JP4394866B2 - タイヤの走行シミュレーション方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば雪、氷又は土等のように圧縮により破壊する特性を具えた路面形成物上で精度の良い走行シミュレーションを行いうるタイヤの走行シミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、タイヤの開発は、試作品を作り、それを実際に実験し、実験結果から改良品をさらに試作するという繰り返し作業で行われていた。しかし、この方法では、試作品の製造や実験に多くの費用と時間を要するため、開発効率の向上には限界がある。かかる問題点を克服するために、近年では有限要素法といった数値解析手法を用いたコンピューターシミュレーションにより、タイヤを試作しなくてもある程度の性能を予測・解析する方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来の提案では、タイヤを舗装路面或いは水膜が存在する路面上を走行させるシミュレーションに止まる。水は、解析モデルでは一般に非圧縮性の完全流体として取り扱われる。一方、一定の形状を有しかつ一定の応力状態では破壊が生じうる雪、氷、土などの非流体で覆われた路面をタイヤが走行する場合の具体的なシミュレーションには、上記従来の提案では対応することができない。従って、例えばタイヤの雪上での走行性能を予測するにあたっては、やはり現実の車両テストを多く必要とする。とりわけ雪道は人工的に作り出すのが困難であり、限られた積雪期間でしかテストできない。また積雪期間であっても、同一の条件を再現することが非常に困難であり、この種のタイヤの開発コストや開発期間を大とする原因となっていた。
【0004】
発明者らは、鋭意研究の結果、上述のような圧縮性の路面形成物を数値解析が可能な要素でモデル化し、タイヤとの接触によって生じる応力状態を一定の破壊条件に基づいて、破壊域か又は非破壊域かを判断するとともに、破壊域である場合には当該要素を除去することを基本として、該路面形成物の破壊をシミュレーション上に的確に取り込み得ることを見出した。そして、これによって、例えばタイヤでの雪上走行性能などを精度良くシミュレーションでき、ひいてはタイヤと路面形成物間との相互作用を究明しうることを見出し本発明を完成させるに至った。以上のように、本発明は、圧縮性を有する路面形成物上をタイヤで走行したときの様子を精度良くシミュレーションしうるタイヤのシミュレーション方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、圧縮により体積変化が生じかつこの体積変化が実質的に永続する非流体の路面形成物上をタイヤで走行したときの様子をシミュレーションするタイヤの走行シミュレーション方法であって、数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、数値解析が可能かつ圧縮による体積変化を表現できしかもかつこの体積変化が実質的に永続する要素で前記路面形成物をモデル化した路面形成物モデルを設定するステップと、タイヤモデルが路面形成物モデルに接触しかつ転動する条件を与え、タイヤモデル、路面形成物モデルの変形計算を微小な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップとを含むとともに、前記シミュレーションステップは、路面形成物モデルの要素に作用する応力の第1の不変量及び偏差応力の二次不変量を用いて設定される破壊条件に基づいて前記要素の変形が破壊域か非破壊域かを判断する処理と、前記変形が破壊域と判断された場合に該要素を除去する処理とを含むことを特徴とするタイヤの走行シミュレーション方法である。
【0006】
また請求項2記載の発明は、前記路面形成物が雪であり、かつ前記路面形成物モデルは雪モデルであることを特徴とする請求項1記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
【0007】
また請求項3記載の発明は、前記シミュレーションステップは、前記破壊条件に基づいて、該要素の変形が非破壊域のうち塑性変形域と判断された場合、該要素の応力を減少させる処理を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
【0008】
また請求項4記載の発明は、前記路面形成物モデルは、3次元メッシュ内に前記路面形成物を表す充填物を満たしたオイラー要素からなり、かつ前記変形が破壊域であると判断された場合、当該要素の中の前記充填物を取り除くことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
【0009】
また請求項5記載の発明は、前記路面形成物モデルは、3次元要素を用いたラグランジュ要素からなり、かつ前記変形が破壊域であると判断された場合、当該ラグランジュ要素を取り除くことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
