JP4375992B2 - 流体混合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を混合させる流体混合装置に関するものであって、より詳細には、微量流体の混合処理および搬送処理を実施し得る流体混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、流体の混合処理を行う装置としては、複数の流体を一の容器内に投入して攪拌翼等を用いて攪拌・混合する装置や、複数の流体を合流させ得る流路内に攪拌翼を設けた装置等が知られている。
【0003】
複数の流体を一の容器内にて攪拌・混合する装置は、流体を搬送させる搬送流路の他に、搬送流路の系外に攪拌槽(攪拌翼を有する容器等)を設ける必要がある。そして、流体の混合処理を行う場合には、かかる攪拌槽と搬送流路との間で流体の流入出処理を行わなければならない。したがって、このような装置においては、攪拌槽や流入出処理を行う際のバルブ機構等が必要となると共に、攪拌翼やバルブ機構等を駆動させる動力が必要となるため、装置が複雑となり大型化しやすいという問題があった。
【0004】
また、複数の流体を合流させ得る流路内に攪拌翼を設けた装置は、攪拌槽等を別に設けることなく、流体の攪拌・混合を行うことが可能である。しかしながら、搬送中の流体が旋回流となって混合効率が高まるように、流路内に攪拌翼を設けると、意外と大きな圧力損失を伴うこととなる。また、旋回流には遠心力が発生するため、混合流体に比重差がある場合には、遠心力でこれらが分離される。したがって、攪拌効率を高めるべく旋回流を強化したとしても、流路の中心側に比重が小さい流体が集まり、流路の外周側に比重の重い流体が集まって、逆に混合効率が低下するという問題があった。
【0005】
さらに、流体の混合処理を行う他の装置としては、例えば、複数の流体を合流部位で合流させた後に、かかる合流した流体を一の流路内にて圧送する流体混合装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術にかかる流体混合装置においては、合流部位の下流側の流路内にスタテックミキサが設けられており、合流した流体をこのスタテックミキサに衝突等させることによって、流体の攪拌処理・混合処理が効率的に行われる。かかる装置によれば、流路内には特に回転等しない固定されたスタテックミキサが設けられ、これに流体が衝突することによって混合処理が行われるため、流路内に攪拌翼を設けた場合と比較して、圧力損失を低減させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−153142号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術にかかる装置は、次のような問題を有していた。
【0008】
まず、上記従来技術にかかる装置は、流路内にスタテックミキサを設けるように構成されているため、微量流体を混合する際には適さないという問題があった。つまり、微量流体を搬送する際には小径の搬送路等が用いられるため、その内部にスタテックミキサを設けることができない。また、仮に設けたとしても、圧力損失が大きくなり、適切な搬送処理および混合処理を実施することができないという問題があった。
【0009】
また、上記装置は、スタテックミキサに流体を衝突させることによって混合処理を実施する構成であるため、流路の上流側に流体を圧送するための駆動手段が必要となる。つまり、流路に接続された状態で流体を圧送するポンプ等の駆動手段が常に必要となるため、装置が煩雑化、大型化するという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、比較的簡単な構成に基づき、流体の混合処理および搬送処理を実施可能な流体混合装置を提供することを課題とする。