JP4398037B2 - 防錆具挿入装置および不断水工法 - Google Patents
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Description
【発明のバックグラウンド】
発明の分野:
本発明は、既設管に不断水で施工した円形ないし溝形の開孔の防錆処理に関するものである。
【0002】
従来の技術:
従来より、既設管に不断水下において開孔を形成し、該開孔から仕切弁体を挿入し、管路内の水の流れを遮断可能にする不断水バルブ挿入工法は周知である(U.S.P.3,948,282,U.S.P.4,516,598)。
かかる工法では、バルブ挿入後に仕切弁体で水の流れを遮断し、目的とする配管変更などの作業を行うと、当該仕切弁体が不要になるので、当該仕切弁体を撤去(除去)する場合がある。かかる場合、前記開孔は穿孔ないし切削して形成したものであるため、防錆処理ができていない。
【0003】
25mm以下の給水工事では、かかる開孔に銅製の中空ブッシュをかしめて挿入する防錆処理を行っている。しかし、かかる防錆処理ではブッシュを押し拡げてかしめる工程が必要になるので配水工事(φ50以上) のような口径の大きい場合には適用できない。また、前記開孔を閉封しないので、工法が複雑になる。
【0004】
したがって、本発明の目的は、配水工事(φ50以上) に適用し得ると共に、開孔を閉封し得る防錆処理具や方法を提供することである。
【0005】
【発明の概要】
前記目的を達成するために、本発明の防錆具は、既設管の周方向に概ね 180°ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたる円形ないし溝形の開孔を閉封する不断水工事用の防錆具である。該防錆具は前記開孔に対応する形状を持ち、かつ、前記既設管内の水の流れを止めることのない(弁体ではない)ものである。前記防錆具は、前記開孔の切削された面に略全周にわたって圧接するエラストマーからなる圧接部と、該圧接部に一体で前記開孔に作用する水圧に抗する剛性を持つ剛体部とを備えている。
なお、円形の開孔は周知のホールソーにより形成することができる。また、溝形の開孔はエンドミルやフライスにより形成することができる。
本発明において、「剛体部」は、一般に、ダクタイル鋳鉄、スチール、ステンレスなどの金属で形成される。
【0006】
かかる防錆具は、以下の仕切弁体と共に密閉ケースに収容して防錆具挿入装置を構成することができる。
ここに、前記仕切弁体は、前記開孔から前記既設管内に侵入することで、前記既設管内の水の流れを止める。一方、前記密閉ケースは、前記防錆具および前記仕切弁体を収容すると共に、前記既設管の周方向に複数個に分割されている。
【0007】
一方、本発明の不断水工法は、前記防錆具挿入装置等を用いて、以下に説明する囲繞工程、孔形成工程、止水工程、取出工程および閉封工程とを有する。
前記囲繞工程では、既設管の一部を、該既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースによって気密状態で囲繞する。
前記孔形成工程では、前記密閉ケース内において、既設管の周方向に概ね 180°ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって円形ないし溝形の開孔を形成する。
前記止水工程では、前記開孔から前記既設管内に仕切弁体を侵入させて、該仕切弁体により前記既設管内の水の流れを止める。
前記取出工程では、前記仕切弁体を前記開孔から取り出す。
前記閉封工程では、前記開孔の切削された(金属)面に略全周にわたって接触するエラストマーからなる圧接部と、該圧接部に一体で前記開孔に作用する水圧に抗する剛性を持つ剛体部とを備えた防錆具を前記開孔に嵌め込む。
【0008】
かかる不断水工法によって、本発明の配管構造が得られる。
すなわち、本発明の配管構造は、既設管の周方向に概ね 180°ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって切欠されて形成された開孔を側面に有する既設管と、前記開孔に対応する形状を持ち、かつ、前記既設管内の水の流れを止めることのない防錆具とを備えている。前記防錆具は、前記開孔の切削された面に略全周にわたって圧接するエラストマーからなる圧接部と、該圧接部に一体で前記開孔に作用する水圧に抗する剛性を持つ剛体部とを備えている。
なお、前記防錆具は密閉ケースで収容したまま密閉ケース内で固定しておいてもよいが、バンドで既設管に固定して前記密閉ケースを取り外してもよい。
【0009】
