JP4400331B2 - ウエーハの形状評価方法及び管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウエーハに代表されるようなウエーハの形状を評価するための形状評価方法に関するものである。
従来、半導体基板として用いられるシリコンウエーハは、一般的に、チョクラルスキー(Czochralski;CZ)法や浮遊帯域溶融(Floating Zone;FZ)法等により円筒状の半導体単結晶インゴットを育成し、育成した半導体単結晶インゴットを薄板状に切断(スライシング)してウエーハを作製した後、得られたウエーハに、ウエーハの割れ・欠けを防止するためにウエーハ外周部を面取りする面取り工程、ウエーハの厚さ及び平坦度を整えるために行うラッピング工程、ウエーハの加工歪みを除去するためにウエーハをエッチングするエッチング工程、エッチング処理されたウエーハの表面粗さ及び平坦度を一層向上させて鏡面とする研磨工程、ウエーハに付着した研磨剤や異物を除去する洗浄工程等が行われて製造される。この半導体ウエーハの製造工程は、主な工程を示したもので、他に熱処理工程等の工程を加えたり、工程順を入れ換えたりすることができる。
近年、半導体デバイス技術の飛躍的な進歩による半導体デバイスの高集積化が著しく、それに伴い半導体デバイス用基板となる半導体ウエーハに対する品質要求もより厳しくなってきている。例えば、半導体デバイスの製造において、上記のように製造された半導体ウエーハに光源として紫外線であるKrFエキシマレーザ光(波長=0.248μm)等を用いてレジストパターンを形成する工程は、通常20回〜30回程度行われており、DRAM(dynamic random access memory)を例に挙げると、現在量産が行われている256MビットDRAMでは、0.13μmのレジストパターンが描かれている。このような近年の半導体集積回路の高集積化・高性能化に伴うデバイスパターンの一層の微細化が進むにつれて、レジストパターンの寸法精度及び重ね合わせ精度の更なる向上が望まれており、回路パターンが形成される半導体ウエーハに対する品質要求もより厳しくなってきている。
例えば、上記のようにデバイスパターンの微細化が進むにつれ、半導体ウエーハに極小さなうねり等が存在する場合であっても、フォトリソグラフィ工程等においてデバイスパターンに誤差が生じてしまい、半導体デバイスの歩留りの低下を招くという問題が生じた。また一方で、半導体ウエーハの有効利用による製造コストの低下を図るため、ウエーハ上の広範囲にデバイスが形成できるようにウエーハ主表面の最外周付近(面取り部ぎりぎり)まで平坦な半導体ウエーハを製造することが望まれている。
このような半導体デバイス用基板となる半導体ウエーハに要求される重要な特性の一つとして、半導体ウエーハの形状品質がある。半導体ウエーハの形状品質としては、一般に、直径、厚さ、平行度、平坦度、そり、及びバウ、ワープ等といわれる比較的長周期な凹凸や数mm周期の凹凸であるうねり、表面粗度といった様々なパラメータがある。最近では、このような形状品質に関するパラメータの中で、平坦度の指標として裏面基準又は表面基準のグローバルフラットネス、またはサイトフラットネスと言われる品質が重要視されるケースが多くなっている。
特に平坦度の指標として、裏面基準のグローバルフラットネスは、GBIR(Global Back Ideal Range)と言われ、ウエーハ面内に1つの基準面を持ち、この基準面に対する最大、最小の位置変位の幅と定義されるのが普通で、従来からの慣例の仕様であるTTV(全厚さ偏差)に相当する。
また、裏面基準のサイトフラットネスは、SBIR(Site Back Ideal Range)と言われ、過去においてかなり頻繁に使用されたLTVに相当するものである。このSBIRは、ウエーハ裏面を基準面とし、更に各サイトにおいて、サイト中心点を含む平面を焦点平面とした時、サイト内の焦点平面から+側、−側の各々最大変位量の絶対値の和によって各サイト毎に評価される。通常、8インチウエーハ(直径200mm)等ではサイトの大きさが20mm×20mm程度の領域で評価される。ただし、このサイトの大ききは、ウエーハの直径又は仕様により変化させることができる。
その他にも表面基準のサイトフラットネスは、SFQR(Site Front Least Squares Range)と言われ、設定されたサイト内でデータを最小二乗法にて算出したサイト内平面を基準平面とし、この平面からの+側、−側の各々の最大変位量の絶対値の和によって各サイト毎に評価される。
また、特許文献1では、半導体ウエーハの垂直方向の変位を測定して2回微分を行い、得られた2回微分値の標準偏差を平滑度として算出することによって、半導体ウエーハの表面形状品質を評価する方法が開示されている。このような評価方法を利用することにより、半導体ウエーハの形状品質をより詳細に評価することが可能となる。
