JP4464643B2 - 顕微鏡装置及び顕微鏡装置の制御方法 - Google Patents

顕微鏡装置及び顕微鏡装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、顕微鏡装置で用いられる技術に関し、特に、人手を介することなく観察標本を顕微鏡へ供給する技術に関する。
検査対象である観察標本を自動的に顕微鏡装置へ供給する自動供給機が従来幾つか提案されており(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、顕微鏡観察を行う検査工程の自動化の一翼を担っている。
また、このような自動供給機に関連し、顕微鏡装置において通常用いられているものよりも広い駆動範囲が得られる大きな電動ステージを取り付けて複数の標本の自動検査を可能とする技術が従来提案されている(例えば特許文献3参照)。
実開昭51−39533号公報 特開平10−96863号公報 特開平6−281553号公報
しかしながら、上掲した特許文献1や特許文献2で開示されているような自動供給機では、標本を保管するカセットと顕微鏡とのやり取りを行うために最低でも一次元以上の駆動機構が必要となる。このような自動供給機においては、移動の自由度を制限するためのガイド、移動のための駆動源や動力伝達部等、多くの部品を用いなければ構成することができないため、高価なものとなってしまう。また、特許文献3などで開示されている技術においても、装置全体の大型化により、通常サイズの電動ステージを用いている顕微鏡装置と比べて高価なものとなってしまう。そのため、このような自動供給機を導入することは検査対象の標本数が極めて多量の場合に限られてしまっている。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、少量の標本検査の自動化にも資するほどに廉価に実施することのできる、観察標本の顕微鏡装置への自動供給の手法を提供することである。
本発明の態様のひとつである顕微鏡装置は、移動可能なステージと、複数の標本を収容可能な標本収容手段と、当該ステージを移動させることによって、当該標本収容手段に収容されていた当該標本を取り出すと共に、当該ステージに載置する制御を行う移動制御手段と、当該ステージに載置されている当該標本の載置位置を、当該ステージを移動させることによって変化させる標本移動規制手段と、を有することを特徴とするものである。
この構成においては、標本収容手段からの標本の取り出しと、取り出された標本のステージ上における所定の位置(観察位置)への移動とを、ステージを移動させることによって行う。従って、このような構成とすることによって駆動機構を別途設けることなく観察標本を観察位置へと供給することが可能となり、そのための費用も低廉で済む。
ここで、標本移動規制手段は、例えば、ステージを移動させたときに標本が接触することによってその載置位置を変化させるようにすることができ、この場合には、標本移動規制手段を例えばピンとすることができる。
また、標本移動規制手段は、ステージから見て対物レンズの焦点面よりも遠くに配置されているようにしてもよい。
こうすることにより、標本と標本移動規制手段との衝突等による観察行為の障害が防止される。
また、標本移動規制手段をピンとするときには、このピンがバネ棒の構造を有するようにしてもよい。
ここで、「バネ棒」の構造とは、一方の端が閉じられている筒状の固定部の内部にバネ等の弾性体を挿入し、更にその固定部に棒状の可動部を挿入した構造であって、外力が作用していない場合には固定部から可動部が突出することによりピン全体が伸長している状態となる一方で、可動部を固定部へ押し込む方向の外力が印加されている場合には弾性体が縮んで可動部が固定部へ押し込まれてピン全体が収縮する構造をいうものとする。
この構成によれば、ピンの長さ方向に対して垂直の方向に標本が接触した場合のみ当該標本のステージ上における載置位置を変化させることができる。
また、前述した本発明に係る顕微鏡装置において、標本移動規制手段が標本の載置位置を変化させたときにステージ上における当該変化後の載置位置で当該標本を保持する標本保持手段を更に有するようにしてもよい。
この構成によれば、標本をステージ上の所定の観察位置へと供給した後にその位置で標本を保持させることができるので、安定した状態で標本観察を行うことができる。
