JP4423877B2 - 2−トリフルオロメチルジヒドロピラン誘導体、液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents
2−トリフルオロメチルジヒドロピラン誘導体、液晶組成物および液晶表示素子 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは2−トリフルオロメチルジヒドロピラン環を有する液晶性化合物、この化合物を含有する液晶組成物、およびこの組成物を含有する液晶表示素子に関する。
【0002】
液晶性化合物の用語は、液晶相を有する化合物および液晶相を有さないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称として用いる。液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と表記することがある。式(1)から式(13)で表わされる化合物をそれぞれ化合物(1)から化合物(13)と表記することがある。式(2)から式(12)において、六角形で囲んだB、D、Eなどの構造単位は環B、環D、環Eなどを示す。そのほかの六角形は1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンおよびピリミジン−2,5−ジイルである。
【0003】
【従来の技術】
液晶表示素子は、表示方式に基づいてTN(Twisted nematic)、TN−TFT(Twisted nematic−Thin film transistor)、BTN(Bistable twisted nematic)、STN(Super twisted nematic)、IPS(In-plane switching)、GH(Guest host)、DS(Dynamic scattering)、VA(Vertical alignment)、OCB(Optically compensated bend)、ECB(Electrically controlled birefringence)、PC(Phase change)などのモードに分類される。
【0004】
これらの素子は、適切な物性を有する液晶組成物を含有する。素子の特性を向上させるには、この組成物が適切な物性を有する液晶性化合物を含有するのが好ましい。この化合物に必要な一般的物性は、水、空気、熱、光などに対する安定性、液晶相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、他の液晶性化合物との良好な相溶性などである。ネマチック相の高い上限温度を有する化合物は好ましい。ネマチック相、スメクチック相などの液晶相において低い下限温度を有する化合物は好ましい。小さな粘度を有する化合物は短い応答時間を有する素子に寄与する。低い電圧で素子を駆動するには正に大きな誘電率異方性を有する化合物または負に大きな誘電率異方性を有する化合物が好ましい。小さな誘電率異方性を有する化合物は粘度などを調整するのに好ましい。組成物を調製するには他の化合物との良好な相溶性を有する化合物が好ましい。素子を氷点下の温度で使うこともあるので、低い温度で良好な相溶性を有する化合物が好ましい。
【0005】
液晶表示素子における第1の課題は、消費電力を小さくすることである。消費電力を小さくするには、素子の駆動電圧は低い方がよい。そこで、しきい値電圧の低い液晶組成物が要求される。しきい値電圧(Vth)は、下式により表わされる(例えば、非特許文献1参照。)。
Vth=π{K/(ε0・Δε)}1/2
この式において、Kは組成物の弾性定数、ε0は真空の誘電率およびΔεは組成物の誘電率異方性である。この式から判るように、しきい値電圧を下げる方法は、誘電率異方性を大きくするか、または弾性定数を小さくするかの二通りである。弾性定数を制御することは容易でないので、通常は大きな誘電率異方性を有する組成物を用いる。このような事情から誘電率異方性の大きな化合物が開発されてきた。
【0006】
液晶表示素子における第2の課題は、レタデーション(retardation)の最適化である。レタデーションは組成物の光学異方性と素子のセルギャップとの積である。反射型の素子においては、セルギャップを小さくするのは特に困難であるので、小さな光学異方性を有する組成物が好ましい。つまり、小さな光学異方性を有する化合物が必要になる。前述のようにしきい値電圧を下げるためには大きな誘電率異方性が必要である。したがって、小さな光学異方性と大きな誘電率異方性を有する化合物が必要である。
【0007】
【非特許文献1】
Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1970, 12, 57
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、化合物に必要な一般的物性、小さな光学異方性、大きな誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性において、複数の物性を充足する液晶性化合物を提供することである。第二の目的は、この化合物を含有する液晶組成物、そしてこの組成物を含有する液晶表示素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは化合物(1)が、化合物に必要な一般的物性、小さな光学異方性、大きな誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性において、複数の物性を充足することを見いだした。この化合物を含有する組成物は、小さな光学異方性、大きな誘電率異方性、および大きな電圧保持率を有し、そしてこの組成物が液晶表示素子に有用であることも見いだした。本発明の目的を達成するための本発明の態様は下記のとおりである。化合物(1)における末端基、環および結合基に関して、好ましい例も述べる。
【0010】
1.下記の式(1)で表される化合物
式(1)において、Raは炭素数1〜20を有するアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−S−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
【0011】
「アルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−などで置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。C4H9−において任意の−CH2−を−O−または−CH=CH−で置き換えた基の一部は、C3H7O−、CH3−O−(CH2)2−、CH3−O−CH2−O−、H2C=CH−(CH2)3−、CH3−CH=CH−(CH2)2−、およびCH3−CH=CH−CH2−O−である。このように「任意の」語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH3−O−O−CH2−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH3−O−CH2−O−の方が好ましい。
【0012】
好ましいRaは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、およびアルキニルオキシである。少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられたこれらの基も好ましい。好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。より好ましいハロゲンはフッ素である。これらの基は分岐鎖よりも直鎖の方が好ましい。分岐したRaは化合物(1)が光学活性であるときに好ましい。より好ましいRaは任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよいアルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアルケニルオキシである。特に好ましいRaは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよいアルキルである。アルキルの炭素数は1〜20である。好ましいアルキルの炭素数は1〜10である。より好ましいアルキルの炭素数は1〜6である。
【0013】
アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。好ましい立体配置を有するアルケニルは、高い透明点または液晶相の広い温度範囲を有する。Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1985,
131, 109.を参照。
【0014】
具体的なRaは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、1−プロピニル、および1−ペンチニルである。
【0015】
具体的なRaは、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロビニル、2,2−ジフルオロビニル,3−フルオロ−1−プロペニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル、4−フルオロ−1−プロペニル、および4,4−ジフルオロ−3−ブテニルでもある。より好ましいRaは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルである。特に好ましいRaは、エチル、プロピルおよびペンチルである。
【0016】
A1、A2、およびA3は独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−3,6−ジイルであり、これらの環において任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。より好ましいA1、A2、およびA3は独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、または任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレンである。好ましいハロゲンはフッ素である。
【0017】
