本発明は、データ伝送装置に関し、特に、ディジタル伝送において最適な伝送モードでデータを伝送するデータ伝送装置に関するものである。
近年、データを伝送するディジタル伝送等では、地上系ディジタルテレビジョン放送やハイビジョン伝送技術が確立しつつある。一例として、ディジタル伝送や地上系ディジタルテレビジョン放送への応用に適しており、マルチパスフェージングやゴーストに強いという特徴のある直交周波数分割多重変調方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex:以下OFDM変調方式と略称する。)を例に挙げて説明する。
このOFDM変調方式は、標準規格(ARIB STD−B33 社団法人 電波産業会、以下、ARIB STDと略称する。)として定められている。このOFDM変調方式は、マルチキャリア変調方式の一種であり、送信すべき所定のデータ量を互いに直交するn本(nは数十〜数百)の搬送波でディジタル変調を施した伝送方式である。図9は、OFDM変調方式を説明するための図であって、多数のディジタル変調波DC、Δf、2Δf、・・・・(n−1)Δfを加算し、OFDM変調信号を得ることを示している。そしてこのOFDM変調信号は、シンボル周期Aの繰返し信号から構成されている。なお、I軸信号、Q軸信号は、直交座標軸上のI軸信号、Q軸信号であり、互いに直交関係を保つように多重されている。
図10は、このようにしてOFDM変調された伝送信号の1シンボル周期Aの構成を示している。1シンボルA(約50μsec)は、ガードインターバルGIと有効データシンボルDSとから構成されている。更に、詳細に説明すると、例えば、1シンボル周期Aは、1152サンプルで構成され、有効データシンボルDSは、1024サンプル、ガードインターバルGIは、128サンプルから構成されている。ガードインターバルGIは、有効データシンボルDSの一部GI’を複写した区間である。従ってGIとGI’は、同じ信号で構成されている。なお、OFDMディジタル伝送システムでは、1024サンプルを1Kサンプル(1Kモードとも言う。以下同様とする。)と称する。また、2048サンプルは、2Kサンプルであり、サンプル数としては、1K、2K、・・・8K等のサンプル(モード)がある。
上記のディジタル変調方式としては、4相差動位相偏移変調方式(DQPSK:Differential Quadrature Phase Shift Keying)が最もよく用いられるが、16値直交振幅変調(16QAM:16 Quadrature Amplitude Modulation)や64QAMなどの多値変調方式を用いることも可能である。OFDM方式は、ガードインターバルを付加することにより、ガードインターバル期間内の遅延時間の遅延波に対しては、そのシンボル間干渉による劣化を避けることが出来るため、マルチパスフェージングやゴーストに対して強い耐性を有している。
ここで、ARIB STD−B33で定めているOFDMフレーム構成について説明する。図11は、OFDMフレーム構成、例えば、1Kフルモードのフレーム構成を示している。この1Kフルモードのフレーム構成は、図11に示すようにCP(Continual Pilot)、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)、AC(Auxiliary Channel)、Null(Null Carrier)、Data(Data Carrier)の5種類のキャリアで構成されている。また、キャリア数nは、857本である。その内Dataキャリアは、672本(図11の表示のない部分)、CPは、108本、ACは、66本、TMCCは、10本、Nullは、1本で構成されている。また、このTMCC信号の構成は、図12に示す通りである。このTMCC信号は、ARIB STD−B33で定めている各種の情報、例えば、変調方式、誤り訂正、サンプル数等の伝送方式の各種モード識別用情報を204ビット(0〜203シンボル)の信号として伝送する。
