JP4375355B2 - スピーカアレイ装置及びスピーカアレイ装置の音声ビーム設定方法 - Google Patents

スピーカアレイ装置及びスピーカアレイ装置の音声ビーム設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の音声ビームを放音し、壁の反射を利用してマルチチャンネルオーディオ信号を再生するスピーカアレイ装置に関する。
従来、複数のスピーカを配列したスピーカアレイ装置とリスニングルーム内の壁による音声の反射を用いて、聴取者の周囲から音声が出力されているような感覚を与えるマルチチャンネル音声を擬似的に再現するスピーカアレイ装置が実用化されている(例えば特許文献1参照。)。
このスピーカアレイ装置は、聴取者の前方に設置したアレイ状のスピーカから、マルチチャンネルオーディオ信号の各々に対応して、別々の方向に指向させた音声ビームを同時に出力する。これらの音声ビームは壁の反射を介して本来スピーカがない側方や後方から聴取者に到達する。したがって、このスピーカアレイ装置を正面に設置することにより、聴取者の周囲から別々の音声が出力されているような感覚を与えることができる(後述図1参照。)。
このようなスピーカアレイ装置では音場の形成に壁の反射という間接的な要素を用いているため、部屋の環境に大きく左右され音場の設定が難しい。
特許文献1ではこのスピーカアレイ装置の自動的な設定方法が記載されている。この装置では、テスト音声を入力とした音声ビームをスピーカアレイから放音し、聴取位置に設置したマイクからテスト音声を収音する旨の記載がある。また、このテスト音声の音声ビームの出力する方向を旋回させながら信号レベルの大きいピークを算出し、このピークに対応するビーム角度をマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを出力する方向として自動的に設定する旨の記載がある。
特開2006−13711
しかし、特許文献1の方法でもなお、スピーカアレイ装置の音声ビームの放音方向を設定する精度がよくないという問題があった。即ち、特許文献1の方法では、音量が大きいテスト音声ビームのビーム角度をマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを出力する方向として選択しているだけなので、設定すべきビーム角度を誤る場合があった。例えば、マルチチャンネルオーディオ信号の入力が想定する後方用チャンネルの音声ビームを、誤って前方用チャンネルに設定する可能性があった。また、このスピーカアレイ装置の設定時に、リスニングルームの周囲に車が通った場合等、他の音声による外乱ノイズに弱い問題があった。
そこで、本発明は、スピーカアレイ装置の音声ビームの放音方向を設定すべきビーム角度をより正確に求めることができるスピーカアレイ装置及びスピーカアレイ装置の音声ビーム設定方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)本発明は、
マトリックス状またはライン状に配置された複数のスピーカを有するスピーカアレイと、
マルチチャンネルオーディオ信号の各チャンネルの音声信号を入力して、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、前記各チャンネルの信号毎に設定した方向へ指向させた音声ビームを各々生成し、これらの音声ビームを合成した信号を出力するオーディオ信号ビーム出力手段と、
テスト音声を入力し、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、所定の方向へテスト音声ビームを出力するテスト音声ビーム出力手段と、
前記テスト音声ビームの水平方向のビーム角度を所定の角度範囲で旋回させるよう前記テスト音声ビーム出力手段に指示するテスト音声ビーム方向指示手段と、
聴取位置に前後に並べて設置された2本のマイクを含み、前記テスト音声ビームの音声を含む音声を収音して収音信号を記録する収音手段と、
前記2本のマイクで収音した2つの収音信号の到達時間の先後を前記テスト音声ビームのビーム角度毎に判断して、このビーム角度に対応する音声ビームの到来方向が前記マイクの前方か後方かを判断する前後判断手段と、
前記テスト音声ビームのビーム角度毎に記録された収音信号中の波高値のピークを複数選択し、該選択したピークに対応するビーム角度を、前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの水平方向のビーム角度の候補として選択する候補選択手段と、
該候補として選択したビーム角度に対応する前記収音信号について前後判断手段が判断した前後方向と、前記マルチチャンネルオーディオ信号の入力がスピーカ出力を想定する前後方向と、を一致させて、前記選択したビーム角度の候補を前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度として設定する設定手段と、を備えたスピーカアレイ装置である。
このように構成すれば、2本のマイクは前後方向に設置されているから、前後判断手段により、収音信号の到達時間の先後を判断して前記テスト音声ビームが到来した方向が前記マイクの前方か後方かを判断することができる。
また、候補選択手段により、前記2つの収音信号から収音信号のピークをマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの水平角の候補として選択することができ、この候補として選択したビーム角度の信号が前方であるか後方であるか判断する前後判断手段によって判断することができるため、前記マルチチャンネルオーディオ信号がスピーカ出力を想定する前後方向と、を一致させているので、マルチチャンネルオーディオ信号の各チャンネルの音声ビームを的確に設定することができる。
