JP4457192B2 - ランセット一体型測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
血中グルコース濃度(以下「血糖値」という)等、検体中に含まれる特定成分を測定するための測定装置であって、かつ、穿刺体の深さ調節機能を具備したランセット一体型測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明で用いる測定装置は、医療、スポーツ科学等、用途は多様であるが、検体測定の例として、糖尿病患者による血糖値の自己測定を挙げる。糖尿病の治療には、患者の血糖値を正常範囲に保つことが必要であり、患者自らによる血糖値管理が重要な治療法である。とくに、患者自身によるインスリン注射によって血糖値を正常範囲に維持する場合には、患者自身による適宜の血糖値測定が欠かせない。
【0003】
このような目的に使用する携帯型の血糖値測定装置がすでに市販されており、その一例は、たとえば特公平8−20412号公報に示されている。この血糖値測定装置は、酵素電極を有する使い捨て式のセンサを本体に挿着して使用される。センサに検体である血液を毛細管現象を利用し供給することにより、酵素反応および電気化学反応を介して陽極電流が生じる。この陽極電流が装置本体内で血糖値に換算され、表示される。
【0004】
この患者自身による血糖値測定の場合、患者は、たとえば特開平9−266898号公報に示されているような、ランセットと呼ばれる器具を用いて検体の供給を行うのが一般的である。このランセットは穿刺体及び穿刺体の駆動機構により構成され、患者の指先等の皮膚に小さな孔を開けるための器具であり、こうして開けられた孔から検体を上記したセンサに供給することにより、比較的簡便に血糖値の自己測定を行うことができる。この場合の供給とは、指先等にある検体を前記センサの検体導入口に付着させる行為をいう。このような測定方式では、血糖値測定装置、ランセット、センサといった数点からなる測定器具の一式を携帯所持し、必要時にそれらを組み合わせて測定している。
【0005】
一方、上記血糖値測定装置と上記ランセットとを一体化したランセット一体型血糖値測定装置が特願平10−166894に示されている。このランセット一体型血糖値測定装置は、本体と、この本体に装着して使用する装着体とを備えた血糖値測定装置であって、上記装着体は、皮膚当接面と、この皮膚当接面に沿うように配置されたセンサと、尖端が皮膚当接面から突出する進出位置と尖端が皮膚当接面から没入する退避位置との間を移動可能であり、かつ弾性体によって退避位置側に付勢されている穿刺体とを備えており、上記本体は、上記装着体が装着されたときにこの装着体が備えるセンサの各電極に接触してこれらに導通する端子、この端子を介して得られる電気信号に基づいて測定値を決定する電子回路、および、上記穿刺体を前進駆動してこの穿刺体に進出位置をとらせるための駆動機構を備えている。
【0006】
上記装着体は、たとえば使い捨て消耗品として提供される。測定にあたって使用者は、上記装着体を本体に装着する。皮膚当接面を指先や耳たぶ等の皮膚に押し当てながら本体の駆動機構を作動させると、退避位置にある穿刺体が進出させられてその尖端が皮膚当接面から突出し、皮膚に傷を付ける。次の瞬間弾性体の作用によって穿刺体は退避位置に戻る。装置をそのままの状態に保持しておくと、皮膚から検体がセンサに供給され、センサは反応電流を出力する。この電流は電子回路によって検体中の特定成分濃度に換算され、たとえば本体表面に配置された表示器に表示される。
【0007】
このように、上記ランセット一体型血糖値測定装置においては、その装着体にあらかじめ穿刺体とセンサとが一体に組み込まれているので、測定者は、測定にあたり、装着体を本体に装着すればよく、ランセットと測定装置とを別々に用いる場合と比較すればその使い勝手が著しく向上している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のランセット一体型血糖測定装置にあっては、測定操作が簡便になっており操作ミスによる測定の失敗は減少するが、検体量不足及び過剰による測定の失敗は解消できていない。また、測定者は、年齢、性別、職業等によって皮膚の硬さが異なっており、同じ長さの穿刺体を用いた場合、得られる検体量が全く異なる。また、近年においては、より痛みの少ない低侵襲検体供給のニーズから、検体量が1μL以下で測定可能なセンサが開発されており、穿刺したときの痛みの低減と任意の検体量を安定に確保させ、個人差に対応する必要があった。