JP4401818B2 - ブリケットの製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶解炉および精錬炉より発生する集塵ダストの成型および還元処理に関し、成型性に優れ、かつ高還元性を持つブリケットの製造方法に関する。
溶解炉および精錬炉より発生する集塵ダストは有価な金属酸化物を含有するが、微粉体であり、かつ重金属を含有することから、集塵ダストの処分や処理に多額の費用を要している。つまり、集塵ダストの多くは産業廃棄物処理業者への委託廃棄されている。この場合、通常は埋立て処分が行われるが、処分費用の負担、微粉ダストのハンドリング時の周辺環境への飛散、埋立て後の排水への重金属の混入による環境汚染の恐れがある。
近年、これらの問題を解決するために、集塵ダストをペレット状あるいはブリケット状に成型し、溶解炉にて溶解し、ダスト中の有価金属を回収する試みがなされるようになってきている。例えば、微粉体を成型する方法として、特許文献1、特許文献2が開示されている。
これらの方法は粉体にプラスチックを加え、ブリケット状に成型する製造方法であり、特許文献1は熱可塑性廃棄プラスチックを加え、混錬して金属粉体の摩擦熱でプラスチックを溶融させて圧縮、成型を行う方法であり、特許文献2は金属系粉体とプラスチック原料を混合および加熱して、プラスチック原料の一部を溶融させてバインダーとし、ブリケット化する方法である。
これらの方法は粉体の成型には優れた方法であるが、粉体中の有価な金属酸化物の還元、回収には問題がある。つまり、プラスチックの一部は還元剤となり得るが、燃焼・飛散しやすく、加熱直後にはなくなり、バインダーとして役割が失うために、固体状態で還元を行う場合には成型体の強度が低下して、粉体状に戻ってしまう欠点がある。また、溶解炉で使用する場合でも、炉内に装入する以前は低温状態で保持しなければならず、また溶解処理で多量の還元剤が必要であり、処理コストが高くなる欠点を持つ。
次に、金属酸化物を含んだ粉体から金属を回収する方法としては、特許文献3、特許文献4が開示されている。特許文献3による方法は粉体ダストを廃トナー粉と混和した後、圧縮成型してペレット状に造粒し、造粒ペレットをキューポラ等の金属溶解炉に原料として供給し、金属を回収すると共に燃料としても利用する方法である。
本方法では前述した問題が解決されていない。つまり、粉体ダストと廃トナー粉のみを混合、成型したペレットを金属溶解炉に原料として供給するために、溶解炉に供給するまでは低温状態で保持する必要があり、溶解炉に供給した直後に、燃焼が起こり、廃トナー分がなくなるために、十分な還元作用が得られず、金属分を回収するために、別途供給する還元剤が多量に必要となり、処理コストが高くなる。
特許文献4による方法は、ダストに炭素を含む還元剤を添加して成型したペレットまたはブリケットを1000℃から1100℃で5分以上焼成する方法であるが、この方法では粉末状のダストを成型するためのバインダーが添加されていないために、成型状態が不安定である。また、1000℃から1100℃での焼成では脈石部分が溶融して結合状態は強くなるが、還元反応を進めるには不十分であり、十分な還元状態が得られない。
ここに述べた特許文献以外にも、種々の粉体ダストの製造方法、または粉体ダストの還元方法が開示されているが、いずれも成型性および還元性の双方を満足するものではなかった。
特開2001−294947号公報 特開平9−241766号公報 特開2000−70900号公報 特開2001−40429号公報
本発明の目的は、産業廃棄物とされる溶解炉および精錬炉より発生する集塵ダストの成型および還元処理に対し、以上述べたような従来の成型性および還元性の問題に対し、成型性に優れ、かつ高還元性を持つブリケットの製造方法を得ることにある。
本発明は、集塵ダストに、プラスチックを1〜10mass%、石灰成分を5〜30mass%、および炭材を5〜20mass%混合、成型することを特徴とするブリケットの製造方法である。また、集塵ダストが、溶解炉集塵ダストまたは精錬炉集塵ダストであることを特徴とし、プラスチックがトナーであることを特徴とし、石灰成分が生石灰または消石灰であることを特徴とし、集塵ダストに圧延工程で発生するスケールまたは酸洗工程で発生する中和スラッジの1種または2種を混合させることを特徴とするブリケットの製造方法である。さらに、上記ブリケットの製造方法に続いて、1200℃〜1350℃で15分以上、60分以下に保持することを特徴とするブリケットの製造方法である。
本発明法により製造されたブリケットは、成型性に優れ、高温状態でも安定した成型状態が確保できる。溶解炉で溶融処理する前工程で還元処理を行う場合、ブリケット自体に還元剤、還元補助剤および高温用のバインダーを有しているので、安定して高還元率が得られ、還元後でも成型状態の維持されたブリケットを得ることが可能である。また、直接溶解炉で処理する場合も、装入するまでの過程で特別に管理する必要がなく、溶解炉で新たに還元剤を添加する必要がない。以上より、本発明法で製造されたブリケットは処理が容易であり、また、安価に還元処理が行える。