しかしながら、上記に示したような指標を用いて半導体ウエーハの形状品質を評価する場合、デバイス製造工程におけるデザインルールが0.18μmまでであれば、その規格を満足することで十分な形状品質を有する半導体ウエーハとすることができたが、近年の半導体デバイスの高集積化により、デザインルールが0.13μmや更に0.09μmとその仕様が厳しくなるにつれ、上記のような指標を満足した半導体ウエーハであっても、実際にデバイスを形成した際に歩留まりが低下する等の問題が生じることがあった。
例えば、デバイス製造工程では露光機などの多くの処理装置が用いられているが、デバイスの形成を行うウエーハを各処理装置に保持して処理する際にデフォーカス不良が生じることがあった。デバイス製造工程でこのようなデフォーカス不良が生じると、デバイスの形成を高精度に行うことができないため、歩留まりを低下させる原因の一つとされていた。したがって、デバイス製造工程では、一般に露光機等の各処理装置に設置されているウエーハ保持用のチャックとウエーハの形状との相性やマッチング等が重要とされていた。
また近年、各処理装置に設置されているチャックには、たいへん高平坦度のものが開発されている。そのため、高平坦度のチャックを用いてウエーハを吸着する際には、上記のようなデフォーカス不良の発生等を防止するために、ウエーハの厚さばらつきを均一化したり、平坦度を向上させたりすることが求められている。
しかしながら、例えば半導体ウエーハが、如何に厚さばらつきを均一化したものであっても、また上記のようなSFQR等の指標で評価した際に厚さ均一性や平坦度に優れているものであっても、実際に露光機等の高平坦度のチャックに吸着してみると、ウエーハ周辺部等でデフォーカス不良が発生して、デバイス製造工程で歩留まりを低下させることがあった。また、このようにウエーハの厚さ均一性が優れているにも関わらずデフォーカス不良が発生する原因を調べるため、従来用いられている種々の評価方法でウエーハの形状評価を行っても、その原因を検出・特定することはできなかった。
そのため、従来用いられている上記SFQR等の指標以外のパラメータでウエーハの形状を評価して、厳しいデザインルールでの仕様でもデフォーカス不良等の問題を引き起こさないウエーハを正確に判定したり、またデフォーカス不良等が生じた際にその原因を特定できるような評価方法の確立が望まれていた。
特開平11−287630号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、従来では確認できなかったウエーハの形状品質についての有効な情報をSFQR等とは異なる観点から定量的に求めて、ウエーハの形状を一定の基準で的確に評価することのできるウエーハの形状評価方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、ウエーハの形状を評価する方法であって、前記ウエーハの表面及び/または裏面をウエーハ径方向に沿って走査してウエーハの面形状を測定し、該測定した面形状データの所定領域から基準線を算出し、該算出した基準線と前記面形状データとの厚さ方向における差を表すローカルスロープを求めることによって、前記ウエーハの表面形状及び/または裏面形状を評価することを特徴とするウエーハの形状評価方法が提供される。
このように、ウエーハの表面及び/または裏面の面形状をウエーハ径方向に沿って測定し、測定した面形状データから基準線を算出し、その基準線と面形状データの厚さ方向における差を表すローカルスロープを求めてウエーハ形状を評価することにより、従来用いられているSFQR等の指標とは異なる観点からウエーハの形状品質についての有効な情報を定量的に求めて、ウエーハ形状を一定の基準で的確に評価することができる。したがって、本発明によれば、例えば前述のようなデフォーカス不良等の問題が生じるウエーハを正確に判定したり、またデフォーカス不良等の原因を正確に特定したりすることが可能となる。さらに、ウエーハの表面及び裏面の形状を別々に評価できるため、ウエーハ形状の評価をより正確に行うことができる。
このとき、前記ウエーハの形状評価を、前記ウエーハの外周部で行うことが好ましく、特に前記ウエーハの形状評価を、前記ウエーハの外周端から10mmの位置より外側の領域で行うことが好ましい。
高平坦度のチャックにウエーハを保持した際に発生するデフォーカス不良等は主にウエーハの外周部で生じるため、ウエーハの外周部における形状を評価することが重要である。そのため、このようにウエーハの形状評価をウエーハの外周部、特にウエーハの外周端から10mmの位置より外側の領域で行えば、ウエーハ形状を的確にかつ効率的に評価することができ、それによって、例えばデフォーカス不良が生じるウエーハの判定やその原因の特定等を非常に高精度に行うことが可能となる。