なお、本発明において、「エラストマー」としては、ゴムの他にゲル、未架橋の樹脂または樹脂スポンジなどを採用することができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、銅製のブッシュを押し拡げる必要がないから、口径の大きい配水工事にも適用することができる。また、防錆具には開孔を閉封する剛体部を備えているので、閉封後の板フランジの取付などが容易になる。
【0011】
【実施例の説明】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1ないし図7は第1実施例を示す。
防錆具挿入装置10
図1および図2に示すように、防錆具挿入装置10は、密閉ケース2、仕切弁体8A、弁棒8C、防錆具7および防錆具挿入用ボルト7Aを有している。前記密閉ケース2は、前記仕切弁体8Aおよび防錆具7を収容すると共に、周方向Rに2分割された第1および第2分割ケース21,22を備えている。弁蓋23は、第1および第2分割ケース21,22と共に前記密閉ケース2を構成する。前記弁棒8Cおよび防錆具挿入用ボルト7Aは前記仕切弁体8Aおよび防錆具7を既設管1の管径方向Cにスライドさせる。
前記第1分割ケース21と第2分割ケース22との間や、図2に示す密閉ケース2と既設管1との間は、ゴムパッキン14でシールされている。また、前記弁蓋23と第2分割ケース22との間はゴムリング15でシールされている。なお、前記密閉ケース2の両端部には、ゴムリング16(図5)が押し込まれるパッキン挿入部26が設けてある。
【0012】
前記第1分割ケース21には、既設管1の管径方向Cの外方に向って分岐状に突出して防錆具7を収容する防錆具収容部210が形成されている。前記防錆具収容部210には、図1に示すように、既設管1の管径方向Cの外方に向って分岐状に突出した、ボルト挿入部211と一対の固定ネジ挿入部213,213とが形成されている。前記ボルト挿入部211には、前記防錆具挿入用ボルト7Aが螺合している。また、前記ボルト挿入部211は外周面にキャップ65(図7)が螺合する雄ネジ部212を有している。前記固定ネジ挿入部213,213は、前記防錆具収容部210内の防錆具7の両端部に近接した位置において既設管1の概ね中心に向って形成されている。前記固定ネジ挿入部213,213には、固定ネジ61が螺合している。ボルト挿入部211と一対の固定ネジ挿入部213,213には、それぞれ、防錆具挿入用ボルト7Aおよび固定ネジ61がねじ込まれた際に、前記各挿入部211,213と、防錆具挿入用ボルト7Aおよび固定ネジ61との間をシールするゴムリング17が固着されている。
【0013】
前記第2分割ケース22には、既設管1の管径方向Cの外方に向って分岐状に突出する第1分岐状部221と第2分岐状部222とが形成されている。前記第2分岐状部222は、前記第1分岐状部221から分岐するように前記第1分岐状部221に対して斜めに形成されている。
【0014】
前記第1分岐状部221には、前記弁蓋23が組立ボルト62によって締結されている。前記第1分岐状部221および弁蓋23は、開弁時に仕切弁体8Aを収容する。
前記第2分岐状部222は、既設管1の中心に向って開口しており、該第2分岐状部222に装着されるミリング状の切削工具4が前記第1分岐状部221を貫通する。前記第2分岐状部222には、作業用仕切弁70を介して切削装置3のアタッチメント34が固定されている。前記第2分岐状部222と前記作業用仕切弁70との間や、前記作業用仕切弁70とアタッチメント34との間は、図示しないゴムリングによってシールされている。前記第2分岐状部222は、内側に図4のプラグ60をねじ込むための雌ネジ部22aを有している。
【0015】
仕切弁体8A
仕切弁体8Aは、弁棒8Cを正逆方向に回転させることにより、第2分割ケース22内において既設管1の管径方向Cにスライドする。仕切弁体8Aには、ゴムパッキン8dが装着されている。該ゴムパッキン8dは、仕切弁体8Aが開孔12Cから既設管1内に侵入すると、開孔12Cを閉塞すると共に、既設管1の内周面1bに圧接して、既設管1内の水の流れを止める。なお、弁棒8Cには周知のコマ140が螺合している。
【0016】
防錆具7
