JP4392176B2 - 組電池容量試験装置および組電池容量試験方法 - Google Patents

組電池容量試験装置および組電池容量試験方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無停電電源装置(UPS)や整流装置などに搭載される組電池の組電池容量試験装置および組電池容量試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信設備の予備電源や無停電電源装置は、組電池を備え、商用交流電源の停電時に組電池の放電電力を負荷に供給することにより、負荷の運転を継続する。組電池は、複数の単電池の接続により構成されている。
【0003】
組電池およびその組電池に対するフロート充電回路の一例を図5に示す。
図において、1は商用交流電源で、その電源1に電源回路2が接続されている。この電源回路2から出力される直流電圧により、負荷3が運転されながら、組電池4が充電される。組電池4は、複数の単電池5の直列接続により構成され、負荷3への電力供給バックアップ用として設けられている。商用交流電源1が停電すると、この組電池4が放電し、その放電電力により負荷3の運転が継続される。
【0004】
単電池5として例えば鉛蓄電池が使用されるが、その鉛蓄電池には、設計上、一定の使用可能期間いわゆる寿命がある。寿命切れになると、負荷3に対する停電時の電力供給ができなくなるおそれがある。
【0005】
一般に蓄電池の寿命は、使用環境温度、放電電流の大きさ、放電頻度などの使用条件により、まちまちである。この寿命判定のためには、単電池5の現時点の容量を検出する必要がある。
【0006】
従来、単電池の容量を把握する手段として、組電池中の1個の単電池をサンプルとして選定し、その選定した単電池を擬似負荷を通して定格電流0.1C(A)で全放電させ(Cは定格容量)、その放電状況に基づいて単電池の容量を測定する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
また、インピーダンス測定器などで単電池の内部インピーダンスを測定し、この測定値を予め求めた内部インピーダンスと予め求めた容量との相関に当て嵌めることによって単電池の容量を推定する方法がある(例えば、非特許文献2参照)。
【0008】
さらに、実負荷に対して組電池を短時間放電させ、その放電状況から、単電池の電圧が予め定められた放電終止電圧(設定値)に低下するまでの放電カーブを予測し、その放電カーブに基づいて単電池の容量を推定する方法もある(例えば、非特許文献3参照)。
【0009】
【非特許文献1】
NTT研究実用化報告第34巻第11号、1985年
【0010】
【非特許文献2】
電子情報通信学会論文誌B−I、Vol.J76-B-1 No.10、1993年
【0011】
【非特許文献3】
Technical report of IEICE、PE96-63、Vol.96、No.522、1997年
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
蓄電池の容量は、一般に10時間率容量で標記される。この10時間率容量は、10時間率放電電流と10時間との積である。10時間率放電電流とは、蓄電池の放電が開始された後、その蓄電池の電圧が予め定められた放電終始電圧1.8(V)に達するまでの時間が10時間となるような放電電流のことである。
上記した各種容量推定においても、10時間率容量が基準となっている。
【0013】
しかしながら、組電池の実際の放電電流は、10時間率放電電流とは限らず、むしろ10時間率放電電流と異なることが多い。特に、無停電電源装置のような短時間バックアップが求められる組電池の場合、実際の放電電流は10時間率放電電流の10倍から20倍もの1C(A)〜2C(A)となる。たとえば、10時間率容量が1000(Ah)の単電池であれば、放電電流は1000(A)〜2000(A)にも達する。
このような極めて大きな放電電流が流れる状況で容量を検出するためには、その大きな放電電流に耐えられるだけの大型の試験装置を用意しなければならず、コスト面も含め、その実現は難しいのが実情である。
【0014】
しかも、蓄電池の寿命は、放電電流が大きいほど短くなる。この点については、上記した各種容量推定のいずれも考慮していない。
【0015】
なお、大きさが異なる複数種の放電電流ごとに単電池の内部インピーダンスと容量との相関データを予め求めておき、これら相関データの1つを実際の放電電流に応じて選定して容量推定に使用することも考えられるが、そのためには、多くの製造メーカから出荷されている全ての機種の蓄電池を対象にした相関データの収集が必要となり、しかもその収集に際しては周囲温度に応じて単電池の内部インピーダンスが変化する温度特性まで加味しなければならない。このような処置には、多大な時間と労力およびコストがかかり、実現困難である。