【0010】
また請求項6記載の発明は、要素が除去されたことにより新たに雪モデルの表面をなす要素と、タイヤモデルとの接触条件を再定義する処理をさらに含むことを特徴とする請求項2記載のタイヤの走行シミュレーション方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を、路面形成物が雪であり、このような雪上でタイヤを走行させる雪上走行シミュレーションを例に挙げ図面に基づき説明する。図1には、本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。このコンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成されている。本体1aには、図示していないが、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2などの記憶装置を適宜具えている。そして、前記大容量記憶装置には後述するシミュレーション方法を実行するための処理手順(プログラム)が記憶されている。
【0012】
図2には、本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例が示されており、以下順に説明する。先ず本実施形態では、数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを設定する(ステップS1)。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法にて取り扱い可能なことを意味し、本例では有限要素法を採用する。
【0013】
図3は、タイヤモデル2の一例を3次元上に視覚化して表したものである。タイヤモデル2は、解析しようとするタイヤを有限個の小さな要素2a、2b、2c…に分割してモデル化されることにより、前記コンピュータ装置1にて取り扱い可能な数値データとなる。具体的には、各要素2a、2b、2c…の節点座標値、形状、材料特性、例えば密度、ヤング率、減衰係数などが定義される。特に限定はされないが、各要素2a、2b、2c…には、例えば2次元平面としての四辺形要素、3次元要素としては、複雑形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素が好ましい。但し、これ以外にも5面体ソリッド要素、6面体ソリッド要素などを用いることもでき、いずれもコンピュータで処理可能な要素、本例ではラグランジュ要素が用いられる。
【0014】
タイヤを構成しているゴム部分については主に3次元ソリッド要素が好適に用いられる。図3のものではトレッド表面の縦溝、横溝を含んだパターン形状も忠実に再現しているが、パターン以外の検討を重点的に行いたい場合にはトレッド表面からトレッド溝を簡略化ないし省略化したスムーズモデルとすることもできる。なおトレッド接地部の圧力やせん断力の分布を表現できるように、1要素の周方向長さを接地長さの25%以下とすることが望ましく、またトレッドの断面方向の円弧を滑らかに表現しうるよう、1要素のタイヤ軸方向の長さは20mm以下とすることが望ましい。
【0015】
また図4に示すように、トレッド面を忠実にモデル化した詳細パターン部分Aと、トレッド面を簡略化してモデル化した簡易パターン部分Bとを具えたタイヤモデル2とすることもできる。詳細パターン部分Aは接地長さよりも大きい範囲で定められるが、前記簡易パターン部分Bよりも小領域とすることにより、タイヤモデルのトータルでの要素数を減じ計算時間を短縮化するのに役立つ。またシミュレーション結果は、好ましくはこの詳細パターン部分Aが雪モデルと接地したときに得られるように各種条件を設定するのが望ましい。
【0016】
またタイヤを構成している複合材、例えばベルトプライやカーカスプライは図5に示すように、コード配列体cを四辺形膜要素5a、5bに、またコード配列体を被覆しているトッピングゴムtについてはソリッド要素5c〜5eにそれぞれモデル化し、これらを厚さ方向に順番に積層した複合シェル要素5としてモデル化している。四辺形膜要素には、コードc1の直径に等しい厚さと、コードc1の配列方向とこれと直交する方向とにおいて剛性の異なる異方性とが定義される。またゴムを分割している各ソリッド要素については、例えば超粘弾性材料として定義して取り扱うことができる。なおこのようなタイヤモデル2は、タイヤの回転軸を含む子午線断面において先に2次元形状を特定し、これを仮想のタイヤ回転軸の回りに周方向に回転させ所定の周方向長さで単位化して要素分割することにより、比較的簡単にモデリングを行うこともできる。また3次元CADのデータを利用して精度良く分割することもできる。
【0017】
次に本実施形態では、タイヤモデル2と同様に数値解析が可能かつ圧縮による体積変化を表現できしかもこの体積変化が実質的に永続する要素として、本例では雪をモデル化した雪モデル(路面形成物モデル)を設定する処理を行う(ステップS2)。
【0018】