好ましいA1、A2、およびA3は1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、6−フルオロピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、およびピリダジン−3,6−ジイルである。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。より好ましいA1、A2、およびA3は1,4−シクロヘキシレンおよび1,4−フェニレンである。
【0018】
Z1、Z2およびZ3は独立して単結合、−(CH2)2−、−(CF2)2−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、または−O(CH2)3−である。
【0019】
好ましいZ1、Z2およびZ3は単結合、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、および−C≡C−である。より好ましいZ1、Z2およびZ3は、単結合、−(CH2)2−、および−(CH2)4−である。−CH=CH−および−CF=CF−の立体配置はシスよりもトランスが好ましい。特に好ましいZ1、Z2およびZ3は、単結合である。
【0020】
mおよびnは独立して0または1である。mおよびnが0である化合物は二環を有する。mが0であり、nが1である化合物は三環を有する。mおよびnが1である化合物は四環を有する。化合物の物性に大きな差異がないので、化合物(1)は2H(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。
【0021】
2. 項1に記載の式(1)において、A1、A2、およびA3が独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、または任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレンである項1に記載の化合物。
3. 項1に記載の式(1)において、Z1、Z2およびZ3が独立して単結合、−(CH2)2−または−(CH2)4−である項1または2に記載の化合物。
【0022】
4. 項1に記載の式(1)において、Raが任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20の、アルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアルケニルオキシである項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
5. 項1に記載の式(1)において、Raが任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20のアルキルである項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【0023】
6. 項1に記載の式(1)において、Z1、Z2およびZ3が単結合である項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
7. 項1に記載の式(1)において、mおよびnが0である項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【0024】
8. 項1に記載の式(1)において、mが0およびnが1である項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
9. 項1に記載の式(1)において、mが1およびnが1である項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
10. 項1〜9のいずれか1項に記載した少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
【0025】
11. 下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項10に記載の組成物。
【0026】
式中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;X1はフッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2、または−OCF2CHFCF3であり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;Z4およびZ5は独立して−(CH2)2−、−(CH2)4−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてL1およびL2は独立して水素またはフッ素である。
【0027】
12. 下記の式(5)および(6)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項10に記載の組成物。
【0028】
式中、R2およびR3は独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;X2は−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Z6は−(CH2)2−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、または単結合であり;L3、L4およびL5は独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
【0029】
13. 下記の式(7)、(8)および(9)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項10に記載の組成物。
【0030】
式中、R4およびR5は独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Z7およびZ8は独立して−(CH2)2−、−COO−または単結合であり;そしてL6およびL7は独立して水素またはフッ素であり、L6とL7の少なくとも1つはフッ素である。
【0031】
14. 下記の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項10に記載の組成物。
【0032】
式中、R6およびR7は独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZ9およびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH2)2−、−CH=CH−、または単結合である。
【0033】
15. 項14に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項13に記載の組成物。
16. 項14に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する12項に記載の組成物。
【0034】
17. 項12に記載の式(5)および(6)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項11に記載の組成物。
18. 項14に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項17に記載の組成物。
【0035】
19. 項14に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項13に記載の組成物。
20. 少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する項8〜19のいずれか1項に記載の組成物。
21. 項8〜20項に記載の組成物を含有する液晶表示素子。
【0036】
22. 下記の式(13)で表されるホスホニウム塩に塩基を作用することを特徴とする、項1記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
【0037】
化合物(2)から化合物(12)において、好ましい基は次のとおりである。分岐のアルキルよりも直鎖のアルキルが好ましい。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。「アルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよい」の句の意味は、本発明の態様の項1において述べた。R1、環Bなどの記号を複数の化合物において用いたが、これらのR1(または環Bなど)は同一であってもよいし、異なってもよい。化合物の物性に大きな差異がないので、これらの化合物は2H(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。
【0038】
【発明の実施の態様】
第一に、本発明の化合物(1)をさらに説明する。この化合物は、素子が通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であり、そして他の液晶性化合物との相溶性がよい。この化合物を含有する組成物は、素子が通常使用される条件下で安定である。この組成物を低温で保管しても、この化合物が固体として析出することがない。この化合物は小さな光学異方性および大きな誘電率異方性を有する。
【0039】
化合物(1)の末端基、環および結合基を適当に選択することによって、光学異方性などの物性を任意に調整することが可能である。末端基Ra、環A1〜A3、および結合基Z1〜Z3の種類が、化合物(1)の物性に与える効果を以下に説明する。化合物(1)を組成物に添加すると、化合物(1)の物性は組成物のそれに影響する。
【0040】
化合物(1)のRaが直鎖であるときは液晶相の温度範囲が広く、そして粘度が小さい。Raが分岐鎖であるときは他の液晶性化合物との相溶性がさらによい。Raが光学活性基である化合物は、キラルドーパントとして有用である。この化合物を組成物に添加することによって、素子に発生するリバース・ツイスト・ドメイン(reverse twisted domain)を防止することができる。Raが光学活性基でない化合物は組成物の成分として有用である。
【0041】