なお、ここで「前方」とは聴取者からスピーカアレイを見る方向であり、「後方」とはその逆方向をいうことにする。
(2)本発明は、
前記前後判断手段は、前記ビーム角度それぞれについて前記2本のマイクで収音した収音信号について相互相関関数を算出することにより前記到達時間の先後を判断する。
このように構成すれば、前記2つの収音信号の相互相関関数により、単に収音信号の頭部分を比較するよりも精度良く前記到達時間の先後を判断することができる。ここで、この相互相関関数は、例えば、後述の[数1]、[数3]で表すことができる。
なお、前記ピークを前記到達時間差についての相互相関関数で代用することができる。2つの収音信号をa(t)、b(t)としたとき、これらの2信号の波形が時間差τで完全に一致するならば、a(t)、b(t)の相互相関関数はτにピークを持ち、これは波高値の2乗の積分値となる。このように相互相関関数でピークを求めると、ある時間にわたって各々の波形全体の相関による値で判定することになるため、波形と無関係なノイズに対して、ロバストな測定ができる。
(3)本発明は、
マトリックス状またはライン状に配置された複数のスピーカを有するスピーカアレイと、
マルチチャンネルオーディオ信号の各チャンネルの信号を入力して、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、前記各チャンネルの信号毎に設定した方向へ指向させたマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを各々生成し、これらのマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを合成した信号を出力するマルチチャンネル音声ビーム出力手段と、を備えたスピーカアレイ装置に対して、
テスト音声を入力し、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、所定の方向へテスト音声ビームを出力するテスト音声ビーム出力ステップと、
前記テスト音声ビームの水平方向のビーム角度を所定の角度範囲で旋回させるよう前記テスト音声ビーム出力手段に指示するテスト音声ビーム方向指示ステップと、
聴取位置に前後に並べて設置された2本のマイクを用いて、前記テスト音声ビームのビーム角度毎に、前記テスト音声ビームの音声を収音して収音信号を記録する収音ステップと、
前記2本のマイクが収音した2つの収音信号の到達時間の先後を前記テスト音声ビームのビーム角度毎に判断して、このビーム角度に対応する前記テスト音声ビームが到来した方向が前記マイクの前方か後方かを判断する前後判断ステップと、
前記テスト音声ビームのビーム角度毎に記録された収音信号中の波高値のピークを複数選択し、該選択したピークに対応するビーム角度を、前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの水平方向のビーム角度の候補として選択する候補選択ステップと、
該候補として選択したビーム角度に対応する前記2つの収音信号について前後判断手段が判断した前後方向と、前記マルチチャンネルオーディオ信号の入力がスピーカ出力を想定する前後方向と、を一致させて、前記選択したビーム角度の候補を前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度として設定する設定ステップと、を行うスピーカアレイ装置の音声ビーム設定方法である。
本発明を実施すれば、(1)の作用、効果と同様の作用、効果を奏する。
本発明によれば、スピーカアレイ装置とリスニングルーム内の壁による音声の反射を用いて、聴取者の周囲から音声が出力されているような感覚を与えるマルチチャンネル音声を擬似的に再現するスピーカアレイ装置について、マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを的確に設定することができる。
<スピーカアレイシステムの概略説明>
図1を用いて、スピーカアレイシステムの概略について説明する。図1は、スピーカアレイ装置から5チャンネルのマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを放音させる様子を上から見下ろした平面図である。スピーカアレイシステム1は、直方体状のリスニングルーム100の内部に聴取者であるリスナLの前方に、スピーカアレイ装置本体10と映像をスクリーンに映し出す映像装置109と、スピーカアレイ装置本体10の設定に用いるマイクセット2を備えている。ここで、「前方」とは聴取者であるリスナLからスピーカアレイ装置本体10を見る方向であり、「後方」とはその逆方向をいうことにする。
このスピーカアレイシステム1は、アレイ状に配置された複数のスピーカを備えており、リスナLの前方にのみ設けたスピーカアレイ11と壁101〜104の反射を利用してマルチチャンネル音声をリスナLの周囲から聞こえるようにすることができる。このマルチチャンネル音声をそれぞれ独立して定位させるために、スピーカアレイ装置本体10は、互いに方向が異なる所定の方向に指向性を持たせたマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームをチャンネル毎に生成して出力する。
