JP4421177B2 - 電球形蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、電球形蛍光ランプに関する。
【従来の技術】
【0002】
電球形蛍光ランプは、屈曲形成されたバルブにより1本の放電路が形成された蛍光ランプをカバー体に支持させて構成されている。このカバー体は口金を有し、蛍光ランプを点灯させるための点灯装置を収容している。
【0003】
このような電球形蛍光ランプでは、点灯中のカバー体内の温度上昇が点灯回路を構成する電子部品に悪影響を及ぼすことが懸念されている。この対策として、例えば特開昭57−50762号公報に記載されているように、点灯装置の発熱によりカバー体内の温度上昇を防ぐために、回路基板とカバー体によって収容される空間に樹脂モールド材を充填しそれぞれ接触している技術が知られている。
【0004】
この従来技術は、回路基板とカバー体によって収容された空間に樹脂モールド材を充填し、回路基板に実装された電子部品とカバー体内面をそれぞれ接触させることにより、電子バラストを使用した点灯装置の熱を樹脂モールド材を介して伝導させてカバー体から放熱させるものである。これにより、蛍光ランプの発光効率が向上するとともに、点灯装置の温度を抑制することができ、カバー体に通気孔を設けることがなく、また耐熱性の良い高価なグローブを使用する必要がなくなるものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年電球形蛍光ランプの高出力化、小形化が進むにつれて、点灯装置を収納するスペースはさらに狭小な密閉空間となり、カバー体内の温度が一層上昇している。電球形蛍光ランプに内蔵される点灯回路が電子部品から構成されたインバータ回路の場合には、比較的熱に弱い電子部品も実装されているので、これら部品を熱的に保護するためにもカバー体内の熱を一層効率よく外部に放熱して、カバー体内の温度を確実に低減する必要がある。また、カバー体内の熱を放熱するための樹脂モールドの具体的な仕様は、回路基板の温度や電子部品の耐熱性を考慮して選定する必要があるが、これまでカバー体内の温度が点灯装置の不具合を発生させないように詳細に検討されたことはなく、十分な開発も行われていなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、カバー体内の熱をカバー体外部へ効率よく放熱させて、点灯装置の信頼性を高めた電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、屈曲形の蛍光ランプと;一方側に口金が他方側に前記蛍光ランプがそれぞれ取付けられたカバー体と;蛍光ランプを点灯させる点灯回路を構成する複数個の電子部品およびこれらの電子部品が電解コンデンサを中央部に配して実装された回路基板を有し、カバー体内に収容された点灯装置と;この点灯装置の複数個の電子部品のうち発熱温度の高い電子部品を被覆するとともに点灯装置の回路基板よりも口金側のカバー体内面ならびに回路基板面に接触するようにカバー体内側に充填され、熱伝導率が0.1W/(m・k)以上である熱伝導性物質と;を具備しており、ランプ入力電力あたりのカバー体の口金被着部を除いた外表面積が500mm2/W以下であることを具備しているものである。
【0008】
ここでいう熱伝導性物質とは、熱伝導率が空気よりも高い物質であって、硬化前の粘性を利用して点灯装置の複数の電子部品のうち、少なくとも一部を被覆するように、硬化前は一定の流動性を有する粘性体により形成されているものが望ましい。
【0009】
ここでいう点灯装置の回路基板よりも口金側とは、回路基板の両面に実装された複数の電子部品のうち、カバー体内に収納された蛍光ランプ側面は含まれない。カバー体内に収容された非蛍光ランプ側面から口金側のことをいう。
【0010】
熱伝導性物質は、点灯装置及び蛍光ランプが発する熱を吸収し、熱伝導するために充填するので、電子部品を被覆する場合に電子部品の一部が熱伝導性物質に接触しているだけでも構わないが、被覆すべき電子部品のほとんど(その電子部品のリード線部分などの発熱とは直接関係の無い部分を除く)が熱伝導性物質によって覆われるように被覆し、カバー体内面との接触面積が大きいほど望ましい。
【0011】
熱伝導性物質により被覆される電子部品は、発熱温度の高い電子部品が含まれることは当然であるが、耐熱温度の低い電子部品を被覆するものであっても構わない。熱伝導性物質が熱保護的な役割を果たすことが期待できるからである。
【0012】
カバー体は、蛍光ランプを点灯させる点灯装置を被覆する部分であり、合成樹脂または金属などの材質によって0.5〜3mm程度の肉厚でから形成されている。
【0013】
カバー体内面のうち点灯装置の回路基板よりも口金側の面は、点灯装置の電子部品と対向する比較的大きい面積を有している。したがって、熱伝導性物質をカバー体内面に効果的に接触させることが可能であり、カバー体内の熱を効果的にカバー体に伝導し、放熱させることができる。
【0014】
電子部品が発する熱をカバー体に効率よく熱伝導させるには、熱伝導性物質の熱伝導率を上げる必要があり、実験の結果、0.1W/(m・k)以上の熱伝導率を有する物質であれば、カバー体内の温度を効果的に低減することが可能であることが確認された。このような熱伝導率を有する物質としては、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの品種の中から選定することが可能である。
【0015】
蛍光ランプは1本の直管バルブをU字状に屈曲させたものの場合、屈曲部が半円状をなしていたり、コ字状となっていてもよい。また、2本の直管バルブの対向する端部近傍同士を連結管で連結して屈曲部が形成されたものであってもよい。
【0016】
「カバー体の口金被着部を除いた」とは、下方に開口を有して拡開するカバー本体部を示し、カバー本体の上側開口の口金が被着される円筒部等の被覆部分が一体的に設けられている場合には、この被着部の表面積は含まない。
【0017】
