JP4425732B2 - 基板実装型コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板上に実装される基板実装型コネクタに関するものである。
従来から、雄型端子をディスクリート線の末端に装着し、複数の端子収納室を並列に備えた雌型コネクタハウジングの各端子収納室に前記雄型端子を収納することにより雌型コネクタを構成する一方、雌型端子を収納した雄型コネクタハウジングをプリント基板上に実装することにより雄型コネクタ(基板実装型コネクタ)を構成し、これらコネクタを互いに結合させることにより両端子を介してディスクリート線をプリント基板上の回路に電気的に接続するようにしたコネクタが一般に知られている。
この種のコネクタにおいて、例えば車載用の各種電気機器に適用されるものでは省スペース化の要請から小型化がより一層求められており、次のような問題が持ち上がっている。
通常、この種のコネクタでは、コネクタハウジングに係止部が一体形成され、これら係止部同士を係合させることによりコネクタ同士を嵌合ロックするように構成されている。ところが、ハウジングの小型化に伴い係止部を設ける位置やその大きさも制約を受けるに至っており、成型金型との関係でコネクタハウジングの設計や製作が複雑になっている。従って、コネクタの小型化を進める一方で、必要なロック強度を確保し得る係止部を適切、かつ簡易に設けることが一つの課題となっている。
また、コネクタ同士を嵌合させる場合、作業者は、通常、係止部が相手側コネクタのハウジングに係合する際の感覚や音(ロックフィーリング)によりコネクタが嵌合状態となったことを感知しており、コネクタの小型化に伴い係止部の小型化が進むと、コネクタ嵌合時のロックフィーリングが低下してコネクタの嵌合完了状態を感知することが難しくなり、作業性が悪くなるという問題もある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、基板実装型コネクタにおいて、コネクタの小型化を進める一方で、必要なロック強度を確保し得る係止部を適切、かつ簡易に設けること、より好ましくはコネクタ嵌合時のロックフィーリングを良好に確保することを目的としている。
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係る基板実装型コネクタは、回路基板に接続される複数の端子を並列に並べた状態で保持する樹脂製のハウジングと、このハウジングのうち前記端子の並び方向である幅方向両端部に固定され、かつ前記回路基板に実装される固定用金具とを備えた基板実装型コネクタにおいて、前記固定用金具に、当該コネクタに嵌合する相手側コネクタのハウジングに係合して両コネクタを嵌合ロック状態に係止する係止部を備えた撓み片とこの撓み片が当接可能な当接部分とが設けられており、前記撓み片は、前記両コネクタを互いに嵌合させるとこれに伴い相手側ハウジングに押されて撓み変位し、両コネクタが完全な嵌合状態となると弾性復帰して前記係止部が相手側コネクタのハウジングに係合するように形成され、前記当接部分は、前記撓み片に対向しかつ前記撓み片が撓み状態から復帰する際に当該撓み片が当接するように形成されているものである。
このように、相手側コネクタに対する嵌合ロック用の係止部を固定用金具に設けた基板実装型コネクタの構成によると、ハウジング自体に係止部を設ける必要がなくなり、その分ハウジングの設計製作が容易になり、結果的に係止部を簡易に設けることが可能となる。特に、係止部が金属から構成されて強度的に有利なため、係止部の変形等を有効に防止
することができ、その結果、ロック強度も良好に確保することができるようになる。また、撓み片が撓み状態から復帰する際に当該撓み片がハウジング等に当接して生じる音や振動(衝突感)によってハウジング同士が完全な嵌合状態となったことを感知できるようになるため(つまり、ロックフィーリングが向上するため)、コネクタ同士の嵌合作業を適切、かつ速やかに行うことが可能となる。さらに、コネクタ嵌合時に金属同士が衝突して大きな金属音が発生するので、ロックフィーリングを効果的に向上させることができる。
なお、上記の構成において、前記当接部分およびこの当接部分に当接する撓み片の部位の少なくとも一方側に他方側に向って突出する突出部を設けるようにすれば(請求項)、例えば平坦面同士を当接させる場合に比べてよりクリアーな衝突音を発生させることが可能となるため効果的となる。
