JP4429018B2 - 糖鎖合成酵素 - Google Patents
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Description
本発明は糖鎖合成酵素および該酵素をコードするDNAに関するものである。さらに詳しくは、本発明はムチンなどのO型糖鎖のうち、末端にSiaα2,3(6)Gal(Sia:シアル酸、Gal:ガラクトース)構造をもつ糖鎖のシアル酸部分にα2,8の結合様式でシアル酸を効率良く転移する酵素(O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素、ST8Sia VI)および該酵素をコードするDNA;並びに、オリゴ糖などの糖鎖のうち、末端にGalβ1,4GlcNAc(Gal:ガラクトース、GlcNAc:N−アセチルグルコサミン)構造をもつ糖鎖のガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を効率良く転移する酵素(ST6Gal II)および該酵素をコードするDNAに関するものである。本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素およびβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素は、癌転移抑制、ウイルス感染抑防止、炎症反応抑制、神経細胞賦活効果を有する薬剤として、あるいは糖鎖にシアル酸を付加することにより生理作用を増加させるための試薬、その他、酵素阻害剤等として有用である。
背景技術
シアル酸は、たとえば細胞−細胞間伝達、細胞基質相互作用、細胞接着などの重要な生理作用を司る物質である。発生、分化の過程に特異的な、あるいは臓器特異的なシアル酸含有糖鎖の存在が知られている。シアル酸は糖タンパク質および糖脂質の糖鎖部分の末端位置に存在しており、これらの部位へのシアル酸の導入は、酵素的にCMP−Siaからの転移によってなされる。
このシアル酸の酵素的導入(シアル酸転移)を担う酵素は、シアル酸転移酵素(sialyltransferase)と呼ばれるグリコシルトランスフェラーゼ類である。ほ乳類では現在までに18種類のシアル酸転移酵素の存在が知られているが、これらはシアル酸の転移様式から4つのファミリーに大別される(Tsuji,S.(1996)J.Biochem.120,1−13)。すなわち、α2,3の結合様式でガラクトースにシアル酸を転移するα2,3−シアル酸転移酵素(ST3Gal−ファミリー)、α2,6の結合様式でガラクトースにシアル酸を転移するα2,6−シアル酸転移酵素(ST6Gal−ファミリー)、α2,6の結合様式でN−アセチルガラクトサミンにシアル酸を転移するGalNAc α2,6−シアル酸転移酵素(ST6GalNAc−ファミリー)、およびα2,8の結合様式でシアル酸にシアル酸を転移するα2,8−シアル酸転移酵素(ST8Sia−ファミリー)である。
このうちα2,8−シアル酸転移酵素については現在までに5種類の酵素(ST8Sia I−V)についてcDNAクローニングが行われており、その酵素学的諸性質も明らかになっている(Yamamoto,A.et al.(1996)J.Neurochem.66,26−34;Kojima,N.et al,(1995)FEBS Lett.360,1−4;Yoshida,Y.et al.(1995)J.Biol.Chem.270,14628−14633;Yoshida,Y.et al.(1995)J.Biochem,118,658−664;Kono,M.et al.(1996)J.Biol.Chem.271,29366−29371)。ST8Sia IはガングリオシドのGD3合成酵素であり、ST8Sia Vは同じくガングリオシドのGD1c,GT1a,GQ1b,GT3などを合成する酵素である。ST8Sia II,IVは神経細胞接着分子(NCAM)のN型糖鎖上にポリシアル酸を合成する酵素である。ST8SiaIIIは糖タンパク質のN型糖鎖および糖脂質に見いだされるSiaα2,3Galβ1,4GlcNAc構造にシアル酸を転移する酵素である。これらの酵素はいずれも糖脂質あるいはN型糖鎖を好ましい基質としており、O型糖鎖に対する活性は、NCAMの一つのアイソフォームに見いだされるO型糖鎖上にST8Sia II,IVがオリゴシアル酸/ポリシアル酸を合成する例と、脂肪細胞特異的糖タンパク質AdipoQのO型糖鎖にST8SiaIIIが作用する例が報告されているだけである(Suzuki,M.et al.(2000)Glycobiology 10,1113;及びSato C,et al.(2001)J.Biol.Chem.276,28849−28856)。すなわち今までに報告されてきているα2,8−シアル酸転移酵素は、通常O型糖鎖を好ましい基質としてはおらず、これを好ましい基質とするα2,8−シアル酸転移酵素の存在は知られていなかった。
また、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素については現在までに1種類の酵素(ST6Gal I)についてのみcDNAクローニングが行われており、その酵素学的諸性質も明らかになっている(Hamamoto,T.and Tsuji,S.(2001)ST6Gal−I in Handbook of Glycosyltransferases and Related Genes(Taniguchi,N.et al.Eds.)pp295−300)。ST6Gal Iは糖タンパク質、オリゴ糖またはガングリオシドなどの末端糖鎖部分にGalβ1,4GlcNAc構造をもつものに対して活性を示すが、Galβ1,4GlcNAc構造のほかにラクトース(Galβ1,4Glc)や場合によってはGalβ1,3GlcNAc構造でも基質にすることができる基質特異性の広い酵素である。基質特異性が広いということは、例えばST6Gal Iを利用した機能性オリゴ糖などの合成の際に、原材料に不純物が混入していると、それらも基質となって副産物が生じてしまう可能性が考えられる。従ってこの問題を解決するためには、基質特異性に関してより選択性の高い酵素が要求される。しかし現在までにβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性をもち、基質特異性に関してより選択性の高い補乳動物由来の酵素は知られていなかった。
発明の開示
上記した通り、今までに知られているα2,8−シアル酸転移酵素は5種類存在するが、これらはいずれもN型糖鎖をもつ糖タンパク質またはガングリオシドなどの糖脂質を主な基質とし、O型糖鎖をもつ糖タンパク質に対しては活性を全く示さないか、限定的な活性を示すだけであった。本発明の第一の目的は、O型糖鎖に対し高い活性を示す新規なO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素を提供することである。また、本発明は、O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素をコードするcDNAをクローニングし、該O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素をコードするDNA配列および該酵素のアミノ酸配列を提供することを目的とする。さらに本発明は、上記のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の構造のうち、活性に係わる部分を大量に蛋白として発現させることを目的とする。
さらにまた上記した通り、哺乳動物で今までに知られているβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素は1種類(ST6Gal I)だけである。これは糖タンパク質、オリゴ糖またはガングリオシドなどの末端糖鎖部分にGalβ1,4GlcNAc構造をもつものに対して活性を示すが、Galβ1,4GlcNAc構造のほかにラクトース(Galβ1,4Glc)や場合によってはGalβ1,3GlcNAc構造でも基質にすることができる基質特異性の広い酵素である。本発明の第二の目的は、この基質特異性が広いという問題点を解決し、オリゴ糖上のGalβ1,4GlcNAc構造に対してより選択性の高い基質特異性を示す新規β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素および該酵素をコードするDNAを提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意努力し、マウス脳及び心臓の各cDNAライブラリーをスクリーニングし、またマウス腎臓由来cDNAを鋳型としたPCRを行うことにより、O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素をコードするcDNAをクローニングすることに成功した。さらに、本発明者は、ヒトシアル酸転移酵素ST6Gal Iのアミノ酸配列を用いて、これと相同性を示す新規シアル酸転移酵素をコードしているクローンをexpressed sequence tag(dbEST)のデータベースで検索し、GenBankTM accession Nos.BE613250,BE612797,BF038052の各ESTクローンを取得した。またそれらの塩基配列情報を利用して、dbESTとヒトゲノムのHigh throughput genomic sequenceのデータベースを検索し、関連ESTクローンとゲノム遺伝子の塩基配列情報を取得した。以上の塩基配列情報をもとにポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)用のプライマーを作製し、ヒト大腸由来cDNAを鋳型としてPCRを行い、得られた増幅断片と入手ESTクローン由来のDNA断片を連結することによって翻訳領域全長を含むクローンを取得した。そして、該クローンによりコードされるタンパク質がβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性を有していることを確認した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の基質特異性および基質選択性を有することを特徴とする、O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素が提供される。
基質特異性:末端にSiaα2,3(6)Gal(ここで、Siaはシアル酸を示し、Galはガラクトースを示す)構造をもつ糖を基質とする;
基質選択性:糖脂質およびN型糖鎖よりも優先的にO型糖鎖に対してシアル酸を取り込ませる:
