JP4397327B2 - ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する、方法及び装置 - Google Patents

ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する、方法及び装置 Download PDF

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Description

この発明は、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命判定する、方法及び装置関するものである。
近年、車両に装着した空気入りタイヤの安全運用の点から、タイヤの走行寿命を短くするような、タイヤ内圧の低下、荷重や走行速度の超過等の異常な使用条件下での走行状態の検知や、バースト等の故障が発生すると予測される走行状態の検知等を行う検知装置が装備された車両が注目されている。
例えば、内圧監視装置は、タイヤの内圧を監視し、内圧が異常に低下した場合には警告等を発生して、ドライバーに注意を促すためのものである。
また、故障発生の可能性が高い異常な走行条件を検知する技術として、例えば、国際公開されたWO01/17806号公報等には、タイヤの温度を監視し、温度の上昇率あるいは温度の絶対値がある閾値を超えた場合に走行条件が異常であると判定する技術が開示されている(WO01/17806号公報等)。
しかしながら、上述した従来の検知技術はいずれも、タイヤ内圧を含む走行条件が単に異常であるか否かを判定するものであって、その走行条件の異常の程度(あるいは厳しさ)を定量的に判定するものではない。このため、ドライバーは、判定した時点で異常があるか否かについては知ることができるものの、この走行条件での継続走行を直ちに止めるべきなのか、または、減速等の走行条件の変更すれば継続走行ができるのかなどについての情報を知ることはできず、ましてや、継続走行が可能であれば走行可能距離は残り何キロメートルなのかという、いわゆるタイヤの走行余命の情報情報を知ることもできない。
特に、パンク等の発生に伴ってタイヤ内圧(内圧が零(ゲージ圧)を含む。)が異常低下してタイヤがランフラット状態に変形した場合であっても、ある程度の距離を継続走行できることを前提として開発されたランフラットタイヤ、例えば、内部支持体を挿入した、いわゆる中子型ランフラットタイヤや、タイヤの内面側であって少なくともサイドウォール部の範囲にわたって補強ゴムを配設した、いわゆるサイド補強型ランフラットタイヤや、タイヤの内部にタイヤを挿入した、いわゆる二重ランフラットタイヤでは、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命情報を定量的に得られることが安全運用の上で非常に重要である。
この発明の目的は、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離を予測すること、すなわち、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命判定する、方法及び装置を提供することにある。
一般に、タイヤが走行を開始すると、負荷転動時に伴うタイヤの繰返し変形による発熱により、タイヤ部材の温度が上昇する。
タイヤ部材の温度の測定方法としては、例えば、特開平3−262715号公報に記載されているように、温度センサーをタイヤのトレッド表面に対向させてタイヤハウス内に配設し、タイヤのトレッド表面温度を検出する方法が一般的である。
しかしながら、タイヤ部材の温度を測定したとしても、温度測定したタイヤ部材の個所が故障するとは限らず、また、タイヤ表面温度は、外気温等の他の外的因子の影響を受けやすく、測定したタイヤ表面温度に大きな誤差が生じることから、かかる測定温度と故障との対応関係が必ずしも一致しない場合があった。
このため、発明者らは、最近、安全性重視の点から開発が急ピッチで進んでいる、タイヤの異常を検知する検知装置が装備された車両に着目し、かかる検知装置にタイヤの空洞内雰囲気温度の測定ができる検知ユニットを加え、タイヤの空洞内雰囲気温度と故障との対応関係を調査した結果、非常に良好な対応関係が得られることを見出した。さらに、空洞内雰囲気温度の測定は、タイヤ部材の温度を直接測定する場合に比べて、外気温等の他の外的因子の影響を受けにくく、温度センサの配置が容易であり、温度測定が行いやすい等の利点があり、加えて、故障が発生する可能性の高い部位の特定が困難な場合でも適用することができるので有利である。
また、タイヤの空洞内雰囲気温度Tは、走行時間をtとすると、内圧、負荷荷重、走行速度が一定である走行条件では、T=f(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)という指数関数f(t)で近似的に表されることも見出した。
さらに、タイヤの空洞内雰囲気温度Tは、走行時間tとの関係を上記指数関数で近似できるが、タイヤを構成するゴム部材の物性変化が生じるような温度、例えば後述する遷移温度に達すると、上記指数関数による予測からずれる傾向があり、この場合は、一次関数T=f(t)=T+Ct、(但し、Tは測定温度、Cは測定温度の単位時間当たりの変化率である。)で近似する方が適合性が良いことも判明した。
