JP4414541B2 - 釣り用リールの部品組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品組立体、特に、表面の少なくとも一部が3次元曲面で構成された釣り用リールの部品組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピニングリールや両軸受リール等の釣り用リールには、デザインや機能を考慮して3次元曲面で構成された部品組立体が多用されている。たとえば、両軸受リールやスピニングリールのリール本体(部品組立体の一例)は、3次元曲面で構成された複数の部品によって組み立てられている。3次元曲面で構成された部品を製造する場合、機械加工によって3次元曲面を形成すると加工が複雑になり加工コストが上昇するため、通常、型を使用した型成形法により製造される。たとえば、合成樹脂製の部品の場合には射出成形などの型成形法によって製造され、金属製の部品の場合にはダイキャストなどの型成形法によって製造される。
【0003】
型の分割方向が異なる2つの部品を3次元曲面部分で突き合わせて部品組立体を構成する場合、従来、いずれかの部品の型の抜き方向に沿って突き合わせ面が配置されている。このため、突き合わせ部分の3次元曲面の形状によっては、一方の表面側のエッジが極端な鋭角になり、他方の表面側のエッジを極端な鈍角になることがある。たとえば、従来の両軸受リールの側カバーとサムレストを兼ねた前カバーとを突き合わせてリール本体を構成する場合、突き合わせ面が側カバーの抜き方向に沿って配置されることが多い。このため、リールの前後に分割される型によって形成される前カバーの突き合わせ部分の表面側のエッジが鋭角になり、リールの左右に分割される型によって形成される側カバーを鈍角になる。そして、鋭角のエッジを尖った状態に維持してなまらせないようにするために、エッジ部分で型を分割している。このようにすると、分割された2つの型から部品をスムーズに取り出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、鋭角のエッジで型を分割しているので、鋭角のエッジの先端にバリが生じやすい。バリが生じると、その境界部分に掌や指が触ったとき違和感を覚える。したがって、バリが生じた場合には、バリを落とすバリ取り作業を行っている。しかし、エッジが鋭角のため、バリとエッジとの区別が識別しにくくなり、バリ取り作業でバリ以外のエッジまで削ってしまうおそれがある。バリ以外のエッジまで削ってしまうと突き合わせ部分で隙間があきすぎてしまい、隙間が目立って外観上の問題が生じる。
【0005】
本発明の課題は、突き合わせ部分のエッジにバリが生じてもバリを識別しやすい部品組立体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの部品組立体は、表面の少なくとも一部が3次元曲面で構成された組立体であって、第1表面部品と第2表面部品とを備えている。第1表面部品は、3次元曲面の一部を構成する、型成形された部品である。第2表面部品は、第1表面部品と突き合わされ、3次元曲面上で第1表面部品と表面が面一になるように配置される、型成形された部品である。第1表面部品と第2表面部品とにおいて、突き合わせ面と各表面とのエッジがなす角度は、第1表面部品側が70〜110度の範囲であり、第2表面部品側が110〜70度の範囲である。また、突き合わせ面の内面側には、逃がし部が鋭角的に形成されている。
【0007】
この部品組立体では、突き合わせ面と各表面とのなす角度が70〜110度の比較的90度に近い角度に維持されているので、いずれの表面部品においても表面と突き合わせ面とのエッジに生じたバリがエッジに対して識別しやすくなる。このため、バリが生じてもバリだけを除去しやすくなる。
【0008】
発明2に係る釣り用リールの部品組立体は、発明1に記載の組立体において、第1表面部品は、両軸受リールのリール本体の前部に配置されるサムレストを兼ねた前カバーであり、第2表面部品は、リール本体のハンドル装着側と逆側に配置される側カバーである。この場合には、バリを取り除きやすいので、サムレストを兼ねた前カバーと側カバーとの突き合わせ部分に指が触っても違和感を感じにくい。
【0009】
発明3に係る釣り用リールの部品組立体は、発明2に記載の組立体において、第1表面部品は、リール本体の前後方向に分割された金型により成形され、第2表面部品は、リール本体の左右方向に分割された金型により成形される。この場合には、異なる方向に分割される型を使用して成形された2つの表面部品のバリを取りやすくなる。