図1および図2に示すように、防錆具7は前記仕切弁体8Aとは既設管1の周方向Rに約180 °離れた位置に配設されている。防錆具7は、切削工具4により既設管1の周方向Rに形成される概ね180 °ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたる長円形の開孔12Cに対応する形状を有している。すなわち、前記防錆具7は、既設管1に沿う半円環状に湾曲した形状に形成されており、かつ、既設管1に押し込まれた後、既設管1内の水の流れを止めることのない形状を有している。前記防錆具7は、エラストマーからなる圧接部71と、芯材部(剛体部)72とを備えている。前記圧接部71は、開孔12Cの切削された面に略全周にわたって圧接する。前記芯材部72は、開孔12Cに作用する水圧に抗する剛性を持ち、圧接部71が一体に焼付けられている。また、前記芯材部72は、防錆具挿入用ボルト7Aの先端に一体に形成された押込部7Bが係合する係合部73を有している。さらに、図2に示すように、前記芯材部72は既設管1内への侵入部分以外の部分の幅が開孔12Cよりも若干大きく形成されてなる。
【0017】
切削装置3
図1において、第2分岐状部222には、作業用仕切弁70を介して切削装置3が取り付けられている。該切削装置3は、前記開孔12C(図2)を形成するためのもので、ミリング状の切削工具4を備えている。前記切削工具4は切削装置3のカッタ軸32の先端部に固定されている。前記カッタ軸32は、図示しないモータなどの原動機に連結されており、原動機の動力で回転される。したがって、切削工具4は、原動機の動力でカッタ軸32のまわりに回転する。
なお、本切削装置3は、切削工具4がエンドミル状である他は、周知の穿孔機と同様の構造のものを用いることができる。
【0018】
つぎに、工法について説明する。
囲繞工程
まず、図1の既設管1内に液体(水)が流れている状態で、密閉ケース2を既設管1の切削位置に取り付けると共に、図示しない組立ボルトにより、防錆具7を収容した第1分割ケース21と第2分割ケース22とを組み立てる。この後、切削装置3を第2分岐状部222に取り付ける。こうして、図1のように、密閉ケース2が既設管1の一部を気密状態で囲繞する。
【0019】
孔形成工程
前記組立工程の後、作業者は切削装置3を操作して、図示しない原動機を駆動させると、切削工具4がカッタ軸32と共に回転し、既設管1を切削する切削運動を開始する。該切削運動を行っている状態で、作業者が切削装置3を操作して、切削工具4を切込方向C1に向って送ると、やがて、図1の二点鎖線および図3(a)に示すように、切削工具4の先端面40が既設管1の管壁1aの一部を貫通する位置まで進む。こうして、切削工具4による切込みが完了する。
この切込後、前記切削運動を切削工具4が行っている状態で、図3(b)に示すように、作業者が密閉ケース2を既設管1の周方向Rに回転させる。すなわち、前記切削工具4は前記カッタ軸32のまわりを回転しながら密閉ケース2と共に前記周方向Rに回転する送り運動を行う。このように作業者は切削工具4が送り運動を行っている状態で、切削工具4を既設管1の周方向Rに概ね180 °ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって回転させる。その後、作業者は、切削工具4を元の位置まで退避させて、図3(c)に示すように、密閉ケース2を元の位置戻す。このようにして、既設管1を切片を生成することなく、既設管1に前記周方向Rに概ね180 °ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって切欠された長円形の開孔12Cを形成する。
【0020】
止水工程
前記孔形成工程の後、作業者は、図1の作業用仕切弁70の作業レバー700を操作して作業用仕切弁70を閉弁する。その後、作業者は切削装置3を取り外す。この取り外し後、作業者は、周知のプラグ挿入器(図示せず)を作業用仕切弁70に取り付けて、作業用仕切弁70を開弁する。この開弁後、作業者はプラグ挿入器(図示せず)を操作して、図4のプラグ60を第2分岐状部222の雌ネジ部22aにねじ込む。このねじ込み後、作業者は、作業用仕切弁70(図1)とプラグ挿入器を取り外す。その後、図4に示すように、作業者は、弁棒8Cを正方向に回転させることにより、仕切弁体8Aを開孔12Cから既設管1内に侵入させて、該仕切弁体8Aにより既設管1内の水の流れを止める。この既設管1の閉塞状態において、たとえば、既設管1の配管変更箇所を切断した後、メカ帽51(図7)を取り付けて、配管変更などの作業を行う。
【0021】
取出工程
前記配管変更などの作業を行った後、作業者は、弁棒8Cを逆方向に回転させて、図5(a)に示すように、仕切弁体8Aを開孔12Cから取り出す。
【0022】
閉封工程
前記取出工程の後、図5(b)に示すように、作業者は、密閉ケース2を既設管1の周方向Rに約180 °回転させて、防錆具7を開孔12Cの位置に対応させる。この後、作業者は、パッキン挿入部26(図2)にゴムリング16および割押輪50を取り付ける。その後、作業者は、図6の防錆具挿入用ボルト7Aをねじ込んで防錆具7を開孔12Cに嵌め込む。この嵌込後、防錆具7の芯材部72を既設管1の内に向って押し付ける固定ネジ61(図1)をねじ込む。その後、ボルト挿入部211の雌ネジ部212にキャップ65(図7)をねじ込む。
