JP4367285B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、画像形成装置に関し、特に、それに備えられた転写手段への電力供給制御に関する。
この種の画像形成装置では、周囲環境(特に温度や湿度)によって転写手段、像担持体及びそれにニップされる被記録用紙の各電気抵抗値が大きく変動する。従って、この周囲環境変化に応じて適切な電力供給を行う必要がある。例えば電力供給不足になれば被記録媒体上のトナーの付着力が不足することによるトナーの飛散が発生してしまったり、像担持体上に転写しきれなかったトナーが残ってしまい、その転写残トナーが被記録媒体上の他の位置に転写されてしまうことになる。逆に電力供給過剰になれば放電により像担持体が破損してしまうおそれがあるからである。
そこで、下記特許文献1には、転写手段への出力電圧値毎に、最適電圧値−測定電流値の特性曲線を用意しておき、現在の出力電圧値に対応する特性曲線を選択し、その特性曲線に基づき現在測定された電流値に対応する最適な出力電圧値になるよう制御するものである。
特開平6−308844号公報
しかしながら、上記特許公報1には、どのようにして特性曲線を導き出すのかについて具体的に記載されておらず、最適な電力制御が行えるとは言い難かった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、転写手段系の負荷抵抗値の変動による影響を抑制して精度が高く応答性のよい電力制御を行うことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る画像形成装置は、像担持体に担持されたトナー像を被記録媒体に転写するための転写手段と、前記転写手段に与える電流値及び電圧値のうち一方を制御対象としてその制御対象値に応じた電力を前記転写手段に供給する電力供給手段と、前記転写手段に対する電圧値を検出する電圧検出手段と、前記転写手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電圧検出手段及び前記電流検出手段の両検出値を取得して、前記両検出値或いは前記制御対象でない他方の検出値と、前記制御対象の最適値との相関関係を示す特性曲線に基づき導き出した制御対象の最適値を、前記電力供給手段における制御対象値として決定する決定手段と、を備える画像形成装置であって、前記特性曲線は、前記転写手段による転写時に転写不良が実質的に発生しない状態が得られた、前記両検出値或いは前記他方の検出値、及び、前記制御対象の最適値の各実験結果値を、N次整式関数において増減傾向が途中で反転しない非反転部分を利用し、前記非反転部分の範囲外については、当該非反転部分における増減傾向と同じ傾向を有する他の直線または曲線を利用して近似した曲線であることを特徴とする。
なお、「画像形成装置」にはプリンタ(レーザプリンタ)だけでなく、ファクシミリ装置や、プリンタ機能及びスキャナ機能等を備えた複合機も含まれる。また、「被記録媒体」には、用紙以外に、例えばOHPシートなどが含まれる。
また、上記発明には次の構成が含まれる。
(1)電流値が制御対象値の場合
(a)電流値及び電圧値の両検出値(即ち、転写手段に連なる回路系の抵抗値)−最適電流値の特性曲線に基づき、両検出値(検出抵抗値)に対応する最適電流値を決定する構成。
(b)電圧値の検出値−最適電流値の特性曲線に基づき、その電圧値の検出値に対応する最適電流値を決定する構成。
(2)電圧値が制御対象値の場合
(a)電流値及び電圧値の両検出値(即ち、転写手段に連なる回路系の抵抗値)−最適電圧値の特性曲線に基づき、両検出値(検出抵抗値)に対応する最適電圧値を決定する構成。
(b)電流値の検出値−最適電圧値の特性曲線に基づき、その電流値の検出値に対応する最適電圧値を決定する構成。
なお、「非反転部分における増減傾向と同じ傾向を有する他の直線または曲線」とは、例えば上記非反転部分における増減傾向が増加傾向であれば、それと同様の増加傾向の直線又は曲線、或いは、傾きゼロの直線を意味する。逆に、非反転部分における増減傾向が減少傾向であれば、それと同様の減少傾向の直線又は曲線、或いは、傾きゼロの直線を意味する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記決定手段による前記制御対象値の決定動作は、1枚の前記被記録媒体に対する転写動作時間よりも短い所定の時間間隔で実行されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記所定の時間間隔は、前記転写手段及び前記像担持体の対向位置に対して前記被記録媒体の先端が到達してから当該被記録媒体の画像形成可能領域が到達するまでの時間よりも短い時間に設定されていることを特徴とする。
なお、「画像形成可能領域」とは、被記録媒体上において一定の画像形成品質が保証される領域であり、通常、被記録媒体の周端部を除く領域を意味する。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写不良は、転写電力不足による飛散、及び、転写電力過剰による放電のうち少なくともいずれか一方が発生する状態であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記各実験結果値は、画像形成装置の推奨使用条件での最低湿度下における実験によって得られた結果値であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記特性曲線に基づき決定される制御対象値は上限値が設けられていることを特徴とする。
<請求項1の発明>
本構成によれば、特性曲線は、整式(=「(多項式)」:加法・減法及び乗法(累乗含む)以外の演算を含まない式)関数によって近似した曲線である。従って、除算による丸め誤差がなく精度の高い電力制御が可能になる。