また、前記ウエーハの面形状の測定を、ウエーハが非吸着の状態で行うことが好ましい。
本発明では、ウエーハの面形状の測定をウエーハが非吸着の状態で行うことができ、それにより、ウエーハ表面及び/または裏面で求めたローカルスロープからウエーハの形状の変位を確認することができ、デバイス製造工程で問題となるようなウエーハの形状を正確に評価することができる。
さらに、前記ウエーハの面形状の測定を、ウエーハの表面及び/または裏面を1mm間隔以下で走査することによって行うことが好ましい。
ウエーハの表面及び/または裏面を走査する間隔は細かければ細かいほど精度の優れた評価を行うことができるため好ましく、このようにウエーハの表面及び/または裏面を1mm間隔以下で走査することによって、十分に優れた測定精度でウエーハ形状の評価を行うことができる。
また本発明では、前記基準線の算出を、最小自乗法、単純平均、移動平均の何れかの方法を用いて行うことができる。
このように、基準線は、最小自乗法、単純平均、移動平均の何れかの方法を用いることにより面形状データの所定領域から容易に算出することができ、そして、このように算出した基準線を用いてローカルスロープを求めれば、ウエーハの形状評価を高精度に行うことができる。
さらに、前記基準線の算出を行う面形状データの領域を、前記ウエーハの外周端より10mm〜5mmの範囲内の領域とすることが好ましい。
このように基準線の算出を行う面形状データの領域をウエーハの外周端より10mm〜5mmの範囲内の領域とすることにより、ウエーハ外周部、特にウエーハの外周端から10mmの位置より外側の領域でローカルスロープを精度良く求めることができる。さらに、このような領域で基準線の算出を行えば、例えばウエーハをチャックに吸着した際に吸着によってウエーハ形状が矯正される成分の影響を除去した状態と仮定してローカルスロープを求めることができるので、より正確な形状評価を行うことが可能となる。
さらに、本発明のウエーハの形状評価方法によれば、前記ウエーハの面形状を測定した後に、該測定した面形状データに長波長成分及び/または測定ノイズの除去を行うことが好ましく、このとき、前記長波長成分の除去を、最小自乗法近似またはハイパスフィルターを施すことによって行うことができ、また前記測定ノイズの除去を、移動平均またはローパスフィルターを施すことによって行うことができる。
このように、本発明では、ウエーハの面形状を測定した後に長波長成分及び/または測定ノイズの除去を行うことにより、例えば評価対象となるウエーハに長周期のうねり等が存在していても、ウエーハ形状の評価を正確に行うことができる。このとき、長波長成分の除去は、最小自乗法近似またはハイパスフィルターを施すことにより、また測定ノイズの除去は、移動平均またはローパスフィルターを施すことにより、容易に行うことができる。
この場合、前記ウエーハの形状評価をウエーハ全周に渡って行うことが好ましい。
このようにウエーハの形状評価をウエーハ全周に渡って行うことにより、ウエーハ全周の形状を一定の基準で的確に評価することができ、ウエーハの形状をより詳細に把握することが可能となる。
また、前記ウエーハの面形状を測定する際に、レーザー発振器及び自動焦点機構を具備する変位計、または静電容量式の変位計を用いて、前記ウエーハの表面及び/または裏面を非接触で走査することにより、ウエーハ面形状の測定を行うことが好ましい。
本発明においてウエーハの面形状を測定する際に、このようにレーザー発振器及び自動焦点機構を具備する変位計、または静電容量式の変位計を用いてウエーハ面形状を測定することにより。ウエーハの表面及び/または裏面の面形状を非常に高精度にかつ迅速に測定することができる。さらに、変位計をウエーハに接触させずにウエーハの面形状を測定できるので、評価対象のウエーハに傷や汚染等を生じさせずにウエーハ面形状の測定を容易にかつ安定して行うことができる。
そして、本発明によれば、上記本発明のウエーハの形状評価方法によって得られたウエーハ形状の評価結果に基づいて、ウエーハの品質管理及び/またはウエーハを製造する工程の工程管理を行う管理方法を提供することができる。
