JP4395934B2 - フィルタエレメント交換型フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル用空気調和機や空気清浄機等に好適に用いられる、枠体に交換用フィルタエレメントを収納してなるフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビル用空気調和機や空気清浄機等に用いられるフィルタエレメント交換型フィルタとしては、特開平6−269624号公報に記載されるような、使用済みのフィルタを交換する際に、フィルタ全体を廃棄することなく、フィルタエレメントのみを交換廃棄するとともに枠体は何回も再利用する、産業廃棄物の量を削減できるものが知られている。
【0003】
このような従来のフィルタは、図6に示すように、プリーツ状に折り加工された濾材の上下端縁部を封止剤で封止したフィルタエレメント37と、これを収納するための支え部材を有する枠体36と、収納したフィルタエレメント37を枠体36から外れないようにするための、額縁状のフィルタエレメント押さえ部材38等で構成されている。そして、フィルタエレメント37を交換する際には、フィルタエレメント押さえ部材38を枠体36から取外して、枠体36から使用済みのフィルタエレメント37を取出すとともに、新しいフィルタエレメント37を枠体36に仮入れし、フィルタエレメント押さえ部材38をこれに付属したフック39a、39b、39c、39dで枠体36に取付ける。
【0004】
しかしながら、以上のようなフィルタにおいては、フィルタエレメントを固定するために、枠体と額縁状のフィルタエレメント押さえ部材等、複数個の部材を用いるので、フィルタエレメントを均一に枠体に押さえつけることが難しく、シール性が低いものとなる。さらにフィルタエレメントを交換するためには、フィルタエレメント押さえ部材の取外しと取付け作業が必要となり、フィルタエレメントの交換に時間がかかるといった問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術の上記欠点を解決し、エア漏れが少なく、またフィルタエレメント交換時間を短縮できる枠体、フィルタエレメント、さらには、それら枠体とフィルタエレメントとから構成されるフィルタとを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、天板、底板および側板とを備えた枠体と交換用フィルタエレメントからなるフィルタエレメント交換型フィルタであって、該側板と該枠体に形成された凸状の受け部材とで形成される角度αが空気の流入方向に対し85〜40度、側板と交換用フィルタエレメントの耳部とで形成される角度βが空気の流入方向に対し80〜35度であり、角度αが角度βよりも大きいことを特徴とするフィルタエレメント交換型フィルタである。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明は、交換用フィルタエレメントが濾材とその濾材の耳部に設けた緩衝部材とを有していることを特徴とするものである。ここで、濾材の耳部にフランジが設けられ、そのフランジに緩衝部材が設けられていることや、濾材の耳部に取手を備えていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルタは、図1、2、3に示すように、枠体2の中に交換用フィルタエレメント3が収納されてなる。枠体2は、天板4、底板5および側板6、7等から直方体に形成されており、さらに、交換用フィルタエレメント3を支持するための、交換用フィルタエレメントの形状に合わせたW字型の支え部材と、交換用フィルタエレメント3の耳部が収納される凸状の受部材10、11とを有している。一方、交換用フィルタエレメント3は、プリーツ状に折り加工されたW字型の濾材12と、濾材12の端縁部を封止する接着剤19、20と、濾材12の耳部に設けられた緩衝部材17、18等から構成されている。
【0010】
本発明において、支え部材は、たとえば、天板4、底板5の間に装架された梁9a、9b、9cと、その梁の間に装架された桁8a、8b、8cとから構成されており、それら支え部材と、天板4、底板5および側板6、7には、焼却処分が可能な紙、木材およびプラスチックや、強度の高い金属等を用いることができる。紙を用いる場合には、複数枚の紙を積層したものに樹脂等を含浸して強度を高めることも好ましい。
