JP4401263B2 - 物質特異的に結合するタンパク質及びその遺伝子の探索、解析方法 - Google Patents
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Description
このような遺伝子調節因子は、タンパク質であり、遺伝子DNAに結合することによりその作用を発揮する。
さらに、糖、脂肪等その他物質に結合するタンパク質も、酵素等にみられるように生体内では重要な作用を有していると考えられる。したがって、DNA結合タンパク質はじめとする、物質の構造を認識して結合するタンパク質あるいはこれをコードする遺伝子の探索あるいはその解析は、極めて重要な課題である。 しかし、従来の方法は、例えば複数の遺伝子を、単一のタンパク質に対する結合力によって検出するか、あるいは単一の遺伝子をそれぞれ構造の異なる複数のタンパク質に対する結合力によって解析するものであり、このような方法では、単一の遺伝子あるいはタンパク質毎に、順次多数のタンパク質あるいは遺伝子に対する結合力を検出していかなければ網羅的な解析を行えず、膨大な手間と時間を要するものであった。この例として、HagiwaraらによるJ Biochem (Tokyo). 2002 Dec;132(6):975-82を上げることができる。
(1) 多数の異なるDNA断片からなる遺伝子ライブラリーを構成するものであって、上記DNA 断片を保持し、かつ該DNA断片に由来する発現タンパク質を保持する遺伝子保持体と、 標的とするタンパク質に対し結合性を有するプローブとを接触せしめ、前記遺伝子保持体とプローブとの結合物を回収し、該遺伝子保持体から、保持したDNA断片試料又はその発現タンパク質を得ることを特徴とする、該遺伝子ライブラリー中の物質特異的結合性を有するタンパク質をコードする遺伝子、及び/又は該タンパク質の濃縮方法。
(2) プローブが DNA結合タンパク質との結合領域のモチーフを少なくとも有するDNAであることを特徴とする上記(1)に記載の方法。
(3)プローブが、各々標的とするタンパク質が異なる複数のDNAであることを特徴とする上記(2)に記載の方法。
(4) 多数の異なるDNA断片からなる遺伝子ライブラリーを構成するものであって、上記DNA 断片を保持し、かつ該DNA断片に由来する発現タンパク質を保持する遺伝子保持体と、標的とするタンパク質に対して結合性を有するプローブとを接触せしめ、前記遺伝子保持体とプローブとの結合物を回収し、該遺伝子保持体から、上記保持したDNA断片試料を切り出し、該DNA断片と複数の各々異なる遺伝子が担持された固体支持体と接触させて、固体支持体上の各遺伝子とのハイブリダイズさせることを特徴とする、遺伝子ライブラリー中の物質特異的結合性を有するタンパク質をコードする遺伝子及び/又は該タンパク質の探索、解析方法。
(5)プローブが DNA結合タンパク質との結合領域のモチーフを少なくとも有するDNAであることを特徴とする上記(4)に記載の方法。
(6)プローブが、各々標的とするタンパク質が異なる複数のDNAであることを特徴とする上記(5)に記載の方法。
(7)遺伝子保持体とプローブDNAとの接触工程において、さらにDNA結合タンパク質に対する特異的塩基配列を有しないコントロールプローブDNAを接触させることを特徴とする上記(5)又は(6)のいずれかに記載の方法。
(8)遺伝子保持体とプローブDNAとの結合物から切り出されたDNA断片試料と、遺伝子保持体とコントロールプローブDNAとの結合物から切り出されたDNA断片試料を、複数の各々異なる遺伝子が担持された固体支持体と接触させて、固体支持体上の各遺伝子に競合的にハイブリダイズせしめ、該各遺伝子に対する上記2種のDNA断片試料のハイブリダイズする量比を測定することを特徴とする、上記(7)に記載の方法。
(9) 各遺伝子に対する上記2種のDNA断片試料のハイブリダイズする量比の測定が、上記2種のDNA断片試料に異なる蛍光試薬を標識せしめ、2種の蛍光試薬に基づく蛍光強度の測定によるものであることを特徴とする上記(8)に記載の方法。
(10) プローブが、固体支持体に固定化されていることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の方法
(11) 固体支持体が、磁気ビーズ、ラテックス、プラスチック、ガラス、シリカ、架橋デキストリンである上記(10)に記載の方法。
