JP4437632B2 - 光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板など光学部材表面の一次保護のために使用される保護フィルム用感圧接着剤組成物に関するものであり、詳しくは、反応性官能基として少なくともヒドロキシル基を含有する、特定ガラス転移温度(Tg)範囲のアクリル系共重合体(A)、及び特定の化学構造式で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b1 )を含む、2種以上のポリイソシアネート化合物であるポリイソシアネート化合物(B)を必須成分として含む光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示板は、薄型軽量であること、消費電力が少なくて済むことなどから、近年、各種の情報関連機器、例えばワープロやノート型パソコンなどの画面表示装置として利用されている。このような液晶表示板には、本体である液晶を内包したガラスセル(液晶セル)と共に偏光板や位相差板などの光学部材が用いられている。これらの光学部材のうち、例えば偏光板は、通常、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムからなる偏光素子と、その機械的強度を保持するため該偏光素子の両面に貼り合わされている鹸化されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルムからなる保護層により構成され、また該偏光板の液晶表示板正面となる側の表面には、偏光板を傷や汚染から守り、さらにその用途に応じての機能を付与するために機能層が形成されることが多い。この機能層には、偏光板への蛍光灯などの写り込み像を拡散してその表示を見やすくするために表面に微細な凹凸を形成するアンチグレア層;偏光板の表面硬度を高くして耐擦傷性を付与するハードコート層;偏光板の表面での外光反射を抑制して表示を見やすくするアンチリフレクション層;などがある。そして偏光板は、感圧接着剤を介して液晶セルに貼着されている。
【0003】
これらの光学部材は、通常、打抜加工、検査、輸送、液晶表示板の組立などの各工程を経る間にその表面が汚染されたり損傷したりしないように、さらに表面保護フィルムで接着被覆されて長尺の光学部材積層体として形成され、それらの工程の後、その表面保護フィルムは表面保護が不要となった段階で光学部材から剥離除去される。なお、液晶表示板の組立工程などでは、光学部材と液晶セルとの接着状態の安定化を目的に、オートクレーブ処理といわれる加熱加圧処理が施されることもしばしばであり、さらに必要に応じて、該オートクレーブ処理において生じる歪みを解除するために、例えば90℃など、ある程度の高温で数時間エージング処理される。
【0004】
このような表面保護フィルムには、光学部材の表面保護が必要とされる間は、該部材の表面上でずれを生じたり表面から脱落したりすることがない程度にその表面に接着していると共に、液晶の性能など各種の検査に支障を来さないように、高度に透明であること及びフクレ、トンネリング、ハガレなど接着剤層内及び該接着剤層と光学部材との界面に欠陥がないことが要求される。このような欠陥部分が存在するときの、その部分の光学部材の表面にはクモリや汚染が発生していることが多い。そして光学部材からの該フィルムの剥離に際しては、剥離に伴う歪みによって光学部材や液晶セルを損傷することがないように、また液晶セルから光学部材が剥離してしまうなどの不都合が生じないように、容易に剥離できることが必要である。
【0005】
上記のフクレ、トンネリング、ハガレなどの発生は、液晶表示板の組立工程などにおける加熱により、吸湿性や透湿性を有する偏光板などの内部からのガスや表面の水分などに起因し、或いは表面保護ベースフィルムの収縮などにも起因するものであるが、特に表面にアンチグレア層など微細な凹凸を有する層を設けた偏光板の場合には、表面保護フィルムの感圧接着剤層の、該アンチグレア層などの表面への濡れの度合が問題になる。この濡れが不十分な場合には、内包された空気がオートクレーブ処理などにより膨脹して偏光板のアンチグレア層と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じ、また加圧下のオートクレーブ処理ではフクレが視認されない程度には感圧接着剤が濡れていたとしても、引き続いての高温エージング処理で、圧縮されていた空気の微小泡が圧力の解除と加熱とによって膨脹してフクレとなって現れることもしばしばである。またフクレ、トンネリング、ハガレなどは、該接着剤層の光学部材への接着力が弱すぎる場合に特に生じやすい。
【0006】
また従来の表面保護フィルムの多くは、上記の加工工程で光学部材の表面保護のために十分な程度の接着性を有している場合、経時的にその光学部材に対する接着力を上昇させて剥離する際の接着力が高くなり過ぎる傾向があり、剥離のための作業効率が悪く、その上剥離に伴う歪みによって光学部材や液晶セルの配向の乱れ、セルギャップの拡大などの不都合さえ生じることがある。特に上記のアンチグレア層などを設けた偏光板では接着力が上昇しやすく、中でもエージング処理などによってもフクレが生じない程度に濡れが十分である場合には、接着力が高くなりすぎる傾向にあり、さらに表面保護フィルムの剥離に際しては、手剥離で行われることが多く、例えば300mm/分など通常の試験に用いられる剥離速度におけるよりは、一般に大きな剥離力が掛かることになる。
【0007】
これらの問題点の1つ又は幾つかを解消するため、従来から幾多の提案が知られている。例えば、特開平9-208910号公報には、適度の粘着力と優れた再剥離性を有すると共に、フクレやトンネリングが生じないことを目的にした粘着剤組成物及びそれを用いた表面保護フィルムが開示されている。この提案における粘着剤は、アルキル基の炭素数が1〜9のアクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合可能な不飽和モノマー、アルキル基の炭素数が16〜22の(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び反応性乳化剤をそれぞれ特定量共重合してなるアクリル系共重合体に、イソシアネート系などの架橋剤を特定量配合してなるものである。
【0008】
しかしながら上記提案の粘着剤を用いた表面保護フィルムでは、確かにフクレやトンネリングの発生を抑制することは可能であったが、再剥離性はまだ必ずしも十分とはいいがたく、特に被着体としてアンチグレア層を有する偏光板を用いた場合にはその剥離力が実用に供し得ないほど大きなものとなることが判明した。
【0009】
さらに、例えば、特開2001-33624号公報には、温度や湿度等の環境変化によっても光学部材から剥離することがなく、且つ剥離時には糊残りなく光学部材から剥離分離できるという基本的性能を満足させつつ、エージング等の加熱処理後においても光学部材の損傷や液晶セルからの剥離なしに容易に剥離分離できる表面保護フィルムを得ることを目的とした表面保護フィルムであって、剥離速度300mm/分で180゜剥離において、80℃放置の接着力が常温放置の接着力の1.3倍以内である表面保護フィルムが開示されている。この第2の提案の具体例には、2-エチルヘキシルアクリレート/酢酸ビニル/アクリル酸=54.1/43.2/2.7(重量%)のアクリル系共重合体100重量部に対して四官能性エポキシ系架橋剤3重量部からなるアクリル系粘着剤が記載されている。
【0010】
しかしながら上記第2の提案の粘着剤は、本発明者等の追試の結果によれば、確かに被着体としてステンレス鋼板を用いた接着力試験では、80℃放置の接着力が常温放置の接着力の1.3倍以内となってはいたが、被着体として、例えば表面にアンチグレア層を有する偏光板を用いたときには、オートクレーブ処理後に90℃で2時間エージング処理を行ったところ、偏光板表面と表面保護フィルムとの間に多数のフクレが発生するなどの問題があることが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、前記従来の光学部材表面保護フィルム用の感圧接着剤組成物が有している問題点を解決するために、アクリル系感圧接着剤の改良研究を行ってきた。その結果、例えば、2-エチルヘキシルアクリレートを主体にしてこれに4-ヒドロキシブチルアクリレート及びアクリル酸を共重合した、重量平均分子量(Mw)約60万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mn約10である分子量分布を有するアクリル系共重合体に、特定の化学構造式で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b1 )を含む、2種以上のポリイソシアネート化合物を配合することによって得られるアクリル系感圧接着剤組成物が、前記の課題をことごとく解決することのできる優れた感圧接着剤組成物であることを見いだし、さらに研究を進めて本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、下記(A)及び(B):