具体的には、Cch(チャンネル)の音声ビームが正面(リスナL)に向けて放音され、Lch及びRchの音声ビームが聴取者から見てそれぞれ左右の仮想Lch105、仮想Rch106の位置で反射してリスナLの方へ放音される。さらに、SLch及びSRchの音声ビームは、リスナLから見て左右の壁面102、104、及び後方の壁面103で2回反射して、仮想SLch107、仮想SRch108からリスナLの方へ放音される。このように音声ビームを放音する方向を制御することで、これら仮想Lch105、仮想Rch106、仮想SLch107、仮想SRch108の位置にあたかもスピーカを配置したかのような感覚をリスナLに与えることができる。
また、本実施形態のスピーカアレイシステム1は、ビーム角度を自動的に設定する機能を備えている。スピーカアレイ装置本体10からテスト音声を出力するとき、2本のマイクが前後になるように聴取位置に設置される。このマイクがテスト音声を収音した収音信号及びこれら収音信号の到達時間差に基づいてマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの水平方向のビーム角度を設定する。
<本実施形態のスピーカアレイシステムの構成>
図2を用いて、本発明の実施形態に係るスピーカアレイシステムの内部構成について説明する。図2はこの構成を示すブロック図である。以下の説明では、スピーカアレイ装置の一例として、5chサラウンドシステム用のものについて説明する。また、以下の説明では、5chサラウンドシステムにおいて、フロントの左チャンネルをL(Left)ch、フロントの右チャンネルをR(Right )ch、センタチャンネルをC(Center)ch、リアの左チャンネルをSL(SurroundLeft)ch、リアの右チャンネルをSR(Surround Right )chと称する。
スピーカアレイシステム1は、スピーカアレイ装置本体10と、スピーカアレイ装置本体10の設定に用いるマイクセット2を備えている。スピーカアレイ装置本体10は、5chマルチチャンネルオーディオ信号の外部入力端子として、Lch端子、Rch端子、SLch端子、SRch端子、Cch端子を備えている。スピーカアレイ装置本体10は、この5chマルチチャンネルオーディオ信号を入力として、各チャンネルの信号をそれぞれ所定の方向へ指向させた、5本の音声ビームの束である「マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビーム」を生成するビーム形成部111〜115と、これらのビーム形成部の出力を合成する加算器121〜12nと、スピーカアレイ13とシステム制御部14と記憶部15と操作部16と表示部17とA/Dコンバータ18を備えている。
図1に示すビーム形成部111〜115はいずれもスピーカアレイ12のスピーカ(301〜30n)に対応してn個分の遅延タップを有する遅延部31と、遅延部31の出力である遅延タップにそれぞれ接続するゲイン調整器331〜33nと各ゲイン調整器331〜335から出力された信号を加算する加算器121〜12nを備えており、それぞれ1つのマルチチャンネルオーディオ信号を入力として、所定の方向に指向させたマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを生成する。例えば、ビーム形成部111は、Cchのマルチチャンネルオーディオ信号を入力する。
このマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームは、ビーム制御処理部142が設定した遅延量に基づいて、遅延部31がスピーカアレイの各スピーカに出力するタイミング(遅延量)を調整することにより生成される。この音声ビームを出力すると、所定の方向では各スピーカに出力するタイミングが揃うので音声が大きく伝播され、その他の方向に伝搬した音声はこのタイミングが合わないため振り幅が減衰されて音声が小さくなるようにすることができる。したがって、この音声ビームの技術によれば、この方向へ指向性を持たせた音声を放音することができる。
遅延部31はリングバッファなどで構成でき、各スピーカに出力するタイミング(遅延量)を調整する。ビーム形成部121〜125のそれぞれの遅延部31は、いずれもマルチチャンネルオーディオ信号入力のうちから1つの音声信号を入力し、この入力した音声信号は遅延部31を構成するリングバッファに記録され、それぞれの遅延タップではこのリングバッファに記録されたデータをビーム制御処理部142が指示した量だけ遅延させて読み出す。これにより、1つの音声信号入力を遅延させた音声信号の出力がスピーカアレイ13の各スピーカ301〜30nに対応して生成され、ゲイン調整器331〜33nに出力される。
また、ゲイン調整器331〜33nは、遅延部31の出力信号のゲインを調整する。
加算器121〜12nは、スピーカアレイ13の各スピーカ301〜30n毎にビーム形成部111〜115の出力を合成する。また、図示しないアンプにより、加算器121〜12nの出力が増幅されて、スピーカアレイ13に出力される。
スピーカアレイ13は、マトリクス状、または1列に並べたスピーカ301〜30nと図示しないパワーアンプを備えており(後述、図2参照。)、加算器121〜125から出力された音声信号をこのパワーアンプを介して音声に変換し放音する。このスピーカアレイ11によりマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの合成音声が放音されると、この各チャンネルの音声信号入力に対応して、それぞれ図1で説明した方向に指向させた音声ビームが同時に放音される。
システム制御部14は、ユーザI/F処理部141、ビーム制御処理部142、及び測定データ分析処理部143を備えている。
