JP4356232B2 - ロータ重心偏心型モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータ重心がロータの回転軸心より偏心したロータ重心偏心型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型のコンプレッサは、ピストンおよびシリンダを用いるコンプレッサに比較して種々の利点をもち、スクロール型のエアポンプは軸流翼や遠心翼をもつエアポンプに比較して低回転数で所望の吐出圧を得られるので、小型化できるという利点を有している。しかし、スクロール型のコンプレッサ又はエアポンプはその回転軸に偏心荷重を発生させるので、モータの回転軸にこの偏心荷重を相殺するカウンタウエイトを取り付けている。
【0003】
また、 振動モータでは、モータの回転軸に積極的にカウンタウエイトを取り付け、このカウンタウエイト回転の反動としてモータハウジングが振動する現象を利用して振動力を得ている。
【0004】
図5、図6に、カウンタウエイトを装着した同期モータのIPM(内部埋め込み永久磁石)型ロータの従来例を示す。
100は回転軸、101はロータコア、102はカウンタウエイト、103はすべて点対称形状に配置されたロータコアの軸方向貫通孔、104は永久磁石、105は永久磁石収容孔である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5からわかるように、ロータがカウンタウエイトをもつことにより、ロータの軸方向長が増大して出力当たりの重量、体格が増大するという問題が生じた。また、カウンタウエイトがロータコアの端面近傍のスペースを占有するために、ロータコアの端面に冷却ファンを設けることが困難となり、冷却性能が低下し、その分だけ更にモータ体格が増大するという問題もあった。更に、カウンタウエイトを製造し、それを回転軸に安定に固定する作業が必要となり、部品点数および作業工数が増大するという問題もあった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、重量、体格の増大を抑止し、冷却ファン設置が容易であり、部品点数および作業工数を低減可能なロータ重心偏心型モータを提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のロータ重心偏心型モータは、インナロータ型アキシャルエアギャップモータに使用される軟磁性材製のロータコアにおいて、前記ロータコアの内周面寄りの位置にて略軸方向に形成され、前記ロータコアの径方向断面における重心位置を前記ロータコアの回転軸心よりも偏心させるロータコア偏心用の孔を有し、前記孔は、前記ロータコアの両端面間を貫通する貫通孔であり、前記貫通孔に挿入されて内部空気を軸方向一方側に付勢する螺旋形状の翼を有することを特徴としている。
【0008】
すなわち、本発明では、孔が全体として偏心して形成されているために、ロータコア自体がカウンタウエイトとして機能する。なお、ロータコアの内周面近傍に設けても、磁束はこの孔の径方向外側を通過できるため、ロータコアの電磁性能にはほとんど悪影響を与えることがない。
【0009】
このため、カウンタウエイト省略による小型軽量化、ロータコアの端面に冷却ファンを設けることができるため冷却性能の向上、及び、部品点数および作業工数の低減を実現できる他、ロータコア端面への冷却ファン設置による冷却性能向上が可能となる。
【0011】
そして、本構成によれば、この貫通孔を通じて冷却空気流を流すことができるので、ロータコア冷却性能が向上可能となる。
【0013】
更に、貫通孔内の空気を軸方向へ付勢することができ、ロータコア冷却効果を向上することができる。
【0014】
請求項2記載の構成によれば、インナロータ型アキシャルエアギャップモータに使用される軟磁性材製のロータコアにおいて、前記ロータコアの内周面寄りの位置にて略軸方向に形成され、前記ロータコアの径方向断面における重心位置を前記ロータコアの回転軸心よりも偏心させるロータコア偏心用の孔を有し、前記孔は、前記ロータコアの両端面間を貫通する貫通孔であり、前記貫通孔よりも径方向外側に形成された遠心翼を有し、前記遠心翼は、前記貫通孔から出た空気を遠心方向へ付勢することを特徴としている。
【0015】
本構成によれば、貫通孔内の空気を軸方向へ付勢することができ、ロータコア冷却効果を向上することができる。
【0016】