(12) 遺伝子保持体が、ファージ、リボソ−ム、ビーズであることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(1)多数の異なるDNA断片からなる遺伝子ライブラリーを構成するものであって、上記DNA断片を保持し、かつ該DNA断片に由来する発現タンパク質を保持する遺伝子保持体と、a)標的とするDNA結合性タンパク質との結合領域のモチーフを少なくとも有し、DNA結合性タンパク質と結合性を有するプローブDNAと、b)DNA結合タンパク質に対する特異的塩基配列を有しないコントロールプローブDNAとを接触せしめ、遺伝子保持体と上記a)のプローブDNAとの結合物から切り出されたDNA断片試料と、遺伝子保持体と上記b)のコントロールプローブDNAとの結合物から切り出されたDNA断片試料を、複数の各々異なる遺伝子が担持された固体支持体と接触させて、固体支持体上の各遺伝子に競合的にハイブリダイズせしめ、該各遺伝子に対する上記2種のDNA断片試料のハイブリダイズする量比を測定することを特徴とする、遺伝子ライブラリー中のDNA特異的結合性を有するタンパク質をコードする遺伝子及び/又は該タンパク質の探索、解析方法。
(2)上記a)のプローブDNAが各々標的とするタンパク質が異なる複数のDNAであることを特徴とする上記(1)に記載の方法。
(3)各遺伝子に対する上記2種のDNA断片試料のハイブリダイズする量比の測定が、上記2種のDNA断片試料に異なる蛍光試薬を標識せしめ、2種の蛍光試薬に基づく蛍光強度の測定によるものであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)上記a)のプローブDNA及びb)のコントロールプローブDNAが、それぞれ固体支持体に固定化されていることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)固体支持体が、磁気ビーズ、ラテックス、プラスチック、ガラス、シリカ、架橋デキストリンである上記(4)に記載の方法。
(6)遺伝子保持体が、ファージ、リボソ−ム、ビーズであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
上記ライブラリーからDNA結合タンパク質をコードする遺伝子あるいは該タンパク質を濃縮する。
これらの使用するプローブDNAは、それぞれ標的とするDNA結合タンパク質が異なるように塩基配列を設計したえものを複数種使用し、各標的タンパク質毎に、遺伝子保持体を回収し、DNA結合タンパク質及びこれをコードする遺伝子を濃縮してもよい。以後の工程において、DNA 結合タンパク質をコードする遺伝子を一括して網羅的に探索あるいは解析する場合においては、このような複数種のプローブDNAを使用するのが望ましい。また、これらの探索、解析を行う場合には、遺伝子保持体とプローブDNA との非特異的結合の影響を排除するため、この濃縮工程において、DNA 結合タンパク質に結合するための特異的な塩基配列を有しないコントロールプローブDNAを用いるのが好ましい。
さらに、本発明においては、上記濃縮工程において、それぞれ標的タンパク質が異なるように各々設計された塩基配列を有する複数種のプローブDNAを使用し、各プローブDNA毎に濃縮されたターゲットDNAをそれぞれ得て、各ターゲットDNA毎に、上記コントロールDNAとともに 上記各種遺伝子DNAが固定された固体支持体に接触させ、上記と同様にして固体支持体上の各遺伝子に対する蛍光強度比を求め統計処理するのが好ましい。この手段によれば、遺伝子ライブラリー中のDNA結合タンパク質をコードする遺伝子を、包括的にかつ短時間で探索、解析できる。
一方、固体支持体の各遺伝子にハイブリダイズしたターゲットDNAについては、 MPSS(Brenner, S. et al., Nat. Biotechnol. 18(6):630-4, 2000)などの多数のDNA断片について一斉に配列決定する方法を用いて、その塩基配列の決定を行し、これによりその発現タンパク質のアミノ酸配列を明らかにする手段を加味すれば、より詳細なDNA結合タンパク質あるいはその遺伝子の解析を行うことができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)出芽酵母ゲノムライブラリーの作成
出芽酵母ゲノムを4塩基認識酵素(Aci I, Hinp I, Msp I, Taq I)でそれぞれ部分消化して得られた300-2000 bpのDNA断片にアダプターを付加した後、ファージベクターであるλfooVcoli(Hagiwara H. et al, J. Biochem., 132, 975-982, 2002)のSfi Iサイトにライゲーションにより挿入した。この結果、4(制限酵素) x 3(フレーム)=12種類のライブラリーが作成され、これらのライブラリーの合計独立クローン数は約107であったことから、本ライブラリーは出芽酵母の全遺伝子を網羅していると考えられた。このライブラリーを宿主大腸菌Q447に感染、増幅しアフィニティセレクションの材料とした。