本願発明は、上記欠点に鑑みて考案されたものであり、皮膚の硬さ等による検体量の個人差を解消すると共に、患者の痛みを軽減させ、確実に測定のできるランセット一体型測定装置を提供することをその課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明では、本体と、この本体に装着して使用する装着体とを備えた測定装置であって、上記装着体は前進及び後退可能である穿刺体及びセンサを有し、上記本体は上記穿刺体を前進駆動してこの穿刺体に進出位置をとらせるための駆動機構を有し、上記装着体は、穿刺体の穿刺深さを調節する機構を具備し、上記穿刺体は後方に穿刺体ガイド軸を有し、上記駆動機構は上記穿刺体ガイド軸に駆動力を与える押圧ロッドを有し、上記穿刺体の穿刺深さを調節する機構は、段階的調節機構であり、上記段階的調節機構は上記前進及び後退方向に移動可能なリング状構造体を有し、上記押圧ロッドが上記リング状構造体の端面に干渉し、上記押圧ロッドの前進及び後退駆動の距離が変わることにより穿刺深さを調節するランセット一体型測定装置が提供される。上記リング状構造体の前進及び後退駆動の距離は、段階的に位置を決めるための止め具により固定されたランセット一体型測定装置である。上記止め具は上記装着体に固定して設けられ、かつ凹凸を有しており、上記リング状構造体は凹凸を有しており、両者の凹凸が噛み合うことにより上記リング状構造体を段階的に固定される。リング状構造体は、装着体に設けられている場合において、たとえば本体に装着体を装着していない状態において、止め具による固定位置を選択でき、あるいは本体に設けられている場合において、本体の外部から上記止め具による固定位置を選択できるように構成される。また、上記装着体は、前進した上記穿刺体を後退させるためのバネ部材を有している。上記センサは上記装着体の底壁に設けられ、上記バネ体は上記センサの上方に組み込まれるように構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本願発明のランセット一体型測定装置の分解図である。図1に示されるように、本願発明に係る測定装置1は、本体2と装着体3とを組み合わせて使用される。本体2は、その上面にスイッチボタン類、LCD表示器4などが配置されている。この本体2の前部には筒状部5が延出形成されており、その先端部には、本体2の前部筒状部7の外形と対応したキャップ状の装着体3が装着されている。また、このキャップ状の装着体3には、穿刺体ガイド軸10を有する穿刺体6、検体に応答するセンサ9が装着されている。このキャップ状の装着体3の主要部分は樹脂成形によって作製できる。好ましくはポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコン樹脂などを用いることができる。上述した本体2の内部には、穿刺体6を前進駆動するための駆動機構、および、マイクロコンピュータ等の回路等が内蔵される。さらに、符号8は、上記駆動機構の一部を構成し、使用者が手動によって押圧するための押圧部を示している。ここで、上記ランセットとは、穿刺体6と穿刺体6の駆動機構により構成される。
【0011】
穿刺体6の深さ調節機構は、装着体3及び測定装置1の本体2のいずれに設置しても良い。この時、上記装着体3に設置する場合は穿刺体ガイド軸10上にリング状構造体11a、測定装置1の本体2に設置する場合は筒状部7にリング状構造体11bを設置するのが好ましい。また、上記穿刺体6の深さ調節機構は、段階的に調節が可能であり、この段階的な穿刺深さは、2〜5段階で、深さは、0.5mm〜3.0mmが好ましい。
【0012】
上記センサ9は図2に示すように、上面に作用極26および対極27が膜形成された絶縁ベース板28と、作用極26および対極27の一部を露出させるように絶縁ベース板28上に積層された板状スペーサ30と、この板状スペーサ30にさらに積層された板状カバー31と、により構成されており、穿刺体6が通過しうる貫通孔19と、この貫通孔19と連通して厚みの中の検体通路29とを備え、この検体通路29の内壁に反応部が形成された構成を備えている。実際の測定時には、貫通孔19を通って、穿刺体6が突出し皮膚に傷をつけ検体を供給する。この時、貫通孔19は、穿刺体6が通過する孔であるため、この貫通孔19は皮膚の傷、すなわち出液部にきわめて近接している。よって容易にこの傷から出液した検体が、毛管現象により、貫通孔19を介してセンサ9の検体通路29に導入させられ反応が開始できる。