ユーザI/F処理部141は、操作部16で受け付けた操作に応じて、制御信号をスピーカアレイシステム1の各部へ出力する。また、ユーザI/F処理部141は、装置の状況に応じて聴取者に報知すべき内容を表示部16へ出力する。
ビーム制御処理部142は、各マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度の設定を行う。具体的には、ビーム制御処理部142は遅延部31に設定する遅延量データを記憶部15から参照して、遅延部31に出力する。
またビーム制御処理部142を含むシステム制御部14は、各マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度を設定する機能がある。この機能を実行させる音声ビーム設定モード実行時に、ビーム制御処理部142は、ビーム形成部111〜115のうちの1つのビーム形成部111へテスト音声を入力して、スピーカアレイ11から出力させるテスト音声ビームの方向を水平方向に旋回させる。ビーム制御処理部142はこのテスト音声ビームのビーム角度を設定すると共に、測定データ分析処理部143の分析結果を基に各マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度を設定する。
測定データ分析処理部143は、前述した音声ビーム設定モードの実行時に、マイクセット2で収音したテスト音声信号を基にして、マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームに最適なビーム角度を決定する。このビーム角度の設定のため、測定データ分析処理部143は、テスト音声ビームのビーム角度を旋回させるようビーム制御処理部142に指示して所定の角度ステップでテスト音声ビームを放音させ、この放音されたテスト音声ビームをマイクセット2で収音して記憶部15に記憶させる。測定データ分析処理部143は、音声信号の収集が完了すると、記憶部15に記憶させた2つのマイクの収音信号をテスト音声ビームのビーム角度毎に読み出して、これらの相互相関を計算する。この相互相関関数の大小により、マイクに到達した音声ビームの到来方向を推定すると共に、この到来方向の推定を基に、各チャンネルの音声ビームに適切なビーム角度を設定する。詳細は後述する。
記憶部15は、ROM及びRAMを備え、各種の制御データを記憶すると共に、A/Dコンバータ18からシステム制御部14を介して出力されたディジタル音声信号を記憶する。例えば、記憶部15は遅延部31に設定すべき遅延量データを格納しており、ビーム形成部111〜115は、これに基づいて所定の方向に指向させた音声ビームを生成する。また、記憶部15は、聴取者からの各種の設定入力を受け付けてシステム制御部14へ入力に応じた信号を出力する。
操作部16は、システム制御部14に各種の動作を指示する。操作部16は、例えばマルチチャンネルオーディオ信号入力を処理してスピーカアレイ13から音声を放音するように指示したり、この音声の音量を調整するよう指示したり、マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームがビーム角度を調整するための音声ビーム設定モードの実行を指示したりすることができる。
表示部17は、システム制御部14から出力された制御信号に基づいてリスナLに伝達する内容を表示する。
A/Dコンバータ18は、マイクセット2が収音した2つのアナログの収音信号をディジタル音声信号(収音信号データ)に変換して、システム制御部14へ出力する。
マイクセット2は、2本の無指向性のマイクを備え、A/Dコンバータ18に接続されており、音声ビーム設定モード実行時にスピーカアレイ11から放音されたテスト音声を収音して、これを電気信号に変換する。マイクセット2は、音声ビーム設定モード実行時に用いるものであり、このときマイクセット2は、ユーザUにより、リスナLの前後方向、即ち、リスナLとスピーカアレイ装置本体10を結ぶ直線の方向に設置された状態で使用される。マイクセット2は、音声ビーム設定モード実行時にテスト音声を収音して電気信号に変換し、テスト音声の収音信号を得る。
次に、図3を用いて、マイクセット2の設置位置とマイクセット2の構成例について説明する。図3(A)はマイクセット2の設置位置を表しており、図1の位置関係に対応している。図3(B)は図3(A)のマイクセット2の構成例のA−A矢視図(90度回転図)を表している。図3(A)に示すように、マイクセット2は、図1のリスナLの位置に、リスナLとスピーカアレイ装置本体10を結ぶ直線上にマイク21、22を並べて設置する。このとき、マイクセット2の高さは、聴取者の聴取位置に合わせると良い。図3(B)に示すように、マイクセット2は、前方のマイク21と後方のマイク22とこれを支える支持台23と支持台23を立てる脚24を備えている。
このようにマイクセット2を構成し、これを聴取位置に設置することにより、テスト音声ビームがマイク21、22によって収音された時間差である到達時間差から、音声ビームが到来した方向が、前方か後方かを判断することができる。この到達時間差は、具体的には、マイク21、22で得られた2つのテスト音声の収音信号の相互相関関数が最大値となるときの時間差から求めることができる。
次に、図4を用いてスピーカアレイの配置例について説明する。図4はこの配置図であり、(A)はマトリックス状にスピーカを配置した場合、(B)はライン状にスピーカを3列配置した場合(マトリックス状配置)、(C)はライン状にスピーカを3列配置し、2列目のスピーカをずらした配置にした場合(ハニカム状配置)である。
