JP4382929B2 - 相対回転角度検出装置の測定回路 - Google Patents

相対回転角度検出装置の測定回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1及び第2のロータの相対回転角度を測定する相対回転角度検出装置の測定回路に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
従来、この種の相対回転角度検出装置の測定回路では、図8に示すように、励磁コイル1は、図示しない固定コアに設けられて交流電流が流されており、第1及び第2のロータの相対回転角度によってコイルのインピーダンスが変化している。また、励磁コイル1は、発振回路2と電気的に接続されており、発振回路2の発振周波数は、励磁コイル1のインピーダンスの変化に応じて変動している。そこで、前記測定回路では、発振回路2から発振されるパルス信号をパルスカウンタ3でカウントし、前記発振周波数を検出することで、第1のロータと第2のロータの相対回転角度を測定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記測定回路では、例えばコイルのインピーダンス変化に対して、発振回路2の発振周波数は、98kHz〜108kHzの範囲で変動しており、通常5msの時間内で発振パルス信号をパルスカウントする分解能でパルス数を測定していた。このため、前記測定回路を例えば車両のステアリングシャフトに作用するトルクを検出するために使用すると、パルスカウンタ3でのパルスカウントに時間がかかって応答性が悪くなるという問題点があった。例えば前記分解能で発振回路2の発振周波数が100kHzから105kHzに変動する場合、パルス数は、500パルスから525パルスの変動、すなわち25パルスの変動分で測定されることとなる。
【0004】
また、前記測定回路では、応答性を良くするためにパルスカウンタ3でのパルスカウント時間を短くすると、パルス数の変動分が少なくなって分解能がおち、発振周波数変動の検出が難しくなるという問題点があった。
本発明は、前記問題点に鑑みなされたもので、相対回転角度測定の分解能が高く、かつ応答性が向上できる相対回転角度検出装置の測定回路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、絶縁磁性材から形成される第1のロータ、コア本体と、交流電流が流され、前記絶縁磁性材と協働して磁気回路を形成する励磁コイルとを有する固定コア、前記第1のロータと前記固定コアとの間に配置される第2のロータを有し、前記第1及び第2のロータの相対回転角度を測定する相対回転角度検出装置において、特定周波数の発振信号を発振する発振手段と、前記第2のロータに発生する渦電流の大きさに応じて、前記発振信号の位相をシフトする位相シフト手段と、前記シフトされた発振信号の位相シフト量を検出するシフト量検出手段と、前記検出された位相シフト量に基づいて相対回転角度を測定する測定手段とを備えた相対回転角度検出装置の測定回路が提供される。
【0006】
すなわち、第2ロータに発生する渦電流の大きさに応じて、磁気回路を形成する励磁コイルに印加される発振パルス信号の位相シフトを検出し、前記検出された位相シフト量と相対回転角度の関係から、第1ロータと第2ロータの相対回転角度を測定する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る相対回転角度検出装置の測定回路の一実施形態を図1乃至図7の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る相対回転角度測定装置の測定回路の一実施形態を示す回路図であり、前記測定回路は、本発明の発振手段を構成し、特定周波数の発振信号であるパルス信号を発振する発振器21と、前記パルス信号のシフトレベルを調整するレベル調整部22と、本発明の位相シフト手段を構成し、後述する第2のロータに発生する渦電流の大きさに応じて、前記パルス信号の位相をシフトする位相シフト部23と、本発明のシフト量検出手段を構成し、前記シフトされたパルス信号の位相シフト量を検出するシフト量検出部24と、本発明の測定手段を構成し、前記検出された位相シフト量に基づいて相対回転角度を測定する相対回転角度測定部25とを有して構成される。
【0008】
発振器21は、インバータ22aを介して、図2の(a)に示すような波形の特定周波数のパルス信号をレベル調整部22及びシフト量検出部24に出力している。
レベル調整部22は、2つのインバータ22a,22dと、前記インバータの間に直列接続された可変抵抗22bと抵抗22cと、一端が抵抗22cとインバータ22d間に接続されるとともに他端が接地されるコンデンサ22eとから構成される。可変抵抗22b、抵抗22c及びコンデンサ22eは、位相シフト部23の前段に設けられた位相シフト回路を形成する。前記位相シフト回路では、可変抵抗22bの調整により、予めパルス信号の位相シフト量を調整する。例えば、本実施形態においては、2つのロータの相対回転の−8°〜+8°が測定できるように設けられており、相対回転は0°の場合の出力信号を一定のレベルまで調整する必要がある。このレベル調整部22はそのために設けられたものである。