【0013】
以下に、本願発明の穿刺体の深さ調節機構の詳細な構造と利点を含めて実施例を用いて説明する。
【0014】
(実施例1)
上記深さ調節機構を上記装着体に設置した場合の実施例を以下に示す。図3は、装着体3および本体2に延出形成した筒状部5の断面図を示し、図4は、リング状構造体11aの分解図を示している。ポリエステル系樹脂で成形したキャップ状の装着体3は本体2の前部筒状部7の外形に対応しており、前記装着体3の底壁には測定時に穿刺体6が通過する貫通孔19を有するセンサ9、センサ9の上方にはバネ部材18を有する穿刺体6が一体となって組み込まれている。
【0015】
前記穿刺体6には、穿刺体6の前進及び後退の駆動力を受ける穿刺体ガイド軸10が連結している。また、筒状部5内には、押圧体からの穿刺体の前進及び後退の駆動力を伝える前進及び後退可能な押圧ロッド12と、センサ9と接し検体反応後の電気信号を伝えるピン17を有するコネクタ16が2本組み込まれている。このコネクタ16からリード線13により本体2のマイクロコンピュータに連結されている。
【0016】
上記キャップ状の装着体3の穿刺体6の上方の穿刺体ガイド軸10の周囲にはリング状構造体11aが組み込まれており、このリング状構造体11aにより穿刺体6の深さ調節が可能である。このリング状構造体11aは、突起状の止め具14を有している。このリング状構造体11a及び突起状の止め具14は、シリコン樹脂で作製されており、この止め具14の凹凸により、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mmの5段階で皮膚等に穿刺する穿刺体6の深さを固定することができる。この止め具14により、任意の穿刺体6の深さで精度良く穿刺することができる。
【0017】
測定者は、予めリング状構造体11aを目的の長さに設定してから装着体3を本体2に装着する。穿刺時は、押圧体から伝えられた穿刺体駆動力が押圧ロッド12に伝わり、この押圧ロッド12が穿刺体ガイド軸10の先端部とリング状構造体11aの先端部との距離15だけ穿刺体ガイド軸10を押すのでこの距離15が穿刺体の前進及び後退の駆動距離になる。これにより、測定者に合った穿刺体6の深さで測定が行え、痛みや測定の失敗を防ぐことができる。
【0018】
(実施例2)
上記深さ調節機構を上記装着体に設置した場合の実施例を以下に示す。図5は、装着体3および本体2に延出形成した筒状部5の断面図を示し、図6は、リング状造体11bと止め具14を有する突起状構造体20の断面斜視図を示している。実施例1と同様に、ポリエステル系樹脂で成形したキャップ状の装着体3は本体2の前部筒状部7の外形に対応しており、装着体3の底壁には測定時に穿刺体6が通過する貫通孔19を有するセンサ9、センサ9の上方にはバネ部材18を有する穿刺体6が一体となって組み込まれている。
【0019】
上記本体2の前部筒状部7には、止め具14を有する突起状構造体20が2箇所設置されており、前記突起状構造体20、コネクタ16及び穿刺体ガイド軸10が貫通する前進及び後退可能なリング状構造体11bが配置されている。また、前記リング状構造体11bが前進及び後退できるように筒状部5と前部筒状部7の間にトンネル空間22が設けられている。前記リング状構造体11bは、図7に示すように、コネクタが貫通するコネクタ貫通孔23、止め具14を有する突起状構造体20が貫通する突起状構造体貫通孔25及び穿刺体ガイド軸10が貫通する穿刺体ガイド軸貫通孔24により構成される。前記リング状構造体11bは、装着体3を本体2に装着する前後のいずれにおいても、止め具14及び前記リング状構造体11bの凹凸により、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mmの5段階でスライドするように前進及び後退ができ、皮膚等に穿刺する穿刺体6の深さを固定することができる。このように任意の穿刺体6の深さで精度良く穿刺することができる。
【0020】
穿刺時は、押圧体から伝えられた穿刺体駆動力が押圧ロッド12に伝わり、この押圧ロッド12が穿刺体ガイド軸10の先端部とリング状構造体14の先端部との距離21だけ穿刺体ガイド軸10を押すのでこの距離21が穿刺体の前進及び後退の駆動距離になる。これにより、測定者に合った穿刺体6の長さで測定が行え、痛みや測定の失敗を防ぐことができる。また、本体2に深さ調節機構が設置されているため、本体2へ装着体3の装着の有無にかかわらず、穿刺体6の穿刺深さを調節でき、装着体3の製造コストを下げることができるので、測定者の経済的負担が軽減できるのは明らかである。
