JP4435526B2 - 自由曲面精密加工ツール - Google Patents

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Description

本発明は、下端部に円弧回転体凸面加工部を有し自由曲面を精密加工(すなわち研削または切削による精密除去加工)するための自由曲面精密加工ツールに関する。
図10は、従来の自由曲面加工ツールによる自由曲面の加工(除去加工)を模式的に示している。従来の自由曲面加工ツール1は、例えばボールノーズ砥石またはボールエンドミルであり、下端部に球面状の加工面を有し、軸心zを中心に回転するようになっている。自由曲面2は、例えばモールド成形用金型、非球面レンズ、等であり、自由曲面加工ツール1をその軸心zを中心に高速回転させながら、その下端部を自由曲面2に沿って相対的に移動させて自由曲面2を加工する。このような加工を繰り返すことにより、金型、非球面レンズ、等の自由曲面を加工ツール1で自由に成形することができる。
また、軸心の周速がゼロ(0)にならない自由曲面加工ツールとして、特許文献1が既に開示されている。
特許文献1の「自由曲面加工ツール」は、軸心zまわりの回転により下端部が接触して被加工面を加工する自由曲面加工ツールであって、少なくとも下方に球面加工部を有する球状工具と、該球面の中心を通り軸心zと異なる回転軸aで球状工具を支持する支持軸受とを有するものである。
特開平10−156729号公報
図10に示した自由曲面加工ツール1は、その軸心zを中心に回転するため、軸心(半径0)の位置では、加工面の周速がゼロ(0)となるため、軸心(半径0)は加工の死点となる。また、加工面の位置により回転半径が大きく変わるため、周速、回転負荷が大きく変動し、精密加工(高精度・高品位加工)ができない問題点がある。また、自由曲面加工ツール1は、加工の機能と精度を得るため、ツール加工面の切れ味と正確な球面を、常に維持しなければならない問題点がある。
そのため、従来は、自由曲面加工ツール1の軸心zを任意に傾けて加工ができる、4〜5軸を有する多軸NC加工装置とプログラム作成が必要であった。しかし、かかるプログラムの作成は複雑・困難であるばかりでなく、軸数の増加は加工装置製作上、高度な技術が要求されるため、精密加工ができる4軸以上の多軸NC加工装置は、高価となり、汎用性に乏しい問題点があった。
以下に、上述した問題点を精密加工を行う場合について更に詳しく説明する。
図11は加工部分の図解であり、理解しやすいように多少拡大して描かれている。切り込み量c(加工深さ)が大きい場合(A)は送り方向y(ツール移動方向)が鉛直方向でない限り、送り量d(ツール移動量)の大小に拘わらず接触面eは広がり、主加工部分は軸心zより離れた位置になる。この場合は、被加工面の粗度(凹凸)が大きい(面粗さが粗い)が、主に粗加工を目的とするため問題とはならない。
しかし、切り込み量cが小さい場合(B)、すなわち、精密加工においては接触面eが狭まり、主加工部分が軸心zに近づくとともに、被加工面の粗度が小さくなるが、上述した、精密加工(高精度・高品位加工)、ツール加工面の切れ味と正確な球面の維持等の問題点がクローズアップされてくる。
更に、接触面eが狭まると同時に接触面eの軸心からの距離(回転半径)の大小により周速および必要駆動トルクが大きく変動することになり、被加工面の粗度のむら、びびり(振動による)、加工精度の低下をきたす問題がある。
一方、接触面eの狭まりは加工される自由曲面の特性により、加工ツールの接触位置・頻度の局部的集中をきたし、加工機能(切れ味)の低下部と接触摩耗による形の崩れが局所に集中し、被加工面にその形の崩れを逆転写したり、表面を荒らしたりすることになり、これらは相互作用により増幅される。
NC研削加工では、加工機能と精密加工を維持するため、常時、砥石加工部の新面生成と正確な球面維持が不可欠となる。