好ましくは、本発明により、下記の何れかのアミノ酸配列を有するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号1または3に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号1または3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
本発明の別の側面によれば、上記した本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードするO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子が提供される。
好ましくは、本発明により、下記の何れかの塩基配列を有するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載の塩基配列中の塩基番号77番目から1270番目で特定される塩基配列;
(2)配列表の配列番号2に記載の塩基配列中の塩基番号77番目から1270番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
(3)配列表の配列番号4に記載の塩基配列中の塩基番号92番目から1285番目で特定される塩基配列;
(4)配列表の配列番号4に記載の塩基配列中の塩基番号92番目から1285番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素遺伝子を含む組み換えベクター(好ましくは、発現ベクター);上記した組み換えベクターにより形質転換された形質転換体;並びに上記した形質転換体を培養し培養物から本発明の酵素を採取することを特徴とする本発明の酵素の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素活性ドメインから成る蛋白質が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜398から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜398から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
(3)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号68〜398から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号68〜398から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の細胞外分泌型の蛋白質をコードする遺伝子が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の細胞外分泌型の蛋白質をコードする遺伝子を含む組み換えベクター(好ましくは、発現ベクター);上記した組み換えベクターにより形質転換された形質転換体;並びに上記した形質転換体を培養し培養物から本発明の酵素を採取することを特徴とする本発明の蛋白質の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、以下の作用および基質特異性を有することを特徴とする、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素が提供される。
(1)作用;
末端にガラクトースβ1,4N−アセチルグルコサミン構造をもつ糖鎖のガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する。
(2)基質特異性;
末端にガラクトースβ1,4N−アセチルグルコサミン構造をもつ糖鎖を基質とし、ラクトース、及び末端にガラクトースβ1,3N−アセチルグルコサミン構造をもつ糖鎖を基質としない。
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号5または7に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号5または7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードするβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、下記の何れかの塩基配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子が提供される。
(1)配列表の配列番号6に記載の塩基配列中の塩基番号176番目から1762番目で特定される塩基配列;
(2)配列表の配列番号6に記載の塩基配列中の塩基番号176番目から1762番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
(3)配列表の配列番号8に記載の塩基配列中の塩基番号3番目から1574番目で特定される塩基配列;又は
(4)配列表の配列番号8に記載の塩基配列中の塩基番号3番目から1574番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子を含む組み換えベクターが提供される。
本発明の組み換えベクターは、好ましくは、発現ベクターである。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の組み換えベクターにより形質転換された形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の形質転換体を培養し培養物から本発明の酵素を採取することを特徴とする、本発明の酵素の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性ドメインから成る蛋白質が提供される。
(1)配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号33〜529から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号33〜529から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
(3)配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号31〜524から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号31〜524から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明の蛋白質をコードする遺伝子が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明の遺伝子を含む組み換えベクターが提供される。
本発明の組み換えベクターは、好ましくは、発現ベクターである。
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の組み換えベクターにより形質転換された形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の形質転換体を培養し培養物から本発明の蛋白質を採取することを特徴とする、本発明の蛋白質の製造方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施態様及び実施方法について詳細に説明する。
(1)本発明の酵素及び蛋白質
本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素は、以下の基質特異性および基質選択性を有することを特徴とする。
基質特異性:末端にSiaα2,3(6)Gal(ここで、Siaはシアル酸を示し、Galはガラクトースを示す)構造をもつ糖を基質とする;
基質選択性:糖脂質およびN型糖鎖よりも優先的にO型糖鎖に対してシアル酸を取り込ませる:
上記した基質特異性及び基質選択性は、本明細書に記載した実施例で取得されたマウスおよびヒト由来のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素について実証された性質である。本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の由来はマウスおよびヒト由来のものに限定されるものではなく、同型のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素が他の哺乳類の組織に存在し、かつ、それらのO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素が互いに高度の相同性を有していることは当業者に容易に理解される。
このようなO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素は、上記した基質特異性及び基質選択性を有することを特徴とするものであり、すべて本発明の範囲に属するものである。
このような酵素としては、哺乳類組織由来の天然型酵素やその変異体、または以下の実施例で作製したようなO−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒し、遺伝子組み換え技術により製造された細胞外分泌型蛋白質などを挙げることができるが、これらはいずれも本発明の範囲に包含されるものである。
本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の一例としては、下記の何れかのアミノ酸配列を有するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素が挙げられる。
(1)配列表の配列番号1または3に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号1または3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
さらに、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の活性ドメイン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を改変又は修飾して得られるO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質は全て本発明の範囲に包含されることを理解すべきである。このような活性ドメインの好ましい例としては、配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列の26〜398または配列番号3に記載したアミノ酸配列の68〜398により特定されるO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の活性ドメインを挙げることができる。また、配列表の配列番号1または配列番号3に記載したアミノ酸配列の26〜100前後までの配列はステムと呼ばれる領域なので活性には必ずしも必須ではないと考えられる。従って、配列表の配列番号1または配列番号3に記載したアミノ酸配列の101〜398の領域をO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素の活性ドメインとして使用してもよい。