ランプ入力電力あたりのカバー体の口金被着部を除いた外表面積が500mm2/W以上であると点灯装置自身および蛍光ランプから発熱する熱影響は受けるが、従来技術の図面に記載のようにカバー体全体の表面積が大きいものにおいては、その熱はカバー体内空間に広がるとともに、非常に広い面積を有するカバー体表面を介して放熱が可能となるため、点灯装置に不具合を起こすほどカバー体内の温度は点灯装置に不具合をもたらすほど高温になりにくい。したがって、従来技術のようにカバー体内の熱をカバー体外へ効率よく放熱させるための熱伝導性物質は充填する必要がないと思われる。
【0018】
請求項2記載の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプのカバー体の内表面に熱伝導性物質が接触する接触面積は、カバー体内表面積の30%以上である。
【0019】
カバー体の内容面に熱伝導性物質が接触する接触面積が、カバー体内表面積の30%以下であると、十分に放熱することが困難となり、点灯装置の熱を放熱する熱量よりも蛍光ランプから受ける熱量の方が多くなるため、カバー体内に熱伝導性物質を充填してもカバー体内が高温となってしまう。この熱影響により点灯装置の不具合が発生することを抑制し、信頼性の高い点灯装置を提供するためには、接触面積をカバー体内表面積の30%以上にする必要である。
【0020】
請求項3記載の電球形蛍光ランプは、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプの熱伝導性物質は、硬化性を有しており、カバー体内に充填する硬化前の熱伝導性物質の粘度が10〜500Pa・sであることを特徴とするものである。
【0021】
熱伝導物質は点灯装置をカバー体に収容した状態でカバー体内に充填するのが製造上好ましい。この場合、互いに密接して配置された電子部品間およびカバー体内面の微小な隙間に充填させるためには、微小な隙間にも流入可能な程度の流動性を有する粘性体を充填するのが望ましいことが判明した。
【0022】
この条件を満足するためには、熱伝導性物質をカバー体内に充填する熱伝導性物質の硬化前の粘度が500Pa・s以下とする必要があることが実験により確認された。また、熱伝導性物質の粘性が低いと回路基板と蛍光ランプ保持体との間に形成された隙間から硬化前の熱伝導性物質が垂れ落ちてしまうという不具合があるが発生するおそれがあるため、硬化前の粘度が10Pa・s以上のものであれば、この不具合が抑制されることが実験により確認された。
【0023】
熱伝導性物質の粘度は、日本工業規格の「JIS K 6300」の測定方法で定義されたものである。
【0024】
請求項4記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプの熱伝導性物質は、硬さは100JIS A以下であることを特徴とするものである。
【0025】
硬化した熱伝導性物質は、カバー体内に全域に充填した場合、点灯時の発熱などによって、熱伝導物質と接触している電子部品やカバー体等と熱伝導性物質の熱膨張差により応力が加わることで、はんだクラックなどの不具合が起きるなどの不具合が発生するおそれがあることがわかった。そこで、硬化後の熱伝導性物質の硬さを所定値以下にすることで熱伝導性物質が点灯などによる熱影響を受け、熱膨張したとしても電子部品に加わる応力を抑えることが可能であることが実験の結果から判明した。
【0026】
熱伝導性物質の硬度は、日本工業規格の「JIS K 6253」の測定方法で規定されたものである。
【0027】
請求項5記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし4いずれか一記載の電球形蛍光ランプの熱伝導性物質には、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)およびマグネシウム(Mg)からなる群のうち一種類の元素の酸化物、窒化物および酸化水和物のうちの少なくとも一種からなるフィラーが0.1質量%以上添加されていることを特徴とするものである。
【0028】
熱伝導性物質の熱伝導率を良くするために添加する物質としては、例えば酸化物では、Al2O3、TiO2、SiO2、MgO、窒化物の AlN、Si3N4、酸化水和物のAl2O3・nH2O、TiO2・nH2O、Mg(OH)2などが挙げられる。
【0029】
請求項6記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし5記載の電球形蛍光ランプの熱伝導性物質は、D10以下のオリゴマー成分の合計含有率は5000ppm以下である。
【0030】
D10以下の成分は、単量体(モノマー)同士が完全に結合されずに残った残りの成分であり、その成分を熱伝導性物質として使用した場合、使用中高温となったシリコーン樹脂から不純ガスとして放出されやすい。この完全に結合されずに残った単量体数の少ないD10以下のオリゴマー成分の合計含有量が5000ppm以上であると、不純ガスの発生が多くなり、ランプ使用中ガス化した成分がガラスグローブなどに付着し、蛍光ランプの光の透過効率が低下する。一方、D10以下のオリゴマー成分の合計含有量が5000ppm以下であれば、ガス化しやすい単量体数の少ない成分がガスとして発生するが、その成分がガラスグローブに付着したとしても微量であるため、蛍光ランプの光の透過効率を低下させるほどではないため、オリゴマー成分の合計含有量が5000ppm以下とする必要がある。オリゴマー成分の含有量は、より少ないものほど点灯中に発生するガス量は少なくなるため好ましいが、その含有量が少なくなると熱伝導性物質が高価となるため、コスト面を配慮すると熱伝導性物質に含まれるD10以下のオリゴマー成分の合計含有量は2000ppm以下であることが望ましい。
【0031】
請求項7記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし6いずれか一記載の電球形蛍光ランプの熱伝導性物質は、少なくとも口金の一部に接触するよう充填されていることを特徴とするものである。