図12は球状砥石の形の崩れと修正についての図解であり、理解しやすいように拡大して描かれている。形の崩れは接触頻度が高く、軸心から離れるほど崩れやすく、一度、崩れ始めると逆転写が発生し崩れが加速されるので、早期修正が必要である。旧球面の半径mから新球面の半径nに除去加工で、崩れの痕跡が無くなるまで整形する必要がある。しかし一般に球面からの崩れが大きくなった状態で修正するのは難しい。
そのため、砥石加工部の接触頻度が全面均一になるように軸心zを傾け、接触摩耗の位置と接触頻度をコントロールし修正の必要性を低減する必要がある。しかし軸心zを任意に傾けることができない場合は、予め、プログラムに組込まれた設定値でもって、砥石加工部を連続的、計画的に修正することになり、球面加工部の大部分がその修正により無駄に除去加工することになる。
また、球状工具の球面加工部の修正は半径を減すように、すなわち、曲率を変える修正であるため、NC加工装置を用いた精密な除去加工が必要となる。
図11(C)、(D)は加工軌跡に垂直な断面を示している。ピックフィードgを小さくするか、加工ツールの球面半径を大きくするかして、カブス量hの微小化または除去を図らなければならないのであるが、加工ツールの球面半径はツール干渉による加工曲面への傷付けを避けることから、自由曲面中の最小負(凹)曲面の曲率以上でなければならないので、加工時間は増大するものの、ピックフィードgを半ピッチずらしたり小さくする手段を選択せざるをえない問題がある。
また、加工ツールの球面半径を小さくすることにより、加工位置の精度を向上させることはできるが、反面、上述の如く加工時間が増大する問題がある。
本発明は、上述した種々の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ツール加工部接触面の移動軌跡の分散化と変動の少ない移動速度・駆動トルクにより、ツール加工部の切れ味の持続、均一な摩耗と、自己修正機能を得る、と同時に、消耗速度が低下され、ツール加工部の形状精度維持と持続が図れるので、汎用性のある3軸NC加工装置を用いて、自由曲面を効率よく、精密加工できる自由曲面精密加工ツールを提供することにある。
参考例によれば、軸心zまわりの回転により下端部が接触して被加工面を精密加工する自由曲面精密加工ツールであって、前記軸心zに直交する回転軸xを有し該回転軸xを中心に回転駆動される太鼓状工具を備え、該太鼓状工具は、軸心zと回転軸xの交点Oを中心とする半径rの円弧を回転軸xを中心に回転させた円弧回転体の凸面加工面を有し、これにより、凸面加工面が接触して被加工面を精密加工すると共に、凸面加工面を直交軸心xまわりに回転させて、凸面加工面の加工位置を分散させる、ことを特徴とする自由曲面精密加工ツールが提供される。
参考例の好ましい実施形態によれば、前記半径rは、回転軸xからの凸面加工面の最大半径Rより小さく設定されており、これにより、加工軌跡の位置制御を該円弧の回転中心Oで行う。
また、別の好ましい実施形態によれば、前記半径rは、回転軸xからの凸面加工面の最大半径Rより大きく設定されており、これにより、加工軌跡の位置制御を最下端円弧の中心Aで行う。
前記太鼓状工具の凸面加工面は、砥石もしくは刃物からなる。また、前記砥石は、その結合材に金属を含む。更に前記太鼓状工具の凸面加工面に隣接し、凸面加工面端部を保護する直接加工に関わらない非加工部を有する。また、前記非加工部は、被加工面に傷を付けないように砥石結合材よりも磨耗し易い材料からなり、かつ、その材料に導電材を含む。
参考例の好ましい実施形態によれば、前記太鼓状工具の両側または片側に設けられた羽根車と、該羽根車に流体を回転方向に噴射する流路とを備え、太鼓状工具を直交軸心xまわりに回転駆動する。
また、参考例の別の好ましい実施形態によれば、前記非加工部の外周面に接触するプーリーと、該プーリーを回転駆動するベルトとを備え、プーリーの回転により太鼓状工具を直交軸心xまわりに回転駆動する。