さらにまた、タイヤ内圧の低下、荷重や走行速度の超過等の異常な使用条件下では、単位時間当たりのタイヤ変形量が大きくなり、これに伴って、熱の発生量が多くなり、走行中のタイヤの空洞内雰囲気温度が上昇して、統計的に故障が発生するとされる前記空洞内雰囲気温度である限界温度に達したときに故障が生じること、及びこの限界温度は、同じタイヤについては走行条件にかかわらずほぼ一定であることも見出した。
加えて、タイヤが故障する直前には、測定した空洞内雰囲気温度から算出した温度変化率の急増が認められることも見出した。よって、この発明(第1及び発明)は、上述した知見に基づいてなされてものであり、この発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ランフラットタイヤと、このタイヤ内に配置され、前記タイヤの空洞内雰囲気温度の測定が可能な検知ユニットとを有するランフラットタイヤシステムを装備した車両において、前記ランフラットタイヤのうち、少なくとも1 本のランフラットタイヤが、パンク等の発生に伴う内圧の異常低下によりランフラット状態で継続走行する場合に、ランフラット状態で継続走行する前記ランフラットタイヤの前記空洞内雰囲気温度を測定し、測定される空洞内雰囲気温度及びこれらの空洞内雰囲気温度を用いて算出したデータを用いて、前記限界温度に達すると予測されるまでの時間を算出し、この算出した走行時間及び/又は走行距離を、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離とすることを特徴とすることを特徴とする、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法(第1発明)。
(2)前記走行余命は、測定した前記所定温度の上昇度合いに基づいて判定することを特徴とする、上記(1)記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
(3)前記走行余命は、測定した前記所定温度に基づいて算出した、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離によって判定することを特徴とする、上記(1)記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
)測定される空洞内雰囲気温度Tは、走行継続時間tとの関係を、種々のランフラット走行条件について関数f(t)として予め求めておき、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を、前記関数f(t)を用いて算出する、上記(1)、(2)又は(3)記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
)前記関数f(t)は、近似的にf(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)で表され、この関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、上記()記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
)係数Bを一定値とし、測定温度とその単位時間当たりの変化率から、係数A及び予測飽和到達温度Tを算出し、これらの算出した値を代入した関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、上記()記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
)前記関数f(t)は、前記限界温度よりも低い特定の温度である遷移温度を境として異なり、前記空洞内雰囲気温度が遷移温度よりも低い温度域にある場合に、近似的にf(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)で表され、予測飽和到達温度Tが遷移温度よりも低い場合を、ランフラット状態での長時間の継続走行が可能である安全モードと判定し、予測飽和到達温度Tが遷移温度よりも高い場合を、ランフラット状態での継続走行により故障が発生すると予測される危険モードと判定して、前記関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、上記()記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
)前記関数f(t)は、前記空洞内雰囲気温度が遷移温度よりも高い温度域にある場合には、近似的にf(t)=T+Ct、(但し、Tは測定温度、Cは測定温度の単位時間当たりの変化率である。)で表され、この関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、上記()記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
)ランフラットタイヤが、その内面側であって少なくともサイドウォール部の範囲にわたって補強ゴムを配設した、いわゆるサイド補強型ランフラットタイヤである、上記(1)〜()のいずれか1項記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