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素活性ドメインから成る蛋白質が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜398から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜398から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
(3)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号68〜398から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号68〜398から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
一方、本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素は、以下の作用および基質特異性を有することを特徴とする。
(1)作用;
末端にガラクトースβ1,4N−アセチルグルコサミン構造をもつ糖鎖のガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する。
(2)基質特異性;
末端にガラクトースβ1,4N−アセチルグルコサミン構造をもつ糖鎖を基質とし、ラクトース、及び末端にガラクトースβ1,3N−アセチルグルコサミン構造をもつ糖鎖を基質としない。
上記した作用及び基質特異性性は、本明細書に記載した実施例で取得されたヒトおよびマウス由来のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素について実証された性質である。本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の由来はヒトまたはマウス由来のものに限定されるものではなく、同型のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素が他の哺乳類の組織に存在し、かつ、それらのβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素が互いに高度の相同性を有していることは当業者に容易に理解される。
このようなβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素は、上記した作用および基質特異性を有することを特徴とするものであり、すべて本発明の範囲に属するものである。
このような酵素としては、哺乳類組織由来の天然型酵素やその変異体、またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒し、遺伝子組み換え技術により製造された細胞外分泌型蛋白質などを挙げることができるが、これらはいずれも本発明の範囲に包含されるものである。
本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の一例としては、下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素が挙げられる。
(1)配列表の配列番号5または7に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号5または7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
さらに、本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメイン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を改変又は修飾して得られるβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性を有する蛋白質は全て本発明の範囲に包含されることを理解すべきである。このような活性ドメインの好ましい例としては、配列表の配列番号5に記載したアミノ酸配列の33〜529により特定されるβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインを挙げることができる。また、配列表の配列番号5に記載したアミノ酸配列の31〜200前後までの配列はステムと呼ばれる領域なので活性には必ずしも必須ではないと考えられる。従って、配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列の201〜529の領域をβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインとして使用してもよい。
同様に、活性ドメインの好ましい例としては、配列表の配列番号7に記載したアミノ酸配列の31〜524により特定されるβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインを挙げることができる。また、配列表の配列番号7に記載したアミノ酸配列の31〜200前後までの配列はステムと呼ばれる領域なので活性には必ずしも必須ではないと考えられる。従って、配列表の配列番号7に記載したアミノ酸配列の201〜524の領域をβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインとして使用してもよい。
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性ドメインから成る蛋白質が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性ドメインから成る蛋白質が提供される。
(1)配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号33〜529から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号33〜529から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
(3)配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号31〜524から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号31〜524から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
本発明の酵素又は蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術により作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1から8に記載したアミノ酸配列および塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、それらを用いて適当なcDNAライブラリーを鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の酵素をコードするDNAを取得することができる。
例えば、配列番号1および配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素をコードするcDNA、並びに配列番号5および配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素をコードするcDNAを単離する方法は以下の実施例に詳細に説明されている。もっとも、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素をコードするcDNAの単離方法はこれらの方法に限定されることはなく、当業者は下記の実施例に記載された方法を参照しつつ、この方法を適宜修飾ないし変更することにより、容易に目的のcDNAを単離することができる。
また、本発明の酵素をコードするDNAの一部の断片を上記したPCRにより得た場合には、作製したDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の酵素をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の酵素を産生することができる。発現系での発現については本明細書中後記する。
さらに、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、O−glycan α2,8−シアル酸転移またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質も本発明に含まれる。
本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素およびβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素は、発現後に細胞内に留まり、細胞外に分泌されない場合がある。また、細胞内濃度が一定以上になると、酵素の発現量が低下するという可能性がある。上記のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素のO−glycan α2,8−シアル酸転移活性およびβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移活性を有効に利用するために、本酵素の活性を維持し、かつ発現時に細胞から分泌される可溶性形態の蛋白を製造することができる。このような蛋白としては、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性に関与するO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、O−glycan α2,8−シアル酸転移またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する蛋白質を挙げることができる。例えば、マウス免疫グロブリンIgMのシグナルペプチドや、プロテインAとの融合蛋白は本発明の分泌型蛋白の好ましい態様である。
