JP4473016B2 - 廃棄物の固化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物の固化処理方法に関する。更に詳しくは、廃棄物をセメントで固化して処理するにあたり、得られた固化生成物から廃棄物に含まれる有害物質の溶出を防止すると共に、得られた固化生成物の強度を向上させることができるようにしたものに関する。
ゴミ焼却施設から排出される焼却灰、下水道や食品工業などから発生する有機汚泥、金属工業などから発生する無機性汚泥、河川などに堆積する有機無機混合汚泥(いわゆるヘドロ)、製油工場などから発生する廃油、業務用厨房などに設置された油脂分離阻集器から発生する油状廃物等の一般廃棄物または産業廃棄物は、有害物質である重金属類、PCBまたはダイオキシン類等を含んでいる場合がある。よって、通常は、これら有害物質を溶出させないように固化し、廃棄処理する方法が採用されている。
例えば、これら有害物質を溶出させないように固化する方法として、セメントを用いる方法が提案されている。
しかしながら、単にセメントで廃棄物を固化しただけでは、雨水によって閉じ込めたはずの有害物質が溶出する問題があった。更に、廃棄物を含有することによって、固化生成物の強度を低下させてしまう等の問題もあった。
(本発明の目的)
そこで本発明の目的は、廃棄物処理剤を使用した廃棄物の固化処理方法であって、廃棄物をセメントで固化して処理するにあたり、得られた固化生成物から廃棄物に含まれる有害物質の溶出を防止すると共に、得られた固化生成物の強度を向上させることにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
廃棄物をセメントで固化して処理するにあたり、得られた固化生成物から廃棄物に含まれる有害物質の溶出を防止する廃棄物の固化処理方法であって、
水硬性物質と、粘土鉱物と、分散剤と、乳化剤と、水とを含む廃棄物処理剤を使用し、
上記廃棄物が焼却灰であり、当該焼却灰1000重量部に対して、
セメント 222重量部
廃棄物処理剤 122重量部
有害物質処理剤を含む混合物 16.65重量部
増粘 9.15重量部
セメント補強 0.44重量部
を配合して混練し、
上記廃棄物処理剤は、合計で100重量%になるように、
水硬性物質及び粘土鉱物の混合物 8重量%
分散剤及び乳化剤の混合物 80重量%
水 12重量%
を上記配合割合で混練したものであり、
上記水硬性物質及び粘土鉱物の混合物は、合計で100重量%になるように、
水硬性物質として、ポゾランクリンカー鉱物 20.0重量%
ドロマイトクリンカー鉱物 20.0重量%
粘土鉱物として、 ハロリサイト 20.0重量%
モンモリロナイト 20.0重量%
カオリン 20.0重量%
を上記配合割合で混合しながら粉砕したものであり、
得られた水硬性物質及び粘土鉱物の粉砕物25重量部に対して、水を75重量部の割合で加え、これを水硬性物質及び粘土鉱物の混合物とし、
上記分散剤と乳化剤の混合物は、合計で100重量%になるように、
分散剤として、リグニンスルホン酸塩 0.3重量%
塩化カルシウム 0.3重量%
ドデシルスルホン酸 0.2重量%
乳化剤として、メチルセルロース 0.7重量%
水 98.5重量%
を上記配合割合で混合したものであり、
上記有害物質処理剤を含む混合物として、合計で100重量%になるように、
亜硝酸カルシウム 7重量%
助剤 19重量%
有害物質処理剤 22重量%
水 52重量%
を上記配合割合で混練したものであり、
上記助剤として、合計で100重量%になるように、
凍結防止 26重量%
粉塵抑制 11重量%
中性劣化防止 23重量%
紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系吸収剤 13重量%
粘度調整剤 27重量%
を上記配合割合で混練したものであり、
上記有害物質処理剤は、合計で100重量%になるように、
塩化カルシウム 7重量%
メタロチオネイン 10重量%
フェライト 17重量%
カルボキシペタイン 6重量%
ケイ酸ナトリウム 17重量%
亜鉛ナトリウム 9重量%
塩化カルシウム 17重量%
ストロンチウムとモリブデン複合物 7重量%
酸化第二鉄または酸化チタン 10重量%
を混練したものであり、
上記材料を型枠に流し込み、固化生成物を得ることを特徴とする、