本発明者らは粉体状の集塵ダストの成型および還元処理に関し、成型性に優れ、かつ高還元性を持つブリケットの製造方法を種々検討した結果、ブリケットの製造において、下記点を考慮する必要があることを究明した。
(1)低温および高温状態の両方でバインダー効果のある物質として、石灰分を添加することが有効である。(2)ブリケット自体の還元性を付与するために炭材の添加が必要である。(3)従来は低温用バインダーとして用いられたプラスチックはバインダーとして使用するよりも、高温の処理で炭材の燃焼を抑え、炭材中のCによる還元を促進する還元補助剤として有効である。
これらの結果を受けて、次に適正な配合割合の検討を行った。図1に溶解炉および精錬炉の集塵ダストにプラスチック、炭材に石灰分を加えて、混合、成型した場合の石灰配合率とブリケット成型後5mm以上塊の歩留割合の関係を示す。なお、図中の○印は石灰分として生石灰、□印は消石灰を用いた場合を示す。また、この場合、プラスチックにはコピー機、画像処理装置等から回収された廃トナー粉を用いて5mass%添加し、炭材は微粉コークスを15mass%添加し、ブリケットは幅40mm×長さ60mm×厚み20mmの卵型に成型し、成型後、5mmの篩いを用いて、5mm以上塊の歩留を評価した。
図1より、石灰分としての生石灰、消石灰の差はなく、5mass%以上の添加で歩留70%以上を確保できる。また、5mass%以上の添加により、徐々に歩留は向上する傾向にあるが、30mass%以上の添加は歩留の向上代がなく、30mass%以上の添加では集塵ダストの配合量の低下に繋がるために、石灰分の添加は5〜30mass%とする必要がある。
ここで得られた石灰分を5〜30mass%添加した5mm以上の塊ブリケットを回転炉床型の加熱炉で還元処理を行った。1300℃で30分保持した後、還元、冷却後ブリケットの5mm以上塊の歩留を評価した結果、いずれも70%以上の歩留となった。これより、石灰分が成型時の低温および還元処理時の高温においてもバインダーとしての役割を持つことを確認した。
図2に溶解炉および精錬炉の集塵ダストにプラスチック、石灰分に炭材を加えて、混合、成型し、成型後の5mm以上ブリケットを回転炉床型の加熱炉にて1300℃で30分還元処理した場合の炭材の配合率とブリケット内Fe分の還元率の関係を示す。なお、プラスチックにはコピー機、画像処理装置等から回収された廃トナー粉を用いて5mass%添加し、石灰分は生石灰を20mass%添加し、炭材にはコークス粉を用いた。
図2より、石炭分の配合率が5mass%以上であれば、Fe還元率70%以上となり、高還元率が得られる。5mass%以上の添加では20mass%までは徐々にFe還元率が上昇する傾向にあるが、20mass%以上添加ではFe還元率の上昇は殆どなく、集塵ダストの配合量の低下、ブリケット製造コストの増加を招くことから、炭材の配合率は5〜20mass%とする必要がある。
図3に溶解炉および精錬炉の集塵ダストに石灰分、炭材にプラスチックを加えて、混合、成型し、成型後の5mm以上塊ブリケットを回転炉床型の加熱炉にて1300℃で30分還元処理した場合のプラスチックの配合率とブリケット内Fe分の還元率の関係を示す。なお、石灰分は生石灰を20mass%添加し、炭材は粉コークスを10mass%添加し、プラスチックにはコピー機、画像処理装置等から回収された廃トナー粉を用いた。
図3より、プラスチックの配合率が1mass%以上であれば、Fe還元率70%以上が安定的に達成される。プラスチックの配合率が10mass%までは徐々にFe還元率が上昇すると共に、Fe還元率のばらつきも小さくなる傾向を持つが、10mass%以上の添加での向上代は殆どない。また、10mass%以上の添加ではプラスチックによる燃焼が強くなり、低温でも発火し易く、取り扱いに注意を要する必要が生じることから、プラスチックの配合率は1〜10mass%とする必要がある。
ここで、還元反応でのプラスチックの効果は、粉コークスのような炭材よりも燃焼しやすいことから、還元初期にプラスチック分の燃焼が起こるために、ブリケット周囲および内部の酸素濃度を下げ、ブリケット内部への酸素の侵入を抑え、炭材による還元反応進行を促進する還元補助剤の役割を果たすと考えられる。このような作用を持つプラスチックとしては、融点が100℃前後であり、かつ燃焼性の強いスチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂を含むものが有効であり、その中で、コピー機、画像処理装置等に使用されるトナー(又はこれらから回収された廃トナー粉)は、これらの樹脂を50mass%以上含み、廃トナー粉は産業廃棄物とされることから、資源リサイクル面からも有効である。