【0032】
口金は、少なくとも接点部が金属製であり熱伝導率が比較的高いので、口金に熱伝導性物質を介してカバー体内の熱を伝導することにより放熱効果を高くすることが可能である。
【0033】
請求項8記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし7いずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、少なくともカバー体の非口金側に配設された蛍光ランプを保持する保持体は難燃剤入り樹脂からなることを特徴とするものである。
【0034】
難燃剤入り樹脂は、難燃性を高めるため、臭素化合物を含んでいるが、蛍光ランプからの熱および紫外線の影響を受けて臭素などのハロゲン系のガスを発生する。そのハロゲン系のガスが、回路基板の隙間等を介して回路基板側の封口材であるゴムパッキングなどから内部に侵入すると電解コンデンサが腐食し、不具合が生じる。したがって、高温で点灯する電球形蛍光ランプには、難燃剤入りの樹脂を極力使用しない方が望ましいが、このような樹脂は高価であり、コスト高になってしまう。これに対し本発明では、封口材であるゴムパッキング部分は熱伝導性物質により完全に被覆したり、蛍光ランプを支持するホルダおよび回路基板の隙間を熱伝導性樹脂により密閉することで、ハロゲン系のガスの侵入を抑制できる。
【0035】
請求項9記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし8いずれか一記載の蛍光ランプの全ての端部が回路基板に対向するよう取付けられていることを特徴とするものである。
【0036】
従来技術のような蛍光ランプは、1本の直管バルブを屈曲させてグローブに収容しており、バルブ端部が位置する記載が不明瞭である。また、出願時の周知技術を思慮すると蛍光ランプは管壁負荷が高くなるほど細径化されてなく、全体の小形化も進んでいなかったことから蛍光ランプの熱影響により点灯装置に不具合が発生するほど高温になるものではなかった。
【0037】
請求項10記載の照明器具は、請求項1ないし9いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;この電球形蛍光ランプが装着された器具本体と;を具備していることを特徴とするものである。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0038】
図1は、本発明の電球形蛍光ランプの第一の実施形態を示す側面図、図2は図1の電球形蛍光ランプの組立分解図である。
【0039】
電球形蛍光ランプのカバー体10は、耐熱性合成樹脂、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)にて形成され、上側の円筒部11には口金20が被着し、下端方向には拡開状に延長し、下端側に開口を有する略椀状の回転体形状のカバー体本体12を有しており、外表面積が5300mm2程度である。カバー体10の開口よりも内側の内面には、その周囲にわたり複数の係合凹部13が形成されている。以下口金20側を上側、グローブ30側を下側として説明する。
【0040】
カバー体10の下端には、例えばPBT樹脂などの耐熱性合成樹脂によりほぼ円皿状に形成された保持体としてのホルダ40が取付けられている。ホルダ40の円皿面には、複数の蛍光ランプ50を取付けるための取付孔(図示しない)が数箇所形成されている。また、ホルダ40の周縁には円皿面から側壁が形成されている。さらにホルダ40上端側壁には、カバー体10内面の係合凹部13と係合固定する複数の係合爪41が形成されている。
【0041】
蛍光ランプ50は、3本の屈曲バルブ51を接合して構成されている。各屈曲バルブ51は、例えば管外径が8〜13mmで、本実施の形態では11mm程度、管内径は、6.5〜11.5mmで本実施の形態では9.5mm程度である。各屈曲バルブ51の頂部は、中間部でなめらかにU字状に屈曲されており、電球形蛍光ランプの上下方向を長手方向とする中心軸を中心とする円周上に等間隔で配置するとともに、各バルブ51の直管部も電球形蛍光ランプ50の中心軸を中心とする円周上に等間隔で配置するように構成されている。すなわち、各屈曲バルブ51の屈曲部が略三角形の各辺に対応して配置されている。それぞれの屈曲バルブ51の内面に蛍光体層が形成され、屈曲バルブ内51に封入ガスとして例えばアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入されている。3本の屈曲バルブ51は、それぞれの屈曲バルブ51を連結する連結管52により1本の連続した放電路が280mm程度に形成されている。この放電路の両端に位置する蛍光ランプ50の端部には、一対の電極が封装されている。
【0042】
蛍光ランプ50の屈曲バルブ51端部はホルダ40に形成されたランプ取付孔にそれぞれ差込まれ、屈曲バルブ51端部とランプ取付孔とはシリコーン樹脂などにより接着固定される。これにより、蛍光ランプ50がホルダ40に支持される。
【0043】
ホルダ40の蛍光ランプ50非装着側には、点灯装置60が配置されている。この点灯装置60は、蛍光ランプ50の長手方向と直交する平行な面に配置される円板状の回路基板61を備え、この回路基板61の両面すなわち口金側である上面61aには複数の電子部品62が実装され、高周波点灯を行うインバータ回路が構成されている。この回路基板61に実装された複数の電子部品62の多くは一対のリード線を回路基板61の上面61aから下面側61bへ連通し、他面側から導出したリード線をはんだにより固定しているため、複数の電子部品62に外部から圧力を受けたとしてもある程度は耐えられる。経時的に熱伝導性物質としてのシリコーン樹脂70の熱膨張による一定以上の応力を受けることで接触不良などの不具合を生じてしまうので、硬化後に熱膨張するシリコーン樹脂70は、形状が崩れることがなく、ある程度弾性を有しているものが望ましい。複数の電子部品62には、比較的耐熱性の弱い電解コンデンサ63、フィルムコンデンサなどの部品も含まれている。電解コンデンサ63の一部は、回路基板61に立設された状態でカバー体10上側の円筒部11に収納される。また、回路基板下面61bには、比較的耐熱性が強く、厚さ寸法の小さいチップ状のREC(rectifier、整流素子、ダイオードブリッジ)、トランジスタ、抵抗などのパッケージの厚さ寸法2〜3mm程度に形成されている部品が実装されている。