(A) 反応性官能基として少なくともヒドロキシル基を含有し、ガラス転移温度(Tg)−30℃以下であるアクリル系共重合体;及び
【0013】
(B) 下記構造式(1)、
【0014】
【化2】
(ここでR1は炭素数4〜8のアルキレン基を表す)
【0015】
で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b1 ) と、HMDIの3量体に基づくイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIとトリメチロールプロパンとの付加物からなるポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくプレポリマー構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくオキサジアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )とからなる2種以上のポリイソシアネート化合物;を必須成分として含んでなることを特徴とする光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物が提供される。
【0016】
以下本発明を詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるアクリル系共重合体(A)は、アクリル酸エステル又は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを主成分量、例えば該アクリル系共重合体(A)の重量に基づいて合計50重量%以上共重合されてなり、且つ分子内にヒドロキシル基を含有するものである。また該アクリル系共重合体(A)は、必要に応じて、その分子内にさらにヒドロキシル基以外の官能基、例えばカルボキシル基を含有することもできる。
【0018】
本発明に特に好適に用いられるアクリル系共重合体(A)は、具体的には、必須成分として、下記単量体(a1)及び(a2)、
【0019】
(a1) 下記一般式(2)、
H2C=CHCOOR1 (2)
(ここでR1は、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)
で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル〔以下、アクリル酸エステル(a1)又は単に単量体(a1)ということがある〕、及び
【0020】
(a2) 分子内にヒドロキシル基を有する単量体〔以下、ヒドロキシル基含有単量体(a2)又は単に単量体(a2)ということがある〕を共重合してなり、さらに必要に応じてこれら単量体(a1)及び(a2)と共に、下記単量体(a3)及び/又は(a4)
【0021】
(a3) 分子内にカルボキシル基を有する単量体〔以下、カルボキシル基含有単量体(a3)又は単に単量体(a3)ということがある〕、及び/又は
【0022】
(a4) 上記単量体(a1)〜(a3)と共重合可能で、該単量体(a1)〜(a3)以外の共単量体〔以下、共単量体(a4)又は単に単量体(a4)ということがある〕を共重合してなるものであることが好ましい。
【0023】
上記一般式(2)のアクリル酸エステル(a1)は、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を有し、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステルであるが、その具体例は、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、イソノニルアクリレートなどが挙げられ、これらの中でも、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートが好ましい。これらのアクリル酸エステルは、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0024】
なお、ここでいう「単独重合体のガラス転移温度(Tg)」には、L. E. ニールセン著、小野木宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されている単量体のガラス転移温度が適用される。
【0025】
前記のアクリル酸エステル(a1)の共重合量は、アクリル酸共重合体(A)を構成する前記単量体成分(a1)〜(a4)の合計100重量%に基づいて、一般に50〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%、さらに好ましくは80〜97.9重量%の範囲であるのがよい。アクリル酸エステル(a1)の共重合量が該上限値以下であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行った場合でも光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなく表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましく、一方該下限値以上であれば、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
【0026】
前記ヒドロキシル基含有単量体(a2)の具体例としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコールなどを挙げることができ、これらの中でも、単量体(a1)との共重合性の観点からヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いるのが好ましく、特に4-ヒドロキシブチルアクリレートの使用が好ましい。これら単量体(a2)は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
これらヒドロキシル基含有単量体(a2)の共重合量は、前記単量体成分(a1)〜(a4)の合計100重量%に基づいて、一般に0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、さらに好ましくは2〜5重量%の範囲であるのがよい。単量体(a2)の共重合量が該下限値以上であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行った場合でも光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなく表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましく、一方該上限値以下であれば、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
【0028】
本発明においてこれら単量体(a1)及び(a2)と共に、必要に応じて用いられる、前記カルボキシル基含有単量体(a3)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸など、炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸を挙げることができ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸の使用が好ましい。これら単量体(a3)は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0029】
これらカルボキシル基含有単量体(a3)の共重合量は、前記単量体成分(a1)〜(a4)の合計100重量%に基づいて、一般に0〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲であるのがよい。単量体(a3)の共重合量が該上限値以下であれば、ポリイソシアネート化合物を配合した後の感圧接着剤組成物のポットライフが使用に耐える程度に十分であるので好ましく、一方該下限値以上であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行った場合でも光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなく表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましい。