【0016】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、小さい放電電流で単電池の容量ひいては寿命を容易かつ的確に検出することができる組電池容量試験装置および組電池容量試験方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の組電池容量試験装置は、複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が上記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、上記各単電池および上記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池の組電池容量試験装置であって、上記接点の開放時に上記第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを設定値Isに維持する手段と、上記放電路の形成後に上記第2電池の電圧Epが設定値Esに低下するまでの時間tを計測する手段と、上記設定値Isと上記計測時間tとの乗算により上記第2電池の現容量を求める手段と、を備えている。
【0020】
請求項2に係る発明の組電池容量試験装置は、複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が上記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、上記各単電池および上記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池の組電池容量試験装置であって、定期的に、かつ試験開始指令に応じて、上記接点を開放する手段と、上記接点の開放時に上記第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを設定値Isに維持する手段と、この放電路の形成後に上記第2電池の電圧Epが設定値Esに低下するまでの時間tを計測する手段と、上記設定値Isと上記計測時間tとの乗算により上記第2電池の現容量を求める手段と、を備えている。
【0021】
請求項3に係る発明の組電池容量試験装置は、複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が上記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、上記各単電池および上記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池を備えこの組電池を電源と負荷との間の電源ラインに接続した無停電電源装置の組電池容量試験装置であって、負荷に流れる負荷電流Iを検知する手段と、この検知した負荷電流Iから上記単電池の放電電流を推定し、推定した放電電流の値のうち上記第2電池の定格容量が上記単電池の定格容量に占める割合に相当する値を上記第2電池に対する試験用放電電流の設定値Isとして決定するとともに、上記第2電池に対する試験用放電終止電圧の設定値Esを上記推定した放電電流に応じて予め定められている値に決定する手段と、定期的に、かつ試験開始指令に応じて、上記接点を開放する手段と、上記接点の開放時に第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを上記設定値Isに維持する手段と、この放電路の形成後に第2電池の電圧Epが上記設定値Esに低下するまでの時間tを計測する手段と、上記設定値Isと上記計測時間tとの乗算により第2電池の現容量を求める手段と、を備えている。
【0022】
請求項に係る発明の組電池容量試験装置は、請求項1,2,3に係る発明の組電池容量試験装置のいずれかにおいて、さらに、第2電池の定格容量に対する上記求めた現容量の割合を報知する手段を備えている。
【0023】
請求項に係る発明の組電池容量試験装置は、請求項1,2,3に係る発明の組電池容量試験装置のいずれかにおいて、さらに、上記計測後に第2電池を充電する手段を備えている。
【0024】
請求項6に係る発明の組電池容量試験方法は、複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が上記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、上記各単電池および上記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池の組電池容量試験方法であって、定期的に、かつ試験開始指令に応じて、上記接点を開放するステップと、上記接点の開放時に第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを設定値Isに維持するステップと、この放電路の形成後に第2電池の電圧Epが設定値Esに低下するまでの時間tを計測するステップと、上記設定値Isと上記計測時間tとの乗算により第2電池の容量を求めるステップと、を備えている。