また、本発明は、特に微量流体の混合処理および搬送処理を効果的に実施可能な流体混合装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る流体混合装置は、上記課題を解決するためになされたものであって、複数の流体を導入可能な流体混合搬送路と、前記流体混合搬送路の外部に接触可能に設けられた進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段を駆動させて前記流体混合搬送路の内部に進行波を発生させることによって、前記流体混合搬送路に導入された複数の流体の混合処理および搬送処理を実施し得る流体混合装置において、前記進行波発生手段は、流体混合搬送路の流体の進行方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の圧電素子を備え、複数の圧電素子のうちの1つの圧電素子に対して、前記流体混合搬送路に搬送される流体の進行方向において隣り合う他の圧電素子が、前記流体の進行方向に向かって、流体混合搬送路の右側または左側に位置がずれるように流路外部に取り付けられてなることを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、複数の流体を導入可能な流体混合搬送路と、前記流体混合搬送路の外部に接触可能に設けられた進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段を駆動させて前記流体混合搬送路の内部に進行波を発生させることによって、前記流体混合搬送路に導入された複数の流体の混合処理および搬送処理を実施し得る流体混合装置において、前記流体混合搬送路は、その流路断面が四角形状に構成され、前記進行波発生手段は、流体混合搬送路の流体の進行方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の圧電素子を備え、各圧電素子は、流体混合搬送路の上壁部、右壁部及び左壁部に設けられてなることを特徴としている。
【0013】
また、本発明にかかる流体混合装置においては、前記流体混合搬送路に導入された複数の流体のレイノルズ数を高めるべく、前記複数の圧電素子が設けられている構成が好ましい。なお、「レイノルズ数を高める」ための圧電素子の設け方(圧電素子の大きさ、取付位置、取付間隔、駆動制御状態等)は、特に限定されず、前記流体混合搬送路に導入された流体の混合処理と搬送処理とを適切に実施可能であればよい。
具体的には、例えば、複数の圧電素子をランダムな位置に設けて不安定な状態の進行波を形成させ、かかる進行波によって前記流体混合搬送路に導入された複数の流体のレイノルズ数を高めて、複数流体の混合処理および搬送処理を行う。また、例えば、各圧電素子の設置間隔を不均一な間隔として不安定な状態の進行波を形成させ、導入された複数流体のレイノルズ数を高める。
【0014】
また、本発明にかかる流体混合装置においては、前記圧電素子が個々に制御可能である構成が好ましい。
【0015】
この好ましい構成によれば、前記圧電素子を個々に制御することによって、比較的容易に不安定な状態の進行波を形成可能であるため、効率的な混合処理および搬送処理を実現することができる。また、前記圧電素子を個々に制御することによって、搬送流量および流速等を高精度に調整することが可能となる。
【0016】
また、本発明にかかる流体混合装置においては、一つ以上の前記圧電素子が異なる周波数にて駆動し得るように構成されたことが好ましい。つまり、前記進行波発生手段の駆動時において、全ての圧電素子が同一の周波数にて駆動されるのではなく、一つの以上の圧電素子の周波数を異なるように構成してもよい。
さらに、必要に応じて、一つ以上の圧電素子の周波数が、駆動中において変動し得るように構成されてもよい。
【0017】
この好ましい構成によれば、比較的簡単に不安定な進行波を形成して、混合効率を高めることが可能となる。
【0018】
また、本発明にかかる流体混合装置においては、一つ以上の前記圧電素子が異なる振幅にて駆動し得るように構成されたことが好ましい。つまり、前記進行波発生手段の駆動時において、全ての圧電素子が同一の振幅にて駆動されるのではなく、一つの以上の圧電素子の振幅を異なるように構成してもよい。
さらに、必要に応じて、一つ以上の圧電素子の振幅が、駆動中において変動し得るように構成されてもよい。
【0019】
この好ましい構成によれば、異なる周波数にて駆動させる場合と同様に、比較的簡単に不安定な進行波を形成して、混合効率を高めることが可能となる。
【0020】
また、本発明にかかる流体混合装置においては、前記流体混合搬送路の断面が多角形状を有する構成が好ましい。
【0021】
また、本発明にかかる流体混合装置においては、前記流体混合搬送路に接続された複数の流体搬送路と、各流体搬送路の外部に接触可能に設けられた複数の進行波発生手段とを備え、前記流体搬送路の外部に設けられた前記進行波発生手段を駆動させて前記流体搬送路の内部に進行波を発生させることによって、前記流体搬送路内の流体の搬送処理を実施し得る構成が好ましい。