図6には、雪モデルに定義された該雪モデルの体積とこの雪モデルに作用する圧縮力(静水圧圧縮応力)との関係を示す。図から明らかなように、雪モデルは、実線で示す如く圧縮力が大きくなるとこれに比例して体積が減少する。また圧縮力を取り除くと、鎖線で示す如く弾性歪分が回復され塑性歪だけが永続する。鎖線は、図では3本示されるが、いずれも平行であり、これは体積弾性率が一定であることを示している。
【0019】
また、本実施形態では雪を有限体積法にて取り扱い可能な例えば6面体オイラー要素でモデル化している。図7には雪モデル6の側面図を例示する。雪モデル6は、平面剛要素7の上の空間に固定された格子状の3次元メッシュ6aと、このメッシュ6aによって区切られる立方空間6bに満たされかつ図6の特性を定義された雪(路面形成物)を表す仮想の充填物6c(グレースケール)とで構成される。充填物6cの厚さHは、解析しようとする雪路の雪厚さに相当させる。また雪モデル6は、タイヤモデル2の転動に必要な幅と長さとが与えられる。また雪モデル6は当初からタイヤモデル2と接触した状態で定義されても良いし、また離間して定義された後に接触させることのいずれでも良い。
【0020】
図8(A)に示すように、例えば雪モデル6とタイヤモデル2のトレッドブロック9とが接触した場合、雪モデル6の変形計算においてはトレッドブロック9が位置する部分を壁として認識し、雪を表す充填物6cが押しのけられ、図8(B)のように、トレッドブロック9の表面を境界としてその外側だけに充填物6cが残る。そして、取り除かれた充填物6cは、各立方空間内に圧縮されたものとして計算される。また雪の体積変化は、後述の如く雪モデル6の変形計算を行う時間増分(計算ステップ)の前後における各立方空間6bの充填物6cの体積を比較することにより、各要素毎に計算しうる。
【0021】
また図9に示すように、雪モデル6の一の立方空間6bには初期状態でその100%の体積V1(=L1×L2×L3)の雪に相当する充填物6cが満たされているが、タイヤモデル2のトレッドブロックの表面9Aがこの立方空間に進入すると、変化後の充填物6cの体積V2は{(L1−L4)×L2×L3}となる。そして、変化前後の充填物6cの体積比(V2/V1)により、充填物6c(すなわち雪)の体積歪が得られる。体積歪は、除荷後に変形が0となる弾性体積歪と、除荷後においても歪が残存する塑性体積歪との和である。図6に鎖線で示したように前者は後者に比して非常に小さく、前記充填物は、構造物が取り除かれた場合、図8(B)に示したように、塑性体積歪が残る。
【0022】
このように、雪をモデル化することによって、雪の体積変化とそれに伴う圧縮力とがコンピュータ上の計算ないしシミュレーションに的確に取り込むことができる。また本例のように雪モデル6をオイラー要素とした場合、構造物に適したラグランジェ要素を用いた場合に比べ、材料の変形が大きくなったときのメッシュのくずれや要素のネガティブボリューム化等の不具合を回避できる点でも好ましい。ただし、雪モデルは、オイラー要素に限定する趣旨ではない。
【0023】
次に本実施形態では、境界条件等を設定する(ステップS3)。設定される条件としては、例えばタイヤモデル2のリム組み条件、内圧充填条件、雪モデル6とタイヤモデル2との間の摩擦係数(即ち、タイヤモデル2と雪モデル6との間には摩擦が考慮される。)、タイヤモデル2の転動速度やトルク、タイヤモデル2、雪モデル6の変形計算時の初期の時間増分、雪モデルの表面形状又は雪モデルの体積弾性率などの1以上を含むことができる。
【0024】
前記リム組み条件をタイヤモデル2に適用するためには、例えば図10に示すように、タイヤモデル2のリム接触域b、bを拘束してタイヤモデル2のビード部の巾Wをリム巾に等しく強制変位させるとともに、仮想のタイヤモデル2の回転軸CLと前記拘束域bとのタイヤ半径方向距離rを常にリム径と等しく設定しておく。また前記内圧充填条件をタイヤモデル2に設定するためには、タイヤモデル2のタイヤ内腔側の内側面にタイヤ内圧に相当する等分布荷重ωを作用させることにより設定できる。
【0025】
また本例では、シミュレーションの計算に陽解法を採用する。陽解法は、収束計算を行うことなく各モデルに荷重等が作用した瞬間を時刻0とし、設定された時間増分ごとに時間を区切って、各時刻でのモデルの変位を求める。そして、この時間増分は、計算を安定して行うためにクーラン(Courant)条件を満たすよう設定される。具体的には、前記タイヤモデル2、雪モデル6の変形計算時における初期の時間増分△tは、下記式を満たす値に設定される。
△t<Lmin /C
【0026】
ここで、Lmin は各モデルを構成する要素の中で最も小さな要素の代表的な長さ、Cは構造物中を伝播する応力波の伝達速度で√(E/ρ)で求めうる(E:ヤング率、ρ:質量密度)。このようにクーラン条件を満足するよう時間増分を定めることにより、図12に示すように、例えば要素e1に外力Fが作用したときに、この外力Fが要素e1に隣り合う要素e2に伝達される前の要素e1の変形状態を計算することができる。
【0027】