また、本発明の別の態様のひとつである顕微鏡の制御方法は、顕微鏡装置に備えられているステージであって位置の移動の制御が可能な当該ステージを移動させることにより、複数の標本が収容可能な標本収容部に収容されている標本を当該ステージに載置させる制御を行い、当該標本が載置されている当該ステージを更に移動させて当該標本を当該標本収容部から取り出させる制御を行い、当該標本収容部から取り出された標本が載置されている前記ステージを更に移動させて当該標本の載置位置を当該ステージ上の所定の位置へ移動させる制御を行うようにすることを特徴とするものである。
こうすることにより、標本収容部からの標本の取り出しと、取り出された標本のステージ上における所定の位置(観察位置)への移動とを、ステージを移動させることによって行う。ここで、ステージ及び当該ステージの位置の移動制御を行う手段は従前の顕微鏡装置でも有しているものであるから、このような構成とすることによって駆動機構を別途設けることなく観察標本を観察位置へと供給することが可能となり、そのための費用も低廉で済む。
以上のように、本発明によれば、観察標本の顕微鏡装置への自動供給を、少量の標本検査の自動化にも資するほどに廉価に実施することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を実施する顕微鏡標本供給装置の構成を示しており、図2は図1に示されている一点鎖線Vにおけるこの顕微鏡標本供給装置の断面図である。
なお、以下の説明においては方向の説明を頻繁に行うため、三次元座標をここで定義しておく。すなわち、互いに直交するX、Y、Zの各軸の正方向(+方向)を、図1及び図2の各々右下部の矢印で示した方向と定義することとする。
電動顕微鏡1のステージホルダ4は光軸Wの方向のみに移動が可能である。この電動顕微鏡1は、出力軸がボールネジ16と締結されているZモータ17を備えている。ボールネジ16のナット16aはステージホルダ4に固定されている。
ステージホルダ4にはその移動方向と平行な面を有するZ遮光板18が設置されている。電動顕微鏡1にはZ遮光板18の位置を検出するZ検出器19が設置されている。なお、Z検出器19と対物レンズ2の焦点面UとのZ方向の距離は既知である。
電動顕微鏡1には対物レンズ2と接眼レンズとを備えた鏡筒3が取り付けられている。また、光軸Wに対して垂直な平面内、つまりXY平面内での二次元駆動が可能な電動ステージ5がステージホルダ4に取り付けられている。
この電動ステージ5の構成の詳細について図3を参照しながら説明すると、電動ステージ5には、ステージホルダ4に取り付けるための固定ステージ5aと、固定ステージ5aに対してY方向への移動が可能なYステージ5bと、Yステージ5bに対してX方向に移動が可能なXステージ5cとが備えられている。
この電動ステージ5の駆動部について、図2を参照しながら説明する。
固定ステージ5a及びXステージ5cには両端が固定されたX歯付ベルト20及びY歯付ベルト21がそれぞれ取り付けられている。このX歯付ベルト20及びY歯付ベルト21は、Yステージ5bに設置されたプーリ28を介して、Yステージ5bに固定されているXモータ22及びYモータ23各々の出力軸の出力歯車22a及び23aにそれぞれ噛合わされている。
また、Xステージ5cにはX方向に平行な平面を持つX遮光板24が設置されており、固定ステージ5aにはY方向に平行な平面を持つY遮光板25が設置されている。Yステージ5bにはこれら2つの遮光板24及び25の位置を検出するためのX検出器26及びY検出器27がそれぞれ設置されている。なお、X検出器26及びY検出器27の各々の光軸Wからの距離は既知である。
Xステージ5cには標本ホルダ6が取り付けられている。標本ホルダ6は、3インチ×1インチのスライドガラス上に固定された観察対象である標本7をYステージ5b上でX、Y方向に保持するためのものであり、標本保持手段である。この標本ホルダ6の構成について、図3を用いて説明する。
標本ホルダ6は、電動ステージ5への取付け部となるベース部6aと、可動部6b及び回転軸6cとを備えている。ベース部6a及び可動部6bには渦巻き形状のバネが接続されており、このバネの弾性作用によって可動部6bをベース部6aに対してZ方向+側より見て反時計方向へ付勢している。
外力が加わらない状態においては、X規制面6fとR規制面6gと間の最短の距離は標本7のX方向の長さよりも短くなるように設定されている。つまり、標本ホルダ6はX規制面6f、Y規制面6e、R規制面6gによって標本7をYステージ上5bに拘束可能とされている。従って、Xステージ5cの移動に対しても標本7は追従して移動する。