また、制御対象値の最適値及び検出値の相関関係は、途中で増減傾向が反転しないと考えられる。そこで、特性曲線は、N次整式関数において増減傾向が途中で反転しない非反転部分を利用して近似するようにした。また、その非反転部分の範囲外については、当該非反転部分における増減傾向と同じ傾向を有する他の直線または曲線を用いることが望ましい。
<請求項2の発明>
1枚の被記録媒体における湿気状態にばらつきある場合、その被記録媒体の各部位によって負荷抵抗が異なってくる。そこで、本構成では、1枚の被記録媒体に対する転写動作時間よりも短い時間間隔で制御対象値を制御し、各部位に対して最適な転写を行えるようにした。
<請求項3の発明>
通常、転写手段及び像担持体の対向位置(転写位置)に被記録媒体の先端が介在したときから転写手段に連なる回路系の負荷抵抗値が急激に変動する。そこで、本構成では、上記対向位置に対して被記録媒体の先端が到達してからその画像形成可能領域)が到達するまでの時間よりも短い時間に設定し、画像形成可能領域に対して最適な転写動作を行うことができるようにした。
<請求項4の発明>
例えば、転写電流不足の場合、被記録媒体上でトナーが飛び散る、いわゆる飛散や、前の被記録媒体への転写が十分されずに像担持体上に残留したトナーが像担持体1周後に当接する被記録媒体上に乗る、いわゆる転写残ゴーストなどの現象が生じる。また、転写電流が過大である場合、放電によって像担持体を破損させたり、被記録媒体上に放電模様が生じたりするおそれがある。つまり、このような現象が生じず一定の画像形成品質が保たれた状態の実験結果値を用いる(近似する)ことが好ましい。
<請求項5の発明>
通常、被記録媒体への転写中における、転写手段に連なる回路系の負荷抵抗値は、温度よりも湿度によって大きく変化する。従って、最低湿度下における実験によって得られた結果値に基づく特性曲線を用いることにより最低湿度を含む全ての推奨使用条件下においても転写不良を防止できる。
<請求項6の発明>
特性曲線は、その近似関数によって急激に発散する部分を有する場合があり、その部分で制御対象値を決定すると過剰な電力供給により放電が生じる場合がある。そこで、特性曲線に基づき決定される制御対象値に上限値を設ける構成とし、この上限値を超える場合には、当該上限値を制御対象値として決定する構成とした。
<参考例>
参考例を図1〜図5を参照しつつ説明する。
1.画像形成装置の全体構成
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタの参考例を示す要部側断面図である。図1において、レーザプリンタ1は、画像形成装置の装置本体としての本体フレーム2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
(1)フィーダ部
フィーダ部4は、本体フレーム2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端側(以下、一端側(図1で紙面右側)を前側、その反対側(図1で紙面左側)を後側とする。)端部の上方に設けられる給紙ローラ8および分離パッド9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる紙粉取りローラ10,11と、紙粉取りローラ10,11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部(後端部)において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部(前端部)が上下方向に移動可能とされている。また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して後端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ローラ8および分離パッド9は、互いに対向状に配設され、分離パッド9の裏側に設けられるばね13によって、分離パッド9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と分離パッド9とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
給紙された用紙3は、紙粉取りローラ10,11によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対のローラからなり、用紙3をレジスト後に、画像形成位置に送るようにしている。なお、画像形成位置は、用紙3に感光ドラム27上のトナー像を転写する転写位置であって、本参考例では、感光ドラム27と転写ローラ30との接触位置とされる。
なお、このフィーダ部4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側分離パッド25とを備えている。マルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側分離パッド25は、互いに対向状に配設され、マルチパーパス側分離パッド25の裏側に設けられるばね25aによって、マルチパーパス側分離パッド25がマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧されている。
マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側分離パッド25とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
(2)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部16、プロセスカートリッジ17および定着部18を備えている。