10)上記()〜()のいずれか1項記載の方法を行うための装置において、ランフラットタイヤ内に配置され、前記タイヤの少なくとも空洞内雰囲気温度の測定が可能な検知ユニットと、測定される空洞内雰囲気温度の値から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を少なくとも算出する演算手段と、演算手段によって算出したデータと比較するための基準データを少なくとも記憶する記憶手段とを具えることを特徴とする、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する装置(第発明)。
以下、この発明の実施の形態の一例を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この発明に従うランフラットタイヤの走行余命を判定する装置(第発明)の一例を示したものである。図1に示す判定装置1は、ランフラットタイヤ2の所定温度、好適には、少なくとも空洞3内の温度の測定が可能な検知ユニット4と、測定される空洞内雰囲気温度の値から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、後述する予め設定された前記限界温度Tに達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を少なくとも算出する演算手段5と、演算手段5によって算出したデータと比較するための基準データを少なくとも記憶する記憶手段6とを具えている。
尚、ここでいうランフラットタイヤとは、タイヤの少なくともサイドウォール部に、断面三日月状の補強ゴムを配設した、いわゆるサイド補強タイプのランフラットタイヤだけでなく、タイヤとホイールとで区画形成した空洞内にリング状の剛体を挿入した、いわゆる中子タイプのランフラットタイヤや、タイヤ内にさらに小径のタイヤを挿入した、いわゆるチューブタイプのランフラットタイヤも含む。また、ここでいうタイヤの所定温度とは、上記した空洞内雰囲気温度のことである
検知ユニット4は、タイヤ2内に配置され、例えば、図1に示すように、タイヤ2に空気を注入するための円筒状のバルブステム7と一体となってホイール8に取り付ければよい。検知ユニット4の構成例を図に示す。図に示す検知ユニット4は、前記空洞3内の温度を測定する温度センサ9と、この温度センサ9により検出されたデータをデジタル信号に変換する信号変換部(図示せず)と、変換した信号データを車体側の受信機10(図1)に無線で送信する送信機11と、温度センサ9及び送信機11とを一体に密封して収納するケース12とで主に構成されており、この検知ユニット4によって、タイヤ2の空洞内雰囲気温度を正確に測定することができる。尚、温度センサ9は、その感温部9aだけをケース12に封入せず、タイヤ2の空洞3内に露出させて感温部9aが空洞3内の雰囲気に直接触れるように構成することが好ましい。
また、図2B及び図2Cは、検知ユニット4の他の実施形態の例を示したものであり、図2Aに示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2Bに示す例において、図2Aに示す例と異なる点は、感温部9aの配置である。すなわち、図2Bに示す例では、ケース12の一部を窪ませて外側の雰囲気と直接連通する収納部16を設け、この収納部16に感温部9aを配置している。また、収納部16の開口をケース12とは別体のケース17で覆い、感温部9aをカバーしている。ケース17は、雰囲気が通過できるよう複数の小孔を設けるか金網で構成し、外側のタイヤ2内の雰囲気が直接感温部9aと接触するようにしている。図2Bに示す例では、タイヤ2内の雰囲気中の感温部9aを異物との衝突などのアクシデントから保護できる。
図2Cに示す例において、図2Aに示す例と異なる点は、ケース12に外部センサ入力回路18を設けた点である。外部センサ入力回路18は送信機11と接続され、外部センサ入力回路18に接続した外部センサが取り込んだデータを、車体側の受信機10に送信できるよう構成している。なお、ここでは外部センサ入力回路18が1つの例を示したが、その数を必要に応じて増やすことができることはいうまでもない。また、外部センサと外部センサ入力回路18との接続は、図示しないコネクタなどの公知の手段で行うことができる。
図2Cに示す例において、外部センサとしてタイヤ2内の別の個所に温度センサ9を設けた場合は、外部センサ入力回路18を介してそれらの温度データを検知ユニット4で車体側の受信機10に送信でき、演算手段5での演算に利用することができる。他の外部センサとして温度センサを設けた場合は、多点の温度データに基づき演算することで、各種予測・判定精度をさらに向上させることができる。外部センサとしてタイヤ内の別の個所に加速度センサを設けた場合は、外部センサ入力回路を介してそれらの加速度データを検知ユニット4で車体側の受信機10に送信でき、演算手段5での演算に利用することができる。他の外部センサとして加速度センサを設けた場合は、加速度を加味した演算を行うことができ、同じく、各種予測・判定精度をさらに向上させることができる。