【0009】
位相シフト部23は、直列接続された抵抗23aと本発明の励磁コイル23bとインバータ23cと、一端が励磁コイル23bとインバータ23c間に接続されるとともに他端が接地されるコンデンサ23dとから構成される。励磁コイル23bは、後述する固定コアに巻回されて交流電流が流され、第1ロータと協働して磁気回路を形成している。位相シフト部23は、第2ロータに発生する渦電流の大きさに応じて、レベル調整部22から入力するパルス信号の位相をシフトする。すなわち、抵抗23aの電気抵抗をR、励磁コイル23bのインダクタンスをL、コンデンサ23dのキャパシタをC、渦電流をie、測定回路の構造で決まる相互インピーダンスをM、位相シフト部23への入力電流をiとすると、レベル調整部22からの入力電圧Vinは、
Vin=i・R+i・jωL−ie・jωM+i(1/jωC)
となり、渦電流ieの変化によってVinとiの位相シフト角度が変化する。すなわち、位相シフト部23からの出力電圧Voutとiの位相ずれは、90度で固定なので、渦電流ieの変化によってVinとVoutの位相シフト角度が変化することとなる。従って、レベル調整部22におけるインバータ22aの出力であるA地点におけるパルス信号の波形と、インバータ23cの出力であるB地点におけるパルス信号の波形(図2(b)参照)とを比較することによって、パルス信号の位相シフト量(本実施形態では位相シフト角度で表す)を検出することができる。
【0010】
シフト量検出部24は、入力端子がインバータ22a、23cとそれぞれ接続された排他的OR(Exclusive OR)24aと、排他的OR24aの出力端子に接続された抵抗24bと、一端が抵抗24bと相対回転角度測定部25間に接続されるとともに他端が接地されるコンデンサ24cとから構成される。排他的OR24aは、発振器21からのパルス信号、すなわち入力電圧Vinと、位相シフト部23でシフトされたパルス信号、すなわち出力電圧Voutを排他的OR演算を行って位相シフト角度を求める。前記求めた位相シフト角度は、図2(c)に示すように、C地点におけるパルス信号の幅として検出される。すなわち、このC地点におけるパルス信号は、A地点とB地点とのパルス信号の位相ずれ量を表している。抵抗24bとコンデンサ24cはローパスフィルタを構成し、C地点におけるパルス信号は、前記両ロータの相対回転に比例する直流信号に変換され(図2(d)参照)、相対回転角度測定部25に入力される。
【0011】
相対回転角度測定部25では、例えば図3の関係図に示すように、位相シフト角度と両ロータの相対回転角度の関係が予め設定されており、シフト量検出部24から入力する位相シフト角度から相対回転角度を求めることができる。
次に、図1に示した測定回路を使用する相対回転角度検出装置の一実施形態を説明する。相対回転角度検出装置(以下、「検出装置」という)10は、図4及び図5に示すように、第1ロータ11、第2ロータ12及び固定コア13を備え、相対回転する第1シャフト5aと第2シャフト5cの相対回転角度を検出する。前記検出装置は、変換ジョイント(トーションバー)5bによって回転トルクを主動シャフトから従動シャフトへ伝達することで自動車のハンドルシャフトの回転トルクを検出する場合等に用いられ、主動シャフト(例えば第1シャフト5a)と従動シャフト(例えば第2シャフト5c)の相対回転角度は±8°の範囲で変化する。
【0012】
第1ロータ11は、第1シャフト5aが貫通する部分を除いて有底の円筒状に成形され、回転する第1シャフト5aの軸線方向所定位置に取り付けられる。第1ロータ11は、絶縁磁性部材からなり、外周部には斜視図で示す図4から明らかなように円筒方向に6つの切欠き11aが等間隔で形成されるとともに、各切欠き間に6つの歯11bが等間隔で形成されている。
【0013】
固定コア13は、図7に示すように、第1ロータ11と半径方向にギャップGをおいてハンドルシャフト近傍に位置する固定部材(図示せず)に固定され、絶縁磁性材からなるコア本体13aと、第1ロータ11と協働して磁気回路を形成する励磁コイル23b(図1参照)とを有している。励磁コイル23bは、外部へ延出させた電線13b(図6参照)によって外部の電流供給手段から交流電流が供給されている。
【0014】
第2ロータ12は、第2シャフト5cが貫通する部分を除いて有底の円筒状に成形され、第2シャフト5cの軸線方向所定位置に取り付けられる。第2ロータ12は、導電性部材からなり全体が導体部を形成しており、外周部には図4から明らかなように第1ロータ11と同様に、6つの切欠き12aが等間隔で形成されるとともに、各切欠き間に6つの歯12bが等間隔で形成されている。
【0015】
第2ロータ12は、第1ロータ11に隣接し、第1シャフト5aに対して相対回転する第2シャフト5cに取り付けられ、複数の歯12bは、図5に示すように第1ロータ11と固定コア13との間に配置される。
以上のように構成される検出装置10は、第1ロータ11を第1シャフト5aに、第2ロータ12を第2シャフトに、それぞれ取り付けるとともに、固定コア13を前記固定部材に固定して組み立てられる。
【0016】
