドブロック21を、レール22の案内方向、即ち矢印C又は矢印D方向に自由に移動させることができる。このとき玉13はガイドブロック21内を矢印G又は矢印H方向に循環転動する。
【0026】
ガイドブロック21に基本動定格荷重の1/2のラジアル荷重Fが作用している場合には、クラウニング24a以外の軌道面24では、該軌道面24、玉13及びレール22の間に、クラウニング逃げ量λe と同じ量の変形が生じている。
【0027】
この玉13が矢印H方向に進んでクラウニング24aの範囲に入ると、クラウニング端に近づくに従って玉荷重が減少して行き、クラウニング端に到達したときに玉荷重がちょうど0となって、矢印H方向に進んで行く。クラウニング端で玉荷重がちょうど0になるのは、ラジアル荷重Fによってガイドブロック11がクラウニング逃げ量λe だけ下降し、クラウニング端における軌道面24とレール22との間の隙間が玉径と等しくなるからである。
【0028】
逆に玉13が矢印G方向に進んで来るときには、玉13がクラウニング端に達したときには玉荷重は0であるが、進んで行くに従って玉荷重が増加して行き、クラウニング始点で玉荷重が最大となり、そのまま軌道面24を転動して行く。このときの軌道面24、玉13及びレール22の間の変形量は、クラウニング逃げ量λe と同じ量である。
【0029】
国際標準化機構(ISO)で規定された寿命計算式は、同じくISOで合意された式から求められる基本動定格荷重の1/2以下のラジアル荷重下で適用される。
【0030】
従って該基本動定格荷重の1/2のラジアル荷重下での玉変形量に相当するクラウニング逃げ量λe を与えておけば、該ラジアル荷重が作用しているときでも、クラウニング24aを含めた軌道面24全体が玉13と接するので、十分な負荷容量を得ることができ、またクラウニング端における軌道面24とレール22との間の隙間が玉径と等しくなるので、軌道面24への玉13の出入りが円滑になる。
【0031】
ここでボールガイドにおけるクラウニングが、円弧クラウニング、放物線クラウニング及び楕円クラウニングの場合の計算例を表1に示す。計算条件としては、玉径Dw =6.35mm、クラウニング逃げ量λe =0.023228mm、適合係数f(=軌道面半径R/玉径Dw )=0.52、円弧クラウニングにおける円の半径R=867.983mmとし、基本動定格荷重Cの1/2のラジアル荷重Fが作用するものとした。
【0032】
【表1】
【0033】
表1における第1列は、図1において、クラウニング始点oからx軸方向の距離と、楕円形15の長軸の1/2(クラウニング幅)Xrの比であり、無次元量である。第2列と第3列は、従来例に係る円弧クラウニング及び放物線クラウニングの場合を示し、第4列と第5列は、本発明に係る楕円クラウニングの場合を示している。第2列と第4列は、クラウニング始点oからy軸方向の距離λx を示し、第3列と第5列は、玉の負荷率(1−λx /λe )1.5を示している。なお、円弧クラウニングと放物線クラウニングは2次式のため、距離λx は有効数字の範囲で合致し、負荷率も一致するため同じ欄に記載している。
【0034】
負荷率は、玉がクラウニング部に位置するときの玉荷重と、クラウニング部でない軌道面に位置するときの玉荷重との比であり、クラウニング始点oでは1となり、クラウニング端aでは玉荷重が0となるため、負荷率も0となる。
【0035】
表1より、楕円クラウニングの場合の負荷率は、クラウニング幅x/Xr =0.5で80.6%であり、円弧クラウニング及び放物線クラウニングの65%と比べても、負荷率が高いことがわかる。このことを線図で示すと、図5に示すようになる。
【0036】
▲1▼は、円弧クラウニングの場合を示しており、▲2▼が楕円クラウニングの場合を示している。縦軸に距離λx を示した下側の線図は、クラウニングの形状をそのまま示したものである。楕円クラウニングの方が、ハッチング面積の分だけ、円弧クラウニングよりも下方に盛り上がっていることがわかる。
【0037】
また縦軸に負荷率を示した上側の線図を見ると、ハッチング面積の分だけ、円弧クラウニングの場合よりも負荷率が上昇していることがわかる。
【0038】