化合物(1)の環A1、A2、またはA3が、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルのときは、誘電率異方性が大きい。この環が、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−3,6−ジイルのときは光学異方性が大きい。この環が、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルのときは光学異方性が小さい。
【0042】
少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシシレンであるときは、透明点が高く、光学異方性が小さく、そして粘度が小さい。少なくとも1つの環が1,4−フェニレンのときは、光学異方性が比較的大きい。少なくとも2つの環が1,4−フェニレンのときは、光学異方性が大きく、液晶相の温度範囲が広く、そして透明点が高い。
【0043】
結合基Z1、Z2またはZ3が単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−(CH2)4−のときは粘度が小さい。結合基が単結合、−(CH2)2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、または−(CH2)4−のときは粘度がより小さい。結合基が−CH=CH−または−CF=CF−のときは液晶相の温度範囲が広く、そして弾性定数比が大きい。結合基が−C≡C−のときは光学異方性が大きい。
【0044】
化合物(1)が二環または三環を有するときは粘度が小さく、二環を有するときは粘度がより小さい。化合物(1)が三環または四環を有するときは透明点が高く、四環を有するときは透明点がより高い。三環を有するときは小さな粘度と高い透明点を有する。以上のように、末端基、環および結合基の種類、環の数を適当に選択することにより目的の物性を有する化合物を得ることができる。
【0045】
化合物(1)の好ましい例は化合物(1−1)〜(1−30)である。これらの化合物におけるRa、Z1、Z2、Z3記号の意味は、本発明の態様の項1に記載したそれと同一である。これらの化合物に存在する1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−3,6−ジイルの環において、任意の水素はフッ素のようなハロゲンで置き換えられてもよい。
【0046】
化合物(1−1)〜(1−30)において、好ましいRaは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、およびアルキニルオキシである。少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたこれらの基も好ましい。より好ましいRaは任意の水素がフッ素で置き換えられてもいい、アルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアルケニルオキシである。特に好ましいRaは任意の水素がフッ素で置き換えられてもいいアルキルである。
【0047】
化合物(1−1)〜(1−30)において、好ましいZ1、Z2およびZ3は単結合、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、および−C≡C−である。より好ましいZ1、Z2およびZ3は、単結合、−(CH2)2−、および−(CH2)4−である。特に好ましいZ1、Z2およびZ3は、単結合である。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
化合物(1)は有機合成化学における手法を適当に組み合わせることにより合成できる。出発物質に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、フーベン・バイルによるメソッド・オブ・オーガニック・ケミストリー(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttg)、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・アクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。
【0052】
2−トリフルオロメチルジヒドロピラン環を合成する方法の一例を下記のスキームに示す。この方法に基づいてこの環を有する化合物を合成する。このスキームを説明したあと、結合基を生成する方法の一例を述べる。
【0053】
【0054】
ホスホニウム塩(13)は、対応するハロゲン化物とトリフェニルホスフィンから合成できる。ホスホニウム塩(13)を、塩基性条件で処理することで目的の化合物(1)を合成することができる。ホスホニウム塩の調製方法は、Organic Reactions,Vol 14,(1965)に詳しい記載がある。
【0055】
ホスホニウム塩(13)から化合物(1)を合成するウイティッヒ反応には公知の塩基を好適に使用できる。塩基の例は、ヘキサメチルジシランナトリウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、カリウム−t−ブトオキシド等である。反応温度は−78℃から溶媒の還流温度であるが、0℃から室温の間で反応は十分進行する。反応時間は数分から数時間であるが、通常1ないし2時間で反応は完結する。反応溶媒は使用する試薬と反応しないものであればいずれのものでも好適に使用できる。反応溶媒の例は、テトラヒドロキシフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等である。これらの溶媒にトルエン、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン等を混合してもよい。化合物(13)は対応する1級アルコールにトリフルオロ酢酸無水物を作用させることによって合成できる。この化合物は、後述の実施例に示したように、単離せずに次の反応に使用してもよい。
【0056】
結合基Z1、Z2またはZ3を生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項(XI)でスキームを説明する。このスキームにおいて、MSG1またはMSG2は少なくとも1つの環を有する1価の有機基である。スキームで用いた複数のMSG1(またはMSG2)は、同一であってもよいし、異なってもよい。化合物(1A)から(1K)は化合物(1)に相当する。Halは臭素、またはヨウ素を表す。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
(I)単結合の生成
アリールホウ酸(14)と公知の方法で合成される化合物(15)とを、炭酸塩水溶液とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(16)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムのような触媒の存在下で化合物(15)を反応させることによっても合成される。
【0065】
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(16)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(17)を得る。化合物(17)と、公知の方法で合成されるフェノール(18)とをDCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成できる。
【0066】
(III)−CF2O−と−OCF2−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(19)を得る。化合物(19)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CF2O−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(24)を(ジエチルアミノ)サルファトリフルオリドでフッ素化しても合成される。William H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF2−を有する化合物も合成できる。
【0067】
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(15)をn−ブチルリチウムで処理した後、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミドと反応させてアルデヒド(20)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(21)をカリウムt−ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(20)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
【0068】
(V)−(CH2)2−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
【0069】
(VI)−(CH2)4−の生成
ホスホニウム塩(21)の代わりにホスホニウム塩(22)を用い、項(IV)の方法にしたがって−(CH2)2−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1F)を合成する。
【0070】
(VII)−C≡C−の生成
ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(16)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(23)を得る。ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(23)を化合物(15)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
【0071】
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(16)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(24)を得る。化合物(15)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(24)と反応させて化合物(1H)を合成する。