また本実施形態では、前記式に基づき、要素の大きさ、密度から応力波伝達時間を計算するとともに、本例では該応力波伝達時間の最小値に安全係数をかけて初期の時間増分を設定している。このため、全ての要素について最適な変形計算が可能となる。前記安全係数としては、例えば0.8以上かつ1.0未満とするのが望ましい。そして、この初期の時間増分は、具体的にはタイヤモデル2、雪モデル6、夫々0.1〜5μsec 、より好ましくは0.3〜3μsec 、さらに好ましくは0.5〜2μsec とするのが望ましい。
【0028】
次に本実施形態では、タイヤモデルが雪モデル6(路面形成物モデル)に接触しかつ転動する条件を与え、タイヤモデル2、雪モデル6(路面形成物モデル)の変形計算を前記時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行う(ステップS4、S5)。前記条件としては、例えばタイヤモデル2に作用する軸荷重条件、転動時のスリップ角、キャンバー角又は/及び走行速度などを含むことができる。そして、本例では固定された雪モデル6に接触したタイヤモデル2に所定の速度(並進速度、回転速度)を与え、雪モデル6の上を転動させる。
【0029】
図2において、ステップS4ないしS8から明らかなように、本実施形態では、タイヤモデルの2の変形計算と雪モデル6の変形計算とを個別に行うとともに、タイヤモデル2の変形計算で得られた該タイヤモデル2の形状、速度データを雪モデル6の変形計算時の境界条件として与えるとともに(ステップS8)、雪モデル6の変形計算で得られた形状、速度、反力をタイヤモデル2の変形計算時の境界条件として与える(ステップS7)ものを例示する。以下、詳細に説明する。
【0030】
図11には、タイヤモデル2の変形計算の具体的な処理手順の一例を示す。タイヤモデル2の変形計算は、先ず時間増分△t後の変形計算を行う(ステップS41)。変形計算には本例では有限要素法が用いられ、下記式で示される運動方程式が用いられる。またこのような計算は、前記コンピュータ装置1によって計算される。
【数1】
Figure 0004394866
【0031】
次に、本実施形態では、変形後のタイヤモデル2の各要素についてその大きさ、密度により応力波伝達時間を再度計算するとともに(ステップS42)、本例では該応力波伝達時間の最小値から計算される時間増分を次回の時間増分として設定する(ステップS43)。応力波伝達時間は、前記の如く、要素の大きさ、密度の関数であるため、要素の変形の都度変化する。本例では、要素の変形状況に合わせてその都度最適な時間増分を計算するステップを含むため、より正確なタイヤモデル2の変形計算を行うことができ、精度の高いシミュレーション結果を得るのに役立つ。
【0032】
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS44)、経過していない場合には、ステップS41に戻り、新たに計算された時間増分を加算し再度計算を行う。所定の時間が経過している場合(ステップS44でY)、タイヤモデル2の変形計算を終えステップS6に戻る。
【0033】
図13には、雪モデル6の変形計算の具体的な処理手順の一例を示す。ステップS51では、時間増分後の雪モデル6の各要素について変形計算を行う。変形計算には本例では下記式で示される方程式が用いられ、各要素の変形後の体積が求められる。具体的にはタイヤモデル2の変形計算がら得た境界条件から、雪モデル6への圧力Pが計算され、下記式から変形後の雪モデル6の各要素の体積が求まり、その変形状態を特定しうる。このような計算は、前記コンピュータ装置1によって計算される。
【数2】
Figure 0004394866
【0034】
次に、本実施形態では、雪モデル6の時間増分後の応力計算が行われる(ステップS52)。この応力計算では、雪モデル6の各要素について応力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 がそれぞれ計算される。これら応力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 は、いずれも後述する雪モデル6の破壊条件、降伏条件を決定するパラメータとなる。応力の第1の不変量I1 は、主応力σ1 、σ2 及びσ3 の和で計算される。また偏差応力は、各軸についての垂直応力σx 、σy 、σz それぞれから静水圧成分(σm ={(σx +σy +σz )/3})を差し引いたもので各偏差応力σx ’、σy ’、σz ’は下記式で計算される。
σx'=σx −σm 、 σy'=σy −σm 、 σz'=σz −σm
【0035】
また偏差応力の2次不変量J2 は、上記偏差応力から下記式により計算することができる。
2 =σx'・σy'+σy'・σz'+σz'・σx'−τxy2 −τyz2 −τzx2
ただし、τxy、τyz、τzxはそれぞれ、せん断応力である。
【0036】
次に、本実施形態では雪モデル6の各要素についての硬化係数qを計算する(ステップS53)。硬化係数qは、雪モデル6の要素の降伏条件を決定するパラメータの一つである。この硬化係数qは、種々の実験の結果によって得られた例えば下記の実験式(1)及び(2)を用いて計算することができる。