別の好ましい実施形態によれば、前記太鼓状工具の両側または片側に設けられた従動歯車と、該従動歯車を駆動する主動歯車とを備え、主動歯車をベルト駆動して太鼓状工具を直交軸心xまわりに回転駆動する。
更に、前記太鼓状工具の凸面加工面を修正する修正手段を有する。前記修正手段は、砥石、電解、放電手段、又はこれらの複合手段からなる。また、前記修正手段は、被加工材の加工と同時に機能する。
本発明によれば、軸心zまわりの回転により下端部が接触して被加工面を精密加工する自由曲面精密加工ツールであって、前記軸心zに直交する直交軸心xを有し該直交軸心xを中心に回転駆動される太鼓状工具を備え、該太鼓状工具は、軸心zと直交軸心xの交点Oを中心とする半径rの円弧を直交軸心xを中心に回転させた円弧回転体の凸面加工面を有し、これにより、凸面加工面が接触して被加工面を精密加工すると共に、凸面加工面を直交軸心xまわりに回転させて、凸面加工面の加工位置を分散させ、前記太鼓状工具の外周面に接触するベルトと、該ベルトを太鼓状工具との間で挟持するプーリーとを備え、ベルトの回転により太鼓状工具を直交軸心xまわりに回転駆動する、ことを特徴とする自由曲面精密加工ツールが提供される。
前記ベルトは外周面に接触する側に研磨面を備え、回転駆動と同時に太鼓状工具の凸面加工面を修正する。
上記構成によれば、軸心zまわりの回転により凸面加工面が接触して被加工面を精密加工すると共に、凸面加工面を直交軸心xまわりに回転させて、凸面加工面の加工位置を分散させることができる。従って、ツール加工部接触面の移動軌跡の分散化と変動の少ない移動速度・駆動トルクにより、ツール加工部の切れ味の持続、均一な摩耗と、自己修正機能を得る、と同時に、消耗速度が低下され、ツール加工部の形状精度維持と持続が図れるので、汎用性のある3軸NC加工装置を用いて、自由曲面を効率よく、精密加工できる。
以下、自由曲面精密加工ツールの好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、自由曲面精密加工ツールの第1実施形態を示す図である。自由曲面精密加工ツール10は、ツール本体11の軸心zまわりの回転により下端部が接触して被加工面2(図8,9を参照)を加工するようになっている。なお、以下の実施形態では、被加工面2が自由曲面精密加工ツール10の下方に位置し、この自由曲面精密加工ツール10の下端部で加工する場合について説明するが、自由曲面精密加工ツール10の水平または上向きに用いてその水平端部または上端部で加工することもできる。
自由曲面精密加工ツール10は、太鼓状工具12を備える。この太鼓状工具12は、この図で鉛直な軸心zに直交する直交軸心xを中心に支持軸受14により回転可能に支持され、軸受14は、太鼓状工具12の支持軸12aに支持されている。
また、この太鼓状工具12は、被加工面と接触して加工するための凸面加工面13を有する。この凸面加工面13は、軸心zと回転軸xの交点Oを中心とする半径rの円弧を回転軸xを中心に回転させた円弧回転体の形状を有する。
太鼓状工具12の凸面加工部13aは、この例では結合材に金属を含む導電性砥石であり、被加工面に接触して効率よくこれを加工するようになっている。なお、凸面加工部13aは、砥石の代わりに刃物であってもよい。
また、この例において、自由曲面精密加工ツール10は、太鼓状工具12の両側(片側でもよい)に設けられた羽根車15と、羽根車15に流体3を回転方向に噴射する導通孔11aとを備え、太鼓状工具12を直交軸心xまわりに回転駆動するようになっている。流体はこの例では、導電性の研削液であるのが好ましいが、その他の液体、又は圧縮空気でもよい。
上述した図1では、太鼓状工具12の両側または、片側に羽根車15を設け、その羽根車15に流体3を回転方向に噴射し、太鼓状工具12を直交軸心x周りに高速に駆動するようになっている。この構成により、ツールの軸心zまわり回転半径が最小化され、被加工材と該加工ツールの干渉による制約もなく、加工軌跡の自由度も高いので、汎用性のある3軸NC加工装置の使用を確実にすることができる。