【0072】
(IX)−CH2O−または−OCH2−の生成
化合物(20)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(25)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(26)を得る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(26)を化合物(27)と反応させて化合物(1J)を合成する。
【0073】
(X)−(CH2)3O−または−O(CH2)3−の生成
化合物(20)の代わりに化合物(28)を用いて、項(IX)の方法にしたがって化合物(1K)を合成する。
【0074】
(XI)−(CF2)2−の生成
J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414.に記載された方法に従い、ジケトン(−COCO−)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF2)2−を有する化合物を得る。
【0075】
第二に、本発明の組成物をさらに説明する。以下で述べる化合物の量(百分率)は組成物の全重量に基づいた重量%である。この組成物は化合物(1)から選ばれる複数の化合物のみを成分として含有してもよい。好ましい組成物は化合物(1)から選択された少なくとも1つの化合物を1〜99%の割合で含有する。この組成物は化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも1つの化合物、化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも1つの化合物、または化合物(7)、(8)および(9)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(10)、(11)および(12)の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性を調整する目的で、その他の化合物をさらに含有してもよい。
【0076】
化合物(2)、(3)および(4)は、誘電率異方性が正で大きく、熱的安定性と化学的安定性が優れるので、主としてTN−TFTモード用の組成物に用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧を調整する、などの目的で化合物(10)、(11)または(12)を組成物にさらに添加してもよい。
【0077】
化合物(5)および(6)は、誘電率異方性が正で非常に大きいので、主としてSTNおよびTNモード用の組成物に用いられる。これらの化合物は組成物の液晶相の温度範囲を広げる、粘度と光学異方性とを調整する、しきい値電圧を下げる、しきい値電圧の急峻性を改良する、などの目的に使用される。STNまたはTNモード用の組成物において、化合物(5)または(6)の量は1〜99%の範囲である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、またはしきい値電圧を調整する目的で化合物(10)、(11)または(12)を組成物にさらに添加してもよい。
【0078】
化合物(7)、(8)および(9)は誘電率異方性が負であるので、主としてVAモード用の組成物に用いられる。化合物(7)は粘度、光学異方性、およびしきい値電圧を調整する目的で使用される。化合物(8)は透明点を高くする、光学異方性を大きくする、しきい値電圧を下げる、などの目的に使用される。これらの化合物の量を増加させるとしきい値電圧が小さくなるが、粘度が大きくなる。したがって、しきい値電圧の要求値を満たすかぎり、より少ない量が好ましい。これらの化合物は誘電率異方性が負であり、かつその絶対値は5以下であるので、好ましい量は40%以上である。より好ましい量は40〜80%である。弾性定数および電圧透過率曲線を調整する目的で、これらの化合物を誘電率異方性が正である組成物に添加してもよい。この場合の好ましい量は30%以下である。
【0079】
化合物(10)、(11)および(12)において、誘電率異方性の絶対値は小さい。化合物(10)は粘度または光学異方性を調整する目的で主に使用される。化合物(11)および(12)は透明点をあげて液晶相の温度範囲を広げる、または光学異方性を調整する目的で使用される。化合物(10)、(11)および(12)の量を増加させると組成物のしきい値電圧が高くなり、粘度が低くなる。したがって、組成物のしきい値電圧の要求値を満たすかぎり多量に使用してもよい。TN−TFTモード用の組成物において、これらの化合物の好ましい量は40%以下である。より好ましい量は35%以下である。STNまたはTNモード用の組成物において、これらの化合物の好ましい量は70%以下である。より好ましい量は60%以下である。
【0080】
好ましい化合物(2)から(12)は、それぞれ化合物(2−1)〜(2−9)、化合物(3−1)〜(3−97)、化合物(4−1)〜(4−33)、化合物(5−1)〜(5−56)、化合物(6−1)〜(6−3)、化合物(7−1)〜(7−3)、化合物(8−1)〜(8−5)、化合物(9−1)〜(9−3)、化合物(10−1)〜(10−11)、化合物(11−1)〜(11−18)、および化合物(12−1)〜(12−6)である。これらの化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X1、およびX2の記号の意味は、本発明の態様の項9から12に記載した記号の意味と同一である。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
本発明の組成物は公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。組成物に適当な添加物を加えて組成物の物性を調整してもよい。このような添加物は当業者によく知られている。液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与える目的でキラルドーパントが添加される。キラルドーパントの例は上記の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−13)である。
【0113】
キラルドーパントを組成物に添加してねじれのピッチを調整する。TNおよびTN−TFTモード用の好ましいピッチは40〜200μmの範囲である。STNモード用の好ましいピッチは6〜20μmの範囲である。BTNモード用の好ましいピッチは1.5〜4μmの範囲である。PCモード用の組成物にはキラルドーパントを比較的多量に添加する。ピッチの温度依存性を調整する目的で少なくとも2つのキラルドーパントを添加してもよい。
【0114】
本発明の組成物は、TN、TN−TFT、STN、GH、DS、ECBなどのモード用に使用できる。メロシアニン、スチリル、アゾ、アゾメチン、アゾキシ、キノフタロン、アントラキノン、テトラジンなどの化合物である二色性色素を添加してGHモード用の組成物を調製する。本発明の組成物は、ネマチック液晶をマイクロカプセル化して作製したNCAPおよび液晶中に三次元網目状高分子を形成させたポリマー分散型液晶表示素子(PD−LCD)、例えばポリマーネットワーク液晶表示素子(PN−LCD)など、にも使用できる。
【0115】
【実施例】
第三に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって制限されない。化合物の相転移温度において、C、Sm、SmA、SmB、N、およびIは、それぞれ、結晶、スメクチック相、スメクチックA相、スメクチックB相、ネマチック相、および等方相である。かっこ内の相転移はそれがモノトロピックであることを示す。温度の単位は℃である。得られた化合物は核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトルなどのデータに基づいて同定した。核磁気共鳴スペクトルにおいて、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレットである。THFはテトラヒドロフランを示す。
【0116】
化合物(1)の誘電率異方性(Δε、25℃)と光学異方性(Δn、25℃)の測定にはベンゾニトリル誘導体からなる液晶組成物A(NI点:71.7℃、Δε:11.0、Δn:0.132)を用いた。この組成物85重量%に、15重量%の化合物(1)を添加して試料を調製した。この測定法はあとで述べる。測定により得られた値を化合物(1)と液晶組成物Aにおける物性値と重量比に基づいて外挿し、誘電率異方性と光学異方性の値を算出した。
【0117】
実施例1
【0118】
(1)5−[4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル]−2−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−4H−ピラン(1−b−8)の合成
【0119】
(第1段)
−78℃に冷却した化合物(30;6.05g)のTHF20mL溶液に、1M/Lヘキサメチルジシラザンナトリウム塩(NaHDMS)20mLを滴下し、さらに15分間撹拌した。−78℃でトリス(ジメチルアミノ)フィン8mLを滴下撹拌し、−78℃で2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロピラン4.18gを加え、室温まで温度を上げ、終夜撹拌した。反応混合物に氷水10mLを加え、有機層を分離させた。水層はジエチルエーテルで抽出した。有機層と抽出液を合わせ、蒸留水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、7.21gの化合物(31)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);7.24−7.09(m,4H),4.60(tt,1H),3.76(m,2H),3.63(s,3H),3.42(m,1H),3.27(m,1H),2.40(m,2H),2.00(m,1H),1.88−1.82(m,5H),1.80−1.50(m,6H),1.42(dq,2H),1.23(m,9H),1.04(dq,2H),0.85(t,3H).