このように、本発明のウエーハの形状評価方法により得られた評価結果に基づいて、例えば所定の規格を満足するウエーハを選別したり、またウエーハが所望の形状となるようにプラズマエッチング等による局所的な加工を施してウエーハの品質を管理すれば、デバイス製造工程のような次工程での歩留まりの向上を図ることができる。また、本発明の形状評価方法による評価結果を蓄積していけば、ウエーハ製造工程の能力等を把握したり、また製造工程の異常を容易に見つけることができるので、ウエーハ製造工程の管理を精密に行うことが可能となり、ウエーハの製造を非常に安定して行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、従来用いられているSFQR等の指標とは異なる観点からウエーハの形状品質についての有効な情報を定量的に求めて、ウエーハ形状を一定の基準で的確に評価することができる。したがって、例えばデフォーカス不良等の問題が生じるウエーハを正確に判定したり、またデフォーカス不良等の原因を正確に特定したりすることが可能となる。さらに、本発明の形状評価方法によって得られたウエーハ形状の評価結果に基づいてウエーハの品質管理やウエーハ製造の工程管理を行うことによって、その後行われる工程において歩留まりの向上を図ったり、ウエーハの製造を非常に安定して行うことができるようになる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者等は、厚さ均一性や平坦度に優れているウエーハを高平坦度のウエーハ保持用のチャックに吸着した際に発生するデフォーカス不良の原因について調査を重ねた結果、デフォーカス不良が発生する原因は、ウエーハ周辺部に存在するバウやワープよりも短い空間波長を有するウエーハの反り成分にあることを発見した。本発明では、このバウやワープよりも短い空間波長を有するウエーハの反り成分をローカルスロープとする。
通常、ウエーハの厚さが均一であれば、ウエーハの裏面を高平坦度のチャックに吸着した際にウエーハの形状が矯正されるため、デフォーカス不良の発生を抑制することができる。しかしながら、例えばウエーハの周辺部にローカルスロープが存在していると、ウエーハの厚さが均一であってもウエーハ周辺部をチャックに吸着できないため、ウエーハ形状を矯正することができず、その結果、デフォーカス不良が生じることが明らかとなった。
しかしながら、このようなウエーハの周辺部に存在するローカルスロープは、ウエーハの平坦度を評価する従来のGBIRやSBIR等の指標では定量的に評価することができないので、デフォーカス不良等が生じるウエーハの判別やその原因の特定を行うためには、ウエーハに存在するローカルスロープの位置や大きさを定量的に求めることのできる新たな形状評価方法の開発が必要であることがわかった。
そこで、本発明者等は、このようなローカルスロープを定量的に把握することのできるウエーハの形状評価方法について鋭意研究及び検討を重ねた結果、ウエーハの表面及び/または裏面をウエーハ径方向に沿って走査してウエーハの面形状を測定し、その測定した面形状データの所定領域から基準線を算出すれば、ウエーハに存在するローカルスロープをこの基準線と面形状データとの厚さ方向における差として定量的に求めることができ、それによってウエーハの形状を一定の基準で的確に評価することができることを見出して、本発明を完成させた。
以下、本発明のウエーハの形状評価方法について説明する。
先ず、本発明のウエーハの形状評価方法を行うための形状評価装置について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。図5はウエーハの形状評価装置の一例についてその要部構成を示す概略説明図であり、また、図7はウエーハの形状評価装置の別の例を示す概略説明図である。
本発明のウエーハの形状評価方法に用いる形状評価装置としては、例えば図5に示した形状評価装置11を用いることができる。この形状評価装置11は、ウエーハ6の面形状を測定し、この測定した面形状データの所定領域から基準線を算出してローカルスロープを求めることのできる装置であり、例えば、ウエーハ6の面形状を測定する面形状測定手段1と、その測定した面形状データを保存する記憶手段2と、保存した面形状データを用いて基準線の算出やローカルスロープの算出等を行う演算処理手段3とを有するものである。
この形状評価装置11において、面形状測定手段1は、ウエーハ6の面形状を精度良く測定することができるものであれば良く、例えば図5に示したような、被測定対象物を載せる試料台7上にウエーハ6を非吸着で載置し、変位計8によってウエーハの表面又は裏面の垂直な方向の変位(面形状)を測定するものを用いることができる。このような面形状測定手段1を使用することにより、例えば図6に示すように、変位計8をウエーハ6の表面または裏面の径方向に沿って走査させて、ウエーハの表面または裏面の面形状データを高精度に求めることができる。
また、面形状測定手段のさらに別の形態としては、例えば図7に示した形状評価装置12のように、ウエーハ支持具9によりウエーハ6の一部を保持し、ウエーハの上下から表裏2本の変位計10によってウエーハの表面及び裏面のそれぞれの面形状を測定する面形状測定手段4を用いることができる。このような面形状測定手段4を用いることにより、例えば図8に示すように、表裏2本の変位計10をそれぞれウエーハ6の表面及び裏面の径方向に沿って走査させて、ウエーハの表面及び裏面の面形状データを高精度に求めることができる。尚、このような面形状測定手段4では、ウエーハ支持具9で例えばウエーハ主面の一部やウエーハ外周部等を保持することにより、面形状の測定を妨げない位置でウエーハを保持することができ、またウエーハの面形状の測定をウエーハを非吸着の状態にして行うことができる。
