JP4431465B2 - 超臨界流体クロマトグラフィーにおける試料供給方法及び試料供給装置 - Google Patents

超臨界流体クロマトグラフィーにおける試料供給方法及び試料供給装置 Download PDF

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Description

本発明は、超臨界流体クロマトグラフィー装置における移動相に試料を供給する方法及び装置に関する。
超臨界流体クロマトグラフィー装置では超臨界流体が移動相に用いられる。超臨界流体は、通常の溶剤に比べて高い拡散性と低粘性とを有する。このため、超臨界流体クロマトグラフィー装置では、例えば分離が困難とされる光学異性体を高速で分離することができる。
超臨界流体クロマトグラフィー装置では、移動相に試料を注入するインジェクタ等の注入装置が通常用いられるが、超臨界流体は、適切な圧力及び温度によって存在する流体である。このため、超臨界流体クロマトグラフィー装置では、試料の注入時に圧力変動が生じると、移動相の組成が変化し、目的の物質の分離に悪影響を及ぼすことがある。
超臨界流体クロマトグラフィー装置における試料の注入時の圧力変動を防止するための技術としては、例えば超臨界流体を含有する移動相の背圧に抗してサンプルループに試料を試料ポンプによって供給し、サンプルループ中の試料の圧力を移動相の圧力まで高め、その後に移動相の流路にサンプルループを接続し、サンプルループ中の試料を移動相の流路に注入してカラムに導入する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
前記技術は、試料の注入時の圧力変動を防止する観点で優れているが、移動相の圧力を注入前の試料に伝達するために圧力伝達手段の採用や流路の形状の複雑化を要し、例えば既成の超臨界流体クロマトグラフィー装置に適用する観点から検討の余地が残されている。
特開平5−307026号公報
本発明は、超臨界流体クロマトグラフィー装置において、圧力変動を伴わずに簡単な構成で移動相に試料を供給することを課題とする。
本発明は、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する際に、常圧の状態から移動相用流路に圧入される溶剤に、又はこの溶剤に代えて、試料か又は試料と溶剤とを含有する所定量の試料溶液を供給し、移動相に試料を供給する方法及び装置を提供する。
すなわち、本発明は、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離する超臨界流体クロマトグラフィーにおいて、移動相に試料を供給する方法であって、超臨界流体クロマトグラフィーは、圧力が調整されている移動相用流路において、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体と溶剤とを混合する工程を含み、試料を供給する方法は、試料と溶剤とを含有する所定量の試料溶液を、移動相用流路で液化ガス又は超臨界流体と混合される溶剤に代えて移動相用流路に断続的に供給する方法を提供する。
超臨界流体クロマトグラフィーでは、溶剤に比べて高圧の液化ガス又は超臨界流体に、より低い圧力(通常は常圧)の溶剤が混合されることによって、前記移動相用流路におい
て移動相が安定して生成される。したがって、前記方法では、液化ガス又は超臨界流体に混合される溶剤に代えて、所定量の前記試料溶液を溶剤と同様の方法によって液化ガス又は超臨界流体に供給することから、試料を含有する移動相が移動相用流路で安定して生成される。したがって、試料の供給に伴う移動相の圧力変動が防止される。
また本発明は、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離するための超臨界流体クロマトグラフィー装置において、移動相に試料を供給するための装置であって、超臨界流体クロマトグラフィー装置は、移動相用流路と、移動相用流路の圧力を調整するための圧力調整手段と、圧力調整手段によって圧力が調整されている移動相用流路で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段とを有し、移動相生成手段は、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体を移動相用流路に供給するための超臨界流体用高圧ポンプと、溶剤を移動相用流路に供給するための溶剤用高圧ポンプと、溶剤用高圧ポンプに溶剤を供給するための溶剤用吸い込み側流路とを有し、試料を供給するための装置は、試料と溶剤とを含有する所定量の試料溶液を溶剤用吸い込み側流路に供給する手段を有する装置を提供する。
前記装置では、液化ガス又は超臨界流体に混合される溶剤に所定量の試料が供給されることから、前記方法と同様に、試料を含有する移動相が移動相用流路で安定して生成され、試料の供給に伴う移動相の圧力変動が防止される。また移動相用流路に対する溶剤の流路に試料を適宜供給することから、より簡易な構成で試料の供給が行われる。
また本発明は、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離するための超臨界流体クロマトグラフィー装置において、移動相に試料を供給するための装置であって、超臨界流体クロマトグラフィー装置は、移動相用流路と、移動相用流路の圧力を調整するための圧力調整手段と、圧力調整手段によって圧力が調整されている移動相用流路で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段とを有し、移動相生成手段は、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体を移動相用流路に供給するための超臨界流体用高圧ポンプと、溶剤を移動相用流路に供給するための溶剤用高圧ポンプと、溶剤用高圧ポンプから吐き出された溶剤を移動相用流路に供給するための溶剤用吐き出し側流路とを有し、試料を供給するための装置は、試料と溶剤とを含有する試料溶液を溶剤用吐き出し側流路に供給するための試料溶液用吐き出し側流路と、試料溶液用吐き出し側流路と溶剤用吐き出し側流路とを切り替え自在な吐き出し側流路切り替え手段と、吐き出し側流路切り替え手段に試料溶液用吐き出し側流路中の試料溶液を供給するための試料溶液用高圧ポンプとを有し、吐き出し側流路切り替え手段による流路の切り替えによって所定量の試料溶液が断続的に移動相用流路に供給される装置である装置を提供する。
前記装置では、溶剤を移動相用流路に供給するための手段と同様に構成される手段によって液化ガス又は超臨界流体に試料溶液が供給されることから、前記装置と同様に、試料を含有する移動相が移動相用流路で安定して生成され、試料の供給に伴う移動相の圧力変動が防止される。また移動相用流路に対して、同様に構成される異なる供給手段によって溶剤と試料溶液とがそれぞれ液化ガス又は超臨界流体に供給されることから、溶剤を供給するための流路やポンプの試料による汚染が防止される。