これまでにクローニングされたシアル酸転移酵素は、他のグリコシルトランスフェラーゼと同様のドメイン構造を有している。すなわち、NH2末端の短い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカードメイン、蛋白分解感受性を有するステム(stem)領域、及びCOOH−末端の大きな活性ドメインを有する(Paulson,J.C.and Colley,K.J.,J.Biol.Chem.,264,17615−17618,1989)。本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の経膜ドメインの位置を調べるためには、カイト及びドゥーリトル(Kyte,J.and Doolittle,R.F.,J.Mol.Biol.,157,105−132,1982)の方法に従って作成した疎水性分布図を利用することができる。また、活性ドメイン部分の推定には、各種のフラグメントを導入した組換えプラスミドを作成して利用することができる。このような方法の一例は、例えばPCT/JP94/02182号の明細書に詳細に記載されているが、経膜ドメインの位置の確認や活性ドメイン部分の推定方法は、この方法に限定されることはない。
O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白の製造のためには、例えばシグナルペプチドとして免疫グロブリンシグナルペプチド配列を用い、O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインに対応する配列を該シグナルペプチドにインフレーム融合させればよい。このような方法としては、例えば、ジョブリンの方法(Jobling,S.A.and Gehrke,L.,Nature(Lond.),325,622−625,1987)を利用することができる。また、本明細書の実施例に詳細に説明されているように、マウス免疫グロブリンIgMのシグナルペプチドやプロテインAとの融合蛋白を製造してもよい。もっとも、シグナルペプチドの種類やシグナルペプチドと活性ドメインの結合方法、または可溶化の方法は上記方法に限定されることはなく、当業者は、O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分を適宜選択することができるし、それらを利用可能な任意のシグナルペプチドと適宜の方法により結合することにより細胞外分泌型の蛋白を製造することができる。
(2)本発明の遺伝子
本発明によれば、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードする遺伝子、並びにβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードする遺伝子が提供される。
本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードする遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
(1)配列表の配列番号2に記載の塩基配列中の塩基番号77番目から1270番目で特定される塩基配列;
(2)配列表の配列番号2に記載の塩基配列中の塩基番号77番目から1270番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
(3)配列表の配列番号4に記載の塩基配列中の塩基番号92番目から1285番目で特定される塩基配列;
(4)配列表の配列番号4に記載の塩基配列中の塩基番号92番目から1285番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、O−glycan α2,8−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードする遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。
(1)配列表の配列番号6に記載の塩基配列中の塩基番号176番目から1762番目で特定される塩基配列;
(2)配列表の配列番号6に記載の塩基配列中の塩基番号176番目から1762番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
(3)配列表の配列番号8に記載の塩基配列中の塩基番号3番目から1574番目で特定される塩基配列;又は
(4)配列表の配列番号8に記載の塩基配列中の塩基番号3番目から1574番目で特定される塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
本明細書で言う「1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から60個、好ましくは1から30個、より好ましくは1から20個、さらに好ましくは1から10個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
さらに、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインから成る蛋白質、並びに該活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、O−glycan α2,8−シアル酸転移またはβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする遺伝子も本発明の範囲に属する。
本発明の遺伝子の取得方法は上述した通りである。
また、所定の核酸配列に所望の変異を導入する方法は当業者に公知である。例えば、部位特異的変異誘発法、縮重オリゴヌクレオチドを用いるPCR、核酸を含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知の技術を適宜使用することによって、変異を有するDNAを構築することができる。このような公知の技術は、例えば、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,24nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989、並びにCurrent Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)に記載されている。
(3)本発明の組み換えベクター
本発明の遺伝子は適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillus stearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスαアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha−amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのPR若しくはPLプロモータ、大腸菌のlac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2−4cプロモータなどが挙げられる。
糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
また、本発明のDNAは必要に応じて、例えばヒト成長ホルモンターミネータまたは真菌宿主についてはTPI1ターミネータ若しくはADH3ターミネータのような適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)および翻訳エンハンサ配列(例えばアデノウイルスVA RNAをコードするもの)のような要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。
本発明のDNA、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
(4)本発明の形質転換体及びそれを用いた蛋白質の製造
本発明のDNA又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明のDNAまたは組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明のDNA構築物を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology,6,47(1988)等に記載)。
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、導入されたDNA構築物の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の酵素を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
例えば、本発明の酵素が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例
実施例1:O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素
本発明の具体例に用いた試薬、試料類は以下の通りである。Fetuin,asialofetuin,bovine submaxillary mucin(BSM),α1−acid glycoprotein,ovomucoid,lactosyl ceramide(LacCer),GM3,GM1a,GD1a,GD1b,GT1b,CMP−NeuAc,6’−sialyllactose,3’−sialyl−N−acetyllactosamine,Triton CF−54はSigma社から購入した。3’−sialyllactose,6’−sialyl−N−acetyllactosamineはCalbiochem社から購入した。N−アセチルノイラミン酸(NeuAc),GM4,Gal,N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)は和光純薬から購入した。GD3は雪印乳業から購入した。GQ1bはAlexis Biochemicals社から購入した。CMP−[14C]−NeuAc(12.0GBq/mmol)はAmersham Pharmacia Biotech社から購入した。シアリダーゼ(NANase II,III)はGlyko Inc社から購入した。N−glycanase(Glycopeptidase F)は宝酒造から購入した。[α−32P]dCTPはNEN社から購入した。ヒトMultiple tissue cDNA panelはClontech社から購入した。GM1b,およびそのpositional analogであるGSC−68,2,3−sialylparagloboside(2,3−SPG),2,6−sialylparagloboside(2,6−SPG)は木曽真教授(岐阜大学農学部)から、NeuAc α2,3Gal,NeuAc α2,6Galは石田秀樹博士(野口研究所)から寄贈されたものを使用した。抗GD3モノクローナル抗体KM641は協和発酵、設楽研也、花井陳雄両博士から寄贈されたものを使用した。また抗NeuAc α2,8NeuAc α2,3Gal抗体S2−566は生化学工業より購入した。Peroxidase−conjugated AffiniPure goat anti−mouse IgG+IgM(H+L)はJackson Immno Research社から購入した。BSM,α1−acid glycoprotein,ovomucoidの脱シアル化(アシアロ)糖タンパク質は、これらを0.02N HCl中80度、1時間で処理することにより調製した。