このとき、変位計8または変位計10として、例えばレーザー発振器、及びCCD(Charge Coupled Device)カメラや自動焦点回路等からなる自動焦点機構を備えており、ウエーハと非接触の状態でウエーハの面形状を測定できるものを用いることが好ましい。このようなレーザー発振器及び自動焦点機構を具備する変位計であれば、例えば、ウエーハ6の表面及び/または裏面に対して垂直に所定の間隔でレーザー光(例えば、HeNeレーザー等)を照射させ、自動焦点機構によって照射されたレーザー光のウエーハからの反射像の焦点を自動的に合わせて予め校正された基準点からの距離のずれを測ることができるため、ウエーハの表面及び/または裏面の面形状を迅速かつ高精度に測定することができる。また、このような変位計は、ウエーハと接触せずにウエーハの面形状を測定できるので、評価対象のウエーハに傷や汚染等を生じさせずに面形状の測定を容易にかつ安定して行うことができる。
さらに、ウエーハの面形状を測定する面形状測定手段のさらに別の形態としては、例えば、静電容量式の変位計(厚さ計)センサーである静電容量式のフラットネス測定器等を用いることもできる。このような静電容量式の変位計を用いることによっても、前記と同様に、ウエーハの表面及び/または裏面の面形状を非接触で迅速かつ高精度に安定して測定することができる。このような静電容量式のフラットネス測定器としては、市販の非接触ウエーハ厚み、平坦度、BOW/WARP測定装置、例えばADE社製ウルトラゲージ9900等を使用することができる。
また、上記の形状評価装置11(または形状評価装置12)において、記憶手段2及び演算処理手段3は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータ5に組み込むことができる。このコンピュータ5は、例えば変位計8から出力されたウエーハの面形状データを入力して記憶手段2に保存し、RAMを作業領域として、ROMに内蔵された所定の解析プログラム、すなわち演算処理手段3を読み出して、CPUにて先に保存した面形状データから基準線を算出したり、また基準線と面形状データの厚さ方向における差からローカルスロープを求めたりすることができる。
次に、本発明のウエーハの形状評価方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、本発明の形状評価方法の一例を示すフロー図を示す。
本発明の形状評価方法では、先ずウエーハの表面及び/または裏面の面形状を測定する(図1の工程A)。例えば図5に示した形状評価装置11の面形状測定手段1を用いて、試料台7にウエーハ6を非吸着の状態で載置し、変位計8をウエーハの径方向に沿って走査させてウエーハ6の表面(または裏面)の面形状を測定し、測定したウエーハの面形状データを順次記憶手段2に保存する。
また、例えばウエーハの面形状を測定する際に図7に示した面形状測定手段4を用いれば、非吸着の状態で保持されているウエーハの表面及び裏面の面形状を2つの変位計10で測定することができ、ウエーハの表面及び裏面のそれぞれの面形状データを得ることができる。
このとき、ウエーハの面形状の測定は、ウエーハの表面及び/または裏面を変位計で細かい測定間隔で走査することによって、ウエーハの面形状を高精度に測定することができ、それにより、ウエーハの形状評価を優れた精度で行うことができる。例えば、ウエーハを走査する間隔を1mm以下、特に0.05mm程度とすることにより、ウエーハの面形状を優れた測定精度で測定することができる。
このように図5に示した面形状測定手段1を用いてウエーハの面形状を測定することによって、例えば図2に示すようなウエーハ表面の面形状データを得ることができる。この図2に示した面形状データは、直径300mmのウエーハを非吸着状態で載置し、ウエーハ中心を基準にして径方向に−150mmから150mmの範囲を0.05mm間隔で変位計を走査させて測定したものである。この図2の面形状データでは、長周期のうねりや測定ノイズが観察される。
尚、本発明において、面形状データの符号(プラス・マイナス)は、測定するウエーハの主表面を表面または裏面のどちらにするかによってプラスまたはマイナスに変化するため、測定したウエーハの面形状データをどちらの符号で表すかは任意であり、ウエーハ形状を評価する際にウエーハの形状が変化している方向を間違えることなく評価することができれば良い。