ここで、図4に示すようにスピーカアレイ11は、複数(n個)のスピーカ30が1つのパネルにおいてライン状に所定の配列で配置したものであり、各スピーカからサラウンド音声を出力するタイミングをチャンネル毎に調整してビーム状に放射し、マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームが壁面など任意の位置で焦点を結ぶように遅延制御する。そして、各チャンネルの音声をスピーカアレイシステム1が設置された部屋の壁に反射させることで、任意の点に音源を作り出し、マルチチャンネル音声の音場を形成する。
<マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの設定方法の説明>
次に、図5〜図7を用いてマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの設定方法について説明する。
まず、図5を用いて、マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームに設定するビーム角度を求める前提として、この音声ビームに設定するビーム角度の適否について例示する。図5は、音声ビームがマイクセット2に到来する方向の適否を説明するための図であり、符号及び位置関係は図3と対応している。
図5でテスト音声ビームのビーム角度θ=θ1の場合、音声ビーム42は左壁102で反射してからマイクセット2に到達するので、Lchの音声ビームのビーム角度として適切である。一方、テスト音声ビームのビーム角度θ=θ6の場合、音声ビーム42は左壁102及び右壁104で反射してからマイクセット2に到達するので、逆方向から音像が定位することになり、Lチャンネルの音声ビームのビーム角度としては不適切である。
図5でテスト音声ビームのビーム角度θ=θ2の場合、テスト音声ビームは左壁102及び後壁103で反射してからマイクセット2に到達するので、SLchの音声ビームを出力するビーム角度としては適切であり、SLchの音声ビームのビーム角度に設定することができる。
図5でテスト音声ビームのビーム角度θ=θ3の場合、の音声ビーム41は直接マイクセット2に到達するので、Cchの音声ビームのビーム角度として適切である。
また、テスト音声ビームのビーム角度θ=θ4、θ5については、以上で説明したθ3、θ2と同様、それぞれSRch、Rchの音声ビームのビーム角度として適切である。
図6は、スピーカアレイ装置のマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビーム設定方法の説明図である。
図6(A)を用いて、ビーム制御処理部142がテスト音声ビームを旋回する方法について具体的に説明する。図6(A)はマイク配置とビーム旋回を説明する図である。スピーカアレイ装置本体10及びマイクセット2の設置が完了して、音声ビーム設定モードが設定されると、ビーム制御処理部142は、図6(A)に示すように、スピーカアレイ11をリスニングルーム100の上方から見てスピーカアレイ11の前面と平行な一方の方向(以下、0度方向と称する。)から、他方の方向(以下、180度方向と称する。)まで、テスト音声ビームのビーム角度θを所定角度刻み(例えば2度刻み)で旋回させる。
このとき、ビーム制御処理部142は、スピーカアレイ11の前面の0度から180度までの間のビーム角度毎にテスト音声をビーム形成部111〜115のうちの1つであるビーム形成部111に入力して、テスト音声ビームを放音させる。システム制御部14は、2つのマイク21、22でそれぞれ収音信号をビーム角度毎に収音し、2つの収音信号データをビーム角度毎に格納する。測定データ分析処理部143はこの格納したデータを記憶部15からデータを読み出して、テスト音声ビームの角度θ毎に2つの収音信号データの相互相関関数を求める。
なお、音声ビーム設定モードの実行の時に出力するテスト音声は、自己相関性がないものを選択する。例えばホワイトノイズのように自己相関性がない音波などが好適である。TSP(タイムストレッチドパルス)でも良い。
次に、図6(B)を用いて、この相互相関関数を求める方法について説明する。図6(B)は、横軸が相互の時間差τ[ミリ秒]、2つのマイクの収音信号の相互相関関数をプロットしたグラフである。相互相関関数を求めた結果、相互の相関がある場合には、ピーク51が得られ、このピークが観測される時間差τが、マイクセット2の2つのマイク21、22の到達時間差となる。時間差τは同図では正方向であるが、正負両方の場合があり、この正負により到来した方向を判断することができる。
まず、連続時間tについての相互相関関数について説明する。連続時間tの関数をa(t)、b(t)とすると、時間差τずらせた両者の相互相関関数Rab(τ)は、a(t)、b(t+τ)相互の積を時間で積分したものであり、以下のように表せる。
Figure 0004375355
この相互相関関数Rab(τ)は、a(t)と、b(t)を時間差τずらせたb(t+τ)が仮に一致すればその値が最大となる。τを変化させて、相互相関関数Rab(τ)が最大値となる時間差τを計算すれば、a(t)、b(t)が収音信号とすれば到達時間差を求めることができる。この到達時間差の絶対値が最大値となるのは、音声が真正面から来た場合または真後ろから来た場合であり、この値はマイク21、22間距離Lを音速340m/秒で除算した時間(これをτmaxとする。)である。したがって、到達時間差をTとして、Tは、−τmax≦τ≦τmaxの範囲でこの関数を求め、この関数の値が最大となるときのτで求められる。即ち、以下の式で求めることができる。