【0011】
また、本発明の枠体には凸状の受部材10、11が設けられているが、受部材10、11が凸状であるので、受部材を凹状に形成した場合よりも交換し易く、また、部材数を減らすことができる。そして、受部材10、11を側板に沿って上下方向全体に渡って設けることで、収納される交換用フィルタエレメント3の耳部が受部材10、11から容易に外れるのをより防ぐことができる。また、受部材は、図4の受部材10(11)に示されるような平板や、四角柱や三角柱、さらには断面積がL字型の柱体などを、側板に設けることで形成されるなお、受部材には、枠体の天板、底板、側板と同じ材質のものを用いればよい。
【0012】
そして、交換用フィルタエレメント3に設けた緩衝部材17、18と受部材10、11とのシール性をより高めるためには、側板6、7と受部材10、11とで形成される角度αが、側板6、7と交換用フィルタエレメントの耳部とで形成される角度βよりも大きいことが好ましい。特に、フィルタエレメントの交換性との両立を図るためには、角度αは85度から40度程度の範囲で、また、角度βは80度から35度程度の範囲であることが好ましい。なお、角度α、βは、側板6、7を基準にエア流入方向上流側から測定する。
【0013】
また、本発明において、交換用フィルタエレメント3を構成する濾材12は、紙、合成繊維不織布、ガラス繊維不織布等からなっており、これらを重ね合わせて用いてもよい。さらに、フィルタの補集性能を高めるために、表面に10-10〜10-7C/cm2程度の電荷を帯電したエレクトレット不織布を用いることも好ましい。
【0014】
そして、濾材12の上下両端縁部は接着剤19、20で封止されているが、接着剤としては、ポリオレフィン系樹脂やポリウレタン系樹脂等を用いることができる。さらに、シール性を高めるために、濾材12の接着剤で封止した端縁部の外側を、紙、樹脂、布帛、合成繊維不織布等の単体や積層体、さらには、フィルタの補集性能を高めるため、表面に10-10〜10-7C/cm2程度の電荷を帯電させたエレクトレット不織布24等で覆うことが好ましい。
【0015】
本発明の交換用フィルタエレメント3においては、プリーツ状に折り加工された濾材12の耳部13、14に、枠体2と交換用フィルタエレメント3との間をシールする緩衝部材17、18が設けられている。緩衝部材は、多孔質のプラスチックやゴム、合成繊維不織布など、弾性を有する部材であればいずれのようなものでもよい。また、図4に示すように、緩衝部材17、18は、その厚みTが1〜50mm程度の範囲であることが好ましく、幅W3が、5mm〜(プリーツ幅W2+40mm)程度の範囲であることが好ましい。さらに、耳部13、14の上端部から下端部まで連続しているものがよい。
【0016】
そして、濾材12の耳部13、14には、フランジ15、16を設け、そのフランジ15、16に緩衝部材17を接着することも好ましい。このような構成にすることで、枠体2とのシール性を高めることができる。フランジ15、16は、強度が5N/cm以上、厚みが1〜10mm程度、幅が10mm〜(プリーツ幅W2+40mm)程度の範囲であることが好ましく、また、反り等の変形がなく、耳部の上端部から下端部まで連続しているものがよい。フランジ15、16の材質としては、金属でもよいが、紙、木材、布帛、合成繊維不織布、プラスチック等を用いると、使用後に容易に焼却処理でき、また、特に目付が3,000g/m2以下、好ましくは1,000g/m2以下のものを用いると、フィルタの軽量化を図ることができ好ましい。そして、強度を高める必要があれば、複数枚を積層し、樹脂等を含浸することもできる。
【0017】
さらに、本発明の交換用フィルタエレメントにおいては、フィルタエレメントの交換をしやすくするために、濾材12の耳部13、14に取手25、26を設けることが好ましい。取手25、26は、直接耳部13、14に設けてもよいが、フランジ15、16を介して間接的に耳部13、14に設けてもよい。取手25、26としては、濾材12と同様に、使用後に容易に焼却処理できるよう、紙、木材、布帛、合成繊維不織布、プラスチック等を用いることが好ましい。
【0018】
上述した本発明のフィルタにおいては、フィルタエレメントを次のように交換する。
【0019】