【0025】
【発明の実施の形態】
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。 図1に示すように、商用交流電源10にAC/DC変換部11が接続され、そのAC/DC変換部11の出力端にDC/AC変換部12が接続されている。AC/DC変換部11は、商用交流電源10の電圧を直流電圧に変換する。DC/AC変換部12は、AC/DC変換部11の出力(直流電圧)を交流電圧に変換する。このDC/AC変換部12の出力が駆動電力として負荷13に供給される。
【0026】
AC/DC変換部11の出力端とDC/AC変換部12の入力端との間の直流電源ラインに、監視部14の常開接点14aを介して電力供給バックアップ用の組電池20が接続されている。監視部14は、AC/DC変換部11を監視し、商用交流電源10の停電や電圧低下によってAC/DC変換部11から適正な出力が得られない状態のとき、常開接点14aを閉成する。
【0027】
商用交流電源10に充電回路15が接続され、その充電回路15から出力される充電用電圧によって組電池20が充電される。
【0028】
これらAC/DC変換部11、DC/AC変換部12、監視部14、充電回路15、および組電池20により、無停電電源装置(UPS)が構成されている。
【0029】
組電池20は、複数の単電池21と、少なくとも1つの単電池ユニット22との直列接続により、構成されている。通信設備の予備電源として使用される無停電電源装置の場合、51個〜216個の単電池(単電池ユニット22を含む)を有して出力電圧が110(V)〜480(V)の組電池20が採用される。
【0030】
単電池21は、定格容量Coが例えば1000(Ah)の鉛蓄電池である。単電池ユニット22は、第1電池(主電池という)22aおよび試験用の第2電池(パイロット電池という)22bを互いに並列接続し、その並列回路におけるパイロット電池22bの接続線路に常閉接点22cを挿接したもので、主電池22aの定格容量Cmとパイロット電池22bの定格容量Cpとの総和が各単電池21の1つ分の定格容量Coに相当し、各単電池21と同じ1つの単電池と見なすことができる。
【0031】
主電池22aおよびパイロット電池22bのいずれも単電池21と同じ種類の鉛蓄電池である。主電池22aの定格容量Cmとパイロット電池22bの定格容量Cpとの関係は、パイロット電池22bの定格容量Cpが単電池21の定格容量Coの例えば1/10の値に相当する100(Ah)で、主電池22aの定格容量Cmが単電池21の定格容量Coの残り9/10の値に相当する900(Ah)となっている。
【0032】
この単電池ユニット22におけるパイロット電池22bに両端に、常設型の組電池容量試験装置30が接続されている。組電池容量試験装置30は、制御部31、放電部32、電圧検知部33、充電部34、記憶部35、操作表示部36、寿命切れ報知ランプ37、送受信部38、電源部39を備えている。
【0033】
放電部32は、制御部31の指令に応じて、パイロット電池22bに対する放電路の形成および遮断を行うとともに、その形成時における放電電流Iaのレベル調整を行う。電圧検知部33は、パイロット電池22bの電圧を検知する。充電部34は、制御部31の指令に応じて、パイロット電池22bを充電する。
【0034】
送受信部38は、通信ネットワーク50を介して管理センタ60のサーバ61に接続され、そのサーバ61との間でデータの送受信を行う。サーバ61には、パーソナルコンピュータ等の端末62が接続されている。電源部39は、商用交流電源10に接続され、当該装置30の動作用電圧を出力する。
【0035】
制御部31は、主要な機能として次の(1)〜(10)の手段を有している。
(1)定期的(内部タイマの計時に基づく一定時間ごと)に、かつ必要に応じて(操作表示部36での試験開始操作や管理センタ60からの試験開始指令に応じて)、単電池ユニット22の常閉接点22cを開放する手段。
(2)常閉接点22cの開放時、放電部32において、パイロット電池22bに対する放電路を形成しその放電電流Iaを試験用放電電流の設定値Isに維持する手段。
【0036】
(3)上記放電路の形成後、電圧検知部33の検知電圧(パイロット電池22bの電圧)Epが試験用放電終止電圧の設定値Esに低下するまでの時間t(h)を計測する手段。
(4)上記計測時間t(h)に基づく演算により、パイロット電池22bの現容量Cpxを求める手段。
(5)パイロット電池22bの定格容量Cpに対する上記求めた現容量Cpxの割合X(%)を求める手段。
(6)上記求めた割合X(%)を、操作表示部36で表示して報知するとともに、送受信部39からデータ送信して管理センタ60へ報知する手段。
【0037】
(7)上記求めた割合X(%)が寿命切れ判定の基準値たとえば70%以下のとき、寿命切れ報知ランプ37を点灯する手段。
(8)上記求めた割合X(%)を試験履歴として記憶部36に記憶する手段。