Z検出器19、X検出器26、及びY検出器27がそれぞれZ遮光板18、X遮光板24、及びY遮光板25を検出する位置でZモータ17、Xモータ22、及びYモータを停止させると、顕微鏡の光軸Wからの電動ステージ5の距離及び対物レンズの焦点面Uからの電動ステージ5の距離が認識可能となる。そこで、この検出位置を基準として、各モータ17、22、及び23を駆動させるためのコントローラ15からの出力を制御することにより、光軸Wと対物レンズ2の焦点面Uとに対する標本7の三次元位置制御が可能となる。
次に図4について説明する。同図は、標本7を収容する標本収容手段であるカセット8の構成を示している。
カセット8は標本7を小スペースに保管するため櫛歯形状の棚板部8aを4段備えている。棚板部8aの各々にはX方向で2箇所のX段差8bと、Y方向で同一面内に2箇所のY段差8cとが設けられており、標本7の位置を規制している。なお、各段差Dの高さは標本7の厚みtよりも低く設定されている。
棚板部8aには、X方向においては2箇所のX段差8b間の長さよりも短く、Y方向においてはY段差8cよりも長く切欠かれた空間部8eが設けられている。
なお、カセット8からの標本7を1枚取り出すときに他の標本7に干渉を生じないようにするために、電動ステージ5の先端にはYステージ5bのZ方向+側の面と同一にした(当該面と平らに接続される面を有する)アクセス部5dが2箇所設けられている。このアクセス部5dのZ方向の寸法(厚みT)は、
T=(棚板部8aのピッチP)−(標本7の厚みt)−(余裕値)
で算出される寸法とされている。
図3に示されているように、カセット8はこの顕微鏡標本供給装置に2つ装着される。ここで、X方向で−側のカセット8は標本供給用であり、+側のカセット8は標本排出用である。
次に、カセットホルダ9について図3を参照しながら説明する。
カセットホルダ9には、カセット8のX方向、Y方向、及びZ方向の移動を規制するためのカセット当付け面9aと、顕微鏡当付け面9bが設けられている。従って、カセットホルダ9にカセット8を装着すると、光軸Wと対物レンズの焦点面Uとに対するカセット内の標本7の三次元的な位置が定まる。
このカセットホルダ9は、カセット8が電動ステージ5のY方向の移動範囲でアクセス部5d以外の電動ステージ5とは干渉しない位置に設置される。
次に、電動ステージ5に載置された標本7の載置位置を変化させる標本移動規制手段である規制ピンについて、図1、図2、及び図3を参照しながら説明する。
第一規制ピン10、第二規制ピン11、第三規制ピン12、及び第四規制ピン13はいずれもピンホルダ14に固定されている。このピンホルダ14には電動顕微鏡1への取付面が設けられている。
第一規制ピン10及び第二規制ピン11、また第三規制ピン12及び第四規制ピン13のY方向での外周間距離は、標本7のY方向の長さよりも1mm(ミリメートル)だけ長く設定されており、各ピン10、11、12、及び13の底面は対物レンズ2の焦点面Uよりも1.2mmだけZ方向で+側の位置に設定されている。
これらの各規制ピン10、11、12、及び13は、標本ホルダ6を含む電動ステージ5の三次元移動に伴って電動ステージ5と標本7との相対位置を変化させるための規制部材となる。この作用は標本7のZ方向+側面を対物レンズ2の焦点面UよりZ方向+側に位置させた際に生じ、この位置よりも標本7がZ方向の−側に位置するとき、例えば標本観察位置Uでは作用しないので標本7の観察行為を妨げることがない。
つまり、これらの規制部材は電動ステージ5の狭い移動範囲を補い、標本観察に支障をきたすことなくカセット8と標本ホルダ6との間で標本7の移動を可能にしている。
なお、図2や図3に示されているように、本実施形態においては標本供給用に規制ピン10及び11を、排出用に規制ピン12及び13を設けている。これにより、標本の供給及び排出に必要な移動量をステージの少ない移動量で補うことができる。
次に、カセット8最下段の棚板部8aの標本7を標本ホルダ6へ移動させる動作について、図5及び図6を用いて説明する。
図5及び図6は図2においてmの符号が付されている一点鎖線での断面をどちらも図示しており、説明の便宜上、必要な部位で形状を簡略化したこのモデルを用いて説明する。
なお、これらの図において、白抜き矢印は工程の流れを示しており、右端の破線の矢印は標本ホルダ6を含んでいる電動ステージ5の次工程への移動方向を示している。