なお、この遠心翼は、貫通孔からでた空気を優先的に遠心翼の径方向内側に案内するシュラウドガイドを有することができる。もちろん、このシュラウドガイドを持たなくても遠心翼の径方向内側は遠心翼により他の部分よりも相対的に負圧とされるので、貫通孔に空気流を形成することができる。
【0017】
本発明に至る試験的な形態として、例えば請求項1記載のロータ重心偏心型モータにおいて更に、前記孔は、前記ロータコアの径方向へ伸びる線対称中心線の両側に線対称形状に形成しても良い。
【0018】
このような形態では、孔が線対称形状に形成されているため、カウンタウエイト効果を損なうことなく回転バランスを向上することができる。また、例えば請求項1記載のロータ重心偏心型モータにおいて更に、前記ロータコアは、前記孔の径方向外側に位置して周方向等ピッチで偶数個の永久磁石を有し、周方向に隣接する一対の孔間の境界部の周方向中心は、周方向に隣接する一対の永久磁石間の境界部の周方向中心と周方向略同位置に配置すれば、最も磁束密度が高い永久磁石間の境界部における磁気飽和を抑止し、磁気抵抗を減少することができる。
【0019】
また、例えば請求項1記載のロータ重心偏心型モータにおいて更に、前記ロータコアの端面に隣接乃至近接してカウンタウエイトをもち、このカウンタウエイトの偏心荷重効果は前記孔のそれと一致する配置を有するとすれば、小さなカウンタウエイトにより大きな荷重偏心効果を実現することができる。
【0020】
更に、例えば、前記ロータコアの端面に隣接乃至近接して前記カウンタウエイトの非存在スペースに前記カウンタウエイトと一体に遠心翼を有するとすれば、部品点数を増加したり、モータ体格を増大することなく、冷却性能を向上することができる。
【0021】
なお、インナロータ型アキシャルエアギャップモータに使用される軟磁性材製のロータコアにおいて、前記ロータコアの内周面寄りの位置にて略軸方向に形成され、前記ロータコアの径方向断面における重心位置を前記ロータコアの回転軸心よりも偏心させるロータコア偏心用の孔を有し、回転軸心を中心として前記孔と所定角度離れて、前記ロータコアよりも高比重物質が充填された第二の孔を有する、とすることができる。
【0022】
この形態では、孔の荷重偏心効果と高比重物質の荷重偏心効果の相乗効果により体格を増大することなく、一層大きな偏心荷重を実現することができる。
【0023】
尚、上述したロータ重心偏心型モータにおいて、スクロール型のコンプレッサ又はエアポンプを駆動するモータとすることが可能であり、スクロール型のコンプレッサ又はエアポンプ装置を小型軽量化することができる。
【0024】
また、上述したロータ重心偏心型モータにおいて、振動モータとすれば、振動モータを小型軽量化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のロータ重心偏心型モータの好適な実施態様を以下の実施例により詳細に説明する。
【0026】
【実施例1】
本発明のロータ重心偏心型モータのロータの軸方向断面図を図1に、その径方向断面図を図2に示す。なお、図2はロータコア21のみを示す。
【0027】
1は回転軸、2はロータ、3はハウジング、4はステータ、5,6は球軸受けである。ステータは、積層電磁鋼板製のステータコアと、ステータコアの内周部のスロットに挿通された電機子コイルとを有している。ロータ2は、積層電磁鋼板製のロータコア21、永久磁石22、遠心翼23,24を有している。
【0028】
ロータコア21は、図2に示すように、永久磁石22を収容する磁石収容孔211と、磁石収容孔211の径方向内側に配置された通風孔212〜216と高比重物質充填孔217とを有している。
【0029】
通風孔212〜216は、ロータコア21の径方向断面の一方の半円部に線対称中心線Mを中心として線対称に配置されている。通風孔212〜216のうち、線対称中心線M上の通風孔214が最も大面積をもち、通風孔212、216が最も小面積に形成されている。
【0030】
高比重物質充填孔217は、通風孔214と180度離れた位置に配置され、内部に鉛棒が挿通、固定されている。
【0031】
遠心翼23は、略輪板状の翼支持板25の外周面の一面側に翼支持板25のプレス加工により形成されている。翼支持板25はロータコア21の一端面に溶接されてるがスルーボルトで締結されてもよい。図1に示すようにこの翼支持板25は、通風孔212〜216の出口側の開口を囲んで配置されている。通風孔212〜216から出た冷却風は通風孔212〜216の径方向外側に設けられた遠心翼23へ、シュラウドガイドとして機能する翼支持板25により案内される。
【0032】