【0044】
ホルダ40の蛍光ランプ50非装着側には係合爪41の内側に回路基板61の周縁が係合するように回路基板61を押し込むことで点灯装置60が取付けられる。
【0045】
熱伝導性物質としてのシリコーン樹脂70は、点灯装置60に実装されている複数の電子部品62を覆うように充填されている。
【0046】
回路基板61から導出されたリード線(図示しない)は、電解コンデンサ63と円筒部11との隙間に配線され、口金20と接続されている。
【0047】
本実施の形態で規定する熱伝導率、硬化前の粘度および硬化後の硬さを有する範囲のシリコーン樹脂70としては、例えば株式会社信越化学製「CMA−431A&B」などが挙げられ、硬化前の粘度50〜75Pa・s、硬化後の硬さが27〜37JIS Aであり、熱伝導性物質としてのシリコーン樹脂70にはD10以下のオリゴマー成分が1280ppm有している。
【0048】
次に本実施形態の電球形蛍光ランプ50の組立工程について説明する。
【0049】
まず、蛍光ランプ50および点灯装置60が上述のように取付けられたホルダ40を用意し、ホルダ40をカバー体10の開口から内側へ挿入することで、カバー体10の下側内面の複数の係合凹部13とホルダ40に形成された係合爪41とが嵌合固定する。そして、カバー体10の円筒部11の開口を上側にした状態で、この開口より回路基板61に実装されている複数の電子部品62およびカバー体10内面に、熱伝導性が良く流動性を有するシリコーン樹脂70を複数の電子部品62の上側から充分に被覆するとともに、カバー体10内面に接触させる。シリコーン樹脂70を注入する際、カバー体10の円筒部11内から注入作業を行うが、円筒部11内には比較的大きい電子部品62である電解コンデンサ63が配設されているので、円筒部11内の隙間からシリコーン樹脂70充填用ノズルを挿入してカバー体10内にシリコーン樹脂70を注入したり、カバー体内10に点灯装置60を収納する前にシリコーン樹脂70を複数の電子部品62に充分シリコーン樹脂70を覆ってからカバー体10を被覆していても構わない。なお、シリコーン樹脂70の注入方法は、複数の電子部品62およびカバー体10にシリコーン樹脂70を確実に接触が可能であれば特に限定されない。
【0050】
このように、カバー体10の上側よりシリコーン樹脂70を充填することにより、シリコーン樹脂70を確実に充填することが可能となる。また、カバー体10上端の開口より作業するので、シリコーン樹脂70は自重により、複数の電子部品62上側から回路基板面61へと向かうので、作業効率が向上する。
【0051】
次に、点灯装置60と口金20をリード線(図示しない)により電気接続し、カバー体10の円筒部11を口金20で覆い、口金20をかしめることにより口金20がカバー体10に取付けられる。このように構成された電球形蛍光ランプは、入力電力定格13Wで、3波長発光形蛍光体の使用により、810lm程度の全光束が得られる。
【0052】
最後にカバー体10の下端内面の円周縁部とグローブ30開口円周縁部をシリコーン樹脂などの接着剤により接着固定する。
【0053】
なお、上記実施の形態の電球形蛍光ランプは、蛍光ランプ50を覆うグローブ30を有しているが、グローブ30を有していなくても構わない。
【0054】
以上のような構成により、電球形蛍光ランプの点灯装置60に電源が投入されると点灯装置60によって蛍光ランプ50の一対の電極間に始動電圧が印加されて蛍光ランプ50が放電を開始し電球形蛍光ランプが点灯する。
【0055】
このように、電球形蛍光ランプの点灯中は、点灯装置60が発熱し、コンパクトに収容したカバー体10内の温度はある程度上昇するが、熱伝導性物質70を介してカバー体10からの放熱が可能となり、外部へ効率よく放熱が可能とる。
【0056】
図3はカバー体10内にシリコーン樹脂70を充填した電球形蛍光ランプ(a)とシリコーン樹脂70を充填していない電球形蛍光ランプ(b)との電子部品62の温度を比較した実験結果を示すグラフである。シリコーン樹脂70の充填の有無以外は全て同一の構成として比較した結果を示すものであり、本実験では電球形蛍光ランプの入力電力を変化させて点灯させたときの電子部品としての予熱コンデンサの温度を測定したものである。入力電力は、印加電圧を調整することで変化させた。
【0057】
図3のグラフから明らかなように、シリコーン樹脂70をカバー体10内に充填した電球形蛍光ランプ(a)は、シリコーン樹脂70を充填していない従来品(b)に比して、カバー体10内の温度およびシリコーン樹脂70で覆われている電子部品62の温度が低減していることがわかる。
【0058】
これにより、複数の電子部品62を確実に保護し、信頼性の高い点灯装置60を提供することが可能となる。これにより寿命特性の改善を図ることが可能となり、商品性に優れた電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0059】
次に第二の実施の形態を図面を参照して説明する。図4は第二の実施形態を示す断面図であり、図1と異なる説明のため、口金20を取り外した状態を示している。
【0060】
なお、本実施形態の電球形蛍光ランプは、カバー体10内のシリコーン樹脂70をカバー体10内部全域に充填する以外は、第一の実施形態と同一である。
【0061】