この動作の概要を始めに説明すると、電動ステージ5上において標本7を移動させようとする方向とは反対側の標本7の端面の近傍に規制ピン10、11、12、及び13の瑞面を合わせ、標本7を移動させたい方向と反対方向に電動ステージ7を移動させることで、電動ステージ5と標本7との相対的な位置を変えるというものである。
初め、カセット8から標本ホルダ6へ標本7を装着する際に、標本ホルダ6はX方向で最も−側(図2に示されている標本ホルダ6の位置)に位置させておく。
図5の(1)は、標本ホルダ6の上面(Z方向+側面)が対物レンズ2の焦点面Uに位置した標本観察位置を示す。
まず、カセット8の最下段の棚板部8aに装填されている標本7の底面(Z方向−側面)から0.3mm−側の位置にYステージ5bの上面(Z方向+側面)を移動させる。そして、電動ステージ5をY方向で+側に移動させ、電動ステージ5と一体となっているアクセス部5dのY方向の先端を標本7のY方向の+側の端面へ合わせる。これらの動作はカセット8内の標本7の下にアクセス部5dを挿入する動作である。
図5の(2)は、更に電動ステージ5をZ方向の+側に0.4mm(=0.3mm+α)だけ移動させ、カセット8の最下段の棚板部8aに装填されている標本7を電動ステージ5のアクセス部5dで持ち上げた状態(標本7がアクセス部5dに載置された状態)を示している。
次に、電動ステージ5をY方向で−側に移動させ、第一規制ピン10のY方向で最も−側の端より0.1mm−側に標本7のY方向+側の面を位置させる。この動作は第一規制ピン10と標本7との位置合わせの動作である。
図5の(3)は、電動ステージ5をZ方向で+側に移動させ、標本7のZ方向+側の面を対物レンズ2の焦点面Uよりも1mmだけ+側に移動させた状態を示している。
第一規制ピン10の底面は標本7の焦点面よりも上方+1.2mmに設定されているため、電動ステージ5をこのようにZ方向に+1mm上昇させても規制ピン10とYステージ5bとは衝突しないが、Y方向で第一規制ピン10の底面は標本7の厚みの中(Z方向での長さ)に位置することとなる。この動作は、第一規制ピンと標本とのZ方向での位置合わせの動作である。
図5の(4)は、電動ステージ5をY方向で+側に0.1mm移動し、標本7と第一規制ピン010とを接触させた後、電動ステージ5を更にY方向で+側に移動させた状態を示している。
標本7は第一規制ピン10で移動が規制される結果、標本7と電動ステージ5との相対的な位置が変化する。例えば電動ステージ5を50mm移動させると、Yステージ5bに対する標本7の相対的な位置はY方向で−側に49.9mm変化する。この動作は、第一規制ピン10によるYステージ5bと標本7との相対位置を移動させる動作である。
次に、電動ステージ5をZ方向で−側に2mm移動させた後、Y方向で−側に移動させて第二規制ピン11のY方向で最も−側の端より0.1mmだけY方向で−側に標本7のY方向+側の端面を位置させる。この動作は、標本7と第一規制ピン10若しくは第二規制ピン11との衝突を避けながら第二規制ピン11と標本7とを位置合せする動作である。
図6に移り、(5)は、電動ステージ5をZ方向で+側に移動させて標本7を対物レンズ2の焦点面UよりZ方向で+1mmだけ上昇させた状態を示している。この動作は、標本7と第二規制ピン11とのZ方向での位置合わせの動作である。
図6の(6)は、電動ステージ5をY方向で+側に0.1mm移動させて標本7と第二規制ピン11とを接触させた後、電動ステージ5を更にY方向で+側に移動させた状態を示している。このとき標本7は第二規制ピン11によって移動が規制されるため、電動ステージ5に対する標本7の相対的な位置が変化する。この動作は電動ステージ11によるYステージ5bと標本7との相対位置を移動させる動作であり、この動作によって標本7は標本ホルダ6に挿入されて装着され、標本ホルダ6によって保持されるようになる。
図6の(7)は、電動ステージ5をZ方向−側に、更にY方向−側に移動させ、標本7のZ方向+側面を対物レンズ2の焦点面Uに移動させた状態を示している。この状態が標本7の観察状態である。
なお、図5の(2)にはカセット8の最下段の棚板部8aに装填されている標本7を電動ステージ5のアクセス部5dで持ち上げた状態を示したが、カセット8内の下から2段目の棚板部8aの標本7をアクセス部5dで持ち上げたときには、図7に示すような状態となる。