また、本発明では、ウエーハの形状を評価する際に、ウエーハの外周端から0.5mm〜2mm程度の領域を除外して行われることが好ましい。一般に、半導体ウエーハの外周部にはウエーハのカケ等を防止するため面取り加工が施されるため、図9に示すように、ウエーハの外周端には面取り部が形成されている。この面取り部の幅はウエーハの製造方法によって異なるが、通常およそ300〜500μm程度である。従来、ウエーハの形状を測定する場合には、ウエーハの面取り部の形状を測定対象外とするために、ウエーハの面取り部を除外した領域、例えばウエーハ外周端から3mm、または2mm程度除外した領域で測定が行われることが多い。しかし、近年、ウエーハ主表面と面取り部の境界近傍まで評価を行うことが望まれている。したがって、現状では、面取り部を含むウエーハの外周端から0.5mm〜2mm程度の領域(測定除外領域)を除外してウエーハ形状の評価行うことが好ましく、それによって、ウエーハの形状を広い範囲で評価することができる。
次に、面形状測定手段で測定して記憶手段に保存したウエーハの面形状データに、演算処理手段3により長波長成分及び/または測定ノイズの除去を行うことによって、例えば図3に示したようなデータを得ることができる(図1の工程B)。この図3に示したデータは、長波長成分の除去及び測定ノイズの除去を行った後の、ウエーハ外周端から2mmまでの領域を測定除外領域として、ウエーハ中心より120〜148mmの範囲におけるウエーハ表面の面形状データを示したものである。
本発明では、このような長波長成分の除去や測定ノイズの除去は必ずしも行われる必要はないが、このように長波長成分や測定ノイズの除去を行うことによって、ウエーハに存在する局所的な変化を正確に測定することが可能となり、ウエーハ形状の評価をより高精度に行うことができる。
このとき、面形状データに長波長成分の除去や測定ノイズの除去を行う方法は特に限定されず、例えば、長波長成分の除去は最小自乗法近似やハイパスフィルター等を施すことによって容易に行うことができ、また測定ノイズの除去は1〜2mm程度の移動平均の操作やローパスフィルター等を施すことによって容易に行うことができる。
このようにして面形状データに長波長成分の除去及び測定ノイズの除去を行った後、演算処理手段3を用いて得られた面形状データの所定領域から基準線を算出する(図1の工程C)。基準線の算出は、例えば最小自乗法、単純平均、移動平均等の方法を用いることによって、面形状データの所定領域から容易に算出することができる。
このとき、基準線の算出を行う面形状データの領域は、ウエーハの外周端より10mm〜5mmの範囲内の領域とすることが好ましく、例えばウエーハ外周端より10〜5mmの領域、10〜7mmの領域、または7〜5mmの領域等における面形状データから基準線を算出すれば良い。このような領域の面形状データから基準線を算出することによって、ウエーハ外周部、特にウエーハの外周端から10mmより外側の領域に存在するローカルスロープを精度良く求めることができる。さらに、このようにして基準線を算出することにより、例えばウエーハをチャックに吸着した際に吸着によってウエーハ形状が矯正される成分の影響を除去した状態と仮定してローカルスロープを求めることができるので、より正確な形状評価を行うことが可能となる。
そして、このようにして算出した基準線と面形状測定手段で測定した面形状データとの厚さ方向における差を演算処理手段3を用いて求めることによって、例えば図4に示すように、ウエーハ外周部でバウやワープよりも短い空間波長を有するローカルスロープを測定することができる(図1の工程D)。
このようにしてウエーハのローカルスロープを測定することにより、従来用いられているGBIRやSFQR等の指標とは異なる観点からウエーハ形状、特にウエーハ外周端から10mmより外側の領域のようなウエーハ外周部におけるウエーハ形状についての有効な情報を定量的に求めることができ、従来では確認できなかったウエーハの形状品質を一定の基準で的確に評価することができる。尚、上記では、主にウエーハの表面の形状を評価する場合を例に挙げて説明を行っているが、本発明の形状評価方法は、ウエーハの表面だけでなく、ウエーハの裏面やウエーハの表裏両面の形状についても的確に評価することができる。
さらに、本発明のウエーハの形状評価方法では、このようなウエーハの径方向における形状の評価をウエーハ全周に渡って放射状に行うことができる。それによって、ウエーハ全周の形状を一定の基準で的確に評価することができるようになり、ウエーハの形状をより詳細に把握することが可能となる。例えば、ウエーハ径方向の形状評価を、ウエーハ中心角が1°以下の間隔でウエーハ面内を360〜400回程度行うことによって、ウエーハ全周の形状をマップ図的に非常に高精度に評価することができ、例えばウエーハ面内の異常値や変曲点の位置及び大きさを正確に把握することができる。
