JP4376332B2 - 金属イオン及び塩素による液体の殺菌殺藻装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽、池、噴水、プール、水槽等の水施設に水を還流させる水路の途中にイオン発生器を設け、そのイオン発生器で発生させた金属イオンで水施設の水を殺菌、殺藻する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴槽、池、噴水、プール、水槽等の水施設に所定量の水を還流させる流路の途中に複数の金属板を備えた金属イオンの発生器を設け、当該金属板を電解して金属イオンを発生させ、その金属イオン、特に銀イオンや銅イオン等により前記水施設の水を殺菌若しくは殺藻を行う殺菌殺藻装置が知られている(例えば実開平2−66294号)。
この金属イオンを利用した殺菌殺藻装置は、殺菌力、殺藻力に優れ、安価で利用しやすく利点が多い等近年は広く採用されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記水槽等の水の汚れがひどい場合には、銀イオンの殺菌力、銅イオンの殺藻力にも限界があるので、それらの水を殺菌浄化するためには長時間要していた。そこで、塩素系薬剤(次亜塩素酸ナトリウム等)を前記水施設に添加し、金属イオンによる触媒作用により、殺菌殺藻力を増強する必要があった。その結果、コスト高になり、また、作業が煩雑であった。さらに、塩素系薬剤を水施設に添加することにより、温泉湯質が変化したり、濾過循環設備が酸化腐食して、その寿命(耐久性)が短くなったり、あるいは水施設の利用者に塩素臭さや目、皮膚、鼻喉等への刺激等の不快感を与えるといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記欠点に鑑みてなされたもので、人体等に有害な影響を及ぼす塩素系薬剤を一切使用することなく、金属イオンと比較的少量の塩素との相乗効果により、簡易かつ安全で、しかも極めて高い殺菌、殺藻効果を発揮させることができるようにした液体の殺菌殺藻装置及び方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る金属イオン及び塩素による液体の殺菌殺藻装置は、水施設に所要濃度の塩分を含む水を環流させる流路の途中に、所定の間隔をおいて互いに対向するように配設した複数枚の金属板を有するイオン・塩素発生器を設け、電源部からの電力によりその金属板を電解させ、それにより生じた金属イオン及び塩素を前記流路を通して水施設に送出し該水施設の水の殺菌殺藻を行う殺菌殺藻装置であって、前記金属板が1枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とから成り、該2枚のチタン極板が、前記1枚の極板を挟んだ両側に該1枚の極板と対向するようにそれぞれ配設されていることを特徴としている。
【0006】
また、前記金属板は、複数枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とから成り、該2枚のチタン極板が、前記複数枚の極板のうち最も外側に配設された2枚の極板の外側面と対向するようにそれぞれ配設されてもよい。
【0007】
さらに、本発明に係る液体の殺菌殺藻方法は、1枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とを有し、該2枚のチタン極板が、前記1枚の極板を挟んだ両側に該1枚の極板と対向するようにそれぞれ配設されているイオン・塩素発生器を、水施設に所要濃度の塩分を含む水を環流させる流路の途中に設け、電源部からの電力によりそれらの極板を電解させ、それにより生じた金属イオン及び塩素を前記流路を通して水施設に送出し該水施設の水の殺菌殺藻を行うことを特徴としている。
【0008】
また、前記方法の発明に用いるイオン・塩素発生器は、所定の間隔を置いて互いに対向するように配設された、複数枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とを有し、該2枚のチタン極板が、前記複数枚の極板のうち最も外側に配設された2枚の極板の外側面と対向するようにそれぞれ配設されている構成としてもよい。