【0120】
(第2段)
窒素雰囲気下、0℃で水素化アルミニウムリチウム0.45gのジエチルエーテル50mL溶液に、化合物(31;7.60g)のジエチルエーテル50mL溶液を撹拌滴下し、その後2時間加熱還流させ、室温に戻し終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液20mLを加え、有機層を分離させた。水層はジエチルエーテルで抽出した。有機層と抽出液を合わせ、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、6.67gの化合物(32)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);7.12(m,4H),4.60(tt,1H),3.74(m,4H),3.43−3.22(m,2H),2.92(m,1H),2.22(tt,1H),2.01(m,2H),1.83−1.78(m,5H),1.75−1.42(m,6H),1.39(dq,2H),1.29(m,9H),1.01(dq,2H),0.92(t,3H).
【0121】
(第3段)
室温で、化合物(32;6.67g)のTHF20mL溶液ピリジン10mLへ無水酢酸5mLを滴下し、3時間撹拌した。反応混合物にペンタン/ジエチルエーテル混合溶液(1/1の体積比)150mLを加え希釈し、氷浴で冷却しながら濃塩酸9.8mLと氷50gを撹拌しながらゆっくりと加えた。有機層を分液し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、20%炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、7.2gの化合物(33)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);7.13(m,4H),4.47(tt,1H),4.20(d,2H),3.83−3.56(m,2H),3.41(m,1H),3.23(m,1H),3.06(m,1H),2.41(tt,1H),2.13−1.97(m,2H),2.00(s,3H),1.85−1.79(m,4H),1.78−1.48(m,6H),1.46(dq,2H),1.32(m,9H),1.05(dq,2H),0.88(t,3H).
【0122】
(第4段)
−15℃で臭素5.7gを、トリフェニルホスフィン9.3gの塩化メチレン140mL溶液に撹拌滴下し、続いて−15℃にて塩化メチレン15mLに溶解させた化合物(33;7.15g)を撹拌滴下し、室温に戻し終夜撹拌した。反応混合物に塩化メチレン50mLを加えた後、この溶液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、6.54gの化合物(34)を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);7.18−7.08(m,4H),4.20(m,2H),3.33(m,1H),3.19−3.08(m,2H),2.22(tt,1H),2.32−2.06(m,2H),2.03(s,3H),1.86−1.81(m,4H),1.42(dq,2H),1.23(m,9H),1.03(dq,2H),0.85(t,3H).
【0123】
(第5段)
化合物(34;6.54g)にトリフェニルホスフィン4.85gを加え、窒素雰囲気下100−110℃で、24時間加熱した。反応混合物のメタノール50mL溶液に、蒸留水5mLおよび炭酸カリウム0.12gを加え室温で終夜撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、反応物をジエチルエーテルで数回洗浄し、8.29gの化合物(35)を得た。
1H−NMR(CD3OD):δ(ppm);7.76−7.57(m,15H),7.18(m,2H),7.07(m,2H),3.72(dd,1H),3.60(dd,1H),3.20(dm,2H),2.83(m,1H),2.43(tt,1H),2.30(m,2H),1.85−1.80(m,4H),1.41(dq,2H),1.22(m,9H),1.03(dq,2H),0.85(t,3H).
【0124】
(第6段)
窒素雰囲気下、化合物(35;3.9g)の塩化メチレン10mL溶液へ、氷浴で冷却しながらトリフルオロ酢酸無水物1.5gを撹拌滴下し、その後室温に戻し20分撹拌した。減圧下、揮発成分を留去した。、反応物のTHF15mL溶液に、窒素雰囲気下、−78℃にて1M−NaHMDS/THF溶液9.5mLを撹拌滴下した。室温に戻し、38〜45℃で3時間撹拌し、続いて室温で終夜撹拌した、反応混合物に0℃で緩衝溶液を加え、pH=6に調整した。ペンタン/ジエチルエーテル混合溶液(2/1の体積比)100mLを加えた後、有機層を分液した。緩衝溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、中性アルミナを用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、0.88gの目的とする化合物(1−b−8)を得た。
C 85℃ I.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);7.18(m,2H),7.10(m,2H),5.58(t,1H),4.30(ddd,1H)3.89(t,1H),3.07(m,1H),2.44(tt,1H),2.38−2.33(m,2H),1.88−1.84(m,4H),1.42(dq,2H),1.31−1.18(m,9H),1.03(dq,2H),0.88(t,3H).