【0030】
本発明においてこれら単量体(a1)及び(a2)と共に、又は単量体(a1)〜(a3)と共に必要に応じて用いられる、前記共単量体(a4)の具体例としては、前記(a1)以外のアクリル酸エステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレート等(好ましくはメチルアクリレート);メタクリル酸エステル、例えば、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等(好ましくはメチルメタクリレート);飽和脂肪酸ビニルエステル、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)等(好ましくは酢酸ビニル);芳香族ビニル単量体、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等;及びシアン化ビニル単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等;を挙げることができる。
【0031】
また共単量体(a4)としては、例えば、ジメチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-2-エチルヘキシルマレート、ジ-n-オクチルマレート、ジメチルフマレート、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-2-エチルヘキシルフマレート、ジ-n-オクチルフマレート等のマレイン酸もしくはフマル酸のジエステル;も使用可能である。
【0032】
さらに共単量体(a4)としては、必要に応じて、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記単量体(a2)及び(a3)以外の単量体(以下、官能性共単量体ということがある)を共重合することもできる。
【0033】
このような官能性共単量体としては、官能基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、低級アルコキシル基又はエポキシ基等を有する単量体を挙げることができ、また、分子内にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する単量体も使用できる。
【0034】
これら官能性共単量体の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-i-ブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド(好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド)等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体;
【0035】
例えば、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルアクリレート、2-メトキシエトキシエチルアクリレート、2-エトキシエトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエチルメタクリレート、2-メトキシエトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等の低級アルコキシル基含有単量体;例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;
【0036】
例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等の単量体群を挙げることができる。
【0037】
これら共単量体(a4)の共重合量は、前記単量体成分(a1)〜(a4)の合計100重量%に基づいて、一般に0〜49.5重量%、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%の範囲であるのがよい。単量体(a4)の共重合量が該上限値以下であれば、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
【0038】
本発明に用いられるアクリル系共重合体はまた、そのガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、好ましくは−40℃以下、さらに好ましくは−50℃以下であるのがよい。Tgが該温度を超えて高すぎては、感圧接着剤層が硬く流動しにくくなり、特に表面にアンチグレア層などを有する偏光板に用いたとき、感圧接着剤がアンチグレア層の凹凸を十分に濡らすことができず、そのためオートクレーブ処理やエージング処理によって、感圧接着剤層とアンチグレア層との間にわずかに残存する空気が膨脹して偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがあるので好ましくない。
【0039】
なお本発明において、アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)は下記により測定決定された値である。
【0040】
ガラス転移温度( Tg )
下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1) アクリル系共重合体溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状のアクリル系共重合体を得る。
(2) 厚さ約0.05mmアルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型のセルに、(1)で得た試料約10mgを秤量したものを測定試料とする。
(3) セイコー電子工業(株)製SSC-5000型示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)を用い、−150℃から昇温速度10℃/minで測定する。
【0041】
本発明に用いられるアクリル系共重合体は、その重量平均分子量(Mw)が、一般に30万以上、好ましくは35万以上、さらに好ましくは40〜80万であるのがよい。該重量平均分子量(Mw)が該下限値以上であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行っても光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなしに表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましい。一方該上限値以下であれば、得られる感圧接着剤層の流動性が優れており、表面に微小の凹凸を有する偏光板に用いたときでも、感圧接着剤が偏光板表面を十分に濡らすことができるため、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
【0042】
また本発明に好適に用いられるアクリル系共重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnで表される分子量分布が、一般に15以下、好ましくは2〜12の範囲であるのがよい。Mw/Mnの値が該上限値以下であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行っても光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなしに表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましい。
【0043】
なお本明細書における上記重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の値には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、定法に従って測定された値が用いられる。
【0044】
本発明に用いられるアクリル系共重合体(A)の重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、重合により得られた共重合体の混合物を用いて本発明の感圧接着剤組成物を製造するに当り、処理工程が比較的簡単で且つ短時間で行えることから溶液重合により重合することが好ましい。