而して、従来のOFDM送受信機の構成の一例を図7に示す。図7において、送信機701は、主データ符号化部702、補助データ符号化部703、TMCC変換部704およびOFDM変調部705から構成されている。外部の符号化器、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2の符号化器で画像信号は、TS(Transport Stream)形式のディジタル信号D(以下主データDと略称する。)に変換され、入力信号端子Dinから主データ符号化部702に入力される。主データ符号化部702では、畳み込み符号化、データを間引くパンクチャ、インターリーブ等を適宜行い、OFDM変調部705に入力される。
一方、外部からの補助データAC(Auxiliary Channel)は、補助データ入力端子ACinから補助データ符号化部703に入力され、畳み込み符号化、パンクチャ、インターリーブ等を行い、OFDM変調部705に印加される。なお、補助データACは、音声や連絡データなどの付加情報を伝送するためのもので、適宜使用が許されている。
TMCC変換部704は、前述したようにOFDM伝送信号の各種モードを決定し、送信側にその情報を送信するもので、その詳細を図8で説明する。まず、OFDM変調信号の伝送では、変調方式、符号化率、高速フーリエ変換(以降、FFT(Fast Fourier Transform)と称する。)サンプル数等のように伝送モードが多数(例えば、数十通り。)存在する。従って、OFDM変調信号をどのモードを使用して伝送するかを適宜判断し、伝送しなければならない。前述したようにOFDM変調信号は、伝送路のマルチパスフェージングやゴースト等に対して耐性が有るとは言え、やはり伝送路の状況で伝送モードを最適なものにして伝送する必要のあることは言うまでもない。
図8は、TMCC変換部704の概略構成を示すブロック図である。図8において、TMCC変換部704は、TMCCキャリアデータ変換部801、変調方式切替スイッチ802、符号化率切替スイッチ803およびIFFT(逆高速フーリエ変換:Inverse Fast Fourier Transform)サンプル数切替スイッチ804から構成されている。変調方式切替スイッチ802は、主データ符号化部702および補助データ符号化部703で符号化された信号をDQPSK、QPSK、16QAM、32QAMあるいは64QAM等の各変調方式からいずれかの変調方式を選択するスイッチである。例えば、16QAM変調方式を選択した場合、上述の主データおよび補助データがOFDM変調部205において、16QAM変調方式でOFDM変調信号に変換される。
また、符号化率切替スイッチ803は、主データあるいは補助データを符号化する場合、伝送帯域の関係から符号化率を、例えば、5/6、3/4、2/3あるいは1/2等に圧縮して伝送する必要があり、この符号化率を切替えるスイッチである。従って、このスイッチで符号化率を選択し、OFDM変調部705から例えば、符号化率3/4でOFDM変調信号として出力する。
また、IFFTサンプル数切替スイッチ804は、前述した1K、2K、・・・8K等のサンプル数からどのサンプル数でサンプルするかを選択するスイッチである。例えば、1Kサンプルを選択すると、1シンボル当たり1024サンプルでOFDM変調信号に変換される。
以上のようにして変調方式切替スイッチ802、符号化率切替スイッチ803およびIFFTサンプル数切替スイッチ804でそれぞれ選択されると、それら選択された信号(以下、モード情報と称する。)は、TMCCキャリアに変換するTMCCキャリアデータ変換部801に入力され、その後OFDM変調部705にてOFDM信号に変調され、図11に示されるOFDMフレーム構成の信号となり、伝送路706を介して受信機707に送信される。
受信機707は、OFDM復調部708、主データ復号化部709、補助データ復号化部710から構成されている。送信機701から送られてきたOFDM変調信号は、OFDM復調部708においてOFDM復調される。ここで主データDと補助データACに分離され、主データDは、主データ復号化部709においてデインターリーブ、デパンクチャ、ビタビ復号等を行い出力信号端子Doutから外部の復号化器などへ出力される。一方、補助データACは、補助データ復号化部710においてデインターリーブ、デパンクチャ、ビタビ復号等がなされ、補助データ出力端子ACoutから出力される。