図7は、検知ユニット4の構成を示すブロック線図である。検知ユニット4は、タイヤ内の温度を測定する温度センサ9と、制御部を構成するMPU19と、温度データを送信する送信機11とから構成されている。MPU19は、所定の取り込み周期で温度センサ9で計測したデータを取り込むデータ取込み手段20と、所定の出力周期で送信機11にデータを出力するデータ出力手段21と、出力タイミングを制御するデータ入出力タイミング制御手段22とを有している。また、送信機11はデータを送信する送信アンテナ23を備えている。
図8は実際の走行時における温度センサからの出力を時間と温度との関係で比較したグラフである。図8において、スリップリングを使用してタイヤ2内に設けた温度センサで測定した基準となるデータを基準値、検知ユニット4で測定したデータを本発明例、従来の検知ユニットで測定したデータを従来例として示す。図8から明らかなように、本発明例は従来例と比較して、すべての領域において基準値に近く、本発明例では従来例と比べて正確な温度を測定できることがわかる。
尚、温度センサ9としては、例えば抵抗温度計(サーミスター)熱電対等を用いることが好ましい。
また、検知ユニット4は、図1では温度測定だけを行う構成だけを示してあるが、例えば、内圧測定する構成を組み込んでもよく、この場合には、信号変換部と送信部等は併用することができる。
さらに、この発明では、タイヤの温度を、空洞内雰囲気温度のみで間接的に測定する場合を示したが、空洞内雰囲気温度だけでなく、例えばタイヤ部材の温度を直接測定することもでき、この場合には、より一層正確なデータの算出が可能となる。
タイヤ部材の温度を測定する場合には、例えばベルト端部や、サイド補強型ランフラットタイヤにおけるサイド補強ゴム等のような故障が発生する可能性が高いタイヤ部材の部位の温度を測定することが特に好ましい。尚、故障が発生する可能性が高い部位の特定については、限界温度の設定のための試験によって行うことができる。
また、図1では、判定装置1は、上記検知ユニット4に加えて、タイヤの外部側、より具体的には車体側13に、検知ユニット4から送信されるデータを受信して処理する受信部15を有している。
受信部15は、検知ユニット4から送信されるデータを受信する受信機10と、受信機10で受信したタイヤの空洞内雰囲気温度の測定値を用いて各種データを算出する演算手段5と、演算手段5によって算出したデータと比較するための基準データ等を記憶する記憶手段6とを、タイヤの外部側、より具体的には車体側13に配設した場合を示してあり、加えて、図1では、演算手段5によって算出した演算結果を表示するディスプレイ14を設けてある。
受信部15は、検知ユニット4と共通のケース中に一体化して車輪内に配設してもよく、この場合には、各車輪に設けた検知ユニット4に対して同数の受信部15を設けることになるが、受信部15を車体側13に検知ユニット4とは分離して配設する場合には、各車輪に設けた検知ユニット4からのデータを、1つの受信部15で演算処理を行わせることも可能である。
記憶手段6は、演算手段5によって算出したデータと比較するための基準データを記憶する他、必要に応じて、限界温度、遷移温度、後述する指数関数f(t)の係数Bの値等を記憶させてもよい。
また、測定温度の単位時間当たりの変化率や、後述する指数関数f(t)の2階微分することによって得られる2次導関数f(t)´´等の算出した値を記憶させても良い。
さらに、演算手段5としてコンピューターを用いれば、記憶手段6を内蔵することができる。
したがって、この発明に従う判定装置1は、上述した構成を採用することによって、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命判定することができる。
次に、この発明を完成させるに至った経緯を作用の記載とともに以下で詳細に説明する。尚、ここでは、サイド補強型ランフラットタイヤで試験したときの結果を用いて説明する。
図3は、かかるタイヤを各種走行条件で走行させたときの、タイヤの空洞内雰囲気温度の測定値と走行時間との関係を傾向的に示したものである。
まず、規定内圧及び規定荷重条件を適用した正常タイヤで通常(正常)走行を開始すると、測定されるタイヤの空洞内雰囲気温度は、走行時間tとともに、ほぼ指数関数(T=T´−A´exp(−B´t))に従って上昇するが(図3の破線で描かれたグラフD)、統計的に故障が発生するとされる前記空洞内雰囲気温度である限界温度よりも低い温度で一定となって飽和し、それ以上の温度上昇はないため、長時間走行してもタイヤ故障は生じない。
次に、正常走行の途中でランフラット走行を開始させると、タイヤの空洞内雰囲気温度はさらに上昇するようになり、この場合もまた、測定されるタイヤの空洞内雰囲気温度は、ランフラット走行の開始時点から走行時間tとともに、ほぼ指数関数(T=T−Aexp(−Bt))に従って上昇することが判明した。そして、このときのタイヤの空洞内雰囲気温度は、予測飽和到達温度Tが3つの温度域I〜IIIのいずれにあるかによって、異なる指数関数のグラフで表わされることを見出した。
すなわち、図3に示すグラフAは、タイヤ内圧、走行速度及び負荷荷重の条件がさほど厳しくなく、予測飽和到達温度Tが、限界温度とこれよりも低い特定の温度である後述する遷移温度の双方の温度よりも低い温度域Iにある場合のものであり、かかる場合に該当する走行条件であれば、長時間の継続走行を行っても、タイヤ故障は生じない。