Figure 0004375355
実際には、前述のとおりテスト音声の収音信号は実際には離散の値の収音信号データであるから、マイク21(前方)、マイク22(後方)の収音信号をz関数でそれぞれa(z)、b(z)と表し、サンプリングタイムをspとすれば、以下のとおりとなる。
Figure 0004375355
また、離散関数a(z)、b(z)を用いた場合も、到達時間差Tは、前述の[数2]を用いて計算できる。ただし、応答データは有限の長さであるからその範囲でこれを求めればよい。
このようにして計算した到達時間差Tは、前述のとおり、正負いずれの場合もありうる。このTの正負により、マイク21、22に届いた音声が到達した方向が前方からなのか後方からなのかを判断できる。これを図6(B)を用いて説明する。例えば、仮に前方のマイク21の収音信号a(z)が後方のマイク22の収音信号b(z)に対してT0(T0>0)速く到達したとすれば、a(z)とb(z+T0/sp)は略同じ信号になるから、相互相関関数Rab(τ)はこのT0で最大の値となり、図6(B)のピーク51のようにTは正の値T0となる。逆にb(z)の方がT1(T1>0)遅く到達したとすれば、a(z)とb(z+(−T1/sp))は略同じ信号になり、図6(B)のピーク52のようにTは負の値−T1となる。
さらに、測定データ分析処理部143は、テスト音声ビームのビーム角度θ毎にこれらの相互相関関数Rab(τ)を求める。Rab(τ)の関数はテスト音声ビームのビーム角度θ毎に求まるから、ビーム角度の相互相関関数をRabθ(τ)と表す。また、前述の到達時間差Tもθを引数に加えT(θ)とする。
ここで、Rabθ(T(θ))は、周囲の雑音や外乱が全くない理想的な場合には、マイクセット2の周囲でテスト音声を1本のマイクで測定した音声信号の波高値の2乗を計算していることになる。即ち、Rabθ(T(θ))はマイクセット2での音量の代替値となる。このように相互相関関数でピークを求めると、ある時間にわたって各々の波形全体の相関による値で判定することになるため、波形と無関係なノイズに対して、ロバストに音声信号の波高値の2乗を計算することができる。
測定データ分析処理部143は、マイクセット2での音量の代替値として、Rabθ(T(θ))をa(t)の測定時間Tnで除算したR(T(θ))を計算し、T(θ)、T(θ)の正負とセットにして、記憶部15に格納する。
以上の説明を基に、図6(C)を用いて、R(T(θ))からビーム角度を定める方法について説明する。図6(C)は、横軸がテスト音声ビームのビーム角度θ、縦軸が各ビーム角度での相互相関関数の最大値の値を測定時間で除算した値R(T(θ))をプロットしたグラフである。収音されるまでに壁で反射した回数に応じて、マイクセット2で収音される音声の音量は小さくなるから、リスニングルーム100の形状が直方体で壁が均一であれば、図6(C)に示すような結果が得られるはずである。ここで図5(A)に示すようにテスト音声ビーム41〜46を設定すると、直接リスナLに到来するテスト音声ビーム41の音量は大きく、次いで1回反射して到来するテスト音声ビーム42、45、次いで2回反射して到来するテスト音声ビーム43、44、46(この46と左右対称のものも含む。)の順に音量が小さくなる。これに伴い、R(T(θ))も小さくなると想定されるから、図6(C)のピーク410〜460は、図5のテスト音声ビーム41〜46に対応していると推定できる。
そこで、図6(C)に示すように、ピーク410〜460に対応するテスト音声ビームのビーム角度θa1〜θa7のうちのいずれかをマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームに設定するビーム角度とする。ここで、本実施形態のスピーカアレイシステム1では、前述のとおり少なくともリスナLに対してテスト音声が到来した方向が前後いずれなのかを判断できるから、このテスト音声が到来した方向に対応するテストビームの角度範囲をのうち、後方の壁103からテスト音声が到来する角度範囲53、54を計算して、これらのピークを区分する。
このようにピークを区分すると、音声ビームに設定するビーム角度は、以下のとおりになる。前方真ん中の直接音を測定している最も大きいピーク410に対応するθa3をCchに設定する。また、後方の壁103からテスト音声が到来する角度範囲53、54に含まれるピーク430、440に対応するθa2、θa4をSLch、SRchに設定する。さらに、Lchを角度範囲53以外の左の方のピーク420、460に対応するθa1、θa6のいずれかをLchに設定し、角度範囲54以外の右の方のピーク450、461に対応するθa5、θa7のいずれかをRchに設定する。
Lch、Rchについては、さらにピーク420、450、460、461に対応するθa1、θa6、θa5、θa7からピークを絞り込む。図5のテスト音声ビーム46のようにLchを設定してしまった場合、2回反射して左右逆側の壁から聞こえることになり音像定位を害するから、これを防止する必要がある。そこで、測定データ分析処理部143は、後方からテスト音声が到来したテスト音声ビームのビーム角度の範囲である角度範囲53、54の外側のテスト音声ビームのビーム角度0≦θ≦min(θL−)、max(θR−)≦θ≦180)のうち、min(θL−)、max(θR−)に一番近い方のピーク420、450に対応するθa1、θa5をそれぞれLch、Rchのビーム角度として決定する。