また、自由曲面精密加工ツール10は、更に、太鼓状工具12の凸面加工面13を修正する修正手段を有する。この修正手段は、この例において、導電性砥石である凸面加工面13と間隔を隔てて位置する電極21と、凸面加工面13と電極21にパルス電圧を印加する印加装置22とからなる。なお、この図で24は絶縁材である。
この構成により、凸面加工面13で被加工面を研削しながら同時に導電性砥石(凸面加工面13)の表面を電解ドレッシングにより修正することができる。なお、修正手段は、砥石もしくは、電解または放電手段、又はこれらの複合手段としてもよい。砥石、電解、放電等の修正手段により、好ましくは被加工材の加工と同時に円弧回転体凸面加工部13を修正することができ、精密加工を長時間継続することができる。
図2は、自由曲面精密加工ツールの第2実施形態を示す図である。この図において、自由曲面精密加工ツール10は、太鼓状工具12の凸面加工面13に隣接した非加工部13bを有する。この非加工部13bは、凸面加工面13の端部を保護する機能を有し、直接加工に関わらず、被加工面に傷を付けないように砥石結合材よりも磨耗し易い材料からなる。また、この非加工部13bの材料に導電材を含み、この非加工部13bを介して被加工面(図示せず)から凸面加工面13に電解ドレッシング用の電圧を印加するようにしてもよい。
太鼓状工具12は軸心zまわり回転のため、横方向から加工抵抗を受けることから、ツール加工部を薄肉化した場合には剛性補強を図る必要がある。そのため、図2では、円弧回転体凸面加工部13に直接、加工に関わらない結合材もしくは被加工面を損傷せず、容易に摩耗する材料からなる非加工部13bを設けている。この非加工部13bの材料に導電材を含むことが好ましい。かかる構造の太鼓状工具12は振動発生を防止するのみならず、自由曲面精密加工の更なる精度向上が図れる。
また、この例において、自由曲面精密加工ツール10は、太鼓状工具12の両側(片側でもよい)に設けられた従動歯車16と、この従動歯車16を駆動する主動歯車16aとを備える。主動歯車16aはこの例では支持軸17bと軸受17cにより回転可能に支持され、従動歯車16と直接噛み合う。更に、主動歯車車16aは、ツール本体11内に設けられたベルト18で回転駆動されるようになっている。
この構成により、主動歯車16aをベルト18で回転駆動して太鼓状工具12を直交軸心xまわりに回転駆動することができる。その他の構成は、図1と同様である。
図2では、太鼓状工具12の両側または、片側に歯車16を設け、対向する駆動歯車16aを噛合させ、該太鼓状工具12を直交軸心x周りに力強く、確実に駆動する。この構成により、ツールの軸心zまわり回転半径が最小化され、被加工材と該加工ツールの干渉による制約もなく、加工軌跡の自由度も高いので、汎用性のある3軸NC加工装置の使用を確実にすることができる。
図3は、自由曲面精密加工ツールの第3実施形態を示す図であり、本発明の実施形態に相当する。この図において、本発明の自由曲面精密加工ツール10は、太鼓状工具12の外周面に接触するベルト18と、ベルト18を太鼓状工具12との間で挟持するプーリー19とを備える。ベルト18は、ツール本体11内を通して回転駆動され、このベルトの回転により太鼓状工具12を直交軸心xまわりに回転駆動するようになっている。なお、この図で19bはプーリー軸、19cは軸受である。
図3では、太鼓状工具12の外周面にベルト18およびプーリー19の外周面を接触させ、太鼓状工具12を直交軸心x周りに円滑に駆動する。この構成により、ツールの軸心zまわり回転半径が最小化され、被加工材と該加工ツールの干渉による制約もなく、加工軌跡の自由度も高いので、汎用性のある3軸NC加工装置の使用を確実にするものである。