【0037】
【数3】
Figure 0004394866
【0038】
上記2式から明らかなように、本実施形態では、硬化係数qは、2種類用意され、雪モデル6の要素の圧縮が進むほど硬化が進む(硬くなる)ように定められる。なお硬化係数は、このような実験式に限定されるものではなく、種々変更しうるのは言うまでもない。“f”は、例えば1より小で1に近い数、例えば0.90〜0.99程度が好適である。
【0039】
次に、本実施形態では、雪モデル6の各要素の変形が弾性域か否かを降伏条件により判定する(ステップS54)。降伏条件は、前記応力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 、及び硬化係数qを用いて設定される。図14は、縦軸に雪モデルの要素の偏差応力の2次不変量J2 の平方根、横軸に応力の第1の不変量I1 をとったグラフである。
【0040】
図14に示すように、雪モデルの降伏条件(「降伏面」とも呼ばれる。)は横向きの滴状の曲線f1 、f2 、f3 …として与えられる。雪モデル6の要素の状態が、この境界条件fの内部にあれば弾性域であり、同外側にあれば非弾性域となる(例えば降伏条件がf1 の場合における弾性域をハッチングにて示す。)。この降伏条件は、下記式で与えられる。
【0041】
【数4】
Figure 0004394866
【0042】
ここで、I1 は前記応力の第1の不変量、J2 は偏差応力の2次不変量、Tは雪の結合力に関するパラメータ、qは前記硬化係数、kは摩擦角と関係する材料パラメータ、添え字cは圧縮時、添え字tは引張時のものを示す。このように、雪モデルの各要素の降伏条件は、応力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 及び硬化係数qの関数となり、これらのパラメータに応じて図14のように形状が変化しうる。
【0043】
雪モデル6の任意の要素の変形状態においては、前記応力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 、硬化係数qが特定され、かつこれらを用いて前記数4から一つの降伏条件fが定まる。そして、応力の第1の不変量I1 、偏差応力の2次不変量J2 とでプロットされる座標が、前記境界条件fのどちらの側に位置しているかを調べることによって、当該要素の変形が弾性域か或いは非弾性域かを判断することができる。
【0044】
前記要素の変形が弾性域と判断された場合(ステップS54でY)、後述するステップS57が実行される。他方、要素の変形が非弾性域と判断された場合(ステップS54でN)、その応力状態として2つが考えられる。一つは要素に破壊が生じている破壊域であり、もう一つは破壊は生じていないが塑性変形が生じている非破壊域(弾性域を除いたこの非破壊域を「塑性変形域」と呼ぶことがある。)である。本実施形態では、それぞれの状態に応じて適切な処理を行うために、ステップS54で要素の変形が弾性域ではないと判断された場合、要素の変形が破壊域か又は塑性変形域(非破壊域)かを判断する(ステップS55)。
【0045】
要素の変形が破壊域か否かの判断は、雪モデル6の要素に作用する応力の前記第1の不変量I1 及び偏差応力の二次不変量J2 を用いて設定される破壊条件に基づいて行われる。破壊条件は、図14において鎖線で示す2本の直線L1、L2により示される。またこの破壊条件を示す直線は下記数式(5)により求めることができる。
【0046】
【数5】
Figure 0004394866
【0047】
数5において、雪の内部摩擦角αDP、粘着に関するパラメータσy'DPは例えば実験値を基準に決定することができる。例えば、図15(A)に示すように、下箱12aと、該下箱12aに対してスライド可能に設けられしかも内部で下箱12aと連通した空所を有する上箱12bとからなるせん断箱12を用いてせん断テストを行う。せん断テストは、せん断箱12の内部に下箱12a、上箱12bを貫通する形で圧縮した雪を雪柱として圧入するとともに、垂直応力σn とせん断力Tとを作用させる。そして、図15(B)に示すように、せん断変位SDと、せん断応力τt とを測定する。せん断応力τt は、せん断力Tを、上箱12bと下箱12aとの接触面積Arで除して求める(τt=T/Ar)。
【0048】
図16には、上述のようなせん断テストの結果として、横軸にせん断変位SD、縦軸にせん断応力τt をとったグラフを示している。グラフに一定の幅があるのは同一条件で種々の雪を含めてテストを行ったためである。このグラフから各条件で雪柱が破壊する時の応力τth1 、τth2 、τth3 …が分かる。また図17には、横軸に垂直応力σn 、縦軸に前記破壊時のせん断応力τthをとり、実験値から1次の回帰直線L3を設定したグラフを示す。この回帰直線L3の傾きは、雪の内部摩擦角αDPとして、また垂直応力σn が0のときの破壊時のせん断応力τthの値を粘着に関するパラメータαy'DPとして用いることが好ましい。即ち、粘着に関するパラメータαy'DPは、垂直応力σnが作用していない状態において、せん断破壊するときのせん断応力を意味している。