次に、ブリケットの還元処理条件について検討した。図4に溶解炉および精錬炉の集塵ダストにプラスチック、石灰分、炭材を加えて、混合、成型し、成型後の5mm以上ブリケットを小規模の大気加熱実験炉にて種々の温度、保持時間で還元処理した場合の温度と保持時間の関係におけるブリケット内Fe分の還元率の分布を示す。なお、図中の○印はFe還元率が70%以上、△印は50〜70%、×印は50%以下を示す。また、プラスチックは廃トナー粉を5mass%、石灰分は生石灰を20mass%添加し、炭材は粉コークスを10mass%添加した。
図4より、1200℃以上で15分以上保持すれば、70%以上のFe還元率が得られる。実験では1350℃を超える温度ではブリケットの融体化が起こり、耐火物に付着して、分離できない現象が生じた。また、保持時間60分以上ではFe還元率の上昇は小さく、加熱処理コストの方が高くなることが確認された。以上より、還元処理条件としては、1200〜1350℃で15分以上、60分以下とするが望ましい。
本発明者らは、集塵ダストと同様に、有価な金属成分を含み、粉末状に存在する圧延工程で発生するスケール、酸洗工程で発生する中和スラッジの処理の可能性を調査した。その結果、集塵ダストにスケールまたは中和スラッジの1種または2種を混合しても、前記配合条件であれば、成型性および還元性とも劣化することはないことを確認した。
以下、本発明例および比較例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。表1に本発明例と比較例の原料配合組成、ブリケット成型後の5mm以上塊の歩留、還元処理を行った時の加熱温度、保持時間、還元処理後のFe還元率、還元処理後の5mm以上塊の歩留、および金属回収コスト指数を示す。なお、原料としては、溶解炉および精錬炉の集塵ダスト、圧延工程で発生するスケール、酸洗工程で発生する中和スラッジ、プラスチックとしては廃トナー、石灰成分としては生石灰および消石灰、炭材としてはコークス粉を使用し、還元処理ではブリケット成型後5mm以上の塊のみを使用した。また、金属回収コスト指数は、原料コスト、還元処理コストおよび還元処理後のブリケットを溶解炉に供給して金属を回収するためのコストを基に、本発明例のNo.1を100として比例換算して求めた。
Figure 0004401818
表1より、本発明例のNo.1〜10では原料配合および還元処理条件とも、本発明の条件範囲を満足しており、その結果、ブリケット成型後の5mm以上塊の歩留、還元処理後の5mm以上塊の歩留とも70%以上の高歩留を達成している。また、還元処理後のFe還元率も70%以上で高位安定していることから、金属回収コストも低位安定している。
一方、比較例のNo.11〜16では原料配合或いは還元処理条件が本発明の条件外であり、ブリケット成型後の5mm以上塊の歩留、還元処理後の5mm以上塊の歩留、或いは還元処理後のFe還元率が低く、その結果、還元処理コストが高くなっている。また、比較例のNo.17は、還元処理温度が本発明の条件外にあり、還元処理時にブリケットが耐火物に付着し、回収不能となった。さらに、比較例のNo.18〜20では、ブリケット成型後の5mm以上塊の歩留、還元処理後の5mm以上塊の歩留、および還元処理後のFe還元率は本発明例と同等であるが、原料コスト或いは還元処理コストが高いために、金属回収コストが本発明例に比べ、高位となっている。
石灰の配合率とブリケット成型後5mm以上製品の歩留割合の関係を示す図である。 炭材の配合率とブリケット内Fe分の還元率の関係を示す図である。 プラスチックの配合率とブリケット内Fe分の還元率の関係を示す図である。 還元処理時の温度と保持時間の関係におけるブリケット内Fe分の還元率の分布を示す図である。

Claims (5)

  1. 集塵ダストに、プラスチックを1〜10mass%、石灰成分を5〜30mass%、および炭材を5〜20mass%混合、成型し、続いて、1200℃〜1350℃で15分以上、60分以下に保持することを特徴とするブリケットの製造方法。
  2. 集塵ダストが、溶解炉集塵ダストまたは精錬炉集塵ダストであることを特徴とする請求項1に記載のブリケットの製造方法。
  3. プラスチックがトナーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のブリケット製造方法。
  4. 石灰成分が生石灰または消石灰であることを特徴とする請求項1ないし3に記載のいずれかのブリケットの製造方法。
  5. 集塵ダストに圧延工程で発生するスケールまたは酸洗工程で発生する中和スラッジの1種または2種を混合させることを特徴とする請求項1ないし4に記載のいずれかのブリケットの製造方法。
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