廃棄物の固化処理方法である。
対象廃棄物としては、例えば廃プラスチック類、ゴム屑、金属屑、ガラス屑、陶磁器屑、建築廃材、燃え殻、汚泥、廃油、業務用厨房などに設置された油脂分離阻集器から発生する油状廃物(グリストラップ)、廃酸、廃アルカリ、紙屑、木屑、繊維屑、動植物性残渣、鉱さい、動物の糞尿、煤塵(ごみ焼却施設において発生したもの、工場の排ガスを処理して得られるもの)、これら廃棄物を処分するために処理したもの、廃エアコン、廃テレビ、廃電子レンジに含まれるPCB使用部品、感染症廃棄物(血液等の医療廃棄物、鳥インフルエンザや牛海綿状脳症(BSE)に感染した動物の死骸や糞)廃PCB、PCB汚染物、指定下水汚泥、廃石綿等を挙げることができる。これらは対象廃棄物の例示であり、他の廃棄物も使用できることは当然である。
本発明によれば、下記に示す廃棄物処理剤と、セメントを廃棄物に加えて混練することにより、廃棄物を固化した固化生成物を得ることができる。これにより、固化生成物から廃棄物に含まれる有害物質が溶出することを防止すると共に、廃棄物を単にセメントで固化する場合と比べて、得られた固化生成物の強度を向上させることができる。更に使用するセメントの量を減らすことができる。この固化生成物はモルタル、コンクリートなどを作る骨材としても使用できる。
廃棄物処理剤は、水硬性物質と、粘土鉱物と、分散剤と、乳化剤と、水を含んでいる。
水硬性物質としては、ポゾランクリンカー鉱物やドロマイトクリンカー鉱物等といったクリンカー鉱物の粉砕物(粉砕クリンカー)や、ポルトランドセメントの主成分であるトライカルシウムシリケート、アルミナセメントの主成分であるアルミン酸カルシウム(カルシウムアルミネート)等を挙げることができる。
また、これらの水硬性物質に、シリカやフライアッシュを混合して使用することもできる。
粘土鉱物としては、ハロリサイト、モンモリロナイト、カオリン、バイデライト、マグネサイト等を挙げることができる。粘土鉱物は成形助剤として主に作用する。
分散剤としては、リグニンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸石灰塩、カルシウム、ドデシルスルホン酸、ナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合ナトリウム塩、クレオソート油スルホン酸、クレオソート油スルホン酸とホルマリンの縮合物の塩等を挙げることができる。
乳化剤としては、メチルセルロース等を挙げることができる。
水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、塩分を含む水(例えば海水)等を挙げることができる。なお、塩分を含む水を使用した場合は、亜硝酸カルシウムを用いることにより、廃棄物の固化処理が円滑に行われる。
水硬性物質、粘土鉱物、分散剤、乳化剤及び水は、上記したものに特に限定しない。
更に、上記した材料の他に、有害物質処理剤、早強剤、凍結防止剤、粉塵抑制剤、中性劣化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、pH安定剤、ガラスセラミックス、繊維質補強剤からなる群から選ばれた一または二以上を含んだものを廃棄物処理剤とすることもできる。
これにより、各配合剤の効果を備えた付加価値が高い固化生成物を得ることができる。
有害物質処理剤は、塩化カルシウム、メタロチオネイン、フェライト、リグニンスルホン酸塩、珪酸ナトリウム、カルボキシペタイン、亜鉛ナトリウム、ストロンチウム、モリブデン複合物、酸化第二鉄、過マンガン酸塩、次亜塩素酸ソーダ、キレート樹脂、硝酸、テオ硫酸ソーダ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸第ニ鉄、酸化鉛とグリセリンの混練物、ストロンチウムとモリブデン、あるいはその他公知のものを挙げることができ、廃棄物の種類に応じてこれらを単独でまたは混同して(一または二以上)使用できる。
