JP4442191B2 - 光学用フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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しかしながら、昨今の液晶表示装置の高輝度化に伴い、輝度の高い光源を備える表示装置に、これらの公報に記載された方法により得られた光学用フィルムを用いると、ダイライン由来のスジが光の明もしくは暗として表示画面上に目視でも顕著に見られたり、光漏れが発生したりする問題があり、さらなる改善が求められている。
(1)脂環式構造を有する重合体樹脂である非晶性の熱可塑性樹脂を、押出機によって溶融させて当該押出機に取り付けられたダイスからシート状に押出し、押出されたシート状の非晶性の熱可塑性樹脂を、少なくとも1つの冷却ドラムに密着させて成形して引き取る工程を有する光学用フィルムの製造方法において、ダイスリップの表面粗さRaの平均値が0.01μm以下で、かつダイスリップ全幅における表面粗さRaの分布の範囲が前記平均値の±0.005μm以下であるダイスを使用する、長手方向に形成されるダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さがフィルム全面で15nm〜50nmである光学用フィルムの製造方法、
(2)ダイスリップの剥離強度が75N以下である請求項1に記載の光学用フィルムの製造方法、
(3)前記光学用フィルムの厚さを20μm〜50μmとする、請求項1又は2に記載の光学用フィルムの製造方法、
(4)前記光学用フィルム面内の位相差Reを10nm以下とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学用フィルムの製造方法、
(5)前記冷却ドラムの温度を、前記脂環式構造を有する重合体樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg−5)℃〜(Tg−45)℃の範囲にする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学用フィルムの製造方法、
(6)請求項1〜5の製造方法により得られた前記光学用フィルムを、偏光板保護フィルムとして積層する、偏光板の製造方法、
(7)請求項1〜5の製造方法により得られた前記光学用フィルムを延伸して位相差フィルムを得る、位相差フィルムの製造方法、
がそれぞれ提供される。
本発明に使用する非晶性の熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、脂環式構造を有する重合体樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂などが挙げられる。中でも、脂環式構造を有する重合体樹脂が好ましい。脂環式構造を有する重合体樹脂を使用すると、流動性が高く、製膜時の膜厚のレベリング性が良好で、厚み精度のよいフィルムが得られる。
本発明の光学用フィルムに使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加型共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体水素添加物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体樹脂は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体から選択される。
また、ポリマーとしてYの構造を繰り返し単位として有するモノマーとしては、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3,7−ジエン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)が挙げられる。
ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。また、これらの置換基は、同一または相異なって複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン系単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[1]傾き(nm/mm)=(隣接する山の頂点から谷の底点までの高さ)/(隣接する山の頂点から谷の底点までの幅)
ここで、「フィルムの長手方向に形成されるダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さがフィルム全面で100nm以下である」ということは、ダイラインの高さがすべて100nm以下であることを意味し、フィルム表面のダイラインの傾きがフィルム全面で300nm/mm以下である」ということは、ダイラインの傾きがすべて300nm/mm以下であることを意味している。
本発明の光学用フィルムにおいては、前記高さは好ましくは50nm以下、さらに好ましくは30nm以下、前記傾きは好ましくは100nm/mm以下、さらに好ましくは50nm/mm以下である。