(a)スキャナ部
スキャナ部16は、本体フレーム2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20,21、反射鏡22,23,24を備えている。レーザ発光部からの発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22,23、レンズ21、反射鏡24の順に通過あるいは反射して、プロセスカートリッジ17の感光ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。
(b)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ17は、スキャナ部16の下方に設けられている。このプロセスカートリッジ17は、本体フレーム2に対して着脱自在に装着される感光体カートリッジとしてのドラムカートリッジ26と、ドラムカートリッジ26に収容される現像剤カートリッジとしての現像カートリッジ28とを備えている。なお、本体フレーム2の前面には、図1に示すように、下端部側を中心軸として開閉可能な前面カバー2aが設けられており、プロセスカートリッジ17はこの前面カバー2aを開けて本体フレーム2内に着脱可能に収容される。
現像カートリッジ28は、ドラムカートリッジ26に対して着脱自在に収容されており、現像剤担持体としての現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33、トナーホッパ34を備えている。
トナーホッパ34内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
そして、トナーホッパ34内のトナーは、トナーホッパ34の中心に設けられる回転軸35に支持されるアジテータ36により攪拌されて、トナーホッパ34の後側部に開口されたトナー供給口37から放出される。また、このアジテータ36は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(時計方向)に回転駆動される。なお、トナーホッパ34の両側壁(図1で紙面奥行き方向における両側壁)には、トナーの残量検知用の窓38が設けられており、回転軸35に支持されたワイパ39によって清掃される。
トナー供給口37の後方位置には、供給ローラ33が回転可能に設けられており、また、この供給ローラ33に対向して、現像ローラ31が回転可能に設けられている。これら供給ローラ33と現像ローラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。この供給ローラ33は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
また、現像ローラ31は、金属製のローラ軸31aに、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ31のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。なお、現像ローラ31には、現像時に、所定の現像バイアス電圧が印加される。また、この現像ローラ31は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
また、現像ローラ31の近傍には、層厚規制ブレード32が設けられている。この層厚規制ブレード32は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部40を備えている。層厚規制ブレード32は、現像ローラ31の近くにおいて現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブレード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接されている。
そして、トナー供給口37から放出されるトナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給され、この時、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32の押圧部40と現像ローラ31との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
ドラムカートリッジ26は、感光ドラム27(本発明の「像担持体」に相当)、帯電器としてのスコロトロン型帯電器29、転写ローラ30(本発明の「転写手段」に相当)およびクリーニング手段としてのクリーニングブラシ64を備えている。
このうち、感光ドラム27は、現像ローラ31の後方において、その現像ローラ31と対向配置され、ドラムカートリッジ26において、矢印方向(時計方向)に回転可能に支持されている。この感光ドラム27は、筒状のドラム本体と、ドラム本体を支持し、そのドラム本体の軸心に設けられる金属製のドラム軸27aとを備えている。ドラム本体は、アルミニウム製の素管からなり、その表面には、ポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層が形成されている。また、ドラム軸27aは接地されている(図2参照)。
スコロトロン型帯電器29は、図1に示すように、感光ドラム27の上方に、感光ドラム27に接触しないように所定間隔を隔てて対向配置され、ドラムカートリッジ26に支持されている。このスコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電ワイヤ29aからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、その帯電ワイヤ29a及び感光ドラム27間にグリッド29bを備え、感光ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させる。また、帯電ワイヤ29aには所定の帯電バイアス電圧が印加される。