【0045】
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて用いられる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることにより行われる。この場合に有機溶媒、単量体及び/又は重合開始剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
【0046】
上記の重合用有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、t-ブチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、テトラリン、デカリン、芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、i-オクタン、n-デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸n-アミル、酢酸2-ヒドロキシエチル、酢酸2-ブトキシエチル、酢酸3-メトキシブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-i-ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン類;例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類;例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコールなどのアルコール類;などを挙げることができる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0047】
これら重合用有機溶媒のうち、前記アクリル系共重合体(A)の重合に際しては、重合反応中に連鎖移動を生じにくい有機溶媒、例えば、エステル類、ケトン類を使用することが好ましく、特に、アクリル系共重合体(A)の溶解性、重合反応の容易さなどの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどの使用が好ましい。
【0048】
前記の重合開始剤としては、通常の溶液重合で使用できる有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することが可能である。
【0049】
このような有機過酸化物としては、例えば、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ-i-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシビバレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-α-クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられ、アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビス-i-ブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリルなどを挙げることができる。
【0050】
これら有機過酸化物のうち、前記アクリル系共重合体(A)の重合に際しては、重合反応中にグラフト反応を起こさない重合開始剤が好ましく、特にアゾビス系が好ましい。その使用量は、通常、単量体合計100重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部である。
【0051】
また、本発明発明に用いられるアクリル系共重合体(A)の製造に際しては、連鎖移動剤は使用しないのが普通であるが、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて使用することは可能である。
【0052】
このような連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類;アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、p-ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノンなどのベンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘導体;四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-クロロ-1-プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒドなどのアルデヒド類:炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエンメルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレンなどのテルペン類;などを挙げることができる。
【0053】
重合温度としては、一般に約30〜180℃、好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜90℃の範囲である。
【0054】
なお、溶液重合法などで得られた重合物中に未反応の単量体が含まれる場合は、該単量体を除くために、メタノールなどによる再沈澱法で精製することも可能である。
【0055】
本発明の光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物は、必須成分として、以上述べたアクリル系共重合体(A)と共に、下記構造式(1)、
【0056】
【化3】
(ここでR1は炭素数4〜8のアルキレン基を表す)
【0057】
で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b1 ) と、HMDIの3量体に基づくイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIとトリメチロールプロパンとの付加物からなるポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくプレポリマー構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくオキサジアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )とからなる2種以上のポリイソシアネート化合物であるポリイソシアネート化合物(B)を必須成分として含有することを特徴とするものである。
【0058】
本発明者等は、光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物の最も重要な性質である偏光板などの光学部材からの再剥離性、特に光学部材と共にオートクレーブ処理や高温エージング処理などの熱履歴を受けた後の再剥離性の改善について研究を行ってきた。その結果、上記構造式(1)で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物を含む2種以上のポリイソシアネート化合物を用いることによって、再剥離性を格段に改善しうることを見出した。
【0059】
本発明で使用することのできる前記構造式(1)で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b 1 )としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)の2量体に基づくポリイソシアネート化合物を挙げることができ、この化合物は、例えば「デスモジュールN3400」〔住化バイエルウレタン(株)製〕として販売されている。
【0060】