以上、従来のOFDM変調信号の送受信について説明したが、上記説明から明らかなようにOFDM変調信号の伝送では、変調方式、符号化率、IFFTサンプル数等のように伝送モードが多数存在する。従って、OFDM変調信号をどのモードを使用して伝送するかを適宜判断し、伝送しなければならず、実際の運用においては、どのモードが最も最適なモードかを判断するには、実際にデータを伝送してみないと判別が不可能である。
また、無線通信方法及び無線通信装置(例えば、特許文献1参照)には、回線状態に応じて最適な周波数および変調方式を選択して伝送効率を向上させたり、通信不能状態をなくす技術についての記載がある。
上記従来技術では、データを伝送する場合、伝送路の状況に応じてOFDM変調信号の送受信機がどのモードで伝送するのが最も良いかを手動で、全てのモードを伝送し、確認しなければならないが、OFDM変調信号の伝送モードが数百通りも存在するので、その設定および確認作業を行うだけでも非常な労力が必要となるという問題がある。
本発明の目的は、伝送路の状態に応じて最適なモードでデータを伝送できるデータ伝送装置を提供することである。
本発明の他の目的は、自動的に伝送モードを切替えて最適な伝送モードを選択することのできるデータ伝送装置を提供することである。
本発明は、送信機および受信機間をOFDM変調信号でデータを伝送するデータ伝送装置において、上記送信機は、OFDM変調部と、少なくとも上記OFDM変調信号の変調方式、符号化率およびサンプル数のいずれか一つを切替えるためのモード切替部と、上記切替えたモードのモード情報を上記OFDM変調信号に付加するモード情報付加部からなり、上記受信機は、上記送信機から送られるOFDM変調信号を復調するOFDM復調部と、上記OFDM変調信号から上記モード情報を識別するためのモード情報識別部および上記送信機から送られるOFDM変調信号の受信状態を判別する受信状態判別部から構成される。
また、本発明のデータ伝送装置において、上記モード切替部は、更にモード切替制御部および記憶部を有し、上記記憶部は、上記OFDM変調信号の複数の変調方式、複数の符号化率および複数のサンプル数で表される複数のモードを記憶し、上記モード切替制御部は、上記記憶部に記憶されている上記複数のモードを読出し、上記読み出されたモードで上記送信機を動作させるように構成される。
また、本発明のデータ伝送装置において、上記受信状態判別部は、上記OFDM復調部から得られる復調信号のエラー情報からデータ伝送のための最適なモードを選択するように構成される。
また、本発明のデータ伝送装置において、上記受信状態判別部は、上記送信機の上記モード切替制御部で切替えられる各モードについて上記OFDM変調信号の受信状態を判別すると共に、上記OFDM変調信号の受信状態が所定の受信状態になるまで上記受信状態判別部は、上記送信機の上記モード切替部にモード切替情報を送信する。
更に、本発明のデータ伝送装置において、上記モード情報識別部は、更に記憶部を有し、上記記憶部は、上記受信状態判別部から出力される各モードの上記OFDM変調信号の受信状態を記憶すると共に、所定の受信状態になったモード情報を上記送信機の上記モード切替部に送信するように構成される。
以上説明したように、本発明によれば使用する伝送路に応じて最適な伝送モードが選定され、操作者がモードの切り替えや伝送状態の確認を行う手間を省くことが出来る。また、受信側で検出した結果を送信側に伝送し、送信側で最適な伝送モードに自動的に制御することにより最適なデータ伝送装置を実現することができる。
図1は、本発明の一実施例を説明するための概略構成を示すブロック図である。図1において、101は、TMCC変換部、102は、OFDM変調部、103は、OFDM復調部、104は、TMCC識別部である。なお、図7と同じものには同じ符号が付されている。以下、TMCC変換部101、OFDM変調部102、OFDM復調部103、TMCC識別部104について図2〜図5を用いて説明する。
図2は、OFDM変調部102の具体的な構成を示すブロック図である。図2において、主データ符号化部702で符号化された主データは、端子201を介して主データマッピング部202に印加される。主データマッピング部202では、主データに基づいて、例えば、16QAMの場合、I−Q座標上に16ポイントのマッピングを行う。CP発生部203は、規準位相をBPSK(Binary Phase Shift Keying)でマッピングを行うため、一定振幅のキャリア信号発生部である。このCPキャリアは、図11に示すようにキャリア方向に8キャリアに1回挿入される。