本発明によれば、圧力が調整されている移動相用流路において液化ガス又は超臨界流体と溶剤を混合する工程を含む超臨界流体クロマトグラフィーにおいて、移動相用流路で混合される溶剤に代えて、試料と溶剤とを含有する試料溶液を移動相用流路に所定量供給することから、超臨界流体クロマトグラフィー装置において、圧力変動を伴わずに簡単な構
成で移動相に試料を供給することができる。
また本発明によれば、圧力調整手段によって圧力が調整されている移動相用流路で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段を有する超臨界流体クロマトグラフィー装置において、液化ガス又は超臨界流体に溶剤を供給するための溶剤用高圧ポンプに溶剤を供給するための溶剤用吸い込み側流路に、所定量の試料溶液を供給する手段を有することから、超臨界流体クロマトグラフィー装置において、圧力変動を伴わずに簡単な構成で移動相に試料を供給することができる。
また本発明によれば、圧力調整手段によって圧力が調整されている移動相用流路で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段を有する超臨界流体クロマトグラフィー装置において、液化ガス又は超臨界流体に溶剤を供給するための溶剤用高圧ポンプから移動相用流路に溶剤を供給するための溶剤用吐き出し側流路に、溶剤用吐き出し側流路と試料溶液用吐き出し側流路とを切り替える吐き出し側流路切り替え手段と、試料溶液用吐き出し側流路中の試料溶液を吐き出し側流路切り替え手段に供給するための試料溶液用高圧ポンプとを有することから、超臨界流体クロマトグラフィー装置において、圧力変動を伴わずに簡単な構成で移動相に試料を供給することができ、かつ試料の供給による溶剤の流路の汚染を防止することができる。
本発明では、前記目的の物質が光学異性体であり、試料中から目的の物質を分離するための分離剤を収容したカラムを用い、分離剤には光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤を用いると、目的の物質の分離効率を高め、移動相用流路における試料の拡散を抑制する観点からより効果的であり、分離剤にセルロース、アミロース、これらのエステル誘導体、又はこれらのカルバメート誘導体を用いるとより一層効果的である。
<試料供給方法>
本発明は、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離する超臨界流体クロマトグラフィーにおいて、前記移動相に前記試料を供給する方法である。
前記超臨界流体クロマトグラフィーは、圧力が調整されている移動相用流路において、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体と溶剤とを混合する工程を含む。前記超臨界流体クロマトグラフフィーは、前記混合する工程を含む方法であれば特に限定されない。また前記超臨界流体クロマトグラフィーは、本発明の効果を損なわない範囲で、前記混合する工程以外の他の工程をさらに含むことができる。
前記混合する工程では、圧力が調整されている移動相用流路において、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体と溶剤とを混合する。移動相用流路の圧力は、超臨界流体の超臨界状態を形成するのに十分な圧力であれば特に限定されない。移動相用流路の圧力は、例えば背圧調節弁等の公知の圧力調整手段によって調整することができる。
超臨界流体を構成するための液化ガスは、加圧及び加温の少なくともいずれかによって超臨界流体となる液化ガスであれば特に限定されない。液化ガスは、構成しようとする超臨界流体の種類に応じて適宜選択される。液化ガスを加圧する手段としては、例えば高速液体クロマトグラフィー装置で通常用いられている高圧ポンプが挙げられ、液化ガスを加温する手段としては、例えば液化ガスを加温するための熱交換器が挙げられる。
前記超臨界流体は、臨界圧力以上及び臨界温度以上のいずれか一方又は両方の状態(すなわち超臨界状態)にある物質である。超臨界流体として用いられる物質としては、例え
ば二酸化炭素、アンモニア、二酸化イオウ、ハロゲン化水素、亜酸化窒素、硫化水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ハロゲン化炭化水素、水等が挙げられる。
前記溶剤は、前記目的の物質の種類や超臨界流体の種類等に応じて、公知の種々の溶剤の中から一種又は二種以上が選ばれる。前記溶剤としては、例えばメタノール、エタノールや2−プロパノール等の低級アルコール、アセトン等のケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、水等が挙げられる。
液化ガス又は超臨界流体と溶剤とを混合する方法は、移動相用流路において混合できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば液化ガス又は超臨界流体を移動相用流路に高圧ポンプで定量的に供給し、一方で溶剤を移動相用流路に高圧ポンプで定量的に供給する方法が挙げられる。
液化ガス又は超臨界流体と溶剤との混合割合は、目的の物質の種類、目的の物質の分離に用いられるカラムの種類、カラムに収容される分離剤の種類、超臨界流体の種類、及び溶剤の種類等の種々の条件に応じて適宜設定されるが、移動相全体に対する溶剤の割合が5〜30体積%であることが、超臨界流体クロマトグラフィーにおいて目的の物質を高い分離効率で分離する観点から好ましい。移動相中の溶剤の割合は、液化ガス又は超臨界流体の移動相用流路への供給量と、溶剤の移動相用流路への供給量とを、弁の開閉や高圧ポンプの運転等によって相対的に制御することによって調整することができる。
本発明では、移動相用流路で液化ガス又は超臨界流体と混合される溶剤に代えて、試料と溶剤とを含有する所定量の試料溶液を移動相用流路に断続的に供給する。試料溶液を断続的に供給する方法は、移動相用流路に供給される溶剤に試料が断続的に存在する方法であれば特に限定されない。このような方法としては、前記溶剤に所定量の試料を供給する方法や、移動相用流路に対して溶剤の供給と試料溶液の供給とを切り替える方法等が挙げられる。
前記溶剤に所定量の試料を供給する方法は、例えば高速液体クロマトグラフィー等で用いられている公知のインジェクタ(注入器)を用いて行うことができる。前記移動相用流路に対して溶剤の供給と試料溶液の供給とを切り替える方法は、例えば二方弁や三方弁等の流路を開閉可能な手段や、前記高圧ポンプ等の送液手段を用いて行うことができる。
前記試料溶液は、試料と溶剤とを含有する溶液であれば特に限定されない。試料溶液中の溶剤は、移動相用流路に供給されたときに移動相を形成する一成分となる。したがって、試料溶液中の溶剤の量が少なすぎると移動相の組成の変化により目的の物質の分離に支障を来すことがあり、多すぎると試料の含有量が少なくなって目的の物質の分離効率が低下することがある。このような観点から、試料溶液中の試料の含有量は、試料溶液全体に対して0.2〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。