更に、この例では、ベルト18が外周面に接触する側に研磨面を備え、回転駆動と同時に太鼓状工具の凸面加工面を修正するようになっている。その他の構成は、図1と同様である。
図4は、自由曲面精密加工ツールの第4実施形態を示す図である。この例では、第2実施形態と同様に太鼓状工具12の凸面加工面13に隣接した非加工部13bを有し、かつ第3実施形態と同様にベルト18とプーリー19とを備えている。その他の構成は、図1と同様である。
上述した構成により、軸心zまわりの回転により凸面加工面13が接触して被加工面を精密加工すると共に、凸面加工面13を直交軸心xまわりに回転させて、凸面加工面13の加工位置を分散させることができる。
なお、図4において、非加工部13bの外周面にプーリー19を接触させ、ベルト18でプーリー19を回転駆動して、プーリー19の回転により太鼓状工具12を直交軸心xまわりに回転駆動してもよい。プーリー19は非加工部13bに対して図示しない付勢手段(バネ等)で押し付け、その間の摩擦力を保持するのがよい。
この構成により、凸面加工面13に直接接触しないのでプーリー19の磨耗を低減することができる。
図5は、自由曲面精密加工ツールの作用を説明する図であり、太鼓状工具12の側面を示している。図5(A)は円弧半径rが円弧回転体最外周半径Rより小さい場合を示す。球面加工面Uは半球面の加工範囲Dを有し、その中心は軸心zと太鼓状工具12の直交軸心xの直交点であり、円弧の回転中心Oであるので、加工軌跡の位置制御を円弧の回転中心Oで行うことができる。
図5(B)は、円弧半径rが円弧回転体最外周半径Rより大きい場合を示す。この場合球面加工面Uは球冠面の加工範囲Dを有し、その中心は軸心z上の最下端の円弧半径rの中心Aで加工軌跡の位置制御を行うことができる。
なお、円弧半径rを、回転軸xからの凸面加工面の最大半径Rと同一に設定してもよい。この場合には、円弧の回転中心Oと最下端円弧の半径中心Aが一致するため、加工軌跡の位置制御を同一中心で行うことができる。
上述した構成によれば、自由曲面精密加工ツール10は下方にある太鼓状工具12を軸心zまわりに回転させることにより、下端部に球面加工面Uを得ると共に、直交軸心xまわりの回転を付加させることにより、円弧回転体凸面加工部13の接触面eの移動軌跡を蛇行させることができる。
図6は、自由曲面精密加工ツールの作用を説明する別の図であり、蛇行の状態を模式的に示している。図6(A)は直交軸心xまわりの回転数jと軸心zまわりの回転数kがほぼ同等の場合を示す。図6(B)は直交軸心xまわりの回転数jが軸心zまわりの回転数kより大きい場合を示す。
任意の回目と次回目にずれsが生じている。これは回転角速度の差によるもので、これにより接触面eの移動軌跡が分散化される。また、接触面eの移動速度は直角速度成分の合成により変動が小さくなる。この機能により、円弧回転体凸面加工部13の切れ味の持続、均一な摩耗と、自己修正機能を得る、と同時に、消耗速度の低下を得て、円弧回転体凸面加工部13の形状精度維持と持続が図れるので、汎用性のある3軸NC加工装置を用いて、自由曲面を効率よく、精密加工できる。
図7は、自由曲面精密加工ツールの第5実施形態を示す図である。この例において、自由曲面精密加工ツール10は、太鼓状工具12の両側(片側でもよい)に設けられた従動歯車16と、この従動歯車16を駆動する主動歯車16aとを備える。主動歯車16aは、ツール本体11内に設けられたベルト18で回転駆動されるようになっている。また、主動歯車16aと従動歯車16との間に軸受17dで回転支持された中間歯車16bを備えている。
この構成により、主動歯車16aをベルト18で回転駆動し、中間歯車16bを介して太鼓状工具12を直交軸心xまわりに回転駆動することができる。
なおこの例ではベルトの代わりにチェーンを用いることもできる。またこの図において、電極21が中間歯車16bに設置されている。その他の構成は、図1、図2と同様である。