本発明に係る基板実装型コネクタによると、相手側コネクタに対する係止部を固定用金具に設けるようにしたので、ハウジング自体に係止部を設ける従来構成に比べると、必要なロック強度を確保し得る係止部を適切、かつ簡易に設けることができる。
特に、ハウジング同士が完全な嵌合状態となったことを撓み片の弾性復帰に伴う音や振動(衝突感)に基づいて感知できるためロックフィーリングが良好となる。従って、コネクタの小型化を図る一方で、コネクタの嵌合作業性を向上させることができる。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、ディスクリート線を回路基板に対して電気的に接続するためのコネクタ構成を示す斜視概略図であり、端子等を一部引き出した状態で示している。
この図において、C2は本発明に係る基板実装型コネクタからなる基板側コネクタで、回路基板Pの表面に実装された状態で固定されている。また、C1は配線材側コネクタで、前記基板側コネクタC2に結合されることによりディスクリート線3を回路基板Pに接続するように構成されている。
基板側コネクタC2は、配線材側コネクタC1の嵌合用凹部10aを具備した幅方向に細長のコネクタハウジング10(以下、ハウジング10と略す)を有している。
このハウジング10には、図2および図3に示すように、多数の端子収納室13が幅方向(図2では左右方向)に並列に、かつ上下2段に形成されている。同図に示すように、上下の端子収納室13は互いに半ピッチずれた状態で交互に設けられており、これによってハウジング全体として端子収納室13が千鳥状の配列となっている。
各端子収納室13には端子12がそれぞれ収納されている。端子12は、上下に撓み変位可能な接続用撓み片14aとその下側の支持部14bとからなるフォーク状(コ字型)の接続部分をその前側(図3では左端)に有する一方、後側に脚部14cを備えた雌型の端子で、端子収納室13に対してハウジング10の後側から差し込まれることにより収納されており、さらに脚部14cが回路基板Pの固定用ランドに半田付けされることにより基板上回路(パターン)にそれぞれ電気的に接続されている。なお、上下2段の端子収納室13のうち上段に収納される端子12は下段に収納されるものよりも脚部14cが上下に長く形成され、これにより回路基板Pへの半田付けが可能となっている。
ハウジング10の幅方向両端部分には、さらに基板側コネクタC2(ハウジング10)を回路基板Pに固定するための固定用金具15A,15Bが挿着されている。
これらの固定用金具15A,15Bは、図1、図2および図4(固定用金具15Aのみ図示)に示すように脚部16を有しており、これら脚部16が回路基板Pに半田付けされることにより回路基板Pに対してハウジング10が固定されている。
各固定用金具15A,15Bには、フック17a(係止部)を前端に具備し、かつハウジング10(嵌合用凹部10a)内でその幅方向に撓み変位可能な係止片17(撓み片;図4参照)がそれぞれ一体に形成されており、コネクタ嵌合時にはこの係止片17が配線材側コネクタC1の後記ハウジング20に係合することによって両コネクタを嵌合状態にロックするように構成されている。つまり、これら固定用金具15A,15Bがコネクタのロック機能を兼ね備えた構成となっている。
なお、固定用金具15A,15Bの各係止片17は、図2に示すように上下にオフセットされている。これはハウジング10内に各固定用金具15A,15Bをコンパクトに収めるための工夫であり、これにより後述するように基板側コネクタC2の幅方向の省スペース化が達成されている。
一方、配線材側コネクタC1は、図1および図5に示すように幅方向に細長のコネクタハウジング20(以下、ハウジング20と略す)を有している。このハウジング20には、複数の端子収納室22が幅方向に並列に、かつ上下二段に設けられており、ディスクリート線3の先端に装着された端子5が各端子収納室22に収納されている。
端子収納室22は、上下のものが幅方向に半ピッチずれた状態で交互に設けられており、これにより基板側コネクタC2の前記ハウジング10と同様にハウジング全体として端子収納室22が千鳥状の配列となっている。
ハウジング20の前側、すなわちコネクタ接続方向の前端面には、上下の端子収納室22の並びに対応して一対の舌片状の端子支持部24が突設されている。