【0021】
【発明の効果】
本願発明の「ランセット一体型測定装置」により、皮膚の硬さ等による検体量の個人差を解消できると共に、患者の痛みを軽減させ、確実に測定のできるランセット一体型測定装置を提供することができる。その結果、検体量不足や過剰による測定の失敗を防ぐことができ、測定のやり直しの必要がなくなるので、測定者の経済的負担が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ランセット一体型測定装置の正面図
【図2】 センサの分解図
【図3】 装着体及び本体に延出形成した筒状部の断面図 (装着体に深さ調節機構を設置)
【図4】 リング状構造体の分解図(装着体に深さ調節機構を設置)
【図5】 装着体及び本体に延出形成した筒状部の断面図(本体に深さ調節機構を設置)
【図6】 リング状造体と止め具を有する突起状構造体の断面斜視図(本体に深さ調節機構を設置)
【図7】 リング状構造体の平面図(本体に深さ調節機構を設置)
【符号の説明】
1:測定装置
2:本体
3:装着体
4:LCD表示器
5:筒状部
6:穿刺体
7:前部筒状部
8:押圧部
9:センサ
10:穿刺体ガイド軸
11a:リング状構造体(装着体に設置)
11b:リング状構造体(本体に設置)
12:押圧ロッド
13:リード線
14:止め具
15:穿刺体の駆動距離(リング状構造体を装着体に設置した時)
16:コネクタ
17:ピン
18:バネ部材
19:貫通孔
20:突起状構造体
21:穿刺体の駆動距離(リング状構造体を本体に設置した時)
22:トンネル空間
23:コネクタ貫通孔
24:穿刺体ガイド軸貫通孔
25:突起上構造体貫通孔
26:作用極
27:対極
28:絶縁ベース板
29:検体通路
30:板状スペーサ
31:板状カバー

Claims (7)

  1. 本体と、この本体に装着して使用する装着体とを備えたランセット一体型測定装置であって、
    上記装着体は前進及び後退可能である穿刺体及びセンサを有し、
    上記本体は上記穿刺体を前進駆動してこの穿刺体に進出位置をとらせるための駆動機構を有し、
    上記装着体は、穿刺体の穿刺深さを調節する機構を具備し、
    上記穿刺体は後方に穿刺体ガイド軸を有し、
    上記駆動機構は上記穿刺体ガイド軸に駆動力を与える押圧ロッドを有し、
    上記穿刺体の穿刺深さを調節する機構は、段階的調節機構であり、
    上記段階的調節機構は上記前進及び後退方向に移動可能なリング状構造体を有し、
    上記押圧ロッドが上記リング状構造体の端面に干渉し、上記押圧ロッドの前進及び後退駆動の距離が変わることにより穿刺深さを調節することを特徴とするランセット一体型測定装置。
  2. 上記リング状構造体の前進及び後退駆動の距離は、段階的に位置を決めるための止め具により固定されることを特徴とする請求項1記載のランセット一体型測定装置。
  3. 上記止め具は上記装着体に固定して設けられ、かつ凹凸を有しており、
    上記リング状構造体は凹凸を有しており、両者の凹凸が噛み合うことにより上記リング状構造体を段階的に固定することを特徴とする請求項2記載のランセット一体型測定装置。
  4. 上記リング状構造体は、上記装着体に設けられており、かつ上記本体に上記装着体を装着していない状態において、上記止め具による固定位置を選択できることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のランセット一体型測定装置。
  5. 上記リング状構造体は、上記本体に設けられており、上記本体の外部から上記止め具による固定位置を選択できることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のランセット一体型測定装置。
  6. 上記装着体は、前進した上記穿刺体を後退させるためのバネ部材を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のランセット一体型測定装置。
  7. 上記センサは上記装着体の底壁に設けられ、上記バネ部材は上記センサの上方に組み込まれていることを特徴とする請求項6に記載のランセット一体型測定装置。
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