塩化カルシウム及びメタロチオネインは、有害重金属に作用する。フェライト、リグニンスルホン酸塩及び珪酸ナトリウムは、6価クロムに作用する。カルボキシペタインは、金属イオン封鎖剤として作用するし、乳化剤や分散剤としても作用する。亜鉛ナトリウムは殺菌・解毒剤として作用する。ストロンチウム、モリブデン複合物、酸化第二鉄及び過マンガン酸塩は、水銀やセレンに作用する。次亜塩素酸ソーダは、シアンに作用する。キレート樹脂は有害重金属に作用する。硝酸は、pHを12以上に上げることによりカドミウムや鉛に作用する。テオ硫酸ソーダは脱塩素剤として作用する。酸化チタンは解毒・消臭・抗菌・浄澄作用を有する。酸化亜鉛は脱臭剤として作用する。硫酸第ニ鉄は消毒剤として作用する。酸化鉛とグリセリンの混練物は防さび剤として作用する。ストロンチウムとモリブデンは解毒剤として作用する。
有害物質処理剤を加えることにより、上記したような各有害物質を化学的に安定させて処理し(無害化し)、固化生成物から有害物質の溶出をより確実に防ぐことができる。
早強剤としては、亜硝酸カルシウム、ケイフッ化亜鉛、酸化カルシウム等を挙げることができる。
凍結防止剤としては、亜硝酸カルシウム、アルキルジメチルクロリド、酢酸カルシウム等を挙げることができる。
粉塵抑制剤としては、ジエタルノールアミド、スルホン塩分肢アルギルベンゼン酸、アミドエトキシレート等を挙げることができる。
中性劣化防止剤としては、酸化鉛とグリヒリンの混練物、フェノール樹脂等を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系吸収剤等を挙げることができる。
粘度調整剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を挙げることができる。
pH安定剤としては、公知のものを採用することができる。
ガラスセラミックスは、結晶化ガラスやデビトロセラミックスとも称され、ガラスとして成形した後、熱処理により、外部分がマイクロメートル単位の微結晶質からなるセラミックスとしたものである。成形が容易であるというガラスの利点を生かしながら、結晶化させることによって、一般的には耐熱性、機械的強度、電気的物性などの機能を向上させたものである。
繊維質補強剤としては、ガラスウール、石綿等を挙げることができる。繊維質補強剤を加えることにより、得られた固化生成物の強度を向上させることができる。
なお、上記した配合剤の他、セメント補強剤や増粘剤等の他のセメント配合剤を加え、これを廃棄物処理剤として使用することもできる。
セメント補強剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フラン樹脂等を挙げることができる。
増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、DVP、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム等を挙げることができる。
上記した廃棄物処理剤に加えるセメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強等)、シリカセメント、フライアッシュセメント、あるいはそれらの組み合わせ等を挙げることができる。
有害物質処理剤、早強剤、凍結防止剤、粉塵抑制剤、中性劣化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、繊維質補強剤、セメント補強剤、増粘剤、セメントは、上記したものに特に限定しない。
本発明に係る廃棄物の固化処理方法によって得られた混合物または混合物を含むものを造粒し、該造粒物を通気及び通水孔を備えた型枠内で加圧し、固化させることにより、透水性ブロックを得ることができる。
型枠は、多数の通気及び通水孔を備えているものであれば、特にその形状を限定しない。型枠の材質は特に限定しないが、例えば鉄やステンレス等の金属や、合成樹脂(硬質プラスチックなど)等を挙げることができる。
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)廃棄物処理剤は、水硬性物質と、粘土鉱物と、分散剤と、乳化剤と、水とを含んでおり、これをセメントと共に廃棄物に加えて混練することにより、廃棄物を固化して固化生成物が得られる。これにより、固化生成物から廃棄物に含まれる有害物質の溶出防止を図ると共に、得られた固化生成物の強度を向上させる。