蛍光ランプ50および点灯装置60が上述のように取付けられたホルダ40を用意し、ホルダ40をカバー体10の開口から内側へ挿入することで、カバー体10の下側内面の複数の係合凹部13とホルダ40に形成された係合爪41とが嵌合固定する。そして、カバー体10の円筒部11の開口を上側にした状態で、この開口より回路基板61に実装されている複数の電子部品62およびカバー体10内面に、熱伝導性が良く流動性を有する粘性体であるシリコーン樹脂70を注入する。カバー体10の円筒部11内にから注入作業を行うが、円筒部11内には比較的大きい電子部品62である電解コンデンサ63が配設されているので、円筒部11内の隙間からシリコーン樹脂70充填用ノズルを挿入して、カバー体10内の底面である回路基板上面61aから円筒部11の開口までカバー体10内全域にわたり充填させる。
【0062】
カバー体10内全域にわたりシリコーン樹脂70で充填するということは、電子部品62全てを覆いカバー体10内全域がシリコーン樹脂70と接触することとなる。さらに、硬化前のシリコーン樹脂70は、粘性体でありカバー体10上端の円筒部11開口までシリコーン樹脂70を充填すると表面張力がおき、この状態で口金20を取り付けることにより、口金20とシリコーン樹脂70とを接触させることが可能である。このように、カバー体10および放熱作用が高い金属製の口金20を通じてカバー体10内の熱が放熱可能となり、放熱面積が広くなるので放熱が一層効果的になる。
【0063】
回路基板下面61bには、FETなどのスイッチング素子が実装されている場合には、回路基板上面61aにシリコーン樹脂70がほぼ全面接触しているので、回路基板下面61Bの電子部品が発する熱を、回路基板61を介して、シリコーン樹脂70に吸収させることが可能であり、やはり効率的に放熱されることができる。
【0064】
カバー体10の下端内面の円周縁部とグローブ30開口円周縁部をシリコーン樹脂などの接着剤により、接着固定する。
【0065】
なお、上記実施の形態の電球形蛍光ランプは、蛍光ランプ50を覆うグローブ30を有しているが、グローブ30を有していなくても構わない。
【0066】
以上のような構成により、電球形蛍光ランプの点灯装置60に電源が投入されると点灯装置60によって蛍光ランプ50の一対の電極間に始動電圧が印加されて蛍光ランプ50が放電を開始し電球形蛍光ランプが点灯する。
【0067】
このように、電球形蛍光ランプの点灯中は、点灯装置60および蛍光ランプ50が発熱し、コンパクトに収容したカバー体10内の温度はある程度上昇するが、カバー体10内全域をシリコーン樹脂70により充填することにより、カバー体10および口金20からの放熱が可能となり、複数の電子部品62を保護することにより、信頼性の高い点灯装置60を提供することが可能となる。
【0068】
次に第三の実施の形態を図面を参照して説明する。図5は、電球形蛍光ランプの断面図である。
【0069】
なお、本実施形態の電球形蛍光ランプは、カバー体10内に充填するシリコーン樹脂70を口金20側に位置する電解コンデンサ63の安全弁63aを塞がない程度に充填し、ホルダ40および回路基板61ならびにシリコーン樹脂70により蛍光ランプ50側の空気がカバー体内に侵入することがないように遮断するよう充填する。さらに、難燃剤入り樹脂によりホルダ40が形成されている以外は、第一および第二の実施形態と同一である。
【0070】
カバー体10の下端には、臭素系化合物である例えば臭素化ポリカーボネートとPBTとSb2O3からなるほぼ円皿状に形成された難燃剤を含んだホルダ40が取付けられている。
【0071】
このホルダ40に蛍光ランプ50および点灯装置60を取付け、ホルダ40をカバー体10の開口から内側へ挿入し嵌合固定する。そして、カバー体10の円筒部11の開口を上側にした状態で、この開口より回路基板61に実装されている複数の電子部品62およびカバー体10内面に、熱伝導性が良く流動性を有する粘性体であるシリコーン樹脂70を注入する。シリコーン樹脂70の充填は、カバー体10の円筒部11内から注入作業を行い、円筒部11内に位置する円筒状の電解コンデンサ63の上面にある安全弁63aを除き、円筒部11内と電解コンデンサ63の側面の隙間からシリコーン樹脂70充填用ノズルを挿入して、カバー体10内の底面である回路基板上面61aから電解コンデンサ63の側面中央部分であるカバー体本体12内ほぼ全域にわたり充填させる。
【0072】
カバー体10内ほぼ全域にわたりシリコーン樹脂70で充填するということは、電解コンデンサ63を除く電子部品62全てを覆いカバー体本体12内全域がシリコーン樹脂70と接触し、カバー体10内は、回路基板61およびシリコーン樹脂70により密閉された空間となる。
【0073】
カバー体10の下端内面の円周縁部とグローブ30開口円周縁部をシリコーン樹脂などの接着剤により、接着固定し、カバー体円筒部11に口金20を被覆することで電球形蛍光ランプは完成する。
【0074】
このように組み立てられた電球形蛍光ランプの点灯中、さらなる小形化が進んだ蛍光ランプ50の高出力化、電極の温度上昇などにより、難燃性を高めるために樹脂性のホルダ40に添加された臭素系化合物の添加がその熱および紫外線の影響を受け、樹脂の分解によってブロモヘノール類などが発生する。しかし、カバー体10側の、回路基板61およびシリコーン樹脂70により蛍光ランプ50側からの空気を遮断し、さらに電解コンデンサ63の封口部63bにはシリコーン樹脂70により覆われているため、ホルダ40から臭素系ガスが放出されたとしても、カバー体10内に収容された点灯装置60に悪影響を及ぼすことがなくなる。
【0075】
なお、上記実施の形態の電球形蛍光ランプは、蛍光ランプ50を覆うグローブ30を有しているが、グローブ30を有していなくても構わない。
【0076】
以上のような構成により、電球形蛍光ランプの点灯装置60に電源が投入されると点灯装置60によって蛍光ランプ50の一対の電極間に始動電圧が印加されて蛍光ランプ50が放電を開始し電球形蛍光ランプが点灯する。
【0077】
このように、難燃剤入り樹脂により形成されたホルダ40を使用したとしても、カバー体10内の空間を回路基板61およびホルダ40ならびにシリコーン樹脂70により蛍光ランプ50側からの空気を遮断しているので、蛍光ランプ50の熱および紫外線の影響を受けて臭素系のガスが発生したとしても、点灯装置60に悪影響を及ぼすことがなくなる。さらに、カバー体10内の温度はある程度上昇するが、カバー体10内ほぼ全域をシリコーン樹脂70により充填することにより、シリコーン樹脂70を介してカバー体10および口金20からの放熱が可能となり、複数の電子部品62を保護することにより、信頼性の高い点灯装置60を提供することが可能となる。