そして、感光ドラム27の表面は、その感光ドラム27の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部16からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ31の回転により、現像ローラ31の表面上に担持されかつ正極性に帯電されているトナーが、感光ドラム27に対向して接触するときに、感光ドラム27の表面上に形成された上記静電潜像に供給され、選択的に担持されることで可視化され現像が達成される。
転写ローラ30は、感光ドラム27の下方において、この感光ドラム27に対向配置され、ドラムカートリッジ26に、矢印方向(反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸30aに、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。
この転写ローラ30のローラ軸30aには、高電圧電源回路基板52に実装されたバイアス印加回路60が接続されており、上記転写位置において現像ローラ31に担持されたトナー像を用紙3に転写するための転写動作(以下、「順転写動作」という)時には、このバイアス印加回路60から順転写バイアス電圧Va1(転写用バイアス電圧)が印加される。また、参考例では、画像形成動作の前後や、画像形成動作中における各用紙3への転写動作の間などにおいて、転写ローラ30をクリーニングする際には、転写ローラ30には上記順転写バイアス電圧Va1とは逆極性の逆転写バイアス電圧Va2(逆転写用バイアス電圧)がバイアス印加回路60から印加される(以下、このときの動作を「逆転写動作」という)。これにより、転写ローラ30に付着したトナーを、感光ドラム27上に電気的に吐出させて、感光ドラム27の表面上に残存する残存トナーとともに現像ローラ31によって回収するようになっている。
クリーニングブラシ64は、感光ドラム27のドラム本体と対向接触するように設けられている。クリーニングブラシ64は、導電性部材から構成されており、所定のクリーニングバイアス電圧が印加され、感光ドラム27に付着する紙紛を除去する役割を果たす。
(c)定着部
定着部18は、図1に示すように、プロセスカートリッジ17の後方に設けられ、加熱ローラ41、加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、および、これら加熱ローラ41および押圧ローラ42の下流側に設けられる1対の搬送ローラ43を備えている。加熱ローラ41は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、押圧ローラ42は、この加熱ローラ41を押圧した状態で、この加熱ローラ41に従動して矢印方向(反時計方向)に回転される。そして、定着部18では、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。排紙パス44に送られた用紙3は、排紙ローラ45に送られて、その排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。
なお、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するために、反転搬送部47が設けられている。この反転搬送部47は、排紙ローラ45と、反転搬送パス48と、フラッパ49と、複数の反転搬送ローラ50とを備えており、これらが協働することにより、片面に画像が形成された用紙3を再度感光ドラム27と転写ローラ30との間に送ることで、用紙3の両面に画像を形成する構成になっている。
2.バイアス印加回路
さて、図2には、バイアス印加回路60の要部構成のブロック図が示されている。前述したように、このバイアス印加回路60は、転写ローラ30に対して、上記順転写動作時に順転写バイアス電圧Va1(負極性の電圧)を、上記逆転写動作時に逆転写バイアス電圧Va2(正極性の電圧)をそれぞれ印加するためのものである。
このバイアス印加回路60は、制御手段としてのCPU61と、順転写バイアス印加回路62(本発明の「電力供給手段」に相当)と、逆転写バイアス印加回路63とを備えている。各バイアス印加回路62,63は、転写ローラ30のローラ軸30aに接続される接続ライン90に、順転写バイアス印加回路62及び逆転写バイアス印加回路63の順序で直列に接続されている。また、バイアス印加回路60には、上記接続ライン90に流れる電流値に応じた検出信号S4を出力する出力検出回路83(本発明の「電流検出手段」としても機能する)を備えている。そして、順転写バイアス印加回路62は、CPU61のPWM(Pulse Width Modulation。パルス幅変調)制御によって電流制御され、一方、逆転写バイアス印加回路63は、CPU61のPWM制御によって定電圧制御される。また、CPU61にはメモリ100が接続されている。このメモリ100には、後述する特性曲線Xの情報が記憶されている。
(a)順転写バイアス印加回路
まず、順転写バイアス印加回路62について説明する。この順転写バイアス印加回路62は、順転写PWM信号平滑回路70、順転写トランスドライブ回路71、順転写昇圧・平滑整流回路72、順転写出力電圧検出回路73(本発明の「電圧検出手段」を構成)を備えている。
このうち、順転写PWM信号平滑回路70は、CPU61のPWMポート61aからのPWM信号S1を受けて平滑し順転写トランスドライブ回路71に与える役割を果たす。順転写トランスドライブ回路71は、受けたPWM信号S1に基づき、順転写昇圧・平滑整流回路72の1次側巻線75bに発振電流を流すよう構成されている。
