JP4392596B2 - Frp構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、FRP(繊維強化プラスチック)構造体に関し、とくに、衝撃荷重を効果的に吸収できるようにした、自動車用外板部材等に用いて好適なFRP構造体に関する。
FRP構造体の用途として、衝撃荷重をより効果的に吸収できる性能が求められることがある。たとえば、自動車用外板部材がFRP構造体で構成される場合には、その自動車用外板部材には、衝突時等における安全性を高めることが要求されており、とくに、衝撃的な外力が加わった際の乗員側の安全性とともに、事故時の歩行者保護性能を高めることが要求されている。自動車が歩行者に衝突した際には、歩行者は、自動車の前部やボンネット等に対し、脚や頭部に衝撃荷重を受けることになるが、とくに死亡事故の低減には、頭部へのダメージを低減することが不可欠であると言われている。したがって、とくに頭部にダメージを与えやすい自動車側部位、とくにボンネットに対しては、衝突事故時にも極力衝撃力を吸収でき、頭部へのダメージを小さく抑えることが求められている。
このような衝撃吸収性能を持たせるためには、自動車用外板部材が、適切に変形あるいは破壊することにより、自動車内部部品の破損や乗員へのダメージを極力小さく抑えつつ、歩行者への衝撃力付与を極力小さく抑える必要がある。つまり、歩行者保護の観点から適切な衝撃吸収構造とする必要がある。
FRP製自動車用パネルとしては、各種の構造が提案されているが、従来の提案は、主として必要な部分の強度や剛性を局部的に向上することを目的としており(例えば、特許文献1)、FRP製自動車用パネルとして、上記のような衝撃吸収のために適切な構造とする提案はほとんど見当たらない。
特開2003−146252号公報
そこで本発明の課題は、従来の技術開発指向とは視点を変え、適切な衝撃吸収構造を備えたFRP構造体を提供することにあり、とくに自動車用外板部材における歩行者保護性能の観点等から、衝突時における歩行者への衝撃を適切に吸収して小さく抑えることが可能なFRP製自動車用外板部材として好適なFRP構造体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るFRP構造体は、FRP板により形成される面状構造部分を備えたFRP構造体において、前記FRP板の裏面側に、該裏面に対して斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板を有するFRP構造体であって、前記突き出し板は、FRPからなるとともに前記FRP板と一体に構成されており、FRP構造体に外部から衝突エネルギーが入力された場合に、斜立角度が小さくなる方向に撓みまたは座屈の変形を起こして衝撃エネルギーを吸収することを特徴とするものからなる。ここで斜立方向とは、前記FRP板の面において、面の法線方向および接線方向を含まない範囲における方向を示す。すなわち、斜立させたリブ状の突き出し板を設けることにより、FRP板に衝撃力等の外力が加わった際、FRP板の変形に伴って、突き出し板を寝かせる方向(斜立角度が小さくなる方向)に容易に変形させることが可能になり、この突き出し板の姿勢変化によるバネ効果や弾性限界を超えた際の破断により、衝撃エネルギーが良好に吸収できるようになる。また、このような突き出し板を設けても、上記のような衝撃エネルギーがかかった際には突き出し板が寝る方向に形状変化するだけであるから、突っかい棒のようにはならず、衝突時等において歩行者へのダメージや内部搭載物へのダメージを低減することが可能となる。
このFRP構造体においては、上記突き出し板の一部に切り欠きが設けられている構成することができる。これにより、衝撃エネルギーが加わった際に突き出し板がより変形しやくなるとともに、突き出し板の破断荷重や撓みストロークを任意に調整することが可能になり、より良好な衝撃エネルギー吸収性能を達成できる。
また、上記突き出し板は複数設けることができる。複数設ける場合には、たとえば、隣接または対向する少なくとも2つの突き出し板が先端で連結板により連結されている構成とすることもできる。
そして本発明ではとくに、上記突き出し板FRPから構成し、前記FRP板と一体に構成されている構造としている。また、上記連結板を設ける場合には、突き出し板および連結板をFRPから構成することもでき、その場合には、該突き出し板と連結板が一体に構成されている構造とすることができる。
また、本発明は、サンドイッチ構造や中空構造のFRP構造体にも適用できる。すなわち、本発明に係るFRP構造体は、2枚のFRP板間にコア材が介在されたサンドイッチ構造にて面状構造部分が形成されたFRP構造体において、一方のFRP板から他方のFRP板に向けて斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板を有するFRP構造体であって、前記突き出し板は、FRPからなるとともに前記一方のFRP板と一体に構成されており、FRP構造体に外部から衝突エネルギーが入力された場合に、斜立角度が小さくなる方向に撓みまたは座屈の変形を起こして衝撃エネルギーを吸収することを特徴とするものからなる。また、本発明に係るFRP構造体は、2枚のFRP板間に空間が形成された中空構造にて面状構造部分が形成されたFRP構造体において、一方のFRP板から他方のFRP板に向けて斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板を有するFRP構造体であって、前記突き出し板は、FRPからなるとともに前記一方のFRP板と一体に構成されており、FRP構造体に外部から衝突エネルギーが入力された場合に、斜立角度が小さくなる方向に撓みまたは座屈の変形を起こして衝撃エネルギーを吸収することを特徴とするものからなる。