補助データマッピング部205は、補助データACが入力端子204から印加され、例えば16QAMやQPSKなどのマッピングが行われる。TMCC変換部206は、上述した変調方式、符号化率、IFFTサンプル数等の切替のためのもので、詳細については、図4で説明する。TMCC変換部206からのTMCC情報は、TMCCマッピング部207で、例えば、DBPSKなどのマッピングが行われる。
変調統合部208は、各々マッピングされた、主データD、CPデータ、補助データACおよびTMCC情報を図11に示すキャリア配置パターンに従い順次選択する。IFFT(inverse First Fourier Transform)209は、入力される信号を周波数成分とみなして、1024サンプルの時間波形(有効データシンボルDS)を作成する。この処理によって直交関係のあるマルチキャリア変調が行なわれる。ガード付加部210は、有効データシンボルDSの最終部分の時間波形の一部GI’をその前のガードインターバルGIとして付加し、1シンボル周期Aの波形を作る。DA変換部211は、ディジタル・アナログ変換部で、アナログ信号に変換すると共に、I成分とQ成分の入力を直交変調し、例えば20.45MHzのアナログIF信号に変換する。IF変換部212は、中間周波変換部で、例えば、130MHzのIF信号に変換する。送信高周波部213は、IF信号をマイクロ波帯に周波数変換し、電力増幅した後、出力端子214から伝送路706を介して受信機707に送信される。なお、OFDM変調部の駆動用システムクロック発生部等は、省略してある。
次に、OFDM復調部103の構成について図3を用いて説明する。図3において、受信機701から伝送路706を介して送信されたOFDM変調信号は、端子301から受信高周波部302で受信され、IF変換部303で中間周波数に変換され、AD変換部304に供給される。AD変換部304では、例えば20.45MHzのアナログIF信号を直交復調し、デジタル信号に変換すると共に直交座標系のI成分とQ成分の信号に変換される。FFT(First Fourier Transform)部305は、1024サンプルからなる時間波形から、その周波数成分を求める。
復調部306は、CP抽出&補間部307、補正部308および分離部309で構成されている。CP抽出&補間部307は、前述した8本毎に配置されたCPキャリアを取り出し、CPキャリアの位相や振幅成分を基にデータキャリアで生じている位相や振幅変化を示す補正データを生成する。補正部308は、CP抽出&補間部307で生成した補正データに基づいてデータキャリアの伝送時に生じた特性を逆補正し、データキャリアの位相と振幅を修正する。分離部309は、主データキャリア成分、補助データキャリア成分およびTMCC情報を分離する。主データ識別部310は、得られたマッピング点から主データキャリアの伝送データ値を求め、端子313から出力する。補助データ識別部311は、得られたマッピング点から補助データキャリアの伝送データ値を求め、端子713から出力する。TMCC識別部312の詳細については、図5で説明する。なお、OFDM復調部103の各部の動作タイミングや周期を制御する時間同期制御部等は省略してある。
次に、図2のTMCC変換部206は、上述した変調方式、符号化率、IFFTサンプル数等の切替のためのもので、詳細については、図4で説明する。TMCC変換部206からのTMCC情報は、TMCCマッピング部207で、例えば、16QAMやQPSKなどのマッピングが行われる。TMCC変換部206について図4を用いて説明する。図4は、TMCC変換部206の概略構成を示すブロック図である。図4において、TMCC変換部206は、TMCCキャリアデータ変換部401、変調方式自動切替部402、符号化率自動切替部403、IFFTサンプル数自動切替部404および各モード自動切替制御部405から構成されている。従来のOFDM変調信号の送受信について説明したが、上記説明から明らかなようにOFDM変調信号の伝送では、変調方式、符号化率、IFFTサンプル数等のように伝送モードが多数存在するため、OFDM変調信号をどのモードを使用して伝送するかを適宜判断し、伝送しなければならない。しかし、実際の運用においては、どのモードが最も最適なモードかを判断するには、実際にデータを伝送してみないと判別が不可能であり、大変な労力と、時間がかかる問題がある。