そして、上記のように本発明の形状評価方法でウエーハの形状、特にウエーハの外周部形状を評価すれば、例えば、デバイス製造工程で問題となるようなウエーハ形状を高精度に検出することが可能となる。そのため、従来では困難であったデバイス製造工程でデフォーカス不良等が生じるウエーハの判定や、デフォーカス不良等が生じる原因の特定等を正確に行うことができるようになり、その結果、デバイス製造工程における歩留まりの向上を図ることができる。
尚、本発明の形状評価方法では、評価対象となるウエーハは主に半導体ウエーハ等であるが、その他にも例えば石英基板等の形状も評価することができる。また、本発明では、上記で求めたローカルスロープを、種々の実験データの解析用パラメータとして活用することができるし、さらに上記のローカルスロープの他に、従来用いられているようなSFQR等の平坦度、表面粗さといった他の評価パラメータと組み合わせることにより、より詳細にウエーハの形状を評価することができる。
さらに、本発明によれば、上記本発明のウエーハの形状評価方法によって得られたウエーハ形状の評価結果に基づいて、ウエーハの品質管理及び/またはウエーハを製造する工程の工程管理を行う管理方法を提供することができる。
このように、本発明の形状評価方法で得られた評価結果に基づいて、例えば所定の規格を満足するウエーハを選別したり、またウエーハが所望の形状となるようにプラズマエッチング等による局所的な加工を施したりしてウエーハの品質を管理すれば、デバイス製造工程のような次工程における歩留まりを大幅に向上させることができる。特に、デバイス製造工程に適した形状のウエーハを選別し、そのウエーハのみをデバイス製造工程に供給すれば、非常に安定したデバイス形成を行うことができるようになる。
さらに、本発明の形状評価方法で得られた評価結果を蓄積していけば、ウエーハ製造工程の能力等を把握することができ、また評価結果を比較することでウエーハ製造工程における異常を容易に見つけることもできる。したがって、ウエーハ製造工程の管理を精密に行うことが可能となり、安定したウエーハの製造を行うことができるようになる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、CZ法により直径300mmのシリコン単結晶を引き上げ、得られた単結晶をスライスし、面取り、ラッピング、研磨を施してシリコンウエーハを作製した。次に、図5に示すような形状評価装置11を用いて、作製した直径300mmのシリコンウエーハを試料台7に非吸着で載置し、変位計8でウエーハ表面を径方向に走査して、得られたウエーハ表面の面形状データをコンピュータ5の記憶手段2に保存した。
続いて、記憶手段2に保存した面形状データに、演算処理手段3を用いて、2mmの移動平均を施して測定ノイズを除去し、また最小自乗法近似を施して長波長成分を除去した後、シリコンウエーハの外周端より10mm〜5mmの領域から最小自乗法を用いて基準線を算出した。その結果を図3に示す。
その後、シリコンウエーハの外周端から10mmの位置より外側の領域において基準線と面形状データとの差を求めることによって、ウエーハ外周部のローカルスロープを測定した。その結果を図4に示す。
図4に示したように、実施例1で作製したシリコンウエーハには、ウエーハの外周端から7mmの付近に変曲点が観察され、その地点から徐々にローカルスロープが大きくなっていることが確認された。
(実施例2及び比較例)
次に、CZ法により直径200mmのシリコン単結晶を引き上げ、上記実施例1と同様の処理を施してシリコンウエーハを作製した。次に、図7に示すような形状評価装置12を用いて、作製した直径200mmのシリコンウエーハをウエーハ支持具9に保持し、変位計10でウエーハの表面及び裏面を径方向に走査して、得られたウエーハ表面及び裏面の面形状データをコンピュータ5の記憶手段2に保存した。
続いて、実施例1と同様に、演算処理手段3を用いて、ウエーハ表面及び裏面の面形状データに2mmの移動平均を施して測定ノイズを除去し、また最小自乗法近似を施して長波長成分を除去した後、シリコンウエーハの外周端より10mm〜5mmの領域から最小自乗法を用いて基準線を算出した。
その後、シリコンウエーハの外周端から10mmの位置より外側の領域で、基準線と面形状データとの差を求めることによって、ウエーハの表面及び裏面における外周部のローカルスロープを測定した。そして、以上のようなローカルスロープの測定をウエーハ面内の8方向について行い、ウエーハ外周部の形状を評価した(実施例2)。その結果を図10に示す。
次に、このローカルスロープの測定を行ったシリコンウエーハについて、従来用いられているSFQRによりウエーハ面内の8方向における厚さ均一性を求めて、ウエーハ外周部の形状を評価した(比較例)。その結果を図11に示す。