(b)廃棄物処理剤は、有害物質処理剤、早強剤、凍結防止剤、粉塵抑制剤、中性劣化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤を含んでいる。よって、廃棄物処理剤を使用することにより、各配合剤の効果を備えた付加価値が高い固化生成物を得ることができる。例えば有害物質処理剤を用いれば、有害物質を化学的に安定させて処理し(無害化し)、固化生成物から有害物質の溶出をより確実に防ぐことができる。
(c)本発明に係る廃棄物の固化処理方法によって得られた混合物または混合物を含むものを造粒し、該造粒物を通気及び通水孔を備えた型枠内で加圧し、固化させることにより、透水性ブロックを製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
廃棄物である焼却灰1000重量部に対して、下記配合で各材料を混練した。これを型枠に流し込み、室温で1週間程度放置して養生し、固化生成物を得た。
(1) セメント :222重量部
(2) 廃棄物処理剤 :122重量部
(3) 有害物質処理剤を含む混合物 :16.65重量部
(4) 増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロース :9.15重量部
(5) セメント補強剤として、エポキシ樹脂 :0.44重量部
まず、上記した各材料のうち、(2)の廃棄物処理剤と、(3)の有害物質処理剤を含む混合物の詳細について説明する。
(廃棄物処理剤)
合計で100重量%になるように、各材料を下記の配合割合で混練した。
(2-1) 水硬性物質及び粘土鉱物の混合物 :8重量%
(2-2) 分散剤及び乳化剤の混合物 :80重量%
(2-3) 水 :12重量%
各材料の詳細は以下のとおりである。
(2-1)の水硬性物質及び粘土鉱物の混合物
合計で100重量%になるように下記配合割合で水硬性物質及び粘土鉱物を混合しながら、粉砕した。
水硬性物質 ポゾランクリンカー鉱物 :20.0重量%
ドロマイトクリンカー鉱物 :20.0重量%
粘土鉱物 ハロリサイト :20.0重量%
モンモリロナイト :20.0重量%
カオリン :20.0重量%
詳しくは、水硬性物質及び粘土鉱物の粉砕物100重量部に対して、エチレングリコールを5重量部の割合で加えた後、毎分120回転の粉砕ミルを用いて約72時間かけて粉砕し、約250メッシュ以下の微粉体を得た。エチレングリコールを加えることにより、円滑に微粉化することができる。
そして、得られた水硬性物質及び粘土鉱物の粉砕物25重量部に対して、水を75重量部の割合で加え、これを水硬性物質及び粘土鉱物の混合物とした。
(2-2)の分散剤と乳化剤の混合物
合計で100重量%になるように、下記の配合割合で混合した。混合は、各材料をそれぞれ水に溶かして水溶液としたものを最後に混ぜ合わせることで行った。
分散剤 リグニンスルホン酸塩 :0.3重量%
塩化カルシウム :0.3重量%
ドデシルスルホン酸 :0.2重量%
乳化剤 メチルセルロース :0.7重量%
水 :98.5重量%
(有害物質処理剤を含む混合物)
合計で100重量%になるように、各混合物を下記の配合割合で混練した。
(3-1) 早強剤(亜硝酸カルシウム):7重量%
(3-2) 助剤 :19重量%
(3-3) 有害物質処理剤 :22重量%
(3-4) 水 :52重量%
上記各材料のうち、(3-2)の助剤と(3-3)の有害物質処理剤の詳細は以下の通りである。
(3-2)の助剤
下記の材料を合計で100重量%になるように混練した。
凍結防止剤として、亜硝酸カルシウム :26重量%
粉塵抑制剤として、ジエタルノールアミド :11重量%
中性劣化防止剤として、フェノール樹脂 :23重量%
紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系吸収剤 :13重量%
粘度調整剤として、塩化カルシウム :27重量%
(3-3)の有害物質処理剤
下記の材料を合計で100重量%になるように混練した。
塩化カルシウム : 7重量%
メタロチオネイン :10重量%
フェライト :17重量%
カルボキシペタイン : 6重量%
ケイ酸ナトリウム :17重量%
亜鉛ナトリウム : 9重量%
塩化カルシウム :17重量%
ストロンチウムとモリブデン複合物 : 7重量%
酸化第二鉄または酸化チタン :10重量%
(1)有害物質の溶出試験