(2) 出芽酵母のゲノム情報および発現プロファイルから情報科学的に予測された5種類のputativeな転写調節モチーフ(6 bp)に基づき、以下の表1に示す配列を有するプローブを作製した。表1中、Y2、Y3、Y4、Y5及びY8の塩基配列中大文字は、転写調節モチーフを表す。 一方、この5種のモチーフを並列につないだ配列をオリゴDNAとして合成し、コンカテマー(5量体)を作成した(Ymix)。なお、このYmixの塩基配列中、CACAGG,CTAAGG,AACTAGは、それぞれY2,Y3およびY5の塩基配列中の転写モチーフと逆方向相補の関係にある。一方、酵母の転写因子として知られているGAL4、zinc fingerタンパク質のコンセンサス配列を含むランダムな配列を2種(N6, N11)プローブとして用いた。
以下、これらプローブをそれぞれプローブ(Y2)、プローブ(Y3)、プローブ(Y4)、プローブ(Y5)、プローブ(Y8)、プローブ(Ymix)、プローブ(GAL4)、プローブ(N6))、プロ−ブ(N11)という。
以下のアフィニティセレクションの工程の概要は図2に示される。
a)タンパク提示ファージの調製
上記(1)工程で得られた出芽酵母の遺伝子DNAがインサートされた、約109 pfuの組み換えファージを、約1010のXL1-Blue細胞に感染させた後、37℃で完全溶菌まで培養した。これにより、組換えファージには、インサートされた出芽酵母の各遺伝子がそれぞれ発現し、該遺伝子の発現タンパク質がファージ粒子表面に提示される。
(1 st round)
得られた約1012 pfuのファージ懸濁液に、上記(2)の工程で得られた、500μgのプローブDNAが固定された各プローブビーズ、及びコントロールビーズをそれぞれ加え、室温で1時間反応させた後、洗浄バッファー(20 mM HEPES (pH 7.5), 0.5 mM MgCl2, 0.1 mM EDTA, 0.1 μM ZnCl2, 200 mM NaCl, 1 mM DTT, 2.5% glycerol and 0.1% Tween-20)で3回洗浄した。ビーズに結合したファージは1 M NaCl、0.1% Tween-20を含むSM buffer で溶出した後、PEG8000を加えて沈殿、回収した。回収したファージを再度結合バッファーに懸濁し、100μgの各ビーズを加えて同様に反応させた後、洗浄し200μlの溶出バッファーで回収した(105〜106 pfu)
濃縮されたファージをQ447に感染増幅した後、1st roundと同様に2回のアフィニティセレクションを連続して行い各ビーズに結合するファージを回収した(約106 pfu)。
a)ターゲットDNA及びコントロールDNAの調製
上記(2)bの2nd roundのアフィニティセレクション工程で回収された、各ビーズに結合したファージからDNAを調製し、以下の条件でPCRを行い、各ファージにインサートされた出芽酵母の遺伝子ライブラリー由来の遺伝子DNA をそれぞれ増幅した。
20 μM primer F (foo TipF) 4μl
20 μM primer R (foo TipR) 4μl
10x Ex Taq buffer 2.5μl
dNTP mix (2.5mM x 4) 2.5μl
Ex Taq 1.25 units
phage DNA 106 pfuより調製
dw up to 25μl
94℃ 20 sec, 55℃ 30 sec, 72℃ 60 sec x 25 cycles
反応条件
上記 PCR product
random hexamer (Invitrogen) 9μg
2.5x reaction buffer 20μl
(125 mM Tris 6.8, 12.5 mM MgCl2, 25 mM 2-mercaptethanol)
dw up to 40μl
上記精製された各DNAをそれぞれ95℃ 5 min 変性させ、4℃ 5分放置後、以下の試薬を加え、37℃2時間反応させた。
10x dNTP mix 5μg
(1.2 mM dATP, dGTP, dCTP and 0.6 mM dTTP)
Cy3 or Cy5 -dUTP 3μl
klenow flagment 20 units
なお、上記蛍光標識においては、上記ビーズに固定化したプローブY2、同Y3、同Y4、同Y5及び同Y8、同Ymix、同GAL4、同N6、同N11とそれぞれ結合した組み換えファージに由来のインサート遺伝子DNAは、Cy5で標識し、上記コントロールビーズ(サケ精巣DNA断片担持)と結合した組み換えファージ由来のインサート遺伝子DNAはCy3で標識した。したがって、これにより、上記プローブビーズの各プローブと結合するタンパク質を発現する、出芽酵母由来の遺伝子DNA群からなる7種のCy5標識遺伝子DNA(以下、これらCy5標識遺伝子DNAを、それぞれターゲットDNA(Y2)、同(Y3)、同(Y4)、同(Y5)、同(Y8)、同(Ymix)、同(GAL4)、同(N6)及び同(N11)という。)と、上記コントロールビーズと結合するタンパク質を発現する、出芽酵母由来の遺伝子DNA群からなる1種のCy3標識コントロール遺伝子DNA群(以下、コントロールDNAという。)が得られた。