遠心翼24は、従来同様にロータコア21の他端面に溶接されている。31は、ハウジング3の端壁に貫設されて遠心翼24の径方向内側に外部より冷却風を導入する通風孔である。通風孔31から導入された冷却風の一部は遠心翼24に、残部は通風孔212〜216を通じて遠心翼23に流れ込む。
【0033】
上記説明したこの実施例のロータ重心偏心型モータによれば、ロータ重心偏心型モータの小型軽量と冷却性の向上とを図ることができる。
【0034】
この実施例では、通風孔212〜216は、ロータコア21の径方向へ伸びる線対称中心線の両側に線対称形状に形成され、通風孔214から両側へ順次通風孔が小型化しているので、カウンタウエイト効果を損なうことなく回転バランスを向上することができる
更に、この実施例では、互いに周方向に隣接する磁石収容孔211間の境界部と、通風孔212と213、214と215間の境界部が周方向同じ位置とされているので、最も磁束密度が高い永久磁石間の境界部における磁気飽和を抑止し、磁気抵抗を減少することができる。
【0035】
【実施例2】
他の実施例を図3に示す。図3はロータ重心偏心型モータのロータコア21の一部を示す。
【0036】
この実施例では、ロータコア21の両端にカウンタウエイト7を設ける。このカウンタウエイト7の径方向断面における重心位置は、ロータコア21の通風孔212〜216の負の重心位置と180度逆の位置となっている。これにより大きな偏心荷重を得ることができる。更に、この実施例では、カウンタウエイト7は、径方向断面において、カウンタウエイト7により占有されないスペース部分に遠心翼71を設けている。円盤部72により、遠心翼71はカウンタウエイト7と一体に形成され、通風孔212〜216は遠心翼71の径方向内側に開口している。円盤部72はシュラウドガイドを兼ねている。
【0037】
【実施例3】
他の実施例を図4に示す。図4は、ロータコア8に設けた一個の通風孔81のみを示す模式断面図である。
【0038】
この通風孔81は実施例1,2と同様にロータコア8に偏心荷重を与える。この実施例では特に、樹脂成形により螺旋溝が形成された螺旋棒状体9を通風孔81に挿入したものである。図4は螺旋棒状体9の軸方向一点における断面を示す。
【0039】
(a)から(b)、(c)、(d)へ順次90度ずつロータコア8が回転すると、この螺旋棒状体9は通風孔81内でちょうど1回自転することがわかる。すなわち、この螺旋棒状体9は、ロータコア8が回転すると、通風孔81内の空気を軸方向に付勢することができる。
(変形態様)
なお、上記実施例では、IPMロータ構造を例として本発明のロータ重心偏心型モータについて説明したが、SPMロータ構造、電機子コイル構造、リラクタンストルク構造、誘導ロータ構造など、種々のロータ構造に適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータ重心偏心型モータを適用したIPMロータの一実施例を示す軸方向断面図である。
【図2】図1のロータの径方向断面図である。
【図3】実施例2のロータコアの軸方向部分断面図である。
【図4】実施例3を示すロータコアの径方向模式図である。
【図5】従来のカウンタウエイト付設型ロータ重心偏心型モータのIPMロータを示す側面図である。
【図6】 図5のロータの径方向断面図である。
【符号の説明】
217 高比重物質充填孔
Claims (2)
- インナロータ型アキシャルエアギャップモータに使用される軟磁性材製のロータコアにおいて、前記ロータコアの内周面寄りの位置にて略軸方向に形成され、前記ロータコアの径方向断面における重心位置を前記ロータコアの回転軸心よりも偏心させるロータコア偏心用の孔を有し、
前記孔は、前記ロータコアの両端面間を貫通する貫通孔であり、
前記貫通孔に挿入されて内部空気を軸方向一方側に付勢する螺旋形状の翼を有することを特徴とするロータ重心偏心型モータ。 - インナロータ型アキシャルエアギャップモータに使用される軟磁性材製のロータコアにおいて、前記ロータコアの内周面寄りの位置にて略軸方向に形成され、前記ロータコアの径方向断面における重心位置を前記ロータコアの回転軸心よりも偏心させるロータコア偏心用の孔を有し、
前記孔は、前記ロータコアの両端面間を貫通する貫通孔であり、
前記貫通孔よりも径方向外側に形成された遠心翼を有し、前記遠心翼は、前記貫通孔から出た空気を遠心方向へ付勢することを特徴とするロータ重心偏心型モータ。
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