本発明において、前記構造式(1)で示される二官能性イソシアネート化合物(b 1 )と共に使用される、HMDIの3量体に基づくイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIとトリメチロールプロパンとの付加物からなるポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくプレポリマー構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくオキサジアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )としては、HMDIの3量体に基づくイソシアヌレート構造を有するもの、例えば、「コロネートHX」、「コロネートHK」、「コロネート2096」、「コロネート2230」、「コロネート2092」〔以上日本ポリウレタン(株)製〕、「タケネートD-170N」、「タケネートD-170HN」、「タケネートD-172N」、「タケネートD-175HN」、「タケネートD-177N」〔以上武田薬品工業(株)製〕、「デュラネートTPA-100」、「デュラネートTHA-100」、「デュラネートTSA-100」〔以上旭化成工業(株)製〕、「スミジュールN3390EA」、「スミジュールN3300」〔以上住化バイエルウレタン(株)製〕;HMDIに基づくビウレット構造を有するもの、例えば、「タケネートD-165N90PX」〔武田薬品工業(株)製〕、「デュラネート24A-100」、「デュラネート22A-75PX」〔以上旭化成工業(株)製〕、「デスモジュールN100」、「デスモジュールN75」、「デスモジュールN3200」〔以上住化バイエルウレタン(株)製〕;HMDIとトリメチロールプロパン(TMP)との付加物、例えば、「コロネートHL」、「コロネート2094」、「コロネートHL-S」〔以上日本ポリウレタン(株)製〕、「タケネートD-160N」〔武田薬品工業(株)製〕、「デュラネートP301-75E」〔旭化成工業(株)製〕、「スミジュールHT」〔住化バイエルウレタン(株)製〕;HMDIに基づくプレポリマー構造を有するもの、例えば、「デスモジュールTPLS2010/1」、「デスモジュールE-3265」〔以上住化バイエルウレタン(株)製〕;HMDIに基づくオキサジアジントリオン構造を有するもの、例えば、「タケネートD-190N」〔武田薬品工業(株)製〕などの二官能性及び/又は三官能性ポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
【0061】
これらのポリイソシアネート化合物(B)の使用量〔二官能性イソシアネート化合物(b 1 )及び脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )の合計〕は、アクリル系共重合体(A)中の反応性官能基1当量に対して、一般に0.1〜6当量、好ましくは0.3〜4、特に好ましくは0.5〜2の範囲であるのがよい。該使用量が該下限値以上であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行っても光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなしに表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましく、また該上限値以下であれば、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
【0062】
また、用いられる二官能性イソシアネート化合物(b1)と脂肪族ポリイソシアネート化合物(b2)との当量比(b1/b2)は、一般に0.01〜10、好ましくは0.05〜5、特に好ましくは0.1〜3の範囲であることが望ましい。該当量比が該上限値以下であれば、再剥離時の接着力が大きくなりすぎることがなく、特に加熱処理などを行っても光学部材の損傷や液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じることなしに表面保護フィルムを容易に剥離することができるので好ましく、一方該下限値以上であれば、オートクレーブ処理やエージング処理によっても偏光板表面と表面保護フィルムの感圧接着剤層との間にフクレを生じることがないので好ましい。
【0063】
本発明の光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物には、以上述べたアクリル系共重合体(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の他に、必要に応じて、保護フィルム用感圧接着剤組成物に通常配合される配合物、例えば、耐候性安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機充填剤などを適宜配合することができる。
【0064】
かくして得られる本発明の光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物は、光学部材表面保護フィルムを作製するため、適宜の透明な表面保護ベースフィルムの少なくとも一方の面に、従来公知の方法によって感圧接着剤層を形成するために用いられる。
【0065】
上記表面保護ベースフィルムとしては、特に限定されるものではないが、透視による光学部材の検査や管理の観点から、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などからなるフィルムを挙げることができる。ベースフィルムの厚さもまた特に限定されないが、一般には500μm以下、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μm程度の厚さを例示することができる。これらベースフィルムの片面又は両面には、剥離時の帯電防止を目的に、帯電防止層が設けられていてもよい。また該ベースフィルムの、感圧接着剤層が設けられる側の表面には、感圧接着剤層との密着性を向上させるためにコロナ放電処理等が施されていてもよい。
【0066】
形成される感圧接着剤層の厚さは、保護フィルムの求められる接着力や光学部材表面粗さなどに応じて適宜設定することができ、一般に1〜500μm、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜100μm程度の厚さを例示することができる。
【0067】
感圧接着剤層の形成方法としては、本発明の感圧接着剤組成物を、そのまま又は、必要に応じて適宜の溶媒で希釈し、これを表面保護ベースフィルムに直接塗布・乾燥して溶媒を除去する方法を採用することができる。また、先ずシリコーン樹脂等により離型処理が施された紙やポリエステルフィルム等の適宜のフィルムからなる剥離シート上に、本発明の感圧接着剤組成物を塗布し、加熱乾燥して感圧接着剤層を形成させ、次に該剥離シートの接着剤層側を表面保護ベースフィルムに圧接して該接着剤層を該保護フィルムに転写させることもできる。
【0068】
かくして得られる保護フィルムは、光学部材の表面に積層されて、その光学部材の表面が汚染されたり損傷したりしないよう保護し、該光学部材が液晶表示板などに加工される際には、該保護フィルムが光学部材に積層された状態のまま、打抜加工、検査、輸送、液晶表示板の組立などの各工程に供され、必要に応じて、オートクレーブ処理や高温エージング処理などの加熱加圧処理が施され、表面保護が不要となった段階で光学部材から剥離除去される。
【0069】
次に、本発明における表面保護フィルム及びそれが用いられる光学部材について説明する。
【0070】
本発明における表面保護フィルムが用いられる光学部材には、一般に、偏光板及び位相差板が含まれる。
【0071】
上記偏光板の具体例としては、その主要部分である偏光子が、通常、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体部分鹸化物フィルムなどの親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物、ポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などのポリエン配向フィルムなどによって形成されており、必要に応じて、その偏光子の一方又は両方の表面に、例えば前記表面保護ベースフィルムに用いられているものと同様の透明保護層が設けられていてもよい。透明保護層の厚さは、特に限定されるものではないが、一般には500μm以下、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜200μm程度の厚さを例示することができる。
【0072】
また透明保護層の視認側の表面には、必要に応じて、光の拡散性や防眩性などを付与するために、0.5〜20μm程度の透明微小粒子を含有させて、表面に微細凹凸構造を形成されていてもよく、さらに該透明保護層の視認側の表面をバフ処理等によって粗面化されていてもよい。さらにまた、該透明保護層の視認側の表面に、表面に微細凹凸構造を有するか又は表面が粗面化された防眩層がさらに積層されていてもよい。
【0073】