以上のようにして得られた固化生成物について、昭和48年環境庁告示第13号試験に準じて重金属を含む有害物質の溶出試験を行った。その結果を原料である焼却灰の溶出試験結果と共に下記表1に示す。表1から明らかなとおり、焼却灰から溶出していた鉛またはその化合物と六価クロム化合物は、固化生成物から検出されなかった。
Figure 0004473016
(2)圧縮強度試験
以上のようにして得られた固化生成物を骨材(細骨材及び粗骨材)とし、更に練り混ぜ水の代わりに上記した廃棄物処理剤、有害物質処理剤を含む混合物及び増粘剤を用いてコンクリート供試体を作製し、その圧縮強度試験をJIS A 1108に準じて行った。
コンクリート供試体は下記の配合で作製し、これをNo.1とした。
セメント :296重量部
細骨材(固化生成物) :780重量部
粗骨材(固化生成物) :1094重量部
水で100倍(容量換算)に希釈した廃棄物処理剤:163重量部
有害物質処理剤を含む混合物 :0.326重量部
増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロース :0.147重量部
また、水で200倍に希釈した廃棄物処理剤、水で300倍に希釈した廃棄物処理剤(共に容量換算)をそれぞれ用いた以外は、コンクリート供試体No.1と同じ配合でコンクリート供試体を作製し、これらをそれぞれコンクリート供試体No.2、No.3とした。
更に、骨材(細骨材及び粗骨材)として天然骨材である砕石を使用し、また廃棄物処理剤、有害物質処理剤を含む混合物及び増粘剤の代わりに水を用いてコンクリート供試体を作製し、これを対照例とした。配合比は以下の通りであり、これはJIS規格の標準配合である。
セメント :296重量部
細骨材(砕石) :780重量部
粗骨材(砕石) :1094重量部
水 :163重量部
対照例及びコンクリート供試体No.1〜No.3の圧縮強度の結果を表2に示す。
Figure 0004473016
表2の結果から明らかなとおり、廃棄物処理剤を使用することにより、天然骨材を用いた対照例よりも、コンクリートの強度を向上させることができる。更に、廃棄物処理剤を300倍まで希釈して使用しても、圧縮強度の著しい低下はなかった。これは、廃棄物処理剤を500倍まで希釈した場合も同じであった。
(3)凍結溶解試験におけるコンクリート供試体の形状、有害物質の溶出試験、圧縮強度と静弾性係数の測定、縦波超音波の伝播速度の測定
骨材として固化生成物25重量部と砕石75重量部を使用し、更に練り混ぜ水として水で50倍(容量換算)に希釈した廃棄物処理剤を用いた以外は、上記したコンクリート供試体No.1と同様にして供試体を作製し、これをNo.4とした。
また、骨材として砕石のみを使用し、更に練り混ぜ水として水道水を用いた以外は、上記コンクリート供試体No.4と同様にして供試体を作製し、これを対照例とした。
詳しくは、JIS A 1132に規定された作製方法に準じて10×10×40cmの角形供試体とし、20±2℃の恒温室で2週間養生後、凍結融解試験用の硬質ゴム容器に投入し、水道水を充填した。
凍結溶解試験は、土木学会基準のコンクリートの凍結融解試験方法(JSCE‐G501)に準じて−18℃〜+5℃のサイクルを1日に6サイクル行った。試験は、コンクリート供試体の養生後、直ちに開始し、凍結溶解の繰り返しが300サイクルを達した時点で終了した。なお、硬質ゴム容器内の水の一部は、コンクリート供試体から溶出した有害物質の成分濃度を測定するため、凍結融解試験経過中に定期的に抜き取った。抜き取った後は、液面が一定となるように水道水を適宜補充した。
3−1.凍結融解試験中のコンクリート供試体の形状
標準配合である対照例については、凍結融解試験180サイクルでコンクリート供試体の形状を留めず、崩壊した。これに対し、コンクリート供試体No.4では、凍結溶解試験終了の300サイクルまでその形状を留めた。
3−2.有害物質の溶出試験
凍結融解試験の開始度、10日間隔で50日にわたって融解時に硬質ゴム容器中の水を約100mL抜き取り、メンブレンフィルター(孔径0.45μm)にて懸濁成分を除去した後、焼却灰に含まれていた有害物質である硼素、砒素、カドミウム、全水銀、鉛、六価クロムの6項目について分析を行った。その結果を骨材の原料である焼却灰の溶出試験結果と共に下記表3に示す。
Figure 0004473016
表3の結果から明らかなとおり、焼却灰から溶出していた有害物質は、測定終了の50日間、いずれの項目についても検出されなかった。