【0125】
実施例2
実施例1と同様にして、下記の化合物を合成する。実施例1で合成した化合物も例示した。これらの化合物において、誘電率異方性および光学異方性は測定値を外挿して得た。
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
本発明の代表的な組成物を使用例1〜14にまとめた。最初に、組成物の成分である化合物とその量(重量%)を示した。化合物は表1の取り決めに従い、左末端基、結合基、環構造、および右末端基の記号によって表示した。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はトランスである。末端基の記号がない場合は、末端基が水素であることを意味する。次に組成物の物性値を示した。物性値の測定は、日本電子機械工業規格(Standard of Electronic Industries Association of Japan)、EIAJ・ED−2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法に従った。
【0134】
【0135】
ネマチック相−等方相の相転移温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方相に変化したときの温度を測定した。この相転移温度は透明点ともいう。
【0136】
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
【0137】
光学異方性(Δn;25℃で測定):光学異方性は、波長が589nmの光によりアッベ屈折計を用いて測定した。
【0138】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
1)Δεの値が正の組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに20ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0139】
2)Δεの値が負の組成物:ホメオトロピック配向処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε‖)を測定した。ホモジニアス配向処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0140】
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;ボルト):2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度である、ノーマリーホワイトモード(normally white mode)の液晶表示素子に試料を入れた。Δnは上記の方法で測定した光学異方性の値である。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
【0141】
電圧保持率:日本電子機械工業会規格(Standard of ElectricIndustries Association of Japan)EIAJ・ED −2521A に記載された液晶組成物および配向膜を有する素子の電圧保持率を測定する方法にしたがった。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは6μmであった。25℃のTN素子に印加した電圧の波形を陰極線オシロスコープで観測し、単位周期において電圧曲線と横軸との間の面積を求めた。TN素子を取り除いたあと測定した電圧の波形から同様にして面積を求めた。2つの面積の値を比較して電圧保持率を算出した。
【0142】
らせんピッチ(20℃で測定;μm):らせんピッチの測定には、カノのくさび型セル法を用いた。カノのくさび型セルに試料を注入し、セルから観察されるディスクリネーションラインの間隔aを測定した。らせんピッチ(P)は、式P=2・a・tanθから算出した。θは、くさび型セルのおける2枚のガラス板の間の角度である。
【0143】
化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。測定する化合物とこの母液晶とを混合した組成物を得た。混合する割合の一例は、15%の化合物と85%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを調整した。この方法によって測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。
【0144】
使用例1
5−HBchO−CF3 (1−b−9) 6%
3−HHchO−CF3 (1−b−1) 5%
5−HHchO−CF3 (1−b−2) 5%
2−BEB(F)−C (5) 5%
3−BEB(F)−C (5) 4%
4−BEB(F)−C (5) 12%
1V2−BEB(F,F)−C (5) 16%
3−HB−O2 (10−5) 2%
3−HH−4 (10−1) 3%
3−HHB−F (3−1) 3%
3−HHB−1 (11−1) 4%
3−HHB−O1 (11−1) 4%
3−HBEB−F (3−34) 4%
3−HHEB−F (3−10) 5%
5−HHEB−F (3−10) 5%
3−H2BTB−2 (11−15) 4%
3−H2BTB−3 (11−15) 4%
3−H2BTB−4 (11−15) 4%
3−HB(F)TB−2 (11−14) 5%
NI=79.7℃;Δn=0.138;η=45.9mPa・s;Δε=29.0;Vth=1.02V.
【0145】
使用例2
3−HBchO−CF3 (1−b−8) 5%
3−BBchO−CF3 (1−b−15) 5%
5−HHXchO−CF3 (1−b−4) 5%
3−HHEchO−CF3 (1−b−5) 5%
2−HB−C (5−2) 5%
3−HB−C (5−2) 12%
3−HB−O2 (10−5) 5%
2−BTB−1 (10−10) 3%
3−HHB−F (3−1) 4%
3−HHB−1 (11−1) 8%
3−HHB−O1 (11−1) 5%
3−HHB−3 (11−1) 4%
3−HHEB−F (3−10) 4%
5−HHEB−F (3−10) 4%
2−HHB(F)−F (3−2) 7%
3−HHB(F)−F (3−2) 7%
5−HHB(F)−F (3−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 5%
NI=90.6℃;Δn=0.097;η=28.9mPa・s;Δε=6.0;Vth=2.23V.
【0146】
使用例3
3−HchO−CF3 (1−a−1) 5%
5−HBchO−CF3 (1−b−9) 10%
5−HHchO−CF3 (5) 8%
3−HB−C (5−2) 8%
V−HB−C (5−2) 8%
1V−HB−C (5−2) 8%
3−HB−O2 (10−5) 3%
3−HH−2V (10−1) 3%
3−HH−2V1 (10−1) 3%
V2−HHB−1 (11−1) 9%
3−HHB−1 (11−1) 5%
3−HHEB−F (3−10) 7%
3−H2BTB−2 (11−15) 6%
3−H2BTB−3 (11−15) 6%
3−H2BTB−4 (11−15) 5%
NI=80.5℃;Δn=0.130;η=26.2mPa・s;Δε=9.7;Vth=2.04V.
【0147】
使用例4
3−HHchO−CF3 (1−b−1) 5%
3−HBchO−CF3 (1−b−8) 5%
5−HHXchO−CF3 (1−b−4) 4%
5−BEB(F)−C (5) 5%
V−HB−C (5−2) 11%
5−PyB−C (5−8) 6%
4−BB−3 (10−8) 11%
3−HH−2V (10−1) 10%
5−HH−V (10−1) 11%
V−HHB−1 (11−1) 7%
V2−HHB−1 (11−1) 7%
3−HHB−1 (11−1) 3%
1V2−HBB−2 (11−4) 10%
3−HHEBH−3 (12−6) 5%
NI=72.9℃;Δn=0.108;η=19.3mPa・s;Δε=5.5;Vth=2.30V.