次に、標本7を標本ホルダ6ヘ装着する際の動作を、図8を用いて説明する。
なお、図8において、白抜き矢印は工程の流れを示している。
図8の(1)は、標本7の装着前の標本7と標本ホルダ6との位置関係図である。標本ホルダ6のX規制面6fは、標本7のX方向の−側端面より寸法A(0.5mm程度)だけ−側に位置している。
図8の(2)は、電動ステージ5をY方向−側に移動させた結果、標本7が標本ホルダ6のR規制面6gに接触した状態を示している。
図8の(3)は、電動ステージ5をY方向−側に更に移動させた結果、標本7が標本ホルダ6のR規制面6gに接触した状態でX方向−側に移動し、標本7がX規制面6fに接触した状態を示している。
図8の(4)は、電動ステージ5をY方向−側に更に移動させた結果、標本7が標本ホルダ6に挿入されてY規制面6eに到達した状態を示している。
図8の(2)から(3)までの工程において、可動部6bが標本7に作用させる力(図8中に矢印にて表記)は、二つの第一規制ピン10の間を向いているので、標本7は電動ステージ5の移動に伴い向転してしまうことはなく、R規制面6gをなぞるようにX方向−側に移動する。標本ホルダ6のX規制面6fに標本7のX方向の−側端面が位置した後は、電動ステージ5の移動に伴い、標本7は可動部6bを回転させる。その後、電動ステージ5をY方向−側に更に所定量移動させると標本7は標本ホルダ6のY規制面6eに接する。このとき、標本ホルダ6のベース部6a及び可動部6bに接続されているバネの弾性力によって、標本7は可動部6bとX規制面6fとで挟持されるようになる。
ここで、光軸Wに対してカセット8内の標本7の位置は既知であるため、標本7を装着した際の電動ステージ5のY方向の移動量も既知となる。しかし、機械的寸法の誤差により標本ホルダ6のY規制面6eに標本7が確実に当付かない場合があるため、電動ステージ5のY方向での移動量は誤差を加味し多めに設定しておくとよい。
但し、このような機械的誤差が少ない場合には、多めに設定した移動量によって標本ホルダ6に標本7が当付いた後も、第二規制ピン11により標本7が押圧されるため、過負荷が標本7や電動ステージ5の駆動部に働くこととなって機械的損傷につながるおそれが生じる。そのため、第二規制ピン11はバネ定数の大きなバネ等の弾性体としておき、余分な移動量を第二規制ピン11が変形して吸収するようにしておくと、標本ホルダ6のY規制面6eに確実に標本7を当付けた上で機械的損傷を避けることが可能となる。
次に、標本ホルダ6から排出用のカセット8の最下段の棚板部8aに標本7を移動させる動作について、図9及び図10を用いて説明する。
図9及び図10は図2においてnの符号が付されている一点鎖線での断面をどちらも図示しており、説明の便宜上、必要な部位で形状を簡略化したこのモデルを用いて説明する。
なお、これらの図において、白抜き矢印は工程の流れを示しており、右端の破線の矢印は標本ホルダ6を含んでいる電動ステージ5の次工程への移動方向を示している。
初め、標本ホルダ6はX方向で最も+側に位置させておく。
図9の(1)は、は、標本7のZ方向+側面を対物レンズ2の焦点面に位置させた状態を示している。この状態は標本の観察状態であり、図6の(7)と同一の状態である。
図9の(2)は、電動ステージをY方向で+側に移動し、第三規制ピン12のY方向で最も+側の端よりY方向で0.1mmだけ+側に標本7のY方向−側の端面を位置させた後、電動ステージ5をZ方向+側に移動させ、対物レンズ2の焦点面UのZ方向で+側1mmにYステージ5bの+側面を位置させた状態を示している。この動作は、第三規制ピンと標本7とのY方向及びZ方向での位置合わせの動作である。
図9の(3)は、電動ステージ5をY方向で−側に移動させた状態を示している。この動作は、第三規制ピン12によってYステージ5bと標本7との相対位置を移動させる動作であり、標本7を標本ホルダ6から取り外す動作である。
図10に移り、(4)は、電動ステージ5をZ方向で−側に2mm移動させた後、標本7のY方向−側の端面を、第四規制ピン13のY方向+側の端面から0.1mmだけ+側に位置させた状態を示している。この動作は、第三規制ピン12と標本7との衝突を避けながら第四規制ピン13と標本7との位置合わせを行う動作である。