【0009】
【作用】
本発明は、上記の如き構成を有するので、塩分を含んだ水の中に上記イオン・塩素発生器を配設し、上記金属極板に通電すると、金属イオン及び塩素が発生し、金属イオンの触媒作用と相まって、極めて高い殺菌殺藻力を発生させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る殺菌殺藻装置は、主としてイオン・塩素発生器16と電源装置17とからなり、図1、2(A)、(B)、3(A)、(B)はイオン・塩素発生器の一例の詳細図で、このうち図1は、イオン・塩素発生器16の要部の斜視図、図2(A)は外観概略図の正面図、図2(B)は同側面図、図3(A)、(B)は要部の概略側面図である。
これらの図において1は中空の略有底短筒状をしたケーシング、1aはそのケーシング1の一側面に設けた水の吸入口、1bは吸入口1aの対向面に設けた水の吐出口である。
2はケーシング1内に水平に保持された水平板で、この水平板2には複数の係合穴2aが形成されていて、その大きさはボルト3の一端部に形成されたねじ3aを挿通できる大きさとする。
【0011】
4、5は金属板で、このうち4は銀極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板で(以下金属極板4という)図示例では略縦長の長方形に形成され、その一端にねじ穴4aが穿設されており、このねじ穴4aに前記ボルト3の一端3b(下端側)を螺合して取り付ける一方、他端側3a(上端側)は前記水平板2の係合穴2aに差し込んで水平板2の上側からナット6で緊締する。
また、5は高度の耐触性を有するチタン極板で(以下チタン極板5という)、図示例では前記金属極板4の厚さより半分以下の厚さに薄く形成されており、不溶解性、耐久性及び電解水質の安全性等を向上させるため、白金(その他イリジウム、パラジウム、ロジウムなどの白金族)によりコーティング(めっきあるいは焼成)されている。なお、白金のコーティング厚は、1〜5μmにするのが一般的である。このチタン極板5の一端は直角に折り曲げ加工され、ねじ穴5aに前記ボルト3の一端3b(下端側)を差し込んで下側からナット6で緊締する。また、ボルト3の他端側3a(上端側)は前記水平板2の係合穴2aに差し込んで水平板2の上側からナット6で緊締する。
なお、金属極板4、チタン極板5は図示の形状に限定されず、その他の四角形、丸、三角等形状は任意である。
このように取り付けられたチタン極板5は、通常2枚で用いられるのに対し、金属極板4は1枚でも複数枚であっても良い。金属極板4が1枚である場合には、図3(A)に示すように、2枚のチタン極板5が金属極板4を挟み、該金属極板4の両側の面4b、4bと対向するようにそれぞれ吊り下げられて配設される。
また、図1や図3(B)に示すように、金属極板4が複数枚である場合(図1では2枚、図3(B)では3枚として例示している)には、金属極板4は連続して並設されるとともに、チタン極板5がそのように配設された金属極板4のうち最も外側に配設された2枚の金属極板4の外側面4b、4bと対向するように配設される。
【0012】
次に、電源装置17は、イオン・塩素発生器16に電気を供給するもので、作動時間、陽極と陰極との切り替え、電気量等を制御する機能を合わせて持っている。
【0013】
図4は本発明に係る殺菌殺藻装置が実施される水循環システムを示した概略図である。このうち11は池、プール、水槽等の水施設、12はその水施設11に水を供給する濾過器、タンク、上水道等の水供給源、13はその水供給源12と、水施設11をつなぎ、所定の水量が流れるようにした流路である。そして、該流路13の途中に各種バルブ15(バイパスバルブ15a、ドレインバルブ15b)を介してイオン・塩素発生器16が設けられている。また、当該イオン・塩素発生器は出力ケーブル18を介して電源装置17と接続されている。
この水循環システムを循環する水には、塩素を発生させるのに必要な塩化ナトリウム(食塩)が添加されている。水に含まれる塩分濃度は比較的低くてよいが、その数値は、具体的には、水施設の種類や水量の大小等により相対的に決定される。