【0078】
図6はシリコーンを充填していない従来品の電球形蛍光ランプ(A)と回路基板61の蛍光ランプ50面からホルダ40の円皿間にシリコーン樹脂70を充填した電球形蛍光ランプ(B)と第三の実施形態である電球形蛍光ランプ(C)とホルダ40の円皿面からカバー体10の口金被着部11を除く部分までシリコーン樹脂70を充填した電球形蛍光ランプ(D)それぞれの電子部品62の平均温度を比較した実験結果を示すグラフである。シリコーン樹脂70の充填の有無以外は全て同一の構成として比較した結果を示すものであり、入力電力10Wで一定点灯させたときの電子部品62の平均温度を測定したものである。
【0079】
図6のグラフから明らかなように、シリコーン樹脂70を充填しない(A)と、蛍光ランプ50と点灯装置60間のいわゆる空気層にのみにシリコーン樹脂70を充填した電球形蛍光ランプ(B)を比べると、空気層にシリコーン樹脂70を充填した電球形蛍光ランプ(B)の電子部品62の温度は若干上がり、この部分にシリコーン樹脂70を充填してしまうと蛍光ランプ50からの熱を点灯装置60側に伝導させ、温度を下げたいカバー体10内空間の温度を逆に上げてしまうことになることがわかった。
【0080】
第三の実施形態である電球形蛍光ランプ(C)は、回路基板61に実装された複数の電子部品62のうち電解コンデンサ63の安全弁63aを除き、カバー体10のほぼ全域にシリコーン樹脂70を充填しいており、回路基板61の電子部品62の温度は、(A)、(B)に比べて大きく温度が下がっている。また、ホルダ40の円皿面からカバー体10内ほぼ全域にシリコーン樹脂70を充填した電球形蛍光ランプ(D)は、(C)に比べ微妙に温度の低下はあったものの、温度の低下は大きくなかった。
【0081】
つまり、図8のグラフから、シリコーン樹脂70を充填する部分は、カバー体10に収容された複数の電子部品62のうち、回路基板61の口金20側面にのみ充填することで、複数の電子部品62を確実に保護し、信頼性の高い点灯装置60を提供することが可能となる。これにより寿命特性の改善を図ることが可能となり、商品性に優れた電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0082】
次に第四の実施の形態を図面を参照して説明する。図7は電球形蛍光ランプを示す断面図である。
【0083】
図7は電球形蛍光ランプであり、カバー体10、口金20およびグローブ30を有する外囲器、ホルダ40に取付けられて外囲器内に収容される蛍光ランプ50および点灯装置60を備えている。
【0084】
外囲器は、ミニクリプトンなどの小形白熱電球の規格寸法に近似する外形で、口金20からグローブ30までの高さ方向の寸法が75〜105mmであって、グローブ30の最大直径部分に対応した幅方向の寸法が35〜45mmに形成されている。
【0085】
カバー体10は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて蛍光ランプ50側の下方に拡開する略椀状に形成されて、エジソンタイプのE17型口金2がカバー体10の上端部に接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0086】
カバー体10の下端には、例えばPBT樹脂などの耐熱性合成樹脂によりほぼ円皿状に形成されたホルダ40が取付けられている。ホルダ40の円皿面には、蛍光ランプ50を取付けるための取付孔(図示しない)が、ホルダ4の周縁には円皿面から側壁が形成され、ホルダ4上端側壁には、カバー体10内面と嵌合固定する複数の係合爪41が形成されている。
【0087】
蛍光ランプ50は、複数のガラス製のバルブ51を有し、このバルブ51の内面に蛍光体層が形成され、3本のバルブ51内部にはアルゴンなどの希ガスや水銀などを含む封入ガスが封入されている。
【0088】
各バルブ51、管外径が5〜10mm、管内径5mm未満の3本のU字形屈曲バルブ51を有し、これらU字形屈曲バルブ51のU字形をなす面が互いに平行に対向するように並設され接続されている。
【0089】
両側のU字形屈曲バルブ51の電極が封装されない側の各端部と中央のU字形屈曲バルブ5aの各端部とが連結管で順次接続されて放電路長が120〜200mmの1本の連続した放電路が形成されている。
【0090】
両端の屈曲バルブ51の電極が封装されていない側の各端部、および中央の屈曲バルブ51の一端は、ピンチシールによって封装されている。さらに、排気管としての円筒状の細管53が連通状態に突設されており、各細管53は、屈曲バルブ51の製造過程で順次溶断封止される。
【0091】
中央の屈曲バルブ51の細管53は、管外径が約3〜4mm程度でその中にはアマルガム80が封入され、電極近傍には補助アマルガムが取付けられている。
【0092】
そして、蛍光ランプ50の各屈曲バルブ51の各端部がホルダ40の各取付孔に挿入されるとともにホルダ40と屈曲バルブ51はシリコーン樹脂70などの接着剤により互いに固定される。
【0093】
ホルダ40の蛍光ランプ50非装着側には、点灯装置60が蛍光ランプ50の長手方向と直交する平行な面に配置される。回路基板61上には、アマルガム80が封入された細管53に対応する外周付近の所望位置に半径3mm程度の開口が形成されている。この開口を除く回路基板61の両面には複数の電子部品62が実装され、高周波点灯を行うインバータ回路が構成されている。複数の電子部品62には、比較的耐熱性が弱い電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの部品も含まれている。回路基板61の中央部には電解コンデンサが配置されており、回路基板61に立設された状態でカバー体10上側の円筒部11に収納される。また、回路基板下面61bには、比較的耐熱性が強く、厚さ寸法の小さいチップ状のRECなどの部品が実装されている。