また、試料溶液には、目的の物質の分離への悪影響や、移動相の組成の変化による悪影響を及ぼさない範囲で、試料及び溶剤以外の他の成分を含有していても良い。このような他の成分としては、例えば公知の有機溶剤から選択することができる。
前記溶剤の代わりに断続的に供給される試料溶液の量は、目的の物質を分離するのに適当な量であれば特に限定されない。断続的に供給される試料溶液の量が多すぎると、試料が移動相用流路に広範囲に及び、目的の物質が十分に分離されないことがある。断続的に供給される試料溶液の量が少なすぎると、目的の物質の分離効率が低下することがある。
このような観点から、断続的に供給される試料溶液の量は、前記移動相用流路に供給される溶剤の量に対して0.1〜1200mLであることが好ましい。断続的に供給される試料溶液の量は、試料の注入量や、試料溶液の供給に切り替えている時間や、前記高圧ポンプの運転等によって調整することができる。
本発明では、移動相用流路において試料が拡散したときにおける目的の物質の分離効率の低下を抑制するためや、移動相用流路における試料の拡散を抑制するための種々の方法を採用することが好ましい。例えば、試料の拡散による分離効率の低下を抑制する方法としては、例えば分離用のカラムに分離能の高いカラムを用いる方法が挙げられ、試料の拡散を抑制する方法としては、移動相用流路における移動相の流速を高める方法が挙げられる。
超臨界流体クロマトグラフィーにおいて用いられるカラムは、目的の物質の種類に応じて適宜選択される。例えば目的の物質が光学異性体である場合では、目的の物質の分離能の高いカラムとして、光学活性な多糖や多糖誘導体を分離剤として収容したカラムを用いることができる。
前記多糖は、光学活性な多糖であれば、合成多糖、天然多糖及び天然物変性多糖のいずれかであっても良い。前記多糖は、結合様式の規則性の高い多糖が好ましく、また鎖状の多糖が好ましい。前記多糖としては、種々の多糖を例示することができるが、特にセルロースやアミロースが好ましい。
前記多糖誘導体は、光学異性体の分離に用いることができる多糖誘導体であれば特に限定されない。このような多糖誘導体としては、例えば、前記多糖を骨格として含み、この多糖が有する水酸基及びアミノ基の少なくとも一部が、試料中の光学異性体に作用する官能基で置換されている多糖誘導体が挙げられる。前記多糖誘導体としては、種々の多糖誘導体を例示することができるが、特にセルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及びアミロースのカルバメート誘導体から選ばれる少なくともいずれかが好ましい。具体的に前記多糖誘導体としては、例えば国際公開95/23125号パンフレットに記載されている種々の多糖誘導体が挙げられる。
前記分離剤は、粒子状に成形され、又は粒子状の担体に担持されてカラムに充填されても良いし、カラムに収容される一体型の担体に担持されている状態でカラムに収容されていても良いし、分離剤からなる一体型の成形物としてカラムに収容されていても良い。
カラムに充填される粒子状の分離剤は、例えば特許第2783819号明細書に記載されているように、分離剤としての前記多糖又は多糖誘導体を溶媒に溶解し、得られた溶液を、水等の前記分離剤が溶解しない不溶性溶媒、好ましくは陰イオン界面活性剤等の分散剤を含有する前記不溶性溶媒に、この不溶性溶媒を攪拌しながら滴下することによって製造することが可能であり、このようにして得られる分離剤を本発明では用いることができる。
カラムに充填される粒子状の担体とこれに担持される分離剤とからなる充填剤は、例えば分離剤を物理吸着や化学吸着によって担体に担持させることによって製造することができる。分離剤の担体への担持は、分離剤及び必要に応じて他の化合物を含む溶液に担体を浸漬し、必要に応じて前記他の化合物を反応させ、溶液中の溶媒を留去するか、溶液中の溶媒を他の溶媒に置換する方法によって行うことができる。このようにして得られる充填剤を本発明では用いることができる。
前記担体としては、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、及
びこれらの誘導体等の多孔質の有機担体;シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイト等の多孔質の無機担体;等が挙げられる。
カラムに収容される一体型の担体に分離剤が担持されてなるカラムには、カラムに収容されるか、又はカラムに収容されている一体型の担体に前記分離剤の溶液を充填し、前記溶液が充填された一体型の担体から溶剤を留去するか、又は前記溶液が充填された前記一体型の担体から前記溶剤を他の溶媒に置換することによって製造することができる。このようにして得られるカラムを本発明では用いることができる。
カラムに収容される一体型の担体としては、例えば、特表2000−515627号公報に記載されている多孔質造形体や、特表2002−505005号公報に記載されている一体型吸着剤や、特開平6−265534号公報に記載されている無機系多孔質カラム等の、公知の無機系担体又はその改良品が挙げられる。
カラムに収容されている一体型の担体、すなわち一体型の担体が収容されているカラムとしては、例えばChromolith(MERCK社の登録商標)が挙げられる。
カラムに収容される一体型の成形物に成形された分離剤は、前記多糖又は多糖誘導体によって所定の形状の多孔質体を形成することによって製造することができる。このような製造方法としては、例えば前記不溶性溶媒、気泡、又はポリジェンを前記分離剤の溶液に分散させ、分散させた溶液をカラム管に収容し、カラム管に収容した前記溶液から溶媒を留去又は置換し、必要に応じてポリジェンを溶解する洗浄用の溶剤をカラム管に通液してポリジェンを溶解する方法が挙げられる。ポリジェンには、前記成形物に対して前記洗浄用の溶剤に対する溶解性の優れる樹脂や塩等の公知の粒子が用いられる。このようにして得られる分離剤を本発明では用いることができる。
分離剤のみからなる粒子を充填してなるカラムや、分離剤のみからなる一体型の成形物を収容してなるカラムを用いることは、光学異性体の分離能を高める観点から好ましい。また、分離剤を担持する一体型の担体を収容してなるカラムや、分離剤のみからなる一体型の成形物を収容してなるカラムを用いることは、カラムによる圧力損失を抑制し、移動相用流路における移動相の流速を高める観点から好ましい。
移動相用流路における移動相の流速は、用いられるカラムの種類等に応じて適宜設定することができる。移動相用流路における移動相の流速が速すぎると、目的の物質がカラムによって十分に分離されないことがある。移動相用流路における移動相の流速が遅すぎると、目的の物質が移動相用流路に拡散してしまい、目的の物質がカラムによって十分に分離されないことがある。このような観点から、移動相用流路における移動相の流速は、超臨界流体クロマトグラフィー装置のスケールに応じて異なるが、10mL/min〜120L/minであることが好ましい。移動相用流路における移動相の流速は、液化ガス又は超臨界流体及び溶剤の移動相用流路への供給速度、移動相用流路を構成する管の内径、カラムの種類等によって調整することが可能である。