【0049】
図14に示した前記直線L1、L2は、非弾性域を、破壊域と非破壊域(塑性変形域)とに区分する。即ち、直線L1の上側の領域及び直線L2の下側の領域は、変形によって雪が破壊する破壊域を示し、かつ直線L1、L2の間でしかも降伏条件f1…の外側の領域が前記非破壊域(塑性変形域)を示す。つまり、この直線L1、L2を用いて、要素の変形が破壊域か又は非破壊域かを判断することができる。
【0050】
本発明では、雪モデル6の要素の変形が破壊域であると判断された場合(ステップS55で「破壊域」)、該要素を除去する処理を行う(ステップS56)。本例ではこのような要素の除去は、例えば図18に示すように、該当する要素6aの中の前記充填物6cを取り除いて空隙Vとすることによって行われる。
【0051】
なお雪モデル6は、前述の通りラグランジュ要素で設定することもできる。この場合、要素の変形が破壊域であると判断された場合、図19(A)、(B)に示すように、当該ラグランジュ要素を取り除く。そして、要素が除去されたことにより新たに雪モデルの表面をなす要素と、タイヤモデルとの接触条件を新たに再定義する。具体的には、要素を取り除いた後の雪モデル6の表面形状を新たに再計算し、このデータを新たな境界条件としてタイヤモデル2側に渡す。
【0052】
またラグランジュ要素は、従来では大きな変形が生じた場合、図20(A)〜(B)に示すように、要素がネガティブボリュームとなるなど要素破壊が生じ計算できないものと考えられていた。しかし、例えば図20(C)のように、大きな変形が生じた場合には、要素の辺と節点との接触が生じないように条件を設定することにより、また例えば膜状に変形させ、隣り合う次の要素に力だけを伝達するように定義付けすることによって、ラグランジュ要素であっても雪の特性を再現することが可能である。
【0053】
またステップS55において、雪モデル6の要素の変形が塑性変形域と判定された場合、応力を緩和する処理を行う(ステップS59)。物体の変形をシミュレーションする場合、弾性変形は応力と歪とが比例するため、比較的容易にシミュレーションを行うことができる。しかし、塑性変形時の雪モデル6のシミュレーションにおいては、その応力状態を安定した解として得ることは容易ではない。そこで、本実施形態では、雪モデル6の変形が塑性変形域であると判断された場合には、応力を弾性限度内で各要素が実際に負担しうる値へと引き戻す(応力の緩和)ことにより、擬似的に安定したシミュレーションを可能としている。
【0054】
例えば、図14において、ステップtで計算された降伏条件がf3 、ステップ(t+1)で計算された降伏条件がf4 でかつ応力状態がZ1であるような場合、応力状態を降伏条件f4 上の値Z2へと引き戻し応力を緩和させうる。この引き戻す方法は、種々の方法が採用できるが、例えばラジアルリターン法などが好適である。
【0055】
また本実施形態では、タイヤモデル2の場合と同様に、変形後の雪モデル6の各要素について応力波伝達時間を再度計算するとともに、本例では該応力波伝達時間の最小値を次回の時間増分として設定する(ステップS57)。
【0056】
次に、予め指定(定義)された時間が経過しているか否かを調べ(ステップS58)、経過していない場合には、ステップS51に戻り、新たに計算された時間増分で再度計算を行う。所定の時間が経過しているときには(ステップS58でY)、雪モデル6の変形計算を終えてステップS6に戻る。
【0057】
ステップS7、S8では、それぞれ別々に独立させて計算されたタイヤモデル2と雪モデル6との変形計算結果から、お互いに必要なデータを受け渡しさせ両モデルを連成させる。例えば次回のタイヤモデル2の変形計算には、雪モデル6の表面形状(タイヤモデル2に接触する接触面)、速度、圧力データが境界条件として与えられる。他方、雪モデル6の次回の変形計算には、タイヤモデル2の形状、速度が境界条件として与えられる。なおこの連成は、タイヤモデル2、雪モデル6それぞれ同時刻の状態で行われる。
【0058】
このため、雪モデル6には、タイヤモデル2の位置の変化に伴う新たな圧縮力の変化が取り込まれ、他方、タイヤモデル2については、雪モデル6の表面形状及び該雪モデル6から受ける反力によって、新たな変形が生じる。そして、このような計算を繰り返すことによって、雪の圧縮特性とタイヤモデル2と雪モデル6と相互作用とを考慮に入れつつ、タイヤモデル2、雪モデル6の時々刻々と変化する変形状態を連成させることができる。またこのような連成処理などは、前記コンピュータ装置1により行われ、その計算手順は例えば一般に知られている有限要素法解析プログラム(例えばMSC社製 MSC−DYDRAN)などを用いて自動計算しうる。
【0059】