【0023】
前記閉封工程の後、作業者は、仕切弁体8Aを収容した弁蓋23を取外し、弁蓋23に代えて図7のフランジ蓋55を取り付ける。このようにして、図7に示す配管構造が得られる。
なお、この第1実施例では、密閉ケース2内に仕切弁体8Aおよび防錆具7の両方を収容しているので、施工性が良いという利点を有する。
また、こうして開孔12Cが閉封された状態で密閉ケース2が既設管1を囲繞しているので、以下に説明するように再びバルブとしての機能を発揮することができる。すなわち、前記フランジ蓋55を取り外した後に、再び仕切弁体8Aおよび弁蓋23を取り付け、前記開孔12Cを再び開いた後、前記仕切弁体8Aを開孔12Cの位置まで移動させることにより、再びバルブとしての機能を発揮することもできる。
【0024】
第2実施例
図8ないし図14は第2実施例を示す。
防錆具挿入装置100
図8ないし図10に示すように、防錆具挿入装置100は、密閉ケース2、仕切弁体8A、弁棒8C、防錆具7および防錆具挿入用ボルト7Aを有している。前記密閉ケース2は、前記仕切弁体8Aおよび防錆具7を収容すると共に、周方向Rに2分割された第1および第2分割ケース21,22を備えている。前記第2分割ケース22の第1分岐状部221は、防錆具収容部210を一体に形成しており、防錆具7と仕切弁体8Aとが既設管1の管軸方向Sに離れて設けられている。
なお、防錆具挿入装置100のその他の構成は、第1実施例と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0025】
つぎに、工法について説明する。
囲繞工程
まず、図8の既設管1内に液体(水)が流れている状態で、密閉ケース2を既設管1の切削位置に取り付けると共に、図示しない組立ボルトにより、第1分割ケース21と、防錆具7を収容した第2分割ケース22とを組み立てる。この後、切削装置3を第2分岐状部222に取り付ける。こうして、図8のように、密閉ケース2が既設管1の一部を気密状態で囲繞する。
【0026】
孔形成工程
前記組立工程の後、前記第1実施例の孔形成工程と同様にして、図11(a)に示すように、既設管1に前記周方向Rに概ね180 °ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって開孔12Cを形成する。
【0027】
止水工程
前記孔形成工程の後、前記第1実施例の止水工程と同様にして、図11(b)に示すように、仕切弁体8Aを開孔12Cから既設管1内に侵入させて、該仕切弁体8Aにより既設管1内の水の流れを止める。この既設管1の閉塞状態において、たとえば、既設管1の配管変更箇所を切断した後、図12(a)に示すように、メカ帽51を取り付けて、配管変更などの作業を行う。
【0028】
取出工程
前記配管変更などの作業を行った後、前記第1実施例の取出工程と同様にして、図12(b)に示すように、仕切弁体8Aを開孔12Cから取り出す。
【0029】
移動工程
前記取出工程の後、図13(a)に示すように、密閉ケース2を既設管1の管軸方向Sに移動させて、開孔12Cに対応する位置に防錆具7を移動させる。
【0030】
閉封工程
前記移動工程の後、図13(b)に示すように、防錆具挿入用ボルト7Aをねじ込んで防錆具7を開孔12Cに嵌め込む。この嵌込後、防錆具7の芯材部72を既設管1の内に向って押し付ける固定ネジ61をねじ込む。その後、ボルト挿入部211の雌ネジ部212にキャップ65をねじ込む。
【0031】
前記閉封工程の後、作業者は、仕切弁体8Aを収容した弁蓋23を取外し、弁蓋23に代えて図14のフランジ蓋55を取り付ける。このようにして、図14に示す配管構造が得られる。
なお、この第2実施例では、管下の掘削を浅くすることができる。
【0032】
参考例
図15ないし図19は本発明の理解に役立つ参考例を示す。
防錆具挿入装置200
図15に示すように、防錆具挿入装置200は、密閉ケース2、仕切弁体8A、弁棒8Cを有している。前記密閉ケース2は、周方向Rに2分割された第1および第2分割ケース21,22を備えている。弁蓋23は、第1および第2分割ケース21,22と共に前記密閉ケース2を構成する。
【0033】
前記第2分割ケース22には、既設管1の管径方向Cの外方に向って分岐状に突出する第1分岐状部221と第2分岐状部222とが形成されている。前記第2分岐状部222は、前記第1分岐状部221から分岐するように前記第1分岐状部221に対して斜めに形成されている。