<試料供給装置>
本発明の試料供給装置は、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって、目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離するための超臨界流体クロマトグラフィー装置において、移動相に試料を供給するための装置である。
前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、移動相用流路と、移動相用流路の圧力を調整するための圧力調整手段と、圧力調整手段によって圧力が調整されている移動相用流路
で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段とを有する装置であれば特に限定されない。
移動相用流路には、高速液体クロマトグラフィーや超臨界流体クロマトグラフィーで移動相の流路に用いられる通常の耐圧性の管を用いることができる。また圧力調整手段には、試料供給方法で前述したように、背圧調整弁等の公知の手段を用いることができる。
前記移動相生成手段は、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体を前記移動相用流路に供給するための超臨界流体用高圧ポンプと、溶剤を移動相の流路に供給するための溶剤用高圧ポンプと、溶剤用高圧ポンプに溶剤を供給するための溶剤用吸い込み側流路とを有する。又は、前記移動相生成手段は、溶剤用吸い込み側流路に代えて、あるいはさらに、溶剤用高圧ポンプから吐き出された溶剤を移動相用流路に供給するための溶剤用吐き出し側流路を有する。
超臨界流体用高圧ポンプ及び溶剤用高圧ポンプは、超臨界流体が存在できる圧力が調整されている移動相用流路に流体を送ることができるポンプであれば特に限定されない。これらの高圧ポンプには、試料供給方法で前述したように、高速液体クロマトグラフィー装置で通常用いられる高圧ポンプを用いることができる。
前記溶剤用吸い込み側流路は、常圧の溶剤を溶剤用高圧ポンプに供給することが可能な流路であれば特に限定されない。このような流路には、ステンレス製の耐圧用の管や、フッ素樹脂等の樹脂製のフレキシブルなチューブを用いることができる。前記溶剤用吐き出し側流路は、移動相用流路と同様に構成することができる。
前記移動相生成手段は、移動相を生成するための他の機器をさらに有していても良い。このような他の機器としては、例えば液化ガスと溶剤とを含有する混合流体を加圧するための機器や、混合流体を加熱するための機器等が挙げられる。前記加圧するための機器には例えば高圧ポンプや背圧調整弁等の公知の機器を用いることができ、前記加熱するための機器には例えば熱交換器等の公知の機器を用いることができる。
前記超臨界流体クロマトグラフィー装置には、試料中の目的の物質を分離するために通常用いられる他の構成要素が設けられる。このような他の構成要素としては、例えば試料中の目的の物質を分離するためのカラムや、カラムを通過した後の移動相中の成分を検出する検出器や、カラムで分離された目的の物質を含有しかつ圧力調整手段による圧力調整が解除された移動相から目的の物質を取り出すためのフラクションコレクタ等が挙げられる。
前記カラムには、目的の物質の分離能が高いカラムを用いることが、移動相用流路において試料が拡散したときにおける目的の物質の分離効率の低下を抑制する観点から好ましい。前記カラムには、目的の物質が光学異性体である場合には、試料供給方法で前述した分離剤や充填剤を収容したカラムが好適に用いられる。
本発明の試料供給装置には、前記移動相生成手段の構成に応じて、第一の試料供給装置か第二の試料供給装置のいずれかが用いられる。
前記第一の試料供給装置は、前記移動相生成手段が前記溶剤用吸い込み側流路を有する場合に用いることができる装置であり、試料と溶剤とを含有する試料溶液を前記溶剤用吸い込み側流路に供給する手段を有する。前記溶剤及び前記試料溶液は、前述した試料供給方法における溶剤及び試料溶液と同じである。
前記試料溶液を供給する手段は、溶剤用吸い込み側流路に試料溶液を供給する手段であっても良いし、溶剤が供給されている溶剤用吸い込み側流路に試料を供給して溶剤用吸い込み側流路に試料溶液を供給する手段であっても良い。
前記試料溶液を供給する手段のうち、前記溶剤用吸い込み側流路に試料溶液を供給する手段は、例えば試料溶液を収容する試料溶液タンクと、試料溶液タンクに収容されている試料溶液を供給するための試料溶液用吸い込み側流路と、試料溶液用吸い込み側流路と溶剤用吸い込み側流路とを切り替え自在な吸い込み側切り替え手段とによって構成することができる。
前記試料溶液用吸い込み側流路は、常圧の試料溶液を溶剤用吸い込み側流路に供給することが可能な流路であれば特に限定されない。このような流路には、溶剤用吸い込み側流路と同様の流路を用いることができる。
前記吸い込み側切り替え手段は、溶剤用高圧ポンプに対して、溶剤用吸い込み側流路と試料溶液用吸い込み側流路とを切り替え可能な手段であれば特に限定されない。このような手段としては、例えば試料溶液用吸い込み側流路と溶剤用吸い込み側流路との接続点から延出する各流路に設けられる二方弁や、前記接続点に設けられる三方弁等が挙げられる。
また前記試料溶液を供給する手段のうち、前記溶剤用吸い込み側流路へ試料を供給する手段としては、例えば高速液体クロマトグラフィー装置で用いられているインジェクタ(注入器)が挙げられる。
前記第一の試料供給装置は、一台の高圧ポンプで二種類の流体を適宜供給することが可能であり、試料を含有する移動相を簡易な構成で生成することが可能である。
前記第二の試料供給装置は、前記移動相生成手段が前記溶剤用吐き出し側流路を有する場合に用いることができる装置であり、所定量の試料溶液が移動相用流路に供給される装置である。前記第二の試料供給装置は、前記試料溶液を供給するための試料溶液用吐き出し側流路と、試料溶液用吐き出し側流路と溶剤用吐き出し側流路とを切り替え自在な吐き出し側流路切り替え手段と、吐き出し側流路切り替え手段に試料溶液用吐き出し側流路中の試料溶液を供給するための試料溶液用高圧ポンプとを有する。
前記試料溶液用吐き出し側流路には、移動相用流路と同様に、通常の耐圧性の管を用いることができる。また前記吐き出し側流路切り替え手段には、前記吸い込み側流路切り替え手段と同様に、切り替え対象となる各流路に設けられた二方弁や、切り替え対象となる各流路の接続点に設けられた三方弁等を用いることができる。また前記試料溶液用高圧ポンプには、前記超臨界流体用高圧ポンプや前記溶剤用高圧ポンプと同様に、高速液体クロマトグラフィー装置で通常用いられる高圧ポンプを用いることができる。