【0094】
ホルダ40の蛍光ランプ50非装着側に回路基板61を押し込むことで点灯装置60が取付けられると同時に、屈曲バルブ51端部から突設されたアマルガム80が封入された細管53は回路基板61の開口61cから口金側に貫通する。また、ホルダ40をカバー体10の開口から内側へ挿入することでそれぞれの係合手段により嵌合固定する。
【0095】
熱伝導性物質としてのシリコーン樹脂70は、第一の実施の形態と同様に、点灯装置60に実装されている複数の電子部品62および回路基板61から突出した細管53を覆うように充填する。回路基板61から導出されたリード線(図示しない)は、電解コンデンサと円筒部11との隙間に配線され、口金20と接続することで電球形蛍光ランプは構成される。
【0096】
次に、点灯装置60と口金20をリード線(図示しない)により電気接続し、カバー体10の円筒部11に口金20を取付ける。
【0097】
最後にカバー体10の下端内面の円周縁部とグローブ30開口円周縁部をシリコーン樹脂などの接着剤により接着固定する。
【0098】
上述のように組み立てられた電球形蛍光ランプの消費電力は10Wで、管壁負荷は0.25W/cm2以上となる。このように屈曲バルブ51が細径化し放電路長が長くなるにつれて、消費電力に対する蛍光ランプ50内面積が極端に小さくなるため、管壁負荷が高くなり、単位面積あたりの紫外線強度、イオン衝撃および温度負荷が大きくなることで、温度上昇が著しくなる。しかし、コンパクトに収容したカバー体10の温度はある程度上昇するが、カバー体10内にシリコーン樹脂70を充填しているので、効率的に放熱が可能となる。
【0099】
これにより、複数の電子部品62を熱影響から確実に保護し、信頼性の高い点灯装置60を提供することが可能となる。これにより寿命特性の改善を図ることが可能となり、商品性に優れた電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0100】
また、カバー体10の上側よりシリコーン樹脂70を充填することにより、シリコーン樹脂7を隙間なく充填することが可能となる。また、カバー体10上端の開口より作業するので、シリコーン樹脂70は自重により、複数の電子部品62上側から回路基板61面へと向かうので、作業効率が容易となる。さらに、回路基板61の開口61cから貫通している細管53内のアマルガム80は、蛍光ランプ50の始動時において、細管53と接触しているシリコーン樹脂70が複数の電子部品62から発する熱を吸収し、その熱を熱伝導することで、アマルガム80が暖められ水銀を素早く蒸発することにより光束立上り特性を向上できるものである。
【0101】
さらに、対流による熱の影響を受けることが抑制されるので、点灯方向を変えても水銀蒸気圧が変動することを抑えることが可能となる。硬化後の硬さを100JIS A以下とすることで、シリコーン樹脂70と接触している電子部品62などの熱膨張差により応力が加わることで、はんだクラックなどの不具合が起きるのを防ぐ。細管53全体を被覆しているシリコーン樹脂70が熱膨張したとしても、クラックなどの発生が抑制される。
【0102】
一方、熱伝導性物質の硬化後の硬さが小さくなるにつれて、熱伝導率が下がる傾向にあるため、ある程度の硬さは必要である。
【0103】
また、細管53を回路基板61の開口61cから貫通させることで、電球形蛍光ランプの長さ方向の小形化が一層図れる。
【0104】
なお、上記実施の形態の電球形蛍光ランプは、蛍光ランプ50を覆うグローブ30を有しているが、グローブ30を有していなくても構わない。
【0105】
また、PBT樹脂などの耐熱性合成樹脂にて形成されたホルダ40は、金属材料などにより形成されていても構わない。
【0106】
図8は、本発明の照明器具の一実施形態を示す一部切欠断面図である。
【0107】
図において8aは電球形蛍光ランプである。8bは埋め込み形照明器具本体であり、器具本体8bは基体8c、ソケット8dおよび反射板8eから構成されている。
【発明の効果】
【0108】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、点灯装置の回路基板に実装された少なくとも一部の電子部品を熱伝導率が0.1W/(m・k)以上の熱伝導性物質で被覆するとともに、点灯装置の回路基板よりも口金側のカバー体内面に熱伝導性物質を接触させることにより、電子部品および蛍光ランプが発する熱を熱伝導性物質を介して外部へ効率よく放熱し、カバー体内の温度上昇を抑制させることが可能となる。さらに、ランプ入力電力あたりのカバー体の口金被着部を除いた外表面積が500mm2/W以下となるように電球形蛍光ランプを高出力、小形化しても、この点灯装置の少なくとも一部の電子部品を被覆するとともにカバー体内面に接触するように熱伝導性物質を充填するため、点灯装置および蛍光ランプから発する熱が効果的にカバー体外に放熱され、点灯装置が受ける熱影響を低減される。
【0109】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1記載の作用に加えて、カバー体内の熱を熱伝導性物質及びカバー体を介して確実に放熱することが可能とる。
【0110】
請求項3記載の電球形蛍光ランプによれば、熱伝導性物質の硬化前の粘度が10〜500Pa・sのものを使用することにより、カバー体内の電子部品およびカバー体内面に隙間なく効果的に接触することが可能となり、さらに硬化前に回路基板と蛍光ランプ保持体の隙間から垂れ落ちることが抑制される。
【0111】
請求項4記載の電球形蛍光ランプは、熱伝導性物質の硬化後の硬さが100JIS A以下であるので、熱伝導性物質が熱膨張しても電子部品に加わる応力が小さくなり、熱伝導性物質と接触する電子部品等に不具合が発生することを抑制できる。
【0112】