これらの端子支持部24は、各端子収納室22に収納される端子5の後記接触片5bを支持するもので、各端子支持部24の上面側には、図5および図6に示すようにそれぞれ上向きに開き、かつ端子収納室22内と連通する複数の支持溝26が幅方向に並設されている。また、各支持溝26の前端壁26aには、端子5の接触片5bの浮き上がりを防止するための突起27が後向き(図6では左向き)に突設されている。
ディスクリート線3は、例えば撚線の外周に被覆(絶縁層)が形成された単線で、上述のようにその先端には端子5が装着されている。
端子5は、図7(a)に示すように、ディスクリート線3を保持するための電線保持部5aとその先端側に設けられるタブ状の接触片5bとを備えた雄型端子である。
電線保持部5aには、端子5の底板30の両側に立ち上がる一対のワイヤーバレル32と一対のインシュレーションバレル34とが前後に並べて設けられている。
接触片5bは、前記底板30に連続して前後方向に延びる連結部37と、その両側から立ち上がって前記各バレル32,34にそれぞれ並ぶ前後方向に細長の互いに平行な一対の単位接触片36a,36bとを備えた断面コ字型の形状に形成されている。また、各単位接触片36a,36bの外側であって、その基端部には端子5を前記ハウジング20に係止するためのフック38が一体形成されている。
ディスクリート線3への端子5の装着は、同図に示すようにディスクリート線3の末端部分において被覆が除去されることにより導体3aが外部露出され、この導体3aの部分に対してワイヤーバレル32が、その後側の被覆部分にインシュレーションバレル34がそれぞれ圧着されることにより行われている。ここで、ワイヤーバレル32については、導通性能および保持力を確保するためにワイヤーバレル32の先端が導体3aに食い込むように強固に圧着されている(加締られている)。一方、インシュレーションバレル34は、その先端同士が向かい合うように被覆部分の外側からディスクリート線3を抱え込ませ、その圧着部分が扁平になるように圧着されている。具体的には、図8(a)に示すように、クリンプハイトh(圧着成型高さ)よりもクリンプワイドw(圧着成型幅)が十分に大きくなり、かつクリンプハイトhがディスクリート線3の直径d(図8(b)参照)よりも小さくなるようにディスクリート線3に対してインシュレーションバレル34が圧着されている。これによりディスクリート線3を含む電線保持部5aの全体が扁平にされている。
そして、このようにディスクリート線3の先端に装着された端子5が各端子収納室22に収納されている。端子収納室22への端子5の収納は、図7(b)に示すように端子5を横向き、すなわち図1および図6に示すようにインシュレーションバレル34のクリンプハイトhの方向が端子収納室22の並び方向(幅方向)に向くように端子5を横向きにし、この状態で端子5をハウジング20の後方から端子収納室22に挿入することにより行われている。詳細には、端子5を端子収納室22に挿入しつつその先端(接触片5b)を端子収納室22から前方に突出させて端子支持部24の支持溝26に介挿し、さらに接触片5bの先端が支持溝26の前端壁26aに当接する位置まで端子5をハウジング20に対して差込む。このようにすると、図6(b)に示すように、支持溝26の前端壁26aに形成された突起27が接触片5bの両単位接触片36a,36bの間に挿入されるとともに、各単位接触片36a,36bに形成されたフック38が端子収納室22の出口(前方側開口)縁部に係合する。これによって端子5のうち接触片5bが外部露出され、かつ突起27により接触片5bの先端が上下方向に拘束された状態で、端子5がディスクリート線3と共にハウジング20に収納、保持される。
なお、このハウジング20の端子収納室22は、ほぼ上下、左右が対称な断面形状となっており、端子5が左右何れの向き、つまり端子5におけるディスクリート線3の保持面側が端子収納室22(支持溝26)の並び方向の一方側又は他方側(図9、図10では左側又は右側))の何れを向いた状態でも端子5を挿着し得るようになっている。また、端子支持部24も、同図に示すように、端子収納室22に対して端子5が上記の何れの向きで挿入された場合でも接触片5bの上下方向の変位を適切に拘束して、単位接触片36a,36bのうち上側に位置するもの高さ位置を一定に保ち得るように突起27等が形成されている。つまり、これによって何れの向きで端子5が挿着された場合でも、単位接触片36a,36bの何れか一方に対して相手側の端子12が確実に接触し得るようになっている。