順転写昇圧・平滑整流回路72は、トランス75、ダイオード76、平滑コンデンサ77などを備えている。トランス75は、2次側巻線75a,1次側巻線75b及び補助巻線75cを備えている。2次側巻線75aの一端は、ダイオード76を介して転写ローラ30のローラ軸30aに接続される接続ライン90に接続されている。一方、2次側巻線75aの他端は、逆転写バイアス印加回路63の出力端に共通接続されている。また、平滑コンデンサ77及び放電抵抗78がそれぞれ2次側巻線75aに並列に接続されている。
このような構成により、1次側巻線75bの発振電流は、順転写昇圧・平滑整流回路72において昇圧及び整流され、このバイアス印加回路60の出力端Aに接続された転写ローラ30のローラ軸30aに順転写バイアス電圧Va1として印加される。
順転写出力電圧検出回路73は、順転写昇圧・平滑整流回路72のトランス75の補助巻線75cと、CPU61とに接続されている。CPU61は、順転写バイアス印加回路62による順転写動作時において、補助巻線75cの間で発生する出力電圧Vbを検出して、その検出信号S2をCPU61のA/Dポート61bに入力するように構成されている。
(b)逆転写バイアス印加回路
次に、逆転写バイアス印加回路63について説明する。この逆転写バイアス印加回路63は、逆転写PWM信号平滑回路80、逆転写トランスドライブ回路81、逆転写昇圧・平滑整流回路82を備えている。
このうち、逆転写PWM信号平滑回路80は、CPU61のPWMポート61cからのPWM信号S3を受けて平滑し逆転写トランスドライブ回路81に与える役割を果たす。逆転写トランスドライブ回路81は、受けたPWM信号S3に基づき、逆転写昇圧・平滑整流回路82の1次側巻線85bに発振電流を流すよう構成されている。
逆転写昇圧・平滑整流回路82は、トランス85、ダイオード86、平滑コンデンサ87などを備えている。トランス85は、2次側巻線85a,1次側巻線85b及び補助巻線85cを備えている。2次側巻線85aの一端は、ダイオード86を介して上記順転写バイアス印加回路62の2次側巻線75aの他端に接続されている。一方、2次側巻線85aの他端は抵抗91を介して接地されている。また、この2次側巻線85aに対し平滑コンデンサ87及び1対の抵抗88,89がそれぞれ並列に接続されている。本参考例では、1対の抵抗88,89のうちの一方の抵抗89が検出抵抗とされ、この検出抵抗89に流れる電流値に応じた検出信号S4が増幅回路92を介してCPU61のA/Dポート61dにフィードバックさせる構成になっている。
このような構成により、1次側巻線85bの発振電流は、逆転写昇圧・平滑整流回路82において昇圧及び整流され、やはりこのバイアス印加回路60の出力端Aに接続された転写ローラ30のローラ軸30aに逆転写バイアス電圧Va2として印加される。
以上により、CPU61は、順転写動作時には、PWM信号S1を順転写バイアス印加回路62に与えて駆動させつつ、接続ライン90に流れる電流値に応じた検出信号S4に基づきこの電流値が後述する制御目標値である最適出力電流値Itになるように、デューティ比を適宜変更したPWM信号S1を順転写PWM信号平滑回路70に出力する電流制御を実行する。
また、CPU61は、逆転写動作時には、PWM信号S3を逆転写バイアス印加回路63に与えて駆動させつつ、検出抵抗89の負荷電圧に応じた検出信号S4に基づきこの負荷電圧値が所定の定電圧値になるように、デューティ比を適宜変更したPWM信号S3を逆転写PWM信号平滑回路80に出力する定電圧制御を実行する。
なお、本参考例では、順転写動作時及び逆転写動作時のいずれの動作時においても共通のA/Dポート61dによって出力検出回路83からの検出信号S4をフィードバックさせる構成になっている。順転写動作時における順転写バイアス電圧Va1と、逆転写動作時における逆転写バイアス電圧Va2とはレベル範囲が異なる。そこで、増幅回路92には、その増幅率を変化させるための増幅率変更手段93が設けられている。より具体的には、増幅回路92の増幅率を定める一対の帰還抵抗94,95の一方の帰還抵抗95に並列接続され、CPU61の出力ポート61eから出力される指令信号S5によってオンオフ動作するスイッチング手段としてのトランジスタ96(TFTなどであってもよい。)を備えている。このトランジスタ96は、コレクタが切替抵抗97を介して上記一対の帰還抵抗94,95の接続点に共通接続され、エミッタが接地されている。
そして、CPU61は、例えばPWM信号S1を出力する順転写動作時には出力ポート61eから指令信号S5を出力しない。このとき、検出信号S4は1対の帰還抵抗94,95の抵抗値によって定まる増幅率で増幅されてA/Dポート61dに取り込まれる。CPU61は、このとき取り込まれた検出信号S4を、順転写動作のためのフィードバック信号であるとして順転写バイアス印加回路62に対するフィードバック制御を行う。
これに対して、CPU61は、例えばPWM信号S3を出力する逆転写動作時には出力ポート61eから指令信号S5を出力する。このとき、検出信号S4は帰還抵抗94及び補助抵抗97の抵抗値によって定まる増幅率で増幅されてA/Dポート61dに取り込まれる。CPU61は、このとき取り込まれた検出信号S4を、逆転写動作のためのフィードバック信号であるとして逆転写バイアス印加回路63に対するフィードバック制御を行う。そして、切替抵抗97及び帰還抵抗95の各抵抗値は、順転写動作時及び逆転写動作時におけるそれぞれ検出信号S4レベルを同じレンジ(範囲)でA/Dポート61dに取り込めるように調整されている。
3.順転写動作における具体的制御内容