前記位相差板の具体例としては、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドなどのフィルムを延伸処理してなる複屈折フィルム、液晶ポリマーの配向フィルムなどを挙げることができる。
【0074】
位相差板は、例えば1/2、1/4などの各種波長板や、液晶層の複屈折による着色又は視覚などの補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜の位相差を有するものであってよく、厚さ方向の屈折率を制御した傾斜配向フィルムであってもよい。また2種以上の位相差板を積層したものであってもよい。
【0075】
本発明における表面保護フィルムは、上述の本発明の感圧接着剤組成物からなる感圧接着剤層が、表面保護ベースフィルムの光学部材と接する側(視認側の反対側)の表面に形成されているものであり、表面保護フィルムを光学部材の表面に貼着するための感圧接着剤層が、上述の本発明の感圧接着剤組成物で形成されている以外は、従来の表面保護フィルムと同様に構成されているものである。すなわち、例えば図1に示すように、本発明における表面保護フィルム1は、表面保護ベースフィルム2と、該ベースフィルムの表面に形成された感圧接着剤層3とから構成されている。
【0076】
上記感圧接着剤層3は、その厚さが、乾燥厚で10〜50μm、特に15〜30μmであることが好ましい。
【0077】
表面保護フィルムは感圧接着剤層3によって光学部材4に貼付され、光学部材4は感圧接着剤層5により液晶セルなどのガラスセル(図示せず)に接合されるが、ガラスセルと接合される前は、感圧接着剤層5は、通常、剥離紙6によってその表面が保護されている。
【0078】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、実施例及び比較例において用いた、試験片の作成、並びに各種の試験方法及び評価方法は以下のとおりである。
【0079】
(1) 試験用感圧接着シートの作成
シリコーン系離型剤で表面処理された離型紙上に、乾燥後の塗工量が25g/m2となるように、感圧接着剤組成物を塗布し、100℃で60秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥して感圧接着剤層を形成した後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名;E5001;東洋紡績(株)製〕上に該感圧接着剤層面が接するように載置し、加圧ニップロールを通して圧着して貼り合わせた後、23℃、65%RHで10日間養生を行って試験用表面保護フィルムを得た。
【0080】
(2) 初期接着力の測定
前(1)項により作製した試験用表面保護フィルムを25mm×150mmにカットしたのち、この表面保護フィルム片を、卓上ラミネート機を用いて、アンチグレア処理された偏光フィルム〔商品名;SQ-1852AP-AG6;住友化学工業(株)製〕(AG)及びアンチグレア処理のない偏光フィルム〔商品名;SQ-1852AP-HC;住友化学工業(株)製〕(HC)に圧着して試験サンプルとした。このサンプルを23℃、65%RHの条件下で24時間放置(コンディショニング処理)した後、180゜剥離における接着力(剥離速度:300mm/min)を測定した。
【0081】
表面保護フィルムの両偏光フィルムに対する初期接着力は、何れも、例えば0.3N/25mm以下、さらには0.25N/25mm以下、特には0.1〜0.2N/25mmであることが好ましい。
【0082】
(3) 接着力経時変化の測定及び剥離後の偏光フィルムの表面状態の観察
前(2)項と同様に作製した試験サンプルを40℃で1週間加熱処理を行い、次いでこれを23℃、65%RH条件下で約1時間放置した後、180゜剥離における接着力(剥離速度:300mm/min)を測定した。
【0083】
表面保護フィルムの両偏光フィルムに対する熱履歴後の接着力は、例えば0.3N以下、さらには0.25 N/25mm以下、特には0.1〜0.2N/25mmであることが好ましい。
【0084】
また、剥離後の偏光フィルム表面の状態を目視により観察して、次の基準に従って評価した。
【0085】
(評価基準)
○:剥離面に汚染及び糊残りが見られない。
×:剥離面に汚染又は糊残りが見られる。
【0086】
(4) オートクレーブ適性の評価
前(1)項により作製した試験用表面保護フィルムを60mm×80mmにカットしたのち、この表面保護フィルム片を、前(2)項と同様にして同じ2種の偏光フィルムに圧着した。次に、市販の感圧接着剤組成物〔ニッセツQ-1851:日本カーバイド工業(株)製〕を用いて前(1)項と同様にして離型紙上に厚さ約25μmの感圧接着剤層を形成し、この感圧接着剤層をそれぞれの偏光フィルムの背面に転写させた後、これらを、卓上ラミネート機を用いて厚さ約2mmのガラス板に圧着して試験サンプルとした。このサンプルを、23℃、65%RHの条件下で1週間放置した後、オートクレーブ処理(70℃、490kPa 、30分)を行い、この試験サンプルの表面保護フィルム側の表面から目視観察により、表面保護フィルムの感圧接着剤層の、気泡の発生、剥がれの状態を評価した。評価基準は次の通りである。
【0087】
(評価基準)
◎ :気泡の発生が全く認められない。
○ :試験サンプルのワク部分(幅約5mm)に気泡発生が僅かに認められる。
△ :試験サンプルのワク部分(幅約5mm)に気泡発生が多数認められる。
× :試験サンプルの全面に少量の気泡発生が認められる。
××:試験サンプルの全面に多量の気泡発生又はトンネリングが多数認められる。
【0088】
(5) 耐熱性の評価
前(4)項と同様にして作製した試験サンプルをオートクレーブ処理した後、さらに90℃で2時間加熱処理して、この試験サンプルの表面保護フィルム側の表面から目視観察により、表面保護フィルムの感圧接着剤層の、気泡の発生、剥がれの状態を評価した。評価基準は次の通りである。
【0089】
(評価基準)
◎ :気泡の発生が全く認められない。
○ :試験サンプルのワク部分(幅約5mm)に気泡発生が僅かに認められる。
△ :試験サンプルのワク部分(幅約5mm)に気泡発生が多数認められる。
× :試験サンプルの全面に少量の気泡発生が認められる。
××:試験サンプルの全面に多量の気泡発生又はトンネリングが多数認められる。
【0090】
アクリル系共重合体 (A) の製造
製造例1
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル32.5重量部を入れ、また別の容器に、単量体(a1)として2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)96.5重量部、単量体(a2)として4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)3.0重量部及び単量体(a3)としてアクリル酸(AA)0.5重量部を入れ混合して単量体混合物とし、その中の25重量部を反応容器中に加え、次いで該反応容器の空気を窒素ガスで置換した後、重合開始剤として1,1’-アゾビス-1-シクロヘキサンカルボニトリル(ACHN)0.0125重量部を添加して、攪拌下に窒素雰囲気中で該反応容器内の混合物温度を80℃に昇温させて初期反応を開始させた。初期反応がほぼ終了した後、残りの単量体混合物75重量部、並びに酢酸エチル25重量部及びACHN 0.2重量部の混合物をそれぞれ逐次添加しながら約1.5時間環流下で反応させ、引き続いてさらに2時間反応させた。その後、トルエン25重量部にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25重量部を溶解させた溶液を1時間かけて滴下し、さらに1.5時間反応させた。反応終了後、反応混合物をトルエン57.5重量部及びt-ブチルアルコール37.5重量部で希釈して、固形分35.4重量%のアクリル系共重合体溶液を得た。
【0091】
得られたアクリル系共重合体溶液の粘度は760mPa・sであり、またアクリル系共重合体は、ガラス転移温度(Tg)約−75℃、重量平均分子量(Mw)約53万及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mn約9.8を有していた。
【0092】
製造例2〜4
製造例1において、単量体(a1)としてEHAを96.5重量部用いる代わりに、表1に示すように、単量体(a1)と共に単量体(a4)を用い、且つ単量体(a1)及び/又は単量体(a4)の種類及び/又は使用量を変えて、ガラス転移温度(Tg)を変える以外は製造例1と同様にして、アクリル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、固形分、Tg、Mw及びMw/Mnを表1に示す。