【0022】
この好ましい構成によれば、前記流体混合搬送路に複数の流体を導入するために用いられる複数の流体搬送路についても、前記進行波発生手段を用いて流体の搬送が行われているため、導入時における流体の流量、流速、振幅、周波数等を適宜制御可能である。つまり、各流体搬送路における流体の流量および流速等を簡単且つ高精度に制御可能であるため、例えば、各流体搬送路を介して導入される複数流体の流速等を同期させず、それぞれ異なる流速等となるように制御可能である。したがって、この好ましい構成によれば、導入時(いわゆる合流点)における各流体の流速等を同期させず不安定な状態とすることが可能となり、流体混合搬送路における流体のレイノルズ数を比較的容易に高め、混合効率を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、流体混合装置の例に係る概略斜視図を示したものである。
この図1に示すように、流体混合装置10は、複数(ここでは二つ)の流体を導入可能な流体混合搬送路11、および流体混合搬送路11の上壁部11aに取り付けられた複数の圧電素子12(第一圧電素子12A〜第七圧電素子12G)から成る進行波発生手段等を用いて構成されている。なお、この複数の圧電素子12には、電圧を供給するための配線等が設けられるが、ここでは図面の複雑化を回避すべく、その記載を省略している。
【0025】
流体混合装置10は、第一流体Q1を流体混合搬送路11側に搬送し得る第一流体搬送路21(本発明の「流体搬送路」に相当)と、第二流体Q2を流体混合搬送路11側に搬送し得る第二流体搬送路22(本発明の「流体搬送路」に相当)とが、合流点31を介して流体混合搬送路11に接続されている。また、流体混合搬送路11および各流体搬送路21,22は、図1に示すように、その流路断面が四角形状を有し、例えば、幅200μm×高さ100μm程度の大きさに形成されている。さらに、流体混合搬送路11は、例えば、シリコンゴム、ガラス等を用いて構成されている。
【0026】
複数の圧電素子12は、図1に示すように、流体混合搬送路11の上壁部11aに取り付けられており、例えば、接着剤等を用いて上壁部11aに固着されている。
ここで、「圧電素子」とは、機械的応力を加えるとその両端に正負の電荷があらわれ、逆に電圧を印加すると応力変化を生ずる素子のことである。圧電素子12としては、例えば、水晶板を用いて構成されたもの、セラミックスを用いて構成されたもの(圧電セラミックス)、あるいはポリフッ化ビニリデン等の高分子膜を用いて構成されたもの等があげられる。
【0027】
以上のように構成された流体混合装置10においては、流体混合搬送路11の上壁部11aに設けられた複数の圧電素子12の駆動状態が、制御手段(図示省略)を用いてそれぞれ適切に制御される。具体的には、各圧電素子12が順番に上壁部11aを振動させるように駆動制御され、上壁部11aがこのように連続的に振動することによって、流体混合搬送路11内部(内壁部)には、進行波が発生することとなる。「進行波」とは、ある方向に進む波のことであって、各圧電素子12を適切に制御し流体混合搬送路11を振動させることによって、流体混合搬送路11内の流体を矢印X方向に進行させるような進行波が作られることとなる。すなわち、複数の圧電素子12により流体混合搬送路11の内壁部に励起された進行波によって、搬送路11内に導入された流体の進行方向(矢印X方向)への流れが誘発されることとなる。
【0028】
上記のような進行波によって、流体混合搬送路11内に導入された流体Q1,Q2の混合処理および搬送処理が行われる。具体的には、進行波によって、流体混合搬送路11内のレイノルズ数を高めると共に、全体としては流体を矢印X方向に搬送させる。つまり、レイノルズ数を高めると共に、流体を矢印X方向に搬送させるように、複数の圧電素子12の配設位置等が定められる。
【0029】
ここで、図2は、流体混合装置の一部の概略側面図を示したものである。ここでは、第一圧電素子12A〜第五圧電素子12Eについての側面図が示されている。
【0030】
図2においては、各圧電素子12A〜12Eの幅L1〜L5、各圧電素子12間の設置間隔L12〜L45、および各圧電素子12A〜12Eの振幅H1〜H5が示されている。流体混合装置10においては、先に説明したように、搬送状態にある流体のレイノルズ数を高めて流体の混合処理を行いつつ、混合流体の搬送処理を行うために、各圧電素子12A〜12Eの幅L1〜L5、各圧電素子12間の設置間隔L12〜L45、および各圧電素子12A〜12Eの振幅H1〜H5が適切に定められる。