精製後の7種のCy5標識ターゲットDNAのうち各1種と、Cy3標識コントロールDNAにそれぞれ8.75 μlの20x SSCを加え95℃ 2分間変性後、室温に放置して冷却し1.75 μlの10% SDSを加え、合計7種の標識プローブ溶液を調製した。
一方、出芽酵母の全ゲノム配列から予測された約6200遺伝子(またはORF)をPCRによって増幅後ガラススライド上にスポットしたマイクロアレイを9枚用意し、各マイクロアレイ毎に上記各プローブ溶液を乗せ、上からカバーガラスをかけた後、ハイブリカセットに密閉した状態で65℃一晩放置した。
2x SSC, 0.1% SDS で20分(室温)
0.2x SSC, 0.1% SDS で20分(室温)
0.2x SSC, 0.1% SDS で20分(55℃)2回
0.2x SSC, 0.1% SDS でリンス
0.2x SSCでリンス
0.05% SDS でリンス
600 rpm 20秒遠心後、室温乾燥。
上記洗浄して乾燥したマイクロアレイ上に固定されたの各遺伝子毎にその蛍光強度をGenePix4000を用いて測定した。
まず、マイクロアレイ上の各遺伝子(i)について各Cy5標識ターゲットDNAとCy3標識コントロールDNAとの蛍光強度の比を取り(Ri=FiCy5/FiCy3)底を2とするlogの値(Xi=log2 Ri)を計算する。次に各遺伝子i毎のデータXiについて、標準化された値(XiSTD=(Xi-XAVR)/XSD)を計算する。なお、前式のXAVRおよびXSDは、それぞれ、DNAチップ上の全遺伝子のXiに対する平均および標準偏差である。さらに、各Xiについて、異なるターゲットDNAを用いた各濃縮実験(n)における標準偏差(XiSD)を算出した。
次に、これらのデータから各ターゲットDNAの塩基配列特異的に結合するタンパク質をコードする遺伝子iを抽出する操作を行った。まず、上記の各濃縮実験(n)毎のXi(Xni)について降順に整列させ、それぞれの上位20個の遺伝子の値をマーキングした。次に、XiSTDついて降順に整列させることにより、表2の結果を得た。
また、YPL038W(MET31)遺伝子がターゲットDNA(Ymix)及びターゲットDNA(Y2)の両方に対して高い蛍光強度を示したことは、表1に示したプローブ(Ymix)では転写モチーフを直列に繋いだことにより、その繋ぎ目にMET31/MET32の結合認識配列(AAACTGTGG)に類似した配列が生じ、プローブ(Y2)ではコア配列以外の領域に類似した配列が存在したため、上記濃縮が行われたと考えられた。
これらの解析により、(1)クラスター1と2のクラスターに上記の多数の遺伝子とはプロファイルを異にする小数の遺伝子群が分類されており、ターゲットDNA断片に対して配列特異的に結合する遺伝子群であると推測された。
(3)C6 zinc binuclear cluster (Zn(II)2Cys6)モチーフを含むGAL4(YPL248W)及びTBS1(YBR150C)は同じ1番目のクラスター1に分類され、認識配列の類似性を示唆する結果が得られた(図3)。
実施例2
以下の実施例は、磁気ビーズ上に固定化した鋳型DNAよりin vitro転写・翻訳系を用いて発現させたアビジン融合タンパク質を同ビーズ上にビオチンを用いて固定化したプロテインビーズを用い、アフィニティセレクションを行い回収したビーズを解析した結果を示す。
(1)プロテインビーズの作成
発現実験に用いた鋳型DNAの調整は以下の方法により行った。His6-アビジン-リンカーとproteinA(SAP), glutathione-S-transferase(GST), green fluorescent protein(GFP)との融合タンパク質をコードする鋳型DNAを作成した。
各鋳型は5’ビオチン標識17fおよび5’ビオチン標識、非標識11rプライマーを1:9のモル比に混合したプライマーセットを用いて増幅した。各鋳型の構造の模式図を図10に示す。
増幅した鋳型DNA約30pmolをアビジンコート磁気ビーズ(Genovision製)100ugに固定化し、洗浄後タンパク質のin vitro発現実験に用いた。発現実験はRTS 100 E.coli HY(ロシュ社製)を用い、50 ulの反応液中で2時間37℃にて行った。反応終了後PBSでビーズを洗浄し、3種類のプロテインビーズを等量ずつ混合しアフィニティセレクション用サンプルとした。