なお、ハウジング20の幅方向両端には、図1および図5に示すようにその側面に、基板側コネクタC2の前記係止片17に対応する係止部28が一体形成されている。
上記のようなコネクタC1、C2の構成において、両コネクタC1、C2を結合させてディスクリート線3を回路基板Pに接続するには、図11(a),図12(a)に示すように、配線材側コネクタC1を基板側コネクタC2の前記嵌合用凹部10aに対向させ、配線材側コネクタC1の両端子支持部24の部分をその先端側から嵌合用凹部10aに差し込む。より詳しくは、基板側コネクタC2に収納された上下二段の端子12のうち、上段の端子12の接続用撓み片14aと支持部14bとの間に配線材側コネクタC1の上側の端子支持部24を、同じく下段の端子12の接続用撓み片14aと支持部14bとの間に配線材側コネクタC1の下側の端子支持部24を差し込みながら両コネクタC1,C2のハウジング同士を嵌合させる。このようにすると、ハウジング20が差し込まれるに伴い基板側コネクタC2の前記係止片17が撓むことにより外側に押し広げられ、両コネクタC1,C2が完全な嵌合状態となると、図12(b)に示すように係止片17が撓み状態から弾性復帰してフック17aがハウジング20の係止部28に係合し、その結果、両コネクタC1,C2が嵌合状態にロックされる。そして、このようにコネクタC1,C2が完全な嵌合状態となると、図11(b)に示すように、各ディスクリート線3に装着された端子5の接触片5bに対して相手側端子12の接続用撓み片14aがそれぞれ接触し、正確には単位接触片36a,36bのうち上側に位置する単位接触片36a(又は36b)に対して相手側端子12の接続用撓み片14aがそれぞれ接触し、この接触により、各ディスクリート線3がそれぞれ対応する相手側端子12を介して回路基板Pの回路に接続されることとなる。
以上のようなコネクタによると、基板側コネクタC2に関して上記のように固定用金具15A,15Bにフック17aを設け、このフック17aを相手側コネクタC2のハウジング20に係合させることによりコネクタC1,C2を嵌合状態にロックするように構成しているので、すなわち固定用金具15A,15Bにコネクタのロック機能を持たせた構成となっているので、基板側コネクタC2のハウジング10自体に嵌合ロック用の係止部を設ける必要が無い。そのため、ハウジング自体に係止部を設ける従来のこの種のコネクタのように成型金型との関係でハウジングの設計や製作が複雑になることがなく、従って、コネクタ全体としての小型化を図る一方で、従来に比べて嵌合ロック用のフック17aを簡易に設けることが可能となる。しかも、フック17aが金属から形成されて強度的に有利な構成となるため、フック17aの変形等の発生を有効に防止することができ、その結果、両コネクタC1,C2のロック強度を適切に確保することができる。
また、固定用金具15A,15Bに設けられた幅方向に撓み変位可能な係止片17(撓み片)にフック17aが一体に形成されており、コネクタ嵌合時には、係止片17が配線材側コネクタC1(ハウジング20)の基板側コネクタC2(ハウジング10)への差込みに伴い外側に撓み(図12(b)の二点鎖線参照)、両ハウジング10,20が完全な嵌合状態となると弾性復帰してフック17aが相手側ハウジング20に係合するように構成されているため、コネクタC1,C2の嵌合作業性が向上するという効果もある。つまり、ハウジング10,20同士が完全な嵌合状態となって係止片17が撓み状態から復帰する際には、当該係止片17がハウジング20側面を叩く(衝突する)こととなるため、作業者はその感覚を衝突音、あるいは振動(衝突感)により感知することができる。特に、係止片17が金属からなり弾発力が強く、上記の振動や衝突音は大きいものとなるため、作業者は両ハウジング10,20が完全な嵌合状態になったこと、すなわちロックフィーリングを良好に得ることができ、その結果、コネクタC1,C2の嵌合作業を適切、かつ速やかに行うことができるようになる。
また、上記の基板側コネクタC2では、固定用金具15A,15Bにそれぞれ係止片17を設け、これら係止片17を配線材側コネクタC1のハウジング20に係合させるように構成しているが、当実施形態では、図2に示すように各係止片17が上下にオフセットされている結果、基板側コネクタC2の小型化が達成されるという効果もある。