【0148】
使用例5
5−HBchO−CF3 (1−b−9) 8%
5−HHchO−CF3 (1−b−2) 6%
3−HHEchO−CF3 (1−b−5) 8%
1V2−BEB(F,F)−C (5) 6%
3−HB−C (5−2) 18%
2−BTB−1 (10−10) 10%
5−HH−VFF (10−1) 20%
3−HHB−1 (11−1) 3%
VFF−HHB−1 (11−1) 4%
VFF2−HHB−1 (11−1) 4%
3−H2BTB−2 (11−15) 5%
3−H2BTB−3 (11−15) 4%
3−H2BTB−4 (11−15) 4%
NI=68.4℃;Δn=0.126;η=23.5mPa・s;Δε=7.6;Vth=1.96V.
【0149】
使用例6
3−HchO−CF3 (1−a−1) 10%
3−HHchO−CF3 (1−b−1) 10%
5−HHchO−CF3 (1−b−2) 5%
5−HB−CL (2−1) 6%
3−HH−4 (10−1) 4%
3−HH−5 (10−1) 2%
3−HHB−F (3−1) 2%
3−HHB−CL (3−1) 2%
4−HHB−CL (3−1) 2%
3−HHB(F)−F (3−2) 10%
4−HHB(F)−F (3−2) 9%
5−HHB(F)−F (3−2) 9%
7−HHB(F)−F (3−2) 8%
5−HBB(F)−F (3−23) 4%
1O1−HBBH−5 (12−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (4−6) 2%
4−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
5−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
4−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
NI=102.2℃;Δn=0.086;η=30.0mPa・s;Δε=4.3;Vth=2.48V.
【0150】
使用例7
5−HHchO−CF3 (1−b−2) 8%
3−BBchO−CF3 (1−b−15) 6%
3−HHEchO−CF3 (1−b−5) 5%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 9%
3−H2HB(F,F)−F (3−15) 9%
4−H2HB(F,F)−F (3−15) 8%
5−H2HB(F,F)−F (3−15) 8%
3−HBB(F,F)−F (3−24) 12%
5−HBB(F,F)−F (3−24) 12%
3−H2BB(F,F)−F (3−27) 7%
5−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
5−HHEBB−F (4) 2%
3−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
1O1−HBBH−4 (12−1) 4%
1O1−HBBH−5 (12−1) 4%
NI=95.5℃;Δn=0.108;η=39.1mPa・s;Δε=8.4;Vth=1.88V.
【0151】
使用例8
3−HBchO−CF3 (1−b−8) 5%
5−HHXchO−CF3 (1−b−4) 5%
5−HB−F (2−1) 12%
6−HB−F (2−1) 9%
7−HB−F (2−1) 7%
2−HHB−OCF3 (3−1) 7%
3−HHB−OCF3 (3−1) 7%
4−HHB−OCF3 (3−1) 7%
5−HHB−OCF3 (3−1) 5%
3−HH2B−OCF3 (3−4) 4%
5−HH2B−OCF3 (3−4) 4%
3−HHB(F,F)−OCF2H (3−3) 4%
3−HHB(F,F)−OCF3 (3−3) 5%
3−HH2B(F)−F (3−5) 3%
3−HBB(F)−F (3−23) 5%
5−HBB(F)−F (3−23) 5%
5−HBBH−3 (12−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (12−2) 3%
NI=79.5℃;Δn=0.085;η=16.8mPa・s;Δε=4.5;Vth=2.51V.
【0152】
使用例9
3−HchO−CF3 (1−a−1) 7%
5−HBchO−CF3 (1−b−9) 8%
5−HB−CL (2−1) 3%
3−HH−4 (10−1) 8%
3−HHB−1 (11−1) 5%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 8%
3−HBB(F,F)−F (3−24) 20%
5−HBB(F,F)−F (3−24) 8%
3−HHEB(F,F)−F (3−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (3−12) 3%
5−HHEB(F,F)−F (3−12) 3%
2−HBEB(F,F)−F (3−36) 3%
3−HBEB(F,F)−F (3−36) 5%
5−HBEB(F,F)−F (3−36) 3%
3−HHBB(F,F)−F (4−6) 6%
NI=74.8℃;Δn=0.098;η=26.7mPa・s;Δε=8.4;Vth=1.62V.
【0153】
使用例10
3−HBchO−CF3 (1−b−8) 5%
3−BBchO−CF3 (1−b−15) 5%
3−HB−CL (2−1) 3%
5−HB−CL (2−1) 2%
3−HHB−OCF3 (3−1) 5%
3−H2HB−OCF3 (3−13) 5%
5−H4HB−OCF3 (3−19) 15%
V−HHB(F)−F (3−2) 5%
3−HHB(F)−F (3−2) 5%
5−HHB(F)−F (3−2) 5%
3−H4HB(F,F)−CF3 (3−21) 8%
5−H4HB(F,F)−CF3 (3−21) 10%
5−H2HB(F,F)−F (3−15) 5%
5−H4HB(F,F)−F (3−21) 7%
2−H2BB(F)−F (3−26) 5%
3−H2BB(F)−F (3−26) 5%
3−HBEB(F,F)−F (3−36) 5%
NI=67.6℃;Δn=0.097;η=30.2mPa・s;Δε=8.7;Vth=1.61V.
【0154】
使用例11
5−HBchO−CF3 (1−b−9) 8%
5−HHXchO−CF3 (1−b−4) 7%
3−HHEchO−CF3 (1−b−5) 7%
5−HB−CL (2−1) 5%
7−HB(F,F)−F (2−3) 3%
3−HH−4 (10−1) 10%
3−HH−5 (10−1) 5%
3−HB−O2 (10−5) 5%
3−HHB−1 (11−1) 8%
3−HHB−O1 (11−1) 5%
2−HHB(F)−F (3−2) 7%
3−HHB(F)−F (3−2) 7%
5−HHB(F)−F (3−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 6%
3−H2HB(F,F)−F (3−15) 5%
4−H2HB(F,F)−F (3−15) 5%
NI=77.9℃;Δn=0.072;η=27.8mPa・s;Δε=3.6;Vth=1.93V.