マウスシアル酸転移酵素ST8Sia Vのアミノ酸配列を用いて、これと相同性を示す新規シアル酸転移酵素をコードしているクローンをNational Center for Biotechnology Informationのexpressed sequence tag(dbEST)のデータベースで検索したところ、GenBankTM accession Nos.BE633149,BE686184,BF730564の各クローンが得られた。これらの塩基配列情報をもとに2種類の合成DNA,5’−CTTTTCTGGAGAACTAAAGG−3’(図1Aの塩基番号1001−1020に相当)(配列番号9),5’−AATTGCAGTTTGAGGATTCC−3’(図1Aの塩基番号1232−1251の相補鎖に相当)(配列番号10)を作製し、Israelの方法に従い(Israel,D.I.(1993)Nucleic Acids Res.21,2627−2631)、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を利用してマウス脳および心臓の各cDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、新規シアル酸転移酵素の一部をコードしているクローンがそれぞれのcDNAライブラリーから1個ずつ得られた。全長クローンを得るため、さらに2種類の合成DNA,5’−TGGCTCAGGATGAGATCGGG−3’(図1Aの塩基番号68−87に相当)(配列番号11),5’−TACTAGCGCTCCCTGTGATTGG−3’(図1Aの塩基番号725−746の相補鎖に相当)(配列番号12)を作製し、マウス腎臓由来cDNAを鋳型としてPCR法により両合成DNA間部分のDNAを増幅した。この増幅断片とマウス脳cDNAライブラリーから得られたクローンを連結することにより、全長クローンを得た。このcDNAは398アミノ酸からなる予測分子量45,399のII型膜タンパク質をコードする単一の翻訳領域を有していた。またそのアミノ酸配列にはシアル酸転移酵素に保存されているシアリルモチーフが存在していた。本タンパク質は既知マウスシアル酸転移酵素の中ではST8Sia I,Vとそれぞれアミノ酸配列レベルで42.0%,38.3%の相同性を示した(図2A)。なお以下に示すようにこのタンパク質はα2,8−シアル酸転移酵素活性を有していたことから、これを本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素ST8Sia VIと命名した。
一方、他の哺乳動物においてもこれと同様の酵素が存在するのかを調べるため、マウスST8Sia VIの配列情報を利用して、上記と同様にデータベースを検索したところ、ヒトやラットにも同様の酵素が存在することが確認できた。図1BにヒトのST8Sia VIの配列情報を示す。マウスとヒトのST8Sia VIではアミノ酸配列レベルで82.4%の相同性を示した(図2B)。
つぎにST8Sia VIの酵素学的諸性質を調べるため、分泌型タンパク質の製造を行った。まずマウスST8Sia VIについて、それぞれXhoIサイトを含む2種類の合成DNA,5’−TGCTCTCGAGCCCAGCCGACGCGCCTGCCC−3’(図1Aの塩基番号141−170に相当)(配列番号13),5’−TATTCTCGAGCTAAGAAACGTTAAGCCGTT−3’(図1Aの塩基番号1263−1293の相補鎖に相当)(配列番号14)を用い、クローニングした全長cDNAを鋳型としてPCR法により、マウスST8Sia VIの活性ドメインをコードするDNA断片を増幅した。これをXhoIで切断後、哺乳動物発現ベクターpcDSAのXhoIサイトに挿入した。この発現ベクターをpcDSA−mST8Sia VIと命名した。
またヒトST8Sia VIについては、まずHuman Tumor Multiple Tissue cDNA Panels(Clontech)のColon adenocarcinoma CX−1由来cDNAを鋳型として、2種類の合成DNA,5’−CAATTGACATATCTGAATGAGAAGTCGCTC−3’(図1Bの塩基番号293−315に相当)(配列番号15),5’−TACTAACATCTCCTGTGGTTGG−3’(図1Bの塩基番号740−761の相補鎖に相当)(配列番号16)を用いてPCR法により増幅したDNA断片、および2種類の合成DNA,5’−CCAGTGTCCCAGCCTTTTGT−3’(図1Bの塩基番号608−627に相当)(配列番号17),5’−TGAGTGGGGAAGCTTTGGTC−3’(図1Bの塩基番号1407−1426の相補鎖に相当)(配列番号18)を用いてPCR法により増幅したDNA断片を、両増幅DNA断片が共通に有するEcoRIサイトを利用して連結し、ヒトST8Sia VIの活性ドメインをコードするDNA断片を得た。これをクローニングベクターpBluescript II SK(+)のEcoRVサイトに挿入した後、MunIとXhoIで切り出し、この切り出し断片をpcDSAのEcoRI−XhoIサイトに挿入したものを、発現ベクターpcDSA−hST8Sia VIと命名した。
pcDSA−mST8Sia VIおよびpcDSA−hST8Sia VIは、それぞれマウス免疫グロブリンIgMのシグナルペプチドとStaphylococcus aureus protein A,およびマウスまたはヒトST8Sia VIの活性ドメイン(マウスST8Sia VIではアミノ酸番号26−398、ヒトST8Sia VIではアミノ酸番号68−398)からなる分泌型融合タンパク質をコードする。
各発現ベクターとリポフェクトアミン(Invitrogen)を用いてCOS−7細胞でその一過性発現を行った(Kojima,N.et al.(1995)FEBS Lett.360,1−4)。ここでそれぞれの発現ベクターを導入した細胞から細胞外に分泌された本発明のタンパク質をPA−mST8Sia VI(マウス)およびPA−hST8Sia VI(ヒト)と命名した。PA−mST8Sia VI、PA−hST8Sia VIはIgG−Sepharose(Amersham Pharmacia Biotech社)に吸着させて培地より回収した。シアル酸転移酵素活性はLeeらの方法に準じて以下のように行った(Lee,Y.−C.et al.(1999)J.Biol.Chem.274,11958−11967)。50mM MESバッファー(pH6.0),1mM MgCl2,1mM CaCl2,0.5%Triton CF−54,100μM CMP−[14C]−NeuAc,糖鎖(糖脂質の場合は0.5mg/ml,糖タンパク質、オリゴ糖は1mg/mlになるように添加)、およびPA−mST8Sia VIまたはPA−hST8Sia VI懸濁液を含む反応液(10μl)を37度で3−20時間インキュベートし、その後、糖脂質についてはC−18カラム(Sep−Pak Vac 100mg;Waters社)を用いて精製したものを試料として、オリゴ糖、糖タンパク質については反応産物をそのまま試料として解析を行った。オリゴ糖、糖脂質はシリカゲル60HPTLCプレート(Merck社)にスポットし、エタノール:ピリジン:n−ブタノール:水:酢酸=100:10:10:30:3の展開溶媒(オリゴ糖用)、または1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5の展開溶媒(オリゴ糖用)、またはクロロホルム:メタノール:0.02% CaCl2=55:45:10の展開溶媒(糖脂質用)で展開した。糖タンパク質の場合はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって解析を行った。これらの放射活性をBAS2000ラジオイメージアナライザー(フジフィルム)で可視化し、定量した。
表1にPA−mST8Sia VI、PA−hST8Sia VIの基質特異性を示す。
PA−mST8Sia VIはGM4,GM3,GD1a,GT1b,GM1b,GSC−68,2,3−SPG,2,6−SPGなど、非還元末端にNeuAcα2,3(6)Gal−という構造をもつ糖脂質に対して活性を示した。このうちGM3を基質とした場合、その反応産物はα2,3−,α2,6−結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase II)では導入シアル酸が切断されなかったが、α2,3−,α2,6−,α2,8−,α2,9−結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase III)では、導入シアル酸が切断された(図3A)。またこの反応産物は抗GD3モノクローナル抗体KM641を用いたTLC免疫染色(Saito,M.et al.(2000)Biochim.Biophys.Acta 1523,230−235)によってα2,8結合を介してシアル酸が導入されたGD3であることが確認されたことから(図3B)、PA−mST8Sia VIはシアル酸をα2,8−の結合様式で転移することが明らかになった。
一方、糖タンパク質を基質とした場合(表1)、PA−mST8Sia VIはO型糖鎖のみを含有するBSMに対して最も高い活性を示した。O型糖鎖、N型糖鎖を含有するFetuin、N型糖鎖のみを含有するOvomucoidに対しても活性を示したが、Ovomucoidに対する活性はO型糖鎖を含むタンパク質に比べると低かった。なお、PA−mST8Sia VIはアシアロ糖タンパク質に対しては全く活性を示さなかった。また単糖およびオリゴ糖を基質とした実験により(表1)、PA−mST8Sia VIが基質として認識する最小糖鎖単位はNeuAc α2,3(6)Galであることが明らかになった。