図6においては、横軸に適合係数fを取り、縦軸に基本動定格荷重C、該基本動定格荷重Cの1/2のラジアル荷重が作用したときの玉荷重Qc 、クラウニング逃げ量λe 、玉荷重Qc が作用したときの変形量δQc、最大ヘルツ応力σmax 及び玉径Dw /クラウニング逃げ量λe について夫々示している。計算条件は、軌道面長さlt =72mm、玉径Dw =6.35mm、玉列数it =2列、そして接触角α=45°である。接触角α=45°ということは、玉と軌道面がラジアル荷重の作用方向に対して45°傾いて接触していることを意味している。
【0039】
図6の最も下側の線図より、適合係数f=0.51乃至0.55に対して、玉径Dw とクラウニング逃げ量λe との比は、270乃至290になることがわかる。
【0040】
次に転がり機械要素10がローラガイドである場合における、クラウニングの計算例を表2に示す。計算条件としては、ころ径Dw =6.35mm、ころ長さLw =6.35mm、クラウニング逃げ量λe =0.016829mm、ころ有効長さ係数fL (=ころ有効長さLwe/ころ長さLw )=0.7、円弧クラウニングにおける円の半径R=1198.015mmとし、基本動定格荷重Cの1/2のラジアル荷重Fが作用するものとした。
【0041】
【表2】
【0042】
表2の各列が意味するところは、表1と同様である。表2より、楕円クラウニングの場合の負荷率は、クラウニング幅x/Xr =0.5で85.2%であり、円弧クラウニング及び放物線クラウニングの72.6%と比べても、やはり負荷率が高くなることがわかる。このことを線図で示すと、図7に示すようになる。
【0043】
図5と同様に、▲1▼は、円弧クラウニングの場合を示しており、▲2▼が楕円クラウニングの場合を示している。縦軸に距離λx を示した下側の線図は、クラウニングの形状をそのまま示したものである。楕円クラウニングの方が、ハッチング面積の分だけ、円弧クラウニングよりも下方に盛り上がっていることがわかる。
【0044】
また縦軸に負荷率を示した上側の線図を見ると、ハッチング面積の分だけ、円弧クラウニングの場合よりも負荷率が上昇していることがわかる。
【0045】
図8においては、横軸にころ有効長さ係数fL を取り、縦軸に基本動定格荷重C、該基本動定格荷重Cの1/2のラジアル荷重が作用したときの玉荷重Qc 、クラウニング逃げ量λe 、玉荷重Qc が作用したときの変形量δQc 、最大ヘルツ応力σmax 及び玉径Dw /クラウニング逃げ量λe について夫々示している。計算条件は、軌道面長さlt =72mm、ころ径Dw =6.35mm、玉列数it =2列、そして接触角α=45°である。
【0046】
図6の最も下側の線図より、ころ有効長さ係数fL =0.6乃至0.9に対して、玉径Dw とクラウニング逃げ量λe との比は、330乃至460になることがわかる。
【0047】
なお、上記実施例においては、転がり機械要素10,20をボールガイドとして説明したが、これに限るものではなく、例えばローラガイド、ボールスプライン、ボールブッシュ等の転がり機械要素であってもよい。レールや軸による案内方向は直線方向に限られず、Rガイドのように、レールが湾曲していてもよい。
【0048】
転動体は玉に限られず、円筒ころ、針状ころ、球面ころ又は円錐ころ等、どのようなものであってもよい。また転動体は、ガイドブロックや外筒内を循環転動するものに限られず、クロスローラガイドやボールスライドのように、レールやリテーナ等に回動自在に取り付けられたものであってもよい。
【0049】
転動体が一定の接触角を持ってガイドブロック及びレールと接触するように構成されている場合には、クラウニング逃げ量λe は該接触角方向の転動体の弾性変形量で定めればよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、上記のように軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、転動体が軌道面に整列状態で出入りすることで、第1部材が第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に楕円形のクラウニングを形成したので、クラウニングの範囲内に位置する転動体の負荷率を向上させることができるため、転がり機械要素の負荷容量、剛性及び精度を高めることができる効果がある。
【0051】