前記ダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さ、及び傾きが上記範囲であることにより、高輝度のバックライトユニットを有する液晶表示ユニットに組み込む場合にも輝点がなく良好な表示状態とすることができる。
ここで長手方向とは、フィルムを押出す流れ方向のことをいう。
上記ダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さ、及び傾きは、三次元表面構造解析顕微鏡を用い、フィルム表面の凹凸のある面を一定速度で走査させて干渉縞を発生させて測定することができる。
ダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さ及び傾きを測定するに際しては、隣り合う谷の底点と山の頂点とで、ベースが異なっている場合は、図1のようにベースライン1を引いて、山の頂点2又は谷の底点3からそのベースライン2へ垂直に引いた線とベースライン1との交点間の距離を山の頂点から谷の底点までの距離4とする。また高さは、山の頂点2又は谷の底点3を通ってベースラインに平行な線5、6を引き、線5から線6までの最短距離を高さ7とする。
フィルム面内の位相差Reは、フィルム面内の主屈折率をNx、Nyとし、フィルムの厚さをdとすると、Re=(Nx−Ny)×dで求めることができる。
フィルム面内の位相差Reは、市販の自動複屈折計を用いて測定することができる。
本発明において、フィルムの厚さ変動は、上記厚さの3%以内であることが好ましく、2.5%以内であることがさらに好ましい。フィルムの厚さ変動を上記範囲とすることにより本発明の光学用フィルムを液晶表示装置に組み込んだ場合の色ムラを小さくすることができる。
揮発性成分は、基材フィルム中に微量含まれる分子量200以下の比較的低沸点の物質であり、例えば、残留単量体や溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、脂環式構造含有重合体樹脂に微量含まれる分子量200以下の物質の合計であり、ガスクロマトグラフィーにより分析することにより定量することができる。
表面粗さRa及びその分布は、非接触3次元表面形状・粗さ測定機を用いて測定することができる。
冷却ドラムの数は特に制限されないが、通常は2本以上である。また、冷却ドラムの配置方法としては、例えば、直線型、Z型、L型などが挙げられるが特に制限されない。またダイスの開口部から押出されたシート状の非晶性の熱可塑性樹脂の冷却ドラムへの通し方も特に制限されない。
延伸処理する方法としては、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンター延伸機を用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔を開いての縦方向の延伸と同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後、その両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機を用いてフィルムの幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸する方法;などが挙げられる。
本発明の位相差フィルムの厚さは、通常30〜200μmである。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)ダイスリップの表面粗さRa及びその分布
非接触3次元表面形状・粗さ測定機(Zygo社製、New View5000)を用いて測定する。測定は、ダイスリップ全幅において50mm間隔で行う。そして、Raの測定値の算術平均値を代表値とし、各測定値と算術平均値との差をRaの分布とする。
(2)ダイスリップの剥離強度
樹脂ペレットをリップ部と同じ表面を持つテストピースにのせ、300℃のギヤオーブン中に60分間放置した後、室温まで冷却し、次に、測定装置(万能引張圧縮試験機;TCM500(新興通信工業社製))を用い、圧縮用ロードセル500kgf、圧縮速度1mm/minの条件で、テストピースの表面に対して25°の角度から厚み0.5mmのステンレス鋼板からなる圧子を押し当ててペレットをテストピースから剥がすことにより測定する。
(3)フィルムの膜厚(基準膜厚、膜厚ムラ)
フィルムを長手方向に100mm毎に切り出し、その切り出したフィルム10枚について、接触式ウェブ厚さ計(明産社製、RC−101)を用いて、フィルムの幅方向に0.48mm毎に測定し、その測定値の算術平均値を基準膜厚T(μm)とする。膜厚ムラは、前記測定した膜厚の内最大値をTMAX(μm)、最小値をTMIN(μm)として以下の式から算出する。
膜厚ムラ(%)=(TMAX−TMIN)/T×100
(4)フィルムのダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さ及び傾き