また、グラフBは、タイヤ内圧、走行速度及び負荷荷重の条件が非常に厳しく、予測飽和到達温度Tが、限界温度よりも高い温度域IIIにある場合のものであり、かかる場合に該当する走行条件だと、短時間の継続走行でタイヤ故障に至る。
さらに、グラフCは、タイヤ内圧、走行速度及び負荷荷重の条件が、グラフAよりは厳しくグラフBよりは緩く、予測飽和到達温度Tが、限界温度と遷移温度の間の温度域IIにある場合のものであり、かかる場合には、測定される空洞内雰囲気温度が上昇して遷移温度を超えると、特にサイド補強ゴムの弾性率の低下によりタイヤの繰返し変形量が増加するのに伴って発熱量も増加するため、タイヤの空洞内雰囲気温度は、予測飽和到達温度Tでは飽和せずにさらに上昇し、最終的に限界温度まで上昇して、最終的には故障に至る傾向がある。
よって、第1発明のタイヤの走行余命の判定方法は、上記結果を踏まえて完成させたものであって、具体的には、前記ランフラットタイヤのうち、少なくとも1本のランフラットタイヤ2が、パンク等の発生に伴う内圧の異常低下によりランフラット状態で継続走行する場合に、統計的に故障が発生するとされる前記空洞内雰囲気温度である限界温度を予め設定した上で、ランフラット状態で継続走行する前記ランフラットタイヤ2の空洞内雰囲気温度を測定し、測定される空洞内雰囲気温度及びこれらの空洞内雰囲気温度を用いて算出したデータを用いて、前記限界温度に達すると予測されるまでの時間を算出し、この算出した走行時間及び/又は走行距離を、ランフラットタイヤ2が故障に至るまでの走行可能な時間te及び/又は距離deとすることにある。
ここで、限界温度Tは、例えば、低内圧、過荷重、高速の走行条件下での室内ドラム試験を行い、故障に至るまでの温度推移を測定することにより設定することができる。温度の測定は、実際にこの発明の方法及び装置を適用するときと同じ条件(タイヤ空洞内温度の測定位置や測定に用いる温度センサ等)で行うことが好ましい。
尚、限界温度は、安全を見越して試験で求めた値よりも低い数値に設定することもできる。また、走行中のタイヤの空洞内温度の測定は、上記限界温度の設定のための試験と同じ条件で行うことが好ましく、この発明では、特に空洞内温度の変化状態を評価の対象とするため、温度検知ユニット4としては熱容量が小さい温度センサ9を用いることが好ましい。温度センサー9は、その感温部9aと測定対象である空洞内雰囲気(空気)との熱伝導を妨げないタイヤ内の位置に配設することが好ましい。尚、測定される空洞内雰囲気温度Tは、走行継続時間tとの関係を、種々のランフラット走行条件について関数f(t)として予め求めておき、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を、前記関数f(t)を用いて算出し、この算出した走行時間及び/又は走行距離を、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離とすることが好ましい。
また、前記関数f(t)は、要求される予測精度及び限界温度のための試験等で得られる実際の温度推移に応じ、二次式あるいはそれ以上の高次多項式等を用いることができるが、基本的には、近似的に指数関数f(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)で表すことがより好ましい。
尚、上記関数f(t)中の係数Bは、タイヤと外気との熱伝導に関わる係数であり、一定値(好適には0.10〜0.13の範囲)とみなすことができるので、予め定数として設定しておくことができる。また、係数Bの値は、一定走行条件下での複数の時点における空洞内雰囲気温度の測定値から求めても良い。
そして、係数Bを一定値とすれば、係数A及び予測飽和到達温度Tは、現在の測定温度とその単位時間当たりの変化率から算出することができ、これらの算出した値を代入した関数f(t)を用いれば、それぞれの走行条件について、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度Tに達すると予測されるまでの走行可能時間を算出することができる。
また、前記限界温度Tに達すると予測されるまでの走行距離は、現在の走行速度と算出した走行可能時間の積として求めることができる。
尚、ノイズによる測定温度の変動成分を除去するため、例えばフィルターによる高周波成分の除去、一定時間内の移動平均の算出による平滑化等を行うことが好ましい。
さらに、前記関数f(t)は、上述したように、前記限界温度よりも低い特定の温度である遷移温度Tを境として異なる傾向がある。
このため、前記関数f(t)は、前記空洞内雰囲気温度が遷移温度よりも低い温度域にある場合に、近似的にf(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)で表され、このとき、予測飽和到達温度Tが遷移温度Tよりも低い場合を、ランフラット状態での長時間の継続走行が可能である安全モードと判定し、予測飽和到達温度Tが遷移温度よりも高い場合を、ランフラット状態での継続走行により故障が発生すると予測される危険モードと判定して、前記関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出することができる。