このようなFRP構造体においても、上記突き出し板の一部に切り欠きが設けられている構成突き出し板が複数設けられている構成とすることができる。さらに、上記突き出し板上記一方のFRP板と一体に構成されている構成や、突き出し板上記他方のFRP板と一体に構成されている構成、両FRP板と突き出し板のすべてがFRPからなり、これらが一体に構成されている構成とすることもできる。
このようなFRP構造体における突き出し板の斜立角度は、全体剛性や前述のバネ効果の硬さ、必要なエネルギー吸収の度合い等から勘案すればよく、たとえばFRP板に対し10〜85度の角度範囲から適宜設定すればよい。すなわち、衝撃エネルギー等が加わった際に、突っかい棒のようにならずに寝る方向に変形してくれればよく、それによって良好な衝撃エネルギー吸収性能が発現される。
本発明に係るFRP構造体は、たとえば自動車用外板部材に用いて好適なものである。中でもとくに自動車のボンネット用に用いて好適なものである。自動車のボンネット用に用いられる場合、前述したような衝突事故時の歩行者のとくに頭部保護に有効である。ただし、自動車のボンネットに限らず、他の自動車用外板部材、さらには、衝撃荷重の吸収性能向上が要求されるあらゆる用途に適用可能であることは言うまでもない。
本発明に係るFRP構造体によれば、外部から衝突等のエネルギーが入力された場合に、突き出し板は斜立されているので容易に撓みや座屈等の変形を起こし、衝撃エネルギーを良好に吸収できるようになる。また、突き出し板は斜立されているので寝る方向に(斜立角度が小さくなる方向に)変形し、突っかい棒のようにはならないので、衝突等の際の人体や内部搭載物へのダメージを小さく抑えることも可能になる。したがって、本発明に係るFRP構造体を自動車用外板部材に適用すれば、衝突時等の衝撃エネルギーを効果的に吸収でき、近年の衝突事故時等における歩行者保護の要求に対処することが可能になる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係るFRP構造体を示しており、自動車用外板部材としての自動車のボンネットに本発明を適用した場合を示している。図1において、1は自動車のボンネットを示しており、ボンネット1は、FRP板2により形成される面状構造部分を備えたFRP構造体に構成されている。このFRP板2の裏面側に、該裏面に対して斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板3が複数設けられている。本実施態様では、各突き出し板3は、その先端部が内部搭載物4に当接するように設けられている。各突き出し板3の斜立角度は、たとえばFRP板2に対し10〜85度の角度に設定されていることが好ましい。
上記突き出し板3はFRPで形成されるとともに、ボンネット1のFRP板2と一体に構成されており、ボンネット1のFRP板2と一体に成形することが可能である。
本発明におけるFRPとは、強化繊維により強化された樹脂を指し、強化繊維としては、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、ケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる強化繊維が挙げられる。面剛性等の制御の容易性の面からは、とくに炭素繊維が好ましい。FRPのマトリックス樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。また、後述のようなサンドイッチ構造を採用する場合には、コア材として、弾性体や発泡材、ハニカム材の使用が可能であり、軽量化のためには発泡材やハニカム材が好ましい。発泡材の材質としては特に限定されず、たとえば、ポリウレタンやアクリル、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、フェノールなどの高分子材料のフォーム材などを使用できる。ハニカム材の材質としては特に限定されず、たとえば、アルミニウム合金、紙、アラミドペーパーなどのハニカム材を使用することができる。
本発明においては、前記突き出し板を設置する構造として、各種の構造を採り得る。図1は自動車のボンネットに本発明を適用した場合を示したが、これと同様の箇所に本発明を適用する場合、さらには、一般的に衝撃エネルギー吸収性能が要求される各種用途に本発明を適用する場合、以下のような種々の形態を採り得る。
たとえば、図2や図3に示すように、FRP板11に対して斜立する複数の突き出し板12を設け、少なくとも2つの突き出し板12を先端で連結板13により連結した構造を採ることができる。図2はFRP板11と連結板13との距離が比較的長く、突き出し板12の斜立角度が比較的大きい場合を、図3はFRP板11と連結板13との距離が比較的短く、突き出し板12の斜立角度が比較的小さい場合を、それぞれ示している。前述したように、突き出し板12をFRPとしてFRP板11と一体に成形したり、突き出し板12と連結板13をFRPとして、これらを一体に成形したり、さらにはFRP板11も含めて構造体全体を一体に成形したりすることも可能である。
また、図4に示すように、FRP板21に対して斜立させた突き出し板22に切り欠き23を設けて、突き出し板22がより変形、破壊しやすくなるようにして、衝撃エネルギーをより良好に吸収できるようにすることも可能である。