詳しく説明すると、この基板側コネクタC2では、同図に示すように上段の端子収納室13の並びが下段の端子収納室13の並びに対して左側に半ピッチずれた配列となっており、このずれに応じて左側の固定用金具15Aでは下段の端子収納室13の並びに係止片17を設ける一方、右側の固定用金具15Bでは上段の端子収納室13の並びに係止片17を設けた構成となっている。換言すれば、上下各段の並びの最端に位置する端子12のうち、ハウジング10の幅方向(左右)中央寄りに配設される端子12に係止片17が並ぶように各固定用金具15A,15Bに係止片17が設けられている。つまり、上下各段の端子収納室13が左右方向ずれている結果、上段の端子収納室13の並びではハウジング10の右方端部に、下段の端子収納室13の並びではハウジング10の左方端部にそれぞれデッドスペースができる。そこで、この配線材側コネクタC1では、このデッドスペースに係止片17が位置するように各固定用金具15A,15Bに係止片17を設けることによって、係止片17の撓み代を十分に確保しつつ両固定用金具15A,15Bをハウジング10内にコンパクトに収納している。従って、この点で基板側コネクタC2の小型化が達成されるという効果もある。
なお、上記実施形態のコネクタC1,C2によると、さらに次ぎのような特徴もある。
すなわち、配線材側コネクタC1における端子5の保持構造に関し、上記のようにインシュレーションバレル34のクリンプハイトhがクリンプワイドwよりも小さい(ディスクリート線3の直径dよりも小さい)扁平状態となるように端子5をディスクリート線3に装着し、さらにインシュレーションバレル34のクリンプハイトhが端子収納室22の並び方向に向くように端子5を横向きにした状態でハウジング20に収納するように構成しているので、換言すればインシュレーションバレル34のクリンプハイトhの方向に端子5を並べた状態でハウジング20に対して該端子5を収納するように配線材側コネクタC1を構成しているので、端子5の配列を効果的に狭ピッチ化することができ、その結果、複雑な端子構造を採ることなくフラット配線材6の導体6aと等ピッチで端子5をハウジング20に収納できる。すなわち、従来では、端子のインシュレーションバレルはディスクリート線の断面形状をほぼ維持しつつその被覆外側から抱え込むように圧着されており、そのため端子間ピッチの設定に際してはインシュレーションバレルのクリンプワイドによる制約を受け易く狭ピッチ化が難しい。これに対して、上記のように配線材側コネクタC1の構成によると、インシュレーションバレル34のクリンプハイトhの方向に端子5を並べるため端子間ピッチの設定に際してクリンプワイドwによる制約を受けることがなく、しかも、クリンプハイトhがクリンプワイドwよりも小さくなる扁平な状態でディスクリート線3に対してインシュレーションバレル34が圧着されているため、端子配列方向の占有スペースが効果的に縮小され、その結果、端子配列の狭ピッチ化が達成される。従って、複雑な端子構造を採ることなく端子5をフラット配線材6の導体6aと等ピッチで配列した状態でハウジング20内に収納できる。
ところで、以上説明したコネクタの上記基板側コネクタC2は、本発明に係る基板実装型コネクタの実施形態の一例であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、コネクタC1,C2を嵌合ロックする構造として以下に図13〜図17を用いて説明する第1、第2変形例のような構成を採用することもできる。なお、これらの変形例も基本的な構成は実施形態のものと共通するため、共通する部分については同一符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ詳細に説明することとする。
〈 第1変形例 〉
図13は、固定用金具15A,15B(一方側の固定用金具15Aのみ図示)を示す図で、図14は配線材側コネクタC1および基板側コネクタC2の要部断面図である。
これら図13,図14に示すように、第1変形例の固定用金具15Aには、ハウジング10(嵌合用凹部10a)内において係止片17よりも内側、つまり端子12に近い側(図14では右側)にこの係止片17と平行に並ぶ当接板18(当接部分)が設けられている。
この当接板18には切欠部分18aが形成されており、係止片17の前記フック17aの先端部分がこの切欠部分18aから突出して嵌合用凹部10a内に臨んでいる。