Fetuinを基質としたとき、PA−mST8Sia VIによってあらたに導入されたシアル酸の大部分はO型糖鎖に取り込まれていることがN−glycanase処理によって明らかになった(図4)。すなわちPA−mST8Sia VIを用いてFetuinを[14C]−NeuAcでシアル化し、これをN型糖鎖をペプチド部分から遊離するN−glycanaseで処理すると、大部分(82.7%)の放射能活性はこのFetuinに保持されたままであった。このことはPA−mST8Sia VIによって導入されたシアル酸の大部分はO型糖鎖に取り込まれたことを示す。一方、N型糖鎖を受容体基質とするマウスST8Sia IIIを用いて同様の実験を行ったところ、放射活性は完全に消失した。
さらにPA−mST8Sia VIの基質特異性および選択性を明らかにするため、BSMとGM3に対するKm値、Vmax値を求めた。BSMに対してはKm値=0.03mM,Vmax値=23.8pmol/h/(ml酵素液)で、Vmax/Km値は793であった。一方、GM3に対してはKm値=0.5mM,Vmax値=0.67pmol/h/(ml酵素液)で、Vmax/Km値は1.34であった。以上の結果は、PA−mST8Sia VIにとってO型糖鎖が糖脂質やN型糖鎖よりはるかに好ましい基質であることを示している。
上記の酵素学的諸性質については、活性値に多少の差はあるもののPA−hST8Sia VIについても当てはまることから(表1、図3A、図4)、各種動物由来のST8Sia VIが従来のα2,8−シアル酸転移酵素とは異なる基質特異性を有することが示されたといえる。
またマウスST8Sia VIについては、その全長クローンの細胞内における酵素活性についても調べた(図5)。マウスST8Sia VIの全長をコードする領域を含む1.4kbのNotI−ApaI断片を、発現ベクターpRc/CMVのNotI−ApaIサイトに挿入したものをpRc/CMV−ST8Sia VIと命名し、これをリポフェクトアミンを用いてCOS−7細胞に導入した。この細胞よりガングリオシドを抽出し、NeuAc α2,8NeuAc α2,3Gal構造を認識するモノクローナル抗体S2−566を用いてTLC免疫染色を行ったところ(図5A)、pRc/CMV−ST8Sia VI導入細胞において有意にNeuAc α2,8NeuAc α2,3Gal構造を有するガングリオシド量が増加していたことが明らかになった。また細胞内の糖タンパク質についても、pRc/CMV−ST8Sia VI導入細胞ではO型糖鎖上に新たにNeuAc α2,8NeuAc α2,3Gal構造が形成されていた(図5B)。以上の結果は、マウスST8Sia VIが生体内においてα2,8−シアル酸転移酵素として機能していることを示している。
なお、マウスST8Sia VIは腎臓、心臓、脾臓などで主に発現しているが(図6A)、ヒトST8Sia VIは胎盤や胎児の各種臓器、および各種腫瘍細胞などにおいて主に発現している(図6B)。
実施例2:β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素
本発明の具体例に用いた試薬、試料類は以下の通りである。Fetuin,asialofetuin,bovine submaxillary mucin(BSM),α1−acid glycoprotein,ovomucoid,lactosyl ceramide(LacCer),GA1,GM3,GM1a,Galβ1,3GalNAc,Galβ1,3GlcNAc,Galβ1,4GlcNAc,Triton CF−54,β−ガラクトシダーゼ(牛精巣由来)はSigma社から購入した。Paragloboside,ラクトースは和光純薬から購入した。CMP−[14C]−NeuAc(12.0GBq/mmol)はAmersham Pharmacia Biotech社から購入した。Lacto−N−tetraose,Lacto−N−neotetraose,シアリダーゼ(NANase I,II)はGlyko Inc社から購入した。[α−32P]dCTPはNEN社から購入した。ヒトおよびマウスMultiple tissue cDNA panelはClontech社から購入した。BSM,α1−acid glycoprotein,ovomucoidの脱シアル化(アシアロ)糖タンパク質は、これらを0.02N HCl中80度、1時間で処理することにより調製した。
ヒトシアル酸転移酵素ST6Gal Iのアミノ酸配列を用いて、これと相同性を示す新規シアル酸転移酵素をコードしているクローンをNational Center for Biotechnology Informationのexpressed sequence tag(dbEST)のデータベースで検索したところ、GenBankTM accession Nos.BE613250,BE612797,BF038052の各ESTクローンが得られた。これらについてはI.M.A.G.E.Consortiumより該当クローンを入手した。またそれらの塩基配列情報を利用して、さらにdbESTとヒトゲノムのHigh throughput genomic sequenceのデータベースを検索したところ、関連ESTクローンとゲノム遺伝子の塩基配列情報が得られた(Accession Nos.H94068,AA514734,BF839115,AA210926,AA385852,H94143,BF351512(以上ESTクローン),AC016994(ゲノム配列))。以上の塩基配列情報をもとにポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)用のプライマーを作製し、ヒト大腸由来cDNAを鋳型としてPCRを行い、ここで得られた増幅断片と入手ESTクローン由来のDNA断片を連結することによって翻訳領域全長を含むクローンを得た(図7A)。このcDNAは529アミノ酸からなる予測分子量60,157のII型膜タンパク質をコードする単一の翻訳領域を有していた。なお膜貫通ドメインは疎水性分布図によりアミノ酸番号12−30の領域に存在することが予測された(図7B)。本タンパク質のアミノ酸配列にはシアル酸転移酵素に保存されているシアリルモチーフが存在していた。また本タンパク質は既知ヒトシアル酸転移酵素の中ではST6Gal Iとアミノ酸レベルで最も高い相同性(48.9%)を示したが(図9A)、他のファミリーのシアル酸転移酵素とは21−36%程度の相同性を示したに過ぎなかった。なお以下に示すようにこのタンパク質はβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性を有していたことから、これを本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素ST6Gal IIと命名した。またヒトST6Gal IIには、splicing variantと考えられるシアリルモチーフSの途中から配列が異なるshort formのクローンも存在していた(図7A)。
一方、他の哺乳動物においてもこれと同様の酵素が存在するのかを調べるため、ヒトST6Gal IIの配列情報を利用して、上記と同様にデータベースを検索したところ、マウスにも同様の酵素が存在することが確認できた。そこでマウスのクローンについてもクローニングを行うことにした。マウス14日目胎児由来cDNAを鋳型として、2種類の合成DNA,5’−GACAATGGGGATGAGTTTTTTACATCCCAG−3’(図8Aの塩基番号321−350に相当)(配列番号19),5’−CGATTTCCTCCCCCAAGGAGGAGTTCAGG−3’(図8Aの塩基番号864−893の相補鎖に相当)(配列番号20)を用いてPCR法により増幅したDNA断片、および2種類の合成DNA,5’−ACGTTGGACGGCAGAGAGGCGCCCTTCTCG−3’(図8Aの塩基番号774−803に相当)(配列番号21),5’−ACCTTATTGCACATCAGTTCCCAAGAGTTC−3’(図8Aの塩基番号1582−1611の相補鎖に相当)(配列番号22)を用いてPCR法により増幅したDNA断片を、両増幅DNA断片が共通に有するKpnIサイトを利用して連結し、さらにこれに2種類の合成DNA,5’−CAATGAAACCACACTTGAAGCAATGGCGAC−3’(図8Aの塩基番号1−30に相当)(配列番号23),5’−CGCAACAAAAAAATAGCTATCTTCCTCGGG−3’(図8Aの塩基番号381−410の相補鎖に相当)(配列番号24)を用いてPCR法により増幅したDNA断片を、両DNA断片が共通に有するAor51HIサイトを利用して連結して、マウスST6Gal IIの全長をコードするDNA断片を得、クローニングベクターpBluescript II SK(+)に挿入した。図8AにマウスのST6Gal IIの配列情報を示す。マウスST6Gal IIは524アミノ酸からなり、ヒトST6Gal IIより5アミノ酸ほどステム領域に相当する部分が短かった。なお本タンパク質の膜貫通ドメインは、疎水性分布図によりアミノ酸番号12−30の領域に存在することが予測された(図8B)。ヒトとマウスのST6Gal IIではアミノ酸配列レベルで77.1%の相同性を示した(図9B)。
つぎにST6Gal IIの酵素学的諸性質を調べるため、分泌型タンパク質の製造を行った。まずヒトST6Gal IIについて、XhoIサイトを含む合成DNA,5’−TCATCTACTTCACCTCGAGCAACCCCGCTG−3’(図7Aの塩基番号255−284に相当)(配列番号25)を用いて膜貫通ドメイン直下流にXhoIサイトを導入し、これとpBluescript II SK(+)由来のXhoIサイトを用いてST6Gal IIのステム領域と活性ドメインをコードするXhoI断片を調製した。これを哺乳動物発現ベクターpcDSAのXhoIサイトに挿入した。この発現ベクターをpcDSA−hST6Gal IIと命名した。またマウスST6Gal IIについては、上記クローニングの際に用いた合成DNA,5’−CAATGAAACCACACTTGAAGCAATGGCGAC−3’(図8Aの塩基番号1−30に相当)(配列番号23)のかわりに、MunIサイトを含む合成DNA,5’−CATCCAATTGACCAACAGCAATCCTGCGGC−3’(図8Aの塩基番号83−112に相当)(配列番号26)を用いてマウスST6Gal IIのステム領域と活性ドメインをコードするMunI−XhoI断片を調製した。これをpcDSAのEcoRI−XhoIサイトに挿入したものを、発現ベクターpcDSA−mST6Gal IIと命名した。
pcDSA−hST6Gal IIおよびpcDSA−mST6Gal IIは、それぞれマウス免疫グロブリンIgMのシグナルペプチドとStaphylococcus aureus protein A,およびマウスまたはヒトST6Gal IIの活性ドメイン(ヒトST6Gal IIではアミノ酸番号33−529、マウスST6Gal IIではアミノ酸番号31−524)からなる分泌型融合タンパク質をコードする。
