JP4436743B2 - ルーフドレイン - Google Patents

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本発明は、FRP防水工法によって防水層を形成する施工に適したルーフドレインに関する。
建築物の屋上やベランダにおける防水工法の一つとして、FRP(繊維強化プラスチック)防水工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この工法は、屋上やベランダ等の床面上に樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)を塗布した後、ガラス繊維マットを敷設し、さらに該マットに前記樹脂液を塗布して含浸させ、脱泡処理後、硬化させることによりシームレスのFRP防水層を形成するものであって、この工法によれば、シート防水等に見られるような継ぎ目が一切できず、隅部や角部の収まりがよく、耐候性や耐久性に優れた防水層を得ることができる。
一方、建築物の屋上やベランダ等の床面上に配設されるルーフドレインaは、図4に示すように、鍔部cと該鍔部cに連成された排水管部dとを備えたドレイン本体bが床面f上に埋設され、周囲の床面f上に敷設された防水層sの端縁tを鍔部cの表面に被着した状態で、該鍔部cと上方の防水層押えeとで防水層sの端縁tを挟持するようにして施工されている。
特開2003−27675号公報(段落[0021])
ところで、鋳鉄製或いはアルミニウム合金鋳物製のルーフドレインにはエポキシ樹脂の防錆塗装が施されているが、該塗装はFRP防水層を構成する樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)との密着性が悪いため、鍔部cの表面とFRP防水層との間に生じる僅かな隙間から毛細管現象によって雨水が浸入し、これが周囲の床内に浸透して水漏れを起こす虞があった。そこで、FRP防水工法によってFRP防水層を形成する場合には、FRP防水層を構成する樹脂液が塗布される鍔部cの表面の塗装を剥離して鋳鉄素地或いはアルミニウム素地を露出させる必要があり、この作業が面倒で手間と時間が掛かる非能率的な作業となっていた。このような塗装の剥離作業を行う必要がないルーフドレインとして、一般的なエポキシ樹脂の防錆塗装に代えて、FRP防水層との密着性がよい塩化ビニルのコーティングを鋳鉄製或いはアルミニウム合金鋳物製のドレイン本体に施したものも生産されているが、特注品であるため、手間と時間が掛かり、コスト高になるという問題点があった。また、ステンレス製或いはステンレス鋳鋼製のルーフドレインにあっては、表面が緻密でFRP防水層との密着性が悪いため、サンドペーパー等で表面を粗くする作業を行う必要があった。
本発明は、かかる従来の問題点を解消し得るルーフドレインを提供することを目的とするものである。
本発明は、不飽和ポリエステル樹脂と、ガラス繊維マットとからなるFRP防水層が被着される屋上又はベランダに適用されるものであって、鍔部と該鍔部に連成された排水管部とを備えたドレイン本体の、その鍔部の表面にFRP防水層が被着され、ドレイン本体の鍔部上に防水層押えを螺子杆及びナットを介して固定することにより、鍔部と防水層押えとでFRP防水層の端縁を挟持し、さらに防水層押え上にストレーナを固定してなるルーフドレインにおいて、
ストレーナ及び防水層押えを金属製とするとともに、前記ドレイン本体を、FRP防水層を構成する不飽和ポリエステル樹脂との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂製としたことを特徴とするルーフドレインである。