図10に示したように、本発明の形状評価方法によってウエーハの形状を評価した結果、ウエーハの(c)及び(d)方向では外周部でローカルスロープが大きくなっており、ウエーハの形状に異常があることが確認できた。したがって、このシリコンウエーハは、デバイス製造工程で不良となる可能性が大きいものであることがわかった。
一方、SFQRによってウエーハの厚さ均一性を評価した場合は、図11に示したように、ウエーハの形状に異常は観察されなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係るウエーハの形状評価方法の一例を示したフロー図である。 ウエーハ表面の面形状データを示したグラフである。 長波長成分の除去及び測定ノイズの除去を行った後の面形状データを示したグラフである。 本発明で測定したウエーハのローカルスロープを示したグラフである。 本発明のウエーハの形状評価方法で使用する形状評価装置の一例を示す概略説明図である。 図5の形状評価装置の変位計によるウエーハの面形状データの測定について説明した説明図である。 本発明のウエーハの形状評価方法で使用する形状評価装置の別の例を示す概略説明図である。 図7の形状評価装置の変位計によるウエーハの面形状データの測定について説明した説明図である。 ウエーハの外周部の形状を概略的に表した概略説明図である。 実施例2で本発明の形状評価方法によりウエーハ外周部の形状を評価した結果を示す結果図である。 比較例でSFQRによりウエーハ外周部の形状を評価した結果を示す結果図である。
符号の説明
1…面形状測定手段、 2…記憶手段、 3…演算処理手段、
4…面形状測定手段、 5…コンピュータ、 6…ウエーハ、
7…試料台、 8…変位計、 9…ウエーハ支持具、
10…変位計、 11、12…形状評価装置。

Claims (10)

  1. ウエーハの形状を評価する方法であって、前記ウエーハの表面及び/または裏面をウエーハ径方向に沿って走査してウエーハの面形状を測定し、該測定した面形状データの前記ウエーハの外周端より10mm〜5mmの範囲内の領域から基準線を算出し、該算出した基準線と前記面形状データとの厚さ方向における差を表すローカルスロープを求めることによって、前記ウエーハの表面形状及び/または裏面形状を、前記ウエーハの外周端から10mmの位置より外側の領域で評価することを特徴とするウエーハの形状評価方法。
  2. 前記ウエーハの面形状の測定を、ウエーハが非吸着の状態で行うことを特徴とする請求項に記載のウエーハの形状評価方法。
  3. 前記ウエーハの面形状の測定を、ウエーハの表面及び/または裏面を1mm間隔以下で走査することによって行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエーハの形状評価方法。
  4. 前記基準線の算出を、最小自乗法、単純平均、移動平均の何れかの方法を用いて行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のウエーハの形状評価方法。
  5. 前記ウエーハの面形状を測定した後に、該測定した面形状データに長波長成分及び/または測定ノイズの除去を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のウエーハの形状評価方法。
  6. 前記長波長成分の除去を、最小自乗法近似またはハイパスフィルターを施すことによって行うことを特徴とする請求項に記載のウエーハの形状評価方法。
  7. 前記測定ノイズの除去を、移動平均またはローパスフィルターを施すことによって行うことを特徴とする請求項に記載のウエーハの形状評価方法。
  8. 前記ウエーハの形状評価をウエーハ全周に渡って行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のウエーハの形状評価方法。
  9. 前記ウエーハの面形状を測定する際に、レーザー発振器及び自動焦点機構を具備する変位計、または静電容量式の変位計を用いて、前記ウエーハの表面及び/または裏面を非接触で走査することにより、ウエーハ面形状の測定を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のウエーハの形状評価方法。
  10. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のウエーハの形状評価方法によって得られたウエーハ形状の評価結果に基づいて、ウエーハの品質管理及び/またはウエーハを製造する工程の工程管理を行う管理方法。
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