(9)上記時間t(h)の計測後にパイロット電池22bを充電(回復充電)する手段。
(10)上記充電が完了したときに常閉接点22cを閉成(復帰)する手段。
【0038】
つぎに、図2のフローチャートを参照しながら作用について説明する。
商用交流電源10の電圧がAC/DC変換部11で直流電圧に変換され、その直流電圧がDC/AC変換部12で交流電圧に変換されて負荷13に供給される。これにより、負荷13が運転される。
【0039】
制御部31の内部タイマの計時に基づく一定時間ごとに試験タイミングとなり(ステップ101のYES)、単電池ユニット22の常閉接点22cが開放される(ステップ102)。この開放により、単電池ユニット22が組電池20から切り離される。
【0040】
常開接点22cの開放時、放電部32において、パイロット電池22bに対する放電路が形成されてパイロット電池22bが全放電するとともに、その放電電流Iaが試験用放電電流の設定値Is一定に維持される(ステップ103)。
【0041】
試験用放電電流の設定値Isは、パイロット電池22bの定格容量Cp(Ah)が単電池21の定格容量Co(Ah)の1/10であることから、単電池21の設計上の放電電流(=組電池20の放電電流)の1/10の値に定められる。つまり、単電池21の定格容量Coが1000(Ah)で、放電電流が1C(A)[=1・“Coの値”(A)=1000(A)]であれば、設定値Is=100(A)が選定される。
【0042】
放電路の形成と同時にタイムカウントt(h)が開始され(ステップ104)、かつ電圧検知部33によってパイロット電池22bの電圧Epが検知される(ステップ105)。そして、検知電圧Epが試験用放電終止電圧の設定値Esまで低下したかどうかが判定される(ステップ106)。
【0043】
試験用放電終止電圧の設定値Esは、上記放電電流に応じて定められている。たとえば、放電電流が0.1C(A)の場合は設定値Es=1.8(V)、0.16C(A)の場合はEs=1.75(V)、0.23C(A)の場合はEs=1.7(V)、0.6C(A)の場合はEs=1.6(V)、1C(A)の場合はEs=1.6(V)、2C(A)の場合はEs=1.6(V)、3C(A)の場合はEs=1.6(V)となる。
【0044】
電圧Epが設定値Esまで低下したとき(ステップ106のYES)、そのときのタイムカウントt(h)に基づく下式の演算により、パイロット電池22bの現容量Cpx(Ah)が求められる。
Cpx(Ah)=Is(A)・t(h)=100(A)・t(h)
たとえば、タイムカウントt(h)が0.8(h)であれば、Cpx=80(Ah)となる。タイムカウントt(h)が0.6(h)であれば、Cpx=60(Ah)となる。
【0045】
パイロット電池22bの現容量Cpx(Ah)が求められると、パイロット電池22bの定格容量Cpに対する現容量Cpxの割合X(%)が求められる(ステップ107)。
X(%)=Cpx/Cp
つまり、Cpxが80(Ah)であればX=80(%)、Cpxが60(Ah)であればX=60(%)となる。
【0046】
パイロット電池22bの定格容量Cpに対する現容量Cpxの割合X(%)は、単電池21の定格容量Coに対する現容量Coxの割合にそのまま相当する。この割合X(%)は、操作表示部36での表示により保守員に報知され、かつ送受信部39からデータ送信されて管理センタ60へ報知されるとともに、試験結果履歴として記憶部36に記憶される(ステップ108)。
【0047】
操作表示部36を見た保守員や管理センタ60の管理員は、割合X(%)に基づいて、単電池21の寿命を判断することができる。たとえば、割合X(%)が70(%)以下の場合、単電池21が劣化して寿命切れの状態にあると判断することができる。また、割合X(%)が70%以下になると(ステップ109のYES)、寿命切れ報知ランプ37が点灯する(ステップ110)。
こうして、寿命切れが報知されることにより、組電池20を新品に交換するなどの適切な処置を直ちにとることができる。
【0048】
上記時間tの計測が終了した後、充電部34によってパイロット電池22bが回復充電される(ステップ111)。この回復充電の条件はたとえば2.23(V)である。
回復充電が終了すると(ステップ112のYES)、単電池ユニット22の常閉接点22cが閉成(復帰)され(ステップ113)、試験終了が報知される(ステップ114)。
【0049】
以上のように、主電池22aおよびパイロット電池22bからなる単電池ユニット22を単電池として組電池20に組込み、容量の小さい方のパイロット電池22bを全放電させてパイロット電池22bの現容量Cpoを求めることにより、小さい放電電流で単電池21の容量ひいては寿命を容易かつ的確に検出することができる。
【0050】
パイロット電池22bから組電池容量試験装置30に流れる放電電流が小さく、パイロット電池22bの回復充電に要するエネルギも小さいので、組電池容量試験装置30を小型で安価なものとすることができる。