ここで、遷移温度Tは、例えば限界温度Tの設定のための試験で求めた温度推移が指数関数f(t)=T−Aexp(−Bt)からずれた時点の温度とするか、又は、故障が生じるゴム部材が特定できる場合には、かかるゴム部材の物性の温度依存性から設定しても良い。但し、後者の場合には、タイヤの空洞内温度とゴム部材の温度バイアスを考慮する必要がある。故障が生じるゴム部材としては、例えばサイド補強型ランフラットタイヤの場合にはサイド補強ゴムであり、この場合には、図4に示すように、サイド補強ゴムの弾性率E´の温度依存性から遷移温度を設定することができる。
また、前記関数f(t)は、前記関数f(t)は、前記空洞内雰囲気温度が遷移温度Tよりも高い温度域にある場合には、近似的にf(t)=T+Ct、(但し、Tは測定温度、Cは測定温度の単位時間当たりの変化率である。)で表され、この関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度Tに達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出することができる。
ここで、測定温度の単位時間当たりの変化率、すなわち温度変化率T´は、例えば一定時間内に得られた測定温度から求められる単位時間当たりの平均変化率を用いてもよい。
図5は、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法の一例をフローチャートで示したものである。
図5では、例えば検知ユニット4内に内圧検知手段を設けて内圧を常時監視し、内圧が、例えば100kPaまで低下した時点で判定動作(走行余命の判定)を開始するが、このとき、低内圧走行警報を発生させてもよい。
判定動作の開始後、空洞内温度の測定とその単位時間当たりの変化率(温度変化率)T´の算出を行う。そして、温度変化率T´が、基準値となる温度変化率、例えば0.3℃/分よりも大きいか否かを判断し、0.3℃/分以下の場合には温度変化率を0.3℃/分とみなし、また、0.3℃/分よりも大きい場合には温度変化率T´をその測定した温度変化率の値とする。
次に、測定した空洞内温度が遷移温度Tよりも低いか否かを判断する。
そして、測定した空洞内温度Tが遷移温度Tよりも低い場合には、空洞内温度Tは、走行継続時間tとの関係式として、T=T−Aexp(−Bt)を用い、Bを一定値、例えば0.11として、予測飽和到達温度Tと係数Aを求め、予測飽和到達温度Tが遷移温度Tよりも低い場合には、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行しても、前記限界温度Tには達することはなく、故障が生じないので、例えば車両内の表示パネルのようなディスプレイ14に、前記限界温度Tに達すると予測されるまでの走行可能時間teと走行可能距離deを無限大として表示する。
また、予測飽和到達温度Tが遷移温度T以上である場合には、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、空洞内温度が遷移温度Tに達するまでの時間t1を算出し、かつ、遷移温度T以降の温度変化率CをT=T+Ctから決定して、空洞内温度が遷移温度Tから限界温度Tに達するまでの時間t2を算出し、走行可能時間teをt1+t2とするとともに、走行可能距離と走行速度との積から走行可能距離deを求め、ディスプレイ14に表示する。
一方、測定した空洞内温度Tが遷移温度T以上である場合には、空洞内温度Tは、走行継続時間tとの関係式として、T=T+Ctを用い、測定した空洞内温度とその変化率から温度変化率Cを決定して、空洞内温度が限界温度Tに達するまでの走行可能時間teと走行可能距離deを求め、ディスプレイ14に表示する。
そして、走行可能時間teと走行可能距離deをディスプレイ14に表示した後、連続的又は所定の時間間隔で、空洞内温度の測定と温度変化率T´を算出して、上述した一連の工程を繰り返せばよい。
これによって、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間te及び/又は走行距離deをドライバーに知らせることにより、ドライバーは、現在の走行状態の厳しさを定量的に把握することができるので、減速する等の適切な処置を採ることができる。
また、ドライバーによる走行状態の把握の容易化や、採るべき処置の明確化を図るため、予測された時間又は距離に応じて段階的な警報を発生するようにしてもよい。例えば、予測される走行可能時間が30分未満である場合には、緊急な減速や停止を促す警報Aを発生し、また、予測される走行可能時間が30分以上でかつ予測飽和到達温度Tが限界温度以上である場合には、減速を促す警報Bを発生するように構成すればよい。
さらに、予測飽和到達温度Tが遷移温度T未満である場合には、走行可能時間te及び走行可能距離deが無限大が表示されることになるが、この表示では、現在の走行条件が正常な走行条件であるのか、内圧や荷重等が異常な走行条件ではあるが何とか走行できる状況を意味しているのかが明確ではない。このため、これらを明確に区別する必要がある場合には、例えば測定温度の絶対値の評価と、内圧警報機による内圧検出値等を勘案して警報を発生する構成をさらに加えることがより好ましい。
具体的には、測定した空洞内雰囲気温度が、正常な走行条件下では達し得ない値又は内圧検出値が100kPa未満であり、かつ予測飽和到達温度Tが限界温度TL未満である場合には、警報Cを発生する等が考えられる。