3−3.圧縮強度と静弾性係数の測定
材齢28日におけるコンクリート供試体の圧縮強度と静弾性係数をJIS A1132、JIS A1149に準じて測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0004473016
表4の結果から明らかなとおり、圧縮強度と静弾性係数は、標準配合である対照例よりも大きい結果が得られた。
3−4.縦波超音波の伝播速度の測定
凍結融解の繰り返しによってコンクリート供試体が受けた損傷度を定量的に評価するために、縦波超音波の伝播速度を測定した。測定には、超音波非破壊試験機(東京三和商工株式会社製のSIT−021型)を使用した。
その結果、図1に示すような超音波速度の低下傾向が認められた。超音波の伝播速度は、一般に弾性波の伝播媒体である材料の動的剛性に依存している。標準配合である対照例では、凍結融解繰り返しにより急速に損傷を受けていることが確認できた。これに対し、コンクリート供試体No.4では、凍結融解繰り返し300サイクルに対し、10%以内の剛性低下に留まることが確認できた。
参考例1
廃棄物処理剤を構成する(2-1)の水硬性物質及び粘土鉱物の混合物以外は、実施例1と同じ材料、配合比、製造方法によって固化生成物を得た。
(2-1)の水硬性物質及び粘土鉱物の混合物
合計で100重量%になるように、各材料を下記配合割合で混練し、目的とする水硬性物質及び粘土鉱物の混合物を得た。
水硬性物質 ポゾランクリンカー鉱物 :2.86重量%
ドロマイトクリンカー鉱物 :2.44重量%
ガラスセラミックス(商品名「ハイロセラム」、米国 Corning社製)
:3.26重量%
ガラスウール :2.04重量%
粘土鉱物 ハロリサイト :4.08重量%
モンモリロナイト :1.63重量%
カオリン :1.63重量%
玄武岩(水玄武岩) :2.44重量%
リン酸ナトリウム :4.08重量%
強アルカリイオン水溶液(水酸化ナトリウム水溶液):75.54重量%
(有害物質の溶出試験及び圧縮強度試験)
得られた固化生成物について、実施例1と同様にして有害物質の溶出試験及び圧縮強度試験を行ったところ、固化生成物からの有害物質の溶出は検出されず、また標準配合の対照例に比べて圧縮強度が高い結果が得られた。
これは、ヘドロやグリストラップ等の他の廃棄物の固化についても同様であった。
参考例2
廃棄物処理剤を構成する(2-1)の水硬性物質及び粘土鉱物の混合物の以外は、実施例1と同じ材料、配合比、製造方法によって固化生成物を得た。
即ち、合計で100重量%になるように、下記配合割合で水硬性物質及び粘土鉱物を混合しながら、粉砕した。その後、実施例1と同様に、合計100重量部に対してエチレングリコールを5重量部の割合で加えた後、粉砕ミルを用いて粉砕し、この粉砕物25重量部に対して水を75重量部の割合で加え、目的とする水硬性物質及び粘土鉱物の混合物を得た。
(2-1)の水硬性物質及び粘土鉱物の混合物
水硬性物質 トライカルシウムシリケート:10.0重量%
アルミン酸カルシウム :10.0重量%
シリカ :15.0重量%
フライアッシュ :10.0重量%
粘土鉱物 バイデライト :10.0重量%
ハロリサイト :10.0重量%
マグネサイト :15.0重量%
カオリン :20.0重量%
(有害物質の溶出試験及び圧縮強度試験)
得られた固化生成物について、実施例1と同様にして有害物質の溶出試験及び圧縮強度試験を行ったところ、固化生成物からの有害物質の溶出は検出されず、また標準配合の対照例に比べて圧縮強度が高い結果が得られた。
参考例3
図2は、透水性ブロックの製造に使用するためのノズルを示す斜視説明図、
図3は、透水性ブロック用の型枠の一実施の形態を示す斜視説明図、
図4は、図3に示す型枠で製造した透水性ブロックを示す斜視説明図である。
参考例1と同じ配合で、焼却灰に、セメント、廃棄物処理剤、有害物質処理剤を含む混合物、増粘剤、セメント補強剤を加え、混練した。この混合物を、先端に多数の孔101が開いたノズル10(図2参照)を用いて押し出し、それと共に、押し出された混合物をカッター等の切断刃で所要の大きさ(粒径2.5〜40mm)に切断した。切断して得られた混合物を振動機等を用いて振動を加え、造粒した。このようにして得られた造粒物を6時間〜1週間程度養生し、骨材とした。