【0031】
例えば、各圧電素子12A〜12Eの幅L1〜L5および各圧電素子12間の設置間隔L12〜L45をそれぞれ等しく設定して、個々の圧電素子12に印加される電圧を制御する(異なる電圧を印加すべく制御する)ことにより、各圧電素子12の駆動時における振幅Hを様々な値とすることが可能となるため、不安定な進行波を発生させることができる。このようにして、不安定な進行波が形成されれば、流体混合搬送路11内の流体のレイノルズ数が高まり、複数流体の混合処理を効率よく行うことができる。
また、例えば、各圧電素子12A〜12Eの幅L1〜L5および各圧電素子12間の設置間隔L12〜L45の少なくとも一方をそれぞれ異なる値となるように設定した状態で、各圧電素子12を駆動させても(同一の条件、あるいは異なる条件で駆動させても)、不安定な進行波を発生させることができ、上記と同様に複数流体の混合処理を効率よく行うことが可能となる。
さらに、各圧電素子12の周波数が異なるように駆動制御した場合であっても、不安定な進行波を発生させることが可能となるため、上記と同様に複数流体の混合処理を効率よく行うことができる。
【0032】
以上のように構成された流体混合装置10を成す流体混合搬送路11に第一流体搬送路21および第二流体搬送路22が接続され、それぞれの流体搬送路21,22を介して導入された流体Q1,Q2が、流体混合装置10内で発生した進行波によって混合され、混合流体Q3が矢印X方向に搬送されることとなる。すなわち、流体混合搬送路11中に特に攪拌翼やスタテックミキサ等を設けることなく、進行波を用いることによって、複数流体の混合処理および搬送処理を実現することができる。
【0033】
また、流体混合装置10は、より具体的には、次のような効果を得ることができる。
【0034】
複数流体の混合処理が行われる流体混合搬送路11に沿って、ポンプ機能を有する圧電素子12(進行波発生手段)が設けられている。そして、この圧電素子12の大きさ、設置間隔、および駆動条件(周波数、振幅等)を適宜調整することによって、流体混合搬送路11内の流体の混合処理と共に搬送処理を行うことができる。
つまり、流体混合手段と流体搬送手段とを兼ねた圧電素子12を用いて流体混合装置10が構成されているため、限られた空間を有効利用しつつ、比較的簡単な構成に基づき、流体の混合処理および搬送処理を実施可能な流体混合装置10を得ることができる。
【0035】
また、流体を搬送する流路(流体混合搬送路11)そのものに、駆動手段である圧電素子12を付加して流体混合装置が構成されているため、比較的自由に装置をレイアウトすることができる。搬送路と別に駆動手段を有するものや、搬送路内に攪拌翼等を有するものは、通常それらを設ける部位が搬送路よりも大きな領域を必要とするため、この例ほど自由なレイアウトを行うことができない。
【0036】
さらに、流体混合搬送路11に設けられた複数の圧電素子12を別個独立に制御可能である。したがって、この流体混合装置10によれば、搬送流体の流量、流速、および混合状態は、印加電圧の振幅や周波数を調整することによって、簡単に且つ高精度に制御することができる。
また、流体の搬送方向についても、印加される電圧の位相を調整することによって、容易に選択可能である。
さらに、印加される電圧を調整することによって、特にバルブ等を設けることなく、流体の搬送状態(定常流通、間欠流通、停止等)についても簡単に制御することができる。
【0037】
次に、図3は、本発明の一実施形態にかかる流体混合装置の概略斜視図を示したものである。以下、図1、図2の例と異なる部分について主に説明する。
【0038】
本実施形態にかかる流体混合装置40は、図3に示すように、複数(ここでは二つ)の流体を導入可能な流体混合搬送路41、および流体混合搬送路41の上壁部41a、右壁部41b、および左壁部41cに取り付けられた複数の圧電素子42(第一圧電素子42A〜第七圧電素子42G)から成る進行波発生手段等を用いて構成されている。ここで、「右」および「左」とは、流体(混合流体Q3)の進行方向に向かって右側および左側をいう。
なお、図1、図2の例の場合と同様に、本実施形態においても、複数の圧電素子42には、電圧を供給するための配線等が設けられるが、ここでは図面の複雑化を回避すべく、その記載を省略している。
【0039】