またステップS6では、計算終了となる予め指定した時間が経過したかを判断し、ステップS6でYと判断された場合、計算結果を出力し(ステップS9)、処理を終える。ステップS6での計算を終える時間は、実行するシミュレーションに応じ安定した計算結果が得られるよう種々定められる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のシミュレーション方法にあっては、タイヤモデル2との接触により生じる雪モデル6の要素が変形を、弾性変形しうる弾性域、塑性変形しうる塑性変形域、又は破壊する破壊域であるかを判断し、それぞれの応力状態に応じて適切な処理を行っている。特に破壊域と判断された場合には、当該要素を除去することにより、例えば図21に示すように、雪路30を走行する際、トレッドパターンに噛み込んだ雪柱15がせん断されるような従来ではなし得なかったシミュレーションが可能となる。これは、大きなスリップ角を設定して旋回走行を行うコーナリングシミュレーションや、大きな駆動力、制動力によってタイヤモデル2の空転を伴う駆動、制動力シミュレーションなどをより精度良く行うのに有効である。
【0061】
また本実施形態では、雪モデル6の要素の変形が塑性域と判断された場合には、該要素の応力を降伏条件に基づいて減少させて安定した解が得られるように設定している。このため、実際の雪の上をタイヤが走行するときに、タイヤによって雪が押し固められる塑性変形、またこの塑性変形がタイヤの走行に及ぼす影響といったタイヤ、雪の相互作用をコンピュータ上に取り込むことができ、より実車走行に近い精度の高いシミュレーションを行うことができる。
【0062】
シミュレーションステップから種々の情報を出力することができる。例えば、タイヤモデル2に駆動力(又は制動力)を与えた場合、そのときに雪モデル6へと伝えられる前後方向力を取り出すことにより、雪道におけるタイヤの駆動性能(又は制動性能)を評価、改善するのに役立つ。またタイヤモデル2にスリップ角を与えて雪モデル上を走行させた場合、タイヤモデル2に生じる横力を出力することにより、雪上でのタイヤのコーナリング性能を評価、解析することができる。なお出力する情報は、これらの値に限定されず、必要に応じて種々のものを出力することができる。また走行の様子を視覚化したり、走行後の雪モデル表面を3次元形状で視覚化して示したり、雪モデル6の各要素の密度分布や応力分布などを調べることにより、トレッドパターンの影響をより効果的に解析することができる。
【0063】
そして、これらの出力結果に基づいて、必要なタイヤの内部構造、プロファイルの変更、トレッドパターンの改良、又はゴム材の改良などを行い、さらにはサイピングの形状、深さ、厚さなどを変え、好適なシミュレーション結果が得られたタイヤを実際に試作することができる。これにより、例えば冬用のタイヤの開発期間を大幅に短縮するとともに開発コストを低減できる。そして、試作タイヤについても実車評価などを行い、良好な結果が得られたタイヤを製造することができる。
【0064】
図22には、本発明に基づき転動シミュレーションを行い、その結果を視覚化した一例を示す。雪モデル6の表面には、タイヤモデル2が走行したときに生じる轍10が形成される。轍10には、転動初期に生じるタイヤモデル2の空転により、雪柱が破断した第1の部分10aと、空転が収まり雪柱が比較的整一して残っている第2の部分10bとが含まれている。
【0065】
また図23には、そのときのタイヤモデルの前後力、半径方向力及び時間との関係を示している。本発明方法では、実験値と非常に近似した結果が得られている。本実施形態のシミュレーションでは、タイヤモデル2が雪柱を破断して空転する状態までもが精度良く再現されるため、より実車性能に近づけた雪上性能を評価しうる。一方、比較例方法(雪柱の破壊がないもの)では、大きめの駆動力となっており、実験値との差が大きくなっている。
【0066】
以上本発明について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えばタイヤモデル2は固定された雪モデル6の上で転動させているが、これとは逆にタイヤモデル2の回転軸を自由回転のみ許容して固定するとともに、タイヤモデル2と接触している雪モデル6を移動させることにより、その摩擦力でタイヤモデルの転動状態を再現することもできる。この場合、雪モデル6について一定の長さを定めておき、その前縁から順次雪モデルが追加されるとともに、後縁からは雪モデルが削除されていくよう設定することができる。
【0067】
またベタ雪やサラサラ雪、圧雪、新雪などの雪質の違いは、例えば雪モデルの要素の体積弾性率、摩擦係数などを違えることによって概ね表現することができる。また上記実施形態では、路面形成物として雪を例に挙げて説明したが、路面形成物として土、さらには氷なども採用できる。土をモデル化する場合、要素の体積弾性率を雪とは違えて設定すれば、他は雪と実質的に同様に定義することができる。
【0068】
【発明の効果】