【0010】
発明4に係る釣り用リールの部品組立体は、発明1から3のいずれかに記載の組立体において、両表面部品は、射出成形された合成樹脂成形品である。この場合には、合成樹脂成形品のバリを取りやすくなる。
【0011】
発明5に係る釣り用リールの部品組立体は、発明1から3のいずれかに記載の組立体において両表面部品は、ダイキャスト成形された金属成形品である。この場合には、金属成形品のバリを取りやすくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、図1及び図2に示すように、ベイトキャスト用のロープロフィール型のリールである。この両軸受リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル組立体2と、リール本体1の内部に回転自在かつ着脱自在に装着された糸巻き用のスプール4とを備えている。ハンドル組立体2のリール本体1側には、ドラグ調整用のスタードラグ3が設けられている。
【0013】
リール本体1は、図1〜図5に示すように、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された側カバー6a,6b(第2表面部品の一例)と、フレーム5の前方を覆う前カバー7(第1表面部品の一例)とを有している。リール本体1の外形は、全体として前側が絞られた形状である。
【0014】
フレーム5は、たとえばアルミニウム合金をダイキャスト成形して得られた金属製のものである。フレーム5は、左右に間隔を隔てて配置された左右1対の側板8a,8bと両側板8a,8bを連結する2つの連結部材9a,9bとを有している。側板8a,8bは、概ね卵形の板状部材であり、縁部にそれぞれ外方に突出する縁取り部8c,8dを有している。この縁取り部8c,8dの先端に側カバー6a,6bの縁部が段差なく突き合わされている。連結部材9a,9bは、リールの前部と下部とで側板8a,8bをそれぞれ連結している。前部の連結部材9aは、前カバー7が装着される分だけ低く形成された段差部9cを有している。この段差部9cにより前カバー7がフレーム5に対して面一に装着される。下側の連結部9bには、前後に延びる竿取付脚10が一体形成されている。
【0015】
側カバー6aは、側板8aの外方を空間をあけて覆うように外方に凸に湾曲した合成樹脂製の型成形された部材である。側カバー6aの外面は、パーミングしたときに違和感が生じないようにするために、滑らかな3次元曲面を有している。側カバー6aは、側板8aの後下部に揺動自在かつ接離自在に装着され、側板8aに対して開閉する。側カバー6aの中央部には、開閉操作のための操作部15が設けられている。また、操作部15の中心部には、図示しないスプール制動用の遠心制動装置の制動力を調整するための調整部16が設けられている。
【0016】
側カバー6bは、側板8bの外方を空間をあけて覆うように外方に凸に湾曲した合成樹脂製の型成形された部材である。側カバー6bは、側板8bにビスにより固定されている。側カバー6a,6bは、リールの左右方向に分割された金型により、たとえば射出成形により製造される。
【0017】
側カバー6a,6bの前上部には、前カバー7を面一に突き合わせするための突き合わせ部20が形成されている。図6に示すように、突き合わせ部20の突き合わせ面20aと側カバー6a,6bの表面(接線)とのエッジがなす角度αが110〜70度の範囲になるように、突き合わせ面20aは3次元的にねじれるように形成されている。このような範囲に角度αが設定されていると、側板6aを型成形するときにエッジにバリが生じてもバリとエッジとが見分け易くなり、バリだけを確実に除去しやすい。
【0018】
また、突き合わせ面20aの内面側には、逃がし部20bが鋭角的に形成されている。このような逃がし部20bを形成すると、金型によって側カバー6a,6bを製造するとき、金型の突き合わせ面を修正しやすくなる。すなわち、この逃がし部20bを形成しないと、金型を修正する必要が生じた場合、他の部材との突き合わせ面に影響したり、金型に内装する部材との干渉が生じる場合がある。しかし、逃がし部20bを設けることでこれらの不都合を解消して金型の修正が容易になる。
【0019】