係止片17の先端部分(図14では下端部分)とこれに対応する当接板18の部分には、エンボス加工が施されることにより互いに相手側に向って突出する部分(以下、エンボス部17b,18bという)が形成されており、これらエンボス部17b,18b(突出部)が係止片17の撓み方向に互いに当接するようになっている。
このような第1変形例の構成によると、図14に示すように、配線材側コネクタC1を基板側コネクタC2の前記嵌合用凹部10aに対向させ、配線材側コネクタC1の両端子支持部24の部分をその先端側から嵌合用凹部10aに差し込むと、図15(a)に示すように、ハウジング20が差し込まれるに伴いその係止部28により基板側コネクタC2の係止片17が外側に押し広げられる。そして、両コネクタC1,C2が完全な嵌合状態となると、図15(b)に示すように係止片17が撓み状態から弾性復帰してフック17aがハウジング20の係止部28に係合し、その結果、両コネクタC1,C2が嵌合状態にロックされることとなる。この際、この第1変形例では、係止片17が撓み状態から復帰するときに、金属同士(係止片17,当接板18)が衝突し、しかもその衝突部分にはエンボス加工(エンボス部17b,18b)が施されていることによりクリアーな衝突音が発生することとなる。そのため、係止片17をハウジング20に衝突させる上記実施形態の構成に比べるとより良好なロックフィーリングを得ることが可能となり、その結果、コネクタの嵌合作業性をより一層向上させることができるという効果がある。
この構成では、係止片17および当接板18の互いの当接部位にそれぞれエンボス部(17b,18b)を設けているが、何れか一方側にのみエンボス部を設けるようにしてもよい。また、係止片17と当接板18とを互いに平面同士で衝突させるとが可能で、かつこの衝突により十分なロックフィーリング(音や振動)を得ることができる場合には、エンボス部を省略して固定用金具15A,15Bの構成を簡略化しても構わない。
なお、図13〜図15では、基板側コネクタC2のハウジング10内に収容される固定用金具15A,15Bのうち一方側(固定用金具15A)のみ図示しているが、他方側(固定用金具15B)も同様の構成となっている。
〈 第2変形例 〉
図16,図17は、第2変形例に係る配線材側コネクタC1および基板側コネクタC2の要部、具体的にはコネクタC1,C2を嵌合ロックする部分の構成を示しており、図16は当該部分を斜視図で模式的に示しており、また図17は、当該部分を断面図で示している。
これらの図に示す第2変形例では、基板側コネクタC2における固定用金具15Aの係止片17がハウジング10(嵌合用凹部10a)内において上下方向に撓み可能に設けられており、コネクタC1,C2の未結合状態では、係止片17の先端上面部分がハウジング10(嵌合用凹部10a)内に形成された当たり10b(当接部分)に当接するように構成されている。
一方、配線材側コネクタC1は、ハウジング20の前記係止部28(被係止部)が同図に示すような三角柱状に形成されている。詳しくは、ハウジング20の幅方向外側に突出し、かつその下面にコネクタ接続方向前側から後側(図17では右側から左側)に向って先下がりに傾斜する案内面28aを備えた三角柱状に形成されている。
このような構成において、配線材側コネクタC1を基板側コネクタC2の前記嵌合用凹部10aに対向させ、配線材側コネクタC1を嵌合用凹部10aに差し込むと、この差込みに伴い、係止部28の案内面28aに沿って基板側コネクタC2の係止片17(フック17a)が押し下げられて図17中に矢印で示すように下方に撓み、両コネクタC1,C2が完全な嵌合状態となると、同図中に二点鎖線に示すように係止部28がフック17aの部分を通過して係止片17が撓み状態から復帰し、その結果、フック17aがハウジング20の係止部28に係合して両コネクタC1,C2が嵌合状態にロックされることとなる。この際、この第2変形例では、係止片17が撓み状態から復帰するときに係止片17がハウジング10の前記当たり10bに衝突して衝突音を発するとともに軽い振動が生じることとなる。つまり、この第2変形例の構成においてもコネクタC1,C2が完全な嵌合状態となったことをこの衝突音や振動に基づいて容易に感知することができる。従って、作業者に対して効果的なロックフィーリングを与えることが可能となり、第1変形例と同様にコネクタの嵌合作業性を向上させることができるという効果がある。特に、この第2変形例の構成では、内外に嵌合するハウジング10、20のうち外側のハウジング10(当たり10b)に対して係止片17が当接するため、音や振動(衝突感)をより作業者が感じ易くなり、良好なロックフィーリングを与えることができるという特徴がある。