【0034】
前記第1分岐状部221には、第1分岐状部221側から組立ボルト62によって前記弁蓋23が固定されている。前記第1分岐状部221のフランジ221aは、前記弁蓋23のフランジ23aよりも若干大きく形成されている。
なお、防錆具挿入装置200のその他の構成は、第1実施例と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0035】
つぎに、工法について説明する。
囲繞工程
まず、図15の既設管1内に液体(水)が流れている状態で、密閉ケース2を既設管1の切削位置に取り付けると共に、図示しない組立ボルトにより、第1分割ケース21と第2分割ケース22とを組み立てる。この後、切削装置3を第2分岐状部222に取り付ける。こうして、図15のように、密閉ケース2が既設管1の一部を気密状態で囲繞する。
【0036】
孔形成工程
前記組立工程の後、前記第1実施例の孔形成工程と同様にして、既設管1に前記周方向Rに概ね180 °ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって切欠して形成された開孔12Cを形成する。
【0037】
止水工程
前記孔形成工程の後、前記第1実施例の止水工程と同様にして、仕切弁体8Aを開孔12Cから既設管1内に侵入させて、該仕切弁体8Aにより既設管1内の水の流れを止める。この既設管1の閉塞状態において、たとえば、既設管1の配管変更箇所を切断した後、図16(a)に示すように、メカ帽51を取り付けて、配管変更などの作業を行う。
【0038】
仕切弁体取出工程
前記配管変更などの作業を行った後、作業者は仕切弁体8Aを密閉ケース2の弁蓋23内に取り出す。その後、図16(a)に示すように、作業者は第1分岐状部221のフランジ221aに作業用仕切弁75を接合し、さらに、該作業用仕切弁75に作業用上部タンク76を重ねて接合する。この接合時に、作業用上部タンク76を貫通する昇降シャフト77の先端部に弁蓋23を接合する。この接合後、作業者は、組立ボルト62を取り外す。該取外し後、作業者は、図16(b)に示すように、昇降シャフト77を引き上げて弁蓋23と共に仕切弁体8Aを密閉ケース2から作業用上部タンク76内に取り出す。この取出後、作業者は作業用仕切弁75を閉弁する。該閉弁後、作業者は作業用上部タンク76を作業用仕切弁75から切り離す。
【0039】
防錆具取付工程
前記仕切弁体の取出工程の後、作業者は、図17(a)に示すように、防錆具7およびフランジ蓋78を収容した作業用上部タンク76を作業用仕切弁75に接合する。前記作業用上部タンク76を貫通する昇降シャフト77の先端部には、アダプタ79を介して防錆具押込軸7A(図19)が連結されている。この接合後、作業者は、昇降シャフト77を降下させて、前記フランジ蓋78を組立ボルト62によって固定する。その後、作業者は、図18(a)に示すように、作業用上部タンク76および作業用仕切弁75を密閉ケース2から取り外す。
【0040】
閉封工程
前記防錆具取付工程の後、図18(b)に示すように、防錆具押込軸7Aをねじ込んで防錆具7を開孔12Cに嵌め込む。この嵌込後、防錆具7の芯材部72を既設管1の内に向って押し付ける固定ネジ61をねじ込む。その後、ボルト挿入部211の雌ネジ部212にキャップ65をねじ込む。
このようにして、図19に示す配管構造が得られる。
【0041】
なお、図20(a),(b)に示すように、圧接部71は開孔12Cの切削面に圧接すればよく、板状であってもよい。また、剛体部72は前記圧接部71の圧接状態を保持する剛性があればよい。
また、防錆具7は固定ネジ61で押し付けて固定する必要はなく、図20(c)のようにバンドで既設管1に固定するなど他の方法で既設管1に固定すればよい。
【0042】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、切削工具に切削運動を与える原動機としては、モータの他にエンジンなどを用いてもよい。また、密閉ケースで既設管を囲繞する前に前記密閉ケースに切削装置を取り付けてもよい。
また、密閉ケースは周方向に3つないし4つに分割してもよい。
また、周知のホールソーにより既設管に形成した円形の開孔を閉封する場合についても本発明を適用し得る。
したがって、そのような変更および修正は、本発明の範囲のものと解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第1実施例にかかる工法の組立工程を示す横断面図である。
【図2】 図2は同縦断面図である。
【図3】 図3(a),図3(b)および図3(c)は孔形成工程を示す概略横断面図である。