【0014】
そして、この塩分を含む水が水供給源12から流路13を介して吸入口1aを通してイオン・塩素発生器16内に供給され、前記チタン極板5を陽極とし、それと対向する金属極板4を陰極として通電すると、当該チタン極板5と当該金属極板4との間では塩化ナトリウムが電気分解され塩素(次亜塩素酸)が発生し、その他の金属極板4相互の間では銀又は銅若しくは銅銀の金属イオンが発生する。一方、チタン極板5を陰極とし、それと対向する金属極板4を陽極として通電すると、当該チタン極板5と当該金属極板4との間及びその他の金属極板4相互の間で前記金属イオンが発生する。この陽極と、陰極との切り替えは、所定の時間間隔を置いて、自動で切り替わるように電源装置17で設定しておく。また、すべての金属板が塩素又は金属イオンを常に供給できるように、金属極板4、チタン極板5は、それぞれとなり合う極板同士が同極にならない(たとえば陰極、陰極と続かない)ようにする。そして、この陽極から陰極への切り替えと陰極から陽極への切り替えを1サイクルとし、例えば1時間で数サイクルの工程を行えるように設定することで、安定した金属イオン及び塩素を含む水(以下電解水という)を供給することができる。
【0015】
このようにして作られた電解水は、吐出口1bから流路13を介して水施設11へ送らる。そして水施設11において、水の殺菌殺藻が行なわれる。また、上記水施設11にはドレーン19や排水口20が設けられていて、そこから一部はヘアーストレーナー21、循環ポンプ22等を介して噴水23に利用されたり、あるいは別のヘアーストレーナー24、循環ポンプ25等を介して濾過器12へ送り、その濾過器12で濾過された水が再び流路13を通して水施設11へ送られて、循環されるようになっている。
【0016】
ここで、前記電解水は、金属イオンの触媒作用によって、塩素との相乗効果が生じるので、従来の金属イオンのみを利用する水施設の殺菌殺藻装置に比べて約10倍から1000倍の極めて高い殺菌殺藻効果を奏することができる。また、塩素系薬剤の使用が不要となるのに加え、前記電解工程を経て形成された電解水に含まれる塩素は、塩素系薬剤を用いた場合と比べて約1/10から1/50程度の残留塩素濃度で同等の殺菌殺藻力を有するので、塩素系薬剤に比べ発生させる塩素の量も少量で済むことから、上述した塩素系薬剤を用いた場合に生じるような弊害の発生を抑制することができる。さらに、当該電解水に含まれる塩素は、水施設の殺菌殺藻を行った後は、短時間で活性を失い、低濃度の溶解塩に戻る。従って、還流する水に一旦塩化ナトリウムが添加されれば、長時間塩化ナトリウムを再添加する必要はないので、手数及びコストの面で効率的であり、また利用者にとっても安全でかつ環境にもやさしい。また、水施設の汚れの状況により、殺菌殺藻力を増強又は低減したい場合には、電源装置17において電流量を調整し、金属極板4、チタン極板5及び塩化ナトリウムの電解量を調節することで金属イオン及び塩素の発生量を増減することができるので、水の殺菌殺藻を効率的かつ極めて容易に行うことができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、所要濃度の塩分を含んだ水の中にイオン・塩素発生器を配設し、複数枚の金属板に陽極と陰極とをそれぞれ切り換えながら通電することにより、銀等の金属イオンに加え、塩素が発生することになり、金属イオンの触媒作用によって、塩素との相乗効果が生じるので、金属イオンのみで水を殺菌処理する場合に比べて約10倍から1000倍の極めて高い殺菌殺藻効果を奏することができる。
【0018】
また、本発明によれば、塩素系薬剤を用いることなく格段と優れた水施設の水の殺菌殺藻効果が得られ、しかも電源装置によって電流量を調節するだけで、金属イオン・塩素の量を調整することができるので、使用方法が簡易であるとともにコストの低減が図られ、また水施設に水を環流させるシステム自体の耐久性を向上させるとともに、人体に安全で快適な水施設を利用者に供給することができる。
【0019】