なお、図6(B)にはノイズを除去したデータを示しているが、実際にはノイズなどにより測定データの波形は歪んだり細かく波形が変化したりする。また、図6(C)に示すグラフの横軸をビーム角度、縦幅をマイクセット2で収音した音声データのゲインに設定している。音声データから複数のピークを容易に検出するために、壁に反射した回数が2回までの音声ビームのみを検出できるレベルに閾値を設定する。
また、ピークが十分現れない場合には、SL、SRchについては、角度範囲53、54の中のR(T(θ))の最大値、またはこの角度範囲の中でテスト音声ビームの角度θの真ん中をとり、Lch、Rchについては、角度範囲53、54の範囲外で、R(T(θ))の極大値のうち最も角度範囲53、54に近いものをとるようにする。このように仮にピークが現れない場合でも、この音声ビームの角度の設定では、リスナLに到来する音声の音量が大きくなるような設定角度の方が望ましい。なぜなら、音量が小さいテスト音声ビームのビーム角度θを設定すると、図5で説明したように適切に設定した場合と異なり、リスニングルーム100の中を多数回反射して音声がリスナLに到来することになり、音像定位を損なう恐れがあるからである。また、音声を伝搬する効率を考えると、リスナLの位置で音量が大きくなるテスト音声ビームのビーム角度θを選択した方が効率面で望ましいからである。
次に、図7のフロー図を用いて、以上で説明した音声ビーム設定モードについて説明する。以下のフローでは、マイクセット2がセットされ、自動で設定するモードになったことを前提にしている。このフローは、大きく分けてテスト音声をビーム角度毎に出力して収音信号データを得る測定フロー61と、この測定したデータを処理するデータ処理フロー62と、このデータ処理フローに基づいてマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度の設定を行う角度設定フロー63に分けることができる。
図7の測定フロー61について説明する。このフローでは、ST1〜ST5までの動作を、図5で説明したテスト音声ビームの角度θ毎に行う。ここではテスト音声ビームの角度を2度〜178度まで2度刻みとする。
ST1で、テスト音声ビームの角度θを設定する。
ST2で、このテスト音声ビームの角度θの音声ビームを出力するのに必要な遅延量を記憶部15から読み出す。
ST3で、ST2で読み出した遅延量をビーム形成部111〜115のうちの1つであるビーム形成部111に設定する。
ST4で、ビーム形成部111の入力であるCchにテスト音声を入力する。これにより、角度θの方向に指向性を持たせたテスト音声ビームを生成できる。
ST5で、マイクセット2が収音した2つの収音信号が、A/Dコンバータ18を介してディジタル化された収音信号データをそれぞれ記憶部15に格納する。
図7のデータ処理フロー62について説明する。このフローでは、ST11〜ST13までの動作を記憶部15に格納された前述のテスト音声ビームの角度θ毎のデータについてそれぞれ行う。
ST11で、[数3]に従い−τmax≦τ≦τmaxの範囲での相互相関関数Rab(τ)を求める。
ST12で、相互相関関数Rab(τ)のうちからRab(τ)が最大となるτを求め、この値τをテスト音声ビームのビーム角度θの関数として、T(θ)とする。また、T(θ)の正負を求める。さらに、このτ=T(θ)での相互相関関数Rab(T(θ))をa(t)の測定時間Tnで除算して正規化したR(T(θ))を計算し、T(θ)とセットにして、記憶部15に格納する。
ST13で、ST12で求めた値を格納する。
図7のデータ処理フロー63について説明する。このフローでは、ST11〜ST13までの動作をテスト音声ビームのビーム角度毎について行う。
ST21で、R(θ)の値のうち、中央(θ=90度)付近のピークの最大値となるテスト音声ビームの角度θをCchの音声ビームの角度に設定する。
ST22で、左側(0≦θ≦90度)、右側(90度≦θ≦180度)のうち、T(θ)が負である角度範囲53、54(図6参照。)を求める(この領域をそれぞれ、θL−、θR−とする。)。θL−のうちでR(θ)がピークの値となるテスト音声ビームの角度θをLSchの音声ビームの角度に設定する。また、右側でR(θ)がピークの値となるθをSRchの音声ビームの角度に設定する。
ST23で、T(θ)が正の値の領域のうち、T(θ)が負の値の領域θL−、θR−よりもさらに外側(0≦θ≦min(θL−)、max(θR−)≦θ≦180)の領域でR(θ)がピークの値となるテスト音声ビームのビーム角度θの値を求める。この求めたテスト音声ビームのビーム角度θのうち、0≦θ≦min(θL−)の範囲で最もθがmin(θL−)に近いものをLchのビーム角度に設定する。この求めたテスト音声ビームのビーム角度θのうち右側のθ(90度≦θ≦180度)、即ちmax(θR−)≦θ≦180の範囲で最もθがmax(θR−)に近いものをRchの音声ビームのビーム角度に設定する。
スピーカアレイシステムから5チャンネルの音声ビームを放音させる様子を示す平面図 本発明の実施形態に係るスピーカアレイシステムの概略構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係るスピーカアレイシステムのマイクセットの設置位置と構成例を示す図 スピーカアレイの配置図 マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームに設定するビーム角度の適否を説明するための図 スピーカアレイ装置の音声ビーム設定方法の説明図 スピーカアレイ装置の音声ビーム設定モードのフロー図
符号の説明
1−スピーカアレイシステム、 10−スピーカアレイ装置本体