前記第二の試料供給装置は、前述した各構成要素以外の他の機器を有していても良い。このような他の機器としては、例えば試料溶液用吐き出し側流路における試料溶液用高圧ポンプの吐き出し側と吸い込み側とを接続する試料溶液用バイパス管と、この試料溶液用バイパス管を開閉自在な二方弁とが挙げられる。このような構成によれば、試料溶液用高圧ポンプと吐き出し側流路切り替え手段との間の試料溶液用吐き出し側流路の圧抜きや、試料溶液用吐き出し側流路への試料溶液の供給量の調整が可能となる。
前記第二の試料供給装置を用いる場合では、前記移動相生成手段は、溶剤用吐き出し側流路における溶剤用高圧ポンプの吐き出し側と吸い込み側とを接続する溶剤用バイパス管
と、この溶剤用バイパス管を開閉自在な二方弁とをさらに有していても良い。このような構成によれば、溶剤用高圧ポンプと吐き出し側流路切り替え手段との間の溶剤用吐き出し側流路の圧抜きや、試料溶液用吐き出し側流路への溶剤の供給量の調整が可能となる。
前記第二の試料供給装置は、高圧ポンプを備えた試料溶液用流路を、流路切り替え手段を介して溶剤用流路に接続する簡単な構成により、試料を含有する移動相を生成することが可能である。また前記第二の試料供給装置は、試料による溶剤用高圧ポンプや溶剤用流路の汚染を防止することが可能である。
本発明の試料供給装置における弁による流路の切り替え、弁の開閉、及び高圧ポンプの運転等の操作は、例えば超臨界流体クロマトグラフィー装置の作業員によって行われても良いし、超臨界流体クロマトグラフィー装置における各種操作を指示し制御する制御装置によって行われても良い。
以下、本発明の実施の形態をより具体的に説明する。
<第一の実施の形態>
本実施の形態で用いられる超臨界流体クロマトグラフィー装置は、図1に示すように、高圧の二酸化炭素が充填されているボンベ1と、ボンベ1から供給される二酸化炭素を冷却して液化ガスとするための熱交換器2と、熱交換器2で生成した液化ガスを定量的に圧送する高圧ポンプ3と、溶剤を収容する溶剤タンク4と、高圧ポンプ3で送られる液化ガスに溶剤タンク4から溶剤を定量的に供給するための高圧ポンプ5と、液化ガスと溶剤との混合流体を加熱して混合流体中の液化ガスを超臨界流体にするための熱交換器6とを有する。
また前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、目的の物質(例えば光学異性体)を含有する試料と溶剤とを含有する試料溶液を収容する試料溶液タンク7と、高圧ポンプ5の吸い込み側の流路を溶剤タンク4への流路と試料溶液タンクへの流路とに切り替えるための三方弁8とを有する。
また前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、移動相に供給された試料中の目的の物質を分離するためのカラム9と、カラム9を通った移動相中の物質を検出する検出器10と、高圧ポンプ3から検出器10までの系内の圧力を所定の圧力に保つための背圧弁11とを有する。
さらに前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、背圧弁11を通過した移動相を気液分離するための複数の気液分離装置12と、各気液分離装置12で分離された液相を収容する複数の第一の槽13と、各第一の槽13に対応して接続されている複数の第二の槽14とを有する。
さらに前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、各気液分離装置12と熱交換器2とを接続するガス回収管15と、ガス回収管15を流れる回収ガスから液体を分離するための気液分離装置16と、気液分離装置16で分離された液相を収容する第三の槽17と、第三の槽17に接続されている第四の槽18とを有する。
さらに前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、ボンベ1から所定の圧力で二酸化炭素のガスを供給するためのレギュレータ19と、熱交換器2からボンベ1へのガスの逆流を防止するための逆止弁20と、熱交換器2で生成した液化ガスを収容するバッファタンク21と、背圧弁11と各気液分離装置12との間に設けられた二方弁22と、第一の槽13と第二の槽14との間に設けられた二方弁23と、各気液分離装置12へのガスの逆
流を防止するための逆止弁26と、第三の槽17と第四の槽18との間に設けられた二方弁27とを有する。
なお、高圧ポンプ3から背圧弁11までの各機器は耐圧性の管(例えばステンレス製の管)によって接続されている。また高圧ポンプ5の吐き出し側は、高圧ポンプ3と熱交換器6とを接続する管aに、耐圧性の管bによって接続されている。また高圧ポンプ5の吸い込み側と三方弁8、三方弁8と溶剤タンク4、及び三方弁8と試料溶液タンク7とは、通常の管(例えばフッ素樹脂性のフレキシブルなチューブ)c〜eによってそれぞれ接続されている。
高圧ポンプ3から背圧弁11の間の各構成要素は前記移動相用流路に相当する。背圧弁11は前記圧力調整手段に相当する。高圧ポンプ3は前記超臨界流体用高圧ポンプに相当し、高圧ポンプ5は前記溶剤用高圧ポンプに相当し、管c及びdは前記溶剤用吸い込み側流路に相当し、これら及び熱交換器6は前記移動相生成手段に相当する。管eは前記試料溶液用吸い込み側流路に相当し、三方弁8は前記吸い込み側流路切り替え手段に相当し、これらは本発明の試料供給装置(前記第一の試料供給装置)に相当する。
気液分離装置12、16には、例えば図2及び図3に示す気液分離装置が用いられる。この気液分離装置は、両端が開口している円筒状の外筒31と、外筒31の一端の開口を塞ぐフランジ部32と、外筒31の横断面形状における内周面の接線に沿って設けられて外筒31内に開口する管である導入部33と、両端が開口しており、フランジ部32を貫いて導入部33よりも外筒31の他端側に延出する内筒34と、外筒31の外周壁面を覆い熱媒の循環路を形成するジャケット35と、ジャケット35内を通って導入部33に接続される移動相供給管36とを有する。
ジャケット35には、他端側に熱媒の供給口37が設けられ、一端側に熱媒の排出口38が設けられている。移動相供給管36は、ジャケット35の一端部からジャケット35内を通り、ジャケット35の他端側から外部に出て、導入部33に接続されている。移動相供給管36は、ジャケット35内では外筒31の外周にらせん状に巻きつけられている。
移動相供給管36は二方弁22(気液分離装置16では逆止弁26)に接続されている。内筒34は逆止弁26(気液分離装置16では熱交換器2に接続されているガス回収管15)に接続されている。外筒31の他端は第一の槽13(気液分離装置16では第三の槽17)に接続されている。供給口37及び排出口38は不図示の熱媒循環手段に接続されている。
なお、外筒31は、外筒31内に導入された移動相の流速に偏りを生じさせるためや、適度な衝撃を与えるため等の目的から、断面における内周壁面の形状が楕円形や多角形等の非円形となっている筒であっても良い。
次に、前記超臨界流体クロマトグラフィー装置による目的の物質の分離について説明する。