また、図に示すように、FRP構造体41が、2枚のFRP板42、43間に発泡材等からなるコア材44を介在させたサンドイッチ構造を有する場合にも、適当なピッチにて、一方のFRP板42から他方のFRP板43に向けて斜立方向に延びる突き出し板45を配設することができる。FRPからなる突き出し板45を含めて、FRP構造体41全体の一体成形が可能である。このような構造は、図示は省略するが、コア材44を設けた部分を中空とした中空構造のFRP構造体にも適用できる。
さらに、図に示すように、FRP構造体51が、FRP板52に対し、たとえば内部にコア材53を充填したハット形状のスチフナ54を有する場合にも、スチフナ54の両辺部を、FRP板52に対し斜立する突き出し板55として構成することができる。この場合、スチフナ54の頂面を構成する板部は、図2や図3に示した連結板としても機能できる。このような構成を採る場合にも、図示は省略するが、コア材53を設けた部分を中空とした中空構造のFRP構造体とすることも可能である。
上記のように各種の形態を採り得る本発明に係るFRP構造体においては、FRP板から適切な角度で斜立する突き出し板を、適正なピッチで適切な個数設けることにより、FRP板に衝撃荷重等の外力が加わった際、FRP板の変形や変位に伴って突き出し板が寝る方向に変形や座屈、あるいは破壊し、それによって衝撃エネルギーが良好に吸収される。とくに自動車用外板部材、中でもボンネットに本発明を適用することにより、歩行者等との衝突の際の衝撃エネルギーを効果的に吸収できるとともに、内部搭載物へのダメージ、内部搭載物が歩行者に与えるダメージ等を小さく抑えることが可能になる。
本発明の一実施態様に係るFRP構造体の縦断面図である。 本発明の別の実施態様に係るFRP構造体の斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るFRP構造体の斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るFRP構造体の部分斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るFRP構造体の部分斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るFRP構造体の部分断面図である
符号の説明
1 FRP構造体としてのボンネット
2、11、2142、52 FRP板
3、12。2245、55 突き出し板
4 内部搭載物
13 連結板
23 切り欠
43 FRP板
44、53 コア材
54 スチフナ

Claims (13)

  1. FRP板により形成される面状構造部分を備えたFRP構造体において、前記FRP板の裏面側に、該裏面に対して斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板を有するFRP構造体であって、前記突き出し板は、FRPからなるとともに前記FRP板と一体に構成されており、FRP構造体に外部から衝突エネルギーが入力された場合に、斜立角度が小さくなる方向に撓みまたは座屈の変形を起こして衝撃エネルギーを吸収することを特徴とするFRP構造体
  2. 前記突き出し板の一部に切り欠きが設けられている、請求項1のFRP構造体。
  3. 前記突き出し板が複数設けられている、請求項1または2に記載のFRP構造体。
  4. 隣接または対向する少なくとも2つの突き出し板が先端で連結板により連結されている、請求項3に記載のFRP構造体。
  5. 記連結板がFRPからなり、突き出し板と連結板が一体に構成されている、請求項4に記載のFRP構造体。
  6. 2枚のFRP板間にコア材が介在されたサンドイッチ構造にて面状構造部分が形成されたFRP構造体において、一方のFRP板から他方のFRP板に向けて斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板を有するFRP構造体であって、前記突き出し板は、FRPからなるとともに前記一方のFRP板と一体に構成されており、FRP構造体に外部から衝突エネルギーが入力された場合に、斜立角度が小さくなる方向に撓みまたは座屈の変形を起こして衝撃エネルギーを吸収することを特徴とするFRP構造体
  7. 2枚のFRP板間に空間が形成された中空構造にて面状構造部分が形成されたFRP構造体において、一方のFRP板から他方のFRP板に向けて斜立方向に延びる平板リブ状の突き出し板を有するFRP構造体であって、前記突き出し板は、FRPからなるとともに前記一方のFRP板と一体に構成されており、FRP構造体に外部から衝突エネルギーが入力された場合に、斜立角度が小さくなる方向に撓みまたは座屈の変形を起こして衝撃エネルギーを吸収することを特徴とするFRP構造体
  8. 前記突き出し板の一部に切り欠きが設けられている、請求項またはのFRP構造体。
  9. 前記突き出し板が複数設けられている、請求項のいずれかに記載のFRP構造体。
  10. 前記突き出し板が、前記他方のFRP板と一体に構成されている、請求項のいずれかに記載のFRP構造体。
  11. 前記突き出し板がFRP板に対し10〜85度の角度で斜立している、請求項1〜10のいずれかに記載のFRP構造体。
  12. 自動車用外板部材として用いられる、請求項1〜11のいずれかに記載のFRP構造体。
  13. 自動車のボンネット用に用いられる、請求項12のFRP構造体。
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