尚、ドライバーの処置等により、測定されるタイヤの空洞内雰囲気温度が低下した場合、すなわち、単位時間当たりの温度変化率T´が負である場合も、予測飽和到達温度Tが限界温度T未満となるが、この場合も上記に準じた構成にすることが好ましい。具体的には、判定動作の開始後、空洞内温度の測定とその単位時間当たりの変化率(温度変化率)T´の算出を行い、温度変化率T´が、基準値となる温度変化率よりも負である場合には、温度変化率を基準値とみなして、ドライバーに注意を継続して喚起するように構成すればよい。
以上については、ドライバーが処置することが前提であるが、例えば、予測される走行可能時間teや走行可能距離deに応じて、速度リミッターや出力リミッターを作動させる等、車両の直接制御に適用することもできる。
また、判定動作の開始時期としては、上述したように内圧が一定値にまで低下した時点の他、車両走行開始時点や、測定されるタイヤ空洞内雰囲気温度が一定値にまで上昇した時点等が挙げられる。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、サイド補強型ランフラットタイヤ(タイヤサイズ:245/40ZR18)と、このタイヤ内に配置され、前記タイヤの空洞内雰囲気温度と内圧の測定が可能な検知ユニットとを有するランフラットタイヤシステムを装備した車両に、この発明タイヤの走行余命及びその末期の双方の判定ができる装置を適用し、実際に判定したので、以下で説明する。
車輪側に配置される検知ユニットは、温度センサを含む温度検知手段、内圧検知手段、これら検知手段に共通な信号変換信号及び送信機を有する。温度センサとしては抵抗温度計を用い、その感温部をタイヤの空洞内に露出するように配設して空洞内雰囲気温度を測定した。検知ユニットの配設位置は、リムのバルブ位置とした。
また、車体側に配置される受信部は、受信機、演算手段及び記憶手段の他、演算結果を表示するディスプレイ14を有する。尚、記憶手段には、限界温度、遷移温度、及び指数関数f(t)の係数B(B=0.11に設定)を記憶させた。
限界温度と遷移温度の設定は、室内ドラム試験にて、走行条件(タイヤ内圧、負荷荷重及び走行(回転)速度)条件を変えて故障までのタイヤの空洞内雰囲気温度の推移を測定し、これらの走行結果から、限界温度を103℃とし、遷移温度を90℃に設定した。空洞内雰囲気温度は、10秒間隔で測定を行った。測定した空洞内雰囲気温度の単位時間当たりの変化率T´及び前記変化率T´の単位時間当たりの変化率T´´は、過去3分間に得られたデータを用いて算出した。また、距離を算出するために必要な速度データとして、車両の速度計で得られたデータ、又は、車輪に装着された加速度計で測定された遠心力からの計算値を用いた。タイヤの走行余命及びタイヤの走行余命末期を判定する一連の工程については、それぞれ図5及び図6に示したのと同様の工程で行った。
(1)試験結果1(タイヤの走行余命判定結果)
上記判定装置を適用した車両でランフラット走行し、故障するまでの走行可能時間が60分と判定された走行条件でさらに走行を継続したところ、約65分後にタイヤから振動が発生し、走行を継続できなくなった。このときのタイヤの空洞内雰囲気温度は103℃であった。その後、故障したタイヤを解体して故障部位を調べたところ、サイド補強ゴムにクラックが発生しており、サイド補強ゴムであることがわかった。
また、予測飽和到達温度Tが遷移温度よりも低く、限界温度に達するまでの予測される時間が無限大となる走行条件で走行を継続したところ、約280km走行後も故障が発生しなかった。さらに、限界温度に達するまでの予測される時間が30分と予測される走行条件から、限界温度に達すると予測される時間が無限大となる走行条件まで減速して走行を継続したところ、約200km走行後も故障が発生しなかった。
第1及び発明によれば、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離を予測すること、すなわち、ランフラットタイヤの走行余命を判定することができるという顕著な効果を奏する。
ユニフォミティを格段に向上させるとともに、カーカスコードの抜けとランフラット走行時のビード外れの双方を有効に抑制したランフラットタイヤを提供することが可能となった。
図1は、この発明(第2発明)に従うランフラットタイヤの走行余命及びその末期の判定装置の一例を示す概念図である。 図2A〜2Cは、それぞれ図1に示す検知ユニットの種々の構成例を示す概念図である。 図3は、各種走行条件で継続走行した場合の空洞内雰囲気温度の推移を傾向的に示したグラフである。 図4は、補強ゴムの弾性率の温度変化によって遷移温度を設定する場合の一例を示すグラフである。 図5は、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法の一例をフローチャートで示したものである。 図6は、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命末期を判定する方法の一例をフローチャートで示した参考図である。 図7は、この発明の装置に用いた検知ユニットの構成を示すブロック線図である。 図8は、実際の走行時における温度センサからの出力を時間と温度との関係で比較したグラフである。

Claims (10)