【0093】
製造例5〜6
製造例1において、使用する重合開始剤の量を変え、また必要に応じて溶媒の添加時期を変える以外は製造例1と同様にして、Mw及び/又はMw/Mnの異なるアクリル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、固形分、Tg、Mw及びMw/Mnを表1に示す。
【0094】
製造例7〜10
製造例1において、表1に示すように、単量体(a2)としてHBAを3.0重量部用いる代わりに、その使用量を変え、もしくはこれを用いず又は単量体(a2)の種類を変え、必要に応じて単量体(a1)のEHAの使用量を変える以外は製造例1と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、固形分、Tg、Mw及びMw/Mnを表1に示す。
【0095】
製造例11〜12
製造例1において、表1に示すように、単量体(a3)としてAAを0.5重量部用いる代わりに、その使用量を変え又はこれを用いず、必要に応じて単量体(a1)のEHAの使用量を変える以外は製造例1と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、固形分、Tg、Mw及びMw/Mnを表1に示す。
【0096】
製造例13
製造例1において、単量体(a1)としてEHA 96.5重量部、単量体(a2)としてHBA 3.0重量部及び単量体(a3)としてAA 0.5重量部を用いる代わりに、単量体(a1)としてEHA 54.1重量部、単量体(a3)としてAAを2.7重量部及び単量体(a4)として酢酸ビニル(VAc)43.2重量部を用い、単量体(a2)を用いず、さらに酢酸エチルを用いる代わりにトルエンを用いる以外は製造例1と同様にしてアクリル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、固形分、Tg、Mw及びMw/Mnを表1に示す。
【0097】
製造例14
製造例1に用いたと同様な反応器に、単量体(a1)としてEHA 44.0重量部及びBA 43.0重量部、単量体(a2)としてHEA 5.0重量部、単量体(a4)としてステアリルアクリレート(StA)5.0重量部及び反応性界面活性剤「アデカリアソープSE-10N」〔1-アリル-2-ノニルフェニル-3-ポリオキシエチレン(n=10)硫酸エステルアンモニウム塩;旭電化(株)製〕3.0重量部、酢酸エチル150重量部並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を仕込み窒素ガス気流中68℃で8時間重合反応を行った。反応終了後、反応混合物をt-ブチルアルコール35.5重量部で希釈してアクリル系共重合体溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液の粘度、固形分、Tg、Mw及びMw/Mnを表1に示す。
【0098】
なお表1における単量体の略号は以下のとおりである。
EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
StA:ステアリルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
VAc:酢酸ビニル
AA:アクリル酸
HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
Surf*:反応性界面活性剤「アデカリアソープSE-10N」1-アリル-2-ノニルフェニル-3-ポリオキシエチレン(n=10)硫酸エステルアンモニウム塩〔旭電化(株)製〕
【0099】
【表1】
【0100】
表面保護フィルム用感圧接着剤組成物の作製
実施例1
アクリル系共重合体(A)として、製造例1のアクリル系共重合体溶液284重量部(共重合体として約100重量部;ヒドロキシル基0.02083当量部+カルボキシル基0.00694当量部:ここで「当量部」とは「重量部」を「g」と読み替えたときの「当量」に相当する値である)を用い、これにポリイソシアネート化合物(B)として二官能性イソシアネート化合物(b1)〔商品名:デスモジュールN3400;HMDIウレトジオン型、有効成分100重量%、イソシアネート(NCO)含有量21.8重量%;住化バイエルウレタン(株)製〕(N3400)を1.41重量部(NCO
0.00732当量部)、及び脂肪族ポリイソシアネート化合物(b2)〔商品名:スミジュールN3300;HMDIトリマー型、有効成分100重量%、NCO含有量21.8重量%;住化バイエルウレタン(株)製〕(N3300)を4.24重量部(NCO
0.0220当量部)添加し、十分に攪拌して光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。得られた感圧接着剤組成物は固形分約36.7重量%、粘度780mPa・sであり、アクリル系共重合体(A)の反応性官能基1当量に対して、ポリイソシアネート化合物(B)〔(b1)+(b2)〕約1.06当量を含んでおり、二官能性イソシアネート化合物(b1)と脂肪族ポリイソシアネート化合物(b2)との当量比〔(b1)/(b2)〕は約0.333であった。
【0101】
この感圧接着剤組成物を用い、前記の試験用感圧接着シートの作成方法に従って試験用表面保護フィルムを作成し、前記の各種物性試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0102】
実施例2〜6及び比較例1〜2
実施例1において、二官能性イソシアネート化合物(b1)と脂肪族ポリイソシアネート化合物(b2)の使用割合を表2に示すように変え、又はこれらポリイソシアネート化合物(b1)及び(b2)の何れか一方を用いない以外は実施例1と同様にして光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。得られた感圧接着剤組成物の配合組成、並びにそれらの固形分及び粘度などの特性値を表2に示す。
【0103】
この感圧接着剤組成物を用い、前記の試験用感圧接着シートの作成方法に従って試験用表面保護フィルムを作成し、前記の各種物性試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0104】
実施例7〜8
実施例1において、脂肪族ポリイソシアネート化合物(b2)として「N3300」を4.24重量部〔NCO 0.0220当量部〕を用いる代わりに、「デュラネート24A-100」〔HMDIビウレット型、有効成分100重量%、NCO含有量23.5重量%;旭化成工業(株)製〕(24A100)を3.93重量部(NCO 0.0220当量部)又は「デスモジュールTPLS2010/1」〔HMDIプレポリマー型、有効成分100重量%、NCO含有量10.9重量%;住化バイエルウレタン(株)製〕(2010/1)を8.48重量部(NCO 0.0220当量部)をそれぞれ用いる以外は実施例1と同様にして光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。得られた感圧接着剤組成物の配合組成、並びにそれらの固形分及び粘度などの特性値を表2に示す。
【0105】
この感圧接着剤組成物を用い、前記の試験用感圧接着シートの作成方法に従って試験用表面保護フィルムを作成し、前記の各種物性試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0106】
実施例9〜17及び比較例3〜4
実施例1において、アクリル系共重合体(A)として製造例1のアクリル系共重合体溶液を用いる代わりに、製造例2〜12の何れかのアクリル系共重合体溶液を用い、製造例8を用いる場合にはアクリル系共重合体(A)の官能基1当量に対してポリイソシアネート化合物(B)の使用量を4.0当量に変え、また製造例9を用いる場合にはアクリル系共重合体(A)の官能基1当量に対してポリイソシアネート化合物(B)の使用量を0.5当量に変えることを除いて、それ以外の製造例についてはアクリル系共重合体(A)の官能基の当量に対するポリイソシアネート化合物(B)の当量を変えず、且つ二官能性イソシアネート化合物(b1)と脂肪族ポリイソシアネート化合物(b2)との当量比〔(b1)/(b2)〕を変えないようにこれらポリイソシアネート化合物の使用量を変える以外は実施例1と同様にして光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物の溶液を得た。
得られた感圧接着剤組成物の配合組成、並びにそれらの固形分及び粘度などの特性値を表2に示す。