なお、上記実施形態では、基板側コネクタC2の固定用金具15A,15Bに撓み可能な撓み片(係止片17)を設け、これにフック17aを設けた構成となっているが、例えば固定用金具15A,15Bにはフック17aのみを設ける一方、相手側コネクタ(配線材側コネクタC1)に撓み片を設け、この撓み片に係止部28を設けるように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、ディスクリート線3を回路基板Pに接続する場合の基板側コネクタC2の構成として本発明を適用しているが、勿論、平角導体を並設したフラットケーブル、リボン電線、FPC(Flexible Printed Circuit)等のフラット配線材を回路基板Pに接続する場合の基板側コネクタの構成として本発明を適用することができることは言うまでもない。
本発明が適用されるコネクタを示す斜視図(一部分解図)である。 基板側コネクタの断面図である。 基板側コネクタの断面図である((a)は図2のA−A線断面図で、(b)は図2のB−B線断面図である)。 基板側コネクタに挿着される固定用金具を示す斜視図である。 配線材側コネクタのハウジングを示す図である((a)は正面図で、(b)は(a)のC−C線断面図である)。 配線材側コネクタのハウジングとこれに挿着される端子(ディスクリート線に装着されたもの)を示した断面図である((a)はハウジングに端子が挿着される前、(b)はハウジングに端子が挿着された状態を示している)。 ディスクリート線とその末端に装着される端子を示す斜視図である((a)は装着前、(b)は装着後の状態である)。 (a)はディスクリート線に装着された端子のうちインシュレーションバレルの圧着部分を示す断面模式図で、(b)は端子装着前のディスクリート線を示す断面模式図である。 配線材側コネクタにおける端子支持部の縦断面図である。 図9の要部拡大図である。 基板側コネクタと配線材側コネクタとの接続過程を説明する縦断面図である((a)は接続前の状態、(b)は接続完了状態をそれぞれ示している)。 基板側コネクタと配線材側コネクタとの接続過程を説明する平断面図である((a)は接続前の状態、(b)は接続完了状態をそれぞれ示している)。 固定用金具の他の例を示す斜視図である。 第1変形例に係る配線材側コネクタおよび基板側コネクタの要部(コネクタを嵌合ロックする部分の構成)断面図である。 配線材側コネクタおよび基板側コネクタの要部断面図である((a)は接続の過程を、(b)は接続完了状態をそれぞれ示している)。 第2変形例に係る配線材側コネクタおよび基板側コネクタの要部(コネクタを嵌合ロックする部分の構成)を示す斜視模式図である。 第2変形例に係る配線材側コネクタおよび基板側コネクタの要部断面図である。
符号の説明
C1 配線材側コネクタ
C2 基板側コネクタ
P 回路基板
3 ディスクリート線
5,12 端子
10,20 コネクタハウジング
15A,15B 固定用金具
17 係止片
17a フック
28 係止部

Claims (2)

  1. 回路基板に接続される複数の端子を並列に並べた状態で保持する樹脂製のハウジングと、このハウジングのうち前記端子の並び方向である幅方向両端部に固定され、かつ前記回路基板に実装される固定用金具とを備えた基板実装型コネクタにおいて、
    前記固定用金具に、当該コネクタに嵌合する相手側コネクタのハウジングに係合して両コネクタを嵌合ロック状態に係止する係止部を備えた撓み片とこの撓み片が当接可能な当接部分とが設けられており、
    前記撓み片は、前記両コネクタを互いに嵌合させるとこれに伴い相手側ハウジングに押されて撓み変位し、両コネクタが完全な嵌合状態となると弾性復帰して前記係止部が相手側コネクタのハウジングに係合するように形成され、
    前記当接部分は、前記撓み片に対向しかつ前記撓み片が撓み状態から復帰する際に当該撓み片が当接するように形成されていることを特徴とする基板実装型コネクタ。
  2. 請求項1に記載の基板実装型コネクタにおいて、
    前記当接部分およびこの当接部分に当接する撓み片の部位の少なくとも一方側に、他方側に向って突出する突出部が設けられていることを特徴とする基板実装型コネクタ。
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