まず、交換用フィルタエレメント3を枠体2に取り付けるときには、枠体2にW字型の交換用フィルタエレメント3を入れ、交換用フィルタエレメント3を桁8a、8b、8cと梁9a、9b、9cに押し当てるとともに、耳部13、14を受部材10、11に納める。このようにすることで、交換用フィルタエレメント3を枠体2内に容易に収納、固定することができる。このとき、図4に示すように、耳部13(14)の緩衝部材17(18)が、受部材10(11)あるいは側板6(7)により押さえつけられので、高いシール性を発揮する。
【0020】
一方、交換用フィルタエレメント3を取外すときは、フランジ15、16の内側中央に取付けられた取手25、26を内側に向かって引っ張り出すことで、容易に交換用フィルタエレメント3を取外すことができる。
【0021】
【実施例】
<実施例>
図1〜4に示す、縦610mm、横610mm、奥行き290mm、質量は8,821gのフィルタ5個について、フィルタエレメント交換性とフィルタ性能を測定した。
【0022】
なお、枠体2は、支え部材を含めて鉄製で、受部材10、11と側板6、7とで形成される角度αは55°であった。また、耳部13、14と側板6、7とで形成される角度は51°であった。
【0023】
交換用フィルタエレメント3には、プリーツ幅40mmのプリーツ濾材を折り加工したポリプロピレン製不織布からなるW字型濾材12を用い、その濾材12の上下端縁部をポリエチレン系樹脂で封止してその樹脂の周りを紙枠21、22で囲むとともに、この紙枠21、22の天板4、底板5と接する部分にポリプロピレン製の不織布をポリエチレン系接着剤で接合した。
【0024】
また、濾材12の耳部13、14には、強度8.9N/cm、厚さ1.5mm、幅45mmの、目付が980gの紙からなるフランジ15、16を全面にわたって設け、フランジ15、16には、そのフランジ15、16の上下方向にわたって連続して、厚み5mm、幅10mmの多孔質ポリエチレン系の緩衝部材17、18をポリエチレン系接着剤で接合した。フランジ15、16の中央部に、ポリエステル製不織布からなる取手25、26を設けた。
【0025】
フィルタエレメント交換性の測定は、枠体2に交換用フィルタエレメント3を入れたのち、耳部13、14を受部材10、11に納めるまでの時間と、フランジ15、16の内側中央に取付けられた取手25、26を内側に向かって引っ張り出して交換用フィルタエレメント3を取外すまでの時間を測定し、それぞれの作業の平均を算出した。
【0026】
また、フィルタ性能は、JIS B9908.8.1.1の粒子捕集効率測定方法に準拠し、図5に示す装置を用いてフィルタの粒子捕集効率を測定することで評価した。図5の測定装置は、送風機27と、エーロゾル発生器28と、上流側採集管31を有する風上側風洞29と、風速計32と、エーロゾル濃度測定器30と、下流側採集管34を有する風下側風洞33とを備えている。この測定装置において、風上側風洞29と風下側風洞33の間にフィルタ1を配置し、風速計32による風速が2.59m/秒になるように、送風機27を制御しながら、風上側風洞29に風を送り込み、そのときの粒子径0.3μmのエーロゾルの上流側濃度C1と下流側濃度C2を測定し、下記の式にて粒子捕集効率Aを算出した。
【0027】
粒子捕集効率A(%)=(1−C2/C1)×100
上記条件のフィルタにおいてフィルタエレメント交換性を測定した結果、フィルタエレメントの取付には平均45秒かかり、また、フィルタエレメントの取り外しには、平均21秒かかった。また、フィルタの粒子塵捕集効率は91.2%であった。
<比較例>
図6に示す、実施例と同寸法、質量10,953gの、フィルタエレメント押さえ部材38を備えたフィルタ5個について、フィルタエレメント交換性とフィルタ性能を測定した。
【0028】
フィルタエレメント交換性測定は、枠体36にフィルタエレメント37を入れた後、フィルタエレメント押さえ部材38をフック39a〜39dで枠体36の鍵穴40a〜40dに固定されるように取付けるまでの時間と、フィルタエレメント押さえ部材を38を枠体36から取外し、フィルタエレメント37を内側に向かって引っ張り出すまでの時間を測定し、それぞれの作業の平均を算出した。また、フィルタ性能測定については、実施例と同様に行った。
【0029】