そこで本発明では、データ伝送装置の最適な伝送モード、即ち、変調方式、符号化率、IFFTサンプル数等の種々の伝送モードを順次切替えて伝送するものである。TMCC変換部206は、そのように構成され、動作する。各モード自動切替制御部405は、その内部に例えば、ROMのような記憶部406を具えており、この記憶部406には、上述の各種モードが記憶されている。例えば、OFDM変調方式については、DQPSK、QPSK、16QAM、32QAM、64QAM等のデータ伝送に使用される変調方式の一部または全部が記憶されている。また、符号化率については、5/6、3/4、2/3あるいは1/2等、符号化に際しての符号化率の一部または全部が記憶されている。更に、IFFTサンプル数として、例えば、1K、2K、・・・8K等のサンプル数が記憶されている。なお、各変調方式、各符号化率、各サンプル数のことを以下では、各モードと称することにする。
そして、本発明のデータ伝送装置は、使用する前にまずデータ伝送装置の最適なモードを選定する。即ち、データ伝送装置は、設定場所等によっては、伝送路の状態が変化するため最適な伝送モードを選択し、動作させる必要がある。従って、各モード自動切替制御部405は、記憶部406に記憶されている各モードからそれぞれ1つを選択し、データ伝送装置をそのモードに設定する。例えば、OFDM変調方式では、DQPSKを選択し、変調方式自動切替部402を制御してOFDM変調部の変調方式をDQPSKにセットする。同時に変調方式がDQPSKであることを示す情報(以下、モード情報と称する。以下同様とする。)をTMCCキャリアデータ変換部401に送る。また、符号化率についても、例えば、5/6を選択し、符号化率自動切替部403を制御してOFDM変調部の符号化率を5/6にセットする。同時に、符号化率が5/6であることを示す情報(モード情報)をTMCCキャリアデータ変換部401に送る。更に、IFFTサンプル数では、1Kサンプルを選択し、IFFTサンプル数自動切替部404を制御してOFDM変調部のIFFT209を1Kサンプルにセットする。同時にIFFTサンプル数が1Kサンプルであることを示す情報(モード情報)をTMCCキャリアデータ変換部401に送る。TMCCキャリアデータ変換部401では、変調方式自動切替部402、符号化率自動切替部403およびIFFTサンプル数自動切替部404からそれぞれ送られてきた変調方式、符号化率およびサンプル数に関するモード情報をキャリアデータに変換し、OFDM変調部102に送る。送り方は、図12に示すTMCC信号として送られるが、特に、TMCC信号の例えば、設定データ(41ビットで構成)の数ビットを使用して受信機707に送信する。
受信機707では、送信機701から送られたTMCC信号からモード情報を識別し、その伝送モードでデータが復調できるようにOFDM復調部103をセットし、データを復調する。これについて図5を用いて説明する。図5は、TMCC識別部の概略構成を示すブロック図である。図5において、TMCC識別部312は、TMCCキャリアデータ判別部501、FFTサンプル数自動判別部502、符号化率自動判別部503、変調方式自動判別部504および制御部506から構成されている。
而して、OFDM復調部103の復調部306で復調された信号の内、TMCCキャリアデータ(図12に示す。)は、TMCCキャリアデータ判別部501において、OFDM伝送方式のFFTサンプル数、符号化率および変調方式のモード情報をそれぞれ分離し、それぞれFFTサンプル数自動判別部502、符号化率自動判別部503、変調方式自動判別部504にてそれぞれ変調方式、符号化率、FFTサンプル数を自動判別し、制御部506に供給する。制御部506は、記憶部507を有し、これらの判別した信号を記憶する。同時に、復調部306およびFFT部305が送られてきた各モードで復調できるように、即ち、先に説明したように送信機701から送られてきたデータは、それぞれ変調方式は、DQPSKで変調され、符号化率は、5/6、また、サンプル数は1Kサンプルであるため、これらのモードでデータが復調されるように復調部306およびFFT部305がセットされ、復調される。