【図4】 図4は止水工程を示す横断面図である。
【図5】 図5(a)は取出工程を示す概略縦断面図である。図5(b)は閉塞工程の前の状態を示す概略縦断面図である。
【図6】 図6は閉塞工程を示す概略縦断面図である。
【図7】 図7は第1実施例にかかる配管構造を示す縦断面図である。
【図8】 図8は本発明の第2実施例にかかる工法の組立工程を示す縦断面図である。
【図9】 図9は同IX−IX線断面図である。
【図10】 図10は図8のX−X線断面図である。
【図11】 図11(a),図11(b)は止水工程を示す概略縦断面図である。
【図12】 図12(a)は止水工程を示す概略縦断面図である。図12(b)は取出工程を示す概略縦断面図である。
【図13】 図13(a)は移動工程を示す概略縦断面図である。図13(b)は閉塞工程を示す概略縦断面図である。
【図14】 図14は第2実施例にかかる配管構造を示す縦断面図である。
【図15】 図15は本発明の理解に役立つ参考例にかかる工法の組立工程を示す縦断面図である。
【図16】 図16(a),図16(b)は仕切弁体の取出工程を示す概略図である。
【図17】 図17(a),図17(b)は防錆具取付工程を示す概略縦断面図である。
【図18】 図18(a),図18(b)は閉塞工程を示す概略縦断面図である。
【図19】 図19は同参考例にかかる配管構造を示す横断面図である。
【図20】 図20は防錆具の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:既設管
12C:開孔
2:密閉ケース
61:固定ネジ
7:防錆具
71:圧接部
72:剛体部
8A:仕切弁体
R:周方向
S:管軸方向
Claims (3)
- 既設管の周方向に概ね 180°ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって切欠された円形ないし溝形の開孔を閉封する不断水工事用の防錆具を挿入する防錆具挿入装置であって、
該防錆具は前記開孔に対応する形状を持ち、かつ、前記既設管内の水の流れを止めることのないものであって、
前記開孔の切削された面に略全周にわたって圧接するエラストマーからなる圧接部と、該圧接部に一体で前記開孔に作用する水圧に抗する剛性を持つ剛体部とを備え、
前記防錆具挿入装置は、前記開孔から前記既設管内に侵入することで前記既設管内の水の流れを止める仕切弁体と、
前記防錆具および前記仕切弁体を収容すると共に、前記既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースとを更に備え、
前記防錆具と前記仕切弁体とが既設管の周方向に離れた位置に配設されている防錆具挿入装置。 - 既設管の周方向に概ね 180°ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって切欠された円形ないし溝形の開孔を閉封する不断水工事用の防錆具を挿入する防錆具挿入装置であって、
該防錆具は前記開孔に対応する形状を持ち、かつ、前記既設管内の水の流れを止めることのないものであって、
前記開孔の切削された面に略全周にわたって圧接するエラストマーからなる圧接部と、該圧接部に一体で前記開孔に作用する水圧に抗する剛性を持つ剛体部とを備え、
前記防錆具挿入装置は、前記開孔から前記既設管内に侵入することで前記既設管内の水の流れを止める仕切弁体と、
前記防錆具および前記仕切弁体を収容すると共に、前記既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースとを更に備え、
前記防錆具と前記仕切弁体とが既設管の管軸方向に離れて設けられている防錆具挿入装置。 - 既設管の一部を、該既設管の周方向に複数個に分割された密閉ケースによって気密状態で囲繞する囲繞工程と、
前記密閉ケース内において、既設管の周方向に概ね 180°ないし180 °よりも若干小さな角度の範囲にわたって円形ないし溝形の開孔を形成する孔形成工程と、
前記開孔から前記既設管内に仕切弁体を侵入させて、該仕切弁体により前記既設管内の水の流れを止める止水工程と、
前記仕切弁体を前記開孔から取り出す取出工程と、
前記開孔の切削された面に略全周にわたって接触するエラストマーからなる圧接部と、該圧接部に一体で前記開孔に作用する水圧に抗する剛性を持つ剛体部とを備えた防錆具を前記開孔に嵌め込む閉封工程と、
前記取出工程の後、前記閉封工程の前に、前記密閉ケースを移動させて、前記開孔に対応する位置に前記防錆具を移動させる移動工程とを備えた不断水工法。
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