【0155】
使用例12
3−HchO−CF3 (1−a−1) 5%
3−BBchO−CF3 (1−b−8) 5%
5−HHXchO−CF3 (1−b−4) 5%
3−HHEchO−CF3 (1−b−5) 5%
5−HB−CL (2−1) 3%
7−HB(F)−F (2−2) 5%
3−HH−4 (10−1) 9%
3−HH−EMe (10−2) 5%
3−HHEB−F (3−10) 8%
5−HHEB−F (3−10) 8%
3−HHEB(F,F)−F (3−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (3−12) 5%
4−HGB(F,F)−F (3−91) 5%
5−HGB(F,F)−F (3−91) 6%
2−H2GB(F,F)−F (3−94) 4%
3−H2GB(F,F)−F (3−94) 5%
5−GHB(F,F)−F (3−97) 7%
NI=71.8℃;Δn=0.066;η=29.3mPa・s;Δε=6.9;Vth=1.43V.
【0156】
使用例13
3−HHchO−CF3 (1−b−1) 5%
5−HHchO−CF3 (1−b−2) 10%
5−HHXchO−CF3 (1−b−4) 5%
3−HH−4 (10−1) 8%
3−HHB−1 (11−1) 6%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 10%
3−H2HB(F,F)−F (3−15) 9%
3−HBB(F,F)−F (3−24) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−85) 25%
1O1−HBBH−5 (12−1) 7%
2−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
3−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (4−15) 4%
NI=84.7℃;Δn=0.102;η=30.9mPa・s;Δε=9.7;Vth=1.48V.
【0157】
使用例14
5−HBchO−CF3 (1−b−9) 5%
3−HBchO−CF3 (1−b−8) 6%
3−HHEchO−CF3 (1−b−5) 6%
3−HH−4 (10−1) 5%
3−HH−5 (10−1) 5%
3−HH−O1 (10−1) 3%
3−HH−O3 (10−1) 3%
3−HB−O1 (10−5) 5%
3−HB−O2 (10−5) 5%
3−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
5−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
3−HHEH−3 (11) 3%
3−HHEH−5 (11) 2%
4−HHEH−3 (11) 2%
2−HHB(2F,3F)−1 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−2 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 10%
NI=72.5℃;Δn=0.079;η=32.5mPa・s;Δε=−2.0.
【0158】
上記の使用例7において、組成物に基づいて0.25%の光学活性化合物(Op−5)を添加したところ、らせんピッチの値は61.0μmであった。
【発明の効果】
化合物(1)は、化合物に必要な一般的物性、小さな光学異方性、大きな誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性において、複数の物性を充足している液晶性化合物である。そして、化合物(1)を含有する液晶組成物は、化合物に必要な一般的物性、小さな光学異方性、大きな誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性において、複数の物性を充足している。さらに、この組成物を含有する液晶表示素子は優れた特性を有する。
Claims (18)
- 下記の式(1)で表される化合物。
式(1)において、Raは炭素数1〜7のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−(CH2 ) 2−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;A1、A2、およびA3は独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または1,4−フェニレンであり、1,4−フェニレンにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、;Z1は単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、または−C≡C−であり、Z 2 は単結合、−(CH 2 ) 2 −、−(CF 2 ) 2 −、−COO−、−CH 2 O−、−CF 2 O−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−、であり、Z 3 は単結合、−COO−、−OCH 2 −、または−CF 2 O−、であり;そしてmおよびnは独立して0または1である。 - 請求項1に記載の式(1)において、Raが任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜7のアルキル、または炭素数1〜6のアルケニルである請求項1に記載の化合物。
- 請求項1に記載の式(1)において、Raが任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜7のアルキルである請求項1に記載の化合物。
- 請求項1に記載の式(1)において、Z1、Z2およびZ3が単結合である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項1に記載の式(1)において、mが0およびnが1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載した少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
- 下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項6に記載の組成物。
式中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;X1はフッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2、または−OCF2CHFCF3であり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;Z4およびZ5は独立して−(CH2)2−、−(CH2)4−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてL1およびL2は独立して水素またはフッ素である。 - 下記の式(5)および(6)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項6に記載の組成物。
式中、R2およびR3は独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;X2は−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Z6は−(CH2)2−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、または単結合であり;L3、L4およびL5は独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。 - 下記の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項6に記載の組成物。
式中、R6およびR7は独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZ9およびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH2)2−、−CH=CH−、または単結合である。 - 請求項10に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項7に記載の組成物。
- 請求項10に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項8に記載の組成物。
- 請求項8に記載の式(5)および(6)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項7に記載の組成物。
- 請求項10に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項13に記載の組成物。
- 請求項10に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項9に記載の組成物。
- 少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する請求項4〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項4〜16のいずれか1項に記載の組成物を含有する液晶表示素子。
- 下記の式(13)で表されるホスホニウム塩を、塩基条件下で反応させることを特徴とする、請求項1記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
式(13)において、Raは炭素数1〜7のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−(CH2 ) 2−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;A1、A2、およびA3は独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または1,4−フェニレンであり、1,4−フェニレンにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、;Z1は単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、または−C≡C−であり、Z 2 は単結合、−(CH 2 ) 2 −、−(CF 2 ) 2 −、−COO−、−CH 2 O−、−CF 2 O−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−、であり、Z 3 は単結合、−COO−、−OCH 2 −、または−CF 2 O−、であり;そしてmおよびnは独立して0または1である。
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