一方、復調部306の出力は、受信状態自動判別部505に供給される。この受信状態自動判別部505は、上述した伝送モードで伝送路を送られてきたデータが良好か、良好でないかを判別する判別部である。この判別部の一実施例を図6で説明する。図6において、復調部306の出力は、通常、ビタビ訂正部601およびRS訂正部で誤り訂正され元のデータに戻される。従って、受信状態自動判別部505は、カウンタ603および604で構成され、カウンタ603は、ビタビ訂正前のエラーをカウントするカウンタであり、また、カウンタ604は、RS訂正前のエラーをカウントするカウンタである。そして、例えば、このカウンタのカウント値に基づいて、データ伝送装置の動作モードを選定することで、最適な動作モードを選択できる。例えば、本発明のデータ伝送装置を6時間程度の範囲で使用する場合、BER(Bit Error Rate)は、例えば、1×10−4程度であれば、そのモードでの使用が可能であることを示す。また、本発明のデータ伝送装置を24時間使用する場合、BERは、例えば、1×10−5以下で使用する必要があると言うように判定する。なお、この判定の基準は、上述のものに限られるものではなく、データ伝送装置の構成、伝送路の状況、データの信頼性等で適宜選択されるものであり、また、実験的に定めることができる。
さて、上述において、例えば、受信状態自動判別部505のBERが1×10−4以上であると、選択された伝送モードでは、良好なデータ伝送ができないことになる。この場合は、先に図4で説明したように各モード自動切替制御部は、記憶部406から次の伝送モードを選択する。例えば、OFDM変調方式では、QPSKを選択し、変調方式自動切替部402を制御してOFDM変調部の変調方式をQPSKにセットする。同時に変調方式がQPSKであることを示すモード情報をTMCCキャリアデータ変換部401に送る。また、符号化率についても、例えば、3/4を選択し、符号化率自動切替部403を制御してOFDM変調部の符号化率を3/4にセットする。同時に、符号化率が3/4であることを示すモード情報をTMCCキャリアデータ変換部401に送る。更に、IFFTサンプル数では、2Kサンプルを選択し、IFFTサンプル数自動切替部404を制御してOFDM変調部のIFFT209を2Kサンプルにセットする。同時にIFFTサンプル数が2Kサンプルであることを示すモード情報をTMCCキャリアデータ変換部401に送る。TMCCキャリアデータ変換部401では、変調方式自動切替部402、符号化率自動切替部403およびIFFTサンプル数自動切替部404からそれぞれ送られてきた変調方式、符号化率およびサンプル数に関する情報をキャリアデータに変換し、OFDM変調部102に送る。OFDM変調部102では、TMCC信号として前述と同様にTMCC信号の設定データ(41ビットで構成)の数ビットを使用してモード情報をTMCC信号に乗せ、これを受信機707に送信する。なお、送られてきたデータの復調および受信状態の判別は、前述と同様であるので詳細な説明は、省略する。このようにして、伝送モードが順次切替えられ、伝送路に応じた最適な伝送モードが選択でき、データ伝送装置をそのモードに設定することができる。
次に、本発明の他の一実施例について図13を用いて説明する。図13は、受信機707からの制御信号を伝送路1301を介して送信機701に伝送する一実施例の概略構成を示すブロック図である。なお、各部の符号は、図1、図4および図5の各部の符号に対応する。上記実施例では、TMCC識別部104において伝送されてきたデータのモードが良好か、良好でないかの判定結果が得られることを説明し、良好でない場合は、送信機側で、適宜送信モードを切替えて送信することについて説明した。しかし、受信機側での判定結果の良否を送信機側にフィードバックする方法には、種々の方法が考えられる。例えば、第1の方法は、各モード自動切替制御部405で1つの伝送モードを選択してデータを伝送し、受信状態自動判別部505で判定し、その結果を受信機707側から送信機701側に通知し、次の伝送モードを選択するという方法である。第2の方法は、送信機側の各モード自動切替制御部405が順次所定間隔で伝送モードを切替え、受信機側では、それぞれの伝送モーデでのBER(Bit Error Rate)を図5記載のTMCC識別部312の記憶部507に記憶し、その後記憶されたBERを判定し、最適な伝送モードを判定し、その結果のみを受信機側から送信機側に通知し、その伝送モードでデータを送信する方法である。このいずれの方法もオペレータが無線あるいは有線で連絡することもできるが、図13に示すように判定結果を信号として伝送することもできる。