また上記構成において、転動体の出入り点となる第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円形のクラウニングを形成したので、規格や仕様等によって定められた最大ラジアル荷重が作用したときにクラウニング端に位置する転動体に作用する転動体荷重がちょうど0となるようにすることができ、またこの結果転動体の負荷率を高く維持しつつ、軌道面負荷圏への転動体の滑らかな進入と送出を可能にし得る効果がある。
【0052】
更には、上記構成において、第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円を基礎とし、該楕円上の複数点を頂点とする多角形形状のクラウニングを形成したので、クラウニングの加工を容易にし得、負荷容量、剛性及び精度を高めた転がり機械要素の製造コストを低減させることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る転がり機械要素において、楕円クラウニングの形状及び方程式を示す部分縦断面図である。
【図2】図2から図4は、本発明の第2実施例に係り、図2は転がり機械要素において、クラウニング部分を拡大して示す部分縦断面図である。
【図3】転がり機械要素において、ガイドブロックの軌道面両端のクラウニング、玉及びレールを示すと共に、ガイドブロックにラジアル荷重が作用して玉が変形し該ガイドブロックが下降した状態を強調して示す側面図である。
【図4】ラジアル荷重を受けたガイドブロック内を玉が循環転動しながらレール上を移動する状態を示す部分縦断面図である。
【図5】ボールガイドにおける、クラウニング形状及び負荷率の計算結果を示す線図である。
【図6】ボールガイドにおける、適合係数と基本動定格荷重、玉荷重、クラウニング逃げ量、玉変形量、最大ヘルツ応力、玉径とクラウニング逃げ量との比を夫々示す線図である。
【図7】ローラガイドにおける、クラウニング形状及び負荷率の計算結果を示す線図である。
【図8】ローラガイドにおける、適合係数と基本動定格荷重、玉荷重、クラウニング逃げ量、玉変形量、最大ヘルツ応力、玉径とクラウニング逃げ量との比を夫々示す線図である。
【図9】図9から図12は、従来例に係り、図9はボールガイドの縦断面図である。
【図10】円弧クラウニングの形状及び方程式を拡大して示す部分縦断面図である。
【図11】円弧を基礎として、クラウニング始点とクラウニング端とを直線状に面取りして形成したクラウニングの縦断面図である。
【図12】円弧を基礎として、クラウニング始点からクラウニング端までを円弧状の複数点を順に結び、多角形形状に形成したクラウニングの縦断面図である。
【符号の説明】
10 転がり機械要素
11 第1部材の一例たるガイドブロック
12 第2部材の一例たるレール
13 転動体の一例たる玉
14 軌道面
14a クラウニング
15 楕円
20 転がり機械要素
21 第1部材の一例たるガイドブロック
22 第2部材の一例たるレール
24 軌道面
24a クラウニング
Claims (4)
- 転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に楕円形(円弧形を除く)のクラウニングが形成されたことを特徴とする転がり機械要素。
- 転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円形(円弧形を除く)のクラウニングが形成されたことを特徴とする転がり機械要素。
- 転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に、所定のクラウニング逃げ量を短軸の1/2とする楕円(円弧を除く)を基礎とし、該楕円上の複数点を頂点とすると共に、前記転動体が負荷を受けながら転がり運動する多角形形状のクラウニングが形成されたことを特徴とする転がり機械要素。
- 転動体が負荷を受けながら転がり運動する軌道面が形成された第1部材と、該第1部材が前記転動体を介して取り付けられ該第1部材を所定の方向に案内可能に構成された第2部材とを備え、前記転動体が前記軌道面に整列状態で出入りすることで、前記第1部材が前記第2部材の案内方向に移動可能に構成された転がり機械要素において、前記転動体の出入り点となる前記第1部材の軌道面の端部に楕円形(円弧形を除く)を基礎とし、該楕円上の複数点を頂点とすると共に、前記転動体が負荷を受けながら転がり運動する多角形形状のクラウニングが形成されたことを特徴とする転がり機械要素。
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