図10の(5)は、電動ステージ5をZ方向で+側に移動させた後、Y方向で−側に移動させて電動ステージ5のアクセス部5dと標本7のY方向での+側端面とを一致させた状態を示している。この動作は第四規制ピン12によって標本7とアクセス部5dとの位置合わせを行う動作であり、すなわち、標本7のカセット8ヘの装着前における電動ステージ5に対する標本7の位置合わせの動作である。
図10の(6)は、電動ステージ5をZ方向で−側に移動させた後、カセット8の最下段の棚板部8aよりもZ方向で+側0.3mmの位置にYステージ5bのZ方向+側面を合わせ、更に電動ステージ5をY方向の+側に移動させてから電動ステージ5をZ方向で−側に移動させた状態を示している。この動作は、標本7をカセット8ヘ装着させる動作であり、カセット8における目的の棚板部8aにY方向での位置合わせを行った後、その目的の棚板部8aに対してZ方向+側からステージを移動して標本7をアクセス部5dから棚板部8aへと移す動作である。
なお、本実施形態においては、アクセス部5dを装着用のものと排出用のものとでZ方向において同位置に設置したため、2つのカセット8のZ方向における同じ位置に標本7が存在すると、装着用のカセット8ヘの操作時に排出用のカセット8の標本も取り出すことになり、動作に不具合を生じることとなる。そこで、カセット8内からの標本7の取り出し及び排出はZ方向で−側から行うこととする。
以上のように、本実施形態によれば、電動ステージ5を含めた電動顕微鏡による三次元移動によって標本供給装置を実現するので、コストの高い駆動部を新たに設ける必要がなく、廉価に標本供給装置を提供することができる。
なお、上述した実施形態においては、電動ステージ5の移動と標本7の相対位置を変化させるための規制ピン10、11、12、及び13を固定式としていたが、その代わりに、図11に示す規制ピン201のような可動式のもの、すなわち、図12に示す規制ピン201、202、203、及び204を、内側に段差を持つ固定ピン201a、202a、203a、及び204aと、同様の段差を持つ可動ピン201b、202b、203b、及び204bと、弾性部材であるコイルバネ201c、202c、203c、及び204cとで構成する、いわゆる「バネ棒」の構造のものとしてもよい(なお、固定ピン202a、203a、及び204a、可動ピン202b、203b、及び204b、並びにコイルバネ202c、203c、及び204cについては図示を省略している)。
このバネ棒の構造とは、腕時計のバンドを時計本体に接続しているピンの両端部分等で採用されている構造であり、外力が作用していない場合にはコイルバネ201c、202c、203c、及び204cの弾性力によって可動ピン201b、202b、203b、及び204bが固定ピン201a、202a、203a、及び204aから突出して伸長する一方で、可動ピン201b、202b、203b、及び204bを固定ピン201a、202a、203a、及び204aへ押し込む方向の外力が印加されている場合には、コイルバネ201c、202c、203c、及び204cが縮んでその全長が収縮する構造である。なお、このとき、電動ステージ5のアクセス部5dは1箇所のみ設け、X方向で同一位置にカセット8を1個設けるようにする。
図12はカセット8から標本7を標本ホルダ6に装着する時の動作の一部を示しており、図6の(6)に相当する図である。
図12において、第A規制ピン201、第B規制ピン202、及び第C規制ピン203にはZ方向での外力が作用していないため、可動ピン201b、202b、及び203bはコイルバネ201c、202c、及び203cによってそれぞれ押圧され、固定ピン201a、202a、及び203cの内側段差に可動ピン201b、202b、及び203bの外側段差がそれぞれ当付く位置になる。一方、第D規制ピン204の可動ピン204bは、電動ステージ5の上昇に応じて標本7により持ち上げられている。
この図12の状態より、電動ステージ5をY方向で+側に移動させると、コイルバネ204cの弾性力によって標本7とYステージ5bとの間に摩擦カが作用するが、コイルバネ204cの弾性力は可動ピン201b、202b、203b、及び204dを外部力が加わらない状態で確実に固定ピン201a、202a、203c、及び204dの内側段差に当付く力を作用させる程度の小さな力であるので、Yステージ5b上を標本7が移動する際の摩擦力による抵抗は無視できるほど小さい。従って、前述した実施形態と同様の作用が生じる。
このように、規制ピンをバネ棒の構造とすることにより、標本7の大きさに制限されることなく、複数の規制ピンを配置できるので、前述した実施形態と同様の効果に加え、更にX方向で同一位置での標本7の出し入れが可能となり、カセット8の必要数量が削減される。