(2)アフィニティセレクション
アフィニティセレクションはELISAプレートにウサギIgGまたはBSAをコートしたもの及びグルタチオンセファロース(アマシャム製)を用いて行った。 IgG, BSA固定化ウェルまたは20 ulのグルタチオンセファロースに50 ulのPBSに懸濁したプロテインビーズ10 ugを加え室温で1時間反応させた。PBSでウェルまたはビーズを3回洗浄した後、1mg/mlのコラゲナーゼ溶液を50 ul加え37℃、30分インキュベートした後ビーズを回収した。回収したビーズ懸濁液を95℃、5分間加熱しコラゲナーゼを失活させた後PCR反応の鋳型として用いた。
(3)PCRによる解析
以下の条件にてPCR反応を行い回収したビーズに結合している鋳型DNAの増幅を行った。
PCR条件
20 μM primer F (17f) 2μl
20 μM primer R (11r) 2μl
10x Ex Taq buffer 2.5 μl
dNTP mix (2.5mM x 4) 2.5 μl
Ex Taq 1.25 units
ビーズ懸濁液 1 μl
dw up to 25 μl
94℃ 20 sec, 55℃ 30 sec, 72℃ 180 sec x 30 cycles
PCR産物を1.5 %アガロースゲルを用い電気泳動を行い、各鋳型DNAに相当するバンドをFL595(ABI)を用いて測定した。泳動結果及び増幅された各鋳型DNAの定量値のグラフを図11に示す。
(4) 特異的DNA結合タンパク質の検出
まず、各プローブを用いて回収ビーズから増幅された鋳型DNAのバンドの強度比を算出した(ratio of bands)。図11に増幅された各鋳型DNAの定量値のグラフを示す。次に各鋳型DNAについて、3種の濃縮実験間でのバンド強度の相対値の標準偏差(SD)を求めた。これをSDについて降順に整列させることにより、表3に示す結果を得た。IgGと特異的に結合するSAP、グルタチオン結合活性をもつGSTはどのプローブとも結合活性を持たないGFPと比較して優位に高いSDを示し、上記データ処理によって目的とするタンパク質及びその遺伝子の抽出が可能である。
表3
以上の結果から、転写因子等のタンパク質-DNA結合系以外の相互作用においても、ターゲットプローブに結合する因子の探索が可能であり、さらに無細胞転写発現系にて調製したタンパク質を用いた系で調製したサンプルも解析可能であることが示された。
Claims (6)
- 多数の異なるDNA断片からなる遺伝子ライブラリーを構成するものであって、上記DNA断片を保持し、かつ該DNA断片に由来する発現タンパク質を保持する遺伝子保持体と、a)標的とするDNA結合性タンパク質との結合領域のモチーフを少なくとも有し、DNA結合性タンパク質と結合性を有するプローブDNAと、b)DNA結合タンパク質に対する特異的塩基配列を有しないコントロールプローブDNAとを接触せしめ、遺伝子保持体と上記a)のプローブDNAとの結合物から切り出されたDNA断片試料と、遺伝子保持体と上記b)のコントロールプローブDNAとの結合物から切り出されたDNA断片試料を、複数の各々異なる遺伝子が担持された固体支持体と接触させて、固体支持体上の各遺伝子に競合的にハイブリダイズせしめ、該各遺伝子に対する上記2種のDNA断片試料のハイブリダイズする量比を測定することを特徴とする、遺伝子ライブラリー中のDNA特異的結合性を有するタンパク質をコードする遺伝子及び/又は該タンパク質の探索、解析方法。
- 上記a)のプローブDNAが各々標的とするタンパク質が異なる複数のDNAであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 各遺伝子に対する上記2種のDNA断片試料のハイブリダイズする量比の測定が、上記2種のDNA断片試料に異なる蛍光試薬を標識せしめ、2種の蛍光試薬に基づく蛍光強度の測定によるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 上記a)のプローブDNA及びb)のコントロールプローブDNAが、それぞれ固体支持体に固定化されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 固体支持体が、磁気ビーズ、ラテックス、プラスチック、ガラス、シリカ、架橋デキストリンである請求項4に記載の方法。
- 遺伝子保持体が、ファージ、リボソ−ム、ビーズであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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