なお、図6のフィルタの枠体36には、受部材の代わりに前面にフィルタエレメント押さえ部材取付け用の鍵穴40a〜40dが設けられており、また、フィルタエレメント37には緩衝部材が設けられていない。さらに、フィルタエレメント押さえ部材38にはフック39a〜39dが設けられていた。プリーツ濾材の材質、形状等は実施例と同様のものを用いた。
【0030】
上記条件のフィルタにおいてフィルタエレメント交換性を測定した結果、フィルタエレメントの取付には平均192秒かかり、また、フィルタエレメントの取り外しには、平均176秒かかった。また、フィルタの粒子塵捕集効率は70.8%であった。
【0031】
以上のように、本発明により、フィルタエレメント交換にかかる作業時間を1/3以下に短縮することができ、また、捕集効率を高めることができた。また、フィルタの軽量化も達成できた。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、枠体に、交換用フィルタエレメントを支持する支え部材と、交換用フィルタエレメントの耳部が収納される凸状の受部材とを設け、交換用フィルタエレメントとして濾材の耳部に緩衝部材を設けるので、それらによって形成されるフィルタとして、フィルタエレメント押さえ部材を用いる従来のフィルタに比べてフィルタの構成部品を少なくできる。その結果、フィルタの軽量化およびコスト削減を実現でき、また、フィルタエレメント交換にかかる作業時間を大幅に短縮できる。さらに、フィルタエレメント押さえ部材で、フィルタエレメントを枠体に固定する従来の方法に比べて、フィルタエレメントと枠体のシール性が向上することができるので、捕集効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るフィルタの概略斜視図である。
【図2】図1に示したフィルタの枠体の概略斜視図である。
【図3】図1に示したフィルタの交換用フィルタエレメントの概略斜視図である。
【図4】図1に示したフィルタにおける耳部と受部材との接合部分の拡大横断面図である。
【図5】実施例および比較例で用いた粒子捕集効率を測定する装置の概略図である
【図6】従来のフィルタの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 :フィルタ
2 :枠体
3 :交換用フィルタエレメント
4 :天板
5 :底板
6 :側板
7 :側板
8a:桁
8b:桁
8c:桁
9a:梁
9b:梁
9c:梁
10 :受部材
11 :受部材
12 :濾材
13 :耳部
14 :耳部
15 :フランジ
16 :フランジ
17 :緩衝部材
18 :緩衝部材
19 :接着剤
20 :接着剤
21 :紙枠
22 :紙枠
24 :エレクトレット不織布
25 :取手
26 :取手
27 :送風機
28 :エーロゾル発生器
29 :風上側風洞
30 :エーロゾル濃度測定器
31 :上流側採集管
32 :風速計
33 :風下側風洞
34 :下流側採集管
35 :フィルタ
36 :枠体
37 :フィルタエレメント
38 :フィルタエレメント押さえ部材
39a:フック
39b:フック
39c:フック
39d:フック
40a:鍵穴
40b:鍵穴
40c:鍵穴
40d:鍵穴
W1:受部材の幅
W2:プリーツ幅
W3:緩衝部材の幅
T :緩衝部材の厚み

Claims (4)

  1. 天板、底板および側板とを備えた枠体と交換用フィルタエレメントからなるフィルタエレメント交換型フィルタであって、該側板と該枠体に形成された凸状の受け部材とで形成される角度αが空気の流入方向に対し85〜40度、側板と交換用フィルタエレメントの耳部とで形成される角度βが空気の流入方向に対し80〜35度であり、角度αが角度βよりも大きいことを特徴とするフィルタエレメント交換型フィルタ。
  2. 前記交換用フィルタエレメントが、濾材と、その濾材の耳部に設けた緩衝部材とを有していることを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント交換型フィルタ。
  3. 前記交換用フィルタエレメントの濾材の耳部にフランジが設けられ、そのフランジに緩衝部材が設けられている、請求項2に記載のフィルタエレメント交換型フィルタ。
  4. 前記交換用フィルタエレメントの濾材の耳部に取手を備えている、請求項2または3に記載のフィルタエレメント交換型フィルタ。
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