各発現ベクターとリポフェクトアミン(Invitrogen)を用いてCOS−7細胞でその一過性発現を行った(Kojima,N.et al.(1995)FEBS Lett.360,1−4)。ここでそれぞれの発現ベクターを導入した細胞から細胞外に分泌された本発明のタンパク質をPA−hST6Gal II(ヒト)およびPA−mST6Gal II(マウス)と命名した。PA−hST6Gal II、PA−mST6Gal IIはIgG−Sepharose(Amersham Pharmacia Biotech社)に吸着させて培地より回収した。シアル酸転移酵素活性はLeeらの方法に準じて以下のように行った(Lee,Y.−C.et al.(1999)J.Biol.Chem.274,11958−11967)。50mM MESバッファー(pH6.0),1mM MgCl2,1mM CaCl2,0.5% Triton CF−54,100μM CMP−[14C]−NeuAc,基質糖鎖(糖脂質の場合は0.5mg/ml,糖タンパク質、オリゴ糖は1mg/mlになるように添加)、およびPA−hST6Gal IIまたはPA−mST6Gal II懸濁液を含む反応液(10μl)を37度で3−20時間インキュベートし、その後、糖脂質についてはC−18カラム(Sep−Pak Vac 100mg;Waters社)を用いて精製したものを試料として、オリゴ糖、糖タンパク質については反応産物をそのまま試料として解析を行った。オリゴ糖、糖脂質はシリカゲル60HPTLCプレート(Merck社)にスポットし、1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5の展開溶媒(オリゴ糖用)またはクロロホルム:メタノール:0.02% CaCl2=55:45:10の展開溶媒(糖脂質用)で展開した。糖タンパク質の場合はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって解析を行った。これらの放射活性をBAS2000ラジオイメージアナライザー(フジフィルム)で可視化し、定量した。
表2にPA−hST6Gal II、PA−mST6Gal IIの基質特異性を示す。
両酵素ともオリゴ糖に対しては、非還元末端にGalβ1,4GlcNAc構造をもつものに対してのみ活性を示した(図10)。またこの構造を持つと考えられる糖タンパク質に対しても弱い活性を示した。一方、糖脂質については、調べた範囲内では両酵素の基質となるものはなかった。また比較のためにヒトST6Gal Iのオリゴ糖に対する活性を調べたところ、Galβ1,4GlcNAc構造をもつオリゴ糖のほかに、LactoseやLacto−N−tetraoseなどに対しても活性を示した(図10)。またST6Gal Iは糖タンパク質や糖脂質に対しても広い活性を示した(表2)。以上のことはST6Gal IIがST6Gal Iよりも基質特異性に関してより選択性が強いことを意味する。なおヒトST6Gal IIのsplicing variantであるshort formのタンパク質については、酵素活性が認められなかった(図10)。
PA−hST6Gal IIおよびPA−mST6Gal IIによりGal β1,4GlcNAcにシアル酸を転移した場合、その反応産物の導入シアル酸はST6Gal Iの場合と同様にα2,3−結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase I)では切断されなかったが、α2,3−,α2,6−結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase II)では切断された(図11A)。またこの反応産物はTLCにおいて6’−sialyl−N−acetyllactosamineと同じ移動度を示したこと、さらにガラクトシダーゼ処理ではTLCにおいて移動度に変化が認められなかったことから(図11B)、α2,6結合を介してガラクトースにシアル酸が導入された6’−sialyl−N−acetyllactosamineであると考えられた。以上によりST6Gal IIはシアル酸をα2,6−の結合様式でガラクトースに転移することが明らかになった。なおその特に好ましい基質としては、非還元末端にGalβ1,4GlcNAc構造をもつオリゴ糖と考えられた。
またヒトST6Gal I,ST6Gal IIの様々な組織における発現パターンを、ST6Gal I特異的プライマー(5’−TTATGATTCACACCAACCTGAAG−3’(配列番号27)および5’−CTTTGTACTTGTTCATGCTTAGG−3’(配列番号28)、PCR増幅断片の大きさは372bp)とST6Gal II特異的プライマー(5’−AGACGTCATTTTGGTGGCCTGGG−3’(図7Aの塩基番号1264−1286に相当)(配列番号29)および5’−TTAAGAGTGTGGAATGACTGG−3’(図7Aの塩基番号1745−1765に相当)(配列番号30)、PCR増幅断片の大きさは502bp)を用いてPCR法で調べた(図12A)。ヒトST6Gal Iはほとんどの組織で発現していたが、ST6Gal IIは小腸、大腸、胎児脳を除く組織での発現は非常に低いか、全く認められなかった。さらにヒトST6Gal Iは各種腫瘍細胞で発現していたが、ST6Gal IIの発現は検出できなかった(図12B)。またマウスST6Gal IIの発現様式について、マウス ST6Gal II特異的プライマー(5’−CAATGAAACCACACTTGAAGCAATGGCGAC−3’(図8Aの塩基番号1−30に相当)(配列番号23)および5’−CGCAACAAAAAAATAGCTATCTTCCTCGGG−3’(図8Aの塩基番号381−410の相補鎖に相当)(配列番号24)、PCR増幅断片の大きさは410bp)を用いて同様に調べたところ、脳および胎生期でその発現が認められたが、その他の組織での発現は非常に低いか、全く認められなかった(図12C)。以上の結果はST6Gal IとST6Gal IIが生体内で異なる役割を果たしていることを示唆する。
産業上の利用の可能性
本発明により新規酵素としてO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素、および該酵素の活性部分を有し細胞外に分泌される新規蛋白質が提供される。本発明の酵素および蛋白質は、O−glycan α2,8−シアル酸転移酵素活性を有するので、例えば、蛋白にヒト型の糖鎖を導入する試薬として有用である。また、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素は、ヒトに特異的な糖鎖を欠く遺伝性疾患の治療のための医薬として有用である。さらに、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素は、癌転移抑制、ウイルス感染防止、炎症反応抑制、神経組織賦活作用を目的とする医薬としても用いることが可能である。さらにまた、本発明のO−glycan α2,8−シアル酸転移酵素は、薬剤等にシアル酸を付加することにより生理作用を増加させるための研究用試薬などとして有用である。
さらに本発明により新規酵素としてβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素、および該酵素の活性部分を有し細胞外に分泌される新規蛋白質が提供される。本発明の酵素および蛋白質はβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性を有するので、Galβ1,4GlcNAc構造をもつオリゴ糖などのガラクトース上にα2,6の結合様式でシアル酸をより選択的に導入することが可能になった。本発明のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素ST6Gal IIは、本酵素が合成する特異的な糖鎖を欠く遺伝性疾患の治療薬として、また癌転移抑制、ウイルス感染抑防止、炎症反応抑制、神経細胞賦活効果を有する薬剤として、あるいは糖鎖にシアル酸を付加することにより生理作用を増加させたり、糖鎖分解酵素の分解活性を阻害する研究用試薬などとして有用である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、マウスおよびヒトのST8Sia VI cDNAの塩基配列と予測アミノ酸配列を示す。膜貫通ドメインは下線、シアリルモチーフLは二重線、シアリルモチーフSは破線で示してある。シアリルモチーフVSで保存されているヒスチジンとグルタミン酸は四角で囲ってある。N型糖鎖が結合すると予想されるアスパラギンには上線を付してある。A,マウスST8Sia VI。B,ヒトST8Sia VI。
図2は、アミノ酸配列の比較を示す。
Aは、マウスシアル酸転移酵素ST8Sia I,ST8Sia V,ST8Sia VIのアミノ酸配列の比較を示す。各シアル酸転移酵素間で保存されているアミノ酸は四角で囲ってある。シアリルモチーフLは二重線で、シアリルモチーフSは破線で示してある。シアリルモチーフVSで保存されているヒスチジンとグルタミン酸にはアスタリスクを付してある。
Bは、マウス(m)およびヒト(h)のST8Sia VIのアミノ酸配列の比較を示す。両酵素間で保存されているアミノ酸は四角で囲ってある。
図3は、結合特異性の解析を示す。
Aは、マウスST8Sia VIの分泌型組み換えタンパク質PA−mST8Sia VIによりGM3を[14C]−NeuAcでシアル化し、それをα2,3−,α2,6−結合特異的なシアリダーゼ(NANase II)、α2,3−,α2,6−,α2,8−,α2,9−結合特異的シアリダーゼ(NANase III)で処理した反応産物をHPTLCで展開(展開溶媒はクロロホルム:メタノール:0.02%CaCl2=55:45:10)した結果(上段)、およびヒトST8Sia VIの分泌型組み換えタンパク質PA−hST8Sia VIにより3’−sialyllactoseを[14C]−NeuAcでシアル化し、それをNANase II,NANase IIIで処理した反応産物をHPTLCで展開(展開溶媒は1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5)した結果(下段)を示す。
Bは、GM3をPA−mST8Sia VIによりシアル化した反応産物のTLC免疫染色の結果を示す。レーン1,GD3(1μg);レーン2,GM3(1μg);レーン3,反応産物。抗GD3モノクローナル抗体KM641およびPeroxidase−conjugated anti−mouse IgG+IgM(H+L)で反応させた後、ECLで発色した。
図4は、ST8Sia IIIまたはST8Sia VIによって[14C]−NeuAcを取り込ませたFetuinをN−glycanaseで処理した結果を示す。[14C]−NeuAcを取り込ませたFetuinをN−glycanaseで処理し、SDS−PAGEで解析後、BAS2000ラジオイメージアナライザーで可視化した。
図5は、COS−7細胞においてマウスST8Sia VI全長cDNAを過剰発現させたときの影響を示す。