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
本発明を実施する顕微鏡標本供給装置の構成を示す図である。 図1に示した顕微鏡標本供給装置の断面図である。 電動ステージの構成の詳細を示す図である。 カセットの構成を示す図である。 標本の供給の様子を示す図(その1)である。 標本の供給の様子を示す図(その2)である。 標本をカセットから取り出す様子を示す図である。 標本の標本ホルダへの装着の様子を示す図である。 標本の排出の様子を示す図(その1)である。 標本の排出の様子を示す図(その2)である。 可動式の規制ピンの構造を示す図である。 可動式の規制ピンを用いた場合の標本の供給の様子を説明する図である。
符号の説明
1 電動顕微鏡
2 対物レンズ
3 鏡筒
4 ステージホルダ
5 電動ステージ
5a 固定ステージ
5b Yステージ
5c Xステージ
5d アクセス部
6 標本ホルダ
6a ベース部
6b 可動部
6c 回転軸
6e Y規制面
6f X規制面
6g R規制面
7 標本
8 カセット
8a 棚板部
8b X段差
8c Y段差
8e 空間部
9 カセットホルダ
9a カセット当付け面
9b 顕微鏡当付け面
10 第一規制ピン
11 第二規制ピン
12 第三規制ピン
13 第四規制ピン
14 ピンホルダ
15 コントローラ
16 ボールネジ
16a ナット
17 Zモータ
18 Z遮光板
19 Z検出器
20 X歯付ベルト
21 Y歯付ベルト
22 Xモータ
22a 出力歯車
23 Yモータ
23a 出力歯車
24 X遮光板
25 Y遮光板
26 X検出器
27 Y検出器
28 プーリ
201、202、203、204 規制ピン
201a、202a、203a、204a 固定ピン
201b、202b、203b、204b 可動ピン
201c、202c、203c、204c コイルバネ

Claims (7)

  1. 移動可能なステージと、
    複数の標本を収容可能な標本収容手段と、
    前記ステージを移動させることによって、前記標本収容手段に収容されていた前記標本を取り出すと共に、前記ステージに載置する制御を行う移動制御手段と、
    前記ステージに載置されている前記標本の載置位置を、前記ステージを移動させることによって変化させる標本移動規制手段と、
    を有することを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記標本移動規制手段は、前記ステージを移動させたときに前記標本が接触することによって前記載置位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 前記標本移動規制手段は、前記ステージから見て前記対物レンズの焦点面よりも遠くに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記標本移動規制手段はピンであることを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡標本供給装置。
  5. 前記ピンは、バネ棒の構造を有することを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡装置。
  6. 前記標本移動規制手段が前記標本の載置位置を変化させたときに前記ステージ上における当該変化後の載置位置で前記標本を保持する標本保持手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  7. 顕微鏡装置に備えられているステージであって位置の移動の制御が可能な前記ステージを移動させることにより、複数の標本が収容可能な標本収容部に収容されている標本を前記ステージに載置させる制御を行い、
    前記標本が載置されている前記ステージを更に移動させて前記標本を前記標本収容部から取り出させる制御を行い、
    前記標本収容部から取り出された標本が載置されている前記ステージを更に移動させて前記標本の載置位置を前記ステージ上の所定の位置へ移動させる制御を行う、
    ことを特徴とする顕微鏡装置の制御方法。
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