フィルムに光を照射して、透過光をスクリーンに映したときにスクリーン上に光の明若しくは暗の縞部分が見られる箇所(ダイライン)について、全幅に渡って観察する。このダイライン部分のフィルムを3cm角程度の大きさに切り取り、三次元表面構造解析顕微鏡(Zygo社製)を用いて、フィルム両面の表面を観察する。フィルム上の凹凸を干渉縞を発生させて測定する。
原反(未延伸)フィルム2枚それぞれを、縦延伸(延伸温度は132℃、延伸倍率は2倍)して延伸フィルムを得、これらを互いの延伸軸が直交するように貼りあわせて積層体を作製する。この積層体をそれぞれ延伸フィルムの延伸軸が偏光板の透過軸に対して45度となるようにして偏光板ではさむ。次に、この偏光板を挟んだ積層体にバックライトにより光を透過させ、偏光板から法線方向の距離で30mmの所に照度計(横河M&C社製、A級照度計51001)を配置し、照度を測定する。照度が300ルクス以上の場合を光漏れ有り、照度が300lx未満の場合を光漏れなしとする。なお、バックライトは、照度5,000ルクスのものと10,000ルクスのものを用いる。
ノルボルネン系重合体(ZEONOR1420、日本ゼオン社製;ガラス転移温度Tg136℃)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて100℃で、4時間乾燥した。そしてこのペレットを、リーフディスク形状のポリマーフィルター(濾過精度30μm)を設置した50mmの単軸押出機と表1に示すダイスリップAを有するT型ダイス1を用いて260℃で押出し、押出されたシート状のノルボルネン系重合体を3本の冷却ドラム(直径250mm、ドラム温度120℃、引取り速度0.35m/s)に通して冷却し、600mm幅の光学用フィルム1を得た。得られた光学用フィルム1の評価結果を表2に示す。
ダイスリップとして、表1に示すダイスリップBを有するT型ダイス2を用いた他は、実施例1と同様にして光学用フィルム2を得た。得られた光学用フィルム2の評価結果を表2に示す。
ダイスリップとして、表1に示すダイスリップCを有するT型ダイス3を用いた他は、実施例1と同様にして光学用フィルム3を得た。得られた光学用フィルム3の評価結果を表2に示す。
ダイスリップとして、表1に示すダイスリップDを有するT型ダイス4を用いた他は、実施例1と同様にして光学用フィルム4を得た。得られた光学用フィルム4の評価結果を表2に示す。
ダイスリップとして、表1に示すダイスリップEを有するT型ダイス5を用いた他は、実施例1と同様にして光学用フィルム5を得た。得られた光学用フィルム5の評価結果を表2に示す。
一方、比較例の光学用フィルムは、ダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さが100nmより大きい、及び/又は傾きが300nm/mmより大きい。そのため、このフィルムを延伸して偏光板にはさんで光漏れを測定すると、照度5,000ルクス及び10,000ルクスのバックライトを用いても光漏れがある(比較例4)、照度5,000ルクスのバックライトを用いた場合には光漏れがなくても、10,000ルクスのバックライトを用いると光漏れがある(比較例2及び3)。
2:山の頂点
3:谷の底点
4:山の頂点から谷の底点までの距離
5、6:線
7:山の頂点から谷の底点までの高さ
Claims (7)
- 脂環式構造を有する重合体樹脂である非晶性の熱可塑性樹脂を、押出機によって溶融させて当該押出機に取り付けられたダイスからシート状に押出し、押出されたシート状の非晶性の熱可塑性樹脂を、少なくとも1つの冷却ドラムに密着させて成形して引き取る工程を有する光学用フィルムの製造方法において、ダイスリップの表面粗さRaの平均値が0.01μm以下で、かつダイスリップ全幅における表面粗さRaの分布の範囲が前記平均値の±0.005μm以下であるダイスを使用する、長手方向に形成されるダイラインの隣接する山の頂点から谷の底点までの高さがフィルム全面で15nm〜50nmである光学用フィルムの製造方法。
- ダイスリップの剥離強度が75N以下である請求項1に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 前記光学用フィルムの厚さを20μm〜50μmとする、請求項1又は2に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 前記光学用フィルム面内の位相差Reを10nm以下とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 前記冷却ドラムの温度を、前記脂環式構造を有する重合体樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg−5)℃〜(Tg−45)℃の範囲にする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 請求項1〜5の製造方法により得られた前記光学用フィルムを、偏光板保護フィルムとして積層する、偏光板の製造方法。
- 請求項1〜5の製造方法により得られた前記光学用フィルムを延伸して位相差フィルムを得る、位相差フィルムの製造方法。
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