Aは、抗NeuAcα2,8NeuAcα2,3Gal抗体S2−566を用いてTLC免疫染色を行った結果を示す。レーン1,GD3標準物質(0.5μg);レーン2,GQ1b標準物質(0.5μg);レーン3,コントロールのCOS−7細胞(30mg)から抽出した酸性糖脂質画分;レーン4,マウス全長ST8Sia VI発現ベクターpRc/CMV−ST8Sia VIを導入したCOS−7細胞(30mg)から抽出した酸性糖脂質画分。
Bは、COS−7細胞またはpRc/CMV−ST8Sia VIを導入したCOS−7細胞からミクロソーム画分を調製し、SDS−PAGEに供した後(45μg/レーン)、PVDF膜に転写してS2−566抗体を用いてウエスタンブロットを行った結果を示す。レーン1,コントロールのCOS−7細胞から調製したミクロソーム画分;レーン2,pRc/CMV−ST8Sia VIを導入したCOS−7細胞から調製したミクロソーム画分;レーン3,コントロールのCOS−7細胞から調製したミクロソーム画分をN−グリカナーゼ処理したもの;レーン4,pRc/CMV−ST8Sia VIを導入したCOS−7細胞から調製したミクロソーム画分をN−グリカナーゼ処理したもの。ST8Sia VI cDNAの導入により生じたS2−566抗体に認識されるバンドの主なものについては、アスタリスクを付してある。
図6は、マウスおよびヒトのST8Sia VI遺伝子の発現様式を示す。
Aは、マウス各種臓器より調製したpoly(A)+RNA(約2μg/レーン)を用いてマウスST8Sia VI遺伝子の発現様式をノーザン解析した結果を示す。
Bは、Multiple Tissue cDNA Panel(Clontech)を用いてPCR法によりヒトST8Sia VI遺伝子の発現様式を解析した結果を示す。ヒトST8Sia VI特異的プライマーとして、5’−CCAGTGTCCCAGCCTTTTGT−3’(図1Bの塩基番号608−627に相当)(配列番号17)および5’−TGAGTGGGGAAGCTTTGGTC−3’(図1Bの塩基番号1407−1426の相補鎖に相当)(配列番号18)を用いた(PCR増幅断片の大きさは819bp)。
図7は、ヒトST6Gal II cDNAの塩基配列と予測アミノ酸配列、およびその疎水性分布図を示す。
Aは、ヒトST6Gal II cDNAの塩基配列と予測アミノ酸配列を示す。膜貫通ドメインは下線、シアリルモチーフLは二重線、シアリルモチーフSは破線で示してある。シアリルモチーフVSで保存されているヒスチジンとグルタミン酸は四角で囲ってある。N型糖鎖が結合すると予想されるアスパラギンには上線を付してある。
Bは、ヒトST6Gal IIの疎水性分布図を示す。N末端側の大きな疎水性領域は膜貫通ドメインと予測される。
図8は、マウスST6Gal II cDNAの塩基配列と予測アミノ酸配列、およびその疎水性分布図を示す。
Aは、マウスST6Gal II cDNAの塩基配列と予測アミノ酸配列を示す。膜貫通ドメインは下線、シアリルモチーフLは二重線、シアリルモチーフSは破線で示してある。シアリルモチーフVSで保存されているヒスチジンとグルタミン酸は四角で囲ってある。N型糖鎖が結合すると予想されるアスパラギンには上線を付してある。
Bは、マウスST6Gal IIの疎水性分布図を示す。N末端側の大きな疎水性領域は膜貫通ドメインと予測される。
図9は、アミノ酸配列の比較を示す。
Aは、ヒトシアル酸転移酵素ST6Gal IとST6Gal IIのアミノ酸配列の比較を示す。両シアル酸転移酵素間で保存されているアミノ酸は四角で囲ってある。シアリルモチーフLは二重線で、シアリルモチーフSは破線で示してある。シアリルモチーフVSで保存されているヒスチジンとグルタミン酸にはアスタリスクを付してある。
Bは、ヒト(h)およびマウス(m)のST6Gal IIのアミノ酸配列の比較を示す。両酵素間で保存されているアミノ酸は四角で囲ってある。
図10は、オリゴ糖に対する活性を示す。様々なオリゴ糖を基質(10μg/レーン)として酵素反応を行い、その反応産物をHPTLCで解析(展開溶媒は1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5)した結果を示す。
図11は、結合特異性の解析を示す。
Aは、ヒトST6Gal I(上段)、ヒトST6Gal II(中段)、およびマウスST6Gal II(下段)を用いてGalβ1,4GlcNAcを[14C]−NeuAcでシアル化し(レーン1)、それをα2,3−結合特異的シアリダーゼ(NANase I,レーン2)、α2,3−,α2,6−結合特異的シアリダーゼ(NANase II,レーン3)で処理した反応産物をHPTLCで展開(展開溶媒は1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5)した結果を示す。
Bは、ヒトST6Gal I(上段)、ヒトST6Gal II(中段)、およびマウスST6Gal II(下段)を用いてGalβ1,4GlcNAcを[14C]−NeuAcでシアル化し(レーン1)、それをβ−ガラクトシダーゼで処理した反応産物(レーン2)、およびコントロールとしてGalβ1,4GlcNAcをβ−ガラクトシダーゼで処理した後に酵素反応を行った試料(レーン3)をHPTLCで展開(展開溶媒は1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5)した結果を示す。レーン2のバンドがブロードなのは、β−ガラクトシダーゼ溶液中に含まれている高濃度の硫酸アンモニウムの影響による。
図12は、ヒトST6Gal I,ST6Gal IIおよびマウスST6Gal II遺伝子の発現パターンの解析を示す。ヒトST6Gal I,ST6Gal II特異的プライマーとヒト組織(A)またはヒト腫瘍細胞(B)のMultiple tissue cDNA panel(Clontech)を用い、両遺伝子の発現パターンをPCR法で解析した。PCRは94度1分、50度1分、72度1分30秒を1サイクルとし、Glyceraldehyde3−phosphate dehydrogenase(G3PDH)遺伝子については25サイクル、ヒトST6Gal I,ST6Gal II遺伝子については40サイクル行って、反応産物をアガロースゲル電気泳動で解析した。Sk.muscle,skeletal muscle;P.bl.leukocyte,peripheral blood leukocyte。Cは、マウスST6Gal IIの発現パターンを、マウスST6Gal II特異的プライマーとマウス組織のMultiple tissue cDNA panel(Clontech)を用い、PCR法で解析した結果を示す。
Claims (14)
- 下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素。
(1)配列表の配列番号5または7に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号5または7に記載のアミノ酸配列において1から10個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列: - 請求項1に記載のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列をコードするβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子。
- 下記の何れかの塩基配列を有する請求項2に記載のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子。
(1)配列表の配列番号6に記載の塩基配列中の塩基番号176番目から1762番目で特定される塩基配列;
(2)配列表の配列番号6に記載の塩基配列中の塩基番号176番目から1762番目で特定される塩基配列において1から30個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
(3)配列表の配列番号8に記載の塩基配列中の塩基番号3番目から1574番目で特定される塩基配列;又は
(4)配列表の配列番号8に記載の塩基配列中の塩基番号3番目から1574番目で特定される塩基配列において1から30個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質をコードする塩基配列: - 請求項2または3に記載のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素遺伝子を含む組み換えベクター。
- 発現ベクターである、請求項4に記載の組み換えベクター。
- 請求項4または5に記載の組み換えベクターにより形質転換された形質転換体。
- 請求項6に記載の形質転換体を培養し培養物から請求項1に記載の酵素を採取することを特徴とする、請求項1に記載の酵素の製造方法。
- 下記の何れかのアミノ酸配列を有するβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素活性ドメインから成る蛋白質。
(1)配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号33〜529から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号33〜529から成るアミノ酸配列において1から10個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列:
(3)配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号31〜524から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号31〜524から成るアミノ酸配列において1から10個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有するアミノ酸配列: - 請求項1に記載のβ−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、β−ガラクトシドα2,6−シアル酸転移を触媒する活性を有する蛋白質。
- 請求項8又は9に記載の蛋白質をコードする遺伝子。
- 請求項10に記載の遺伝子を含む組み換えベクター。
- 発現ベクターである、請求項11に記載の組み換えベクター。
- 請求項11または12に記載の組み換えベクターにより形質転換された形質転換体。
- 請求項13に記載の形質転換体を培養し培養物から請求項8または9に記載の蛋白質を採取することを特徴とする、請求項8または9に記載の蛋白質の製造方法。
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