まずボンベ1から適当な初期圧力で二酸化炭素が熱交換器2に供給される。熱交換器2で冷却された二酸化炭素は液化ガスとなり、バッファタンク21に収容される。バッファタンク21に収容された液化ガスは、高圧ポンプ3によって定量的に圧送され、背圧弁11で規定される所定の圧力(例えば臨界圧力)まで加圧されながら、管aを介して熱交換器6に供給される。
移動相のみを生成する場合では、三方弁8は管cと管dとを接続しており、溶剤タンク5からは、溶剤(例えばメタノール)が管d及び管cを介して高圧ポンプ5に供給される。高圧ポンプ5に供給された溶剤は定量的に圧送され、管bを介して管aに供給され、管aにおいて液化ガスと合流し、混合される。液化ガスと溶剤との混合流体は、熱交換器6に供給されて所定の温度(例えば臨界温度又はカラム9の設定温度)まで加熱される。この加熱により、混合流体中の液化ガスが超臨界流体となり、超臨界流体と溶剤とを含有する移動相が生成される。
試料を移動相に供給する場合では、三方弁8を操作して管cと管eとを接続する。試料溶液タンク7からは、試料溶液(例えばラセミ体のメタノール溶液)が管e及び管cを介して高圧ポンプ5に供給される。高圧ポンプ5に供給された試料溶液は定量的に圧送され、管bを介して管aに供給され、管aにおいて液化ガスと合流し、混合される。液化ガス、溶剤、及び試料を含有する試料混合流体は、熱交換器6に供給されて前記所定の温度まで加熱される。この加熱により試料混合流体中の液化ガスが超臨界流体となり、試料を含有する前記移動相が生成される。
三方弁8によって管cと管eとを接続してから所定の時間が経過したら、三方弁8を操作して再び管cと管dとを接続する。この三方弁8の操作により、高圧ポンプ5に供給される液体は試料溶液から溶剤に切り替わる。このようにして、所定量の試料溶液が、管aで液化ガスと混合される溶剤に代えて管aに断続的に供給される。
所定量の試料溶液を含有して生成した移動相は、目的の物質に応じた分離剤(例えば多糖誘導体)を収容するカラム9(例えばシリカの一体型の成形物からなる担体と、この担体に担持されている前記多糖誘導体とをカラム管に収容してなるカラム)に送られる。カラム9では試料中から目的の物質が分離される。目的の物質は検出器10で検出される。
検出器10で目的の物質が検出されると、例えば検出器10による検出信号が不図示の制御装置に送信され、制御装置は、いずれか一つの二方弁22を開き、他の二方弁22を閉じるように各二方弁22を操作させる。このようにして、目的の物質に応じて、移動相の気液分離装置12への供給が切り替えられる。
一方、目的の物質を含有する移動相は背圧弁11に送られる。背圧弁11を通過した移動相は、背圧弁11による圧力調整から解除され、移動相中の二酸化炭素の超臨界状態が解除され、所定の気液分離装置12に供給される。
気液分離装置12に送られた移動相は、気液分離される。超臨界流体を形成していた二酸化炭素は気相として分離され、目的の物質及び溶剤は液相として分離される。液相は、第一の槽13に収容され、さらに低圧の第二の槽14に収容される。
第二の槽14に収容された液相は、第二の槽14から取り出され、減圧濃縮や真空蒸留等の公知の方法によって溶剤と目的の物質とが前記液相から分けられ、目的の物質が得られる。溶剤は、必要に応じて精製し、移動相に再利用しても良い。気液分離装置12で分離された二酸化炭素は気液分離装置16に送られる。
他の目的の物質が検出器9によって検出されると、前記気液分離装置12に対応する二方弁22は閉じる。そして、他の気液分離装置12に対応する二方弁22が開き、他の目的の物質を含有する移動相の気液分離が、他の気液分離装置12によって同様に行われる。
気液分離装置16に送られた二酸化炭素(回収ガス)は、気液分離装置16によって気
液分離される。回収ガスに含まれていた微量の液相(溶剤)は、第三の槽17に収容され、次いで第四の槽18に収容され、廃棄される。
気液分離装置16によって精製された回収ガスは、ガス回収管15を通って熱交換器2へ送られる。回収ガスの圧力がレギュレータ19で規定されている前記初期圧力よりも高い場合は、回収ガスが熱交換器2に供給され、液化される。回収ガスの圧力がレギュレータ19で規定されている前記初期圧力よりも低い場合は、ボンベ1からの新規の二酸化炭素のガスが熱交換器2に供給され、液化される。
本実施の形態では、三方弁8の操作は作業員によって行っても良いが、例えば前述した制御装置によって、予め設定されている操作時間(例えば三方弁8によって管cとdとを接続している時間及び管cとeとを接続している時間)にしたがって三方弁8を操作しても良い。
本実施の形態では、超臨界流体クロマトグラフィー装置は、高圧ポンプ3から背圧弁11までの各構成要素と、高圧ポンプ5と、管c〜eと、三方弁8と、熱交換器6とを有することから、移動相を生成するための供給される溶剤と同様に試料溶液が移動相用流路に供給されるので、圧力変動を生じずに試料溶液を移動相用流路に供給することができ、所定量の試料を含有する移動相を、圧力変動を生じずに生成することができる。
また本実施の形態では、前述した試料溶液の供給を、三方弁8、管e、及び試料溶液タンク7という簡素な構成で実現することができる。
本実施の形態では、超臨界流体クロマトグラフィー装置は、気液分離装置12から第二の槽14をさらに有することから、超臨界流体の超臨界状態が解除された移動相から目的の物質を取り出すことができる。したがって、光学異性体等の目的の物質の製造に用いることができる。この目的の物質の製造では、試料の供給に伴う圧力変動が生じないことから、目的の物質の製造を安定して行うことができる。
本実施の形態では、超臨界流体クロマトグラフィー装置は、ガス回収管15から第四の槽18をさらに有することから、超臨界流体の超臨界状態が解除された移動相から二酸化炭素を回収することができ、さらに回収した二酸化炭素を移動相中の超臨界流体の生成に再利用することができる。したがって新規の二酸化炭素の使用量を削減することができ、超臨界流体の原料である二酸化炭素に要するコストを抑制することができる。
本実施の形態では、液化ガスを生成する熱交換器2に、回収ガスを供給するガス回収管15と新規のガスを供給するボンベ1とが接続され、ボンベ1はレギュレータ19及び逆止弁20を介して熱交換器2に接続されていることから、回収ガスの圧力に応じて回収ガスを新規のガスに優先して再利用することができる。したがって、二酸化炭素に要するコストをさらに抑制することができ、目的の物質の生産性を高める観点からより一層効果的である。
本実施の形態では、圧力損失の低いカラムをカラム9に用いた例を示したが、このようなカラム9を用いることにより、移動相の流速を容易に高めることができ、熱交換器6からカラム9までの管内における試料の拡散が抑制され、目的の物質の分離を高い分離効率で行うことができる。
なお、圧力損失の低いカラム9に代えて、多糖誘導体等の分離剤で形成された粒子が充填されたカラムや、分離剤によって形成された一体型の成形物を収容したカラムのように、目的の物質に対する分離能が高いカラムを用いると、熱交換器6からカラム9までの管
内において試料が拡散しても、カラムの分離能力の高さと試料の拡散による分離効率の低下とが相殺され、やはり目的の物質の分離を高い分離効率で行うことができる。