この実施形態によれば、以下の付加的な効果が得られる。
(1)ベルトが中間歯車16bにかかっていないため、従動歯車との軸間距離を短縮できる。すなわち、歯車外径をツール本体の断面外形内に納めることができる。
(2)中間歯車を従動歯車の外径よりも小径にできるため、減速伝導となり歯の強度および摩耗、効率の面で有利である。
(3)中間歯車の歯数の組み合わせで工具回転数設定の自由度を広げることができる。また、中間歯車を1個または2個にし、太鼓状工具12の回転方向の左右回りを決め、ジャイロ効果で発生する偶力を工具押圧との相殺に利用できる。
(4)中間歯車に電極21を設置できる。
(5)ベルトの断面形状の自由度が増す。チェーンの使用も可能となる。
図8は、自由曲面精密加工ツールによる加工面粗さのプロファイルを示す図であり、図9は加工表面の拡大写真である。
なお、ワークは成形用金型用鋼(ステンレス系HRC42)、砥石は鋳鉄ボンドCBN#4000砥石(直径20mm、厚さ8mm)であり、加工条件は、表1に示すように、スピンドル回転数1500rpm、送り速度100mm/min、ピッチ0.1mm、切込み量10μm/passで実施した。
加工後の加工面粗さは、表2に示すように0.0188μmRa,
0.1392μmRyであった。従ってこの結果から、自由曲面精密加工ツールで#4000砥石を用いることにより優れた鏡面が得られることが確認された。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
自由曲面精密加工ツールの第1実施形態を示す図である。 自由曲面精密加工ツールの第2実施形態図である。 自由曲面精密加工ツールの第3実施形態図であり、本発明の実施形態に相当する。 自由曲面精密加工ツールの第4実施形態図である。 自由曲面精密加工ツールの作用を説明する図である。 自由曲面精密加工ツールの作用を説明する別の図である。 自由曲面精密加工ツールの第5実施形態図である。 自由曲面精密加工ツールによる加工面粗さのプロファイルを示す図である。 自由曲面精密加工ツールによる加工表面の拡大写真である。 従来の自由曲面加工ツールの模式図である。 従来の加工形態の模式図である。 従来のツールの摩耗形態を示す図である。
符号の説明
1 自由曲面加工ツール、2 自由曲面、3 流体
10 自由曲面精密加工ツール
11 ツール本体、11a 導通孔、12 太鼓状工具、12a 支持軸
13 凸面加工面、13a 凸面加工部、13b 非加工部
14 支持軸受、15 羽根車
16 従動歯車、16a 主動歯車、16b 中間歯車、
17b 支持軸、17c 軸受、17d 軸受、18 ベルト、19 プーリー
19b プーリー軸、19c 軸受
21 電極、22 印加装置、24 絶縁材

Claims (2)

  1. 軸心zまわりの回転により下端部が接触して被加工面を精密加工する自由曲面精密加工ツールであって、
    前記軸心zに直交する直交軸心xを有し該直交軸心xを中心に回転駆動される太鼓状工具を備え、
    該太鼓状工具は、軸心zと直交軸心xの交点Oを中心とする半径rの円弧を直交軸心xを中心に回転させた円弧回転体の凸面加工面を有し、
    これにより、凸面加工面が接触して被加工面を精密加工すると共に、凸面加工面を直交軸心xまわりに回転させて、凸面加工面の加工位置を分散させ、
    前記太鼓状工具の外周面に接触するベルトと、該ベルトを太鼓状工具との間で挟持するプーリーとを備え、ベルトの回転により太鼓状工具を直交軸心xまわりに回転駆動する、ことを特徴とする自由曲面精密加工ツール。
  2. 前記ベルトは外周面に接触する側に研磨面を備え、回転駆動と同時に太鼓状工具の凸面加工面を修正する、ことを特徴とする請求項1記載の自由曲面精密加工ツール。
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