【0107】
この感圧接着剤組成物を用い、前記の試験用感圧接着シートの作成方法に従って試験用表面保護フィルムを作成し、前記の各種物性試験を行った。但し、製造例11を用いた実施例16の試験用感圧接着シートについては、前記試験用感圧接着シートの作成方法のうち、23℃、65%RHで10日間養生を行う代わりに、35℃、65%RHで20日間養生を行った。得られた結果を表3に示す。
【0108】
なお表2におけるポリイソシアネート化合物(B)及び比較に用いられるその他の多官能性化合物の略号は以下のとおりである。
N3400:「デスモジュールN3400」HMDIウレトジオン型ポリイソシアネート、
有効成分100重量%、NCO含有量21.8重量%〔住化バイエルウレタン(株)製〕
N3300:「スミジュールN3300」HMDIトリマー型ポリイソシアネート、有効成分100重量%、NCO含有量21.8重量%〔住化バイエルウレタン(株)製〕
24A100:「デュラネート24A-100」HMDIビウレット型ポリイソシアネート、
有効成分100重量%、NCO含有量23.5重量%〔旭化成工業(株)製〕
2010/1:「デスモジュールTPLS2010/1」HMDIプレポリマー型ポリイソシアネート、有効成分100重量%、NCO含有量10.9重量%〔住化バイエルウレタン(株)製〕
C-L:「コロネートL」トリレンジイソシアネート・トリメチロールプロパンアダクト、有効成分75重量%、NCO含有量13.2重量%〔日本ポリウレタン(株)製〕
TET-C:「TETRAD-C」1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、有効成分100重量%、エポキシ当量100〔三菱瓦斯化学(株)製〕
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【発明の効果】
本発明の光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物は、反応性官能基として少なくともヒドロキシル基を含有する、特定ガラス転移温度(Tg)範囲のアクリル系共重合体(A)、及び特定の化学構造式で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b1)
と、HMDIの3量体に基づくイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIとトリメチロールプロパンとの付加物からなるポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくプレポリマー構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくオキサジアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )とからなる2種以上のポリイソシアネート化合物であるポリイソシアネート化合物(B)を必須成分として含んでなるものである。
【0112】
このように構成されることによって本発明の表面保護フィルムは、必須の性質である光学部材の表面保護性及び高度な透明性を有すると共に、例えば、表面にアンチグレア層など微細な凹凸を有する層を設けた偏光板などの光学部材に使用する場合でも、オートクレーブ処理やその後の作業上及び使用上の熱履歴を経た後にも、フクレ、トンネリング、ハガレなどの接着剤層欠陥の発生が見られず、さらにこのような光学部材からの該フィルムの剥離に際しても、該光学部材や液晶セルの配向の乱れや、セルギャップの拡大、液晶セルからの光学部材の剥離などの不都合を生じさせることなく容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の感圧接着剤組成物により形成される感圧接着剤層を有する表面保護フィルムで保護された、偏光フィルムの一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 :表面保護フィルム
2 :表面保護ベースフィルム
3 :感圧接着剤層
4 :光学部材
5 :感圧接着剤層
6 :剥離材
Claims (9)
- 下記(A)及び(B):
(A) 反応性官能基として少なくともヒドロキシル基を含有し、ガラス転移温度(Tg)−30℃以下であるアクリル系共重合体;及び
(B) 下記構造式(1)、
(ここでR1は炭素数4〜8のアルキレン基を表す)で示されるウレトジオン構造を有する二官能性イソシアネート化合物(b1) と、
HMDIの3量体に基づくイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIとトリメチロールプロパンとの付加物からなるポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくプレポリマー構造を有するポリイソシアネート化合物、HMDIに基づくオキサジアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物から選ばれる脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )とからなる2種以上のポリイソシアネート化合物;を必須成分として含んでなることを特徴とし、
ポリイソシアネート化合物(B)の含有量が、アクリル系共重合体(A)中の反応性官能基1当量に対して0.1〜6当量の範囲であり、
ポリイソシアネート化合物(B)の二官能性イソシアネート化合物(b 1 )と脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )との当量比(b 1 /b 2 )が0.01〜10の範囲である、
光学部材表面保護フィルム用感圧接着剤組成物。 - アクリル系共重合体(A)が、アクリル酸エステル又は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを、該アクリル系共重合体(A)の重量に基づいて合計50重量%以上共重合してなるものである請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
- アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が30万以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnで表される分子量分布が15以下である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
- アクリル系共重合体(A)がさらにカルボキシル基を含有する請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
- アクリル系共重合体(A)が、下記単量体(a1)〜(a4)、
(a1) 下記一般式(2)、
H2C=CHCOOR1
(2)
(ここでR1は、炭素数4〜10の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す)で示され、その単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるアクリル酸エステル 50〜99.5重量%、
(a2) 分子内にヒドロキシル基を有する単量体
0.5〜10重量%、
(a3) 分子内にカルボキシル基を有する単量体 0〜5重量%、
(a4) 上記単量体(a1)〜(a3)と共重合可能で、該単量体(a1)〜(a3)以外の共単量体
0〜49.5重量%、
〔但し、単量体(a1)〜(a4)の合計を100重量%とする〕を共重合してなるものである請求項1に記載の感圧接着剤組成物。 - ヒドロキシル基を含有する単量体(a2)が、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルである請求項5に記載の感圧接着剤組成物。
- ヒドロキシル基含有アクリル酸エステルが4-ヒドロキシブチルアクリレートである請求項6に記載の感圧接着剤組成物。
- カルボキシル基を含有する単量体(a3)が、炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸である請求項5に記載の感圧接着剤組成物。
- ポリイソシアネート化合物(B)における二官能性イソシアネート化合物(b 1 )以外の脂肪族ポリイソシアネート化合物(b 2 )が、1種以上の二官能性及び/又は三官能性ポリイソシアネート化合物である請求項1に記載の感圧接着剤組成物。
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