<第二の実施の形態>
本実施の形態に用いられる超臨界流体クロマトグラフィー装置は、図4に示すように、管aに対する溶剤タンク4及び試料溶液タンク7の接続形態が異なる点を除き、第一の実施の形態で用いられた超臨界流体クロマトグラフィー装置と同様に構成されている。
本実施の形態に用いられる超臨界流体クロマトグラフフィー装置では、高圧ポンプ3と熱交換器6とを接続する耐圧性の管aに、耐圧性の管fが接続されており、管fには三方弁41が接続されている。三方弁41には、それぞれ耐圧性の管g及びiがさらに接続されており、管gは高圧ポンプ5の吐き出し側に接続されており、管iは高圧ポンプ42の吐き出し側に接続されている。高圧ポンプ5の吸い込み側は、通常の管hによって溶剤タンク4に接続されており、高圧ポンプ42に吸い込み側は、通常の管jによって試料溶液タンク7に接続されている。
管f及びgは前記溶剤用吐き出し側流路に相当し、これらと高圧ポンプ3及び5と熱交換器6とは前記移動相生成手段に相当する。管i及びjは試料溶液用吐き出し側流路に相当し、三方弁41は前記吐き出し側流路切り替え手段に相当し、高圧ポンプ42は前記試料溶液用高圧ポンプに相当し、これらは本発明の試料供給装置(前記第二の試料供給装置)に相当する。
本実施の形態において、二酸化炭素の液化ガスの生成、及び生成した液化ガスの管aへの供給までは、第一の実施の形態と同様に行われる。
なお、本実施の形態では、三方弁41と高圧ポンプ5及び41とは連動しており、三方弁41の切り替えによって開かれる管側の高圧ポンプが始動し、三方弁41によって閉じられている管側の高圧ポンプは停止している。三方弁41と高圧ポンプ5及び41との連動は、例えば前述した制御装置によって行われる。
移動相のみを生成する場合では、三方弁41は管fと管gとを接続しており、溶剤タンク5からは、溶剤(例えばメタノール)が管hを介して高圧ポンプ5に供給される。高圧ポンプ5に供給された溶剤は定量的に圧送され、管g及びhを介して管aに供給され、管aにおいて液化ガスと合流し、混合される。
試料を移動相に供給する場合では、三方弁41を操作して管fと管iとを接続する。この三方弁41の操作により、高圧ポンプ5が停止し、高圧ポンプ42が始動する。試料溶液タンク7からは、試料溶液が管jを介して高圧ポンプ42に供給される。高圧ポンプ42に供給された試料溶液は定量的に圧送され、管i及び管fを介して管aに供給され、管aにおいて液化ガスと合流し、混合される。
三方弁8によって管fと管iとを接続してから所定の時間が経過したら、三方弁8を操作して再び管fと管gとを接続する。この三方弁8の操作により、高圧ポンプ42が停止し、高圧ポンプ5が始動し、管aには高圧ポンプ5によって再び溶剤のみが供給される。このようにして、所定量の試料溶液が、管aで液化ガスと混合される溶剤に代えて管aに断続的に供給される。
溶剤又は試料溶液の管aへの供給後の移動相の生成又は試料を含有する移動相の生成、目的の物質の分離、分取、及びガスの回収等の諸操作については、第一の実施の形態と同様に行われる。
本実施の形態では、超臨界流体クロマトグラフィー装置は、高圧ポンプ3から背圧弁11までの各構成要素と、高圧ポンプ5と、管f、g、及びiと、三方弁41と、高圧ポンプ42と、熱交換器6とを有し、三方弁41による流路の切り替えによって試料溶液が移動相用流路に断続的に供給されることから、圧力変動を生じずに試料溶液を移動相用流路に供給することができ、所定量の試料を含有する移動相を、圧力変動を生じずに生成することができる。
また本実施の形態では、前述した試料溶液の供給を、三方弁41、管i、高圧ポンプ42、管j、及び試料溶液タンク7という簡素な構成で実現することができる。
また本実施の形態では、目的の物質の安定した製造、二酸化炭素に要するコストの抑制、及び高い分離効率での目的の物質の分離について、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
<第三の実施の形態>
本実施の形態に用いられる超臨界流体クロマトグラフィー装置は、図5に示すように、高圧ポンプを迂回して高圧ポンプの吸い込み側と吐き出し側とを接続するバイパス管を、溶剤用高圧ポンプ及び試料溶液用高圧ポンプに対して設けた点を除き、第二の実施の形態で用いられた超臨界流体クロマトグラフィー装置と同様に構成されている。
すなわち、本実施の形態に用いられる超臨界流体クロマトグラフィー装置では、高圧ポンプ5を迂回して管gと管hとを接続する溶剤用バイパス管51と、溶剤用バイパス管51を開閉するための二方弁53と、高圧ポンプ42を迂回して管iと管jとを接続する試料溶液用バイパス管52と、試料溶液用バイパス管を開閉するための二方弁54とが、図4に示す超臨界流体クロマトグラフィー装置に対してさらに設けられている。
このような構成の場合、三方弁41の切り替えに伴う高圧ポンプ5の発停に代えて、又は高圧ポンプ5の発停に加えて二方弁を開閉することにより、管gや管iの圧力を抜くことができる。なお、本実施の形態において、二酸化炭素の液化ガスの生成、及び生成した液化ガスの管aへの供給、溶剤又は試料溶液の管aへの供給、溶剤又は試料溶液の管aへの供給後の移動相の生成又は試料を含有する移動相の生成、目的の物質の分離、分取、及びガスの回収等の諸操作については、二方弁53、54の操作を除いて、第二の実施の形態と同様に行われる。
二方弁の操作について、具体的には、移動相のみを生成する場合では、三方弁41を操作して管gを閉じたときに二方弁53を開き、高圧ポンプ5を停止させる。管gを閉じたときに、管gには高圧ポンプ5によって圧送された溶剤が閉じ込められるが、二方弁53を開くことによって管gの内圧が常圧に保たれる。
同様に、試料を移動相に供給する場合では、三方弁41を操作して管iを閉じたときに二方弁54を開き、高圧ポンプ42を停止させる。管iを閉じたときに、管iには高圧ポンプ42によって圧送された溶剤が閉じ込められるが、二方弁54を開くことによって管iの内圧が常圧に保たれる。
三方弁41の操作によって管gと管fとが接続されたときには、二方弁53は閉じられ、三方弁41の操作によって管iと管fとが接続されたときには、二方弁54は閉じられる。
本実施の形態では、管gと管fとが接続されたときに二方弁53を適当な開度で開くこ
とによって、高圧ポンプ5による管aへの溶剤の供給量を調整しても良い。同様に、管iと管fとが接続されたときに二方弁54を適当な開度で開くことによって、高圧ポンプ42による管aへの試料溶液の供給量を調整しても良い。
前述した二方弁53、54の開閉は、例えば前述した制御装置によって制御することができる。
本実施の形態では、加圧された溶剤又は試料溶液の管内の封入が防止される。したがって、本実施の形態では、高圧側への圧力変動等の、試料溶液や溶剤の供給に伴う予期せぬ圧力変動を防止することができる。また、本実施の形態では、例えば管の継ぎ目のシールの消耗が抑制され、超臨界流体クロマトグラフフィー装置の保守管理の観点からより一層効果的である。本実施の形態は、これらの効果に加えて、第二の実施の形態における効果を奏する。