本実施形態にかかる流体混合装置40は、図3に示したように、基本的には図1、図2の例と同様の要素(流体混合搬送路および進行波発生手段)を用いて構成されているが、進行波発生手段を成す圧電素子42の配設位置が図1、図2の例とは異なる。
【0040】
図1、図2の例においては流体混合搬送路の上壁部にのみ圧電素子が設けられていたが、本実施形態においては、上壁部41aのみならず、右壁部41bおよび左壁部41cにも圧電素子42が設けられている。よって、本実施形態によれば、先に説明した図1、図2の例の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。
【0041】
すなわち、本実施形態によれば、流体混合搬送路41の三方からの振動によって、流体が混合、搬送される。つまり、搬送される混合流体Q3に対しては三方からの「波」が作用することとなるため、搬送流体のレイノルズ数がより高まり、混合流体Q3の混合状態を促進することができる。したがって、本実施形態によれば、より混合効率が良好な流体混合装置40を得ることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、複数の流体Q1,Q2が一つの合流点31にて合流して流体混合搬送路11,41に導入される構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、流体混合搬送路に複数の合流点が設けられ、それらの各合流点から一つ以上の流体が導入されるべく構成されてもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、流体混合搬送路11,41にて二つの流体Q1,Q2を混合処理する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、三つ以上の流体を混合すべく構成してもよい。具体的には、流体混合搬送路に対して三つ以上の流体が導入可能なように、流体混合搬送路に対して三つ以上の流体搬送路を接続すればよい。もちろん、このように三つ以上の流体を混合させる場合には、一つの合流点で混合させても、また複数の合流点を介して混合させてもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態においては、各流体搬送路21,22内を流通する流体の搬送手段については特に説明しなかったが、本発明においては搬送手段を特に限定しない。したがって、例えば、流体混合搬送路11,41内の流体を搬送させる進行波発生手段(圧電素子12,42)の駆動力によって、各流体搬送路21,22内の流体を流体混合搬送路11,41内に導入するように構成してもよい。
【0046】
また、例えば、各流体搬送路についても流体混合搬送路に設けられているような進行波発生手段(複数の圧電素子)を設けてもよい。各流体搬送路について進行波発生手段を設ければ、流量調整、混合比率の調整等をより確実に行うことができる。
つまり、このように各流体搬送路に複数の圧電素子を設ける構成であれば、各流体搬送路における流体の速度および流量等を簡単且つ高精度に制御可能であるため、例えば、各流体搬送路を介して導入される流体の速度を同期させず、それぞれ異なる速度となるように制御可能である。また、各搬送路における進行波の振幅や周波数も適宜異なるように設定可能である。
このように、導入時(いわゆる合流点)の各流体の速度等を同期させず不安定な状態とすれば、流体混合搬送路における流体のレイノルズ数がより高まり、混合効率を高めることが可能となる。
【0047】
さらに、上記実施形態においては、搬送路の断面がそれぞれ四角形状である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、三角形状、五角形状、八角形状等の多角形状、あるいは円形状、楕円形状等であってもよい。
例えば、断面が八角形状を有する搬送路であれば、設置面以外に七つの平面部を有するため、安定して圧電素子を設置可能な面の選択肢が広がる。したがって、多角形状の断面を有する搬送路を用いれば、圧電素子の設置個所を適宜調整して、よりレイノルズ数を高める構成を選択可能な流体混合装置を得ることができる。
【0048】