  1. ランフラットタイヤと、このタイヤ内に配置され、前記タイヤの空洞内雰囲気温度の測定が可能な検知ユニットとを有するランフラットタイヤシステムを装備した車両において、
    前記ランフラットタイヤのうち、少なくとも1 本のランフラットタイヤが、パンク等の発生に伴う内圧の異常低下によりランフラット状態で継続走行する場合に、
    ランフラット状態で継続走行する前記ランフラットタイヤの前記空洞内雰囲気温度を測定し、
    測定される空洞内雰囲気温度及びこれらの空洞内雰囲気温度を用いて算出したデータを用いて、前記限界温度に達すると予測されるまでの時間を算出し、この算出した走行時間及び/又は走行距離を、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離とすることを特徴とすることを特徴とする、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  2. 前記走行余命は、測定した前記空洞内雰囲気温度の上昇度合いに基づいて判定することを特徴とする、請求項1記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  3. 前記走行余命は、測定した前記空洞内雰囲気温度に基づいて算出した、ランフラットタイヤが故障に至るまでの走行可能な時間及び/又は距離によって判定することを特徴とする、請求項1記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  4. 測定される空洞内雰囲気温度Tは、走行継続時間tとの関係を、種々のランフラット走行条件について関数f(t)として予め求めておき、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を、前記関数f(t)を用いて算出する、請求項1、2又は3記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  5. 前記関数f(t)は、近似的にf(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)で表され、この関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、請求項記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  6. 係数Bを一定値とし、測定温度とその単位時間当たりの変化率から、係数A及び予測飽和到達温度Tを算出し、これらの算出した値を代入した関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、請求項記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  7. 前記関数f(t)は、前記限界温度よりも低い特定の温度である遷移温度を境として異なり、前記空洞内雰囲気温度が遷移温度よりも低い温度域にある場合に、近似的にf(t)=T−Aexp(−Bt)、(但し、Tは予測飽和到達温度、A及びBは係数である。)で表され、予測飽和到達温度Tが遷移温度よりも低い場合を、ランフラット状態での長時間の継続走行が可能である安全モードと判定し、予測飽和到達温度Tが遷移温度よりも高い場合を、ランフラット状態での継続走行により故障が発生すると予測される危険モードと判定して、前記関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、請求項記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  8. 前記関数f(t)は、前記空洞内雰囲気温度が遷移温度よりも高い温度域にある場合には、近似的にf(t)=T+Ct、(但し、T1は測定温度、Cは測定温度の単位時間当たりの変化率である。)で表され、この関数f(t)を用いて、前記空洞内雰囲気温度を測定した時点から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を算出する、請求項記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  9. ランフラットタイヤが、その内面側であって少なくともサイドウォール部の範囲にわたって補強ゴムを配設した、いわゆるサイド補強型ランフラットタイヤである、請求項1〜のいずれか1項記載のランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の方法を行うための装置において、
    ランフラットタイヤ内に配置され、前記タイヤの少なくとも空洞内雰囲気温度の測定が可能な検知ユニットと、
    測定される空洞内雰囲気温度の値から、現在のランフラット走行条件で継続走行した場合に、前記限界温度に達すると予測されるまでの走行時間及び/又は走行距離を少なくとも算出する演算手段と、
    演算手段によって算出したデータと比較するための基準データを少なくとも記憶する記憶手段と、
    を具えることを特徴とする、ランフラット状態で継続走行するランフラットタイヤの走行余命を判定する装置。
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