本発明の一実施の形態に用いられる超臨界流体クロマトグラフィー装置の構成を概略的に示す図である。 本実施の形態で用いられる気液分離装置の一例の要部の縦断面を示す断面図である。 図2に示す気液分離装置をA−A線で切断したときの要部の横断面を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に用いられる超臨界流体クロマトグラフィー装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の他の実施の形態における要部の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
1 ボンベ
2、6 熱交換器
3、5、42 高圧ポンプ
4 溶剤タンク
7 試料溶液タンク
8、41 三方弁
9 カラム
10 検出器
11 背圧弁
12 気液分離装置
13 第一の槽
14 第二の槽
15 ガス回収管
17 第三の槽
18 第四の槽
19 レギュレータ
20、26 逆止弁
21 バッファタンク
22、23、27、53、54 二方弁
31 外筒
32 フランジ部
33 導入部
34 内筒
35 ジャケット
36 移動相供給管
37 熱媒の供給口
38 熱媒の排出口
51 溶剤用バイパス管
52 試料溶液用バイパス管
a〜j 管

Claims (8)

  1. 超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離する超臨界流体クロマトグラフィーにおいて、前記移動相に前記試料を供給する方法であって、
    前記超臨界流体クロマトグラフィーは、圧力が調整されている移動相用流路において、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体と前記溶剤とを混合する工程を含み、
    前記試料を供給する方法は、前記試料と前記溶剤とを含有する所定量の試料溶液を、前記移動相用流路で前記液化ガス又は超臨界流体と混合される前記溶剤に代えて移動相用流路に断続的に供給することを特徴とする方法。
  2. 前記超臨界流体クロマトグラフィーは前記目的の物質を分離するためのカラムによって前記移動相中の前記試料から目的の物質を分離する工程をさらに含み、前記目的の物質は光学異性体であり、カラムには光学異性体を分離するための分離剤を収容したカラムを用い、前記分離剤には光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記多糖にはセルロース又はアミロースを用い、前記多糖誘導体にはセルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及び、アミロースのカルバメート誘導体から選ばれる少なくともいずれかを用いることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離するための超臨界流体クロマトグラフィー装置において、前記移動相に前記試料を供給するための装置であって、
    前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、移動相用流路と、前記移動相用流路の圧力を調整するための圧力調整手段と、前記圧力調整手段によって圧力が調整されている前記移動相用流路で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段とを有し、
    前記移動相生成手段は、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体を前記移動相用流路に供給するための超臨界流体用高圧ポンプと、前記溶剤を前記移動相用流路に供給するための溶剤用高圧ポンプと、前記溶剤用高圧ポンプに前記溶剤を供給するための溶剤用吸い込み側流路とを有し、
    前記試料を供給するための装置は、前記試料と前記溶剤とを含有する所定量の試料溶液を前記溶剤用吸い込み側流路に供給する手段を有することを特徴とする装置。
  5. 前記試料溶液を供給する手段は、前記試料溶液を収容する試料溶液タンクと、前記試料溶液タンクに収容されている試料溶液を前記溶剤用吸い込み側流路に供給するための試料溶液用吸い込み側流路と、前記試料溶液用吸い込み側流路と前記溶剤用吸い込み側流路とを切り替え自在な吸い込み側流路切り替え手段とを有することを特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 超臨界流体と溶剤とを含有する移動相に供給された試料であって目的の物質を含有する試料から目的の物質を分離するための超臨界流体クロマトグラフィー装置において、前記移動相に前記試料を供給するための装置であって、
    前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、移動相用流路と、前記移動相用流路の圧力を調整するための圧力調整手段と、前記圧力調整手段によって圧力が調整されている前記移動相用流路で超臨界流体と溶剤とを含有する移動相を生成する移動相生成手段とを有し、
    前記移動相生成手段は、超臨界流体を構成するための液化ガス又は超臨界流体を前記移動相用流路に供給するための超臨界流体用高圧ポンプと、前記溶剤を前記移動相用流路に供給するための溶剤用高圧ポンプと、前記溶剤用高圧ポンプから吐き出された前記溶剤を前記移動相用流路に供給するための溶剤用吐き出し側流路とを有し、
    前記試料を供給するための装置は、前記試料と前記溶剤とを含有する試料溶液を前記溶剤用吐き出し側流路に供給するための試料溶液用吐き出し側流路と、前記試料溶液用吐き出し側流路と前記溶剤用吐き出し側流路とを切り替え自在な吐き出し側流路切り替え手段と、前記吐き出し側流路切り替え手段に前記試料溶液用吐き出し側流路中の試料溶液を供給するための試料溶液用高圧ポンプとを有し、前記吐き出し側流路切り替え手段による流路の切り替えによって所定量の試料溶液が断続的に前記移動相用流路に供給される装置であることを特徴とする装置。
  7. 前記目的の物質は光学異性体であり、前記超臨界流体クロマトグラフィー装置は、光学異性体を分離するための分離剤を収容したカラムを、前記移動相生成手段よりも下流側の移動相用流路にさらに有し、前記分離剤は光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤であることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記多糖はセルロース又はアミロースであり、前記多糖誘導体はセルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及び、アミロースのカルバメート誘導体から選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする請求項7記載の装置。
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