【0051】
試験中に商用交流電源10が停電した場合には、各単電池21および主電池22aの放電によって負荷13への電力供給が継続される。主電池22aの放電電流はパイロット電池22bの未放電分を賄うために通常の1.1倍になる程度であり、主電池22aへの悪影響は生じない。
【0052】
組電池容量試験装置30による試験が定期的かつ自動的に実施されるとともに、試験結果が遠く離れた管理センタ60にも報知されるので、組電池20に対する保守管理が万全となる。管理センタ60から発せられる試験開始指令を通信ネットワーク50を介して組電池容量試験装置30に送ることによっても、試験を開始することが可能である。
【0053】
[2]第2の実施形態について説明する。
図3に示すように、組電池容量試験装置30が電流検知器40を有している。この電流検知器40により、DC/AC変換部12に流れるDC負荷電流Iが検知される。
【0054】
制御部31は、負荷13の運転時に負荷電流Iを検知し、その検知した負荷電流Iから単電池21の放電電流(=組電池20の放電電流)を推定し、推定した放電電流の1/10の値を試験用放電電流の設定値Isとして定める。つまり、負荷電流Iが1000(A)の場合、単電池21の放電電流は1000(A)であると推定し、その1/10の値である100(A)を設定値Isと定める。
【0055】
また、制御部31は、推定した放電電流に応じて、試験用放電終止電圧の設定値Esを定める。この設定値Esの定め方は第1の実施形態で述べたものと同じである。
【0056】
以上のように、負荷電流Iから放電電流を推定し、その推定に基づいて設定値Is,Esを定めることにより、放電電流がどのような値であっても、単電池21の容量ひいては寿命を容易かつ的確に検出することができる。組電池容量試験装置30の汎用性が大幅に向上する。
他の構成、作用、効果は第1の実施形態と同じである。
【0057】
[3]第3の実施形態について説明する。
図4に示すように、単電池ユニット22におけるパイロット電池22bの接続線路に、第1の実施形態の常閉接点22cに代えて、手操作式の開閉接点22dが挿接されている。さらに、パイロット電池22bの両端から接続用端子22e,22fが導出されている。
【0058】
組電池容量試験装置30は、常設型でなく携帯型であり、試験の実施に際し、ケーブル端子が保守員により接続用端子22e,22fに接続される。
【0059】
また、組電池容量試験装置30は、第1の実施形態における電源部39に代えて、バッテリ電源41を備えている。このバッテリ電源41の電圧により組電池容量試験装置30が動作する。
【0060】
さらに、組電池容量試験装置30の送受信部38は、携帯型であることを考慮して、通信ネットワーク50とのデータ送受信を無線通信たとえば無線電話回線を通して行う。
試験の実施に際し、保守員は、開閉接点22dを開操作し、その状態で組電池容量試験装置30を単電池ユニット22の接続用端子22e,22fにケーブル接続する。そして、操作表示部36で開始操作を行うことにより、試験が開始される。
【0061】
試験の終了後、保守員は、接続用端子22e,22fから組電池容量試験装置30のケーブル端子を外し、開閉接点22dを閉操作する。
【0062】
このような構成によれば、保守員が組電池容量試験装置30を携帯して無停電電源装置の設置場所を巡回することができる。
【0063】
なお、上記各実施形態では、無停電電源装置に搭載される組電池を例に説明したが、他の装置に搭載される組電池についても同様に適用可能である。無停電電源装置の回路構成についても限定はなく、図5に示したような単純なフロート充電回路に適用される組電池にも同様に適用できる。その他、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、小さい放電電流で単電池の容量ひいては寿命を容易かつ的確に検出することができる組電池容量試験装置および組電池容量試験方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図3】第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図4】第3の実施形態の構成を示すブロック図。
【図5】一般的な組電池およびその組電池に対するフロート充電回路の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
10…商用交流電源、11…AC/DC変換部、12…DC/AC変換部、13…負荷、14…監視部、14a…常開接点、15…充電回路、20…組電池、21…単電池、22…単電池ユニット、22a…主電池、22b…パイロット電池、30…組電池容量試験装置、31…制御部、32…放電部、33…電圧検出部、34…充電部、35…記憶部、36…操作表示部、37…寿命切れ報知ランプ、38…送受信部、40…電流検知器、50…通信ネットワーク、60…管理センタ