さらに、チタン極板は白金によりコーティングされているので耐久性があり、長期間の使用により白金コーティングが薄れてきた場合には、再び白金コーティングすれば何度でも使用できるので、経済的であり、またリサイクル使用できるので資源の有効利用、ひいては環境保護にも貢献できる。
【0020】
また、銀又は銅若しくは銅銀合金極板が複数枚ある時は、それらのうち最も外側に配設された2枚の極板の外側面もチタン極板との電解作用により溶解するので、それらの極板の内側面と外側面とが均等に消耗し、効率のよい利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る殺菌殺藻装置におけるイオン・塩素発生器16の要部の斜視図である。
【図2】図2(A)はイオン・塩素発生器の外観概略図の正面図、図2(B)は同側面図である。
【図3】図3は(A)は、銀又は銅若しくは銅銀合金極板が1枚であるとき、図3(B)は、銀又は銅若しくは銅銀合金極板が複数枚(3枚)であるときのイオン・塩素発生器の要部の概略側面図である。
【図4】図4は本発明に係る殺菌殺藻装置が実施される水循環システムを示した概略図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 水平板
2a 係合穴
3 ボルト
3a・3b ねじ部
4 銀極板又は銅極板若しくは銅銀合金極板
5 チタン極板
6 ナット
11 水施設
12 水供給源
13 流路
14 殺菌殺藻装置
16 イオン・塩素発生器
17 電源装置
Claims (4)
- 水施設に所要濃度の塩分を含む水を環流させる流路の途中に、所定の間隔をおいて互いに対向するように配設した複数枚の金属板を有するイオン・塩素発生器を設け、電源部からの電力によりその金属板を電解させ、それにより生じた金属イオン及び塩素を前記流路を通して水施設に送出し該水施設の水の殺菌殺藻を行う殺菌殺藻装置であって、前記金属板が1枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とから成り、該2枚のチタン極板が、前記1枚の極板を挟んだ両側に該1枚の極板と対向するようにそれぞれ配設されていることを特徴とする金属イオンび塩素による液体の殺菌殺藻装置。
- 水施設に所要濃度の塩分を含む水を環流させる流路の途中に、所定の間隔をおいて互いに対向するように配設した複数枚の金属板を有するイオン・塩素発生器を設け、電源部からの電力によりその金属板を電解させ、それにより生じた金属イオン及び塩素を前記流路を通して水施設に送出し該水施設の水の殺菌殺藻を行う殺菌殺藻装置であって、前記金属板が、複数枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とから成り、該2枚のチタン極板が、前記複数枚の極板のうち最も外側に配設された2枚の極板の外側面と対向するようにそれぞれ配設されていることを特徴とする金属イオンび塩素による液体の殺菌殺藻装置。
- 1枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とを有し、該2枚のチタン極板が、前記1枚の極板を挟んだ両側に該1枚の極板と対向するようにそれぞれ配設されているイオン・塩素発生器を、水施設に所要濃度の塩分を含む水を環流させる流路の途中に設け、電源部からの電力によりそれらの極板を電解させ、それにより生じた金属イオン及び塩素を前記流路を通して水施設に送出し該水施設の水の殺菌殺藻を行うことを特徴とする液体の殺菌殺藻方法。
- 所定の間隔を置いて互いに対向するように配設された、複数枚の銅極板又は銀極板若しくは銅銀合金極板と、白金をコーティングした2枚のチタン極板とを有し、該2枚のチタン極板が、前記複数枚の極板のうち最も外側に配設された2枚の極板の外側面と対向するようにそれぞれ配設されているイオン・塩素発生器を、水施設に所要濃度の塩分を含む水を環流させる流路の途中に設け、電源部からの電力によりそれらの極板を電解させ、それにより生じた金属イオン及び塩素を前記流路を通して水施設に送出し該水施設の水の殺菌殺藻を行うことを特徴とする液体の殺菌殺藻方法。
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