前カバー7は、合成樹脂製の型成形された部材であり、側カバー6a,6bとの突き合わせ部分で表面に連続した3次元曲面が面一に形成されている。前カバー7は、リールの前後方向に分割された金型により、たとえば射出成形により製造される。前カバー7は、サムレストを兼ねており、側板8a,8bにビスにより固定されている。前カバー7の縁部21は、3次元的な曲線で構成されており、フレーム5の側板8a,8b及び連結部材9aと、側カバー6a,6bの突き合わせ部20とに突き合わされる。図6に示すように、前カバー7の縁部21の突き合わせ面21aと前カバー7の表面とのエッジがなす角度βが70〜110度の範囲になるように、突き合わせ面21aは3次元的にねじれるように形成されている。このような範囲にあると、前カバー7を型成形するときにエッジにバリが生じてもバリとエッジとが見分け易くなり、バリだけを確実に除去しやすい。また、突き合わせ面21aの内面側には、側カバー6aと同様な逃がし部21bが鋭角的に形成されている。
【0020】
スプール4は、リール本体1に回転自在に支持されており、側カバー6aを開くと、側板8a側から着脱できる。
【0021】
このような構成の両軸受リールでは、前カバー7と側板6aとが連続した3次元曲面で構成されているので、パーミングしたときに掌に違和感が生じにくくなる。また、前カバー7と両側カバー6a,6bとの突き合わせ面20,21が比較的90度に近くなるように3次元的に形成されているので、成型時にバリが生じてもバリとエッジとを識別しやすくなり、バリだけを確実に除去しやすい。
【0022】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、両軸受リールの側カバーと前カバーとを有するリール本体を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえばスピニングリールのリール本体やロータ等の部品組立体にも適用できる。
【0023】
(b)前記実施形態では、合成樹脂製の型成形された部品組立体を例に説明したが、たとえば、ダイキャスト成形などで型成形された金属製の部品組立体にも本発明を適用できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、突き合わせ面と各表面とのなす角度が70〜110度の比較的90度に近い角度に維持されているので、いずれの表面部品においても表面と突き合わせ面とのエッジに生じたバリがエッジに対して識別しやすくなる。このため、バリが生じてもバリだけを除去しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】 前カバーを外した状態の両軸受リールの斜視図。
【図3】 前カバーを外した状態の両軸受リールの正面図。
【図4】 前カバーを外した状態の両軸受リールの平面図。
【図5】 前カバーを外した状態の両軸受リールの右側面図。
【図6】 前カバーと側カバーとの突き合わせ部分の断面拡大部分図。
【符号の説明】
1 リール本体
6a,6b 側カバー
7 前カバー
20 突き合わせ部
20a 突き合わせ面
21 縁部
21a 突き合わせ面
Claims (5)
- 表面の少なくとも一部が3次元曲面で構成された釣り用リールの部品組立体であって、
前記3次元曲面の一部を構成する、型成形された第1表面部品と、
前記第1表面部品と前記3次元曲面上で突き合わされ、前記第1表面部品と表面が面一になるように配置される、型成形された第2表面部品とを備え、
前記第1表面部品と第2表面部品とにおいて、突き合わせ面と各表面とのエッジがなす角度は、前記第1表面部品側が70〜110度の範囲であり、前記第2表面部品側が110〜70度の範囲であり、
前記突き合わせ面の内面側には、逃がし部が鋭角的に形成されている、釣り用リールの部品組立体。 - 前記第1表面部品は、両軸受リールのリール本体の前部に配置されるサムレストであり、
前記第2表面部品は、前記リール本体のハンドル装着側と逆側に配置される側カバーである、請求項1に記載の釣り用リールの部品組立体。 - 前記第1表面部品は、前記リール本体の前後方向に分割された金型により成形され、前記第2表面部品は、前記リール本体の左右方向に分割された金型により成形される、請求項2に記載の釣り用リールの部品組立体。
- 前記両表面部品は、射出成形された合成樹脂成形品である、請求項1から3のいずれかに記載の釣り用リールの部品組立体。
- 前記両表面部品は、ダイキャスト成形された金属成形品である、請求項1から3のいずれかに記載の釣り用リールの部品組立体。
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