さて、本参考例のレーザプリンタ1においても、周囲環境(特に温度や湿度)によって転写ローラ30、感光ドラム27及びそれらにニップされる用紙3の各抵抗値が変動し得る。従って、順転写動作時においては特に、これらの周囲環境の変化に応じた適切な電力供給を行わなければ転写不良が生じるおそれがある。ここで、転写不良とは、転写電力不足による飛散、及び、転写電力過剰による放電のうちいずれかが発生する状態であり、印刷品質に実質的に影響を与える状態をいう。
そこで、本参考例では、転写ローラ30、感光ドラム27及び用紙3に流れる電流値、即ち、出力検出回路83からの検出信号S4が示す出力電流値Ii(本発明の「制御対象となる検出値」に相当)を制御対象としている。そして、この出力電流値Iiを、次述する特性曲線Xを用いて導き出された最適な値になるよう、PWM信号S1のデューティ比を増減させるようになっている。
(1)特性曲線について
本参考例の特性曲線Xは、転写ローラ30、感光ドラム27及びそれらにニップされる用紙3の負荷抵抗値Riに対応する、最適出力電流値It(本発明の「制御対象の最適値」)をそれぞれ実験的に求め、これを累乗関数(y=AxB。係数B<0。)によって近似した曲線である。
図3には、各実験結果のプロットPと、それを近似して導出された上記特性曲線Xが示されている。各実験結果は、レーザプリンタ1の製造メーカが提示する推奨使用条件での最低湿度(本参考例では例えば20%)下で負荷抵抗値Riを測定する。そして、このときに、レーザプリンタ1に印刷動作を実行させて実質的に転写不良が生じないような最適出力電流値Itを実験的に求める。そして、これらの作業を上記最低湿度を維持しつつ周囲温度を変化させて順次行うのである。
次に、本参考例において最低湿度下で実験結果をプロットした理由を説明する。通常、用紙3への転写動作時における負荷抵抗値Riは、温度よりも湿度によって大きく変動する。また、各負荷抵抗値Riに対する最適出力電流値Itを、温度及び湿度を変化させた場合の実験結果は、概ね図4のようになる。同図中のグラフXは、上記推奨使用条件での最低湿度下で温度を変化させた場合の実験結果を近似して得られた曲線である。一方、グラフYは、同推奨使用条件での最高湿度下で温度を変化させた場合の実験結果を近似して得られた曲線である。
これらの結果から分かるように、最高湿度下での実験結果を基に導き出した特性曲線Yを採用した場合、低湿度下になったときに転写電流不足となって、用紙3上にトナーが飛び散る、いわゆる飛散や、前の用紙3への転写が十分されずに残留したトナーが感光ドラム27の1周後に当該感光ドラム27に当接する次の用紙3上に乗る、いわゆる転写残ゴーストなどの転写不良が生じるおそれがある。
これに対して、最低湿度下での実験結果を基に導き出した特性曲線Xを採用した場合、たとえ高湿度になったとしても転写電力過剰による放電が印刷品質に影響を与えることは実質的にないことが実験的に確かめられている。そこで、本参考例では、最低湿度下での実験結果に基づく特性曲線Xを採用しているのである。
本参考例における特性曲線Xは、最低湿度下での各実験結果のプロットPから、累乗関数(y=AxB。係数B<0。)によって近似した曲線であり、次の数式1で示すことができる。
(数式1)
最適出力電流値It=A・RiB
Ri:検出された負荷抵抗値
A,B:係数。A<0。B<0。
(但し、順転写バイアス電圧Va1が正極性のときはA>0)
なお、累乗関数(y=AxB。係数B<0。)以外に、対数関数によって最低湿度下での各実験結果のプロットPを近似した曲線(図3で示した一点鎖線Z)であってもよい。同図からも分かるように、特性曲線Zも、特性曲線Xと同様、各実験結果のプロットPの軌跡に極めて接近した曲線となる。この近似曲線は、次の数式2で示すことができる。
(数式2)
最適出力電流値It=C・ln(Ri)+D
Ri:検出された負荷抵抗値
C,D:係数。C<0。D=<0。
(但し、順転写バイアス電圧Va1が正極性のときはC>0、D>=0)
(2)順転写動作時における制御内容
CPU61は、所定の制御タイミングで検出信号S2,S4を取り込んで現在の負荷抵抗値Riを算出し、この負荷抵抗値Riに対応する最適出力電流値Itを上記特性曲線Xを用いて導出し、この最適出力電流値Itを制御目標値として決定する。このとき、CPU61は本発明の「決定手段」として機能し、この動作が本発明でいう「制御対象値の決定動作」に相当する。そして、この制御目標値としての最適出力電流値Itと現在の出力電流値Iiとの差分量に応じてデューティ比を増減させたPWM信号S1を、次の制御タイミングで出力する。
具体的には、上記負荷抵抗値Riは、例えばCPU61により検出信号S2,S4に基づき算出される。つまり、CPU61は、検出信号S4から転写ローラ30等に流れる出力電流値Iiを検出する。また、検出信号S2から補助巻線75cの間で発生する出力電圧Vbを検出する。そして、下記数式3に示すように、この出力電圧Vbに補助巻線75c及び2次側巻線75aの電圧比nを乗じた電圧Vcと、抵抗88,89に出力電流値Iiを乗じた電圧Vdとの加算によって転写ローラ30への印加電圧値Viを求めることができる。そして、印加電圧値Viを出力電流値Iiで除算した値が現環境下における負荷抵抗値Riとなる。
(数式3)
負荷抵抗値Ri={n*Vb+(r1+r2)*Ii}/Ii
r1,r2:抵抗88,89の抵抗値
次に、CPU61は算出した現在の負荷抵抗値Riに対応する最適出力電流値Itを、上記特性曲線Xによって導出する。なお、本参考例では、この特性曲線Xの情報は、上記数式1の関数情報としてメモリ100に記憶され、CPU61がこのメモリ100から特性曲線Xの情報を読み出して最適出力電流値Itを算出する構成になっている。