Claims (6)

  1. 複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が前記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、前記各単電池および前記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池の組電池容量試験装置において、
    前記接点の開放時に前記第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを設定値Isに維持する手段と、
    前記放電路の形成後に前記第2電池の電圧Epが設定値Esに低下するまでの時間tを計測する手段と、
    前記設定値Isと前記計測時間tとの乗算により前記第2電池の現容量を求める手段と、
    を備えたことを特徴とする組電池容量試験装置。
  2. 複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が前記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、前記各単電池および前記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池の組電池容量試験装置において、
    定期的に、かつ試験開始指令に応じて、前記接点を開放する手段と、
    前記接点の開放時に前記第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを設定値Isに維持する手段と、
    前記放電路の形成後に前記第2電池の電圧Epが設定値Esに低下するまでの時間tを計測する手段と、
    前記設定値Isと前記計測時間tとの乗算により前記第2電池の現容量を求める手段と、
    を備えたことを特徴とする組電池容量試験装置。
  3. 複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が前記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、前記各単電池および前記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池を備えこの組電池を電源と負荷との間の電源ラインに接続した無停電電源装置の組電池容量試験装置において、
    前記負荷に流れる負荷電流Iを検知する手段と、
    前記検知した負荷電流Iから前記単電池の放電電流を推定し、推定した放電電流の値のうち前記第2電池の定格容量が前記単電池の定格容量に占める割合に相当する値を前記第2電池に対する試験用放電電流の設定値Isとして決定するとともに、前記第2電池に対する試験用放電終止電圧の設定値Esを前記推定した放電電流に応じて予め定められている値に決定する手段と、
    定期的に、かつ試験開始指令に応じて、前記接点を開放する手段と、
    前記接点の開放時に前記第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを前記設定値Isに維持する手段と、
    前記放電路の形成後に前記第2電池の電圧Epが前記設定値Esに低下するまでの時間tを計測する手段と、
    前記設定値Isと前記計測時間tとの乗算により前記第2電池の現容量を求める手段と、
    を備えたことを特徴とする組電池容量試験装置。
  4. 請求項1,2,3のいずれかに記載の組電池容量試験装置において、
    前記第2電池の定格容量に対する前記求めた現容量の割合を報知する手段、をさらに備えたことを特徴とする組電池容量試験装置。
  5. 請求項1,2,3のいずれかに記載の組電池容量試験装置において、
    前記計測後に前記第2電池を充電する手段、をさらに備えたことを特徴とする組電池容量試験装置。
  6. 複数の単電池を有するとともに、各々の定格容量の総和が前記各単電池の1つ分の定格容量に相当する第1電池および試験用の第2電池を互いに並列接続しこの並列回路における第2電池の接続線路に試験時開放用の接点を挿接してなる単電池ユニットを有し、前記各単電池および前記単電池ユニットを直列接続して構成された組電池の組電池容量試験方法において、
    定期的に、かつ試験開始指令に応じて、前記接点を開放するステップと、
    前記接点の開放時に前記第2電池に対する放電路を形成しその放電電流Iaを設定値Isに維持するステップと、
    前記放電路の形成後に前記第2電池の電圧Epが設定値Esに低下するまでの時間tを計測するステップと、
    前記設定値Isと前記計測時間tとの乗算により前記第2電池の容量を求めるステップと、
    を備えたことを特徴とする組電池容量試験方法。
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