次いで、この骨材1874重量部に対して、セメント148重量部、廃棄物処理剤163重量部、有害物質処理剤を含む混合物0.326重量部、増粘剤0.1467重量部を加えて混練し、この混合物を下記の型枠本体2(図3参照)に流し込む。上記材料の種類は、参考例1と同じである。
図3を参照して、型枠1を説明する。
型枠1は、開口部21を備えた断面長方形状の型枠本体2を備えている。型枠本体2の開口部21は、平面視長方形状の押圧板3で塞ぐことができる。押圧板3は、型枠本体2に充填された混合物を押圧して加圧することができる。押圧板3の面積は、開口部21のそれよりもやや小さく、型枠本体2の内側面に沿って上下動させることができる。型枠本体2の側面部と底面部及び押圧板3には、直径が2〜5mmの通気及び通水孔4が多数貫通して設けてある。
以上説明した型枠本体2に、骨材を含む上記混合物を流し込みながら、振動機等で振動を加え、混合物を型枠本体2に密に充填していった。押圧板3で開口部21を塞ぎ、押圧機等で押圧板3を押圧した。これにより、充填された混合物に含まれる余分なセメントや水を通気及び通水孔4から外に排出した。
型枠1内の混合物がある程度固化したら、型枠1内から取り出した。そして、室温で1週間程度放置して養生し、透水性ブロック5(図4参照)を得た。
参考例4
図5は、透水性ブロック用の型枠の他の実施の形態を示す斜視説明図、
図6は、図5に示す型枠で得られた透水性ブロックを示す斜視説明図である。
参考例2と同様にして、廃棄物から得られた骨材から透水性ブロックの原料である混合物を得た。この混合物を下記の型枠本体2a(図5参照)に流し込んだ。
図5を参照して、型枠1aを説明する。
型枠1aは、参考例1で説明した型枠1(図3参照)と形状が異なるだけで、その基本構造は同じか大体同じである。型枠1aは、円形の開口部21aを備えた有底円筒状(一端側が塞がれた筒状)の型枠本体2aを有している。開口部21aは、型枠本体2aに充填される混合物を押圧して加圧可能な平面視円形の押圧板3aで塞ぐことができる。
型枠本体2aの側面部と底面部及び押圧板3aには、直径が2〜5mmの通気及び通水孔4が多数貫通して設けてある。その他の構造は、参考例3で説明した型枠1(図3参照)と同じか大体同じであるため、説明を省略する。
参考例3と同じ手順で、型枠1aに造粒された骨材を含む混合物を流し込み、固化させることで、円柱形状の透水性ブロック5a(図6参照)を得た。
参考例5
図7は、透水性ブロック用の型枠の更に他の実施の形態を示す斜視説明図、
図8は、型枠本体に押圧体を嵌め入れた状態を説明するための図7のI−I部分に対応する断面を示す概略説明図、
図9は、図7の型枠で得られた透水性ブロックを示す斜視説明図である。
参考例2と同様にして、廃棄物から得られた骨材から透水性ブロックの原料である混合物を得た。この混合物を下記の型枠本体2b(図7参照)に投入した。
図7を参照して、型枠1bを説明する。
型枠1bを使用することにより、図9に示すような、軸心方向に貫通孔51を有する円柱状の透水性ブロック5bを成形することができる。
図7に示す型枠1bは、開口部21bを備えた略円筒状の型枠本体2bを有している。
型枠本体2bの底面部のほぼ中央には、円形状の開口部22が形成されている。開口部22には、押圧体3bの棒状の突部である挿入部31を嵌め入れることができる。
型枠本体2bの開口部21bは、上記した棒状の挿入部31を備えた押圧体3bで塞ぐことができる。押圧体3bは、型枠本体2bに充填される混合物を押圧して加圧することができる大きさで形成されている。型枠本体2bの側面部と底面部及び押圧板3bには、直径が2〜5mmの通気及び通水孔4が多数貫通して設けてある。押圧体3bにも同様に通気及び通水孔4が多数貫通して設けてある。
図8を参照する。
以上説明した型枠本体2bの開口部22に、押圧体3bの挿入部31を嵌め入れる。そして、押圧体3bと型枠本体2bの隙間から廃棄物から得られた骨材を含む混合物を密に充填する。その後、参考例3と同様に、押圧機等で押圧体3bを押圧して余分なセメントや水を通気及び通水孔4から外へ排出する。その後は同様に、型枠1bから取り出して養生することにより、軸心部に貫通孔51を有する円柱状の透水性ブロック5b(図9参照)を得た。