上述したように、本発明の走行シミュレーション方法にあっては、タイヤを実際に試作しなくとも、任意の路面形成物上での走行性能を大凡知ることができる。従ってタイヤの開発期間、コストを低減できる。また本発明のシミュレーション方法にあっては、例えば路面形成物の要素の変形が、応力の第1の不変量及び偏差応力の二次不変量を用いて設定される破壊条件に基づいて破壊域と判断された場合、該要素を除去する処理を含むことにより、例えばタイヤが雪道、土道などを大きな駆動力、制動力、横力などで走行する際の雪、泥の破壊を再現でき、より精度の高いシミュレーションが可能となる。特に請求項2記載の発明のように、路面形成物が雪の場合、タイヤの雪上性能の評価に特に有効となる。
【0069】
また請求項3記載の発明のように、降伏条件に基づいて、該要素の変形が非破壊域のうち塑性変形域と判断された場合、該要素の応力を減少させることによって、塑性変形時の状態をシミュレーションに好適に取り込むことができ、精度の良いシミュレーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。
【図2】本発明のシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明のタイヤモデルの斜視図である。
【図4】本発明の他の形態を示すタイヤモデルの側面図である。
【図5】コード補強材の要素モデル化を示す概念図である。
【図6】雪モデルの圧縮力と体積の関係を示すグラフである。
【図7】雪モデルの側面図である。
【図8】(A)、(B)は雪モデルの変形を例示する線図である。
【図9】雪モデルの圧縮を説明する線図である。
【図10】タイヤモデルのリム組み条件を例示する断面図である。
【図11】タイヤモデルの変形計算の具体例を示すフローチャートである。
【図12】要素の斜視図である。
【図13】雪モデルの変形計算の具体例を示すフローチャートである。
【図14】降伏条件、破壊条件を説明するグラフである。
【図15】(A)、(B)は雪のせん断試験を説明する概念図である。
【図16】せん断試験の結果を示すグラフである。
【図17】せん断試験の結果を示すグラフである。
【図18】オイラー要素の除去を説明する雪モデルの側面図である。
【図19】(A)、(B)はラグランジュ要素の除去を説明する雪モデルの側面図である。
【図20】(A)〜(C)はラグランジュ要素を説明する線図である。
【図21】雪柱の破壊を例示する側面図である。
【図22】走行シミュレーションの結果を視覚化して示す図である。
【図23】走行シミュレーションの結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2 タイヤモデル
6 雪モデル

Claims (6)

  1. 圧縮により体積変化が生じかつこの体積変化が実質的に永続する非流体の路面形成物上をタイヤで走行したときの様子をシミュレーションするタイヤの走行シミュレーション方法であって、
    数値解析が可能な要素でタイヤをモデル化したタイヤモデルを設定するステップと、
    数値解析が可能かつ圧縮による体積変化を表現できしかもかつこの体積変化が実質的に永続する要素で前記路面形成物をモデル化した路面形成物モデルを設定するステップと、
    タイヤモデルが路面形成物モデルに接触しかつ転動する条件を与え、タイヤモデル、路面形成物モデルの変形計算を微小な時間増分毎に行うことによりタイヤの走行シミュレーションを行うシミュレーションステップとを含むとともに、
    前記シミュレーションステップは、路面形成物モデルの要素に作用する応力の第1の不変量及び偏差応力の二次不変量を用いて設定される破壊条件に基づいて前記要素の変形が破壊域か非破壊域かを判断する処理と、
    前記変形が破壊域と判断された場合に該要素を除去する処理とを含むことを特徴とするタイヤの走行シミュレーション方法。
  2. 前記路面形成物が雪であり、かつ前記路面形成物モデルは雪モデルであることを特徴とする請求項1記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  3. 前記シミュレーションステップは、前記破壊条件に基づいて、該要素の変形が非破壊域のうち塑性変形域と判断された場合、該要素の応力を減少させる処理を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  4. 前記路面形成物モデルは、3次元メッシュ内に前記路面形成物を表す充填物を満たしたオイラー要素からなり、
    かつ前記変形が破壊域であると判断された場合、当該要素の中の前記充填物を取り除くことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  5. 前記路面形成物モデルは、3次元要素を用いたラグランジュ要素からなり、かつ前記変形が破壊域であると判断された場合、当該ラグランジュ要素を取り除くことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
  6. 要素が除去されたことにより新たに雪モデルの表面をなす要素と、タイヤモデルとの接触条件を再定義する処理をさらに含むことを特徴とする請求項2記載のタイヤの走行シミュレーション方法。
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