請求項5記載の電球形蛍光ランプによれば、蛍光ランプの小形化に伴い蛍光ランプの発熱量が増大し、点灯装置を収容するカバー体も小形化されてカバー体内の温度が高温となるが、熱伝導性物質にアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)およびマグネシウム(Mg)からなる群のうち一種類の元素の酸化物、窒化物および酸化水和物のうちの少なくとも一種からなるフィラーが0.1質量%以上添加することで、高温となるカバー体内に充填する熱伝導性物質の熱伝導率が一層良くなり、電子部品および蛍光ランプから発する熱を効率よく放熱することが可能となり、点灯装置がその熱影響を受けることが抑制できる。
【0113】
請求項6記載の電球形蛍光ランプによれば、高温となるカバー体内に充填される熱伝導性物質のオリゴマー成分の単量体および合計含有量を規定することで、使用中熱伝導性物質から発生するオリゴマー成分のガスを問題ない程度まで抑制することができる。
【0114】
請求項7記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1ないし7いずれか一記載の効果に加え、口金は、少なくとも接点部が熱伝導率の高い金属製であるため、この口金に熱伝導性物質を接触させることで、放熱効果を高めることが可能となる。
【0115】
請求項8記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1ないし7記載の作用に加えて、難燃剤入り樹脂を使用することでより安価な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0116】
請求項9記載の電球形蛍光ランプは、蛍光ランプの全ての端部が回路基板に対向しているため、電極を封装した端部と近接している点灯装置はその熱影響を受けやすいが、カバー体内に充填した熱伝導性物質を介してカバー体内が高温となることを抑制できる。
【0117】
請求項10記載の照明器具によれば、請求項1ないし9いずれか一記載の発明の作用を有する電球形蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明電球形蛍光ランプの第一の実施形態を示す側面図。
【図2】図1の電球形蛍光ランプの組み立て断面図。
【図3】電子部品の温度比較を示すグラフ。
【図4】本発明電球形蛍光ランプの第二の実施形態を示す断面図。
【図5】本発明電球形蛍光ランプの第三の実施形態を示す断面図。
【図6】熱伝導性物質充填量および電子部品の平均温度を示すグラフ。
【図7】本発明電球形蛍光ランプの第四の実施形態を示す断面図。
【図8】本発明照明器具の一実施形態を側面一部断面図。
【符号の説明】
【0119】
10…カバー体、20…口金、30…グローブ、40…ホルダ、50…蛍光ランプ、60…点灯装置、70…シリコーン樹脂
Claims (10)
- 屈曲形の蛍光ランプと;
一方側に口金が他方側に前記蛍光ランプがそれぞれ取付けられたカバー体と;
蛍光ランプを点灯させる点灯回路を構成する複数個の電子部品およびこれらの電子部品が電解コンデンサを中央部に配して実装された回路基板を有し、カバー体内に収容された点灯装置と;
この点灯装置の複数個の電子部品のうち発熱温度の高い電子部品を被覆するとともに点灯装置の回路基板よりも口金側のカバー体内面ならびに回路基板面に接触するようにカバー体内側に充填され、熱伝導率が0.1W/(m・k)以上である熱伝導性物質と;
を具備しており、ランプ入力電力あたりのカバー体の口金被着部を除いた外表面積が500mm2/W以下であることを特徴とする電球形蛍光ランプ。 - カバー体の内表面に熱伝導性物質が接触する接触面積は、カバー体内表面積の30%以上であることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
- 熱伝導性物質は、硬化性を有しており、カバー体内に充填する硬化前の熱伝導性物質の粘度が10〜500Pa・sであることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
- 熱伝導性物質の硬化後の硬さは100JIS A以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
- 熱伝導性物質には、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)およびマグネシウム(Mg)からなる群のうち一種類の元素の酸化物、窒化物および酸化水和物のうちの少なくとも一種からなるフィラーが0.1質量%以上添加されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
- 熱伝導性物質は、相互に完全に結合されずに残った単量体数がD10以下のオリゴマー成分の合計含有率が5000ppm以下であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
- 熱伝導性物質は、少なくとも口金の一部に接触するよう充填されていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
- カバー体の非口金側に蛍光ランプを保持する保持体が設けられており、この保持体は、難燃剤入り樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1記載ないし7いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
- 蛍光ランプの全ての端部が回路基板に対向するよう取付けられていることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
- 請求項1ないし9いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;この電球形蛍光ランプが装着された器具本体と;を具備していることを特徴とする照明器具。
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