図3,5に示すように、用紙3が感光ドラム27と転写ローラ30とが対向する転写位置に入ってくる前の状態(図5(A)参照)では、負荷抵抗値が「R1」であり、このときの出力電流値は「I1」であったとする。次の制御タイミングで用紙3の先端部3aが転写位置に入ってきたことで(図5(B)参照)、転写ローラ30への現在の負荷抵抗値が「R2」に変動し、これに伴って現在の出力電流値が「I1'」に一時的に落ち込む。ここで、CPU61は、特性曲線Xに基づき、現在の負荷抵抗値「R2」に対応する最適出力電流値「I2」を算出するのである。
そして、CPU61は、次の数式4によって次の制御タイミングで出力すべきPWM信号S1のデューティ比Dtを決定する。
(数式4)
次のデューティ比Dt=Di+(I2−I1')*K
Di:現在のデューティ比
I2−I1':最適出力電流値と現在の出力電流値との差分量
K:係数
これにより、用紙3の中央部3bが転写位置に位置する頃には、この用紙3の存在による変動後の負荷抵抗値「R2」に対応する最適出力電流値「I2」が転写ローラ30等に付与されることになる。従って、負荷抵抗値の変動による転写不良を回避できる。
(3)制御タイミング
また、レーザプリンタ1等の画像形成装置では、用紙3のうち4辺の端部を除く中央部が印刷可能領域(画像形成可能領域)と定められており、この印刷可能領域内に印刷を行うようになっている。図5では用紙3のうち上記端部3aが印刷不可領域であり、中央部3bが印刷可能領域である。そして、本参考例では、上記CPU61による制御タイミングは、転写位置に対して用紙3の先端が到達してから当該用紙3の印刷可能領域が到達するまでの間の時間よりも短く設定されている。
即ち、転写位置に用紙3の先端が介在し始めて負荷抵抗値Riが変動したときから、用紙3の印刷不可領域である端部3aが転写位置を通過中に、少なくとも1回上記制御を実行するのである。そして、変動後の負荷抵抗値Riに対応する最適出力電流値Itで用紙3の印刷可能領域である中央部3bに対して転写が行えるようにしているである。なお、この制御タイミングは、用紙3の搬送速度と、印刷不可領域の搬送方向における長さとによって定まる。
(4)最適出力電流値の上限値
また、図3に示すように、特性曲線X及び特性曲線Zは、いずれも負荷抵抗値Riがゼロに近づくに連れて最適出力電流値Itが急激に増大する曲線である。従って、負荷抵抗値Riがある程度小さくなったときは、それに対応する最適出力電流値Itが過電流となって例えば内部回路等を破損させてしまうおそれがある。そこで、本参考例では、最適出力電流値Itの上限値Ithを設けて、特性曲線X、Zによって算出された最適出力電流値Itが上限値Ith以上であったときは、この上限値Ithを最適出力電流値Itとして決定するようにしている。
4.本参考例の効果
(1)図3に示す各実験結果のプロットPを、線形近似や三角関数近似などを用いて特性曲線を導き出す方法が考えられる。しかし、前者の方法では誤差が大きくなり精度の高い制御ができなくなるおそれがあり、後者の方法では、計算量が大きくなり制御の応答性が低下するという問題が生じる。なお、この制御の応答性が低下すると、搬送中の用紙3の搬送速度に対して転写バイアスの変更を追従させることができなくなる。特に、用紙3が含む水分の変化(湿気状態のばらつき)に追従した電力制御が行えなくなるのである。また、上記制御タイミング間隔を短くすることが困難になる。
そこで、本参考例では、累乗関数(y=AxB)近似(対数近似)によって特性曲線X(特性曲線Z)を導出するようにした。これにより、応答性の低下を抑制しつつ精度の高い電力制御が可能になる。
(2)また、1枚の用紙3における湿気状態にばらつきある場合、その用紙3の各部位によって負荷抵抗値Riが異なってくる。そこで、本参考例では、1枚の用紙3全体に対する転写動作時間(具体的には、転写位置に対して用紙3の先端が到達してから、その用紙3の後部が通過するまでの時間)よりも短い時間間隔の制御タイミングで制御対象である出力電流値Iiを制御し、各部位に対して最適な転写を行えるようにした。
(3)更に、本参考例では、上記CPU61による制御タイミングは、転写位置に対して用紙3の先端が到達してから当該用紙3の印刷可能領域が到達するまでの間の時間よりも短く設定されている。従って、用紙3の印刷可能領域に対して最適な最適出力電流値Itでの転写動作を行うことができる。なお、この電力制御は、用紙3の先端部だけで行ってもよいし、用紙3の搬送方向における全長に亘って行う構成であってもよい。
(4)また、特性曲線X(特性曲線Z)は、最低湿度下で実験結果のプロットPを近似して得たものである。周囲環境(特に湿度や温度)が変動しても転写不良を防止することができる。
(5)また、本参考例では、最適出力電流値Itの上限値Ithを設けて、特性曲線X、Zによって算出された最適出力電流値Itが上限値Ith以上であったときは、この上限値Ithを最適出力電流値Itとして決定するようにしている。これにより過電流を防止できる。
<実施形態>
図6は本発明の一実施形態を示す。前記参考例との相違は、特性曲線の導出方法にあり、その他の点は前記参考例と同様である。従って、参考例と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
1.特性曲線について
図6には、最低湿度下での各実験結果のプロットPと、特性曲線Wとが示されている。この特性曲線Wは、最低湿度下での各実験結果のプロットPを、主として二次関数近似によって導出したものである。より具体的には、同図において負荷抵抗値Riが略500MΩ以下では2次曲線近似を行っている。最低湿度下での各実験結果は、負荷抵抗値Riの増加に伴って最適出力電流値の絶対値|It|が減少する傾向にあるため、2次関数のうち増減傾向が反転する変曲点より同図面上左側の部分Wa(本発明でいう「非反転部分」に相当。)を使用し、それよりも同図面上右側の部分Wb(同図で点線で示した曲線)は使用していない。一方、負荷抵抗値Riが略500MΩを超える部分については直線Wc(本発明の「非反転部分における増減傾向と同じ傾向を有する他の直線または曲線」に相当)を代用している。なお、同図面上左側の部分Waの左側端部、或いは、当該左側の部分Waの更に左側の部分について同じ増減傾向を有する他の直線や曲線を代用してもよい。