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は実施例に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
縦波超音波の伝播速度の測定結果を示すグラフ。 透水性ブロックの製造に使用するためのノズルを示す斜視説明図。 透水性ブロック用の型枠の一実施の形態を示す斜視説明図。 図3に示す型枠で製造した透水性ブロックを示す斜視説明図。 透水性ブロック用の型枠の他の実施の形態を示す斜視説明図。 図5に示す型枠で得られた透水性ブロックを示す斜視説明図。 透水性ブロック用の型枠の他の実施の形態を示す斜視説明図。 型枠本体に蓋体を嵌め入れた状態を説明するための図7のI−I部分に対応する断面を示す概略説明図。 図7の型枠で得られた透水性ブロックを示す斜視説明図。
1,1a,1b 型枠
2,2a,2b 型枠本体
3,3a,3b 押圧体
4 通気及び通水孔
5,5a,5b 透水性ブロック
10 ノズル
21,21a,21b 開口部
22 開口部
31 挿入部
51 貫通孔
101 孔

Claims (1)

  1. 廃棄物をセメントで固化して処理するにあたり、得られた固化生成物から廃棄物に含まれる有害物質の溶出を防止する廃棄物の固化処理方法であって、
    水硬性物質と、粘土鉱物と、分散剤と、乳化剤と、水とを含む廃棄物処理剤を使用し、
    上記廃棄物が焼却灰であり、当該焼却灰1000重量部に対して、
    セメント 222重量部
    廃棄物処理剤 122重量部
    有害物質処理剤を含む混合物 16.65重量部
    増粘 9.15重量部
    セメント補強 0.44重量部
    を配合して混練し、
    上記廃棄物処理剤は、合計で100重量%になるように、
    水硬性物質及び粘土鉱物の混合物 8重量%
    分散剤及び乳化剤の混合物 80重量%
    水 12重量%
    を上記配合割合で混練したものであり、
    上記水硬性物質及び粘土鉱物の混合物は、合計で100重量%になるように、
    水硬性物質として、ポゾランクリンカー鉱物 20.0重量%
    ドロマイトクリンカー鉱物 20.0重量%
    粘土鉱物として、 ハロリサイト 20.0重量%
    モンモリロナイト 20.0重量%
    カオリン 20.0重量%
    を上記配合割合で混合しながら粉砕したものであり、
    得られた水硬性物質及び粘土鉱物の粉砕物25重量部に対して、水を75重量部の割合で加え、これを水硬性物質及び粘土鉱物の混合物とし、
    上記分散剤と乳化剤の混合物は、合計で100重量%になるように、
    分散剤として、リグニンスルホン酸塩 0.3重量%
    塩化カルシウム 0.3重量%
    ドデシルスルホン酸 0.2重量%
    乳化剤として、メチルセルロース 0.7重量%
    水 98.5重量%
    を上記配合割合で混合したものであり、
    上記有害物質処理剤を含む混合物として、合計で100重量%になるように、
    亜硝酸カルシウム 7重量%
    助剤 19重量%
    有害物質処理剤 22重量%
    水 52重量%
    を上記配合割合で混練したものであり、
    上記助剤として、合計で100重量%になるように、
    凍結防止 26重量%
    粉塵抑制 11重量%
    中性劣化防止 23重量%
    紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系吸収剤 13重量%
    粘度調整剤 27重量%
    を上記配合割合で混練したものであり、
    上記有害物質処理剤は、合計で100重量%になるように、
    塩化カルシウム 7重量%
    メタロチオネイン 10重量%
    フェライト 17重量%
    カルボキシペタイン 6重量%
    ケイ酸ナトリウム 17重量%
    亜鉛ナトリウム 9重量%
    塩化カルシウム 17重量%
    ストロンチウムとモリブデン複合物 7重量%
    酸化第二鉄または酸化チタン 10重量%
    を混練したものであり、
    上記材料を型枠に流し込み、固化生成物を得ることを特徴とする、
    廃棄物の固化処理方法。
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