図13においては、例えば、TMCC識別部104で判定した結果を伝送路(無線、有線を含む。)1301を介してTMCC変換部101に伝送し、制御部405を切替えて記憶部406に記憶されている伝送モードを読出し、自動的に切替えることもできる。この場合、受信機側で判定結果が出る度にBERを判定し、所定のBERに達していない場合、伝送モードを順次切替えるようにしたり、あるいは、送信機側で所定の間隔で自動的に伝送モードを順次切替えてデータを伝送し、その中から最適な伝送モードを選択し、その信号を受信機側に送信し、その最適な伝送モードでデータを伝送することもできる。いずれにしても本発明を適応したデータ伝送装置は、伝送路の状態に応じて適宜最適な伝送モードでデータを伝送できるという利点がある。
上記説明したように送信機側では、TMCCキャリアを用いてデータ伝送装置が有する伝送モードの一部または全部を自動で切替ながらデータ伝送し、受信機側では、各モードの伝送時のBER等を検出し、この判定結果からどのモードが伝送に最適かを判別できるので、各モードの良否の確認作業の手間を省くことが可能となる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載されたデータ伝送装置の実施例に限定されるものではなく、上記以外のデータ伝送装置に広く適応することが出来ることは、言うまでも無い。
本発明の一実施例を説明するためのブロック図である。
本発明のOFDM変調部を説明する概略ブロック図を示す。
本発明のOFDM復調部を説明する概略ブロック図を示す。
本発明で使用するTMCC変調部の一実施例を説明するためのブロック図を示す。
本発明で使用するTMCC識別部の一実施例を説明するためのブロック図を示す。
本発明で使用する受信状態自動判定部の一実施例のブロック図を示す。
従来のOFDM伝送装置の一例を説明するためのブロック図を示す。
従来のTMCC変換部の一例を示すブロック図である。
OFDM信号の構成を説明するための図である。
OFDM信号の1シンボル周期の波形を説明するための図である。
OFDM変調方式のフレーム構成を説明するための図である。
TMCCキャリアデータを説明するための図である。
本発明の他の一実施例を説明するためのブロック図である。
符号の説明
101、206、704:TMCC変換部、102、705:OFDM変調部、103、708:OFDM復調部、104:TMCC識別部、201:主データ入力端子、202:主データマッピング部、203:CP発生部、204:補助データ入力端子、205:補助データマッピング部、207:TMCCマッピング部、208:変調統合部、209:IFFT、210:ガード付加部、211:DA変換部、212:IF変換部、213:送信高周波部、214:出力端子、301:入力端子、302:受信高周波部、303:IF変換部、304:AD変換部、305:FFT、306:復調部、307:CP抽出&補間部、308:補正部、309:分離部、310:主データ識別部、311:補助データ識別部、312:TMCC識別部、313:主データ出力端子、314:補助データ出力端子、401:TMCCキャリアデータ変換部、402:変調方式自動切替部、403:符号化率自動切替部、404:IFFTサンプル数自動切替部、405:各モード自動切替制御部、406:記憶部、501:TMCCキャリアデータ判別部、502:FFTサンプル数自動判別部、503:符号化率自動判別部、504:変調方式自動判別部、505:受信状態自動判別部、506:制御部、507:記憶部、601:ビタビ訂正部、602:RS訂正部、603:ビタビ訂正前エラーカウンタ、604:RS訂正前エラーカウンタ、701:送信機、702:主データ符号化部、703:補助データ符号化部、706:伝送路、707:受信部、709:主データ復号化部、710:補助データ復号化部。