また、上記実施形態においては、搬送路の設置面以外に圧電素子を設ける構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、搬送路と設置面との間に圧電素子を介在させるような構成としてもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態においては、流体混合搬送路に進行波発生手段たる圧電素子を複数固着して流体混合装置が構成される場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、複数の流体を導入可能な搬送路とその搬送路の外部に設けられた進行波発生手段とを有するものであれば、どのような構成であってもよい。
したがって、例えば、流体混合搬送路と進行波発生手段(複数の圧電素子部)とを半導体製造技術で別々に作製し、これらを張り合わせることによって流体混合装置を構成してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる流体混合装置によれば、比較的簡単な構成に基づき、流体の混合処理および搬送処理を実施可能な流体混合装置を得ることができる。また、特に微量流体の混合処理および搬送処理を効果的に実施可能な流体混合装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体混合装置の例に係る概略斜視図を示したものである。
【図2】流体混合装置の一部の例に係る概略側面図を示したものである。
【図3】本発明の一実施形態にかかる流体混合装置の概略斜視図を示したものである。
【符号の説明】
10,40…流体混合装置、11,41…流体混合搬送路、12,42…圧電素子、21…第一流体搬送路、22…第二流体搬送路、31…合流点
Claims (8)
- 複数の流体を導入可能な流体混合搬送路と、前記流体混合搬送路の外部に接触可能に設けられた進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段を駆動させて前記流体混合搬送路の内部に進行波を発生させることによって、前記流体混合搬送路に導入された複数の流体の混合処理および搬送処理を実施し得る流体混合装置において、
前記進行波発生手段は、流体混合搬送路の流体の進行方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の圧電素子を備え、複数の圧電素子のうちの1つの圧電素子に対して、前記流体混合搬送路に搬送される流体の進行方向において隣り合う他の圧電素子が、前記流体の進行方向に向かって、流体混合搬送路の右側または左側に位置がずれるように流路外部に取り付けられてなる
ことを特徴とする流体混合装置。 - 複数の流体を導入可能な流体混合搬送路と、前記流体混合搬送路の外部に接触可能に設けられた進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段を駆動させて前記流体混合搬送路の内部に進行波を発生させることによって、前記流体混合搬送路に導入された複数の流体の混合処理および搬送処理を実施し得る流体混合装置において、
前記流体混合搬送路は、その流路断面が四角形状に構成され、
前記進行波発生手段は、流体混合搬送路の流体の進行方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の圧電素子を備え、各圧電素子は、流体混合搬送路の上壁部、右壁部及び左壁部に設けられてなる
ことを特徴とする流体混合装置。 - 前記流体混合搬送路に導入された複数の流体のレイノルズ数を高めるべく、前記複数の圧電素子が設けられている
請求項1または2に記載の流体混合装置。 - 前記圧電素子が個々に制御可能である
請求項1から3のいずれか1項に記載の流体混合装置。 - 一つ以上の前記圧電素子が異なる周波数にて駆動し得るように構成された
請求項1から4のいずれか1項に記載の流体混合装置。 - 一つ以上の前記圧電素子が異なる振幅にて駆動し得るように構成された
請求項1から5のいずれか1項に記載の流体混合装置。 - 前記流体混合搬送路の断面が多角形状を有する
請求項1に記載の流体混合装置。 - 前記流体混合搬送路に接続された複数の流体搬送路と、各流体搬送路の外部に接触可能に設けられた複数の進行波発生手段とを備え、
前記流体搬送路の外部に設けられた前記進行波発生手段を駆動させて前記流体搬送路の内部に進行波を発生させることによって、前記流体搬送路内の流体の搬送処理を実施し得る
請求項1から7のいずれか1項に記載の流体混合装置。
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