111〜115−ビーム形成部、 121〜12n−加算器、 13−スピーカアレイ
14−システム制御部、 141−ユーザI/F処理部
142−ビーム制御処理部、 143−測定データ分析処理部
15−記憶部、 16−操作部、 17−表示部、 18−A/Dコンバータ
2−マイクセット、 21−マイク、 22−マイク、 23−支持台、 24−脚
30−スピーカ、 31−遅延部、 331〜33n−ゲイン調整器
41〜46−音声ビーム
51−ピーク、 53−角度範囲、 54−角度範囲
61−測定フロー、 62−データ処理フロー、 63−角度設定フロー
100−リスニングルーム
101−前壁、 102−左壁、 103−後壁、104−右壁
105−仮想Lch、 106−仮想Rch、 107−仮想SLch
108−仮想SRch、 109−映像装置、 L−リスナ

Claims (3)

  1. マトリックス状またはライン状に配置された複数のスピーカを有するスピーカアレイと、
    マルチチャンネルオーディオ信号の各チャンネルの音声信号を入力して、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、前記各チャンネルの信号毎に設定した方向へ指向させた音声ビームを各々生成し、これらの音声ビームを合成した信号を出力するオーディオ信号ビーム出力手段と、
    テスト音声を入力し、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、所定の方向へテスト音声ビームを出力するテスト音声ビーム出力手段と、
    前記テスト音声ビームの水平方向のビーム角度を所定の角度範囲で旋回させるよう前記テスト音声ビーム出力手段に指示するテスト音声ビーム方向指示手段と、
    聴取位置に前後に並べて設置された2本のマイクを含み、前記テスト音声ビームの音声を含む音声を収音して収音信号を記録する収音手段と、
    前記2本のマイクで収音した2つの収音信号の到達時間の先後を前記テスト音声ビームのビーム角度毎に判断して、このビーム角度に対応する音声ビームの到来方向が前記マイクの前方か後方かを判断する前後判断手段と、
    前記テスト音声ビームのビーム角度毎に記録された収音信号中の波高値のピークを複数選択し、該選択したピークに対応するビーム角度を、前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの水平方向のビーム角度の候補として選択する候補選択手段と、
    該候補として選択したビーム角度に対応する前記収音信号について前後判断手段が判断した前後方向と、前記マルチチャンネルオーディオ信号の入力がスピーカ出力を想定する前後方向と、を一致させて、前記選択したビーム角度の候補を前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度として設定する設定手段と、を備えたスピーカアレイ装置。
  2. 前記前後判断手段は、前記ビーム角度それぞれについて前記2本のマイクで収音した収音信号について相互相関関数を算出することにより前記到達時間の先後を判断する請求項1に記載のスピーカアレイ装置。
  3. マトリックス状またはライン状に配置された複数のスピーカを有するスピーカアレイと、
    マルチチャンネルオーディオ信号の各チャンネルの信号を入力して、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、前記各チャンネルの信号毎に設定した方向へ指向させたマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを各々生成し、これらのマルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームを合成した信号を出力するマルチチャンネル音声ビーム出力手段と、を備えたスピーカアレイ装置に対して、
    テスト音声を入力し、前記スピーカアレイの各スピーカに出力するタイミングを制御して、所定の方向へテスト音声ビームを出力するテスト音声ビーム出力ステップと、
    前記テスト音声ビームの水平方向のビーム角度を所定の角度範囲で旋回させるよう前記テスト音声ビーム出力手段に指示するテスト音声ビーム方向指示ステップと、
    聴取位置に前後に並べて設置された2本のマイクを用いて、前記テスト音声ビームのビーム角度毎に、前記テスト音声ビームの音声を収音して収音信号を記録する収音ステップと、
    前記2本のマイクが収音した2つの収音信号の到達時間の先後を前記テスト音声ビームのビーム角度毎に判断して、このビーム角度に対応する前記テスト音声ビームが到来した方向が前記マイクの前方か後方かを判断する前後判断ステップと、
    前記テスト音声ビームのビーム角度毎に記録された収音信号中の波高値のピークを複数選択し、該選択したピークに対応するビーム角度を、前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームの水平方向のビーム角度の候補として選択する候補選択ステップと、
    該候補として選択したビーム角度に対応する前記2つの収音信号について前後判断手段が判断した前後方向と、前記マルチチャンネルオーディオ信号の入力がスピーカ出力を想定する前後方向と、を一致させて、前記選択したビーム角度の候補を前記マルチチャンネルオーディオ信号の音声ビームのビーム角度として設定する設定ステップと、を行うスピーカアレイ装置の音声ビーム設定方法。
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