その結果、特性曲線Wは次の数式5で示すことができる
(数式5)
最適出力電流値It=E(Ri−F)2+G (Ri<R'のとき)
最適出力電流値It=I' (Ri>=R'のとき)
但し、R'=<F かつ、I'=<G
Ri:検出された負荷抵抗値
E,F,G:係数。E<0。F>0。G=<0。
(但し、順転写バイアス電圧Va1が正極性のときはE>0、G>=0,I'>=G)
2.本実施形態の効果
本実施形態によれば、特性曲線Wは、加法・減法及び乗法(累乗含む)以外の演算を含まない整式(多項式)関数によって近似した曲線である。従って、除算による丸め誤差がなく精度の高い電力制御が可能になる。また、その整式は二次関数であるから、更に応答性の高い電力制御が可能になる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記参考例及び実施形態では、負荷抵抗値Riとそれに対応する最適出力電流値Itとの相関関係を示す特性曲線X,Z,Wとしたが、これ以外に、印加電圧値Vi(本発明でいう「制御対象でない検出値」に相当)とそれに対応する最適出力電流値Itとの相関関係を示す特性曲線を用いてもよい。
(2)上記参考例及び実施形態では、各特性曲線X,Z,Wの情報は、上記数式1,2,5の関数情報としてメモリ100に記憶され、CPU61がこのメモリ100から各特性曲線X,Z,Wの情報を読み出して最適出力電流値Itを算出する構成になっていた。しかし、これに限らず、各特性曲線X,Z,W上における、負荷抵抗値Riと最適出力電流値Itとの対応データテーブルをメモリ100に記憶しておく方法であってもよい。このような構成であれば、CPU61による算出処理を軽減することができる反面、記憶容量が大きくなる問題が生じ得る。
(3)特性曲線は、被記録媒体の種類(材質や厚さなど)毎に設けて、印刷すべき特定の種類の被記録媒体に対応する特性曲線を選択して、上記制御を行う構成であってもよい。
参考例に係るレーザプリンタの内部構成を示す側断面図 バイアス印加回路の要部構成のブロック図 各実験結果と特性曲線とを示すグラフ 負荷抵抗値と最適出力電流値との相関関係を示す説明図 転写位置に対する用紙の位置を説明するための模式図 本発明の実施形態の各実験結果と特性曲線とを示すグラフ
1...レーザプリンタ(画像形成装置)
27...感光ドラム(像担持体)
30...転写ローラ(転写手段)
61...CPU(決定手段、電圧検出手段)
62...順転写バイアス印加回路(電力供給手段)
73...順転写出力電圧検出回路(電圧検出手段)
83...出力検出回路(電流検出手段)
Ii...出力電流値(制御対象となる検出値)
It...最適出力電流値(制御対象の最適値)
Ith...上限値
P...プロット(実験結果値)
Ri...負荷抵抗値
Vi...印加電圧値(制御対象でない検出値)
X,Y,Z,W...特性曲線

Claims (6)

  1. 像担持体に担持されたトナー像を被記録媒体に転写するための転写手段と、
    前記転写手段に与える電流値及び電圧値のうち一方を制御対象としてその制御対象値に応じた電力を前記転写手段に供給する電力供給手段と、
    前記転写手段に対する電圧値を検出する電圧検出手段と、
    前記転写手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段及び前記電流検出手段の両検出値を取得して、前記両検出値或いは前記制御対象でない他方の検出値と、前記制御対象の最適値との相関関係を示す特性曲線に基づき導き出した制御対象の最適値を、前記電力供給手段における制御対象値として決定する決定手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記特性曲線は、前記転写手段による転写時に転写不良が実質的に発生しない状態が得られた、前記両検出値或いは前記他方の検出値、及び、前記制御対象の最適値の各実験結果値を、N次整式関数において増減傾向が途中で反転しない非反転部分を利用し、前記非反転部分の範囲外については、当該非反転部分における増減傾向と同じ傾向を有する他の直線または曲線を利用して近似した曲線であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記決定手段による前記制御対象値の決定動作は、1枚の前記被記録媒体に対する転写動作時間よりも短い所定の時間間隔で実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記所定の時間間隔は、前記転写手段及び前記像担持体の対向位置に対して前記被記録媒体の先端が到達してから当該被記録媒体の画像形成可能領域が到達するまでの時間よりも短い時間に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写不良は、転写電力不足による飛散、及び、転写電力過剰による放電のうち少なくともいずれか一方が発生する状態であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記各実験結果値は、画像形成装置の推奨使用条件での最低湿度下における実験によって得られた結果値であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記特性曲線に基づき決定される制御対象値は上限値が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
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