ここで、前記ドレイン本体は、硬質塩化ビニル系樹脂の射出成形によって形成され得る。
かかる構成にあって、ドレイン本体が、FRP防水層との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂製であることにより、FRP防水層を構成する樹脂液と、該樹脂液が塗布される鍔部の表面との密着性がよく、FRP防水工法で形成されるFRP防水層の端縁を鍔部の表面に強固に被着することができる。これにより、従来のように、塗装の剥離作業やサンドペーパー等による粗面形成作業を行う必要がなく、施工能率が向上する。また、塩化ビニルのコーティングを金属製のドレイン本体に施す場合に比して、手間と時間が掛からず、生産コストが低減する。
以下に、本発明に係るルーフドレインの第一実施例を、図1に基づいて説明する。この第一実施例は、本発明を縦引き排水用のルーフドレイン1Aに適用したものである。
ルーフドレイン1Aは、床f上に埋設されるドレイン本体2と、該ドレイン本体2の鍔部3上に螺子杆6及びナット7を介して固定される防水層押え4と、該防水層押え4にビス8で固定されるストレーナ5とにより構成されている。前記ドレイン本体2は、円形受皿形状の鍔部3と該鍔部3から下方に連成された排水管部9とを備えており、このドレイン本体2が後述するFRP防水層15との密着性に優れた硬質塩化ビニル系樹脂の射出成形によって形成されている。また、防水層押え4とストレーナ5は、鋳鉄,アルミニウム合金,ステンレス,ステンレス鋳鋼等の金属製となっている。このように施工完了状態において目視される防水層押え4とストレーナ5を従来と同じ材質とすることにより、見る者が違和感を抱くことがなく、また、従来と同じ設備及び材料を使用して製造し得るようにしている。
前記ドレイン本体2を構成する塩化ビニル系樹脂としては、硬質の塩化ビニル樹脂の他、該塩化ビニル樹脂にポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂,アクリル系樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル系樹脂等の他の熱可塑性合成樹脂を一種類以上混合した樹脂、或いはエチレン−塩化ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、ウレタン−塩化ビニル共重合樹脂等の塩化ビニル系共重合樹脂等が好適に用いられる。
上記のような塩化ビニル系樹脂製のドレイン本体2を、コンクリートの打込施工によって床f上に埋設した状態で、該床f及び鍔部3の表面に亘ってFRP防水層15が形成される。該FRP防水層15は、FRP防水工法によって形成されるものであって、床面f上に必要に応じて下地調整用のプライマーを塗布した後、図2に示すように、床f及び鍔部3の表面3’に亘って第一の樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)10を塗布して、ガラス繊維マット11を敷設し、さらに該マット11に第二の樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)12を塗布して含浸させ、空気を脱泡して硬化させることにより、主なる防水層13を形成した後、該防水層13上にトップコート層として着色した第三の樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)14を塗布し、硬化させることにより仕上げられている。尚、主なる防水層13を二層以上設けることにより、FRP防水層15をより厚くすることも可能である。
上記のようなFRP防水層15の施工において、ドレイン本体2が、FRP防水層15を構成する樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂製であることにより、FRP防水層15を構成する樹脂液と、該樹脂液が塗布される鍔部3の表面3’との密着性がよく、FRP防水工法で形成されるFRP防水層15の端縁15’を鍔部3の表面3’に強固に被着させることができる。
然る後、鍔部3に被着されたFRP防水層15の端縁15’に防水層押え4を乗載した状態で、ナット7を緊締することにより、鍔部3と防水層押え4とでFRP防水層15の端縁15’を挟持させる。そして、該防水層押え4にビス8でストレーナ5を固定し、また、排水管部9の下部に通水管16を接続することで施工が完了する。
図3は、本発明に係るルーフドレインの第二実施例を示し、この第二実施例は、本発明を横引き排水用のルーフドレイン1Bに適用したものである。
ルーフドレイン1Bは、床fと立上り壁f’とが交叉する入隅部に埋設されるドレイン本体2と、該ドレイン本体2の鍔部3に螺子杆6及びナット7を介して固定される防水層押え4と、該防水層押え4にビス8で固定されるストレーナ5とにより構成されている。前記ドレイン本体2は、断面L形の鍔部3と該鍔部3から後方に連成された排水管部9とを備えており、このドレイン本体2が上述したFRP防水層15との密着性に優れた硬質塩化ビニル系樹脂の射出成形によって形成されている。また、防水層押え4とストレーナ5は、第一実施例と同様に、鋳鉄,アルミニウム合金,ステンレス,ステンレス鋳鋼等の金属製となっている。
上記のような塩化ビニル系樹脂製のドレイン本体2を、コンクリートの打込施工によって床fと立上り壁f’とが交叉する入隅部に埋設した状態で、該床f及び立上り壁f’と鍔部3の表面に亘ってFRP防水層15が形成される。該FRP防水層15は、上述したFRP防水工法によって形成されるものであって、床面f及び立上り壁f’上に必要に応じて下地調整用のプライマーを塗布した後、図2に示すように、床f及び立上り壁f’と鍔部3の表面3’に亘って第一の樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)10を塗布して、ガラス繊維マット11を敷設し、さらに該マット11に第二の樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)12を塗布して含浸させ、空気を脱泡して硬化させることにより、主なる防水層13を形成した後、該防水層13上にトップコート層として着色した第三の樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)14を塗布し、硬化させることにより仕上げられる。尚、この場合にあっても、主なる防水層13を二層以上設けることにより、FRP防水層15をより厚くすることが可能である。
上記のようなFRP防水層15の施工において、ドレイン本体2が、FRP防水層15を構成する樹脂液(不飽和ポリエステル樹脂)との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂製であることにより、FRP防水層15を構成する樹脂液と、該樹脂液が塗布される鍔部3の表面3’との密着性がよく、FRP防水工法で形成されるFRP防水層15の端縁15’を鍔部3の表面3’に強固に被着させることができる。
このように、本発明にあっては、ドレイン本体2が、FRP防水層15との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂製であるので、FRP防水工法で形成されるFRP防水層15の端縁15’を鍔部3の表面3’に強固に被着することができる。これにより、従来のように、塗装の剥離作業やサンドペーパー等による粗面形成作業を行う必要がないため、施工能率を向上させることができる。また、塩化ビニルのコーティングを金属製のドレイン本体に施す場合に比して、手間と時間が掛からず、生産コストを低減することができる。
本発明にかかるルーフドレイン1A,1Bは、FRP防水工法で形成されるFRP防水層15以外に、塩化ビニルシート防水層の施工にも好適に用いられ得る。
第一実施例にかかる縦引き排水用のルーフドレイン1Aの施工状態を示す縦断面図である。 FRP防水層15の構成を示す縦断面図である。 第二実施例にかかる横引き排水用のルーフドレイン1Bの施工状態を示す縦断面図である。 従来構成の施工状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1A,1B ルーフドレイン
2 ドレイン本体
3 鍔部
3’表面
9 排水管部
15 FRP防水層

Claims (1)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂と、ガラス繊維マットとからなるFRP防水層が被着される屋上又はベランダに適用されるものであって、鍔部と該鍔部に連成された排水管部とを備えたドレイン本体の、その鍔部の表面にFRP防水層が被着され、ドレイン本体の鍔部上に防水層押えを螺子杆及びナットを介して固定することにより、鍔部と防水層押えとでFRP防水層の端縁を挟持し、さらに防水層押え上にストレーナを固定してなるルーフドレインにおいて、
    ストレーナ及び防水層押えを金属製とするとともに、前記ドレイン本体を、FRP防水層を構成する不飽和ポリエステル樹脂との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂製としたことを特徴とするルーフドレイン。
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