そして、組み立てられた検出装置10においては、励磁コイル23bを流れる交流電流による磁束が、図7に示す磁気回路に沿って流れる。そして、第1ロータ11の歯11bと固定コア13間のギャップは小さくなるため、実効透磁率が大きくなり、磁界領域Aの磁束密度が大きくなる。逆に第1ロータ11の切欠き11aと固定コア13間のギャップは大きくなるため、実効透磁率が小さくなり、磁界領域Bの磁束密度が小さくなる(図6参照)。
【0017】
このため、検出装置10においては、第1ロータ11と固定コア13との間に形成されるギャップG内に、磁束密度が大きい磁界領域Aと、磁束密度が小さい磁界領域Bとが周方向に交互に形成される。この結果、検出装置10は、第1ロータ11と固定コア13との間のギャップG内に、間隔が中心角を60°とする不均一な磁界が周方向に形成される。
【0018】
従って、第1ロータ11が第1シャフト5aと共に固定コア13に対して相対回転すると、前記不均一な磁界も第1ロータと共に周方向に沿って回転する。このため、ギャップGでは、中心角60°間隔で周方向に形成された第2ロータの歯12bがこの不均一な磁界を横切り、その際第1ロータ11と第2ロータ12との相対回転によって前記歯12bが、磁束密度が小さい磁界領域Bに位置する面積と、磁束密度が大きい磁界領域Aに位置する面積の割合が変化し、横切るローたる磁束の量は変化するので、第2ロータ12に生ずる渦電流の大きさが変化する。
【0019】
従って、測定回路においては、磁気回路を形成する励磁コイル23bに発振器21からのパルス信号を印加し、位相シフト部23で第2ロータ12に発生する渦電流の大きさに応じてパルス信号の位相をシフトさせ、その位相シフト量をシフト量検出部24で検出し、相対回転速度測定部25によって、前記検出された位相シフト量と相対回転角度の関係から(図3参照)、第1ロータ11と第2ロータ12の相対回転角度を測定することができる。
【0020】
なお、図3における位相シフト角度と相対回転角度の関係は、位相シフト部23内の抵抗23aが51Ω、コンデンサ23dが470PFで、シフト量検出部24内の抵抗24bが510Ω、コンデンサ24cが0.1μFに設定することで得られたものである。
従って、本実施形態では、第2ロータに発生する渦電流の大きさに応じてパルス信号の位相をシフトさせ、位相シフト量と相対回転角度の関係から相対回転角度を正確に測定し、またシフト量検出部内の抵抗とコンデンサの時定数、すなわち510×0.1=51μsによって位相シフト量の検出時間が決まるので、測定時間が短くなって、従来例に比べて相対回転角度測定の分解能が高く、かつ応答性が格段に向上できる。
【0021】
本発明は、これら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、前記第2のロータに発生する渦電流の大きさに応じて、発振手段からの発振信号の位相をシフトさせ、位相シフト量を検出して前記検出された位相シフト量に基づいて相対回転角度を測定するので、相対回転角度測定の分解能が小さく、かつ応答性が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相対回転角度測定装置の測定回路の一実施形態を示す回路図である。
【図2】図1に示した各部でのパルス波形を示す波形図である。
【図3】位相シフト角度と相対回転角度の関係を示す関係図である。
【図4】図1に示した測定回路を使用する相対回転角度検出装置の一実施形態を、固定コアを除いてシャフトに取り付けた状態で示す斜視図である。
【図5】図4の相対回転角度検出装置を示す断面図である。
【図6】組み立てた相対回転角度検出装置の平面図である。
【図7】図5の相対回転角度検出装置の右半側を拡大して概略構成を示す断面図である。
【図8】相対回転角度検出装置の測定回路の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 相対回転角度検出装置
11 第1ロータ
11a,12a 切欠き
11b,12b 歯
12 第2ロータ
13 固定コア
13a コア本体
21 発振器
22 レベル調整部
22a,22d,23c インバータ
22b 可変抵抗
22c,23a,24b 抵抗
22e,23d,24c コンデンサ
23 位相シフト部
23b 励磁コイル
24 シフト量検出部
24a 排他的OR(Exclusive OR)
25 相対回転角度測定部

Claims (1)

  1. 絶縁磁性材から形成される第1のロータ、
    コア本体と、交流電流が流され、前記絶縁磁性材と協働して磁気回路を形成する励磁コイルとを有する固定コア、
    前記第1のロータと前記固定コアとの間に配置される第2のロータを有し、
    前記第1及び第2のロータの相対回転角度を測定する相対回転角度検出装置において、
    特定周波数の発振信号を発振する発振手段と、
    前記第2のロータに発生する渦電流の大きさに応じて、前記発振信号の位相をシフトする位相シフト手段と、
    前記シフトされた発振信号の位相シフト量を検出するシフト量検出手段と、
    前記検出された位相シフト量に基づいて相対回転角度を測定する測定手段とを備えたことを特徴とする相対回転角度検出装置の測定回路。
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